JP2008024176A - 車両用衝撃吸収構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃が入力されたときの車体の変形および振動を抑制すると共に、車体の車幅方向スペースを大きく確保する。
【解決手段】往復動によって衝撃を吸収する前後の各ダンパ20,21が、前後方向に伸ばした状態で水平に配置され、その前後方向一端部がジョイントを介して車体に取り付けられたサブフレーム10bに連結される。車輪支持部材13が、サスペンションアーム14、15等によって上下方向に揺動可能として車体に支持される。この車輪支持部材13の上下動が、連結ロッド51、揺動レバー50を介して、前記前後方向に伸ばした状態で水平に配置されたダンパ20、21の他端部に伝達される。ダンパ20、21は、車両衝突時の過大な衝撃により破断されて油路を開き衝撃吸収能力を増加させるヒューズバルブを持つ。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダンパによって車体に入力される衝撃を吸収するようにした車両用衝撃吸収構造に関するものである。
車両、特に自動車においては、車輪が取付けられる車輪支持部材が、サスペンションアームを介して車体に上下動可能に支持されている。そして、走行に伴って入力される上下方向の衝撃を吸収するために、ダンパが用いられている。このダンパは、サスペンションダンパと呼ばれて、特許文献1に示すように、ほぼ上下方向に伸ばした状態で、その下端部が車輪支持部材あるいはサスペンションアームに連結される一方、その上端部が車体に形成されたサスペンションタワー部に連結される。そして、ダンパは、その周囲を取り巻くように配設されたサスペンションスプリングによって伸び方向に付勢されている。
特開2004−340264号公報
ところで、車体は共振モードを有しているが、ダンパの取付部となるサスペンションタワー部は、共振される車体の腹部分(変形され易い部分)に位置されることになる。したがって、車輪支持部材を介して衝撃が入力されたときに、車体が曲げ変形やねじり変形され易いものとなり、このことは、操縦安定性を阻害したり振動発生の原因となる。また、サスペンションタワー部は、かなり大きな容積を占めると共に、少なからず車幅方向内方側に大きく張り出した構造とされるために、車室を狭めたり、エンジン等の各種装備品を配設するスペースを大きく犠牲にしている存在となっている。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ダンパの配設態様を工夫することにより、衝撃が入力されたときの車体の変形および振動を抑制すると共に、車体の車幅方向スペースを大きく確保できるようにした車両用衝撃吸収構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
往復動される衝撃吸収用のダンパによって車体に入力される衝撃を吸収するようにした車両用衝撃吸収構造において、
前記ダンパが、車体前後方向に伸ばした状態で、その前後方向一端部が車体に連結され、
サスペンションアームによって上下方向に揺動可能として車体に支持された車輪支持部材が、連結機構を介して前記ダンパの前後方向他端部に連結され、
前記連結機構は、前記車輪支持部材の上下動を前記ダンパの往復動として伝達するように設定されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、ダンパは前後方向でもって衝撃を吸収することになるが、車体は前後方向の強度(剛性)が大きいために、ダンパに衝撃が入力されたときに車体の大きな変形や振動発生がしにくいものとなり、乗り心地の改善や操縦安定性向上を図ることができる。また、従来必要であった大きな容積を占めるサスペンションタワー部が不用になるため、この分車幅方向のスペースを拡大することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記ダンパの前後方向一端部が、車体に取付けられるサブフレームに連結されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、ダンパの車体への取付けを、サブフレームの車体への取付けを利用して行うことができ、生産性向上を図る上で好ましいものとなる。また、強度的に優れたサブフレームを利用したダンパの取付けにより、NVHの改善の上でも好ましいものとなる。
前記ダンパが、所定以上の大きな衝撃が入力されたときに破断されて該大きな衝撃を吸収するためのヒューズバルブを備えている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、前後方向の衝突時におけるような大きな衝撃が入力されたときに、ダンパによって衝撃を吸収させることが可能となる。
