JP2007276366A - 繊維調加飾シートとこれを用いた繊維調加飾成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不織布が本来有する優れた繊維調の立体感を付与することができる繊維調加飾シートとこれを用いた繊維調加飾成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】 250g/mのポリエチレンテレフタレートからなる不織布の一方の面からアルミニウムを真空蒸着して不織布の繊維を高輝度膜で被覆した。高輝度膜の膜厚は700Åに設定した。また、不織布の他方の面に、グラビア印刷法により塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる接着層を設けた。さらに、上記不織布の真空蒸着した面に紫外線硬化性樹脂とイソシアネート硬化樹脂のハイブリット樹脂をリップコーターを用いてWet25μmの膜厚設定でコーティングを行なって紫外線硬化樹脂層を形成し、繊維調加飾シートを得た。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家電製品やIT機器の外装、自動車の内装などの樹脂成形部材に用いることができる繊維調加飾シートとこれを用いた繊維調加飾成形品の製造方法に関する。
従来、不織布を射出成形用金型内に配置し、溶融樹脂を金型内に射出して成形品を成形するのと同時に不織布を成形品の表面に一体的に接着することによって、樹脂成形品の表面に繊維調の模様と質感とが付与された繊維調加飾成形品を得ようとする方法がある。
しかし、上記のようにして得た繊維調加飾成形品の表面は、不織布を構成する繊維が射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられることで潰され、不織布が本来有している繊維の集合体からなる微細凹凸によって表現される繊維調の立体感を付与するのが難しいという問題点があった。
そこで、これを解決する手段として、特許文献1には、不織布の表面に金属光沢を有する高輝度層が少なくとも形成されるように構成し、このことによって、不織布が射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられることで潰されて圧縮された状態になったとしても、不織布を構成する繊維の一本一本が光の反射で繊維の凹凸が強調されて視覚的にはっきりと区別して見えるようになるため、繊維調の立体感を得ることができることが開示されている。
特開2004−34527号公報
しかし、特許文献1記載の技術で得られる繊維調の立体感とは、射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられることで潰されて圧縮された状態の繊維の凹凸を強調したに過ぎず、圧縮される前の繊維の凹凸、すなわち不織布が本来有する凹凸と比べるとやはり立体感に劣るものであった。
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、不織布が本来有する優れた繊維調の立体感を付与することができる繊維調加飾シートとこれを用いた繊維調加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
つまり、本発明の繊維調加飾シートは、不織布の一方の面及び内部に電離放射線硬化層が形成されるように構成した。
また、上記の発明において、不織布が100g/m以上であるように構成してもよい。
また、上記の発明において、不織布の電離放射線硬化層が形成された面とは反対側の面に樹脂フィルムがラミネートされているように構成してもよい。
また、上記の発明において、不織布の繊維が、高輝度膜によって被覆されているように構成してもよい。
また、本発明の繊維調加飾成形品は、上記に記載の繊維調加飾シートが成形樹脂表面に積層されるように構成した。
また、本発明の繊維調加飾成形品の製造方法は、上記に記載の繊維調加飾シートをキャビティを有する金型内に配置し、金型内に溶融した成形樹脂を射出し、繊維調加飾シートと成形樹脂とを一体化させるように構成した。
本発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
本発明の繊維調加飾シートは、不織布の一方の面及び内部に電離放射線硬化層が形成されるように構成したので、これを電離放射線硬化後にキャビティを有する金型内に配置し、金型内に溶融した成形樹脂を射出し、繊維調加飾シートと成形樹脂とを一体化させることにより、不織布が射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられて潰されることを防ぎ、不織布が本来有する優れた繊維調の立体感を有する繊維調加飾成形品を容易に得ることができる。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1〜2は、本発明の繊維調加飾シートの一実施例を示す断面図である。図3〜6は、本発明の繊維調加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図7は、本発明の繊維調加飾成形品を示す断面図である。図中、1は繊維調加飾シート、2は不織布、3は電離放射線硬化層、4は図柄層、5は接着層、6は金型、7は成形樹脂、8は繊維調加飾成形品、9は予備成形用型である。
本発明の繊維調加飾シート1は、不織布2の一方の面及び内部に電離放射線硬化層3が形成されたものである(図1〜2参照)。
上記不織布2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなるものを用いるのが好ましい。ポリエチレンテレフタレートからなる不織布は、立体形状への成形性、耐熱性、耐薬品性に優れている。また、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる不織布も立体形状への成形性に優れている。立体形状にする必要がない場合や耐性が必要とされない場合は、レーヨン、ナイロン、アクリルなどからなる不織布も使用することができる。
