JP2007256265A - 時計用文字板および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること。
【解決手段】時計用文字板1’は、主としてポリカーボネートで構成された基材2と、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層3と、入射した光を偏光させる機能を有する偏光体4と、着色剤を含む材料で構成された着色層5と、拡散剤を含む材料で構成された拡散層6とを有している。ニオブ酸化物層3は主としてNbで構成されたものである。また、ニオブ酸化物層3の厚さは5〜90nmである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、時計用文字板および時計に関する。
時計用文字板には、実用品としての優れた視認性とともに、装飾品としての優れた美的外観が要求される。従来、このような目的を達成するために、一般に、時計用文字板の構成材料として、Au、Ag等の金属材料を用いてきた。
また、一方で、生産コストの低減や、時計用文字板の成形の自由度を向上させる等の目的で、基材としてプラスチックを用い、その表面に、金属材料で構成された被膜を形成する試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、プラスチックは、一般に、金属材料との密着性に劣っている。このため、基材と被膜との間での剥離が生じ易く、時計用文字板の耐久性に劣るという問題点があった。
また、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を備えた時計)では、時計用文字板に電磁波(電波、光)の透過性が求められる。このため、このような時計用文字板としては、プラスチック製のものが用いられてきたが、プラスチックは高級感に欠けるため、時計用文字板の美的外観を向上させる目的で、金属材料で構成された薄膜で被覆する試みがある。しかしながら、上記のように、プラスチックは金属材料との密着性に劣るという問題点があった。また、電磁波(電波、光)の透過性を高めるためには、薄膜の厚さを十分に薄くする必要があるが、このような場合、時計用文字板全体としての美的外観が低下するという問題点があった。
特開2003−239083号公報(第4頁左欄第37〜42行目)
本発明の目的は、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することにある。
このような目的は下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板は、主としてポリカーボネートで構成された基材と、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層とを有することを特徴とする。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、前記ニオブ酸化物層は、主としてNbで構成されたものであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観および耐久性をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ニオブ酸化物層の厚さが5〜90nmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記基材は、金属粉末を含むものであるのが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、基材の強度や、基材とニオブ酸化物層との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記基材中における前記金属粉末の含有率が10〜40wt%であるのが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、基材の強度や、基材とニオブ酸化物層との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を偏光させる機能を有する偏光体を、前記基材の前記ニオブ酸化物層が設けられている側の面とは反対の面側に備えていることが好ましい。
これにより、光の透過率を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、着色剤を含む材料で構成された着色層を、前記基材と前記偏光体との間に有することが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記着色層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、偏光体の基材に対する密着性等を向上させることができ、その結果、時計用文字板の耐久性(特に、耐衝撃性)等を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成された拡散層を、前記基材と前記偏光体との間に有することが好ましい。
これにより、時計用文字板を、高級感にあふれる光沢感があり、特に優れた美的外観を有するものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記拡散層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、偏光体の基材に対する密着性等を向上させることができ、その結果、時計用文字板の耐久性(特に、耐衝撃性)等を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ニオブ酸化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観は、特に優れたものとなる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観および耐久性に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板(第1実施形態)>
図1は、本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の時計用文字板1は、主としてポリカーボネートで構成された基材2と、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層3とを有している。本発明では、「主として」とは、対象としている部位を構成する材料のうち最も含有量の多い成分を指し、その含有量は特に限定されないが、対象としている部位を構成する材料の50wt%以上であることが好ましく、55wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることがさらに好ましい。
このような時計用文字板1は、特に限定されないが、通常、基材2のニオブ酸化物層3で被覆された面側が外表面側、すなわち、観察者側となるようにして用いられるものである。以下の説明では、特に断りのない限り、時計用文字板1は、基材2のニオブ酸化物層3で被覆された面側(図中上側)が外表面側を向くようにして用いられるものとして説明する。
[基材]
基材2は、主としてポリカーボネート(PC)で構成されたものである。本発明では、基材2に必要とされる要件の一つとして、電磁波(電波、光)の透過性が挙げられる。ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも、特に透明性が高く、かつ優れた電磁波の透過性を有しているため、基材2の電磁波の透過性を特に優れたものにすることができる。さらに、ポリカーボネートで構成された基材2の屈折率は、後述するニオブ酸化物層3の屈折率よりも低く、この屈折率の違いにより、基材2と後述するニオブ酸化物層3との界面、および基材2のニオブ酸化物層3で被覆された面側とは反対の表面(図中下側)において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは優れた寸法安定性(成形後、変形しにくい)を有しており、ポリカーボネートで構成された基材2と後述するニオブ酸化物層との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、基材2がポリカーボネートを含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の製造時においては、基材2の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の時計用文字板1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストの低減に寄与することができる。
