JP2000282808A - 蒸気タービン設備 - Google Patents

蒸気タービン設備

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JP2000282808A
JP2000282808A JP11084617A JP8461799A JP2000282808A JP 2000282808 A JP2000282808 A JP 2000282808A JP 11084617 A JP11084617 A JP 11084617A JP 8461799 A JP8461799 A JP 8461799A JP 2000282808 A JP2000282808 A JP 2000282808A
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JP
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steam
casing
split
steam turbine
turbine
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JP11084617A
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English (en)
Inventor
Masataka Kikuchi
地 正 孝 菊
Hiroyuki Ohira
平 浩 之 大
Yoichi Tsuda
田 陽 一 津
Joji Kaneko
子 丈 治 金
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気条件が650℃級以上の蒸気タービンを
有する蒸気タービン発電設備において、Ni基合金、C
o基合金に代表されるオーステナイト系材料の使用によ
る製造上の困難を克服するようにした蒸気タービン設備
を得ること。 【解決手段】 蒸気タービンのタービンケーシングを、
タービン軸方向に分割された複数の分割ケーシングを一
体に連結することによって構成し、その分割ケーシング
のうち650℃以上の温度に晒される少なくとも1つの
分割ケーシングを、Niを35%以上含むNi基合金ま
たはCoを50%以上含むCo基合金に代表されるオー
ステナイト系鉄鋼材料によって形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気条件が650
℃以上の蒸気タービンを有する蒸気タービン発電設備に
関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントの蒸気条件の高温・高
圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要かつ基本的
な要因であるが、1960年代後半に24.1MPa、
538/566℃の一段再熱の蒸気条件がわが国の事業
用火力タービンの標準的なものとして確立されてから
は、最近に至るまで画期的な進展はみられなかった。し
かし、オイルショック以来、省エネルギー化が強力に推
進され、その後の地球温暖化問題に対する急速な関心の
高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進められ
ている。
【0003】発電効率を上げるためには蒸気タービンの
蒸気温度を上げるのが最も有効な手段であるが、従来の
蒸気タービン設備の蒸気条件が600℃級以下の蒸気温
度であることから、蒸気タービンのロータ、翼等の主要
部材にはフェライト系耐熱鋼が用いられている。すなわ
ち、従来の高効率タービン用材料としては、例えば特公
昭60−31898号公報、特公昭60−54385号
公報、或は特開平2−149649号公報にみられるよ
うな高強度耐熱鋼が知られており、特にこれらの材料と
して高温強度のより優れた耐熱鋼としては、特開平8−
3697号公報や特開平7−34202号公報にみられ
るような高強度耐熱鋼が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸気タービ
ン設備の蒸気条件が650℃級以上の蒸気温度になった
場合には、蒸気タービンのノズル、翼、ロータ等の主要
部材には、フェライト系材料では強度的に厳しくなるこ
とから、Ni基合金やオーステナイト系材料等が用いら
れる。
【0005】しかしながら、これらNi基合金、オース
テナイト系材料は、大型鋼塊の製造に限界があるという
課題がある。したがって、従来は大型の事業用蒸気ター