また、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、物性、加工性などの改良を目的として他の成分が添加または含浸された不織布を用いてよい。
不織布2の重量は、100g/m以上とするのが好ましい。100g/mに満たないと、電離放射線硬化層3の他に、後述するように図柄層4や接着層5などを印刷法により設ける際、図柄層4や接着層5などの形成に用いるインキを構成する樹脂や顔料が、不織布2を透過してしまう恐れがある。
しかしながら意匠として100g/m未満の不織布2が適しているような場合もある。この場合、不織布2の電離放射線硬化層3が形成された面とは反対側の面に樹脂フィルムをドライラミネート法等によりラミネートすればよい。そうすることで、前段落で述べた印刷の不具合が発生しない。また、このラミネートは不織布2が100g/m未満の場合に限定されるものではなく、当該ラミネートによって不織布2が薄いことによるハンドリングの悪さを解消することができる。ラミネートする樹脂フィルムとしては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン等、もしくはそれらの共重合体が使用できる。
このような不織布2を用いることにより、繊維調の模様を表現することができる。なお、本発明で言う繊維調の模様とは、繊維の集合体によって表現される立体感を有する模様をいう。不織布2は樹脂繊維を圧着して製造されているために、布のような繊維の集合体と同じく表面が微細凹凸形状である立体感を有する。また、不織布2を構成する繊維の太さは不織布2の製造課程で任意に設定することが可能であり、繊維調の模様に対する自由度がある。
また、上記不織布2の繊維は、高輝度膜によって被覆されたものであってもよい。上記被覆によって、不織布2を構成する繊維の一本一本が光の反射で繊維の凹凸が強調されて視覚的にはっきりと区別して見えるようになるため、繊維調の立体感を有するものとなる。高輝度膜は、高輝度膜を設けるには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などにより形成するとよい。高輝度膜は、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用するとよい。
また、アルミニウムなどの金属粉などを顔料としたインキを用いることによっても、不織布2の繊維を高輝度膜によって被覆することができる。高輝度膜の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。印刷法によって高輝度膜を形成する場合は、所望のパターンに高輝度膜を形成することが容易である。
上記高輝度膜による優れた繊維調の立体感を得るには、不織布2を構成する繊維の太さよりも、高輝度膜を構成する金属の粒径が小さくなるようにするのが好ましい。特に、真空蒸着法などによって高輝度膜を形成すると、不織布2を構成する繊維の太さよりも小さい気化した金属粒子が不織布2を構成する繊維に吸着するため、金属粉などを顔料としたインキを用いる場合よりも優れた繊維調の立体感を得ることができる。
また、上記不織布2の表面には、必要に応じて、図柄層4を形成することにより加飾を施してもよい(図2参照)。図柄層4は、任意の文字、図柄などを表現するための層である。図柄層4の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法などを採用することができる。
以上のような不織布2の一方の面及び内部に電離放射線硬化層3が形成される。また、不織布2に加飾が施されている場合には、当該加飾側の面及び内部に電離放射線硬化層3が形成される。上記電離放射線硬化層3は、不織布2が射出成形時の樹脂圧により金型6のキャビティ面に強く押しつけられて潰されることを防ぐための層であり、より多くの樹脂を塗布又は印刷することでその堅牢さが増す。電離放射線硬化層3の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があるが、特に各種コート法やスクリーン印刷法がより多くの樹脂を塗布又は印刷することができるため好ましい。なお、電離放射線硬化層3は、電離放射線硬化樹脂の他に、電離放射線硬化樹脂とイソシアネート硬化樹脂のハイブリット樹脂を用いることができる。
また、不織布2の前記図柄層4を形成した側に電離放射線硬化層3を形成すると、射出成形時に金型のキャビティ形成面に図柄層4の一部が転移して、キャビティを汚染するのを防止することができる。
また、繊維調加飾シート1には、必要に応じて、接着層5を形成してもよい(図2参照)。接着層5は、成形樹脂7に繊維調加飾シート1を接着する層である。接着層5としては、成形樹脂7の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂7の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂7の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂7の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法、熱転写や昇華転写等の転写法がある。
上記したような繊維調加飾シート1を用いて繊維調加飾成形品8を得ることができる。
まず、繊維調加飾シート1に電離放射線を照射することにより電離放射線硬化層3を硬化させた後、これをキャビティを有する金型6内に配置する(図3参照)。なお、成形品が三次元形状である場合、繊維調加飾シート1は、金型6表面の形状に沿いやすくするために、あらかじめ金型6のキャビティ面の形状にほぼ合致する形状に、型押しプレス法などによって予備成形されるが(図5〜6参照)、上記電離放射線の照射はこの予備成形の後である。また、繊維調加飾シート1が前述のように樹脂フィルムをラミネートしたものである場合、予備成形は真空成形法や圧空成形法などによってもよい。