主としてポリカーボネートで構成された基材2の屈折率は、特に限定されないが、1.55〜1.60であるのが好ましく、1.58〜1.59であるのがより好ましい。これにより、基材2とニオブ酸化物層3との界面、および基材2のニオブ酸化物層3が被覆された側の面とは対向する側の表面において、光をより好適に反射、屈折させることができる。結果として、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
また、基材2には、金属粉末が含まれていてもよい。これにより、基材2に入射した光を乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観、特に、光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。より詳しく説明すると、後に詳述するニオブ酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果と、基材2が金属粉末を含むことによる効果とが相乗的に作用し合い、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、基材2の強度や、基材2とニオブ酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
基材2中に含まれる金属粉末は、主として金属材料(合金を含む)で構成されたものであればよく、金属粉末を構成する金属材料としては、例えば、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Hf、Ag、Co、In、W、Ti、Rhや、これらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。上記のような材料の中でも特に、Ag、Pt、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料(合金を含む)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
金属粉末は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、金属粉末は、金属材料で構成されたコア部(核、芯部)と、コア部の表面に設けられ、金属酸化物で構成されたシェル部(殻部)とを有するものであってもよい。これにより、例えば、金属粉末とポリカーボネートとの密着性を特に優れたものとし、基材2の強度を特に優れたものとすることができる。また、基材2とニオブ酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。また、金属粉末が金属酸化物で構成されたシェル部を有するものであると、金属粉末のポリカーボネートに対する分散性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の美的外観をより安定的に優れたものとすることができる。金属粉末が、シェル部を有するものである場合、シェル部の厚さは、特に限定されないが、0.005〜1.0μmであるのが好ましく、0.007〜0.5μmであるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観に悪影響を及ぼすのをより確実に防止しつつ、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
基材2中に含まれる金属粉末の比表面積(金属粉末1g当たりの総表面積)は、1.0×10−3〜8.0×10−1/gであるのが好ましい。金属粉末の比表面積が前記範囲内の値であると、上述したような金属粉末を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、金属粉末の比表面積が前記範囲内の値であると、基材2中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、金属粉末を含むことによる効果が十分に発揮されるため、後に詳述するニオブ酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、基材2中に含まれる金属粉末の平均粒径は、0.1〜200μmであるのが好ましく、5〜160μmであるのがより好ましい。金属粉末の平均粒径が前記範囲内の値であると、上述したような金属粉末を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、金属粉末の平均粒径が前記範囲内の値であると、基材2中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、金属粉末を含むことによる効果が十分に発揮されるため、後に詳述するニオブ酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、基材2中における金属粉末の含有率は、特に限定されないが、10〜40wt%であるのが好ましく、15〜35wt%であるのがより好ましい。金属粉末の含有率が前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、基材2の強度や、基材2とニオブ酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、基材2中に含まれる金属粉末は、粒状、板状、鱗片状、瓦状、針状、棒状等、いかなる形状を有するものであってもよい。また、金属粉末は、不定形のものであってもよい。
なお、基材2は、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤等が挙げられる。例えば、基材2が着色剤を含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1の色のバリエーションを広げることができる。
基材2の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。基材2の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。また、一般的に基材2の厚さが増すほど、時計用文字板1としての電磁波の透過性、美的外観は劣っていく。しかし、ポリカーボネートは屈折率が低いため、基材2の厚さが前記範囲内であれば、基材2の厚さによる電磁波の透過性、美的外観の違いが生じることはなく、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波の透過性を特に優れたものとすることができる。
また、基材2は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材2の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。
[ニオブ酸化物層]
基材2の表面には、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層3が設けられている。このように、本発明においては、時計用文字板が、電磁波の透過性を有するポリカーボネートを含む材料で構成された基材2上に、ニオブ酸化物層3を有することにより、電磁波の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を優れたものとすることができる。特に、ニオブ酸化物は、各種金属酸化物の中でも、優れた電磁波の透過性を有しているため、ニオブ酸化物層3を用いた時計用文字板1の電磁波の透過性を特に優れたものとすることができる。さらに、ニオブ酸化物層3の屈折率はポリカーボネートで構成された基材2よりも高く、外表面側から入射した電磁波は、ニオブ酸化物層3により好適に屈折され、時計用文字板1の電磁波の透過性を優れたものにすることができる。また、ニオブ酸化物層3とポリカーボネートで構成された基材2との屈折率の違いにより、ニオブ酸化物層3の外表面、およびニオブ酸化物層3と基材2との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ニオブ酸化物とポリカーボネートとの親和性が高く、ニオブ酸化物層3とポリカーボネートで構成された基材2とは優れた接着性をもつ。このことに加え、ニオブ酸化物とポリカーボネートはそれぞれ優れた形状安定性を有しているので、ニオブ酸化物層3と基材2との密着性を特に優れたものとすることができ、結果として、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。