ビンの蒸気弁、タービンケーシングにNi基合金、オー
ステナイト系材料を適用することは極めて困難であっ
た。また、適用したとしても大型鋼塊のため材料特性が
良好とはいえないため信頼性が低い等の問題がある。
【0006】本発明はこのような点に鑑み、蒸気条件が
650℃級以上の蒸気タービンを有する蒸気タービン発
電設備において、Ni基合金、Co基合金に代表される
オーステナイト系材料の使用による製造上の困難を克服
するようにした蒸気タービン発電設備を得ることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、蒸気温度
が650℃以上の蒸気が導入される蒸気タービンを有す
る蒸気タービン設備において、上記蒸気タービンのター
ビンケーシングを、タービン軸方向に分割された複数の
分割ケーシングを一体に連結することによって構成し、
その分割ケーシングのうち650℃以上の温度に晒され
る少なくとも1つの分割ケーシングを、Niを35%以
上含むNi基合金またはCoを50%以上含むCo基合
金に代表されるオーステナイト系鉄鋼材料によって形成
したことを特徴とする。
【0008】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、オーステナイト系鉄鋼材料によって形成された分割
ケーシング以外の分割ケーシングが12Cr鋼に代表さ
れるフェライト系鉄鋼材料によって形成されていること
を特徴とする。
【0009】さらに、第3の発明は、蒸気温度が650
℃以上の蒸気が導入される蒸気タービンを有する蒸気タ
ービン設備において、上記蒸気タービンのロータを、軸
方向に分割された複数の分割ロータを一体に連結するこ
とにより構成し、その分割ロータのうち650℃以上の
温度に晒される少なくとも1つの分割ロータをNiを3
5%以上含むNi基合金に代表されるオーステナイト系
鉄鋼材料によって形成したことを特徴とする。
【0010】第4の発明は、オーステナイト系鉄鋼材料
によって形成された分割ロータ以外の分割ロータがCr
MoV鍛鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料によって
形成されていることを特徴とする。
【0011】また、第5の発明は、蒸気温度が650℃
以上の蒸気が導入される蒸気タービンを有する蒸気ター
ビン設備において、主蒸気止め弁、蒸気加減弁、または
再熱弁の蒸気弁ケーシングを、複数の分割された部分を
一体に連結することによって形成し、その分割された部
分のうち650℃以上の温度に晒される主要な分割部分
をNiを35%以上含むNi基合金またはCoを50%
以上含むCo基合金に代表されるオーステナイト系鉄鋼
材料によって形成したことを特徴とする。
【0012】第6の発明は、第2の発明において、各分
割ケーシングを互いにボルト締結によって連結するとと
もに、オーステナイト系鉄鋼材料とフェライト系鉄鋼材
料との異材接合部分に半径方向に重なり合う重合部を設
け、半径方向内径側にオーステナイト系鉄鋼材料からな
る分割ケーシングの重合部を配し、半径方向外径側にフ
ェライト系鉄鋼材料から成る分割ケーシングの重合部を
配し、その重ね合わせ部分の間隙を室温状態において零
または微少な値に設定したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本発明における蒸気タービン発電
設備の一つのシステム構成図であって、超高圧タービン
1、高圧タービン2、中圧タービン3、第1の低圧ター
ビン4、第2の低圧タービン5、及び発電機6が一軸に
連結されており、上記超高圧タービン1と高圧タービン
2は同一の外部ケーシング内に組み込まれて独立したも
のとされている。
【0015】しかして、ボイラ加熱器7で発生された6
50℃以上の高温高圧の蒸気が超高圧タービン1に導入
され、そこで仕事を行った後、第1段再熱器8で650
℃以上に再熱され、この再熱蒸気が高圧タービン2に導
入される。上記高圧タービン2に導入され仕事を行った
蒸気は第2段再熱器9で再び加熱され、650℃以下の
所定温度の蒸気となり、中圧タービン3、第1及び第2
の低圧タービン4,5に順次導入され仕事を行い、発電
機6を駆動する。
【0016】また、図2は蒸気タービン発電設備の他の
システム構成図であって、第1の超々高圧高温タービン
10a、第2の超々高圧高温タービン10b、超高圧タ
ービン1、高圧タービン2、中圧タービン3、第1の低
圧タービン4、第2の低圧タービン5、及び発電機6が
一軸に連結されている。第1の超々高圧高温タービン1
0aは超高圧タービン1の一部の段落を構成し、第2の
