JP2007266537A - 内部共振器型和周波混合レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザ励起固体レーザにおいて、1個の半導体レーザを励起源として使用し、内部共振器型和周波混合をおこなうことにより波長が約488nmのコヒーレント光を発生するレーザ装置や波長488nmと波長515nmの2つのコヒーレント光を同時に発生するレーザ装置を実現する。
【解決手段】第1反射鏡5と第2反射鏡14によるレーザ共振器内に利得媒質としてNd:YAP結晶6、Yb:YAG結晶7とを配置し半導体レーザ1で励起して波長930nm、及び波長1030nmのレーザ発振を得る。レーザ共振器内に配置された非線形光学媒質である第1のLBO結晶9によって前記波長930nmのレーザ光と波長1030nmのレーザ光との和周波混合を行い、波長が約488nmのコヒーレント光を発生する。また第2のLBO結晶13によって波長1030nmのレーザ光の第2高調波発生を行い波長515nmのコヒーレント光も同時に発生する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、非線形光学結晶を使用してレーザ光の発振波長を変換するレーザに於いて、2種類のレーザ媒質を使用し、同時に発振する2つのレーザ光の和周波混合を共振器内で行なうことにより可視光領域の波長のレーザ光を発生する内部共振器型和周波レーザに関し、特に、従来から多方面で使用されてきたアルゴンレーザの波長488nmとほぼ同じ波長やこれに近い波長のレーザ光を発生するレーザ装置に関する。
主な発振波長の1つが488nmであるアルゴンレーザは、分光装置、バイオ分析装置、医療装置、印刷機器、理化学実験、生物化学実験など多方面で使用されている。また、これらの応用の一部では、488nmの単一発振波長ではなく波長488nmと波長514nmの2波長を同時に発生するアルゴンレーザや、この2波長の他にこの近傍の波長の発振線を利用して、さらに多数の波長で同時に発振するアルゴンレーザも使用されている。
しかしながら、アルゴンレーザは放電現象を利用したガスレーザであるために、内部共振器型第2高調波発生を行なう半導体レーザ励起固体レーザで同程度のパワーのものに比べて、寸法や消費電力が著しく大きいという問題がある。そこで、アルゴンレーザに代わる固体レーザが望まれていたが、固体レーザ結晶には発振線がちょうど976nmとなるものはなく、最近まで488nmのコヒーレント光を発生する固体レーザは存在しなかった。しかしながら、最近になり、固体素子のみで構成された波長488nmのコヒーレント光を発生するレーザ装置が出現してきた。
特許文献1では、半導体基板の上に分布型ブラッグ反射層と量子井戸を利用した活性層を形成した半導体素子と、この素子の垂直方向に非線形光学媒質と反射鏡を配置したレーザ共振器で、半導体素子を電流注入によって励起し、近赤外域の波長のレーザ発振をさせ、非線形光学媒質で近赤外光を基本波とする第2高調波発生をおこない、可視のコヒーレント光を発生させている。特許文献1の中には具体的な波長は示されていないが、この特許の出願人である会社からは、特許文献1に示される技術を使用した波長が488nmのレーザ装置が製造・販売されていたことがある。
特許文献2では、半導体基板の上にエピタキシャル成長によって複数の活性層をスペーサ層で隔てた構造を設けて利得部分とした半導体素子に、外部から半導体レーザ光によって光励起して利得媒質とし、この半導体素子と外部に配置した反射鏡との間で近赤外域の波長で発振するレーザ共振器を構成し、共振器内に配置した非線形光学結晶によって第2高調波発生をおこない、可視光領域のコヒーレント光を出力するものである。特許文献2の実施例によれば、近赤外光の波長が976nmとなるよう半導体素子を設計したときに、波長488nmのコヒーレント光が得られている。この特許の出願人である会社からは、特許文献2に示される技術を使用した波長が488nmのレーザ装置が製造・販売されている。
参考文献1では、波長1047nmのNd:YLFレーザと、波長912nmのNd:GdVOレーザを一つの半導体レーザによって励起し、2つのレーザを同時に発振させ、これらのレーザ共振器の共通の光路上に和周波混合を行なうための非線形光学結晶を配置して、波長487nmのコヒーレント光を発生させた例が報告されている。