ニオブ酸化物層3の屈折率は特に限定されないが、2.2〜2.5であるのが好ましく、2.3〜2.4であるのがより好ましい。これにより、ニオブ酸化物層3の界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ニオブ酸化物層3の屈折率をn、ポリカーボネートで構成された基材2の屈折率をnとしたとき、ニオブ酸化物層3と基材2との屈折率の差であるn−nの値は、0.5〜1.3であるのが好ましく、0.7〜1.0であるのがより好ましい。これにより、ニオブ酸化物層3の外表面、およびニオブ酸化物層3と基材2との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ニオブ酸化物層3を構成するニオブ酸化物としては、例えば、NbO、NbO、Nb等が挙げられるが、ニオブ酸化物層3は、主としてNbで構成されていることが好ましい。これにより、電磁波の透過性をより優れたものとしつつ、ニオブ酸化物層3の外表面、および基材2とニオブ酸化物層3との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ニオブ酸化物層3の厚さは特に限定されないが5〜90nmであるのが好ましく、15〜60nmであるのがより好ましく、20〜45nmであるのがさらに好ましい。ニオブ酸化物層3の厚さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、ニオブ酸化物層3の厚さが前記下限値未満であると、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、ニオブ酸化物層3の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の電磁波の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、ニオブ酸化物層3の厚さが前記上限値を超えると、基材2とニオブ酸化物層3との収縮率の違いにより、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによるニオブ酸化物層3でのクラックや、ニオブ酸化物層3と基材2との界面で剥離不良が発生するなどの外観不良が生じる可能性がある。
ニオブ酸化物層3の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。ニオブ酸化物層3の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材2との密着性が特に優れたニオブ酸化物層3を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる時計用文字板1の美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、ニオブ酸化物層3の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべきニオブ酸化物層3が比較的薄いものであっても、膜厚(層の厚さ)のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる時計用文字板1の耐久性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる時計用文字板1を電波時計、ソーラー時計等に、より好適に適用することができる。
また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、スパッタリングが特に好ましい。ニオブ酸化物層3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、ニオブ酸化物層3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材2との密着性が特に優れたニオブ酸化物層3をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる時計用文字板1の美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、ニオブ酸化物層3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべきニオブ酸化物層3が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる時計用文字板1の耐久性を高いものとしつつ、時計用文字板1の電磁波の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる時計用文字板1を電波時計、ソーラー時計等に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような乾式めっき法を適用する場合、ニオブ(Nb)をターゲットとして用い、酸素ガスを含む雰囲気中で処理を行うことにより、ニオブ酸化物層を容易かつ確実に形成することができる。
上記のような時計用文字板1は、ニオブ酸化物層3が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10であるのが好ましく、aが−5〜5であり、かつ、bが−5〜5であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、特に優れたものとなる。
また、時計用文字板1は、ニオブ酸化物層3が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lが50〜85であるのが好ましく、Lが70〜85であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、白色度が高く、より高級感に優れたものとなる。
また、時計用文字板1の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
上述したように、時計用文字板1は、美的外観に優れるとともに、電磁波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1は、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
<時計用文字板(第2実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2は、本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態の時計用文字板1’は、主としてポリカーボネートで構成された基材2と、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層3と、基材2のニオブ酸化物層3と対向する面とは反対の面側に設けられた偏光体4と、基材2と偏光体4との間に配された着色層(着色体)5および拡散層(拡散体)6とを有している。すなわち、本実施形態の時計用文字板1’は、基材2のニオブ酸化物層3が形成された面とは反対側の表面に、着色層5と拡散層6と偏光体4とがこの順に積層されている以外は、前記第1実施形態で説明した時計用文字板1と同様である。以下、偏光体4、着色層5、拡散層6について説明する。
[偏光体]
偏光体4は、入射した光を偏光させる機能を有するものである。
このような偏光体4を有することにより、時計用文字板1’全体としての光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをより効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