超々高圧高温タービン10bは高圧タービン2の一部の
段落を構成しており、上記第1及び第2の超々高圧高温
タービンは同一の外部ケーシング内に組み込まれ独立し
たものとして構成されている。
【0017】しかして、ボイラ加熱器7で発生された6
50℃以上の高温高圧の蒸気が第1の超々高圧高温ター
ビン10aに導入され仕事を行った後超高圧タービン1
に導入される。超高圧タービン1に導入され仕事を行っ
た蒸気は第1段再熱器8で650℃以上に再熱され、こ
の再熱蒸気が第2の超々高圧高温タービン10bに導入
される。この第2の超々高圧高温タービン10bで仕事
を行った蒸気は高圧タービン2に導入され、そこで仕事
を行った蒸気は第2段再熱器9で再び加熱され、650
℃以下の所定温度となり、中圧タービン3、第1及び第
2の低圧タービン4,5に順次導入され仕事を行い、発
電機6を駆動する。
【0018】図3は、図1における超高圧タービン1と
高圧タービン2が設けられているタービン上半ケーシン
グの縦断面図であり、上記超高圧タービン1及び高圧タ
ービン2が同一の外部ケーシング11内に配設されてい
る。上記外部ケーシング11内には内部ケーシング12
が設けられており、その内部ケーシング12内にタービ
ンロータ13が貫挿され、上記内部ケーシング12の一
半部(図において左半部)内に設けられたノズル及び動
翼等によって超高圧タービン1が構成され、内部ケーシ
ング12の他半部(図において右半部)内に設けられた
ノズル及び動翼等によって高圧タービン2が構成されて
いる。
【0019】しかして、ボイラ加熱器で発生された65
0℃以上の高温高圧の蒸気が主蒸気管14を通り第1の
ノズル15を介して超高圧タービン1内に導入され図に
おいて左方に流れ仕事を行う。一方第1の高温再熱管1
6によって650℃以上の温度に再熱された蒸気が高圧
タービン2に導入され、図において右方に流れ仕事を行
う。
【0020】ところで、上記内部ケーシング12はター
ビン軸方向に例えば3つの分割ケーシング12a,12
b,12cに分割されており、その分割ケーシング12
a,12b,12cが互いに一体に連結されている。そ
して、その分割ケーシングのうち特に650℃以上の高
温蒸気に晒される少なくと1つの分割ケーシング12b
が、Niを35%以上含むNi基合金、或はCoを50
%以上含むCo基合金に代表されるオーステナイト系鉄
鋼材料によって形成され、その他の分割ケーシング12
a,12cは12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼
材料によって形成されている。
【0021】同様に、タービンロータ13も軸方向に例
えば3つの分割ロータ13a,13b,13cに分割さ
れ、その分割ロータ13a,13b,13cが一体に連
結されている。そして、その分割ロータのうち特に65
0℃以上の高温蒸気に晒される少なくとも1つの分割ロ
ータ13bがNiを35%以上含むNi基合金に代表さ
れるオーステナイト系鉄鋼材料によって形成され、その
他の分割ロータ13a,13cはCrMoV鍛鋼に代表
されるフェライト系鉄鋼材料によって形成されている。
【0022】このように、内部ケーシング或はタービン
ロータが複数個に分割して製造されているため、高温で
高強度ではあるが大型鋼塊の製造が困難なNi基合金の
如きオーステナイト系鉄鋼材料によっても、それを小さ
い鋼塊に分割して分割ケーシング或は分割ロータを製造
することができ、高温強度を優れたNi基合金の如きオ
ーステナイト系鉄鋼材料によってケーシング或はタービ
ンロータを実用化することができる。したがって、蒸気
温度が650℃以上で安全で高信頼性かつ低コストの蒸
気タービン設備を得ることができる。特に、分割ケーシ
ングの少なくとも一つの分割ケーシング12bに、オー
ステナイト系材料の中でもNi基合金に比べて大型鋼塊
の製造に優れるCoを50%以上含むCo基合金を適用
した場合には、分割ケーシングの製造が容易になって均
質で良好な性状の素材を製造することが可能となり、大
型静止部品であるタービンケーシングの強度を十分に確
保しつつその製造を容易に達成することができる。
【0023】一方、上記オーステナイト系鉄鋼材料によ
って形成された分割ケーシング12b、或は分割ロータ
13b以外の分割ケーシング12a,12c或は分割ロ
ータ13a,13cにフェライト系鉄鋼材料を適用する
ことにより低コスト化を実現することができる。
【0024】ところで、上記実施の形態においては、分
割ケーシング12a,12cを12Cr鋼に代表される
フェライト系鉄鋼材料によって形成したものを示した
が、フェライト系鉄鋼材料としてはCrMo鋼、CrM
