JPH0679769B2 - A▲l▼製中空構造体の製造法 - Google Patents

A▲l▼製中空構造体の製造法

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JPH0679769B2
JPH0679769B2 JP1269639A JP26963989A JPH0679769B2 JP H0679769 B2 JPH0679769 B2 JP H0679769B2 JP 1269639 A JP1269639 A JP 1269639A JP 26963989 A JP26963989 A JP 26963989A JP H0679769 B2 JPH0679769 B2 JP H0679769B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、アルミニウム(Al)若しくはその合金からな
る中空構造体の製造法に係り、特にそのような中空構造
体を真空ろう付け法によって製造するに際して、そのろ
う付け性を改善しつつ、使用されるMg量を有利に低減せ
しめ得る技術に関するものである。
(背景技術) Al若しくはその合金からなる材料のフラックスレスろう
付け法として、従来より、Al−Si合金に1.0〜2.0%程度
のMgを含んだろう材を使用して、真空中で加熱する、真
空ろう付け法が知られており、熱交換器の如き中空構造
体の製造等に広く適用されている。そして、その機構
は、真空中での加熱時にろう材中のMgが蒸発して、炉内
に残留している酸化性ガスをゲッターすると共に、蒸発
時にろう材表面の酸化被膜を破壊することにより、所望
のろう付け性が得られるものであると、認識されてい
る。また、そのような方法において、ろう材は、多くの
場合、JIS-A-3003合金等のAl芯材の表面にクラッドした
ブレージングシートとして使用され、ろう付け前の前処
理としては特別な処理を必要とせず、脱脂のみで充分で
あることが特徴とされている。
しかしながら、そのようなブレージングシートを用いた
真空ろう付け法による中空構造体の製造に際しては、次
のような問題点が内在しているのである。
先ず、加熱時にろう付け材料中から蒸発し、炉壁等に付
着、堆積したMgが、炉の大気開放時に酸化性のガスを吸
着し、そしてそれが加熱時に炉内に放出されて、ろう付
け性を阻害するようになるところから、炉より定期的に
堆積したMgの除去を行なう必要があり、実際の生産炉に
おいては、小規模な除去作業を毎回の加熱前に、また中
規模なものを数週間に一度、更に炉の解体を伴なう大規
模な清掃を年1〜2回程度実施しているが、この清掃作
業は操業上の大きな負担となっており、これを軽減する
には、Mgの使用量を減ずる必要があったのである。
また、そのようなろう付け法において、安定したろう付
け性を得るためには、ろう材中のMg含有量が、標準的に
は1.5%、最低限1.0%以上であることが必要とされ、こ
の必要Mg含有量は、ろう材の他に、ゲッター材としてMg
塊或いはMgを含んだ合金を炉内に置くことにより、或る
程度は低減出来るものの、炉内において蒸発するMgの総
量を低減するには至らないのである。
例えば、ドロンカップ型の熱交換器やラジエータのタン
ク部のように、製品の内外部に接合部を有するもの(中
空構造体)では、その内外部でMgの蒸発速度が異なるこ
とにより、標準的な真空ろう付け用材料を使用した場
合、特に内部でのろう付け性が悪くなる問題があった。
そして、この内部のろう付け性を向上させるには、Mg量
を減ずるのが有効であるが、外部のろう付け性にとって
必要なMg量の範囲内で内部のろう付け性を改善すること
は困難であったのである。
一方、中空構造体のろう付け性を改善する目的から、特
公昭58-54909号公報には、内部側のろう合金中のMg量を
0.2〜1.2%とすることが、また特開昭59-85364号公報に
は、内部側のろう合金中にMgが含まれないようにするこ
とが、提案されているが、これとても、中空構造体の内
外部の境界となる接合部においては、内部側のろう材が
外部側に露出して継手を構成するようになるために、そ
