JP2007242932A - 固体電解コンデンサの製造方法および伝送線路素子の製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法および伝送線路素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ESR(等価直列抵抗)特性、LC(漏れ電流)特性等の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサの製造方法、および伝送線路素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 弁作用金属の表面に形成された誘電体酸化皮膜上に導電性高分子化合物層を形成する工程と、1分子中にカルボニル基と水酸基をそれぞれ1個以上有する脂肪族もしくは芳香族の有機酸、または有機酸の塩を含む酸性溶液中に導電性高分子化合物層が形成された素子を浸漬する工程と、導電性高分子化合物層上に、グラファイト層を形成後、銀塗料層を形成する工程を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法および伝送線路素子の製造方法に関し、詳しくは、電解質として導電性高分子化合物を用いた固体電解コンデンサの製造方法および伝送線路素子の製造方法に関する。
従来、基板に表面実装されて使用される、導電性高分子化合物を電解質として用いた素子としては固体電解コンデンサおよびコンデンサとフィルタの特性を併せ持った伝送線路素子などがあり、ESR(等価直列抵抗)が小さいことから近年よく用いられてきている。特許文献1には、導電性高分子化合物を電解質として用いた、樹脂モールドされたチップ型の固体電解コンデンサの製造方法が記載されている。
図1は導電性高分子化合物を電解質として用いた一般的なチップ型の固体電解コンデンサを説明する図で、図1(a)は固体電解コンデンサの断面図、図1(b)は図1(a)のA部分の拡大図である。図1(a)及び図1(b)を参照して、固体電解コンデンサ10の製造について説明する。
弁作用金属粉末の焼結体11からなる陽極の表面に誘電体酸化皮膜2を形成し、その誘電体酸化皮膜2上に密接して化学酸化重合により、導電性高分子化合物層3を形成する。更に、グラファイト粉末含有懸濁溶液に浸漬し、導電性高分子化合物層3上にグラファイト層4を形成し、その上に銀導電層5を形成して、陰極層を形成する。さらに、陰極層に導電性ペースト6を塗布して、陰極端子8と陰極層を接続し、弁作用金属粉末の焼結体11から引き出された陽極リード11aに陽極端子9を接続し、外装樹脂7で外装を施して固体電解コンデンサ10を得ている。
前述した従来技術による固体電解コンデンサを製造するには、誘電体酸化皮膜形成後、化学酸化重合あるいは電解重合により導電性高分子化合物層を形成後、グラファイトペースト、銀ペーストを塗布・乾燥してコンデンサ素子を完成させているが、導電性高分子化合物層の低ESR(等価直列抵抗)化が望まれており、また、導電性高分子化合物層の形成時に誘電体酸化皮膜の劣化が生じたりすると漏れ電流が大きくなることがあった。
特許文献2においては、導電性高分子化合物層形成後のコンデンサ素子を電解質溶液に浸漬し電気化学的に誘電体酸化皮膜の修復を行う提案がなされているが、低ESR化には寄与しないものであった。
特開平11−121281号公報 特開2001−85276号公報
そこで、本発明の技術的課題は、誘電体酸化皮膜の損傷等によるLC(漏れ電流)特性、ESR特性等の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサの製造方法、および伝送線路素子の製造方法を提供することにある。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法、および伝送線路素子の製造方法は、弁作用金属の表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子化合物層を形成する工程と、1分子中にカルボニル基と水酸基をそれぞれ1個以上有する脂肪族もしくは芳香族の有機酸、または前記有機酸の塩を含む酸性溶液中に、前記導電性高分子化合物層が形成された素子を浸漬する工程と、前記導電性高分子化合物層上に、グラファイト層を形成後銀塗料層を形成する工程を含むことを特徴とする。
また前記酸性溶液の溶媒が、水、有機溶媒または水と有機溶媒との混合溶媒のいずれかであるとよい。
また、前記有機酸の塩が、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩の少なくとも1個を含むとよい。
また、前記酸性溶液に界面活性剤または乳化剤を含むとよい。
また、前記導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フラン及び、それらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなるとよい。
また、前記酸性溶液中に浸漬する工程は、浸漬中に電圧印加処理を行なう工程を含むとよい。
本発明によれば、導電性高分子化合物層を形成後に酸性溶液に浸漬することにより、酸性溶液中の例えばカルボニル基と水酸基を含む有機酸あるいはその塩がドーパントとしての作用を生じ、導電性の向上した導電性高分子化合物層となり、電気的特性であるESRが低い固体電解コンデンサの製造方法および伝送線路素子の製造方法を提供することができる。
