JP2008024111A - ガラスラン - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアガラスが車幅方向に振動する等して、シールリップがドアガラスから離間する際に発生するおそれのある異音をより確実に抑制することのできるガラスランを提供する。
【解決手段】ガラスラン1は、ガラス開口部に沿って設けられたサッシュ部DSに嵌込まれる基底部14及び基底部14から延びる車外側側壁部15及び車内側側壁部16よりなる本体部11と、両側壁部15、16の先端部から本体部11内側に向けて延びる車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13とを備える。ガラスラン1の縦辺部を構成する部位(押出成形部4)の車外側シールリップ12には、ドアガラスDGが接触し得る部位において、本体部11の長手方向に沿って突出形成された複数本のビード部31が設けられている。また、複数本のビード部31のうち、少なくとも一つのビード部31の突出長が、その他のビード部31の突出長と異なっている。
【選択図】 図2
【解決手段】ガラスラン1は、ガラス開口部に沿って設けられたサッシュ部DSに嵌込まれる基底部14及び基底部14から延びる車外側側壁部15及び車内側側壁部16よりなる本体部11と、両側壁部15、16の先端部から本体部11内側に向けて延びる車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13とを備える。ガラスラン1の縦辺部を構成する部位(押出成形部4)の車外側シールリップ12には、ドアガラスDGが接触し得る部位において、本体部11の長手方向に沿って突出形成された複数本のビード部31が設けられている。また、複数本のビード部31のうち、少なくとも一つのビード部31の突出長が、その他のビード部31の突出長と異なっている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ガラスランに関するものである。
一般に、自動車のガラス開口部周縁にはガラスランが設けられている。ガラスランは、ほぼ直線状(長尺状)に成形された押出成形部と、押出成形部同士を所定の角度をなした状態で接続する型成形部とから構成されており、例えばガラス開口部の形状に沿って前縦辺部、上辺部、及び後縦辺部からなる。また、ガラスランは、その断面方向から見ると、基底部及び該基底部からガラス開口部内周方向に延びる車内側側壁部及び車外側側壁部よりなる略コ字状の本体部と、前記両側壁部の略先端から本体部内側に延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップとを有する。上記ガラスランは、本体部がガラス開口部に沿って設けられた取付部(サッシュ部)の内周に取着され、ドアガラスの車内側及び車外側が前記一対のシールリップによりシールされる。
ところで、ドアガラスの昇降に際し、該ドアガラスとシールリップとが摺接することに起因して擦れ音が発生してしまうことが懸念される。そこで、シールリップのうちドアガラスと摺接する摺接面に複数本の突条部を設け、これら複数本の突条部をドアガラスと摺接させることでドアガラスとシールリップとの接触面積を減らし、擦れ音を抑止するといった技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−331048号公報
また、シールリップとドアガラスとが強く圧接されると、シールリップがドアガラスに吸着する場合がある。この状態においてドアガラスが車幅方向に振動する等して、シールリップがドアガラスから離間すると、異音(剥離音)が発生してしまうおそれがある。特に、経年変化等によりシールリップの弾性力(ドアガラスを押し返そうとする反力)が弱まった場合には、シールリップがドアガラスから離れやすく、かかる不具合が顕著なものとなる。これに対し、上記特許文献1の技術を採用することで、面で当接する場合に比べてドアガラスとシールリップとの接触面積が減少するため、上記のような剥離音についても若干抑制されるのではあるが、それでも未だ十分とはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドアガラスが車幅方向に振動する等して、シールリップがドアガラスから離間する際に発生するおそれのある異音をより確実に抑制することのできるガラスランを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.基底部及び該基底部から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部よりなり断面略コ字状をなす本体部と、前記両側壁部の略先端から前記本体部内側に延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップとを有し、
前記本体部が、車両のガラス開口部に沿って設けられた取付部の内周に取着されてなるガラスランであって、
ドアガラスの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に対応する部位の少なくとも前記車外側シールリップには、ドアガラスが接触し得る部位において、前記本体部の長手方向に沿って突出形成された複数本の突条部を備え、
