JP2007291966A - 蒸気タービンおよびタービンロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】所定のタービン構成部品に限定的に耐食性耐熱材料を用いることで、高温蒸気で駆動して熱効率の向上を図ることができ、さらに経済性にも優れた蒸気タービンおよびタービンロータを提供することを目的とする。
【解決手段】620℃以上の高温蒸気が導入される再熱蒸気タービン100であって、再熱蒸気タービン100のタービンロータ113が、初段のノズル114aら蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼115aにわたる領域に位置し、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部113aと、この高温タービンロータ構成部113aを挟着して連結し、高温タービンロータ構成部113aとは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部113bとから構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】620℃以上の高温蒸気が導入される再熱蒸気タービン100であって、再熱蒸気タービン100のタービンロータ113が、初段のノズル114aら蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼115aにわたる領域に位置し、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部113aと、この高温タービンロータ構成部113aを挟着して連結し、高温タービンロータ構成部113aとは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部113bとから構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、蒸気タービンおよびタービンロータに係り、特に温度が620℃以上の高温蒸気を利用可能な蒸気タービンおよびタービンロータに関する。
火力発電設備における高温部の大半には、製造性や経済性に優れたフェライト系耐熱鋼が使用されてきた。この従来の火力発電設備の蒸気タービンにおいては、蒸気条件が一般に600℃級以下の蒸気温度であるため、タービンロータ、動翼等の主要部材にはフェライト系耐熱鋼が用いられている。
しかし近年は、環境保全を背景とした火力発電設備の高効率化が積極的に進められ、600℃程度の高温蒸気を利用した蒸気タービンが運転されている。このような蒸気タービンにおいては、フェライト系耐熱鋼の諸特性では要求特性を満足できない構成部品があるため、その構成部品をより高温特性に優れた耐熱合金やオーステナイト系耐熱鋼で形成しているものもある。
一方、650℃以上の高温蒸気を利用した蒸気タービンに対して、オーステナイト系材料の使用を極力削減して蒸気タービン発電設備を構成する技術が開示されている(例えば、特許文献1−3参照。)。この蒸気タービン発電設備は、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービン、第2の低圧タービンおよび発電機が一軸に連結されており、超高圧タービンと高圧タービンは同一の外部ケーシング内に組み込まれて独立したものとされている(例えば、特許文献2参照。)。
また、地球環境保護の観点から、CO2、SOx、NOxの排出量の抑制のために、更なる高効率化へのニーズが高まる状況にある。火力発電設備におけるプラント熱効率の高効率化を図るためには、蒸気温度を高めることが最も有効な手段の一つであり、700℃級の蒸気タービンの開発が検討されている。
また、上記した蒸気温度の高温化に対応するため、タービン構成部品を冷却蒸気によって冷却する技術も開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平7−247806号公報
特開2000−282808号公報
特許第3095745号公報
特開2004−353603号公報
上記した700℃級の蒸気タービンの開発において、特にタービン構成部品の強度保証に関しては現在模索中である。従来、火力発電設備では、蒸気タービンに使用するタービンロータ、ノズル、動翼、ノズルボックス(蒸気室)、蒸気供給管等のタービン構成部品に改良された耐熱鋼を使用していたが、再熱蒸気温度が700℃以上になると、タービン構成部品の強度保証を高く維持することが難しい。
このため、蒸気タービンにおいて、従来の改良された耐熱鋼をタービン構成部品にそのまま使用しても強度保証を高く維持できる新たな技術の実現が望まれている。この新たな技術の一つとして、上記したタービン構成部品を冷却蒸気によって冷却する技術が期待されているが、例えばタービン初段に対応する部位から従来材を適用するためにタービンロータやケーシングを冷却蒸気によって冷却するためには、主流の数%に及ぶ冷却蒸気量を必要とする。また、冷却蒸気が通路部内に流入することによって、翼列性能の劣化に伴うタービン単体での内部効率の低下が問題となる。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、所定のタービン構成部品に限定的に耐食性耐熱材料を用いることで、高温蒸気で駆動して熱効率の向上を図ることができ、さらに経済性にも優れた蒸気タービンおよびタービンロータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の蒸気タービンは、620℃以上の高温蒸気が導入される蒸気タービンであって、前記蒸気タービンのタービンロータが、初段のノズルから蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼にわたる領域に位置し、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部と、前記高温タービンロータ構成部を挟着して連結し、前記高温タービンロータ構成部とは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部とから構成されていることを特徴とする。