oV鋼でもよく、Bなどの微量添加物の有無は問わな
い。また、分割ロータ13a,13cにはCrMoV鋼
以外にNiCrMoV鋼、12Cr鋼を適用してもよ
く、Nb、Bなどの微量添加物の有無は問わない。
【0025】図4は、図2における第1及び第2の超々
高圧高温タービン10a,10bが設けられているター
ビン上半ケーシングの縦断面図であり、上記第1及び第
2の超々高圧高温タービン10a,10bが同一の外部
ケーシング17内に配設されている。上記外部ケーシン
グ17内には内部ケーシング18が設けられており、そ
の内部ケーシング18の一半部(図において左半部)内
に設けられたノズル及び動翼等によって超々高圧高温タ
ービン10aが構成され、内部ケーシング18の他半部
(図において右半部)内に設けられたノズル及び動翼等
によって超々高圧高温タービン10bが構成されてい
る。
【0026】そして、この場合も内部ケーシング18は
タービン軸方向に例えば3つの分割ケーシング18a,
18b,18cに分割されており、その分割ケーシング
18a,18b,18cが互いに一体に連結されてい
る。そして、その分割ケーシング18a,18b,18
cのうち特に650℃以上の高温蒸気に晒される少なく
とも1つの分割ケーシング18bが、Niを35%以上
含むNi基合金、或はCoを50%以上含むCo基合金
に代表されるオーステナイト系鉄鋼材料によって形成さ
れ、その他の分割ケーシング18a,18cは12Cr
鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料によって形成され
ている。
【0027】同様に、タービンロータ19も軸方向に例
えば3つの分割ロータ19a,19b,19cに分割さ
れ、その分割ロータ19a,19b,19cが一体に連
結されている。そして、その分割ロータのうち、特に6
50℃以上の高温蒸気に晒される少なくとも1つの分割
ロータ19bがNiを35%以上含むNi基合金に代表
されるオーステナイト系鉄鋼材料によって形成され、そ
の他の分割ロータ19a,19cCrMoV鍛鋼に代表
されるフェライト系鉄鋼材料によって形成されている。
【0028】しかして、この図4に示すものも図3に示
すものと同様な効果を奏する。
【0029】図5は、図3に示す内部ケーシングの製造
説明図であり、Niを35%以上含むNi基合金を使用
した分割ケーシング12bの素材がNi基合金材料をリ
ング状または半リング状に鍛造によって製造される。
【0030】したがって、この場合円柱形やブロック形
状の鍛造材で同一外径のケーシングを製作する場合に比
べてインゴットの量を少量に抑えることができ、一度に
比較的幅広の素材を製造することができるとともに、低
コスト化を達成することができる。また厚さ方向に一様
な性質を有する鍛造材とすることができることから、良
好な性状の素材を製作することができる。
【0031】ところで、上記各分割ケーシング12a,
12b,12c、或は18a,18b,18c、及び分
割ロータ13a,13b,13c或は19a,19b,
19cの連結手段としては、図6及び図7に示すよう
に、溶接20或は21による連結方法を適用することが
できる。この場合、各分割部分の縦継手の剛性が高く、
連続的に一体のケーシング或はロータとすることがで
き、継手部分に余分な部品を配設する必要もなくコンパ
クトに形成でき、特にケーシングの場合には継手部分か
らの蒸気漏洩を根絶することから、強度的な信頼性が高
く、圧力容器としての機能性も十分保持させることがで
きる。
【0032】また、上記分割ケーシング12a,12
b,12c(18a,18b,18c)や分割ロータ1
3a,13b,13c(19a,19b,19c)の連
結には、図8或は図9に示すようにボルト締結による連
結方法を使用することもできる。すなわち、分割ロータ
13a,13bの連接部にそれぞれフランジ部22a,
22bを形成し、そのフランジ部をボルト23によって
連結する。また同様にロータの場合も、分割ロータ13
a,13bの連接部にそれぞれフランジ部24a,24
bを形成し、そのフランジ部をボルト25によって連結
する。
【0033】しかして、この場合線膨張率の異なる材料
間に発生する熱膨張量の差異によって発生する変形量の
差異を継手面の滑りによって開放することが可能となっ
て継手部分に過大な熱応力が発生することを防止するこ
とができる。しかも、タービン設備の運用後におけるタ
ービンの性能向上や経年劣化回復などを目的としたター
ビンケーシング或はタービンロータの更新に際して、タ
ービンケーシング或はタービンロータの必要な分割部分