前記複数本の突条部のうち、少なくとも一つの突条部の突出長が、その他の突条部の突出長と異なることを特徴とするガラスラン。
前記本体部が、車両のガラス開口部に沿って設けられた取付部の内周に取着されてなるガラスランであって、
ドアガラスの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に対応する部位の少なくとも前記車外側シールリップには、ドアガラスが接触し得る部位において、前記本体部の長手方向に沿って突出形成された複数本の突条部を備え、
前記複数本の突条部のうち、少なくとも一つの突条部の突出長が、その他の突条部の突出長と異なることを特徴とするガラスラン。
手段1によれば、車外側シールリップのうちドアガラス(ドアガラスの外側面)と摺接する部位(ガラス摺接面)に対して複数本の突条部が形成されている。本手段1では、少なくとも一つの突条部の突出長が、その他の突条部の突出長と異なっている。このため、突条部の突出長が全て同じである場合に比べ、車幅方向において基準位置にあるドアガラス、及び、基準位置よりも車外側に変位した位置にあるドアガラスに対して同時に接触する突条部の数を少なくすることができ、車外側シールリップとドアガラスとの接触面積の総和をより確実に小さくすることができる。結果として、車外側シールリップとドアガラスとが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)をより確実に抑制することができる。尚、ここで「基準位置にある」とあるのは、「予め設定されたドアガラスの摺動軌道上に位置する」、「車幅方向に変位することなく本体部の内側に位置する」といった意味を含む趣旨である。
また、突条部が複数本設けられていることにより、ガラスランの製造誤差や組付誤差等に起因して、ガラスランが突条部に接触しないといった不具合、すなわち、車外側シールリップに対してドアガラスが面接触してしまうといった不具合を防止することができる。
尚、基準位置にあるドアガラス、及び基準位置よりも車外側に変位した位置にあるドアガラスと同時に接触し得る突条部の数は2つ以下とするのが望ましく、1つとするのがより望ましい。また、「少なくとも互いに隣接する前記突条部同士の突出長が異なること」としてもよい。この場合、突条部の突出長が全て同じである場合に比べて、ドアガラスに接触する突条部の数をより確実に減らすことができ、ドアガラスと車外側シールリップとの接触面積を減らすといった作用効果が一層確実に奏される。
手段2.複数設けられた前記突条部の突出長が全て異なることを特徴とする手段1に記載のガラスラン。
手段2によれば、全ての突条部の突出長が異なっている。このため、基準位置にあるドアガラス、及び、基準位置よりも車外側に変位した位置にあるドアガラスと同時に接触する突条部の数をより確実に少なくすることができる。従って、突条部の突出長が全て同じである場合に比べ、ドアガラスと車外側シールリップとの接触面積を減らし、ドアガラスが車外側シールリップから離間する際に発生するおそれのある剥離音を抑制するといった作用効果が一層確実に奏される。
手段3.前記複数の突条部のうち、前記車外側シールリップの先端部側に位置する前記突条部の突出長の方が、前記車外側シールリップの基端部側に位置する突条部の突出長よりも長いことを特徴とする手段1又は2に記載のガラスラン。
例えば、複数本の突条部のうち車外側シールリップの基端部側に位置する突条部の突出長を、車外側シールリップの先端部側に位置する突条部の突出長よりも長く構成した場合、ドアガラスに対して複数本の突条部のうち車外側シールリップの基端部側に位置する突条部が接触することとなる。しかしながら、この場合には、複数本の突条部のうち車外側シールリップの基端部側に位置する突条部のみならず、車外側シールリップの先端部側に位置する突条部や、車外側シールリップの先端部がドアガラスと接触するおそれがある。この点、本手段3の構成を採用することで、車外側シールリップが、ドアガラスに対して、当該車外側シールリップの基端部側に位置する突条部を接触させることなく、車外側シールリップの先端部側に位置する突条部のみで接触する構成とすることができ、上記作用効果が確実に奏される。
尚、手段2に対応しては、「前記複数本の突条部は、前記車外側シールリップの先端部側に設けられているものほどその突出長が長くなっている」こととしてもよい。
手段4.前記車外側側壁部のうち前記車外側シールリップと接触し得る部位、又は、前記車外側シールリップのうち前記車外側側壁部と接触し得る部位において前記本体部の長手方向に沿って延び、押出成形に際し前記車外側側壁部及び前記車外側シールリップと同時形成される複数本の密着防止突条部を備え、
前記複数本の密着防止突条部のうち少なくとも1つの密着防止突条部の突出長が、その他の密着防止突条部の突出長と異なることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のガラスラン。