次いで、金型6に溶融した成形樹脂7を射出する(図4参照)。
成形樹脂7としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂、ガラス繊維を含有するPCとABSのアロイ樹脂などを用いることができる。なお、ポリカーボネートのように成形温度が高い樹脂を用いる場合は、繊維調加飾シート1に歪みが生じたりする恐れがあるが、たとえば軟化点が約260℃と高温である結晶性のポリエチレンテレフタレートからなる不織布2を用いることにより前記した不具合を防止することができる。
最後に、成形樹脂7が固化した後、型開きして繊維調加飾シート1と成形樹脂7とが一体化した繊維調加飾成形品8を得ることができる(図7参照)。
このようにして得られた繊維調加飾成形品8は、不織布2の一方の面及び内部に電離放射線硬化層3が形成されるように繊維調加飾シート1を構成したので、これを電離放射線硬化後にキャビティを有する金型内に配置し、金型内に溶融した成形樹脂を射出し、繊維調加飾シート1と成形樹脂7とを一体化させることにより、不織布2が射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられて潰されることを防ぎ、不織布2が本来有する優れた繊維調の立体感を有する繊維調加飾成形品を容易に得ることができる。
(実施例1) 250g/mのポリエチレンテレフタレートからなる不織布の一方の面からアルミニウムを真空蒸着して不織布の繊維を高輝度膜で被覆した。高輝度膜の膜厚は700Åに設定した。また、不織布の他方の面に、グラビア印刷法により塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる接着層を設けた。さらに、上記不織布の真空蒸着した面に紫外線硬化性樹脂とイソシアネート硬化樹脂のハイブリット樹脂をリップコーターを用いてWet25μmの膜厚設定でコーティングを行なって紫外線硬化樹脂層を形成し、繊維調加飾シートを得た。
次に、繊維調加飾シートを表面温度が100℃になるまで加熱した後、所望の立体形状を有する凸型と凹型との間に挿入し、凸型と凹型どおしを合わせることによって三次元形状に予備成形を行った。
次いで、予備成形後の繊維調加飾シートに紫外線照射を行ない、紫外線硬化樹脂層を硬化させた。
次いで、繊維調加飾シートの周囲の不要部分を切除し、射出成形型のキャビティ面に挿入して固定した。次いで型締めし、成形樹脂としてポリカーボネート樹脂を射出成形し、型開きして成形品を取り出した。このようにして、繊維調加飾シートと成形樹脂とが一体化した繊維調加飾成形品を得た。
(実施例2) 150g/mのポリプロピレンからなる不織布を用意した。不織布の一方の面から高輝度パール顔料を含むアクリル系樹脂をグラビア印刷法にて設けた。また、不織布の他方の面に、グラビア印刷法によりアクリル樹脂からなる接着層を設けた。さらにABS樹脂からなる100μmの樹脂フィルムをドライラミネート法により不織布に一体化した後、上記不織布の真空蒸着した面に紫外線硬化性樹脂とイソシアネート硬化樹脂のハイブリット樹脂をリップコーターを用いてWet20μmの膜厚設定でコーティングを行なって紫外線硬化樹脂層を形成した。
次に、繊維調加飾シートを表面温度が80℃になるまで加熱した後、所望の立体形状を有し吸引孔を備えた凸型の上に配置し、真空吸引することによって三次元形状に予備成形を行った。
次いで、予備成形後の繊維調加飾シートに紫外線照射を行ない、紫外線硬化樹脂層を硬化させた。
次いで、繊維調加飾シートの周囲の不要部分を切除し、射出成形型のキャビティ面に挿入して固定した。次いで型締めし、成形樹脂としてポリカーボネート樹脂を射出成形し、型開きして成形品を取り出した。このようにして、繊維調加飾シートと成形樹脂とが一体化した繊維調加飾成形品を得た。
実施例1および2の繊維調加飾成形品はいずれも、不織布が射出成形時の樹脂圧により金型のキャビティ面に強く押しつけられて潰されることを防ぎ、不織布が本来有する優れた優れた繊維調の立体感を有するものであった。
本発明の繊維調加飾シートの一実施例を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾シートの一実施例を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の繊維調加飾成形品を示す断面図である。
符号の説明
1 繊維調加飾シート
2 不織布
3 電離放射線硬化層
4 図柄層
5 接着層
6 金型
7 成形樹脂
8 繊維調加飾成形品
9 予備成形用型

Claims (5)

  1. 不織布の一方の面及び内部に電離放射線硬化層が形成されたことを特徴する繊維調加飾シート。
  2. 不織布が100g/m以上である請求項1記載の繊維調加飾シート。
  3. 不織布の電離放射線硬化層が形成された面とは反対側の面に樹脂フィルムがラミネートされている請求項1又は2のいずれかに記載の繊維調加飾シート。
  4. 不織布の繊維が、高輝度膜によって被覆されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の繊維調加飾シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維調加飾シートを電離放射線硬化後にキャビティを有する金型内に配置し、金型内に溶融した成形樹脂を射出し、繊維調加飾シートと成形樹脂とを一体化させることを特徴とする繊維調加飾成形品の製造方法。
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