前記ダンパが、シリンダと、該シリンダ内に摺動自在に嵌合されたピストンと、該ピストンに一体化されて該シリンダの外部に延在するピストンロッドとを有して、該ピストンロッドの該シリンダに対する往復動によって衝撃を吸収するように設定されており、
前記ヒューズバルブが、前記シリンダまたはピストンに設けられている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、ダンパとして、サスペンションダンパとして従来使用されてきた汎用品を利用しつつ、衝突時における大きな衝撃を吸収することができる。
前記連結機構が、一端部が前記車輪支持部材に連結され、他端部が前記ダンパに連結されたリンク機構によって構成されている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、車輪支持部材の上下動を、リンク機構によって、直接かつ確実にダンパを往復動させる動きとして伝達することができる。
前記連結機構が、一端部が前記サスペンションアームに連結され、他端部が前記ダンパに連結されたリンク機構によって構成されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、車輪支持部材の上下動を、サスペンションアームを介して、リンク機構という簡単な構成によって、ダンパを往復動させる動きとして伝達することができる。
前記サブフレームが、車幅方向に延びる前後一対の横フレーム部を有し、
前記ダンパの一端部が前記一対の横フレーム部の一方に連結され、
前記ダンパの他端部が、前記一対の横フレーム部の他方に臨んでいる、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、前後方向の衝突時に、ダンパを強度的に優れた横フレーム部に前後方向から当接させて、衝突時の大きな衝撃を効果的に吸収させることができる。
前記ダンパの前後方向一端部が、車体に取付けられるサブフレームに連結され、 前記サスペンションアームの車幅方向内端部が前記サブフレームに連結され、
前記ダンパを伸び方向に付勢するサスペンションスプリングが、該ダンパを取り巻くように配設され、
前記連結機構が、前記サブフレームに揺動可能に取付けられると共にその一端部が前記ダンパの他端部に連結された揺動レバーと、該揺動レバーの他端部を前記車輪支持部材またはサスペンションアームに連結する連結ロッドと、を備えている、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、サスペンションアーム、ダンパとサスペンションスプリングとのセット体、さらには連結機構があらかじめ組み込まれたサブフレームを車体に組み付けることが可能となり、生産性向上の上で極めて好ましいものとなる。
前記揺動レバーは、その揺動中心から前記ダンパの他端部との連結部までの長さが、その揺動中心から前記連結ロッドとの連結部までの長さよりも長くなるように設定されている、ようにしてある(請求項9対応)。この場合、ダンパの往復ストロークを極力大きくして、衝撃を効果的に吸収する上で好ましいものとなる。
本発明によれば、衝撃が入力されたときの車体の変形および振動を抑制できると共に、車体の車幅方向スペースを大きく確保できる。
図1において、自動車1の車体は、いわゆるモノコック構造とされて、車室2の左右底部において前後方向に伸びる強度部材としてのサイドシル3と、各サイドシル3の前端部から前方へ伸びる左右一対のフロントフレーム4と、各サイドシル3の後端部から後方へ伸びる左右一対のリアフレーム5とを有する。
フロントフレーム4に対しては前サブフレーム10が取付けられ、リアフレーム5に対しては後サブフレーム11が取付けられている。各サブフレーム10、11はそれぞれ、既知のように、ゴムブッシュ等を介してフレーム4あるいは5に固定されている。
前サブフレーム10には、左右一対の前ダンパ20が取付けられ、後サブフレーム11には、左右一対の後ダンパ21が取付けられている。各ダンパ20,21は同様に構成されているので、前ダンパ20に着目して、その一例について図4を参照しつつ説明する。図4において、30はシリンダで、シリンダ30内にはピストン31が摺動自在に嵌合されている。ピストン31に一体化されたピストンロッド32が、シリンダ30の一端部を液密に貫通してシリンダ30の外部に延在されている。また、シリンダ30内には、ピストンロッド32とは反対側において、フリーピストン33が摺動自在に嵌合されている。
