JP2007268251A - 座席のリクライニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外歯車の滑り軸受圧入面の精密加工を省略することができ、またリクライニング装置の設計自由度が滑り軸受の標準規格で制約を受けることなく、低コストで製造可能な差動伝動機構(タウメル機構)による自動車シートなどの座席のリクライニング装置とすることである。
【解決手段】座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために所定の差動伝動機構を設けたリクライニング装置であり、その差動伝動機構は、内歯車1と、これより僅かに歯数の少ない外歯車2とを噛み合わせ、外歯車2の軸孔3と内歯車1の軸4と一体のカム5の小径部分の間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片6、6´をそれらの先細り端部6a、6´aが互いに反対向きになるよう配置される。楔形片6、6´が内歯車1の軸4と一体に設けたカム5に押されて弧状の間隙内で摺動移動した際、楔形片6、6´の摩擦摺接面となる少なくとも外側面6b、6´bを、低摩擦摺動材で形成する。
【選択図】図1
【解決手段】座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために所定の差動伝動機構を設けたリクライニング装置であり、その差動伝動機構は、内歯車1と、これより僅かに歯数の少ない外歯車2とを噛み合わせ、外歯車2の軸孔3と内歯車1の軸4と一体のカム5の小径部分の間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片6、6´をそれらの先細り端部6a、6´aが互いに反対向きになるよう配置される。楔形片6、6´が内歯車1の軸4と一体に設けたカム5に押されて弧状の間隙内で摺動移動した際、楔形片6、6´の摩擦摺接面となる少なくとも外側面6b、6´bを、低摩擦摺動材で形成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、座席のリクライニング装置に関し、詳しくは自動車シートのリクライニング装置などに適する座席のリクライニング装置に関する。
一般に、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために歯車の差動伝動機構を採用し、背もたれ傾斜角度を調整可能とした座席のリクライニング装置が周知である。
従来の座席のリクライニング装置における歯車を用いた差動伝動機構を図3に基づいて、さらに図1を利用して説明すると、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジに歯車の差動伝動機構を設けている。
この差動伝動機構は、内歯車1と、これより歯数の少ない外歯車2とを噛み合わせて外歯車2の軸孔に嵌め入れている。そして、リング状の滑り軸受10と内歯車1の軸4とその滑り軸受11との間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片6、6´をそれらの先細り端部6a、6´aが互いに反対向きになるよう配置し、両楔形片が離れる方向に弾性力を付与する圧縮コイルバネ7を設けている。
楔形片6、6´が、内歯車1の軸4に設けた滑り軸受11とその突起部11aの操作により、弧状の間隙内で摺動移動した際には、外歯車2が、内歯車1から離れて背もたれ傾斜角度が調整可能となる。
このような差動伝動機構は、タウメル機構とも別称され、これを用いた自動車シートのリクライニング装置には、上述のように外歯車2の内部に滑り軸受10が設けられており、この滑り軸受10に楔形片6、6´が摩擦摺接する構造となっている(特許文献1、2)。
滑り軸受10に楔形片6、6´が摩擦摺接する構造の自動車シートのリクライニング装置は、いずれも滑り軸受10を外歯車2の内部に圧入して、楔形片6、6´の動作を円滑にする必要があった。
しかし、上記した従来の自動車などの座席のリクライニング装置は、圧入された滑り軸受の軸受面が圧入の際に変形しないように、外歯車の滑り軸受圧入面を精度良く加工しなければならない。
この場合、用いられる滑り軸受は、寸法精度のよい裏金付きの補強された樹脂軸受を使用することが好ましいが、一般的に入手可能な裏金付きの樹脂軸受は、軸受メーカーによって標準寸法が決められたものであり、これを用いるとリクライニング装置の設計の自由度が制約されることになる。
因みに、裏金付きの樹脂軸受を標準寸法以外の特注品として使用した場合、軸受価格が非常に高価なものとなり、市場競争力が低くなり実用性を失することにもなる。