偏光体4は、入射した光を偏光させる機能を有するものであれば、いかなるものであってもよいが、所定方向に振動する第1の光を透過し、かつ、振動方向が前記第1の光の振動方向に対して垂直な第2の光を反射する機能を有する、反射型偏光体であるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
偏光体(反射型偏光体)4は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、主としてポリエステル系樹脂で構成されたものとすることができる。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
また、偏光体(反射型偏光体)4は、複数の層が積層されてなるフィルム(積層体)であるのが好ましい。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
図3に、複数の層が積層されてなる偏光体の好適な実施形態を示す。
図3に示すように、積層体としての偏光体4は、異なる2種の層、すなわち、偏光性フィルム層(A層)41と、偏光性フィルム層(B層)42とが交互に複数層積層された構造を有している。この偏光体4においては、A層41のX軸方向の屈折率(nAX)とB層42のX軸方向の屈折率(nBX)とは異なるが、A層41のY軸方向の屈折率(nAY)とB層42のY軸方向の屈折率(nBY)とは実質的に等しい。この偏光体4に入射する光のうちY軸方向の直線偏光の光は、A層41とB層42とで屈折率が実質的に等しいので、偏光体4を透過する。一方、この偏光体4のA層41におけるZ軸方向における平均厚さをt、B層42における平均厚さをtとしたとき、下記式(I)を満足することにより、波長λの光であって偏光体4に入射した光のうちX軸方向の直線偏光の光は、偏光体4によって好適に反射されることとなる。
・nAX+t・nBX=λ/2・・・(I)
そして、A層41におけるZ軸方向の平均厚さおよびB層42におけるZ軸方向の平均厚さを種々変化させているので、この偏光体4は、可視波長領域の広範囲にわたって偏光体4に入射した光のうちX軸方向の直線偏光の光を反射する。
上記のような偏光体4により、時計用文字板1’への入射光の一部を透過しつつ、また入射光の一部を反射させて、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをより効果的に防止することができる。
偏光体4が上記のような積層体で構成されるものである場合、各層(A層41、B層42)は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、偏光体4のA層41は、ポリエチレンナフタレートで構成されたもの(特に、ポリエチレンナフタレートで構成されたフィルムを延伸したもの)であるのが好ましく、B層42は、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1’の光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。なお、偏光体4を構成する材料は、上記のようなものに限定されず、偏光性フィルム(偏光板)を形成するのに適するものとして知られている材料を適宜選択して使用することができる。
また、偏光体4が上記のような積層体で構成されるものである場合、積層する層の数は、限定はないが、2〜20が好ましく、6〜12がより好ましく、8〜10がさらに好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとなる。
偏光体4の厚さは、特に限定されないが、20〜300μmであるのが好ましく、100〜200μmであるのがより好ましい。偏光体4の厚さが前記範囲内の値であると、上述したような効果をより顕著なものとして発揮させることができる。
[着色層]
着色層5は、着色剤を含む材料で構成されている。これにより、基材2側から入射した光(外光)を、前述した偏光体4側に出射しつつ、入射した光の一部は、着色剤により色のついた光となって、基材2側に反射される。また、偏光体4側から入射した光についても、着色剤により色のついた光となって、基材2側に出射することができる。その結果、基材2側から入射した光(外光)を、偏光体4側(後述する腕時計100において太陽電池9が配される側)に出射しつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’に色彩を持たせることができるとともに、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’の偏光体4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができる。結果として時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。特に、ニオブ酸化物層3と着色層5とを兼ね備えた時計用文字板1’では、ニオブ酸化物層3の持つ金属光沢と着色層5により発色される色彩との相乗効果で、電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、優れた装飾性(美的外観)を有する電波時計やソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の時計用文字板として有効である。また、着色層5を備えた時計用文字板1’では、ニオブ酸化物層3のみでは表現することのできなかった色彩を表現することができる。また、着色層の構成材料を変更することにより、時計用文字板の色彩を調整することができるため、少量他品目の生産に有効である。
着色層5を構成する着色剤としては、着色性を有するものであればいかなるものを用いてもよい。
また、着色剤として、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
また、着色層5は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体4との密着性を向上させることができ、その結果、時計用文字板1’の耐久性(耐衝撃性等)を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板1’の信頼性を特に優れたものとすることができる。
上記のような粘着性、接着性を有する材料(粘着・接着材料)としては、例えば、粘着剤、接着剤等に用いられる材料を用いることができるが、粘着・接着材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、特にウレタン系樹脂を用いることが好ましい。これにより、時計用文字板1’全体としての光の透過性、美的外観等を十分に保持しつつ、基材2と偏光体4との密着性を特に優れたものとすることができる。
着色層5が上記のような粘着・接着材料を含むものである場合、着色層5は、主として粘着・接着材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体4との密着性を特に優れたものとすることができる。
着色層5の厚さは、特に限定されないが、1〜25μmであるのが好ましく、5〜15μmであるのがより好ましい。着色層5の厚さが前記範囲内の値であると、着色層5と基材2との界面、および着色層5と偏光体4との界面において、より好適に、光を屈折、反射させることができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)をとくに優れたものにすることができる。
基材2に着色剤を含ませたものを用いることにより、着色層を導入した時計用文字板1’と同様の色彩を持たせることもできるが、この方法を用いると、基材に含まれる着色剤の影響で、基材とニオブ酸化物層との密着性が悪化する可能性がある。また、基材2に要求される電磁波の透過性を十分に得られなくなる可能性がある。また、入射光による基材2と隣接する層との界面で生じる屈折、および反射により発生する時計用文字板1’の美的外観が損なわれる可能性がある。したがって、本実施形態では着色層を導入することにより、時計用文字板1’の美的外観を容易かつ、確実に優れたものとすることができる。
[拡散層]