だけを更新することが可能であり、保守性を向上させる
ことができる。また、分割ロータのボルト締結による連
結を行う場合には、互いに相対するフランジ部24a,
24bの対向面に放射状の系合部を設け、その系合部を
互いに噛み合わせるようにすればさらに好ましい。
【0034】図10は、分割ケーシング12a,12b
をボルト23で連結する場合の他の実施例を示す図であ
って、オーステナイト系鉄鋼材料によって形成された分
割ケーシング12bには、フェライト系鉄鋼材料製の分
割ケーシング12aとの接合部分に、上記分割ケーシン
グ12aの内面側に重なり合う環状突部26が設けられ
ている。
【0035】すなわち、分割ケーシングの半径方向の重
ね合わせの部分においては、半径方向内径側にオーステ
ナイト系鉄鋼材料からなる分割ケーシング12bを配
し、半径方向外径側にフェライト系鉄鋼材料からなる分
割ケーシング12aが配設されている。そして、上記重
なり合いの部分の間隙aが室温状態において零または重
ね合わせ部の半径の0.24%以下の微少な値に設定さ
れている。
【0036】しかして、タービン運転の際にタービンケ
ーシングの温度が高くなって分割ケーシングがそれぞれ
の材料の線膨張率にしたがって膨張したとき、ケーシン
グ接合部の重ね合わせの内径側に配したオーステナイト
系鉄鋼材料からなる分割ケーシングの熱膨張量が外径側
に配設されたフェライト系鉄鋼材料からなる分割ケーシ
ングの熱膨張量よりも大きくなることから、重ね合わせ
部分の間隙が室温状態において零に設定されていた場合
は、温度上昇とともに一層強固に接触してケーシング内
部の高温高圧蒸気がケーシングの外に漏れ出すことが防
止される。
【0037】したがって、ボルト締結力による縦継手接
触面だけで蒸気漏洩防止を確保する必要がなくなり、肉
厚構造部分となる継手をコンパクトにすることができ、
熱応力の低減を図ることもできる。
【0038】また、重ね合わせ部分の間隙が室温状態に
おいて上述の如く微小値に設定されていた場合には、蒸
気タービン内の蒸気圧力がまだ十分に高まらない状態の
うちに重ね合わせ部の環状突部26が分割ケーシング1
2aの内面に接触し、さらに温度が高まると上記環状突
部26が分割ケーシング12aの内面に強固に接触して
ケーシング内部の蒸気がケーシングの外に漏れ出すこと
が防止される。そのためタービン起動時のようにタービ
ン内部蒸気が比較的低温で圧力が比較的低い場合は、ボ
ルト締結力による継手接触面だけで蒸気漏洩防止が確保
され、タービン内部蒸気が低温高圧になって来ると上記
環状突部26からなる重なり合い部分が接触してケーシ
ング内部から蒸気が漏出することが確実に防止される。
【0039】蒸気タービンケーシングに使用されるNi
基合金に代表されるオーステナイト系鉄鋼材料と12C
r鋼に代表されるフェライト系材料の平均線膨張率の差
は約5×10-6/℃程度であり、他方、当該蒸気タービ
ンケーシングの高温部は無負荷運転時に500℃以上の
温度になる。この無負荷運転時まではケーシング内部の
蒸気圧力は極めて低く、分割ケーシングの継手のボルト
締結力が小さ目であっても当該継手接触面から蒸気が漏
れ出す恐れはない。
【0040】したがって、この時点までに分割ケーシン
グの重ね合わせ部が接触すれば、その後の負荷運転にお
いてはさらに温度が高くなって重ね合わせ部が強固に接
触して来るので、十分な蒸気漏洩防止効果が得られ、分
割ケーシングの継手部を肉厚、高剛性にする必要がなく
なる。
【0041】分割ケーシングの重ね合わせ部において、
当該重ね合わせ部の半径をRとするとき、平均線膨張率
の差Δαが約5×10-6/℃のオーステナイト系鉄鋼材
料と12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料の温
度Tが500℃になったときの熱膨張量の差ΔRは、T
oを常温とすると、 ΔR=R×Δα×(T−To) であり、その半径比ΔR/Rは ΔR/R=Δα×(T−To)=5×10-6×(500
−25)=約0.0024 であり、したがって、分割ケーシングの重ね合わせ部の
常温時の間隙がその部分の半径の0.24%以下であれ
ば無負荷運転のうちに当該重ね合わせ部が接触し始め、
その後の負荷運転においては、さらに温度が高くなって
重ね合わせ部が強固に接触して来るので十分な蒸気漏洩
防止効果が得られる。
【0042】図11は本発明の他の実施の形態を示す図
であり、主蒸気止め弁27の弁ケーシング28が複数
(図においては3つ)の分割ケーシング28a,28
b,28cによって構成され、それらが一体に例えば溶
接によって連結されている。これらの分割ケーシング2