前記複数本の密着防止突条部のうち少なくとも1つの密着防止突条部の突出長が、その他の密着防止突条部の突出長と異なることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のガラスラン。
手段4によれば、車外側シールリップ又は車外側側壁部のうち互いに対向する対向面のどちらか一方に対して密着防止突条部が設けられている。このため、車外側シールリップと車外側側壁部とが面で当接する場合に比べ、車外側シールリップと車外側側壁部との接触面積の総和を小さくすることができる。さらに、密着防止突条部のうち少なくとも1つの密着防止突条部の突出長が、その他の密着防止突条部の突出長と異なっている。このため、密着防止突条部の突出長が全て同じである場合に比べ、車外側シールリップと車外側側壁部との圧接に際し、車外側シールリップ又は車外側側壁部のうち密着防止突条部が設けられていない方に接触する密着防止突条部の数を減らすことができ、車外側シールリップと車外側側壁部との接触面積の総和をより確実に小さくすることができる。結果として、車外側シールリップと車外側側壁部とが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)を確実に抑制することができる。
尚、密着防止突条部が車外側側壁部に設けられる場合、複数本の密着防止突条部のうち、車外側シールリップのその延出方向における略中心部位と接触し得る密着防止突条部は、その他の密着防止突条部よりも突出長が長いこととしてもよい。また、密着防止突条部が車外側シールリップに設けられる場合、複数本の密着防止突条部のうち、車外側シールリップのその延出方向における略中心部位に設けられる密着防止突条部は、その他の密着防止突条部よりも突出長が長いこととしてもよい。これらの構成を採用する場合、車外側シールリップと車外側側壁部との圧接に際し、複数本の密着防止突条部のうち最も突出長の長い密着防止突条部を、車外側シールリップ又は車外側側壁部のうち密着防止突条部が設けられていない方に確実に接触させることができ、上記作用効果が確実に奏される。
手段5.前記突条部は前記車外側シールリップよりも硬質な素材により構成され、
前記車外側シールリップ及び前記突条部は、押出成形により同時成形されることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のガラスラン。
前記車外側シールリップ及び前記突条部は、押出成形により同時成形されることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のガラスラン。
手段5によれば、車外側シールリップと、該車外側シールリップよりも硬質な素材よりなる突条部とが同時に押出形成される。このため、車外側シールリップに突条部を形成するために別途の作業(別途の部材を貼付ける、ガラス摺接面に摺動性を向上させるための塗膜を形成する等)が必要となるといった事態を回避することができ、結果として、作業効率の向上を図ることができる。
手段6.前記車外側シールリップはオレフィン系熱可塑性エラストマーにより構成されるとともに、直線状に延在し、
前記本体部の内側にドアガラスが位置する部位において、ドアガラスの外側面と前記車外側シールリップとが略平行となるよう構成したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のガラスラン。
前記本体部の内側にドアガラスが位置する部位において、ドアガラスの外側面と前記車外側シールリップとが略平行となるよう構成したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のガラスラン。
手段6のように、車外側シールリップをオレフィン系熱可塑性エラストマーにより構成する場合には、当該車外側シールリップを直線状に構成することで、車外側シールリップを湾曲形状とするよりも経年変化の抑制を図ることができる。また、本体部の内側にドアガラスが位置する部位において、ドアガラスの外側面と車外側シールリップとが略平行となるため、上記のように、突条部の突出長を異ならせることで、突条部の突出長が全て同じである場合に比べてドアガラスに同時に接触する突条部の数を少なくすることができるといった作用効果が確実に奏される。特に、全ての突条部の突出長を異ならせた場合には、車外側シールリップがドアガラスに対して1つの突条部のみで接触する構成とすることができる。尚、車外側シールリップを直線状に構成する場合には、ドアガラスと車外側シールリップとの圧接に際し、ドアガラスに対して車外側シールリップがより大きな面積で接触するおそれがあるが、上記のように車外側シールリップのガラス摺接面に対して突条部を設けることで当該おそれを回避することができる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はドアの概略構成を示す正面模式図である。図2はガラスランの構成を示す図1のJ−J線断面図である。
自動車用ドアのドアガラス開口部の外周に対応してガラスランが取付けられる。より詳しく説明すると、図1に示すように、ドアDFには、ドアDFの外周形状に沿うようにして取付部としてのサッシュ部DSが設けられており、このサッシュ部DSによってドアガラスDGが昇降して開閉されるドアガラス開口部Wが区画される。そして、サッシュ部DSの内周にガラスラン1が取付けられる。
