JP2007333631A - 無機系絶縁体の検査及び製作方法、並びにその装置 - Google Patents

無機系絶縁体の検査及び製作方法、並びにその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁層の試料(試験片)の採取を不要とし、きわめて簡単な方法で且つ短時間で、絶縁体の気泡の発生状態を正確に検知可能とするとともに、簡便な方法で気泡の発生を抑制することを可能とした無機系絶縁体の焼成状態検査方法及び製作方法、並びにその装置を提供するものである。
【解決手段】セラミック等の無機系絶縁物からなる絶縁層を円筒管1の表面に焼成してなる無機系絶縁体の検査方法及び製作方法であって、焼成後での絶縁層2の表面における光の反射率を測定し、該反射率と絶縁層2内における気泡4の状態とを関係付けておき、前記反射率の測定結果から絶縁層2内に発生している気泡4の混入状態を推定している。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄やステンレス鋼などの基板面に生成したセラミック、酸化金属及びガラス上薬混合材料等から構成される無機系絶縁体の焼成状態検査方法及び製作方法、並びにその装置に関する。
セラミックなどで形成される絶縁体は、薄膜構造を成しており、積層セラミックコンデンサや電子部品、電源装置、オゾン発生器などに用いられている。これらの絶縁体には、高電圧が印加されるため、当然、耐電圧性に優れた均一な層を形成できる技術の提供が求められている。
従来、このような絶縁体の層形成は、セラミックやガラス等を溶剤、水等で混合してスラリー化したものをスプレー、スピンコート、スクリーン印刷等で厚さ100〜1000μm程度に塗布し、700〜1000℃の高温焼結炉で焼結していた。このスラリーには、酸化金属を混ぜ合わせても良い。なお、上記高温焼結炉には、バッチ式の電気炉、トンネル型焼成炉、ガス炉等が用いられている。
上記絶縁層は、ステンレス、鉄などの金属基板上に、1層以上の複数層で構成されている。また、前記金属基板と接触する層には、金属基板面との密着性を上げるため、反応性の良好な材料が用いられている。絶縁性を付与する層の材料としては、気泡の発生が少ない材料や厚みを持たせることができる材料が要求されている。
このような観点から、絶縁体には機能向上のため、通常1種類以上の材料が適用されており、基板と密着した下地層と、絶縁性を付与する表面層に対して異なる材料が用いられている。
特許文献1には、上述のような絶縁性を付与する層において、絶縁性の障害となる誘電体層内の気泡を少なくして高い絶縁性を得ることと、乾燥工程が100〜130℃、焼成工程が300〜600℃であり、焼成温度による変色が発生することが記載されている。
また、特許文献2には、焼成温度を高くすると、気泡の形成が抑えられなくなることから、気泡の発生を抑える観点よりガラス材料の焼成する温度を500〜650℃とすることが記載されている。
以上のように、従来は、絶縁体の絶縁性を良好に保持する手段として、当該絶縁体の絶縁性を付与する表面層についての焼成条件、気泡状態及び測定方法についての技術が提供されていた。
特開2002−133947号公報 特開平11−345564号公報
かかる絶縁体において、各種塗布装置により塗布及び焼成した絶縁性のスラリーは、焼成開始から終了段階までの過程において、スラリーからのガス(水蒸気、二酸化炭素、有機ガスなど)の発生により、絶縁層内にしばしば気泡が発生していた。発生した気泡は焼成段階で層外へ放出されるものもあるが、一部はそのまま絶縁層内部に残留することになる。これは、スラリーの粘性が高いために気泡が抜けにくく、また気泡が抜け切る前に焼成が終了し絶縁層が冷却されてしまうためである。
これらの絶縁層内に残留した気泡は、絶縁体に高電圧を印加した際に、当該気泡の内部で放電が生じ、この放電により熱が発生し、熱による絶縁層の破壊を誘発していた。かかる放電は気泡径が小さく、また気泡が少ない緻密な層ほど生じ難いことが分かっている。