8a,28b,28cのうちで650℃以上の高温に晒
される主要な少なくとも1つの分割ケーシング例えば2
8a,28bが材料にNiを35%以上含むNi基合金
或はNi基合金に比べて大型鋼塊の製造性に優れたCo
を50%以上含むCo基合金が適用されている。
【0043】しかして、この弁ケーシングにおいては、
高温で高強度であるが大型鋼塊の製造が困難なNi基合
金で形成されるものにおいても、小さい鋼塊に分割して
素材を製造し、これを使用して弁ケーシングを形成する
ことができ、高温強度に優れたNiを35%以上含むN
i基合金を使用した弁ケーシングを実用化することがで
きる。また、Coを50%以上含むCo基合金を適用し
た場合には、Co基合金が上述のようにNi基合金に比
べて大型鋼塊の製造性に優れているため、弁ケーシング
の分割部分の製造がより容易となって均質で良好な状態
の素材を製作することができ、大型静止部品である弁ケ
ーシングの強度を十分に確保することができる。
【0044】また、上記各分割ケーシングを形成するN
i基合金またはCo基合金は、図12に示すように、円
柱状またはブロック状に鍛造によって製造した材料から
所定形状に加工することができ、一つの円柱形やブロッ
ク形状の鍛造材によって同一外径のケーシングを製作す
る場合に比べてインゴット量を少量に抑えることがで
き、一度に比較的幅広の素材を製造することができ低コ
スト化が達成できる。さらに分割ケーシングは比較的小
型となるので、素材自体も小さくてよく、厚さ方向に一
様な性質を有する鍛造材とすることができ、良好な性状
の素材を製作することができる。
【0045】なお、上記実施の形態においては、主蒸気
止め弁について説明したが、蒸気加減弁または再熱弁に
も適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、タービンケーシング、タービンロータ或は蒸気弁を
それぞれ複数に分割し、特に650℃以上の蒸気に晒さ
れる少なくとも1つの分割部分をNi基合金或はCo基
合金等のオーステナイト系鉄鋼材料によって形成するよ
うにしたので、タービンケーシング等を650℃以上の
高温に耐えるものとすることができるとともに、大型鋼
塊の製造が困難なNi基合金の如きオーステナイト系材
料の使用による製造上の困難を克服することができる。
しかも、各分割部分をボルト締結によって一体化した場
合には、タービンの性能向上や経年劣化回復などを目的
としたタービンロータやケーシングの更新に際して、必
要な部分だけ更新することも可能となり、保守性に優れ
たものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蒸気タービン発電設備の一つの
システム構成図。
【図2】本発明における蒸気タービン発電設備の他のシ
ステム構成図。
【図3】図1における超高圧タービンと高圧タービンが
設けられているタービン上半ケーシングの縦断面図。
【図4】図2における第1及び第2の超々高圧高温ター
ビンが設けられているタービン上半ケーシングの縦断面
図。
【図5】図3に示す内部ケーシングの製造説明図。
【図6】分割ケーシングを溶接によって連結する説明
図。
【図7】分割ロータを溶接によって連結する説明図。
【図8】分割ケーシングをボルト締結によって連結した
状態を示す断面部分図。
【図9】分割ロータをボルト締結によって連結した状態
を示す断面部分図。
【図10】分割ケーシングをボルト締結によって連結す
る他の例を示す図。
【図11】主蒸気止め弁の弁ケーシング部の断面図。
【図12】図11に示す弁ケーシングの製造説明図。
【符号の説明】
1 超高圧タービン 2 高圧タービン 3 中圧タービン 7 ボイラ加熱器 8 第1段再熱器 9 第2段再熱器 10a 第1の超々高圧高温タービン 10b 第2の超々高圧高温タービン 11,17 外部ケーシング 12,18 内部ケーシング 12a,12b,12c,18a,18b,18c 分
割ケーシング 13a,13b,13c,19a,19b,19c 分
割ロータ 23,25 ボルト 26 環状突部 28 弁ケーシング 28a,28b,28c 分割ケーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01D 25/26 F01D 25/26 F (72)発明者 津 田 陽 一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 金 子 丈 治 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気温度が650℃以上の蒸気が導入され
