JP2008030102A - ろう付け用複合材のろう付け接合方法及びろう付け製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】ろう付け用複合材のろう付け熱処理時において、熱処理雰囲気ガス成分によるろう材部の表面変色及びろうの湯流れ性低下を抑制したろう付け接合方法及びろう付け製品を提供するものである。
【解決手段】本発明に係るろう付け用複合材のろう付け接合方法は、複数の金属層からなるろう材部を有するろう付け用複合材をろう付け接合するものであり、閉空間のろう付け熱処理炉内に、ろう付け用複合材30のろう材部より融点が低く、かつ熱処理炉内の雰囲気ガス中の酸素、窒素などのガス成分と反応性が高いガス吸着層15を有するガス吸着用複合材10を配置し、その後、ガス吸着層15を溶融させてガス吸着層15にガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け熱処理を行い、ろう材部を溶融させてろう付けを行うものである。
【選択図】図4
【解決手段】本発明に係るろう付け用複合材のろう付け接合方法は、複数の金属層からなるろう材部を有するろう付け用複合材をろう付け接合するものであり、閉空間のろう付け熱処理炉内に、ろう付け用複合材30のろう材部より融点が低く、かつ熱処理炉内の雰囲気ガス中の酸素、窒素などのガス成分と反応性が高いガス吸着層15を有するガス吸着用複合材10を配置し、その後、ガス吸着層15を溶融させてガス吸着層15にガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け熱処理を行い、ろう材部を溶融させてろう付けを行うものである。
【選択図】図4
Description
本発明は、ろう付け用複合材のろう付け接合方法及びろう付け製品に係り、特に、熱交換器及び燃料電池用部材のろう付けに用いられるろう付け用複合材のろう付け接合方法及びろう付け製品に関するものである。
自動車用オイルクーラの接合材としてステンレス基クラッド材が使用されている。これは、基材であるステンレス鋼板の片面又は両面に、ろう材としての機能を有するCu材がクラッドされている。
また、ステンレス鋼や、Ni基又はCo基合金などからなる部材のろう付け材として、ろう付け接合部の耐食性に優れる各種Niろう材が、JIS規格により規定されている。
さらに、熱交換器の接合に用いられるNiろう材として、粉末状のNiろう材に、Ni、Cr、Ni−Cr合金、又はステンレス鋼の中から選択される金属粉末を4〜22wt%添加してなる粉末Niろう材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材であるステンレス鋼の表面にNi及びTiからなるろう付け層を有する、即ちNi/Ti/ステンレス鋼というろう付け層構造を有する自己ろう付け性複合材がある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2記載の自己ろう付け性複合材は、ろう付け層にTi層を含んでいる。
Tiは他の金属元素と比べて、酸素、窒素などのガス成分との反応性が高い。そのため、ろう付け熱処理を行う際には、熱処理雰囲気に含まれる上記ガス成分を可能な限り少なくするために、5.0×10-2Pa以上の(5.0×10-2Paより高い)真空度が必要となる。それ以下の真空度でろう付け熱処理を行った場合、ろう付け層が溶融する時にそれらのガス成分と反応して化合物を形成する。その結果、ろう材の表面が変色すると共に、化合物によってろう材の湯流れ性が阻害され、ろう付け生産性が低下する問題がある。
これらの問題を解決するために、前記雰囲気成分との反応性が高いTi又はTi合金などの金属単体を同一熱処理炉内に配置し、これを雰囲気ガス成分と反応させる方法がある。
しかしながら、この方法をとる場合、前記ろう付け用複合材のろう付け層の方が、より雰囲気ガス成分と反応しやすい為に、前記問題の解決とはならない。これは、溶融して液相状態にあるTi成分(ろう付け層)の方が、固相状態のTi成分(Ti又はTi合金などの金属単体)よりも雰囲気ガス成分と反応しやすいからである。
本発明の目的は、前記従来技術における問題を解決すべく、ろう付け用複合材のろう付け熱処理時において、熱処理雰囲気ガス成分によるろう材部の表面変色及びろうの湯流れ性低下を抑制したろう付け接合方法及びろう付け製品を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の金属層からなるろう材部を有するろう付け用複合材をろう付け接合する方法において、閉空間のろう付け熱処理炉内に、前記ろう付け用複合材のろう材部より融点が低く、かつ熱処理炉内の雰囲気ガス中の酸素、窒素などのガス成分と反応性が高いガス吸着層を有するガス吸着用複合材を配置し、その後、前記ガス吸着層を溶融させてガス吸着層に前記ガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け熱処理を行い、前記ろう材部を溶融させてろう付けを行うものである。
