JP2008024063A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】接地性を損なうことなく横剛性を高め、操縦安定性を改善することが可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】左右のビード部3間に、タイヤ周方向TCに対して60〜86°の角度θで傾斜配列した補強コードaを有する2層のカーカス層4,5が延設されている。2層のカーカス層4,5は、補強コードaがタイヤ周方向TCに対する傾斜方向を逆向きにして交差するように配置してある。タイヤ周方向TCに沿って延在する補強コードfをタイヤ径方向に配列してゴム層rに埋設した補強層12が、サイドウォール部2の内面2aに設けられている。補強層12の幅wは、タイヤ断面高さTHの25〜100%の範囲になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、横剛性と縦剛性を両立させることができる空気入りタイヤに関する。
従来、レーシングタイヤとして、タイヤ周方向に対して傾斜配列した補強コードを有する2層のカーカス層を、該補強コードがタイヤ周方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差するように配置し、サイドウォール部で高い横方向の剛性を確保するようにした空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。近年、このようなタイヤにおいて、操縦安定性を高める(ラップタイムを短縮する)ため、接地性を落とさずにタイヤ横方向の剛性(横剛性)を高めることが求められている。
しかしながら、横剛性を増加させると、タイヤ径方向の剛性(縦剛性)も増加するため、タイヤが撓み難くなって接地性が悪化する。接地性が悪いタイヤは、サーキット走行においてブレーキング、コーナリング、トラクションによる四輪の荷重変化の中で、特に低荷重時にグリップ力が不足して操縦安定性が低下し、縦剛性の増加、即ち接地性の悪化を招くことなく横剛性を増加させるのが難しいという問題があった。
特開2006−123705号公報
本発明の目的は、接地性を損なうことなく横剛性を高め、操縦安定性を改善することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、左右のビード部間にタイヤ周方向に対して60〜86°の角度で傾斜配列した補強コードを有する2層のカーカス層を延設すると共に、該2層のカーカス層を補強コードがタイヤ周方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差するように配置した空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部の内面に、タイヤ周方向に沿って延在する補強コードをタイヤ径方向に配列してゴム層に埋設した、幅がタイヤ断面高さの25〜100%の補強層をタイヤ周方向に環状に配置したことを特徴とする。
上述した本発明によれば、サイドウォール部に配置した補強層の補強コードをカーカス層の補強コードと交差するように延在させることで、横力が作用した際にサイドウォール部の抗力を高めることができるため、横剛性の増大が可能となる。
また、補強層の補強コードをタイヤ周方向に沿って延設することで、補強コードを埋設した補強層のタイヤ径方向の剛性(縦剛性)の増加を極力抑制する一方、接地時のサイドウォール部の変形は外側の方が内面側より大きいので、外側に補強層を配置した場合は補強層に作用する張力が大きくなり縦剛性の増加を招くが、補強層をサイドウォール部内面に配置することで、補強層に作用する張力が小さくなり、縦剛性の増加を抑制することができる。従って、縦剛性の増加を最小限の範囲に抑え、接地性を阻害することなく横剛性を高めることが可能になるため、操縦安定性を改善することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、TEはタイヤ赤道面である。
左右のビード部3間に2層のカーカス層4,5が延設され、その両端部4a,5aがビード部3に埋設したビードコア6の周りにビードフィラー7を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。2層のカーカス層4,5は、図2に示すように、タイヤ周方向TCに対して60〜86°の角度θで傾斜して延在するナイロンコードやポリエステルコードなどの有機繊維コードからなる補強コードaをタイヤ周方向TCに所定の間隔で配列し、ゴム層bに埋設した構成になっている。この2層のカーカス層4,5は、補強コードaがタイヤ周方向TCに対する傾斜方向を逆向きにして交差するように配置されている。
トレッド部1のカーカス層4,5の外周側には、タイヤ周方向TCに傾斜配列したスチールコードをゴム層に埋設した2層のベルト層8が設けられている。ベルト層8の外周側には、ナイロンコードなどの有機繊維コードをタイヤ周方向TCに巻き付けたベルトフルカバー層9とベルトエッジカバー層10がそれぞれ1層配設されている。カーカス層4,5の内側には、左右のビード部3間に延在し、耐空気透過防止層として作用するインナーライナー層11が配置してある。
左右のサイドウォール部2の内面2a、即ち左右のサイドウォール部2に位置するインナーライナー層11の内面11aには、図3に示すように、タイヤ周方向TCに沿って延在する補強コードfをタイヤ径方向に所定の間隔で配列してゴム層rに埋設した1層の補強層12がタイヤ周方向TCに環状に配置されている。なお、ここで言うタイヤ周方向TCに沿って延在する補強コードfとは、タイヤ周方向に対して0°で延在する補強コードfのみならず、実質的に0°の範囲(タイヤ周方向に対して5°以下)で延在する補強コードfを含むものとする。好ましくは、補強コードfをタイヤ周方向に対して0°で延在するようにするのがよい。補強コードfが実質的に0°の範囲を外れると、接地性が低下する(後述する比較例3の20°の場合参照)。