まず、ガラスラン1の概略構成について説明する。図1に示すように、ガラスラン1は、その長手方向にみて上辺部に対応する押出成形部2、前後の縦辺部に対応する押出成形部3,4と、2つの押出成形部2,3及び2,4の端部同士を接続する型成形部5,6(図1で散点模様を付した部分)とに区別される。各押出成形部2〜4は、図示しない押出成形機によりほぼ直線状に(長尺状に)形成される。また、型成形部5,6は、2つの押出成形部2,3及び2,4が所定の角度をなした状態で相互に接続されるように図示しない金型装置にて接続成形される。
また、図2に示すように、後縦辺部を構成する押出成形部4は、サッシュ部DSに嵌め込まれる基底部14及び該基底部14から延びる車外側側壁部15及び車内側側壁部16よりなる断面略コ字状の本体部11と、車外側側壁部15及び車内側側壁部16の略先端からそれぞれ本体部11の内側(基底部14側)へ延びる車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13とを備えている。ガラス開口部Wの閉状態においては、ドアガラスDGとの摺接面である車外側シールリップ12の表面(ガラス開口部W内周側の面)がドアガラスDGの外側面に対して圧接され、車内側シールリップ13の表面(ガラス開口部W内周側の面)がドアガラスDGの内側面に対して圧接される。これにより、ドアガラスDGの車外側及び車内側がそれぞれシールされるようになっている。尚、押出成形部2,3、及び型成形部5,6についても、本体部11及び一対のシールリップ12,13等を備えている。また、本実施形態における本体部11及びシールリップ12,13は、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)により構成されている。
また、押出成形部4は、車内側側壁部16から本体部11の内側に向けてドアガラス開口部Wの内周側に傾斜して直線状に延びるサブリップ21を備えている。該サブリップ21は、押出成形により車内側側壁部16と同時形成される。押出成形部4のうち、本体部11の内側にドアガラスDGが位置していない部位においては、車内側シールリップ13の裏面とサブリップ21の先端部とが離間しているが、本体部11の内側にドアガラスDGが位置している部位においては、車内側シールリップ13の先端部分の裏面とサブリップ21の先端部とが接触するよう構成されている。
尚、車外側シールリップ12は車内側シールリップ13よりも小さく(短く)構成されている。これにより、ドアガラスDGが車外側に寄せられ、フラッシュサーフィス化が図られるようになっている。
また、上記のように、車外側シールリップ12はTPOにより構成されている。TPOは、全体的に撓ませるよりも局部的に撓ませる方が、経年変化(ドアガラスを押し返そうとする反力の低下)を抑制することができるという性質を有している。このため、本実施形態における車外側シールリップ12は直線状に延びており、ドアガラスDGとの圧接に際しては、ほぼ直線状の形状を保持したまま、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との連接部(境界部)を中心に車外側側壁部15側に傾倒(回動)する。また、本実施形態では、本体部11の内側にドアガラスDGが挿入されたとき(位置したとき)に、ドアガラスDGの外側面及び車外側側壁部15と、車外側シールリップ12とが略平行となるように設定されている。
さて、車外側シールリップ12のうちドアガラスDGが摺接し得る部位(ガラス摺接面)には、押出成形部4の長手方向に沿って突条部を構成する4条のビード部31が突出形成されている。ビード部31は、車外側シールリップ12よりも硬質なTPOにより構成されており、本体部11及びシールリップ12,13と同時に押出形成される。また、ビード部31の断面形状は、ドアガラスDGの閉状態において、ドアガラスDG側が頂部となる略三角形をなしている。尚、ビード部31の頂部は必ずしも尖頂でなくてもよく、例えば、断面台形状、断面円弧状になっていてもよい。また、ビード部31の数も特に限定されるものではなく、少なくとも2条以上形成されていればよい。
また、ビード部31は、車外側シールリップ12の先端部側に設けられているものほどその突出長が長くなっている。本実施形態における4条のビード部31の各突出長は、車外側シールリップ12の基端部側のものから0.3mm、0.6mm、0.9mm、1.2mmとなっている。尚、ビード部31は突出長が長いものほどその剛性を確保するべく幅広に構成されている。
さらに、本実施形態では、車外側側壁部15(の内面)のうち車外側シールリップ12が接触し得る部位において、本体部11の長手方向に沿って延びる複数本の密着防止突条部33が設けられている。密着防止突条部33は、ビード部31と同様に硬質のTPOにより構成され、押出成形に際し車外側側壁部15と同時形成される。密着防止突条部33もまた、断面略三角形をなしている。