そこで、この発明の課題は、外歯車の内部の滑り軸受を必要とせず、すなわち、外歯車の滑り軸受圧入面の精密加工を省略することができ、またリクライニング装置の設計自由度が滑り軸受の標準規格で制約を受けることなく、低コストで製造可能な差動伝動機構(タウメル機構)による自動車シートなどの座席のリクライニング装置とすることである。
上記の課題を解決するため、この発明は、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために差動伝動機構を設け、この差動伝動機構は、内歯車と、これより歯数の少ない外歯車とを噛み合わせ、外歯車の軸孔と内歯車の軸との間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片をそれらの先細り端部が互いに反対向きになるよう配置すると共に、両楔形片が離れる方向に弾性力を付与するバネを設け、前記楔形片が内歯車の軸に設けたカムに押されて前記弧状の間隙内で摺動移動した際、外歯車が内歯車から離れてヒンジの開き角度が調整可能となる座席のリクライニング装置において、前記楔形片の摩擦摺接面が、低摩擦摺動材で形成されていることを特徴とする座席のリクライニング装置としたのである。
上記したように構成されるこの発明の座席のリクライニング装置は、楔形片の摩擦摺接面が、低摩擦摺動材で形成されていることにより、楔形片が所定の弧状の間隙内で摺動移動するときに、外歯車の軸孔の内周面や内歯車の軸の外周面とは、低摩擦摺動材を介して接触する。
そのため、外歯車の軸孔の内周面や内歯車の軸の外周面にブッシュまたはスリーブ状の滑り軸受を予め圧入しておく必要がなくなり、すなわち、外歯車の滑り軸受圧入面を精度良く加工する必要がなく、内歯車の軸の外周面に別途滑り軸受を組み付ける必要もなくなる。
また、従来使用されていた規定寸法の裏金付きの樹脂軸受を使用する必要がなくなるので、リクライニング装置の設計の自由度が高められる。
特に、楔形片の摩擦摺接面が中間層を介して低摩擦摺動材を積層一体化したものを採用すると、低摩擦摺動材は中間層の物性の選択によって、基材との直接の接着力が低い場合にも接着力が高い状態で積層一体化が可能になる。
低摩擦摺動材を基材と積層一体化する際に、密着性の好ましい中間層としては、金属溶射層が挙げられる。金属溶射層は、表面の多孔質性により低摩擦摺動材がアンカー効果を奏しやすく、密着性が好ましい積層構造が得られる。
樹脂などの低摩擦摺動材が、前記楔形片上に中間層を介して形成されたものであれば基材との密着強度が高くなる。特に、中間層が金属溶射層であれば楔形片の低摩擦摺動材を基材と強固に密着できるために好ましい。
また、金属溶射層が銅合金等の軟質金属からなるものであれば、低摩擦摺動材が摩耗した場合でも相手材を摩耗させることがないので、潤滑特性を保持するため望ましい。また、銅合金等の軟質金属は、熱伝導率が高く放熱効果が高いため、万が一にも異常摩耗した場合に楔形片が摩擦熱によって異常に昇温することも避けられる。
前記低摩擦摺動材としては、低摩擦係数の樹脂を採用し、被膜として形成すれば、低摩擦摺動材の形成が容易である。
特に、前記樹脂被膜がフッ素系樹脂であり、例えばバインダ樹脂にフッ素樹脂を添加したフッ素樹脂被膜であると低摩擦特性に優れるために好ましい。また、フッ素樹脂被膜が、黒鉛、二硫化モリブデンおよび金属酸化物から選ばれる一種以上の固体潤滑剤を含有するフッ素樹脂被膜であるものでは、耐摩耗性および耐剥離性が高くなって好ましい。
特にフッ素樹脂被膜が、フッ素樹脂100重量部に対し、バインダ樹脂60〜130重量部を配合すると共に、黒鉛、二硫化モリブデン、金属酸化物から選ばれる一種以上の固体潤滑剤を5〜30重量部配合したフッ素樹脂組成物からなるフッ素樹脂被膜であるものを採用すれば、より確実に低摩擦特性、耐摩耗性、耐剥離性が優れたものになる。
このような座席のリクライニング装置は、座席が自動車用シートである場合、すなわち自動車シートのリクライニング装置において、上記の作用が充分に奏されるものである。
このような座席のリクライニング装置は、座席が自動車用シートである場合、すなわち自動車シートのリクライニング装置において、上記の作用が充分に奏されるものである。
この発明は、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために差動伝動機構を設けた座席のリクライニング装置において、楔形片の摩擦摺接面が、低摩擦摺動材で形成されていることにより、楔形片が外歯車の軸孔における内周面や、内歯車の軸の外周面に対しても、常に低摩擦摺動材を介して接触するため、楔形片と摩擦摺接する部品に予め滑り軸受を設けておく必要がなくなり、従来の外歯車などにおける滑り軸受圧入面の精密加工を省略することができ、またリクライニング装置の設計自由度が滑り軸受の標準規格で制約を受けることもなくなり、低コストで製造可能な自動車シートなどの座席のリクライニング装置となる利点がある。