    る蒸気タービンを独立して有する蒸気タービン設備にお
    いて、上記蒸気タービンのタービンケーシングを、ター
    ビン軸方向に分割された複数の分割ケーシングを一体に
    連結することによって構成し、その分割ケーシングのう
    ち650℃以上の温度に晒される少なくとも1つの分割
    ケーシングを、Niを35%以上含むNi基合金または
    Coを50%以上含むCo基合金に代表されるオーステ
    ナイト系鉄鋼材料によって形成したことを特徴とする、
    蒸気タービン設備。
  2. 【請求項2】タービンケーシングがタービン内部ケーシ
    ングであることを特徴とする、請求項1記載の蒸気ター
    ビン設備。
  3. 【請求項3】オーステナイト系鉄鋼材料によって形成さ
    れた分割ケーシング以外の分割ケーシングが12Cr鋼
    に代表されるフェライト系鉄鋼材料によって形成されて
    いることを特徴とする、請求項1または2記載の蒸気タ
    ービン設備。
  4. 【請求項4】オーステナイト系鉄鋼材料によって形成さ
    れている分割ケーシングが、リング状または半リング状
    に鍛造により製造された材料によって形成されているこ
    とを特徴とする、請求項1または2記載の蒸気タービン
    設備。
  5. 【請求項5】蒸気温度が650℃以上の蒸気が導入され
    る蒸気タービンを独立して有する蒸気タービン設備にお
    いて、上記蒸気タービンのロータを、軸方向に分割され
    た複数の分割ロータを一体に連結することにより構成
    し、その分割ロータのうち650℃以上の温度に晒され
    る少なくとも1つの分割ロータをNiを35%以上含む
    Ni基合金に代表されるオーステナイト系鉄鋼材料によ
    って形成したことを特徴とする、蒸気タービン設備。
  6. 【請求項6】オーステナイト系鉄鋼材料によって形成さ
    れた分割ロータ以外の分割ロータがCrMoV鍛鋼に代
    表されるフェライト系鉄鋼材料によって形成されている
    ことを特徴とする、請求項5記載の蒸気タービン設備。
  7. 【請求項7】分割ケーシングまたは分割ロータは、互い
    に溶接によって隣接する分割ケーシングまたは分割ロー
    タに連結され一体化されていることを特徴とする、請求
    項1乃至6のいずれかに記載の蒸気タービン設備。
  8. 【請求項8】分割ケーシングまたは分割ロータは、互い
    にボルト締結によって隣接する分割ケーシングまたは分
    割ロータに連結され一体化されていることを特徴とす
    る、請求項1乃至6のいずれかに記載の蒸気タービン設
    備。
  9. 【請求項9】蒸気温度が650℃以上の蒸気が導入され
    る蒸気タービンを独立して有する蒸気タービン設備にお
    いて、主蒸気止め弁、蒸気加減弁、または再熱弁の蒸気
    弁ケーシングを、複数の分割された部分を一体に連結す
    ることによって形成し、その分割された部分のうち65
    0℃以上の温度に晒される主要な分割部分をNiを35
    %以上含むNi基合金またはCoを50%以上含むCo
    基合金に代表されるオーステナイト系鉄鋼材料によって
    形成したことを特徴とする、蒸気タービン設備。
  10. 【請求項10】蒸気弁ケーシングのオーステナイト系鉄
    鋼材料によって形成される各分割部分は、リング状、円
    柱状、またはブロック状に鍛造により製造された材料に
    よって形成されていることを特徴とする、請求項9記載
    の蒸気タービン設備。
  11. 【請求項11】各分割ケーシングを互いにボルト締結に
    よって連結するとともに、オーステナイト系鉄鋼材料と
    フェライト系鉄鋼材料との異材接合部分に半径方向に重
    なり合う重合部を設け、半径方向内径側にオーステナイ
    ト系鉄鋼材料からなる分割ケーシングの重合部を配し、
    半径方向外径側にフェライト系鉄鋼材料から成る分割ケ
    ーシングの重合部を配し、その重ね合わせ部分の間隙を
    室温状態において零または微少な値に設定したことを特
    徴とする、請求項3記載の蒸気タービン設備。
  12. 【請求項12】異材接合部の半径方向重ね合わせ部分の
    間隙を重ね合わせ部分の半径の0.25%以下の微小値
    としたことを特徴とする、請求項11記載の蒸気タービ
    ン設備。
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