また、酸性溶液に浸漬しながら、電圧印加処理を実施することにより、導電性高分子化合物層のヒーリング現象が生じて、誘電体酸化皮膜の耐圧不足部分を絶縁化してLC特性の工程能力の向上ができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。前述したが図1は導電性高分子化合物を電解質として用いた固体電解コンデンサを説明する図である。図2は導電性高分子化合物を電解質として用いた固体電解コンデンサの要部を説明する断面図である。図3は固体電解コンデンサの導電性高分子化合物形成後の電圧印加処理工程の模式図である。
Al、Ta、Nb、Tiなどの弁作用金属を図1に示すように粉末成型した後、焼結体11とするか、図2に示すように箔をエッチング等により拡面化して弁作用金属拡面化層1を形成した後、電気化学的方法で酸化皮膜を形成することにより誘電体酸化皮膜2を形成する。次に、誘電体酸化皮膜2上に密接して、導電性高分子化合物水溶液を塗布もしくは浸漬、乾燥し、導電性高分子化合物層3を形成する。導電性高分子化合物層3はさらに化学酸化重合又は電解重合によって形成する。ここで、導電性高分子化合物水溶液として、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
その後、酸性溶液に浸漬する。酸性溶液の溶媒は水またはジメチルスルホオキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチルラクトン、エチレングリコール等の有機溶媒または有機溶媒と水を含む混合溶媒でも良い。酸性溶液は、1分子中にカルボニル基と水酸基をそれぞれ1個以上有する脂肪族もしくは芳香族の有機酸、またはその有機酸の塩を含むことにより、導電性高分子化合物に対するドーパントとして作用し、ESR特性が向上する。有機酸、またはその有機酸の塩としては、クエン酸、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸三ナトリウム、クエン酸鉄、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、及び、その塩、または、ボロジサリチル酸テトラエチルアンモニウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸、4‐ブロモフェニルホウ酸、テトラフルオロホウ酸トリフェニルカルベニウム、ペルオキソホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリイソプロピル、テトラフルオロホウ酸ナトリウムがあげられる。有機酸、またはその有機酸の塩の濃度は0.1〜5.0重量%が好ましく、浸漬時間は1〜5分が好ましい。1分未満では内部に充分浸透しないことがある。また、酸性溶液中には、界面活性剤もしくは、乳化剤を添加することにより、微細孔部への溶液の侵入を向上させることができる。界面活性剤としては例えばドデシルベンゼンスルホン酸があげられ、乳化剤としては例えばアルキルアミンオキサイドがあげられる。
このとき、同時に図3に示すように導電性高分子化合物層を形成した素子12を酸性溶液13に浸漬し、陽極リード11a側を陽極として電圧印加処理することにより、導電性高分子化合物層の形成時等に劣化した誘電体酸化皮膜の修復をすることもできる。
その後、導電性高分子化合物層3の上に、グラファイトペーストを塗布もしくは浸漬、乾燥し、グラファイト層4を形成する。さらに、銀ペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し、グラファイト層4上に銀導電層5を形成する。上記に述べたようにして形成された銀導電層5を陰極として、陰極端子8と導電性ペースト6で接続し、陽極リード11aと陽極端子9を接続して端子を引き出し、外装樹脂7により外装し、捺印、検査を行って、固体電解コンデンサとする。
ところで、上記工程中で、弁作用金属の中央部に拡面化層、誘電体酸化皮膜、導電性高分子化合物層、グラファイト導電層、銀導電層を順に形成して、弁作用金属の両端に一対の陽極端子、銀導電層を最上層とする陰極層に陰極端子を夫々接合すれば、一対の陽極端子と陰極端子の3端子を備えた伝送線路素子とすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
図4は伝送線路素子の断面図である。
まず、アルミ箔をエッチングすることにより拡面化された弁作用金属拡面化層1に、電気化学的方法により、耐電圧10Vの誘電体酸化皮膜2を形成する。その後、0.1Mドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄のメタノール溶液に1分間浸漬し、0.1Mピロールモノマーのメタノール溶液に1分間浸漬した後、室温で15分間保持して、化学酸化重合とドーピングを同時に行ない、この操作を15回繰り返し導電性高分子化合物層3を形成した。
次に、0.1重量%のボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウム水溶液に浸漬すると同時に電圧を徐々に8Vになるまで昇圧し20分間電圧印加を行い、導電性高分子化合物層3にボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウムをドーパントとして作用させるとともに、誘電体酸化皮膜2の修復を行なう。その後、グラファイト層4、銀導電層5を形成し、銀導電層5に陰極端子8を接続し、弁作用金属拡面化層1の両端に一対の陽極端子9を接続し、外装樹脂7により外装し伝送線路素子を作製した。
(実施例2)
実施例1で用いた0.1重量%のボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウム水溶液の溶媒を水に替えてエチレングリコールとし1.0重量%のボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウムとした以外は、実施例1と同様に伝送線路素子を作製した。