次に、車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13等の変形動作について説明する。ガラス開口部Wを閉めるためにドアガラスDGを上昇させていくと、図2の二点鎖線で示すように、ドアガラスDGが本体部11の内側に挿入される。このとき、ドアガラスDGに押されて車外側シールリップ12,車内側シールリップ13が、車外側側壁部15,車内側側壁部16との連接部を中心として、車外側側壁部15,車内側側壁部16の基端部側に傾倒するようにして変形する。そして、ドアガラスDGの外内面に対してそれぞれシールリップ12、13のガラス摺接面が圧接される。
本実施形態では、4条のビード部31のうち、車外側シールリップ12の先端部側に位置するものほどその突出長が長くなっている。このため、ドアガラスDGが本体部11の内側に挿入された場合には、4条のビード部31のうち最も車外側シールリップ12の先端部側に位置するビード部31のみがドアガラスDGの外側面と接触することとなる。尚、ドアガラスDGが本体部11の内側に挿入されることで、サブリップ21の先端部が車内側シールリップ13の裏面に接触することとなる。また、上記のように、本体部11の内側にドアガラスDGが位置する部位においては、車外側シールリップ12はドアガラスDGの外側面及び車外側側壁部15の内面と略平行となる。
また、例えば、ドアガラスDGをさらに上昇させていくときにドアガラスDGががたつき、ドアガラスDGが車外側に変位した場合には、該ドアガラスDGに押されて車外側シールリップ12が車外側側壁部15側に寄せられ、車外側シールリップ12の裏面が車外側側壁部15の内面に形成された密着防止突条部33と接触する。尚、このようにドアガラスDGが基準位置から車外側に変位した場合においても、車外側シールリップ12は、最も車外側シールリップ12の先端部側に位置するビード部31のみでドアガラスDGと接触する。
尚、前縦辺部を構成する押出成形部3についても押出成形部4と同様に、車外側シールリップ12に形成されたビード部31、車外側側壁部15のうち車外側シールリップ12と接触し得る部位に形成された密着防止突条部33、及び車内側側壁部16から本体部11内側に向けて延びるサブリップ21が設けられている。
以上詳述したように、本実施形態では、車外側シールリップ12のうちドアガラスDGと摺接するガラス摺接面に対して複数本(本例では4条)のビード部31が形成されている。このため、車外側シールリップ12とドアガラスDGとが面で当接する場合に比べて、車外側シールリップ12とドアガラスDGとの接触面積の総和を小さくすることができる。さらに、複数本のビード部31は、車外側シールリップ12の先端側の部位に位置するものほど突出長が長くなっており、本体部11の内側にドアガラスDGが挿入された場合には、複数本のビード部31のうち最も車外側シールリップ12の先端部側に位置するビード部31のみがドアガラスDGに接触することとなる。従って、全てのビード部31の突出長が同じである場合に比べ、車外側シールリップ12とドアガラスDGとの接触面積の総和をより確実に小さくすることができる。特に、本実施形態では、車外側シールリップ12が直線状に構成され、車外側側壁部15との接触面積が大きくなってしまうことが懸念されるが、上記構成を採用することで、当該おそれを確実に防止することができる。このような作用効果により、車外側シールリップ12とドアガラスDGとが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)をより確実に抑制することができる。
加えて、ビード部31が複数本設けられていることにより、ガラスラン1の製造誤差や組付誤差等に起因して、ガラスラン1がビード部31に接触しないといった不具合、すなわち、車外側シールリップ12に対してドアガラスDGが面接触してしまうといった不具合を防止することができる。
また、例えば、複数本のビード部を、車外側シールリップ12の基端部側に設けられているものほどその突出長が長くなるよう構成した場合、ドアガラスDGに対して複数本のビード部のうち最も車外側シールリップ12の基端部側に位置するビード部が接触することとなる。しかしながら、この場合には、複数本のビード部のうち最も車外側シールリップ12の基端部側に位置するビード部のみならず、それよりも車外側シールリップ12の先端部側に位置するビード部や、車外側シールリップ12の先端部がドアガラスDGと接触するおそれがある。この点、本実施形態のように、複数本のビード部31のうち車外側シールリップ12の先端部側に設けられているものほどその突出長を長く構成することで、より確実にドアガラスDGに対して車外側シールリップ12が1つのビード部31のみで接触する構成とすることができ、上記作用効果が確実に奏される。
さらに、車外側側壁部15の内面のうち車外側シールリップ12と接触し得る部位に対して密着防止突条部33が設けられている。このため、車外側シールリップ12と車外側側壁部15とが面で当接する場合に比べて、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との接触面積の総和を小さくすることができる。結果として、車外側シールリップ12と車外側側壁部15とが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)を確実に抑制することができる。