請求項2の発明は、前記ガス吸着層のみが溶融し、前記ろう材部は溶融しない温度で所定時間保持し、ガス吸着層を溶融させてガス吸着層に前記ガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け温度まで昇温してろう付け熱処理を行い、ろう材部を溶融させてろう付けを行うことが好ましい。
請求項3の発明は、前記ガス吸着用複合材が、基材表面にTi又はTi合金層とNi又はNi合金層とからなるガス吸着層を重ねた複層構造とされる。
請求項4の発明は、前記ガス吸着用複合材のTi層とNi層の層厚和に対するTi層の層厚比は、70%以上82%以下が好ましい。
請求項5の発明は、前記ろう付け用複合材が、基材表面にTi又はTi合金層とNi又はNi合金層とからなる前記ろう材部を重ねた複層構造とされる。
請求項6の発明は、前記ろう付け用複合材のTi層とNi層の層厚和に対するTi層の層厚比は、56%以下が好ましい。
請求項7の発明は、前記ガス吸着用複合材のガス吸着層を構成するTi層及びNi層の内、少なくとも一方の層がPを含んでいてもよい。
請求項8の発明は、前記ガス吸着用複合材のガス吸着層中に含まれるP濃度は、0.02〜10wt%が好ましい。
請求項9の発明は、前記ガス吸着用複合材のガス吸着層を構成するTi層及びNi層の内、少なくとも一方の層がCu、Mn、Al、又はCrの内の少なくとも1種を含んでいてもよい。
請求項10の発明は、前記ガス吸着用複合材のガス吸着層中に含まれるCu濃度は、0.2〜30wt%が好ましい。
請求項11の発明は、請求項1〜10いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法を用い、ろう付け用複合材と被ろう付け部材とをろう付け接合してなるものである。
本発明によれば、複数の金属層からなるろう材部を有するろう付け用複合材をろう付け接合する際に、基材にTi又はTi合金層とNi又はNi合金層とを貼合せ接合したガス吸着用複合材を、同一熱処理炉内に配置することによって、炉内に残留する酸素、窒素などのガス成分によるろう材部、ろう付け製品の変色を抑制し、ろう流れ性を向上させる効果が得られる。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基いて説明する。
本実施の形態に係るろう付け用複合材の接合方法は、ろう付け用複合材のろう材部の融点より低い温度で溶融するクラッド層(ガス吸着層)を持つガス吸着用複合材を、ろう付け用複合材と同一熱処理炉内に配置して、ろう付け熱処理を行う方法である。
本発明の好適一実施の形態に係るろう付け接合方法に用いるガス吸着用複合材の断面図を図1に示す。
図1に示すように、ガス吸着用複合材10は、合金などの板材からなる基材11の片面(図1中では上面)に、ガス吸着層(基材11側から順に、Ti又はTi合金層(以下、Ti層という)12、Ni又はNi合金層(以下、Ni層という)13)15を貼り合わせ接合してなるクラッド材である。ここで、ガス吸着層(溶融層)15は、基材11の片面のみではなく、両面(図1中では上・下面)に設けてもよい。
ガス吸着用複合材10にクラッドされるガス吸着層(Ni/Ti層)15におけるTi成分の重量比率は55〜70mass%、望ましくは58〜67mass%、さらに望ましくは60〜65mass%とされる。これは、ろう付け用複合材のろう材部の拡散による反応敏感な成分の表層への露出を防ぐため、ろう付け温度よりできるだけ低い温度下で熱処理を行う必要があるからであり、最も望ましいTi成分の重量比率は、Ni/Ti合金の中で最も低い温度(共晶点:942℃)をとる63mass%である。
また、ガス吸着用複合材10のガス吸着層15を構成するTi層12及びNi層13の内、少なくとも一方の層がPを含んでいてもよい。望ましいガス吸着層15中に含まれるP濃度は、0.02〜10wt%である。
さらに、ガス吸着用複合材10のガス吸着層15を構成するTi層12及びNi層13の内、少なくとも一方の層がCu、Mn、Al、又はCrの内の少なくとも1種を含んでいてもよい。例えば、ガス吸着層15中にCuが含まれる場合、望ましいCu濃度は0.2〜30wt%である。
基材11を構成する合金としては、ステンレス鋼が挙げられ、例えば、SUS304(JIS規格)等が挙げられる。また、複合材10の構成として、ガス吸着層15をステンレス鋼以外の金属からなる基材11に接合してもよい。ただし、ガス吸着層15を接合する金属(基材11)は、TiとNi合金との反応の際に、融点を上昇させないものが望ましい。
基材11の厚さは、ガス吸着層15の厚さと比べて十分に厚く、例えば、2倍以上に形成される。