この蒸気タービンによれば、タービンロータの高温部のみに、耐食性耐熱材料を使用することで、620℃以上の高温蒸気で駆動して、所定の熱効率などの諸性能を維持し、製造コストの削減を図ることができる。
本発明のタービンロータは、620℃以上の高温蒸気が導入される蒸気タービンに貫設されるタービンロータであって、前記蒸気タービンにおける初段のノズルから蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼にわたる領域に位置され、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部と、前記高温タービンロータ構成部を挟着して連結し、前記高温タービンロータ構成部とは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部とから構成されていることを特徴とする。
このタービンロータによれば、タービンロータの高温部のみに、耐食性耐熱材料を使用することで、620℃以上の高温蒸気で駆動することができるとともに、製造コストの削減を図ることができる。
本発明によれば、所定のタービン構成部品に限定的に耐食性耐熱材料を用いることで、高温蒸気で駆動して熱効率の向上を図ることができ、さらに経済性にも優れた蒸気タービンおよびタービンロータを提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の上半ケーシング部における断面を示した図である。
図1は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の上半ケーシング部における断面を示した図である。
図1に示すように、再熱蒸気タービン100は、内部ケーシング110とその外側に設けられた外部ケーシング111とから構成される二重構造のケーシングを備え、内部ケーシング110と外部ケーシング111との間にはヒートチャンバ112が形成される。内部ケーシング110内にはタービンロータ113が貫設されている。また、内部ケーシング110の内側面にはノズルダイヤフラム外輪117が接続され、例えば9段落のノズル114が配設される。また、タービンロータ113には、これらのノズル114に対応して動翼115が植設されている。
このタービンロータ113は、初段のノズル114a(蒸気温度が620℃以上)から蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aにわたる領域に位置する高温タービンロータ構成部113aと、この高温タービンロータ構成部113aを挟着して連結する低温タービンロータ構成部113bとから構成される。この高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとは、溶接接合またはボルト締結により連結されている。なお、この連結部の構成については後述する。ここで、上記した内部ケーシング110は、この高温タービンロータ構成部113aが貫設された領域を覆う高温ケーシング構成部110aと、低温タービンロータ構成部113bが貫設された領域を覆う低温ケーシング構成部110bとから構成される。上記した高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合と同様に、高温ケーシング構成部110aと低温ケーシング構成部110bとは、溶接接合またはボルト締結により連結されている。
これらの初段のノズル114aから蒸気温度がほぼ550℃(厳密には550℃近傍の温度でよい)になる段落の動翼115aにわたる領域に位置する、高温タービンロータ構成部113aおよび高温ケーシング構成部110aは、蒸気導入温度である620℃以上の高温蒸気から550℃までの蒸気に晒されるため、高温における機械的強度(例えば、10万時間でのクリープ破断強度)が大きく、かつ耐水蒸気酸化特性を有する耐食性耐熱材料などで構成される。この耐食性耐熱材料として、例えばNi基合金が用いられ、具体的には、例えば、インコネル社製のInco625、Inco617、Inco713などが挙げられる。なお、初段のノズル114から蒸気温度が550℃になる段落の動翼にわたる領域に位置するノズル114、ノズルダイヤフラム外輪117、ノズルダイヤフラム内輪118、動翼115なども上記した耐食性耐熱材料で材料で構成される。
一方、550℃よりも低い温度の蒸気に晒される低温タービンロータ構成部113bや低温ケーシング構成部110bは、上記した高温タービンロータ構成部113aや高温ケーシング構成部110aを構成する材料とは異なる材料で構成され、従来からタービンロータやケーシングの材料として広く用いられているフェライト系耐熱鋼などで構成されることが好ましい。このフェライト系耐熱鋼として、具体的には、例えば新12Cr鋼、改良12Cr鋼、12Cr鋼、9Cr鋼またはCrMoV鋼などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、ノズルダイヤフラム内輪118のタービンロータ113側の面には、ノズルラビリンス119が設けられ、蒸気の漏洩を抑制している。
さらに、再熱蒸気タービン100には、蒸気流入管130が、外部ケーシング111および内部ケーシング110を貫通して設けられ、さらに蒸気流入管130の端部が、動翼115側に向けて蒸気を導出するノズルボックス116に連通して接続されている。これらの蒸気流入管130やノズルボックス116は、蒸気導入温度である620℃以上の高温蒸気に晒されるため、上記した耐食性耐熱材料で構成される。ここで、ノズルボックス116は、例えば、特開2004−353603号公報に開示されているように、ノズルボックスの壁の内部に冷却蒸気を流す冷却蒸気通路を形成し、ノズルボックスの壁内側面を遮蔽板で断続的に覆う構成としてもよい。これによって、ノズルボックスの壁に発生する熱応力などを低減して高い強度保証を維持することができる。
次に、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの連結部の構成について、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、溶接接合における高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合部の断面の一部を示す図である。また、図3〜図5は、ボルト締結における高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合部の断面の一部を示す図である。