上記補強層12の幅(タイヤ子午線断面においてサイドウォール部2の内面2aに沿って測定した長さ)wは、タイヤ断面高さTHの25〜100%の範囲になっている。補強層12の補強コードfとしては、有機繊維コードを好ましく使用することができ、例えば、ナイロンコード、ポリエステルコード、アラミドコードなどを好ましく挙げることができる。
このように本発明では、サイドウォール部2に配置した補強層12の補強コードfがカーカス層4,5の補強コードaと交差するように延在するので、その交差効果により横力が作用した際にサイドウォール部2の抗力を高めることが可能になり、従って横剛性を増加させることができる。
また、補強層12の補強コードfをタイヤ周方向TCに沿って延設することにより、補強コードfを埋設した補強層12のタイヤ径方向の剛性(縦剛性)の増加を極力抑制することができる。他方、接地時のサイドウォール部2の変形は外側の方が内面側より大きいため、外側に補強層12を配置した場合は補強層12に作用する張力が大きくなり縦剛性の増加を招くが、補強層12をサイドウォール部内面2aに配置することで、補強層12に作用する張力が小さくなり、縦剛性の増加を抑制することができる。従って、縦剛性の増加を最小限の範囲に抑え、接地性を損なうことなく横剛性を高めることが可能になるので、操縦安定性の改善が可能になる。
カーカス層4,5の補強コードaの角度θが60°より小さくなると、剛性が高くなり過ぎるため接地性が低下する。逆にカーカス層4,5の補強コードaの角度θが86°を超えると、補強層12の補強コードfとの交差効果が得られ難くなる。
補強層12の幅wがタイヤ断面高さTHの25%より狭いと、横剛性を効果的に高めることができない。逆に補強層12の幅wがタイヤ断面高さTHの100%より広いと、接地性の悪化を招く。補強層12は、タイヤ断面幅位置(カーカス層最大幅位置)Pを中心にタイヤ径方向両側に略均等となるように配置するのが効果の点からよい。
本発明は、特にサーキットコースを走行するレーシングタイヤに好適に用いることができるが、それに限定されず、他の空気入りタイヤにも適用することができる。
タイヤサイズを280/710R18で共通にし、補強層(補強コードにナイロンコード使用)の配置及び構成を表1のようにした図1に示す構成の本発明タイヤ1〜3(実施例1〜3)と比較タイヤ1〜4(比較例1〜4)、及び本発明タイヤ1において補強層がない従来タイヤ(従来例)をそれぞれ試験タイヤとして作製した。各試験タイヤにおいて、2層のカーカス層の補強コードのタイヤ周方向に対する角度θは70°で共通である。
これら各試験タイヤをリムサイズ18×11JJのリムに組み付け、空気圧を200kPaにして排気量3000ccのスポーツタイプの車両に装着し、以下に示す試験方法によりコーナリング性(横方向の踏ん張り感)、接地性及び操縦安定性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。また、表1に各試験タイヤの横剛性と縦剛性を従来タイヤを100とする指数値で示す。
コーナリング性(横方向の踏ん張り感)
テストコースにおいて、テストドライバーによる官能試験を実施し、その評価結果を10点法で評価した。この点数が高い程、横方向の踏ん張り感が優れている。なお、表中+は1点増加する程ではないが、明らかに差異があることを示す。また表中−は、1点減点する程ではないが、明らかに差異があることを示す。
接地性
テストコースにおいて、テストドライバーによる官能試験を実施し、その評価結果を10点法で評価した。この点数が高い程、接地性が優れている。なお、表中+は1点増加する程ではないが、明らかに差異があることを示す。また表中−は、1点減点する程ではないが、明らかに差異があることを示す。
操縦安定性
1周4.5kmのレーシングコースを10周走行した時のラップタイムを測定した。このラップタイムが短い程、操縦安定性が優れている。
Figure 2008024063
表1から、本発明は、ラップタイムを従来より0.3秒以上短縮することができ、接地性を維持しながら横剛性を増加させ、操縦安定性を改善できることがわかる。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示すタイヤ子午線半断面図である。 カーカス層の説明図である。 タイヤ子午線断面における補強層の部分拡大断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
2a 内面
3 ビード部
4,5 カーカス層
11 インナーライナー層
11a 内面
12 補強層
TC タイヤ周方向
TH タイヤ断面高さ
a,f 補強コード
r ゴム層
w 幅
θ 角度

Claims (3)

  1. 左右のビード部間にタイヤ周方向に対して60〜86°の角度で傾斜配列した補強コードを有する2層のカーカス層を延設すると共に、該2層のカーカス層を補強コードがタイヤ周方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差するように配置した空気入りタイヤにおいて、
    サイドウォール部の内面に、タイヤ周方向に沿って延在する補強コードをタイヤ径方向に配列してゴム層に埋設した、幅がタイヤ断面高さの25〜100%の補強層をタイヤ周方向に環状に配置した空気入りタイヤ。
  2. 前記補強層の補強コードが有機繊維コードからなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記空気入りタイヤがレーシングタイヤである請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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