米国特許 第6243407号明細書、”High power laser devices” 米国特許 第5991318号明細書、”Intracavity frequency−converted optically−pumped semiconductotr laser”
参考文献1
Conference on Laser and Electro−Optics 2005、講演番号 CMAA7、”Generation of continuous−wave blue light by sum−frequency mixing of diode pumped dual−wavelength lasers”
特許文献1と特許文献2の技術は、波長488nmのコヒーレント光を発生する小型の装置を実現できるという利点がある。しかしながら、最も重要な利得媒質の製造に高度な半導体素子製造プロセスが必要であるために、製造することはもとより、そのための半導体素子を入手することする容易ではない。また、半導体素子は一般に大量生産すれば製造コストが下がるものであるが、半導体産業で一般に言われる大量生産とよばれる数量にくらべて、波長488nmのレーザの需要数は著しく小さいので、これらの特許文献に示されている半導体素子の製造するためのコストは非常に高くなると推測される。
また、参考文献1に示されている技術では、Nd:GdVOが波長912nmの発振線だけではなく、波長1063nmにおいてより強い発振線をもっているため、この波長に近い波長1047nmのNd:YLFレーザを発振させながら、Nd:GdVOの波長1063nmにおける発振を押さえる必要があった。このために、多数の反射鏡を用いて2つのレーザ共振器に共通ではない光路を設けて、そこに波長選択のためにプリズムを配置することによって、波長489nmのコヒーレント光発生の実験をおこなっていた。この方式は、多数の反射鏡を必要とすること、波長選択素子が必要であること、複雑な共振器構成であること等の理由から、小型化や低価格化が困難であると考えられる。
また、上記例では発振波長は488nmだけであり、アルゴンレーザのように複数の波長を、同時に発生させてはいない。
本発明は、固体レーザ結晶、励起用の半導体レーザ、非線形光学結晶など主要部品が、技術的に確立したものだけを使用して、従来の波長488nmのアルゴンレーザと同等のコヒーレント光を発生することができる半導体励起固体レーザを、小型でかつ生産コストを抑えることが可能な構成で実現することを目的としている。
その手段として、ネオジムを添加した第1レーザ結晶を利得媒質として用いて波長が0.91μmから0.95μmの間の第1波長でレーザ発振する半導体レーザ励起固体レーザにおいて、前記半導体レーザ励起固体レーザの共振器内部にイッテルビウムを添加した第2レーザ結晶を利得媒質として配置し、前記第1波長のレーザ光によって前記第2のレーザ結晶を励起して、前記レーザ共振器内で波長が1.02μm〜1.05μmの範囲にある第2波長でもレーザ発振をさせ、前記レーザ共振器内に、前記第1波長と前記第2波長のレーザ光に対して和周波混合が可能な第1非線形光学媒質を配置し、波長が0.48μmから0.50μmの範囲にある第3波長のコヒーレント光を出力する。
ここで、第1レーザ結晶にネオジム添加イットリウム・アルミニウム・ペロブスカイト(構造式はNd:YAlO、別名はネオジウム添加イットリウム・オルソアルミネート、略称はNd:YAPまたはNd:YALO)を使用すれば第1波長が930nmとなるように動作する。このネオジムを添加したレーザ結晶を励起する波長は0.79μmから0.82μmの範囲にある場合が多いので、技術的に確立しているとともに比較的安価で入手できる半導体レーザを、このレーザ結晶の励起に利用できる。
次に、第2レーザ結晶にイッテルビウム添加イットリウム・アルミニウム・ガーネット(構造式Yb:YAl12、略称はYb:YAG)を使用すれば、この結晶を波長930nmのレーザ光で励起することにより、第2波長が1030nmとなるレーザ発振が起こる。
これら2つの波長のレーザ光をレーザ共振器内に配置した非線形光学媒質で和周波混合をおこなうことにより第3波長が、アルゴンレーザの主要発振波長の一つとほぼ同じの波長約488nmのコヒーレント光を発生できる。