拡散層6は、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成されている。これにより、基材2側から入射した光(外光)を、前述した偏光体4側に出射しつつ、入射した光の一部を基材2側にも散乱させることができる。また、偏光体4側から入射した光についても、基材2側に散乱させつつ、出射することができる。その結果、基材2側から入射した光(外光)を、偏光体4側(後述する腕時計100において太陽電池9が配される側)に出射しつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のニオブ酸化物層3が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’の偏光体4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができる。特に、時計用文字板1’では、拡散層6において光が基材2側に出射(散乱)されるため、時計用文字板1’としての外観は、白色度(光沢度)のより高いものとなり、特に優れた高級感を有するものとなる。
拡散層6を構成する拡散剤としては、光を拡散する機能を有するものであればいかなるものを用いてもよい。
また、拡散剤は、例えば、粒状(粉末状)、鱗片状、針状等、いかなる形状のものであってもよく、また、不定形のものであってもよい。また、拡散層6は、実質的に、拡散剤のみで構成されるものであってもよい。
また、拡散剤の構成材料として、例えば、シリカ、ガラス、樹脂等が挙げられる。
また、拡散層6は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体4との密着性を向上させることができ、その結果、時計用文字板1’の耐久性(耐衝撃性等)を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板1’の信頼性を特に優れたものとすることができる。
上記のような粘着性、接着性を有する材料(粘着・接着材料)としては、例えば、粘着剤、接着剤等に用いられる材料を用いることができるが、粘着・接着材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、特にウレタン系樹脂を用いることが好ましい。これにより、時計用文字板1’全体としての光の透過性、美的外観等を十分に保持しつつ、基材2と偏光体4との密着性を特に優れたものとすることができる。
拡散層6が上記のような粘着・接着材料を含むものである場合、拡散層6は、主として粘着・接着材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
拡散層6の厚さは、特に限定されないが、10〜30μmであるのが好ましく、15〜25μmであるのがより好ましい。拡散層6の厚さが前記範囲内の値であると、上述したような効果をより顕著なものとして発揮させることができる。
また、図2に示した本実施形態の時計用文字板1’は、基材2のニオブ酸化物層3が形成された面とは反対側の表面に、着色層5と拡散層6と偏光体4とがこの順に積層されたもので説明したが、着色層5と拡散層6を入れ替えて積層したものであってもよい。さらに、同一の層に着色剤と拡散剤とを含ませた層を、着色層5と拡散層6との代わりに備えた形態でもよい。時計用文字板が、上記のいずれの構成を有しても上述した効果を得ることができる。
上述したように、時計用文字板1’においては、基材2、ニオブ酸化物層3に加え、偏光体4、着色層5、拡散層6を有している。このため、基材2として、前述した通り、比較的薄いもの(150〜700μm)を用いた場合であっても、時計用文字板1’の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、時計用文字板1’の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1’の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1’が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1’の機械的強度、形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。
上述したように、時計用文字板1’は、美的外観に優れるとともに、電磁波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1’は、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1’は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図4は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の時計用文字板1’(または時計用文字板1’)と、太陽電池9と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の時計用文字板1(または時計用文字板1’)の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池9に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池9の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池9の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池9は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池9で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池9は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)83には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)82が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部83が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)81が嵌合されている。ゴムパッキン81は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン81は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
上記のような携帯時計(腕時計)は、各種時計の中でも特に優れた耐久性(例えば、耐衝撃性等)が求められるものであるため、優れた美的外観とともに、優れた耐久性が得られる本発明を、より好適に適用することができる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の時計用文字板、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。例えば、各種印刷法により形成された印刷部を有するものであってもよい。
また、前述した第2実施形態では、基材と偏光体との間に着色層と拡散層とを有するものとして説明したが、着色層、拡散層はなくてもよい。例えば、基材と偏光体とは隣接するものであってもよいし、基材と偏光体との間に、着色層、拡散層以外の中間層を有していてもよい。
また、時計用文字板の表面(基材2の表面(ニオブ酸化物層3に対向する面とは反対の面)や、偏光体4の表面(ニオブ酸化物層3に対向する面とは反対の面)、ニオブ酸化物層3の表面(基材2に対向する面とは反対の面))には、少なくとも1層の層(コート層)が設けられていてもよい。このような層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約500μmであった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、中性洗剤中での超音波洗浄を10分間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、上記のようにして洗浄を行った基材の表面に、ニオブ酸化物層を形成することにより、時計用文字板を形成した。ニオブ酸化物層の形成は、以下に詳述するように、酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)のターゲットを用いて、スパッタリングにより行った。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてNbを用い、投入電力:1500W、処理時間:30秒間という条件で放電を行うことにより、99wt%以上のNbで構成されたニオブ酸化物層を形成した。このようにして形成されたニオブ酸化物層の厚さは、50nmであった。