特に、楔形片の摩擦摺接面が金属溶射層などの中間層を介して低摩擦摺動材を積層一体化したものを採用すると、低摩擦摺動材は中間層の物性の選択によって、基材との直接の接着力が低い場合にも接着力が高い状態で積層一体化が可能になる。
フッ素樹脂などの低摩擦摺動材が、前記楔形片上に中間層を介して形成されたものであれば基材との密着強度が高くなる。特に、中間層が金属溶射層であれば楔形片の低摩擦摺動材を基材と確実に強固に密着できるため好ましい。
特に、所定の固体潤滑剤を含有するフッ素樹脂被膜であるものは、耐摩耗性および耐剥離性が高くなる。
特に、所定の固体潤滑剤を含有するフッ素樹脂被膜であるものは、耐摩耗性および耐剥離性が高くなる。
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、実施形態は、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために所定の差動伝動機構を設けたリクライニング装置であり、その差動伝動機構は、内歯車1と、これより僅かに歯数の少ない外歯車2とを噛み合わせ、外歯車2の軸孔3と内歯車1の軸4と一体のカム5の小径部分の間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片6、6´をそれらの先細り端部6a、6´aが互いに反対向きになるよう配置すると共に、両楔形片6、6´が離れる方向に弾性力を付与する圧縮コイルバネ7を設け、楔形片6、6´が内歯車1の軸4と一体に設けたカム5に押されて弧状の間隙内で摺動移動した際、外歯車2が内歯車1から離れて噛み合わせが外れ、ヒンジの開き角度が調整可能となる座席のリクライニング装置であり、楔形片6、6´の摩擦摺接面となる少なくとも外側面6b、6´bが、低摩擦摺動材で形成されている。
図1、2に示すように、実施形態は、座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために所定の差動伝動機構を設けたリクライニング装置であり、その差動伝動機構は、内歯車1と、これより僅かに歯数の少ない外歯車2とを噛み合わせ、外歯車2の軸孔3と内歯車1の軸4と一体のカム5の小径部分の間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片6、6´をそれらの先細り端部6a、6´aが互いに反対向きになるよう配置すると共に、両楔形片6、6´が離れる方向に弾性力を付与する圧縮コイルバネ7を設け、楔形片6、6´が内歯車1の軸4と一体に設けたカム5に押されて弧状の間隙内で摺動移動した際、外歯車2が内歯車1から離れて噛み合わせが外れ、ヒンジの開き角度が調整可能となる座席のリクライニング装置であり、楔形片6、6´の摩擦摺接面となる少なくとも外側面6b、6´bが、低摩擦摺動材で形成されている。
外歯車2は、内歯車1より1以上歯数が少なければよく、敢えて範囲を例示すれば1〜10、好ましくは2〜5程度、通常1〜3程度の歯数が少ないものであり、特にこのような歯数の関係は限定されるのもではない。
楔形片6、6´は、図2に示した実施形態のように、先細りの端部6aが一端に形成されているものであればよく、その全体形状の細部や曲がりの程度などは特に設計によって適宜に変更できるものである。
2つの楔形片6、6´が離れる方向に弾性力を付与するバネの形態は、圧縮コイルバネを図示したが、その他にも例示すれば、一部切り欠きのリング状バネ、またはダンパーやゴム、弾性樹脂などの弾性作用のある周知の部品を採用できるものである。
また、楔形片6の摩擦摺接面としては、外歯車2の軸孔3と摺接する外側面6bと、内歯車1の軸4と一体のカム5と摺接する内側面6cが主たる摩擦摺接面であるが、特に外側面6bには耐摩耗性が要求される。その他の先端面6d、バネ保持用凹部6e、対向する一対の表(裏)面6fからなる1以上の面に低摩擦摺動材を形成してもよい。
浸漬法や噴霧法を採用して、樹脂からなる低摩擦摺動材を楔形片6、6´の一部または全体に塗布し、乾燥し、または乾燥と共に加熱硬化することにより、楔形片の摩擦摺接面に低摩擦摺動材の被膜を形成できる。
通常、楔形片6、6´の基材は、金属製であり、特に鉄系焼結材で形成されたものは、その表面に樹脂系の低摩擦摺動材製被膜を塗布して設けた際に密着性が良く、好ましいものである。
この発明に用いる低摩擦摺動材としては、いわゆる固体潤滑剤と称されるものが含まれ、例えば二硫化モリブデン、黒鉛、カーボン、フッ素樹脂等公知の低摩擦材を使用できる。
そのうち、フッ素樹脂は、低摩擦特性に優れ、耐焼付き性があると共に低コストであるために好ましいものである。
そのうち、フッ素樹脂は、低摩擦特性に優れ、耐焼付き性があると共に低コストであるために好ましいものである。