さらに、第1波長と第2波長の和周波混合を行なうための第1非線形光学結媒質の他に、第2波長の第2高調波発生のための非線形媒質も合わせてレーザ共振器内に配置することにより、第3波長コヒーレント光とを同時に、第2高調波発生によって発生する第4波長が0.51μmから0.53μmの範囲にあるコヒーレント光を発生できる。
ここで、第4波長のコヒーレント光の波長は、第1レーザ結晶にNd:YAPを、第2レーザ結晶にYb:YAGを使用すればアルゴンレーザのもう一つの主要発振波長である514.5nmに近い約515nmとなる。
また、第3波長のコヒーレント光と第4波長のコヒーレント光を同時に発生が可能な構成のレーザ装置において、2つの非線形光学媒質の温度をそれぞれ独立に温度制御しさらにその設定温度を切り替えられるようにすることにより、2つの非線形光学媒質の内、一方の和周波混合あるいは第2高調波発生のための位相整合条件から外すよう温度を変化させることにより、2つのコヒーレント光の一方を選択して出力することができる。
以上に述べた手段により、波長0.8μm帯の半導体レーザ、固体レーザ結晶、非線形光学結晶など主要部品が、技術的に確立した部品のみを使用して、従来の波長488nmのアルゴンレーザと同等のコヒーレント光を発生することができる半導体励起固体レーザを、小型でかつ生産コストを抑えることが可能な構成で実現できる。
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。先ず、図1を参照しながら実施例1について説明する。
半導体レーザ1は、波長が813nmのレーザ光19を発生するもので、最大出力が2W、そして活性領域の幅が100μmである。半導体レーザ光19はレンズ2、第1シリンドリカルレンズ3、第2シリンドリカルレンズ4によってNd:YAP結晶6の位置において集光し、その断面は直径が約0.2mmのほぼ円形になる。この半導体レーザ1の出力光が第1レーザ結晶であるNd:YAP結晶6を励起する。
図1に示すように、Nd:YAP結晶6の入射面に設けられた第1反射鏡5、Nd:YAP結晶6、Yb:YAG結晶7、石英ガラス板8、第1のLBO(三ホウ酸リチウム、LiB)結晶9、第2反射鏡10の順に直線状に並べて配置することによりレーザ共振器が構成されている。
第1反射鏡5はNd:YAP結晶6の、半導体レーザ光19が最初に入射する面の上には誘電体多層膜をコーティングによって設けたものである。第1反射鏡には、波長930nmと波長1030nmにおいて99.8%以上の高反射率となり、かつ、波長1079nmと波長1340nmにおいて透過率が30%以上となる特性をもたせてある。さらに、この反射鏡には半導体レーザ光19の波長である813nmにおいて低反射となる特性も持たせてある。
Nd:YAP結晶6は、ネオジムの濃度が1原子%で、その厚みを1.2mmとしてある。また、厚み方向は結晶のc軸方向と同じになるようにカットしたものである。半導体レーザ光19の波長813nmに対して、このNd:YAP結晶6の吸収係数は約6cm−1となる。そのためNd:YAPは入射する半導体レーザ光19の約50%を吸収する。
第2固体レーザ結晶のYb:YAG結晶7は、光軸方向の長さが0.2mmで、またイッテルビウムの濃度は0.5原子%である。この濃度と厚みによれば、波長930nmのレーザ光が1回通過するときの吸収率は約0.5%となる。
石英ガラス板8は、厚みが0.5mmの石英ガラスでできた平行平板で、共振器の光軸に対してブリュースター角である約55.4°の傾きを持たせて配置してある。この石英ガラス板8により、これに対してs偏光となる波長930nmと波長1030nmの光の偏光成分に対してのみ反射損失を与え、2つの波長で共にp偏光成分でのみ発振させている。
第1のLBO結晶9は、光軸方向の長さが8mmで、カット方位がφ=16.9°、θ=90°であり、波長930nmのレーザ光と波長1030nmのレーザ光の和周波混合の位相整合が可能なものである。LBO結晶はそのz軸が波長930nmと波長1030nmの両レーザ光の電界と同じ向きになるように配置してある。この和周波混合により、波長が約488nmのコヒーレント光が、その電界方向がLBO結晶のXY面と平行になるように発生する。そして488nm出力光20として出力される。