シリンダ30内は、フリーピストン33とシリンダ30の底部との間に、所定圧力のガスが充填されたガス室34とされ、シリンダ30内のうちガス室34以外の部分は、オイルが充満されたオイル室35とされている。そして、ピストン31には、ピストン31のシリンダ30に対する摺動に応じてオイルが行き来して衝撃吸収を行うためのオリフィス36が形成されている。このオリフィス36は、後述するように、走行中に生じる車輪の上下動に伴う衝撃を吸収するのに適したものに設定されている。また、シリンダ30の側壁には、ヒューズバルブ37が設けられている。このヒューズバルブ37は、前後方向の衝突時などの極めて大きな衝撃が入力されたときに破断されて、オイル室35内のオイルを外部へ逃がすことにより、衝撃吸収作用を行うようになっている。
シリンダ30の外壁には、スプリング受け39が固定される一方、ピストンロッド32の先端部付近にはスプリング受け40が固定されている。そして、両スプリング受け39と40との間に、前ダンパ20を取り巻くように配設されたコイルスプリングからなるサスペンションスプリング41が張設されている。このサスペンションスプリング41によって、前ダンパ20は、常時伸び方向に付勢されている。
図5は、図4の変形例を示すものであり、ヒューズバルブ37を、ピストン31に設けたものである。すなわち、前後方向の衝突時のような極めて大きな衝撃が入力されたときに、ヒューズバルブ37が破断されて、ピストン31によって画成された2つのオイル室35同士が大きな有効開口面積でもって連通されて、大きな衝撃が吸収されることになる。なお、図4,図4の場合共に、オリフィス36としては、ダンパ20(21)の伸び方向用と縮み方向用とで同じような衝撃吸収を行うように設定されいるが、例えば伸び方向専用のオリフィスと縮方向専用のオリフィスを設けたものであってもよい。また、図4、図5の例では、いわゆる単筒式とした場合が示されるが、複筒式等、従来サスペンションダンパとして使用されてきた各種形式のダンパを用いることができる(ただし、前後方向の衝突時のような大きな衝撃吸収を行うためには、汎用品のサスペンションダンパに対してヒューズバルブ37を別途設ければよい)。
次に、図2,図6,図7を参照しつつ、前サブフレーム10に着目して、前ダンパ20の配設態様や、前輪6と前ダンパ20との連結態様等について説明する。なお、図1では簡略化のためにサブフレーム10,11を省略してある。また、後サブフレーム11についても実質的に同様に構成されているものである。
まず、前サブフレーム10は、車幅方向に伸びる前フレーム部10a、後フレーム部10bと、前後のフレーム部10aと10bとの車幅方向端部同士を連結する前後方向に伸びる左右一対の横フレーム部10c、10dとを有して、平面視において、周囲が閉じられた枠形状を構成している。このような前サブフレーム10は、金属製とされて、剛性が十分に大きいものとされている。
図2は、前サブフレーム10に対して組付られた左右一対の前ダンパ20と、左右の前輪6との連結態様の全体を示すものである。この図2において、前輪6が取付けられる車輪支持部材13が、車幅方向に伸びる前後一対のロアアーム14、15によって、上下方向に揺動可能として前サブフレーム10に取付けられている。また、車輪支持部材13は、車幅方向に伸びる1本のアッパアーム16によって車体1に連結され、さらに前後方向に伸びるリンク17によって車体1に連結されている。なお、各アーム14〜16およびリンク17は、既知のように、車輪支持部材13や前サブフレーム10さらには車体1に対して、弾性ブッシュあるいはボールジョイントを介して連結されている。
左右一対の前ダンパ20は、ピストンロッド32が前向きの状態となるようにして、前後方向に伸ばして配設されている。前ダンパ20は、そのシリンダ30の端部において、ボールジョイント22を介して、後フレーム部10bに対して、通常のサスペンションストローク時に前ダンパ20に過大な(無理な)曲げ入力が作用されないようにして連結されている。前ダンパ20は、そのピストンロッド32が前向きの状態とされるが、ピストンロッド32の先端面は、前フレーム部10aに対して臨まされている。すなわち、前後方向の衝突時に前後のフレーム部10aと10bとが接近されるような変形作用を受けたときに、前ダンパ20が圧縮作用を受けるような配設態様とされている。
右側に位置される前ダンパ20が右前輪6用とされ、左側に位置される前ダンパ20が左前輪6用とされる。そして、車輪支持部材13と前ダンパ20のピストンロッド32とが、リンク機構からなる連結機構Rを介して連結されている。連結機構Rによって、前輪6つまり車輪支持部材13が上下動されたとき、前ダンパ20が往復動されて、衝撃吸収を行うようになっている。
上記連結機構Rの一例について、図6,図7をも参照しつつ説明する。なお、図6、図7では、サスペンションスプリング41を省略してある。また、左右対称構造とされているので、右前輪6に着目して連結機構Rについて説明することとする。
まず、連結機構Rは、揺動レバー50と、連結ロッド51とを有する。揺動レバー50は、前サブフレーム10における横フレーム部10cに対して、ジョイント52を介して水平方向に揺動自在に取付けられている。揺動レバー50の一端部50aは、ボールジョイント53を介して、ピストンロッド32の先端部付近に連結されている。