上記のような気泡の発生時において、絶縁層の焼成温度によって気泡数及び気泡体積が変化する。そのため、焼成炉の温度管理が重要であるが、炉内温度と実際の絶縁層の温度とでは、輻射熱などの影響によってずれが生じるので、焼成炉の設定温度を管理するのみでは気泡の状態を厳密に制御・管理するのは困難であった。
従来、絶縁層の絶縁特性を把握するには、次の2つの方法が取られていた。なお、ここで絶縁特性とは、絶縁体に電圧を印加したときに、該絶縁体が破壊しない状態(特性、耐電圧に相当する)をいう。
(1)実際に、絶縁層に高電圧を印加して、絶縁層が目的の電圧に耐えられるか否かの確認試験を行う。
(2)絶縁層内の気泡を顕微鏡で観察し、気泡径から絶縁層が破壊に至る電圧を推定する。
しかしながら、かかる2つの方法は作業時間を要し、絶縁層の試料(試験片)の採取を必要とし、また試験の手順も複雑であり、試料全数の絶縁特性を把握する方法としては実用的ではなかった。また、上述のように炉内温度と実際の絶縁層にかかる温度ではずれがあるため、炉の設定温度の管理を行っても気泡の制御・管理は不十分であった。
さらには、上記特許文献1及び特許文献2には、絶縁層の焼成温度と絶縁層内の気泡の発生状態との関係が開示されているにとどまり、絶縁層内の気泡の混入状態を簡便に検知する手法及び気泡の発生を抑制する手法については開示されていない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、絶縁層の試料(試験片)の採取を不要とし、きわめて簡単な方法で且つ短時間で、絶縁体の気泡の発生状態を正確に検知可能とするとともに、簡便な方法で気泡の発生を抑制することを可能とした無機系絶縁体の焼成状態検査方法及び製作方法、並びにその装置を提供することにある。
本発明は、絶縁体の気泡の発生原因が、金属基板との密着性を向上させる機能をもつ下地絶縁層にあることに着目し、この下地絶縁層の焼成条件、気泡の発生状態を該下地絶縁層への光の反射率の測定値と関連付け、簡便に下地絶縁層の性能を評価するとともに、該下地絶縁層に積層した耐電圧性を付与する表面絶縁層の気泡発生を抑えることを可能とするものである。
すなわち、請求項1の本発明は、セラミック等の無機系絶縁物からなる絶縁層を金属基板の表面に焼成してなる無機系絶縁体の検査方法及び製作方法であって、焼成後での前記絶縁層の表面における光の反射率を測定し、該反射率と前記絶縁層内における気泡の状態とを関係付けておき、前記反射率の測定結果から前記絶縁層内に発生している気泡の混入状態を推定している。
この発明において、好ましくは、前記絶縁層を、前記金属基板の表面に焼成される下地絶縁層と、該下地絶縁層の外側に焼成される表面絶縁層とにより形成し、前記金属基板の表面に下地絶縁層を焼成してなる下地絶縁層焼成体における前記反射率を、前記下地絶縁層焼成体の複数箇所において測定する(請求項2)。
また、この発明において、次のように構成するのが好ましい。
(1)前記反射率と前記絶縁層内における気泡の混入状態との関係を前記絶縁層の焼成温度、焼成時間等の焼成条件をパラメータにして設定し、前記反射率の測定結果を前記気泡の混入状態及び焼成条件の設定値に対応させて、気泡の混入が最小となる最適焼成条件を算出し、該最適焼成条件によって前記絶縁層を前記金属基板の表面に焼成する(請求項3)。
(2)前記反射率と前記絶縁層内における気泡の混入状態との関係を前記焼成条件をパラメータとして、前記焼成条件における焼成温度が高く、前記焼成時間が長くなるに従い前記反射率が小さく気泡の混入量が少なくなるように設定された設定テーブルを作製し、前記反射率の測定結果を前記設定テーブルに対応させて、前記反射率が最小になり前記気泡の混入量が最小になるような前記焼成条件で前記絶縁層を前記金属基板の表面に焼成する(請求項4)。
(3)前記反射率の測定に、標準照明光源、分光機能、反射率測定および演算機能を内蔵する色彩色差計、あるいは分光測色計を用いる(請求項5)。