また、本実施形態の構成以外にも、例えば、車外側シールリップ12のガラス摺接面に対してビード部を有する別途の部材を貼付けたり、ビード部を車外側シールリップ12と同じ素材で構成し、押出成形後に摺動性の向上を図るべくビード部31が形成されたガラス摺動面に塗膜を形成したりすることが考えられるが、いずれにしても作業効率の低下等を招くおそれがある。この点、本実施形態によれば、ビード部31が車外側シールリップ12と同時形成されるため、別途部材を貼付ける必要がない。さらに、ビード部31が車外側シールリップ12よりも硬質なTPOにより構成されることで摺動性の向上が図られているため、別途塗膜を形成する必要もない。結果として、製造に際しての作業効率の低下及びコストの増加を抑制することができる。尚、密着防止突条部33についても車外側側壁部15と同時形成されるため、同様の作用効果が奏される。
加えて、ビード部31が略三角形状(先細り状)に構成されることにより、ドアガラスDGと個々のビード部31との接触面積を小さくすることができ、ドアガラスDGからビード部31が離間する際に発生するおそれがある剥離音を抑制するといった作用効果がより確実に奏される。尚、密着防止突条部33についても略三角形状に構成されているため、密着防止突条部33から車外側シールリップ12が離間する際に発生するおそれがある剥離音をより確実に抑制することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、サッシュ部DSに取付けられるタイプのガラスラン1に対してビード部31を設けているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、図3に示すようなヒドゥンタイプのドアのインナーパネル52とモール部材53とで構成されるチャンネル部DCに取付けられるガラスラン51の車外側シールリップ55にビード部31を設けてもよいし、図4に示すようなプレスドアタイプのドアの断面略コ字状のチャンネル部DCに取付けられるガラスラン61の車外側シールリップ65にビード部31を設けてもよい。また、サブリップ21を省略したガラスランにビード部31を設けてもよい。
(b)上記実施形態では、ガラスラン1のうちドアガラスDGの縦辺部に対応する部位(押出成形部3,4)の車外側シールリップ12にビード部31が形成されているが、ガラスラン1のうちドアガラスDGの上辺部に対応する部位(押出成形部2)の車外側シールリップ12にビード部31を形成してもよい。
また、押出成形部3、4の両方にビード部31を設ける必要はなく、押出成形部3、4のうち少なくとも一方にビード部31を設ければよい。但し、図1に示すようなタイプのフロントドアに関しては、少なくとも後縦辺部を構成する押出成形部4にビード部31を設けることが望ましい。また、上記実施形態では、フロントドアの押出成形部4に関して特に詳しく説明しているが、リアドアの押出成形部(例えば前縦辺部)等においても、同様にビード部31を設けてもよい。さらに、上記実施形態では、車外側シールリップ12のガラス摺接面にビード部31が設けられているが、車内側シールリップ13のガラス摺接面に対してもビード部を設けてもよい。但し、通常は、フラッシュサーフィス化の要望から、ドアガラスDGの基準位置が車外側にオフセットされているので、車内側シールリップ13に関しては特にビード部を設けなくてもよい。
加えて、車外側側壁部15のうち車外側シールリップ12と接触し得る部位に対して密着防止突条部33が設けられているが、車外側シールリップ12のうち車外側側壁部15と接触し得る部位(裏面)に対して密着防止突条部33を設けてもよい。さらに、車内側側壁部16のうちサブリップ21と接触し得る部位や、サブリップ21のうち車内側シールリップ13と接触し得る部位又は車内側シールリップ13のうちサブリップ21に接触し得る部位に対して密着防止突条部を設けてもよい。
(c)また、複数本の密着防止突条部33の突出長を揃える必要はなく、長さに相違があってもよい。この場合、全ての密着防止突条部33の突出長が同じである場合に比べ、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との圧接に際し、車外側シールリップ12に接触する密着防止突条部33の数を減らすことができ、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との接触面積の総和をより確実に小さくすることができる。結果として、車外側シールリップ12と車外側側壁部15とが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)をより確実に抑制することができる。
また、複数本の密着防止突条部33のうち、車外側シールリップ12のその延出方向における略中心部位と接触し得る密着防止突条部33は、その他の密着防止突条部33よりも突出長が長いこととしてもよい。この場合、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との圧接に際し、複数本の密着防止突条部33のうち最も突出長の長い密着防止突条部33を、車外側シールリップ12に確実に接触させることができ、上記作用効果が確実に奏される。