連結ロッド51は、車輪支持部材13と揺動レバー50とを連結するもので、車幅方向に伸びているが、車幅方向外方側に向かうにつれて徐々に下方に位置するように傾斜されている。この連結ロッド51の車幅方向外端部が、ロアアーム14に対して、ボールジョイント54を介して連結されている。また、連結ロッド51の車幅方向内端部が、揺動レバー50の他端部50bに対して、ボールジョイント55を介して連結されている。揺動レバー50のレバー比、つまり、その揺動中心となるジョイント52とピストンロッド32への連結部位となるボールジョイント53との間の距離が、ジョイント52と連結ロッド51への連結部位となるボールジョイント55との間の距離よりも大きくなるように設定されている。すなわち、連結ロッド51による小さな変位が、拡大されてピストンロッド32へ伝達されるように設定されている。
図8,図9は、図6,C図7の変形例を示すものであり、連結ロッド51の車幅方向外端部を、ロアアーム14に代えて車輪支持部材134に連結したものである。本変形例の場合においても、前輪6の上下動が、連結ロッド51,揺動レバー50を介して、ピストンロッド32を往復動させる動きとして伝達される。
以上は、前輪6に関連した構造に着目した場合であるが、後輪7についても同様に構成されている。すなわち、図3に示すように、左右一対の後ダンパ21は、それぞれ前後方向に伸ばした状態で、後サブフレーム11に対して連結されている。ただし、前ダンパ20の場合とは逆に、ピストンロッド32が後ろ向きとなる状態でもって配設されている。後サブフレーム11は、車幅方向に伸びる左右一対の前フレーム部11a、11bと、前後のフレーム部11aと11bの車幅方向端部同士を連結する前後方向に伸びる左右一対の横フレーム部11c、11dとを有して、平面視において、周囲が閉じられた枠形状を構成している。このような後サブフレーム11は、金属製とされて、剛性が十分に大きいものとされている。
左右一対の後ダンパ21は、そのシリンダ30の端部において、ボールジョイント22R(前ダンパ20におけるボールジョイント22に相当)を介して、前フレーム部11aに対して、通常のサスペンションストローク時に後ダンパ21に過大な(無理な)曲げ入力が作用されないようにして連結されている。後ダンパ21は、そのピストンロッド32が前向きの状態とされるが、ピストンロッド32の先端面は、後フレーム部11bに対して臨まされている。すなわち、前後方向の衝突時に前後のフレーム部11aと11bとが接近されるような変形作用を受けたときに、後ダンパ21が圧縮作用を受けるような配設態様とされている。
なお、図示を略すが、後輪7(の車輪支持部材)も前輪6の場合と同様にロアアーム等のサスペンションアームによって後サブフレーム11に上下動可能に支持されると共に、前輪6の場合と同様に構成された連結機構Rによって、後輪7用の車輪支持部材あるいはロアアームが、後ダンパ21におけるピストンロッド32の先端部付近に連結されている。
前サブフレーム10は、車輪支持部材13,各サスペンションアーム14〜17,前ダンパ20,サスペンションスプリング41,連結機構Rがあらかじめ組み込まれた状態で、車体1に対して下方から組み付けられる。同様に、後サブフレーム11は、車輪支持部材,各サスペンションアーム,後ダンパ21,サスペンションスプリング41,連結機構があらかじめ組み込まれた状態で、車体1に対して下方から組み付けられる。このように、複数の部材をあらかじめサブフレーム10、11に組み付けておき、その後サブフレーム10、11を車体に組み付けることにより、生産性が大幅に向上されることになる。とりわけ、サブフレーム10あるいは11へは連結されないピストンロッド32が、連結機構R(の揺動レバー50)を介してサブフレーム10あるいは11に位置決めされた状態で保持されるので、ダンパ20、21の車体1への組付性向上の上で極めて好ましいものとなる。
次に、以上のような構成の作用について説明する。まず、前後のダンパ20、21は、サスペンションスプリング41によってピストンロッド32が伸び方向に付勢されていることによって、前輪6および後輪7は路面に押しつけられた状態となり、所定の車高が確保される。車両の走行中に生じる前輪6、後輪7の上下動(つまり車輪支持部材13の上下動)が、連結ロッド51を介して揺動レバー50の揺動運動に変換されて、ピストンロッド32が前後方向に往復動される。これにより、走行中に前輪6から入力される衝撃が前ダンパ20によって吸収されると共に、走行中に生じる後輪7から入力される衝撃が後ダンパ21によって吸収されることになる。揺動レバー50の前述したレバー比の設定によって、連結ロッド51の変位が拡大されてピストンロッド32を往復動させることとなり、前後の各ダンパ20、21共に極力大きなストロークが確保されて、衝撃が効果的に吸収されることになる。