基材11の表面にガス吸着層15をクラッドしてなる複合材10の形成方法は特に限定するものではなく、クラッド材形成のための慣用の方法が全て適用可能であり、例えば、板材を積層した後、圧延により一体化する方法が挙げられる。
図1に示した複合材10は、ガス吸着層15が2層構造のものであったが、これに限定するものではなく、図2に変形例を示すように、基材11の表面に3層構造以上(例えば、基材11側から順に、Ni層13、Ti層12、及びNi層13の3層構造)のガス吸着層15を設けた複合材20であっても良い。
また、ガス吸着層15については、板材同士の貼合せ材に限らなくても良い。例えば、Ni粉末およびTi粉末の混合粉又はそれらをバインダなどの溶剤で溶かし、固めたものでもよい。しかし、粉末あるいは粉末をバインダで固めた状態での使用は、取扱いが困難であるため、より簡便に取り扱うことの出来る板材貼り合せ接合材をガス吸着層15として使用することが望ましい。
また、複合材10の構成として、基材11を用いず、Ti層12とNi層13のみを貼り合せ接合したもの(ガス吸着層15のみ)を複合材として使用しても、同様の効果は期待できるが、この場合、溶融した成分(ガス吸着層15)が炉内に凝固し、炉床および炉壁に付着する場合があり、取扱い性に劣る問題がある。
次に、本実施の形態に係るろう付け接合方法を説明する。
図3に示すように、ろう付け用複合材30と被ろう付け材(パイプ材)14を組み合わせる。ろう付け用複合材30は、基材の片面に、ろう材部(基材側から順に、Ti層、Ni層)を設けてなるクラッド材である。ろう付け用複合材30にクラッドされるろう材部(Ti層及びNi層)におけるTi層の板厚比は56%以下とされる。
その後、図4に示すように、ろう付け品(ろう付け用複合材30とパイプ材14)の周りにガス吸着用複合材10が配置される。この時、ガス吸着用複合材10は、出来るだけろう付け品30,14の近くに、かつ、取り囲むように配置することが望ましい。これは、ガス吸着用複合材10をろう付け用複合材30近傍に残留するガス成分と優先的に反応させるためである。
ガス吸着用複合材10の反応面積(図4中では4枚のガス吸着用複合材10におけるガス吸着層15の総面積)は、ろう付け製品の最大幅と最大長さと最大高さを基準とした直方体の表面積以上であることが望ましい。これは、ろう付け品30,14を囲むようにガス吸着用複合材10を配置することが出来る最低限の面積であるからである。ろう付け用複合材30をガス吸着用複合材10で囲むように配置することにより、ろう付け用複合材30近傍のガス成分とガス吸着用複合材10を効率よく反応させることができる。ただし、この条件は、炉内の体積およびガス成分の残留濃度に応じて適宜変更されるため、十分条件とはならない。
図4に示すように配設されたガス吸着用複合材10及びろう付け品30,14を熱処理炉内に配置する。熱処理炉内は、ガスの出入りがない閉空間であり、5.0×10-2Paより低い真空度で真空引きされている。この時、実際のろう付け熱処理を行うためのろう付け温度に昇温する前に、それより低温、ガス吸着用複合材10の融点の20℃〜50℃、望ましくは25℃〜40℃高い温度(予熱処理温度)で、一定時間保持することを推奨する。保持時間は10min〜20min、望ましくは15min〜20minを推奨する。この保持時間の間に、ガス吸着用複合材10におけるガス吸着層15のみが溶融する。この予熱処理終了後、更に加熱してろう付け温度まで昇温してろう材部を溶融させ、そのろう付け温度で一定時間保持、冷却することで、ろう付け熱処理が終了し、ろう付け製品が得られる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
ガス吸着用複合材10のガス吸着層15に、Ti層12とNi層13の組合せを用いた理由は、第一にTi又はTi合金が他の元素と比べて、酸素および窒素と反応しやすいことが挙げられる。このTi又はTi合金にNi又はNi合金を組み合わせた理由は、TiとNiとを接合することで、加熱時にTi原子とNi原子が相互拡散し、それによって形成される合金部分が、Ni、Ti各々の融点より低下することにより、ろう付け用複合材30のろう材部よりも低い融点にて溶融するからである。ガス吸着用複合材10のガス吸着層15を、ろう付け用複合材30におけるろう材部の融点より低い温度で溶融させる理由は、Ti成分は、溶融状態の方が固相状態よりもガス成分(酸素、窒素、炭素など)との反応性が高まるからである。
このガス吸着用複合材10のガス吸着層15は、ろう付け用複合材30のろう材部分と比べてより低温で溶融するため、前述した予熱処理温度で保持することで、ガス吸着層15と炉内に残留しているガス成分の反応の方が先に進む。これによって、ほとんどのガス成分が、溶融したガス吸着層15に吸着されて除去される。