また、請求項6の発明は、前記方法発明を実施する装置の発明であり、
セラミック等の無機系絶縁物からなる絶縁層を金属基板の表面に焼成してなる無機系絶縁体の検査を行う無機系絶縁体の検査装置において、前記絶縁層の表面における光の反射率の基準となる基準反射率を予め格納する手段と、反射率測定装置によって新たに測定された測定反射率を格納する手段と、前記基準反射率と前記測定反射率とを比較して前記絶縁層の合否を判定する手段とを備えている。
この発明において、好ましくは、前記反射率測定装置は、前記絶縁層の表面に沿って移動可能に構成され、前記絶縁体表面の反射率を断続または連続的に検知する移動式反射率測定装置からなっている(請求項7)。
絶縁層であるセラミック材は、金属基板との密着性を上げ、金属基板との熱膨張係数を揃え、耐熱性に富み、耐温度変化が小さいなどの特徴を持っている。
かかるセラミック材は、ガラスやアルミナを主成分として、他に酸化銅や酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化チタンなどの金属酸化物を微量に含んでいる。
金属基板への密着性を上げるための下地となる絶縁材料には、金属基板との反応性を良くするため、酸化銅や酸化コバルトなどの酸化物を入れていることが知られている。このように金属基板との反応性を良くすると、それにより金属表面と絶縁層の界面で反応によるガス(二酸化炭素など)の発生が起こり、かかるガスによる気泡が絶縁層に発生し易くなる。
上記絶縁層内に発生する気泡の大きさ及び体積は、絶縁層の焼成温度、焼成時間等の焼成条件に関係している。この下地絶縁層の焼成条件、気泡の発生状態は、該下地絶縁層への光の反射率と関連付けることが可能である。
本発明は、以上の知見に基づき、焼成後での絶縁層の表面における光の反射率を測定し、該反射率と絶縁層内における気泡の状態とを関係付けておき、反射率の測定結果から絶縁層内に発生している気泡の混入状態を推定するように構成し、具体的には、前記絶縁層を、金属基板の表面に焼成される下地絶縁層と、該下地絶縁層の外側に焼成される表面絶縁層とにより形成し、前記金属基板の表面に下地絶縁層を焼成してなる下地絶縁層焼成体における前記反射率を、前記下地絶縁層焼成体の複数箇所において測定するように構成している(請求項1、2、5、6)。
従って、本発明によれば、絶縁層、具体的には金属基板の表面に焼成される下地絶縁層における光の反射率を測定し、該反射率と絶縁層内における気泡の状態とを関係付けて作製した設定テーブルに該反射率の測定値を対応させることにより、絶縁層内における気泡の発生状態を、光の反射率を測定して該反射率と気泡の状態とを関係付けた設定テーブルに該反射率の測定値を対応させるのみで、正確に把握することができる。
これにより、従来技術のような絶縁層の試料(試験片)の採取が不要となり、きわめて簡単な方法で且つ短時間で、絶縁体の気泡の発生状態を正確に検知できる。
また、本発明によれば、前記反射率と前記絶縁層内における気泡の混入状態との関係を、焼成温度、焼成時間等の焼成条件をパラメータとして、焼成温度が高く、また前記焼成温度が長くなるに従い前記反射率が小さく気泡の混入量が少なくなるように予め設定した設定テーブルを作製しておき、前記反射率の測定結果を前記設定テーブルに対応させて、前記反射率が最小になり前記気泡の混入量が最小になるような焼成温度、及び焼成時間で絶縁層を金属基板の表面に焼成することにより(請求項3〜5)、簡便に下地絶縁層の性能を評価して該下地絶縁層への気泡の混入を最小限に抑制するとともに、該下地絶縁層に積層した耐電圧性を付与する表面絶縁層の気泡発生を抑えることも可能となる。
また、前記反射率測定装置を、前記絶縁層の表面に沿って移動可能に構成され、絶縁体表面の反射率を断続または連続的に検知する移動式反射率測定装置に構成すれば(請求項7)、反射率の測定時間を短縮可能となって評価実験工数を低減できるとともに、該移動式反射率測定装置を下地絶縁層焼成体の軸方向及び円周方向に自在に移動させることにより、該下地絶縁層焼成体の全表面について万遍なく反射率を測定できて評価実験の測定精度を向上させることができる。