前後方向の衝突時のように、前後方向の極めて大きな荷重が車体に作用して、前後のフレーム部10aと10bあるいは11aと11bとが接近するような変形作用を受けると、ダンパ20あるいは21は極めて大きな荷重でもって圧縮されることになる。このような極めて大きな荷重を受けたときは、ヒューズバルブ37が破断されて、ダンパ20,21による衝撃吸収が行われることになる。なお、衝突態様によっては、前ダンパ20のみが衝撃吸収を行う場合もあり、逆に後ダンパ21のみが衝撃吸収を行う場合もある。
本発明では、車体1に対して、車幅方向内方側に張り出す大容積のサスペンションタワー部が不用となる。図12は、前輪用のサスペンションタワー部STが存在する従来の車体構造例を示すものである。図10は、図12に対応した部分において、サスペンションタワー部STが存在しない状態の一例が示され、図11はサスペンションタワー部STが存在しない状態の別の例が示される。図10の例は、エンジンルームの車幅方向寸法を大きく拡大したものである(ただし、エンジンルームの側壁部60の高さは、サスペンションタワー部STを有する従来構造のものを略同じに設定してある)。また、図11の例では、図10におけるエンジンルームの車幅方向寸法拡大に加えて、エンジンルームの側壁部60の高さを従来構造のものよりも低くしたものである(ボンネット高さを低くできる)。一方、車体後部においては、後輪7用のサスペンションタワー部が不用になることから、例えば、車室の車幅方向寸法拡大や、荷室の車幅方向寸法拡大が可能となる。
ここで、前後方向衝突時において、ダンパ20、21によって前後方向の衝撃をより効果的かつ確実に吸収できるようにするため、ダンパ20、21を、通常のサスペンションストロークによって生じる傾斜角度範囲を超えて大きく傾斜されないように設定しておくのが好ましい。例えば、図6において、サブフレーム10(11についても同じ)に対して、ダンパ20(21についても同じ)を取り巻くように、例えば筒状の剛性に優れた傾斜規制部材(ストッパ)45を固定しておくようにしてもよい(傾斜規制部材45は、図7では図示を略す)。図6に示す傾斜規制部材45は、シリンダ20の軸線方向に伸びるその内孔45aが、ピストンロッド32先端部に向かうにつれて徐々に拡大するように設定されて、ダンパ20が所定角度まで傾斜されたときにダンパ20が内孔45a(の内面)に当接されて、ダンパ20がそれ以上大きく傾斜されるのが規制される。なお、ダンパ20が上下方向軸線回りにのみ揺動されるように設定された場合は、傾斜規制部材45を、筒状に構成することなく、ダンパ20を左右方向から挟むような構成として、ダンパ20が所定角度を超えて大きく左方方向に傾斜しないようにすることもできる。また、傾斜規制部材45は、シリンダ30側ではなくて、ピストンロッド32の先端部側に設けるようにすることもできるが、ダンパ20の揺動変位量が相対的に小さくなるシリンダ30側(サブフレーム10への取付端部側)に設けておくのが好ましい。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。前後方向の衝突対応を行わない場合であってもよく、この場合はヒューズバルブ37が不用となる。各ボールジョイント部分は、弾性ブッシュ等に適宜置き換えることもできる。前輪6についてのみあるいは後輪7についてのみ本発明を適用するようにしてもよい。ダンパ20、21は、サブフレーム10、11を介することなく、直接的に車体1に連結するようにしてもよい。連結機構Rとしては、車輪支持部材13の上下動を前後動に変換できるものであれば、適宜の構造のものを採択することができる。ダンパ20,21は、そのピストンロッド32女を前向きにするか後向きにするかは適宜選択できる(実施形態とは逆向きとすることができる)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明が適用された車両の簡略側面図。 前サブフレームに対して、ダンパやサスペンションアーム等が組み付けられた状態を示す斜視図。 ダンパが組み込まれた後サブフレームを車体に組み付ける様子を示す斜視図。 ヒューズバルブを有するダンパの一例を示す断面図。 ヒューズバルブを有するダンパの別の例を示す断面図。 前輪用の車輪支持部材と前ダンパとを連結する連結機構の一例を示す平面図。 図7の正面図。 前輪用の車輪支持部材と前ダンパとを連結する連結機構の別の例を示す平面図。 図8の正面図。 サスペンションタワー部が省略された状態の車体前部の一例をエンジンルーム内から見たときの斜視図。 サスペンションタワー部が省略された状態の車体前部の別の例をエンジンルーム内から見たときの斜視図。 サスペンションタワー部を有する従来の車体前部の状態をエンジンルーム内から見たときの斜視図。