その後、ろう付け用複合材30のろう付け温度まで加熱、昇温してろう材部を溶融させ、ろう付け熱処理を行うが、この時には、炉内に不純なガス成分(Tiとの反応性が高いガス成分)はほとんど残留していない。よって、溶融したろう材部にガス成分が吸着されることはなく、良好なろう付けが可能となる。また、ガス吸着用複合材10において、基材11はガス吸着層15と比べて十分に厚く形成されているため、溶融したガス吸着層15は基材11に付着したままで保持され、冷却、凝固したガス吸着層15が炉床および炉壁に付着することはない。
このように、ガス吸着用複合材10を、ろう付け用複合材30と同一熱処理炉内に配置することで、5.0×10-2Paより低い真空度でろう付け接合熱処理を行っても、ろう付け用複合材30のろう材部に先んじて、複合材10の表層部(ガス吸着層15)が炉内に残留する酸素、窒素などのガス成分と反応することにより、ろう材部の表面変色が抑制され、また、ろうの湯流れが損なわれることもない。その結果、ろう付け熱処理時に、5.0×10-2Paより高い真空度に保たなくても、ろう付け接合部の耐熱性及び耐食性が良好なろう付け製品を得ることができる。
本発明の好適一実施の形態に係る複合材のろう付け接合熱処理方法は、例えば、EGR用クーラなどの高温で、腐食性の高いガス又は液体に晒される熱交換器のみに、その用途を限定するものではなく、その他にも、例えば、燃料電池の改質器用クーラや、燃料電池部材などの各種用途にも適用可能である。
(実施例1)
SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.77mmのTi条材、厚さ0.23mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が63mass%(板厚比率が77%)である複合材を作製した。
SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.77mmのTi条材、厚さ0.23mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が63mass%(板厚比率が77%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(実施例2)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.8mmのTi条材、厚さ0.2mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が67mass%(板厚比率が80%)である複合材を作製した。
(実施例2)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.8mmのTi条材、厚さ0.2mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が67mass%(板厚比率が80%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(比較例1)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.83mmのTi条材、厚さ0.17mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が72mass%(板厚比率が83%)である複合材を作製した。
(比較例1)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.83mmのTi条材、厚さ0.17mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が72mass%(板厚比率が83%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(比較例2)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.89mmのTi条材、厚さ0.11mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が80mass%(板厚比率が89%)である複合材を作製した。
(比較例2)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.89mmのTi条材、厚さ0.11mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が80mass%(板厚比率が89%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(比較例3)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.66mmのTi条材、厚さ0.34mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が50%(板厚比率が66%)である複合材を作製した。