図2に示すように、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとが、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側に位置するノズル114の下流側で溶接接合され、接合部120が形成されている。このように高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとを溶接接合することで、接合部120の占める領域を最小限に押さえることができる。
また、図3に示すように、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合端部のそれぞれに、タービンロータ113の半径方向の外側に突出するフランジ部121、122を形成し、双方のフランジ部121、122をボルト123およびナット124でボルト締結させてもよい。このボルト締結による接合部120は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側に位置するノズル114の上流側に位置している。このようにボルト締結することで、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとを構成する材料の線膨張係数の差によって生じる接合面における熱応力の発生を抑制することができる。
また、図4に示すように、ボルト締結による接合部をノズルラビリンス119に対向させて配置してもよい。このように接合部を位置させることで、図3に示したボルト締結の場合に比べて、タービンロータ113全体の長さを短くすることができる。
さらに、図5に示すように、高温タービンロータ構成部113aおよび低温タービンロータ構成部113bのそれぞれのフランジ部121、122の外周縁に沿って、それぞれが接合する接合面と異なる側に突出し、ボルト123およびナット124のタービンロータ113の半径方向への露出を防止する突出部121a、122aを設けてもよい。すなわち、ボルト123およびナット124は、突出部121a、122a、タービンロータ113およびフランジ部121、122によって形成される凹部に、タービンロータ113の軸方向に突出することなく収容されている。このように突出部121a、122aを設けることで、ボルト123およびナット124の飛散を防止することができる。
また、図示はしていないが、初段のノズル114aに対応する位置に形成された接合部126においても、上記した溶接接合またはボルト締結によって、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとを連結することができる。この場合においても、上記した溶接接合またはボルト締結による場合と同様の作用効果が得られる。
続いて、再熱蒸気タービン100における動作について、図1を参照して説明する。
蒸気流入管130を経て、再熱蒸気タービン100内のノズルボックス116内に流入した温度が620℃以上の蒸気は、内部ケーシング110に固定されたノズル114とタービンロータ113に植設された動翼115との間の蒸気通路を通り、タービンロータ113を回転させる。また、膨張仕事をした蒸気の大部分は、排気経路125を通り、再熱蒸気タービン100から排気され、例えば低温再熱管を通りボイラに流入する。
なお、上記した再熱蒸気タービン100において、膨張仕事をした蒸気の一部を冷却用蒸気として、内部ケーシング110と外部ケーシング111との間に導き、外部ケーシング111や内部ケーシング110を冷却する構成を備えてもよい。この際、冷却用蒸気は、グランドシール部127aまたは排気経路125から排気される。なお、冷却用蒸気の導入方法はこれに限られるものではなく、例えば、再熱蒸気タービン100の途中段落から抽出した蒸気や、他の蒸気タービンから抽出した蒸気を冷却用蒸気として使用してもよい。
上記したように第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100および再熱蒸気タービン100に貫設されているタービンロータ113によれば、機械的強度と耐食性から決まる従来材料(例えば、フェライト系耐熱鋼)の許容温度を超えるタービンロータ113や内部ケーシング110の高温部のみに、耐食性耐熱材料であるNi基合金を使用することで、620℃以上の高温蒸気で駆動して、所定の熱効率などの諸性能を維持することができるとともに、経済性にも優れている。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態の再熱蒸気タービン200の上半ケーシング部における断面を示した図である。ここで、第2の実施の形態の再熱蒸気タービン200は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の構成に、冷却用蒸気を導入する冷却手段を備えものであり、冷却手段以外の構成および構成材料は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の場合と同じであるので、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
図6は、第2の実施の形態の再熱蒸気タービン200の上半ケーシング部における断面を示した図である。ここで、第2の実施の形態の再熱蒸気タービン200は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の構成に、冷却用蒸気を導入する冷却手段を備えものであり、冷却手段以外の構成および構成材料は、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100の場合と同じであるので、第1の実施の形態の再熱蒸気タービン100と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