フッ素樹脂は、摩擦熱に耐えられる耐熱性を有するものであればよく、具体的には、PTFE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。これらは、それぞれ単独または2種以上の共重合体や3共重合体等であってもよい。
このうちPTFEは、フッ素樹脂の中では最も耐熱性が優れており、また、常温でも優れた摺動性を示すので好適である。さらに、PTFEの中でも、滑剤級の粉末PTFEを用いることが好ましく、滑剤級の粉末PTFEの市販品としては、ポリフロンM15、ルブロンL−2(以上ダイキン工業社製商品名)、テフロンTLP−10(デュポン社製商品名)、フルオンG163(旭硝子社製商品名)等を挙げることができる。なお、滑剤級の粉末PTFEとは、一度焼成したPTFEを粉砕した再生PTFEや、PTFEにガンマ線照射処理をして低分子量化したPTFE粉末を言い、ガンマ線照射処理をした市販品の例としては、KT400H(喜多村社製商品名)がある。
PTFEの形態は、成形用の粉末であっても、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末であってもよく、その平均粒径は0.1〜20μm、好ましくは0.2〜10μmの範囲にあるのがよい。平均粒径がこの範囲内にあると、コーティング剤中で凝集し難く、被膜中に満遍なく均一に分散される。
フッ素樹脂被膜はバインダ樹脂を併用することによって耐摩耗性と耐剥離性が高くなるために好ましい。バインダ樹脂は、フッ素樹脂被膜を熱劣化させることなく下地である焼結材製楔形片に強固に密着するとともに、粉末としたフッ素樹脂やその他の配合物を結着する役割をする。バインダ樹脂としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂等を挙げることができ、中でもポリイミド系樹脂が耐熱性と密着性に最も優れている。
ポリイミド系樹脂の具体例としては、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステルアミドイミド樹脂等を挙げることができ、中でもPIとPAIが好適であり、さらに、イミド結合またはアミド結合が芳香族基を介して結合している芳香族系ポリイミド樹脂や芳香族系ポリアミドイミド樹脂が特に好ましい。
PAIはイミド結合とアミド結合とを有する樹脂である。また、芳香族系ポリアミドイミド樹脂のイミド結合は、ポリアミド酸等の前駆体であっても、閉環したイミド環であってもよく、これらが混在する状態でもよい。このような芳香族系ポリアミドイミド樹脂には、芳香族第一級ジアミン(例えば、ジフェニルメタンジアミン)と芳香族三塩基酸無水物(例えば、トリメット酸無水物のモノまたはジアシルハライド誘導体)とから製造されるもの、芳香族ジイソシアネート化合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート)と芳香族三塩基酸無水物とから製造されるもの等がある。さらに、アミド結合に比べてイミド結合の割合を多くしたPAIとして、芳香族、脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物と芳香族四塩基酸二無水物および芳香族三塩基酸無水物とから製造されるもの等があり、いずれのPAIも使用することができる。
フッ素樹脂被膜は、その他の配合剤として、フッ素樹脂被膜に用いられる公知の配合剤を配合することができる。特に、黒鉛、二硫化モリブデンや、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物は、被膜の耐摩耗性の向上のために配合することが望ましい。
フッ素樹脂被膜は、フッ素樹脂100重量部に対し、バインダ樹脂60〜130重量部、黒鉛、二硫化モリブデンおよび金属酸化物から選ばれる一種以上の固体潤滑剤を5〜30重量部配合したフッ素樹脂組成物で構成することにより、下地である焼結材製楔形片との密着性と、被膜の耐摩耗性をより良好に発揮することができる。フッ素樹脂100重量部に対して、バインダ樹脂が60重量部未満の少量であると密着性が低下し、130重量部を越える多量の配合では低摩擦特性が低下する。また、フッ素樹脂100重量部に対して、黒鉛、二硫化モリブデン、金属酸化物等が5重量部未満の少量を配合すると耐摩耗性が不足し、30重量部を越えると密着性が低下するので好ましくない。
次に、この発明における楔形片の摩擦摺接面に設ける低摩擦摺動材は、例えば鉄系焼結金属からなる基材上に中間層を介して形成し、楔形片基材と低摩擦摺動材との密着強度を高めて形成することができる。中間層は、表面に微細な凹凸が形成されたものであればどのようなものでも良いが、溶射によって形成されたものは、膜厚が大きくならずにアンカー効果が高いために好ましいものである。