以下、図面を参照し且つ実験結果に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態が適用されるオゾン発生器の構成図であって、(A)は円筒管の長手方向に切断した断面図、(B)は(A)におけるA−A線断面図である。
本発明の実施形態が適用されるオゾン発生器の構成を示す図1において、1は金属材料からなる円筒管(金属基板)であり、この円筒管1の外周面には下地絶縁層2及び該下地絶縁層2の外側の表面絶縁層3の2層のセラミック材からなる絶縁層が形成されている。
上記下地絶縁層2及び表面絶縁層3を構成するセラミック材は、基板である円筒管1との密着性を上げ、円筒管1との膨張係数を揃え、耐熱性を有するなどの特性を備え、ガラスやアルミナを主成分とし、酸化銅や酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化チタンなどの金属酸化物を微量に含んでいる。
絶縁層に用いられるセラミック材のスラリーは、ソーダガラスやホウケイ酸ガラスの粉末を主体に、アルミナ、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化チタンなどの酸化物を含有し、これらの粉末を水で溶いたものである。このガラスは珪酸を主成分とする無機酸化物ガラスであれば良い。
この実施形態に係るセラミック材におけるガラスは、全体の約60%を占め、アルミナは約10%、金属酸化物は合計で約20%、残りはナトリウム、カリウムなどのアルカリ成分としている。
また、上記円筒管1(金属基板)への密着性を上げるための下地となる下地絶縁層2の材料には、円筒管1(金属基板)との反応性を良好にするため、酸化銅や酸化コバルトなどの酸化物が入れられている。
従って、上記のような酸化物を入れて反応性を良好にすることにより、円筒管1(金属基板)の金属表面と下地絶縁層2との界面では、反応によるガス(二酸化炭素など)の発生及びこれによる気泡が発生し易い状態となる。
本発明の実施形態は、上述のような円筒管1(金属基板)の金属表面と絶縁体つまり下地絶縁層2の界面で発生する気泡の発生原因が、円筒管1(金属基板)との密着性を向上させる機能をもつ下地絶縁層2にあることに着目し、この下地絶縁層2の焼成条件、気泡の発生状態を下地絶縁層2への光の反射率と関連付けることにより、簡便に性能を評価し、この評価結果を用いて、該絶縁層に積層した耐電圧性を付与する表面絶縁層3の気泡発生を抑える手段を提供するものである。
図1において、円筒管1には鉄やステンレス等の金属材料が用いられている。この円筒管(金属基板)1の表面には、金属基板との密着性を向上させる目的で反応性のよい下地絶縁層2が塗布・焼成されている。かかる下地絶縁層2が形成された後に、耐電圧を付与する反応性の低い材料で構成された表面絶縁層3が塗布・焼成されるようになっている。このときの表面絶縁層3の塗布は、スプレー噴霧でも良いし、ディップ方式でも良い。絶縁層2,3を形成する基板には、本実施形態のような円筒型のほかに、平板、湾曲板などが用いられても良い。また、層の塗布方向は片面でも両面でも可能である。
また、下地絶縁層2の厚さは、基板との密着が目的なので、厚くする必要はなく、10〜100μm、好ましくは30〜80μmが適当である。
さらに、表面絶縁層3の厚さは、200〜600μm、好ましくは300〜500μmが適当である。これは、絶縁性能を持たせるために厚さが200μmより薄くすると、形成層の際にピンホールが発生し易く、厚さが600μmより厚過ぎると、膜厚むらが生じてくることを考慮したものである。
上記のような下地絶縁層2及び表面絶縁層3の寸法となるように、円筒管1(金属基板)の外周面にセラミック材のスラリーを塗布後、下地絶縁層2及び表面絶縁層3は、以下の工程によって形成される。