図6に示すように、再熱蒸気タービン200では、タービンロータ113に沿って配設され、初段のノズル114aに対応する位置の接合部126付近から初段の動翼115に対応するホイール部210に向けて冷却用蒸気240を噴出する冷却用蒸気供給配管220と、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aとその直下流側に位置するノズル114との間に配設され、タービンロータ113に向けて冷却用蒸気240を噴出する冷却用蒸気供給配管230とを備えている。これらの冷却用蒸気供給配管220、230は、冷却手段として機能し、これらの冷却用蒸気供給配管220、230から噴出された冷却用蒸気240によって、タービンロータ113、接合部120、126、さらに、外部ケーシング111や内部ケーシング110などが冷却される。
冷却用蒸気240には、例えば、高圧タービンやボイラなどから抽出した蒸気、再熱蒸気タービン200の途中段落から抽出した蒸気、さらに再熱蒸気タービン200の排気経路125に排気される蒸気などを用いることができ、設定する冷却用蒸気240の温度に基づいて、適宜にその供給源が選択される。
次に、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの連結部の構成について、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、溶接接合における高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合部の断面の一部および冷却手段を示す図である。また、図8〜図10は、ボルト締結における高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合部の断面の一部および冷却手段を示す図である。
図7に示すように、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとが、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側に位置するノズル114の下流側で溶接接合され、接合部120が形成されている。また、冷却用蒸気供給配管230は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aとその直下流側に位置するノズル114との間に配置され、その蒸気噴出口230aは、高温タービンロータ構成部113aから所定の距離をおいて高温タービンロータ構成部113aに向けられている。
このように高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとを溶接接合することで、接合部120の占める領域を最小限に押さえることができる。また、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aとその直下流側に位置するノズル114との間に冷却用蒸気240を供給することで、接合部120や接合部120近傍の高温タービンロータ構成部113aを冷却することができるので、接合部120における熱応力の発生や、低温タービンロータ構成部113b側への熱伝導を抑制することができる。
また、図8に示すように、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとの接合端部のそれぞれに、タービンロータ113の半径方向の外側に突出するフランジ部121、122を形成し、双方のフランジ部121、122をボルト123およびナット124でボルト締結させてもよい。冷却用蒸気供給配管230は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aとその直下流側に位置する高温タービンロータ構成部113aのフランジ部121との間に配置され、その蒸気噴出口230aは、高温タービンロータ構成部113aから所定の距離をおいて高温タービンロータ構成部113aに向けられている。また、ボルト締結による接合部120は、冷却用蒸気供給配管230と蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの下流側に位置するノズル114との間に位置している。
このようにボルト締結し、冷却用蒸気240を供給することで、高温タービンロータ構成部113aと低温タービンロータ構成部113bとを構成する材料の線膨張係数の差によって生じる接合面における熱応力の発生を抑制することができる。また、冷却用蒸気を供給することで、低温タービンロータ構成部113b側への熱伝導を抑制することができる。
また、図9に示すように、ボルト締結による接合部をノズルラビリンス119に対向させて配置し、冷却用蒸気供給配管230を、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aとその直下流側に位置する高温タービンロータ構成部113aのフランジ部121との間に配置してもよい。このように接合部を位置させることで、図8に示したボルト締結の場合に比べて、タービンロータ113全体の長さを短くすることができる。また、冷却用蒸気を供給することで、低温タービンロータ構成部113b側への熱伝導を抑制することができる。
さらに、図10に示すように、高温タービンロータ構成部113aおよび低温タービンロータ構成部113bのそれぞれのフランジ部121、122の外周縁に沿って、それぞれが接合する接合面と異なる側に突出し、ボルト123およびナット124のタービンロータ113の半径方向への露出を防止する突出部121a、122aを設けてもよい。すなわち、ボルト123およびナット124は、突出部121a、122a、タービンロータ113およびフランジ部121、122によって形成される凹部に、タービンロータ113の軸方向に突出することなく収容されている。このように突出部121a、122aを設けることで、ボルト123およびナット124の飛散を防止することができる。
また、図6に示すように、冷却用蒸気供給配管220は、タービンロータ113に沿って配設され、その蒸気噴出口220aは、初段のノズル114aに対応する位置の接合部126付近に位置され、初段の動翼115に対応するホイール部210に向けられている。そして、この蒸気噴出口220aからホイール部210に向かって冷却用蒸気240が噴出される。