の外部側のろう付け性に問題を残すものであった。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、その課題とするところは、ブレージ
ングシートを用いた真空ろう付け法によるAl製中空構造
体の製造法において、そのろう付け性を改善して、中空
構造体の内外部共に安定した接合状態を得る一方、ろう
付け時に使用するMg量を低減し、炉清掃のメンテナンス
を大幅に軽減しようとすることにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、Al若しく
はその合金からなる芯材とAlろう合金からなる皮材とか
ら構成されるブレージングシートを成形して得られる、
開口周縁部に接合フランジ部を設けてなるカップ状成形
体にして、かかる接合フランジ部が先端部においてカッ
プ底部側に折り返されてなるものを用い、そのようなカ
ップ状成形体を、その接合フランジ部同士、カップ底部
同士がそれぞれ対向して当接せしめられるように積み重
ねて、真空ろう付け法にて接合することにより、中空の
構造体を製造するに際して、前記ブレージングシートと
して、Al若しくはその合金からなる芯材の一方の側に6
〜14重量%のSi及び0.8〜2.5重量%のMgを含む第一のAl
ろう合金からなる第一の皮材を設ける一方、該芯材の他
方の側に6〜14重量%のSi及び0〜0.6重量%のMgを含
む第二のAlろう合金からなる第二の皮材を設けてなる両
面ブレージングシートを用い、且つ該両面ブレージング
シートの第二の皮材がカップ形状の内側となるように成
形して、前記カップ状成形体を形成すると共に、該カッ
プ状成形体を積み重ねてなる積重ね物の外側に3g/m3
上のMgを存在せしめて、ろう付け操作を行なうことによ
り、それらカップ状成形体を相互に接合するようにした
のである。
また、本発明は、上記の如き手法に代えて、Al若しくは
その合金からなる芯材とAlろう合金からなる皮材とから
構成されるブレージングシートを成形して得られる、開
口周縁部に接合フランジ部を設けてなるカップ状成形体
にして、かかる接合フランジ部が先端部においてカップ
底部側に折り返されてなるものを用い、そのようなカッ
プ状成形体を、その接合フランジ部同士、カップ底部同
士がそれぞれ対向して当接せしめられるように積み重ね
て、真空ろう付け法にて接合することにより、中空の構
造体を製造するに際して、前記ブレージングシートとし
て、Al若しくはその合金からなる芯材の両側に6〜14重
量%のSi及び0.8〜2.5重量%のMgを含む第一のAlろう合
金からなる第一の皮材をそれぞれ設けてなる第一の両面
ブレージングシートと、Al若しくはその合金からなる芯
材の両側に6〜14重量%のSi及び0〜0.6重量%のMgを
含む第二のAlろう合金からなる第二の皮材をそれぞれ設
けてなる第二の両面ブレージングシートとを用い、それ
ら2種の両面ブレージングシートにてそれぞれ前記カッ
プ状成形体を形成する一方、それらカップ状成形体を組
み合わせて、その接合フランジ部同士、カップ底部同士
を突き合わせた形態において積み重ね、積重ね物を構成
し、且つ該積重ね物中に、該第二の両面ブレージングシ
ートから成形して得られたカップ状成形体の二つがそれ
らの接合フランジ部同士を当接せしめた形態において隣
接されてなる組を存在せしめると共に、該積重ね物の外
側に3g/m3以上のMgを存在せしめて、ろう付け操作を行
なうことを特徴とするAl製中空構造体の製造法をも、そ
の要旨とするものであり、これによっても、前記した課
題を解決することが出来るのである。
なお、これら本発明手法において、上記ブレージングシ
ートの皮材を構成する第一のAlろう合金や第二のAlろう
合金には、Biが0.4重量%を越えない割合で、必要に応
じて含有せしめられ、それによってろうの流動性を高め
て、フィレット形成能が高められることとなる。
(具体的構成・作用) ところで、このブレージングシートを用いた、真空炉中
でろう付けを行なう真空ろう付け法においては、フラッ
クスを用いずに、Mgにて炉内の酸化性ガスをゲッターし
たり、材料表面の酸化皮膜を改質及び破壊するものであ