特に、銅、ニッケル、アルミニウム等の軟質金属からなる金属溶射層を中間層として採用すると、低摩擦摺動材が摩耗した場合でも相手材を傷つけることが無いため好ましいものになる。
他の方法として、この発明における楔形片の摩擦摺接面に設ける低摩擦摺動材は、例えば鉄系焼結金属からなる基材の表面にショットブラストをし、その「表面粗さ」を好ましくはRa3〜15μm、より好ましくはRa5〜10μmにした粗面を形成しておき、その上にフッ素樹脂被膜を密着させて設け、所要の性能を確保しかつ低コスト化の要求に応じることもできる。
他の方法として、この発明における楔形片の摩擦摺接面に設ける低摩擦摺動材は、例えば鉄系焼結金属からなる基材の表面にショットブラストをし、その「表面粗さ」を好ましくはRa3〜15μm、より好ましくはRa5〜10μmにした粗面を形成しておき、その上にフッ素樹脂被膜を密着させて設け、所要の性能を確保しかつ低コスト化の要求に応じることもできる。
〔実施例1〕
実施例1は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミド樹脂を90重量部、配合剤として酸化鉄10重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーFL7075)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
実施例1は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミド樹脂を90重量部、配合剤として酸化鉄10重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーFL7075)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
〔実施例2〕
実施例2は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面に銅95%、錫5%からなる銅溶射層を形成したのち、さらに表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミド樹脂を90重量部、配合剤として酸化鉄10重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーFL7075)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
実施例2は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面に銅95%、錫5%からなる銅溶射層を形成したのち、さらに表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミド樹脂を90重量部、配合剤として酸化鉄10重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーFL7075)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
〔実施例3〕
実施例3は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面にニッケル溶射層を形成したのち、さらに表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミドを100重量部、配合剤として黒鉛20重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーRCB)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
実施例3は、鉄系焼結材からなる楔形片の表面にニッケル溶射層を形成したのち、さらに表面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)100重量部、バインダ樹脂としてポリアミドイミドを100重量部、配合剤として黒鉛20重量部からなるコーティング材(NTN精密樹脂社製:ベアリーRCB)をスプレーコートした後、約230℃で焼成して厚さ0.025mmのPTFEからなるフッ素樹脂被膜を形成した。
このようにして得られた楔形片を図1、2に示す座席のリクライニング装置に組み付けた実施例1、2、3では、内歯車1の軸の外周面にブッシュまたはスリーブ状の滑り軸受を予め圧入しておく必要がなく、しかも操作レバーの回転操作により、楔形片6、6´が内歯車の軸に設けたカムに押された際に極めて滑らかに摺動移動することができ、外歯車2は速やかに内歯車から離れてヒンジの開き角度が円滑に調整可能となった。
1 内歯車