符号の説明
1:車体
3:サイドシル
4:フロントフレーム
5:リアフレーム
6:前輪
7:後輪
10:前サブフレーム
10a:前フレームぶ
10b:後フレーム部
10c:横フレーム部
10d:横フレーム部
11:後サブフレーム
11a:前フレームぶ
11b:後フレーム部
11c:横フレーム部
11d:横フレーム部
13:車輪支持部材
14,15:ロアアーム
16:アッパアーム
20:前ダンパ
21:後ダンパ
22:ボールジョイント(前ダンパの前サブフレームへの連結部)
22R:ボールジョイント(後ダンパの後サブフレームへの連結部)
30;シリンダ
31:ピストン
32:ピストンロッド
35:オイル室
36:オリフィス(減衰力発生用)
37:ヒューズバルブ
41:サスペンションスプリング
50:揺動レバー
51:連結ロッド
52:ジョイント(揺動レバーの揺動中心)
53:ボールジョイント(揺動レバーとピストンロッドとの連結部)
54:ボールジョイント(連結ロッドと車輪支持部材との連結部)
55:ボールジョイント(連結ロッドと揺動レバーとの連結部)
R;連結機構

Claims (9)

  1. 往復動される衝撃吸収用のダンパによって車体に入力される衝撃を吸収するようにした車両用衝撃吸収構造において、
    前記ダンパが、車体前後方向に伸ばした状態で、その前後方向一端部が車体に連結され、
    サスペンションアームによって上下方向に揺動可能として車体に支持された車輪支持部材が、連結機構を介して前記ダンパの前後方向他端部に連結され、
    前記連結機構は、前記車輪支持部材の上下動を前記ダンパの往復動として伝達するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  2. 請求項1において、
    前記ダンパの前後方向一端部が、車体に取付けられるサブフレームに連結されている、ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ダンパが、所定以上の大きな衝撃が入力されたときに破断されて該大きな衝撃を吸収するためのヒューズバルブを備えている、ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  4. 請求項3において、
    前記ダンパが、シリンダと、該シリンダ内に摺動自在に嵌合されたピストンと、該ピストンに一体化されて該シリンダの外部に延在するピストンロッドとを有して、該ピストンロッドの該シリンダに対する往復動によって衝撃を吸収するように設定されており、
    前記ヒューズバルブが、前記シリンダまたはピストンに設けられている、
    ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記連結機構が、一端部が前記車輪支持部材に連結され、他端部が前記ダンパに連結されたリンク機構によって構成されている、ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記連結機構が、一端部が前記サスペンションアームに連結され、他端部が前記ダンパに連結されたリンク機構によって構成されている、ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  7. 請求項2において、
    前記サブフレームが、車幅方向に延びる前後一対の横フレーム部を有し、
    前記ダンパの一端部が前記一対の横フレーム部の一方に連結され、
    前記ダンパの他端部が、前記一対の横フレーム部の他方に臨んでいる、
    ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  8. 請求項1において、
    前記ダンパの前後方向一端部が、車体に取付けられるサブフレームに連結され、 前記サスペンションアームの車幅方向内端部が前記サブフレームに連結され、
    前記ダンパを伸び方向に付勢するサスペンションスプリングが、該ダンパを取り巻くように配設され、
    前記連結機構が、前記サブフレームに揺動可能に取付けられると共にその一端部が前記ダンパの他端部に連結された揺動レバーと、該揺動レバーの他端部を前記車輪支持部材またはサスペンションアームに連結する連結ロッドと、を備えている、
    ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
  9. 請求項8において、
    前記揺動レバーは、その揺動中心から前記ダンパの他端部との連結部までの長さが、その揺動中心から前記連結ロッドとの連結部までの長さよりも長くなるように設定されている、ことを特徴とする車両用衝撃吸収構造。
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