(d)上記実施形態では、車外側シールリップ12等がTPOにより構成されているが、別の素材により構成してもよく、例えば、オレフィン系ゴム(例えばEPDM)、動的架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)等により構成してもよい。尚、車外側シールリップ12をEPDMにより構成する場合には、ビード部31についてもEPDMにより構成する。より詳しくは、ビード部31を車外側シールリップ12と同時に押出成形し、架橋後に、ビード部31が形成された車外側シールリップ12のガラス摺接面に対して摺動性を向上させるべく塗膜(例えばウレタン塗膜)を形成する。但し、車外側シールリップ12のガラス摺接面にウレタン塗料等を吹付けて塗膜を形成する場合には、ビード部31とビード部31との間に塗料が溜まりやすく、当該部位に形成される塗膜が厚くなってしまうおそれがある。これに起因して、ビード部31の突出長が確保できなくなってしまう等の不具合が発生するおそれがある。これに対し、上記実施形態の構成を採用することで、かかる不具合を回避することができ、車外側シールリップ12と車外側側壁部15との接触面積を減らすといった作用効果が確実に奏される。
(e)上記実施形態において、車外側側壁部15のうち、車外側シールリップ12との接触部位に凹部を形成し、該凹部に密着防止突条部33を設けてもよい。この場合、密着防止突条部33が車外側側壁部15から本体部11内側に突出することで、車外側側壁部15に対する車外側シールリップ12の底付きが早められてしまうといったおそれを回避することができる。
(f)上記実施形態では、複数のビード部31は、車外側シールリップ12の先端部側に設けられているものほどその突出長が長くなるよう構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、複数のビード部31のうち少なくとも一つのビード部31の突出長がその他のビード部31の突出長と異なっていればよい。
1…ガラスラン、2,3,4…押出成形部、5,6…型成形部、11…本体部、12…車外側シールリップ、13…車内側シールリップ、14…基底部、15…車外側側壁部、16…車内側側壁部、21…サブリップ、31…ビード部、33…密着防止突条部、DG…ドアガラス、DS…サッシュ部、W…ガラス開口部。
Claims (6)
- 基底部及び該基底部から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部よりなり断面略コ字状をなす本体部と、前記両側壁部の略先端から前記本体部内側に延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップとを有し、
前記本体部が、車両のガラス開口部に沿って設けられた取付部の内周に取着されてなるガラスランであって、
ドアガラスの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に対応する部位の少なくとも前記車外側シールリップには、ドアガラスが接触し得る部位において、前記本体部の長手方向に沿って突出形成された複数本の突条部を備え、
前記複数本の突条部のうち、少なくとも一つの突条部の突出長が、その他の突条部の突出長と異なることを特徴とするガラスラン。 - 複数設けられた前記突条部の突出長が全て異なることを特徴とする請求項1に記載のガラスラン。
- 前記複数の突条部のうち、前記車外側シールリップの先端部側に位置する前記突条部の突出長の方が、前記車外側シールリップの基端部側に位置する突条部の突出長よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスラン。
- 前記車外側側壁部のうち前記車外側シールリップと接触し得る部位、又は、前記車外側シールリップのうち前記車外側側壁部と接触し得る部位において前記本体部の長手方向に沿って延び、押出成形に際し前記車外側側壁部及び前記車外側シールリップと同時形成される複数本の密着防止突条部を備え、
前記複数本の密着防止突条部のうち少なくとも1つの密着防止突条部の突出長が、その他の密着防止突条部の突出長と異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラスラン。 - 前記突条部は前記車外側シールリップよりも硬質な素材により構成され、
前記車外側シールリップ及び前記突条部は、押出成形により同時成形されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガラスラン。 - 前記車外側シールリップはオレフィン系熱可塑性エラストマーにより構成されるとともに、直線状に延在し、
前記本体部の内側にドアガラスが位置する部位において、ドアガラスの外側面と前記車外側シールリップとが略平行となるよう構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガラスラン。
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