2 外歯車
3 軸孔
4 軸
5 カム
6、6´ 楔形片
6a、6´a 先細り端部
6c 内側面
6d 先端面
6e バネ保持用凹部
6f 表(裏)面
7 圧縮コイルバネ
10、11 滑り軸受
11a 突起部
2 外歯車
3 軸孔
4 軸
5 カム
6、6´ 楔形片
6a、6´a 先細り端部
6c 内側面
6d 先端面
6e バネ保持用凹部
6f 表(裏)面
7 圧縮コイルバネ
10、11 滑り軸受
11a 突起部
Claims (9)
- 座席の座面部分と背もたれ部分を結合するヒンジの開き角度の調節のために差動伝動機構を設け、この差動伝動機構は、内歯車と、これより歯数の少ない外歯車とを噛み合わせ、外歯車の軸孔と内歯車の軸との間に形成される弧状の間隙に、一対の楔形片をそれらの先細り端部が互いに反対向きになるよう配置すると共に、両楔形片が離れる方向に弾性力を付与するバネを設け、前記楔形片が内歯車の軸に設けたカムに押されて前記弧状の間隙内で摺動移動した際、外歯車が内歯車から離れてヒンジの開き角度が調整可能となる座席のリクライニング装置において、
前記楔形片の摩擦摺接面が、低摩擦摺動材で形成されていることを特徴とする座席のリクライニング装置。 - 前記楔形片の摩擦摺接面は、基材上に中間層を介して低摩擦摺動材を積層一体化して形成されたものである請求項1に記載の座席のリクライニング装置。
- 中間層が、金属溶射層である請求項2に記載の座席のリクライニング装置。
- 低摩擦摺動材が、樹脂からなり被膜状に形成されている請求項1または2に記載の座席のリクライニング装置。
- 樹脂が、フッ素系樹脂である請求項4に記載の座席のリクライニング装置。
- フッ素系樹脂が、バインダ樹脂にフッ素樹脂を添加したフッ素樹脂組成物である請求項5に記載の座席のリクライニング装置。
- フッ素樹脂組成物が、黒鉛、二硫化モリブデンおよび金属酸化物から選ばれる一種以上の固体潤滑剤を含有するフッ素樹脂組成物である請求項6に記載の座席のリクライニング装置。
- フッ素樹脂組成物が、フッ素樹脂100重量部に対し、バインダ樹脂60〜130重量部を配合すると共に、黒鉛、二硫化モリブデン、金属酸化物から選ばれる一種以上の固体潤滑剤を5〜30重量部配合したフッ素樹脂組成物である請求項7に記載の座席のリクライニング装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の座席のリクライニング装置において、座席が自動車用シートである自動車シートのリクライニング装置。
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| JP2007032380A JP2007268251A (ja) | 2006-03-10 | 2007-02-13 | 座席のリクライニング装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007032380A Pending JP2007268251A (ja) | 2006-03-10 | 2007-02-13 | 座席のリクライニング装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2007268251A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019093088A1 (ja) * | 2017-11-13 | 2019-05-16 | シロキ工業株式会社 | タウメル機構 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63303048A (ja) * | 1987-06-03 | 1988-12-09 | Toyota Motor Corp | シフトフオ−ク |
| JPH05211925A (ja) * | 1991-06-18 | 1993-08-24 | Keiper Recaro Gmbh & Co | 調節可能な背もたれを持つ座席用の継手装置 |
| JPH10120980A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Ntn Corp | 耐摩耗性・非粘着性コーティング剤および摺動部材 |
| JP2004033401A (ja) * | 2002-07-02 | 2004-02-05 | Imasen Electric Ind Co Ltd | 自動車シートのリクライニング装置 |
-
2007
- 2007-02-13 JP JP2007032380A patent/JP2007268251A/ja active Pending
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