(1)図1に示すような、円筒管1に下地絶縁層2及び表面絶縁層3を形成するためのセラミック材のスラリーを塗布した筒体を100〜200℃予備乾燥して、水分を除去する。
(2)上記スラリーを塗布した筒体を700〜1000℃の高温炉で1〜20min程度焼成する。
(3)焼成後の筒体を徐々に冷却する。
図2(A)及び(B)は、円筒管(金属基板)1にセラミック材のスラリーを塗布し、下地絶縁層2を焼成した下地絶縁層焼成体20の成形品を示す図であり、(A)は軸方向に沿う断面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図である。
図2(A)及び(B)に示すように、円筒管(金属基板)1にセラミック材のスラリーを塗布した下地絶縁層焼成体20の焼成時に、下地絶縁層2には、金属基板からなる円筒体1との反応性の高さからガスが発生し、かかるガスの放出が不十分なまま焼成を完了し、表面絶縁層3を塗布・焼成した場合、下地絶縁層2が再び反応を起こしてガスを発生し、これが多数の気泡4を形成させる原因になる。
そのため、下地絶縁層2はガスの放出が十分となるよう焼成温度を高く、且つ及び/または焼成時間を長くして、焼成温度800〜1000℃、焼成時間10〜20minとすることが望ましい。
ここで、上記のように、絶縁体の表面に光を照射した場合、絶縁体の表面からの光の反射率は該絶縁体の表面の明度に従い変化する。この絶縁体の表面が白に近く明度が大きい場合は反射率が大きくなり、該表面が黒に近い暗い色になり明度が小さくなるに従い反射率が小さくなる。
一方、絶縁体の焼成温度が低くあるいは焼成時間が短くて焼成が不充分な場合は、絶縁体の内部からのガスの放出が不充分となって、絶縁体の内部における気泡の発生量が多くなる。
表1は、図1及び図2に示されるようなオゾン発生器(絶縁体形成物)における円筒管(金属基板)1に下地絶縁層2を焼成した下地絶縁層焼成体20において、焼成条件と光の反射率及び下地絶縁層2の気泡体積との関係の測定結果を示す表である。また、図3は表1に基づくものであって、下地絶縁層焼成体20の焼成時間及び焼成温度と光の反射率との関係の測定結果を示す線図、図4は表1に基づくものであって、下地絶縁層焼成体20の焼成時間及び焼成温度と下地絶縁層2の気泡体積との関係の測定結果を示す線図である。
Figure 2007333631
表1、図3及び図4に示すように、上記下地表面層2の焼成状態を気泡体積で表わし、反射率と関連付けしている。
表1、図3及び図4に示される反射率の測定は、上記(1)〜(3)のようにして下地絶縁層2を形成した後に行った。反射率の測定に用いた装置は、色彩色差計(コニカミノルタ製、CR−400)であり、表色系はY,x,yを用いた。反射率はYで表わされている(x,yは色度を表わすが、この実施形態ではこれを用いない)。この他にもマンセル表色系、ハンターLab表色系など表色系はいくつかあり、それぞれ反射率の数値が異なるが、反射率を表わすという意味では同じ用途である。
上記反射率の測定には、前記色彩色差計に限らず、標準照明光源、分光機能、反射率測定及び演算機能を内蔵する色彩色差計、あるいは分光測色計を用いることができる。
また、下地絶縁層2の気泡体積(cm3)は、断面を光学顕微鏡で撮影し、観察視野における気泡径と気泡数から、絶縁層の単位体積(cm3)あたりの数値で求めた。
なお、図5は前記下地絶縁層2に実際に認められるボイドの断面形状の撮像の一例を示している。
表1、図3及び図4で明らかなように、下地絶縁層2の焼成温度が上昇するほど、あるいは焼成時間が長くなるほど反射率は低下し、これにより気泡体積が小さくなって、気泡の発生量が少なくなる。
このようにして下地絶縁層焼成体20を形成し、当該下地絶縁層焼成体20に表面絶縁層3を該下地絶縁層2に積層する形態で塗布・焼成を行う。