(比較例3)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.66mmのTi条材、厚さ0.34mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が50%(板厚比率が66%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(比較例4)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.59mmのTi条材、厚さ0.41mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が42mass%(板厚比率が59%)である複合材を作製した。
(比較例4)
実施例1と同じステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.59mmのTi条材、厚さ0.41mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が42mass%(板厚比率が59%)である複合材を作製した。
その後、この複合材に対して圧延を繰り返し行い、1.0mmの複合材を作製した。作製した複合材を熱処理炉内に配置し、後述のろう付け評価を実施した。
(従来例)
熱処理炉内に配置する複合材は作製せず(用いることなく)、後述のろう付け評価を実施した。
(従来例)
熱処理炉内に配置する複合材は作製せず(用いることなく)、後述のろう付け評価を実施した。
実施例1,2、比較例1〜4、及び従来例記載の各複合材を用い、ろう付け用複合材のろう付け試験を行った(従来例は複合材なし)。ろう付け用複合材として、SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼条材の表面に、そのステンレス鋼条材側から順に、厚さ0.72mmのTi条材、厚さ0.6mmのNi条材を圧延法によりクラッドし、積層構造がNi/Ti/SUS304、Ni/Ti層に対するTi層の重量比率が38mass%(板厚比率が39%)であるろう付け用複合材を作製し、それに対して圧延を繰り返し行い、1.0mmのろう付け用複合材を作製した。
図3に示すように、得られたろう付け用複合材30を40mm×50mmに切り分け、そのろう付け層側の上面に、SUS304からなるステンレス鋼パイプ(直径10mm×長さ30mm)14を載せた。その後、図4に示すように、複合材10(25mm×40mmを2枚、25mm×50mmを2枚)を、ろう付け用複合材30の前後左右に、治具などを用いて立てて配置した。その際、複合材10におけるガス吸着層15のNi面を、それぞれろう付け用複合材30側に向けて配置した。
ろう付け熱処理は、先ず、980℃(予熱処理温度)で15min保持した後、1200℃(ろう付け温度)に加熱、昇温して15min保持した後、冷却した。熱処理雰囲気条件は、8.0×10-2Paであった。
得られたろう付け製品(ろう付け用複合材30とステンレス鋼パイプ14のろう付け接合品)について、特性の評価、具体的には、表面の変色状態、フィレット形成状態(湯流れ性)、及びこれらの特性の総合評価を行った。ろう付け特性の評価結果を表1に示す。評価は、良好なものを◎、不良なものを×とした。
ここで、湯流れ性の評価は、得られたろう付け製品のろう付け接合部のフィレット形状及びフィレットの断面積によって評価を行った。
ろう付け製品の評価の結果、実施例1,2の複合材は、いずれもろうの湯流れ性が良好で、フィレット形状、量ともに良好であった。また、表面の変色も少なかった。よって、総合評価はいずれも良好であった。
これに対して、比較例1〜4の複合材については、いずれも複合材のNi/Ti層の融点が1100℃を超えるため、予熱処理温度の980℃ではNi/Ti層が溶融せず、炉内に残留する雰囲気ガスのガス成分と十分に反応しなかった。そのため、ろう付け温度の1200℃において、ろう付け用複合材のろう材部と炉内のガス成分が優先的に反応し、ろう材の表面は変色し、湯流れが阻害された為、フィレットの形状、量ともに不十分であった。以上より、総合評価は不良であった。
複合材を用いずにろう付け熱処理を行った従来例では、ろう材の表面の変色が著しく、かつろうの湯流れ性が十分でなかった。その結果、総合評価は不良であった。
以上、実施例1および2の複合材を用いてろう付け接合を行った本発明に係るろう付け用複合材のろう付け接合方法によれば、表面変色が少なく、ろうの湯流れ性が良好であることから、ろう付け接合部の信頼性に優れたろう付け接合方法であることがわかる。
10 ガス吸着用複合材
15 ガス吸着層
30 ろう付け用複合材
15 ガス吸着層
30 ろう付け用複合材
Claims (11)