第2反射鏡10は、石英ガラスの凹面に誘電体多層膜のコーティングを施したもので、その凹面の曲率半径は−100mmとしてある。第2反射鏡10には、波長930nmと波長1030nmの両方において99.8%以上の高い反射率となり、かつ、波長1079nmと波長1340nmにおいて透過率が30%以上となる特性をもたせてある。また、第2反射鏡10には、和周波混合によって発生するコヒーレント光の波長488nmに対して低反射となる特性にもしてある。そして、第1反射鏡5との距離が約22mmの位置に配置してある。
Nd:YAP結晶6は半導体レーザ1から放射された半導体レーザ光19によって励起され、Nd:YAP結晶6を利得媒質としてレーザ共振器内で波長930nmのレーザ発振が起こる。Nd:YAPは波長930nm、1079nm、1340nmなどで発振が可能なレーザ結晶であるが、第1反射鏡5と第2反射鏡10に先に述べた波長特性をもたせることにより、波長930nmでのみ選択的に発振する。
レーザ共振器内部の930nmレーザ光の循環パワーを直接測定することは困難であるが第2反射鏡10を通過する930nmレーザ光のパワーから推測すると、半導体レーザ1の出力がその最大パワーの2Wのときに、波長930nmの共振器内部パワーは約15Wと見積もれる。
波長930nmで発振するNd:YAPレーザの光は、レーザ共振器を共振する間にその一部がYb:YAG結晶7に吸収される。Yb:YAG結晶7のこの波長における吸収率を考慮すると、波長930nmのNd:YAPレーザ光は、レーザ共振器を一往復する間に150mWが吸収されていると見積もれる。この波長930nm光の励起により、Yb:YAG結晶7を利得媒質として波長1030nmで発振を開始する。
第1のLBO結晶9は、波長930nmと波長1030nmのレーザ共振器内を共振する2つのレーザ光を、和周波混合により波長約488nmのコヒーレント光に変換する。この波長約488nmのコヒーレント光は第2反射鏡10を透過し488nm出力光20として取り出される。半導体レーザの出力が2Wの時に、488nm出力光20の光パワーは約20mWであった。
次に、図2を参照しながら実施例2について説明する。図2に於いて、前記実施例のものに対応する部分には同様の符号を付し、その詳しい説明を省略する。実際、実施例2の中で示されている構成要素は、ダイクロイックミラー12と第2反射鏡11以外を除いて、実施例1で示されたものと同じのものである。
ダイクロイックミラー12は、石英ガラス板8に誘電体多層膜によるコーティングを施したもので、入射角が約55.4°で使用するように設計してある。ダイクロイックミラー12には波長930nmと波長1030nmの両方のレーザ光のs偏光成分に対して100%に近い反射率を持つとともに、また両方の波長のレーザ光のp偏光成分に対して透過率が10%以上となる特性をももたせてある。さらに、波長488nmのコヒーレント光の特にp偏光成分に対して透過率が高くなるようにもなる特性をももたせてある。
波長930nmと波長1030nmの両方のレーザ共振器は、ダイクロイックミラー12を経由して第1反射鏡5と第2反射鏡11の間に構成される。ダイクロイックミラーの偏光特性により、2つの波長のレーザ発振光は直線偏光となる。
実施例2で用いられる第2反射鏡11に波長488nmにおいて高反射率となる点が実施例1で使用した第2反射鏡とは異なる。第1のLBO結晶9によって和周波混合により発生する波長約488nmのコヒーレント光は、波長930nmと波長1030nmのレーザ発振光がレーザ共振器を往復することから、第1のLBO結晶9から対向する2方向に発生する。第2反射鏡11の方向に発生した波長約488nmのコヒーレント光は、第2反射鏡11に於いて反射し、ダイクロイックミラー12の他方向に発生した波長約488nmのコヒーレント光と重なりあって、ダイクロイックミラーを通過し、488nm出力光20として出力される。実施例2は実施例1にくらべて1個だけではあるが部品点数が多く、さらに折り返し共振器であるために製造時の調整が難しくなるが、和周波混合によって発生する波長約488nmのコヒーレント光をより効率的に取り出すことができる。
次に、図3を参照しながら実施例3について説明する。図3に於いて、前記実施例のものに対応する部分には同様の符号を付し、その詳しい説明を省略する。図3に示される実施例の構成要素のうち、第2のLBO結晶13と第2反射鏡14を除いて、実施例1で使われていたものと同じである。