なお、ニオブ酸化物層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2)
ニオブ酸化物層形成工程における、スパッタリングの処理時間を変更することにより、ニオブ酸化物層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例3)
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約300μmであった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、中性洗剤中での超音波洗浄を10分間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、上記のようにして洗浄を行った基材の表面に、ニオブ酸化物層を形成した。ニオブ酸化物層の形成は、以下に詳述するように、酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)のターゲットを用いて、スパッタリングにより行った。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてNbを用い、投入電力:1500W、処理時間:30秒間という条件で放電を行うことにより、99wt%以上のNbで構成されたニオブ酸化物層を形成した。このようにして形成されたニオブ酸化物層の厚さは、50nmであった。
次に、基材のニオブ酸化物層が形成された面とは反対側の表面に、着色剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される着色層組成物を介して、偏光体(反射型偏光体)を貼り合わせた。これにより、ニオブ酸化物層、基材、着色層、偏光体がこの順で積層された時計用文字板が得られた。なお、偏光体としては、ポリエチレンナフタレートで構成されたシート材を一軸方向に延伸することにより得られたシート材からなる層と、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたシート材を一軸方向に延伸することにより得られたシート材からなる層とを、交互に合計8層積層することにより形成した物を用いた。この偏光体の厚さは、160μmであった。また、着色剤としてはウレタン塗料を用いた。また、着色層の厚さは10μmであった。
なお、ニオブ酸化物層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例4)
ニオブ酸化物層形成工程における、スパッタリングの処理時間を変更することにより、ニオブ酸化物層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例3と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例5)
着色層の替わりに拡散剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される拡散層を形成し、基材とニオブ酸化物層の厚さを、表1に示すようにした以外は前記実施例3と同様に時計用文字板を製造した。また、拡散剤として、粉末状のシリカを用いた。また、拡散層の厚さは20μmであった。
(実施例6)
着色層と偏光体との間に、拡散剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される拡散層を形成し、ニオブ酸化物層の厚さを、表1に示すようにした以外は前記実施例3と同様に時計用文字板を製造した。これにより、ニオブ酸化物層、基材、着色層、拡散層、偏光体がこの順で積層された時計用文字板が得られた。また、拡散剤として、粉末状のシリカを用いた。また、拡散層の厚さは20μmであった。
(実施例7〜9)
ニオブ酸化物層形成工程における、スパッタリングの処理時間を変更することにより、ニオブ酸化物層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例6と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例10)
基材の成形に、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを含む組成物を用いた以外は、前記実施例2と同様にして時計用文字板を製造した。
基材中におけるポリカーボネートの含有率は70wt%、金属粉末の含有率は30wt%であった。また、金属粉末の平均粒径は、30μmであった。また、金属粉末の比表面積は、2.0×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
(実施例11)
ニオブ酸化物層形成工程における、スパッタリングの処理時間を変更することにより、ニオブ酸化物層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例10と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例12)
基材の成形に、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを含む組成物を用いた以外は、前記実施例4と同様にして時計用文字板を製造した。
基材中におけるポリカーボネートの含有率は80wt%、金属粉末の含有率は20wt%であった。また、金属粉末の平均粒径は、10μmであった。また、金属粉末の比表面積は、6.0×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
(実施例13)
基材の成形に、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを含む組成物を用いた以外は、前記実施例8と同様にして時計用文字板を製造した。
基材中におけるポリカーボネートの含有率は75wt%、金属粉末の含有率は25wt%であった。また、金属粉末の平均粒径は、150μmであった。また、金属粉末の比表面積は、2.2×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
(実施例14)
基材の成形に、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを含む組成物を用いた以外は、前記実施例9と同様にして時計用文字板を製造した。
基材中におけるポリカーボネートの含有率は75wt%、金属粉末の含有率は25wt%であった。また、金属粉末の平均粒径は、150μmであった。また、金属粉末の比表面積は、2.2×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
(実施例15、16)
基材の成形に用いる組成物中に含まれる金属粉末を変更することにより、基材中に含まれる金属粉末の組成、平均粒径、比表面積、含有率を表1に示すようにした以外は、前記実施例14と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例17)
まず、アルミニウムで構成されたアルミニウム微粒子(Al含有率:99.9wt%以上)を用意した。このアルミニウム微粒子に酸化処理(陽極酸化処理)を施し、さらに、95〜100℃の純水中で、20分間熱処理を施すことにより、酸化アルミニウムで構成された被膜を形成した。これにより、アルミニウムで構成されたコア領域と、酸化アルミニウムで構成されたシェル領域とを有する金属粉末が得られた。シェル領域の厚さは、0.10μmであった。
このようにして得られた金属粉末を基材の成形に用いるとともに、ニオブ酸化物層形成工程における、スパッタリングの処理時間を変更することにより、ニオブ酸化物層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例9と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例1)
酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)の替わりに、ケイ素(Si)のターゲットを用いて、スパッタリングにより、99wt%以上のSiOで構成された酸化ケイ素層を形成し、厚さが70nmになるようにした以外は前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例2)
スパッタリングの処理時間を変更することにより、酸化ケイ素層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記比較例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例3)
酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)の替わりに、チタン(Ti)のターゲットを用いて、スパッタリングにより、99wt%以上のTiOで構成された酸化チタン層を形成し、厚さが100nmになるようにした以外は前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例4)
スパッタリングの処理時間を変更することにより、酸化チタンの厚さを表1に示すように変更した以外は、前記比較例3と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例5)
基材に対して、ニオブ酸化物層を形成することなく、着色層、拡散層および偏光体を積層した以外は、前記実施例6と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、本比較例では、時計用文字板を基材、着色層、拡散層および偏光体の積層体として製造した。
(比較例6)
酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)の替わりに、ケイ素(Si)のターゲットを用いて、スパッタリングにより、99wt%以上のSiOで構成された酸化ケイ素層を形成し、厚さが70nmになるようにした以外は前記実施例6と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例7)
スパッタリングの処理時間を変更することにより、酸化ケイ素層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前記比較例6と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例8)
酸素ガスを含む雰囲気中で、ニオブ(Nb)の替わりに、チタン(Ti)のターゲットを用いて、スパッタリングにより、99wt%以上のTiOで構成された酸化チタン層を形成し、厚さが100nmになるようにした以外は前記実施例6と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例9)
スパッタリングの処理時間を変更することにより、酸化チタンの厚さを表1に示すように変更した以外は、前記比較例8と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例10)
基材としてポリカーボネートの替わりに、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いた以外は、実施例7と同様にして時計用文字板を製造した。また、得られたABS樹脂で構成された基材の厚さは約300μmであった。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリカーボネートをPC、また、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体をABSで示した。上記の実施例および比較例で形成した金属酸化物層の屈折率は、以下の通りであった。すなわち、ニオブ酸化物層の屈折率は2.30、SiO層の屈折率は1.46、TiO層の屈折率は2.51であった。
Figure 2007256265
2.目視による外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、金属酸化物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)から、目視による観察を行い、これらの外観を以下の6段階の基準に従い、評価した。
◎◎:極めて優れた外観を有している。
◎:優れた外観を有している。
○:良好な外観を有している。
△:外観がやや不良。
×:外観が不良。
××:外観が極めて不良。
3.色度計による外観評価
色度計(ミノルタ社製、CM−2022)を用いて、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、金属酸化物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)の色度を測定し、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるa、bの値を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−5〜5でありかつbが−5〜5の範囲内である。
○:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−10〜10でありかつbが−10〜10の範囲内である(ただし、◎の
範囲を除く)。
△:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−15〜15でありかつbが−15〜15の範囲内である(ただし、◎お
よび○の範囲を除く)。
×:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−15〜15でありかつbが−15〜15の範囲外である。
なお、色度計の光源としては、JIS Z 8720で規定されるD65のものを用い、視野角:2°で測定した。
また、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
70≦L≦85である。
○:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
50≦L<70である。
△:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
40≦L<50である。
×:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
<40である。
4.可視光領域における反射率のばらつき
前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、金属酸化物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)の、可視光領域(380〜780nmの波長領域)における各波長での反射率を測定した。この測定結果から、可視光領域(380〜780nmの波長領域)において、反射率が最大となる波長での反射率A[%]と、反射率が最小となる波長での反射率B[%]との差A−Bを求め、以下の5段階の基準に従い、評価した。A−Bの値が小さいほど、可視光領域における反射率のばらつきが小さいものであるといえる。なお、反射率の測定は、時計用文字板の裏側に太陽電池を配した状態で行った。
◎◎:A−Bの値が10%未満。
◎:A−Bの値が10%以上20%未満。
○:A−Bの値が20%以上25%未満。
△:A−Bの値が25%以上30%未満。
×:A−Bの値が30%以上。
5.時計用文字板の光透過性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過性を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、基材の金属酸化物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)が蛍光灯(光源)側を向くように重ね合わせた。
◎:25%以上。
○:20%以上25%未満。
△:15%以上20%未満。