- 複数の金属層からなるろう材部を有するろう付け用複合材をろう付け接合する方法において、閉空間のろう付け熱処理炉内に、前記ろう付け用複合材のろう材部より融点が低く、かつ熱処理炉内の雰囲気ガス中の酸素、窒素などのガス成分と反応性が高いガス吸着層を有するガス吸着用複合材を配置し、その後、前記ガス吸着層を溶融させてガス吸着層に前記ガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け熱処理を行い、前記ろう材部を溶融させてろう付けを行うことを特徴とするろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着層のみが溶融し、前記ろう材部は溶融しない温度で所定時間保持し、ガス吸着層を溶融させてガス吸着層に前記ガス成分を吸着させて除去し、その後、ろう付け温度まで昇温してろう付け熱処理を行い、ろう材部を溶融させてろう付けを行う請求項1記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材が、基材表面にTi又はTi合金層とNi又はNi合金層とからなるガス吸着層を重ねた複層構造である請求項1又は2記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材のTi層とNi層の層厚和に対するTi層の層厚比が、70%以上82%以下である請求項1〜3いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ろう付け用複合材が、基材表面にTi又はTi合金層とNi又はNi合金層とからなる前記ろう材部を重ねた複層構造である請求項1〜4いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ろう付け用複合材のTi層とNi層の層厚和に対するTi層の層厚比が、56%以下である請求項1〜5いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材のガス吸着層を構成するTi層及びNi層の内、少なくとも一方の層がPを含む請求項1〜6いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材のガス吸着層中に含まれるP濃度が、0.02〜10wt%である請求項7記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材のガス吸着層を構成するTi層及びNi層の内、少なくとも一方の層がCu、Mn、Al、又はCrの内の少なくとも1種を含む請求項1〜8いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 前記ガス吸着用複合材のガス吸着層中に含まれるCu濃度が、0.2〜30wt%である請求項9記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法。
- 請求項1〜10いずれかに記載のろう付け用複合材のろう付け接合方法を用い、ろう付け用複合材と被ろう付け部材とをろう付け接合してなることを特徴とするろう付け製品。
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| JP2006208361A JP2008030102A (ja) | 2006-07-31 | 2006-07-31 | ろう付け用複合材のろう付け接合方法及びろう付け製品 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102658409A (zh) * | 2012-05-31 | 2012-09-12 | 中国电子科技集团公司第四十三研究所 | 电子封装外壳用钛合金环框的拼焊方法 |
| CN102673027A (zh) * | 2012-03-28 | 2012-09-19 | 泰州市永昌冶金科技有限公司 | 一种蜂窝状结构耐磨复合材料及其制备方法 |
| CN103341674A (zh) * | 2013-06-26 | 2013-10-09 | 哈尔滨工业大学 | 一种陶瓷基复合材料与金属材料的石墨烯辅助钎焊方法 |
| CN104096939A (zh) * | 2014-07-23 | 2014-10-15 | 哈尔滨工业大学 | 一种新型陶瓷基复合材料低温表面渗碳辅助钎焊方法 |
-
2006
- 2006-07-31 JP JP2006208361A patent/JP2008030102A/ja active Pending
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| CN104096939B (zh) * | 2014-07-23 | 2016-02-03 | 哈尔滨工业大学 | 一种陶瓷基复合材料低温表面渗碳辅助钎焊方法 |
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