表面絶縁層3は反応性の低い材料を用いていること、上記の手段によって下地絶縁層2のガスを十分に放出させて気泡4を低減することにより、焼成条件の幅を広くとることができ、焼成条件の管理は設定値で行う程度で良い。表面絶縁層3の焼成温度700〜900℃、焼成時間3〜10min程度に取るのが望ましい。
Figure 2007333631
表2は上記円筒管(金属基板)1に下地絶縁層2を焼成条件を変えて焼成し、これに表面絶縁層3を同一の焼成条件として焼成し絶縁層を形成してオゾン発生器(絶縁体形成物)を製作して破壊試験を行った結果であり、下地絶縁層2の焼成条件と反射率及び破壊電圧との関係を示す表である。また、図6は表2に基づくものであって、円筒管(金属基板)1に下地絶縁層2を焼成条件を変えて焼成し、これに表面絶縁層3を同一の焼成条件として焼成し絶縁層を形成してオゾン発生器(絶縁体形成物)を製作して破壊試験を行った結果であり、下地絶縁層2の焼成条件と反射率及び破壊電圧との関係を示す線図である。
表2及び図6で明らかなように、上記下地絶縁層2の反射率が低いほどオゾン発生器(絶縁体形成物)全体の破壊に至る電圧が高く、絶縁性が優れている結果が得られた。
従って、表2及び図6より、上記破壊電圧を15kv以上とした場合には、反射率を5.0程度よりの小さい値を合格ラインとすればよいことが分かる。
[実施例1]
上述した本発明の実施形態で用いたセラミック材のスラリーにより形成した下地絶縁層2で、絶縁性に必要な電圧のしきい値を15kvとし、下地絶縁層2の反射率を測定し、その測定結果に基づき合否の評価を行った。
この評価実験には、図2(A)及び(B)に示される下地絶縁層焼成体20を用い、下地絶縁層2の焼成温度を900℃、焼成時間を10minとし、50本の試作を行い、合格基準を反射率Y=5.0以下とした基準値との比較を行った。また、表面絶縁層は、焼成温度800℃、焼成時間5minで行った。
図7は、かかる評価実験における下地絶縁層2の破壊電圧の測定結果を示している。
熱電対による焼成温度の測定では、実際の温度は780〜820℃と幅があったが、図7に示されるように、破壊に至る電圧は全て許容電圧15kv(しきい値)以上を満足した。
[実施例2]
図8は、上記実施例1における反射率を、連続または断続的測定可能な移動式反射率測定機5を用いて測定する状況を示し、(A)は軸方向の測定状況を示す断面図、(B)は円周方向の測定状況を示す断面図である。
図8に示される移動式反射率測定機5は、好ましくは下地絶縁層2と当接する先端部にゴムシートなどの緩衝材が装着されている。そして、この実施例では、移動式反射率測定機5を図8(A)に示すように下地絶縁層焼成体20の軸方向に移動させ、あるいは図8(B)に示すように下地絶縁層焼成体20の円周方向に移動させて反射率の測定を行った。
かかる移動式反射率測定機5を用いることにより、反射率の測定時間が短縮可能となって評価実験工数を低減できるとともに、移動式反射率測定機5を下地絶縁層焼成体20の軸方向及び円周方向に自在に移動させることにより、下地絶縁層焼成体20の全表面について万遍なく反射率を測定でき、評価実験の測定精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、既述の実施形態では、円筒型のオゾン発生器に本発明を適用したが、本発明は円筒型のオゾン発生器に限られることなく、金属基板に絶縁層を有する平板型オゾン発生器や電子部品に搭載される電子絶縁基板等においても、既述の実施形態と同様な方法によって絶縁性能を評価し、絶縁層を形成することができる。
本発明によれば、絶縁層の試料(試験片)の採取を不要とし、きわめて簡単な方法で且つ短時間で、絶縁体の気泡の発生状態を正確に検知可能とするとともに、簡便な方法で気泡の発生を抑制する可能とした無機系絶縁体の焼成状態検査方法及び製作方法、並びにその装置を提供できる。