このように冷却用蒸気240を供給することで、620℃以上の高温蒸気が通る初段の動翼115対応するホイール部210から高温タービンロータ構成部113aを介して低温タービンロータ構成部113b側へ熱が伝導するのを抑制することができる。また、冷却用蒸気240によって、接合部126およびその付近も冷却される。
なお、ここでは、図6に示すように、初段のノズル114aに対応する位置の接合部126が溶接接合された構成について説明したが、上記した下流側の接合部120のように、接合部126をボルト締結で構成することも可能である。この場合、冷却用蒸気240は、ボルト締結による接合部126と、初段の動翼115対応するホイール部210との間に供給されることが好ましい。この際、冷却用蒸気供給配管220の蒸気噴出口220aは、初段の動翼115に対応するホイール部210または高温タービンロータ構成部113aに向けられていることが好ましい。
ここで、冷却用蒸気240の動作について説明する。
まず、冷却用蒸気供給配管220の蒸気噴出口220aから噴出された冷却用蒸気240について、図6を参照して説明する。
冷却用蒸気供給配管220の蒸気噴出口220aから噴出された冷却用蒸気240は、初段の動翼115に対応するホイール部210に衝突し、ホイール部210を冷却し、さらに接合部126と接触することで、接合部126およびその付近を冷却する。そして、冷却用蒸気240は、グランドシール部127bを通過し、その一部は、外部ケーシング111と内部ケーシング110との間を流れ、それぞれのケーシングを冷却する。さらに、ヒートチャンバ112に導入され、排気経路125から排気される。一方、グランドシール部127bを通過した残りの冷却用蒸気240は、グランドシール部127aを通過し、排気される。
次に、冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口から噴出された冷却用蒸気240について、図7〜図10を参照して説明する。
図7に示す構成の場合、冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口230aから噴出された冷却用蒸気240は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側における高温タービンロータ構成部113aに衝突し、高温タービンロータ構成部113aを冷却する。続いて冷却用蒸気240は、ノズルラビリンス119と高温タービンロータ構成部113aとの間を下流側へ流れ、接合部120およびその付近を冷却する。
図8に示す構成の場合、冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口230aから噴出された冷却用蒸気240は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側における高温タービンロータ構成部113aに衝突し、高温タービンロータ構成部113aを冷却し、さらに接合部120であるフランジ部121、122を冷却する。続いて、冷却用蒸気240は、ノズルラビリンス119と低温タービンロータ構成部113bとの間を、それぞれを冷却しながら下流側へ流れる。
図9および図10に示す構成の場合、冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口230aから噴出された冷却用蒸気240は、蒸気温度が550℃になる段落の動翼115aの直下流側における高温タービンロータ構成部113aに衝突し、高温タービンロータ構成部113aを冷却する。続いて、冷却用蒸気240は、ノズルラビリンス119とフランジ部121、122との間を下流側へ流れ、接合部120であるフランジ部121、122を冷却する。
上記したように、図6に示した冷却用蒸気供給配管220の蒸気噴出口220aから噴出された冷却用蒸気240による冷却方法は、接合部126近傍のホイール部210に局所的に冷却用蒸気240を噴出する方式であり、冷却用蒸気240の供給量を極力押さえることができる。これによって、冷却用蒸気240がホイール部210とノズルダイヤフラム内輪118との間から作動蒸気の通路内に流入することで低下する翼列性能を、冷却用蒸気を供給しない従来の蒸気タービンと同程度に維持することができるとともに、タービン自体の内部効率を向上させることができる。また、グランドシール部127bを通過した冷却用蒸気240によって、外部ケーシング111や内部ケーシング110などを冷却することもできる。また、冷却用蒸気供給配管220の蒸気噴出口220aは、初段の動翼115に対応するホイール部210に向けられ、冷却用蒸気240を所定の速度で吹き付けることができるので、熱伝達率が向上し、効果的に高温タービンロータ構成部113aの冷却を行うことができる。
また、上記したように、図7〜図10に示した冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口230aから噴出された冷却用蒸気240による冷却方法は、接合部120近傍の高温タービンロータ構成部113aに局所的に冷却用蒸気240を噴出する方式であり、冷却用蒸気240の供給量を極力押さえることができる。これによって、冷却用蒸気240がホイール部210とノズルダイヤフラム内輪118との間から作動蒸気の通路内に流入することで低下する翼列性能を、冷却用蒸気を供給しない従来の蒸気タービンと同程度に維持することができるとともに、タービン自体の内部効率を向上させることができる。また、冷却用蒸気供給配管230の蒸気噴出口230aは、高温タービンロータ構成部113aに向けられ、冷却用蒸気240を所定の速度で吹き付けることができるので、熱伝達率が向上し、効果的に高温タービンロータ構成部113aの冷却を行うことができる。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、本発明の蒸気タービンやタービンロータは、620℃以上の高温の蒸気が導入される蒸気タービンに適用することができる。