第2のLBO結晶13は、第1のLBO結晶9と同じ材料のLiBからできており、その長さは8mmである。ただし、そのカット方位が波長1030nmの基本波光とする第2高調波発生が可能なφ=13.9°、θ=90°としてある。第2反射鏡14は実施例1で使用した第2反射鏡10がもつ反射特性をもつとともに、さらに波長515nmに対して低反射となる特性も持たせてある。
実施例1と同様に、半導体レーザ光19によりNd:YAP結晶6が励起され、第1反射鏡5と第2反射鏡14の間に構成されるレーザ共振器でNd:YAP結晶6を利得媒質として波長930nmのレーザ発振が起こる。次に、レーザ共振器内を循環する波長930nmのレーザ光により、Yb:YAG結晶7が励起され、第1反射鏡5と第2反射鏡14の間に構成されるレーザ共振器で、Yb:YAG結晶7を利得媒質として波長1030nmのレーザ発振が起こる。
同時に発振する2つのレーザの波長930nmと波長1030nmのレーザ光は、レーザ共振器内に配置した第1のLBO結晶9により和周波混合され、波長約488nmのコヒーレント光を発生し、488nm出力光20として取り出される。また、波長1030nmのレーザ光は、この和周波混合に使われる一方、第2のLBO結晶13によって第2高調波である波長515nmのコヒーレント光に変換され、変換されたコヒーレント光は515nm出力光21として出力される。
実施例3では、2つのLBO結晶を使用したが、これに加えて、第1波長の930nmを基本波とする第2高調波発生が可能な第3のLBO結晶をレーザ共振器内に配置することにより波長465nmのコヒーレント光を発生させると、上記2波長の出力光と合わせて3波長のコヒーレント光を同時に出力することができるレーザ装置になることは容易に推測できる。
次に、図4を参照しながら実施例4について説明する。図2に於いて、前記実施例のものに対応する部分には同様の符号を付し、その詳しい説明を省略する。図4に示される実施例の構成要素のうち、第1の電子冷却素子15、第2の電子冷却素子16、第1の温度制御器17、第2の温度制御器18を除いた構成要素は、図3を用いて説明した実施例3と同じである。
第1の電子冷却素子15と第2の電子冷却素子16は、ペルチェ効果を利用した素子で、供給する電流の方向を変えることにより加熱動作と冷却動作を切り替えることができるものである。また、第1の温度制御器17と第2の温度制御器18は電子冷却素子を加熱と冷却のための両方の駆動ができるものである。第1の電子冷却素子15は第1の温度制御器17で駆動され、和周波混合のための第1のLBO結晶9を温度制御している。第2の電子冷却素子16は第2の温度制御器18で駆動され、第2高調波発生のための第2のLBO結晶13を温度制御している。これらの電子冷却素子と温度制御器によって、2つのLBO結晶は独立に温度制御することができる。
第1のLBO結晶9と第2のLBO結晶13は、温度を約25℃に設定したときに位相整合がとれるように配置する角度を調整してある。両方のLBO結晶の温度が25℃に設定してあるときは、実施例3と同様に、第3波長が約488nmのコヒーレント光と第4波長が515nmのコヒーレント光の両方が発生し、488nm出力光20と515nm出力光21の両方が同時に出力される。
第2のLBO結晶13の温度を約25℃に保ったまま第1のLBO結晶9の温度を約17℃だけ上昇させて約42℃にした時には、和周波混合の位相整合がとれなくなり波長488nmのコヒーレント光の発生が停止して、波長515nm出力光21だけが出力される。逆に、第1のLBO結晶9の温度を約25°に保ったまま、第2のLBO結晶13の温度を約17℃だけ上昇させ約42℃にしたときは、第2高調波発生の位相整合がとれなくなって波長515nmのコヒーレント光の発生が停止し、488nm出力光20のみが出力される。
このようにして、これらの一方のコヒーレント光のみが出力される状態を、2つのLBO結晶の温度を変化させることによって、488nm出力光20と515nm出力光のどちらか一方だけが出力される状態を切り替えることができる。
実施例1〜4では、第1のレーザ結晶としてNd:YAPを使用しているが、Nd:YAG、Nd:YVO、Nd:GdVO、Nd:GGG(Nd:GdGa12)、Nd:YLF(Nd:LiYF)などの、波長が0.91μm〜0.95μmで発振が可能で、かつ1.00μm〜1.05μmでは吸収が生じないNdイオンを添加したレーザ結晶でも同様の効果が得られる。これらの結晶は単結晶でなくともセラミック結晶と呼ばれる多結晶であっても、やはり同様の効果が得られる。