(実施例3)
実施例1で用いた0.1重量%のボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウム水溶液に替えて1.0重量%のクエン酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に伝送線路素子を作製した。
(実施例4)
実施例1で用いた0.1重量%のボロジサリチル酸テトラメチルアンモニウム水溶液に乳化剤として、アルキルアミンオキサイドを0.1重量%添加した以外は、実施例1と同様に伝送線路素子を作製した。
(比較例)
導電性高分子化合物層を形成した後、1.0重量%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、その後、グラファイト層、銀導電層を形成した以外は、実施例1と同様に伝送線路素子を作製した。
実施例1〜実施例4と比較例により作製した伝送線路素子の静電容量(120Hz)、ESR(等価直列抵抗;100kHz)、漏れ電流(2.5V印加60秒値)について表1に示す。
Figure 2007242932
表1からわかるように、比較例1に対して、実施例1〜実施例4において、ESRの低減、漏れ電流の低減効果が見られる。これは、本実施例にあげられた材料のドーパント効果がみられるとともに、電圧印加を実施することにより、導電性高分子層のより効果的な絶縁化効果の表れといえる。これにより、本発明にて、ESR、漏れ電流の低い、伝送線路素子が得られることになる。
以上説明したように、導電性高分子化合物層形成後に、前記酸性溶液に浸漬すること、もしくは、浸漬しながら電圧印加処理を実施することにより、ESR特性が低く、且つ、LC特性の工程能力が向上した固体電解コンデンサの製造方法、および伝送線路素子の製造方法を提供することができる。本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、電子機器、電気機器に用いられるコンデンサに適用される。また、本発明に係る伝送線路素子の製造方法は、電子機器、電気機器、特に、デカップリング回路に用いられる伝送線路素子に適用される。
導電性高分子化合物を電解質として用いた固体電解コンデンサを説明する図、図1(a)は固体電解コンデンサの断面図、図1(b)は図1(a)のA部分の拡大図。 導電性高分子化合物を電解質として用いた固体電解コンデンサの要部を説明する断面図。 固体電解コンデンサの導電性高分子化合物形成後の電圧印加処理工程の模式図。 伝送線路素子の断面図。
符号の説明
1 弁作用金属拡面化層
11 焼結体
11a 陽極リード
2 誘電体酸化皮膜
3 導電性高分子化合物層
4 グラファイト層
5 銀導電層
6 導電性ペースト
7 外装樹脂
8 陰極端子
9 陽極端子
10 固体電解コンデンサ
12 導電性高分子層を形成した素子
13 酸性溶液

Claims (7)

  1. 弁作用金属の表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子化合物層を形成する工程と、1分子中にカルボニル基と水酸基をそれぞれ1個以上有する脂肪族もしくは芳香族の有機酸、または前記有機酸の塩を含む酸性溶液中に前記導電性高分子化合物層が形成された素子を浸漬する工程と、前記導電性高分子化合物層上に、グラファイト層を形成後に銀塗料層を形成する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 弁作用金属の表面を拡面化した弁作用金属拡面化層に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子化合物層を形成する工程と、1分子中にカルボニル基と水酸基をそれぞれ1個以上有する脂肪族もしくは芳香族の有機酸、または前記有機酸の塩を含む酸性溶液中に前記導電性高分子化合物層が形成された素子を浸漬する工程と、前記導電性高分子化合物層上に、グラファイト層を形成後に銀塗料層を形成する工程を含むことを特徴とする伝送線路素子の製造方法。
  3. 前記酸性溶液の溶媒が、水、有機溶媒または水と有機溶媒との混合溶媒のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法、または請求項2に記載の伝送線路素子の製造方法。
  4. 前記有機酸の塩が、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩の少なくとも1個を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法、または伝送線路素子の製造方法。
  5. 前記酸性溶液に界面活性剤または乳化剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法、または伝送線路素子の製造方法。
  6. 前記導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フラン及び、それらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法、または伝送線路素子の製造方法。
  7. 前記酸性溶液中に浸漬する工程は、浸漬中に電圧印加処理を行なう工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法、または伝送線路素子の製造方法。
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