100,200…再熱蒸気タービン、110…内部ケーシング、110a…高温ケーシング構成部、110b…低温ケーシング構成部、111…外部ケーシング、112…ヒートチャンバ、113…タービンロータ、113a…高温タービンロータ構成部、113b…低温タービンロータ構成部、114,114a…ノズル、115,115a…動翼、116…ノズルボックス、117…ノズルダイヤフラム外輪、118…ノズルダイヤフラム内輪、119…ノズルラビリンス、120,126…接合部、121,122…フランジ部、121a…突出部、123…ボルト、124…ナット、125…排気経路、127a、127b…グランドシール部、130…蒸気流入管、210…ホイール部、220…冷却用蒸気供給配管、220a,230a…蒸気噴出口、230…冷却用蒸気供給配管、240…冷却用蒸気。
Claims (15)
- 620℃以上の高温蒸気が導入される蒸気タービンであって、
前記蒸気タービンのタービンロータが、初段のノズルから蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼にわたる領域に位置し、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部と、前記高温タービンロータ構成部を挟着して連結し、前記高温タービンロータ構成部とは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部とから構成されていることを特徴とする蒸気タービン。 - 前記高温タービンロータ構成部を構成する耐食性耐熱材料がNi基合金であり、前記低温タービンロータ構成部を構成する材料がフェライト系耐熱鋼であることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とが、溶接またはボルト締結により連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とをボルト締結によって連結する場合において、前記タービンロータの半径方向の外側に突出させて前記高温タービンロータ構成部および前記低温タービンロータ構成部それぞれの接合端部に形成された双方のフランジ部がボルト締結されていることを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部および前記低温タービンロータ構成部の接合端部に形成された前記フランジ部の外周縁に沿って、それぞれ接合面とは異なる側に突出し、ボルト締結部の前記半径方向への露出を防止する突出部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とを連結する上流側の接合部が、前記初段のノズルに対応する位置に形成され、下流側の接合部が、蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼の直下流側に位置するノズルの、上流側、ラビリンス部に対向する側または下流側に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービン。
- ノズルダイヤフラムと接続された前記蒸気タービンのケーシングにおいて、前記高温タービンロータ構成部が貫設された領域を覆う構成部分が耐食性耐熱材料からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とを連結する接合部を冷却蒸気により冷却する冷却手段を具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の蒸気タービン。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とを連結する下流側の接合部を冷却する前記冷却手段において、
前記蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼の直下流側に位置するノズルの上流側に前記冷却蒸気を供給することを特徴とする請求項8記載の蒸気タービン。 - 620℃以上の高温蒸気が導入される蒸気タービンに貫設されるタービンロータであって、
前記蒸気タービンにおける初段のノズルから蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼にわたる領域に位置され、耐食性耐熱材料からなる高温タービンロータ構成部と、前記高温タービンロータ構成部を挟着して連結し、前記高温タービンロータ構成部とは異なる材料からなる低温タービンロータ構成部とから構成されていることを特徴とするタービンロータ。 - 前記高温タービンロータ構成部を構成する耐食性耐熱材料がNi基合金であり、前記低温タービンロータ構成部を構成する材料がフェライト系耐熱鋼であることを特徴とする請求項10記載のタービンロータ。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とが、溶接またはボルト締結により連結されていることを特徴とする請求項10または11記載のタービンロータ。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とをボルト締結によって連結する場合において、前記タービンロータの半径方向の外側に突出させて前記高温タービンロータ構成部および前記低温タービンロータ構成部それぞれの接合端部に形成された双方のフランジ部がボルト締結されていることを特徴とする請求項12記載のタービンロータ。
- 前記高温タービンロータ構成部および前記低温タービンロータ構成部の接合端部に形成された前記フランジ部の外周縁に沿って、それぞれ接合面とは異なる側に突出し、ボルト締結部の前記半径方向への露出を防止する突出部が形成されていることを特徴とする請求項13記載のタービンロータ。
- 前記高温タービンロータ構成部と前記低温タービンロータ構成部とを連結する上流側の接合部が、蒸気タービンにおける初段のノズルに対応する位置に形成され、下流側の接合部が、蒸気温度がほぼ550℃になる段落の動翼の直下流側に位置する蒸気タービンのノズルの、上流側、ラビリンス部に対向する側または下流側に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項記載のタービンロータ。
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