また、実施例1〜4では、第2のレーザ結晶にYb:YAGを使用したが、Yb:YVO、Yb:GdVO、Yb:GGG(Yb:GdGa12)、Yb:YLF(Yb:LiYF)などの、波長が1.02μm〜1.05μmで発振が可能で、かつ波長0.91m〜0.95μmで励起が可能なYbイオンを添加したレーザ結晶でも同様の効果が得られる。これらの結晶は単結晶でなくともセラミックック結晶と呼ばれる多結晶であっても、やはり同様の効果が得られる。
さらに、実施例1〜4では、和周波混合や第2高調波発生を行なう非線形光学媒質としてLBOを使用しているが、位相整合が可能なKTiOPO、KNbOや、BiBやその他の非線形光学結晶、あるいはLiNbOやLiTaOなどの非線形光学定数の大きな結晶に擬似位相整合のために人工的に周期的分極反転構造を設けた素子を使用しても同様の効果が得られる。
本発明の実施例1を示す説明図である。 本発明の実施例2を示す説明図である。 本発明の実施例3を示す説明図である。 本発明の実施例4を示す説明図である。
符号の説明
1 半導体レーザ
2 レンズ
3 第1シリンドリカルレンズ
4 第2シリンドリカルレンズ
5 第1反射鏡
6 Nd:YAP結晶
7 Yb:YAG結晶
8 石英ガラス板
9 第1のLBO結晶
10 第2反射鏡
11 第2反射鏡
12 ダイクロイックミラー
13 第2のLBO結晶
14 第2反射鏡
15 第1の電子冷却素子
16 第2の電子冷却素子
17 第1の温度制御器
18 第2の温度制御器
19 半導体レーザ光
20 488nm出力光
21 515nm出力光

Claims (5)

  1. 内部共振器型和周波混合レーザであって、
    第1及び第2の反射器により構成されるレーザ共振器と、
    利得媒質として前記レーザ共振器内に配置された、0.91μmから0.95μmの間の第1波長でレーザ発振するベくネオジムが添加された第1レーザ結晶と、
    前記第1レーザ結晶を励起するためのレーザエネルギ源と、
    前記第1波長のレーザ光により励起される利得媒質として前記レーザ共振器内に配置された、1.02μmから1.05μmの間の第2波長でレーザ発振するベくイッテルビウムが添加された第2レーザ結晶と、
    前記第1波長と前記第2波長のレーザ光に対して和周波混合を行うために前記レーザ共振器内に配置された第1非線形光学媒質とを有することにより、
    波長が0.48μmから0.50μmの範囲にある第3波長のコヒーレント光を出力するようにしたことを特徴とする内部共振器型和周波混合レーザ。
  2. 第2波長のレーザ光の第2高調波発生を可能にするために前記レーザ共振器内に配置された第2非線形光学媒質を更に有し、波長が0.51μmから0.53μmの範囲にある第4波長のコヒーレント光をも発生するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内部共振器型和周波混合レーザ。
  3. 前記第1非線形光学媒質及び前記第2非線形光学媒質の温度をそれぞれ独立に制御する手段を更に有し、前記非線形光学媒質の温度を制御することにより、前記第3波長のコヒーレント光及び前記第4波長のコヒーレント光のいずれか一方を選択的に取り出せるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の内部共振器型和周波混合レーザ。
  4. 前記第1レーザ結晶がネオジム添加イットリウム・アルミニウム・ペロブスカイトを含み、前記第2レーザ結晶がイッテルビウム添加イットリウム・アルミニウム・ガーネットを含み、前記第1レーザ結晶を励起する手段が半導体レーザであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の内部共振器型和周波混合レーザ。
  5. 前記第1非線形光学媒質及び前記第2非線形媒質の少なくともいずれか一方が、三ホウ酸リチウムを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の内部共振器型和周波混合レーザ。
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