本発明の実施形態が適用されるオゾン発生器の構成図であって、(A)は円筒管の長手方向に切断した断面図、(B)は(A)におけるA−A線断面図である。 円筒管にセラミック材のスラリーを塗布し、下地絶縁層を焼成した下地絶縁層焼成体の成形品を示すものであり、(A)は軸方向に沿う断面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図である。 表1に基づくものであって、下地絶縁層焼成体の焼成時間及び焼成温度と光の反射率との関係の測定結果を示す線図である。 表1に基づくものであって、下地絶縁層焼成体の焼成時間及び焼成温度と下地絶縁層の気泡体積との関係の測定結果を示す線図である。 下地絶縁層に実際に認められるボイドの断面形状の撮像の一例を示す説明図である。 表2に基づくものであって、オゾン発生器(絶縁体形成物)を製作して破壊試験を行った結果であり、下地絶縁層の焼成条件と反射率及び破壊電圧との関係を示す線図である。 上記評価実験における下地絶縁層の破壊電圧の測定結果を示す線図である。 上記反射率を、連続または断続的測定可能な移動式反射率測定機を用いて測定する状況を示し、(A)は軸方向の測定状況を示す断面図、(B)は円周方向の測定状況を示す断面図である。
符号の説明
1 円筒管(金属基板)
2 下地絶縁層
3 表面絶縁層
4 気泡
5 移動式反射率測定機

Claims (7)

  1. セラミック等の無機系絶縁物からなる絶縁層を金属基板の表面に焼成してなる無機系絶縁体の検査方法及び製作方法であって、焼成後での前記絶縁層の表面における光の反射率を測定し、該反射率と前記絶縁層内における気泡の状態とを関係付けておき、前記反射率の測定結果から前記絶縁層内に発生している気泡の混入状態を推定することを特徴とする無機系絶縁体の検査及び製作方法。
  2. 前記絶縁層を、前記金属基板の表面に焼成される下地絶縁層と、該下地絶縁層の外側に焼成される表面絶縁層とにより形成し、前記金属基板の表面に下地絶縁層を焼成してなる下地絶縁層焼成体における前記反射率を、前記下地絶縁層焼成体の複数箇所において測定することを特徴とする請求項1に記載の無機系絶縁体の検査及び製作方法。
  3. 前記反射率と前記絶縁層内における気泡の混入状態との関係を前記絶縁層の焼成温度、焼成時間等の焼成条件をパラメータにして設定し、前記反射率の測定結果を前記気泡の混入状態及び焼成条件の設定値に対応させて、気泡の混入が最小となる最適焼成条件を算出し、該最適焼成条件によって前記絶縁層を前記金属基板の表面に焼成することを特徴とする請求項1に記載の無機系絶縁体の検査及び製作方法。
  4. 前記反射率と前記絶縁層内における気泡の混入状態との関係を前記焼成条件をパラメータとして、前記焼成条件における焼成温度が高く、前記焼成時間が長くなるに従い前記反射率が小さく気泡の混入量が少なくなるように設定された設定テーブルを作製し、前記反射率の測定結果を前記設定テーブルに対応させて、前記反射率が最小になり前記気泡の混入量が最小になるような前記焼成条件で前記絶縁層を前記金属基板の表面に焼成することを特徴とする請求項3に記載の無機系絶縁体の検査及び製作方法。
  5. 前記反射率の測定に、標準照明光源、分光機能、反射率測定および演算機能を内蔵する色彩色差計、あるいは分光測色計を用いることを特徴とする請求項1に記載の無機系絶縁体の検査及び製作方法。
  6. セラミック等の無機系絶縁物からなる絶縁層を金属基板の表面に焼成してなる無機系絶縁体の検査を行う無機系絶縁体の検査装置において、前記絶縁層の表面における光の反射率の基準となる基準反射率を予め格納する手段と、反射率測定装置によって新たに測定された測定反射率を格納する手段と、前記基準反射率と前記測定反射率とを比較して前記絶縁層の合否を判定する手段とを備えていることを特徴とする無機系絶縁体の検査装置。
  7. 前記反射率測定装置は、前記絶縁層の表面に沿って移動可能に構成され、前記絶縁体表面の反射率を断続または連続的に検知する移動式反射率測定装置からなっていることを特徴とする請求項6に記載の無機系絶縁体の検査装置。
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