×:15%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図4に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計および比較例の時計すべてが、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。
6.電波透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、時計用文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
時計用文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、時計用文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、時計用文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、基材の金属酸化物層が形成された面とは反対の面側(比較例5については、偏光体が形成された面側)が腕時計用内部モジュール側を向くように重ね合わせた。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
7.金属酸化物層の密着性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような2種の試験を行い、金属酸化物層の密着性を評価した。
7−1.折り曲げ試験
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に30°および40°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:金属酸化物層の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:金属酸化物層の浮きがほとんど認められない。
△:金属酸化物層の浮きがはっきりと認められる。
×:金属酸化物層のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
7−2.熱サイクル試験
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板を、以下のような第1の条件下および第2の条件下での熱サイクル試験に供した。
<第1の条件下での熱サイクル試験>
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−20℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:金属酸化物層の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:金属酸化物層の浮きがほとんど認められない。
△:金属酸化物層の浮きがはっきりと認められる。
×:金属酸化物層のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
<第2の条件下での熱サイクル試験>
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、80℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−40℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を上記と同様の4段階の基準に従い、評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2007256265
表2から明らかなように、本発明の時計用文字板は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、電磁波(光、電波)の透過性に優れていた。また、金属酸化物層としてニオブ酸化物を用いた本発明の時計用文字板では、ポリカーボネートで構成された基材との密着性に優れており、十分な耐久性を有していた。特に、基材中に金属粉末を含む実施例10〜17では、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、ニオブ酸化物層との密着性をさらに向上させることができ、特に優れた耐久性を示した。また、基材中に金属粉末を含む実施例12〜17では、基材と着色層との密着性も特に優れたものであった。特に、金属粉末として、その表面付近に金属酸化物で構成されたシェル部を有するものを用いた実施例17の時計用文字板は、非常に優れた耐久性を示し、美的外観も非常に優れていた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、各比較例の時計用文字板では、優れた美的外観、電磁波の優れた透過性および時計用文字板としての耐久性を同時に満足させることができなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図4に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。 複数の層が積層されてなる偏光体の好適な実施形態を示す斜視図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1、1’…時計用文字板 2…基材 3…ニオブ酸化物層 4…偏光体(反射型偏光体) 41…偏光性フィルム層(A層) 42…偏光性フィルム層(B層) 5…着色層 6…拡散層 9…太陽電池 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 81…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 82…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 83…接合部(シール部) 100…腕時計(携帯時計)

Claims (12)

  1. 主としてポリカーボネートで構成された基材と、主としてニオブ酸化物で構成されたニオブ酸化物層とを有することを特徴とする時計用文字板。
  2. 前記ニオブ酸化物層は、主としてNbで構成されたものである請求項1に記載の時計用文字板。
  3. 前記ニオブ酸化物層の厚さが5〜90nmである請求項1または2に記載の時計用文字板。
  4. 前記基材は、金属粉末を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板。
  5. 前記基材中における前記金属粉末の含有率が10〜40wt%である請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板。
  6. 入射した光を偏光させる機能を有する偏光体を、前記基材の前記ニオブ酸化物層が設けられている側の面とは反対の面側に備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板。
  7. 着色剤を含む材料で構成された着色層を、前記基材と前記偏光体との間に有する請求項6に記載の時計用文字板。
  8. 前記着色層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものである請求項7に記載の時計用文字板。
  9. 入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成された拡散層を、前記基材と前記偏光体との間に有する請求項6ないし8のいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 前記拡散層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものである請求項9に記載の時計用文字板。
  11. 前記ニオブ酸化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10である請求項1ないし10のいずれかに記載の時計用文字板。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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