るところから、かかるMgをろう材中に1.0〜2.0%程度添
加したり、或いはろう材中だけでなく、ろう材以外の部
分に配したりしているが、前述したように、所望の効果
を得るには炉内放出するMgの総量を増すこととなるた
め、炉のメンテナンス等の点において問題を内在してい
たのであり、また熱交換器の如き中空構造体の中空構造
の内外部の境界の接合部において、特に内部側のろう付
け性の劣ることが問題となっているのである。
因みに、中空構造体の内部側のろう合金中のMg量が外部
側に位置するろう合金程度に多い従来の場合にあって
は、内部側では蒸発したMgの排気が遅れることにより、
活発に蒸発を続ける外部側に比べて、ろう合金中に多く
のMgが残留するようになり、そのため内部側のろう合金
はAl−Mg−Siの三元共晶により早期から溶融して流動を
開始し、その多くは外部側へ移動することとなり、従っ
て内部側のフィレット形成にとって重要な内部側のろう
が早期に枯渇することとなり、内部側でフィレット切れ
等の不良を生ずるのである。
本発明においては、特に中空構造におけるカップ状成形
体の接合フランジ部同士が当接せしめられた境界部の内
部側のフィレット形成能を高めるために、内部側のろう
の溶融と流動の時期を外部側に近づける点に着目したの
であり、そしてその際、外部側のろう付け性を劣らせな
いようにすることが重要であるところから、そのための
有効な手段として従来から使用されているAlろう合金と
Mg量を低減したAlろう合金とを組み合わせて使用するよ
うにしたのであって、その主眼とするところは、内外部
共にフィレットの形成を可能にして、且つ内外部におけ
るろうの溶融と流動に時間差を生じさせないようにする
ことで、中空構造体(接合フランジ部)境界部の接合性
を飛躍的に安定させると共に、炉内へのMg放出量を減じ
て、炉のメンテナンスを大幅に軽減することを、同時に
可能にしたところにある。
而して、中空構造体において、その接合フランジ部同士
の当接された境界部(接合部)の外部側と内部側とで
は、良好なろう付け性を得るために、それぞれ、次の点
が要求されるのである。
すなわち、外部側では、炉内に大量に存在する酸化性ガ
スをゲッターするために相当量のMgの蒸発が必要となる
のであり、更にろう合金中にMgを含むものでは、加熱中
のろう表面の酸化量が多いため、ろう付け直前において
その皮膜を破壊する必要があり、そのためにはろう合金
中に或る程度以上のMgが必要となるのである。但し、ろ
う合金中のMg含有量が少ないものでは、加熱中の酸化の
程度も少なくなるため、酸化性ガスのゲッターが充分に
為されている限りにおいては問題がない。
一方、内部側では、酸化性ガスの存在量が少ないため、
酸化性ガスのゲッター及びろう付け直前の酸化皮膜の破
壊に外部側程の必要性がなく、また密閉度の高い場合に
は、ろう合金中にMgを含まなくても、良好なフィレット
の形成が可能となるのである。但し、ろうの早期の枯渇
を防ぐためには、ろうの溶融と流動開始の時期を外部側
と等しくする必要があるのである。
このため、本発明にあっては、その一つの対策として、
目的とする中空構造体を与えるカップ状成形体のカップ
形状の外側に、Mg量の多い所定のAlろう合金からなる皮
材を位置せしめる一方、かかるカップ形状の内側にはMg
含有量の少ない所定のろう合金からなる皮材を位置せし
めるようにしたのである。より具体的には、ドロンカッ
プ型のエバポレータの部分断面を示す第1図から明かな
ように、Al若しくはその合金からなる芯材2の一方の面
(外側面)に、前記第一のAlろう合金からなる第一の皮
材4が設けられている一方、該芯材2の他方の面(内側
面)には、前記第二のAlろう合金からなる第二の皮材6
が設けられてなる両面ブレージングシートが用いられ、
そしてこのブレージングシートがその第二の皮材6が内
側となるように所定のカップ形状に成形されて、開口周
縁部に、先端部がカップ底部側に折り返されてなる接合
フランジ部8が形成されたカップ状成形品10とされる。
そして、このカップ状成形品10が、その接合フランジ部
8,8同士、カップ底部9,9同士がそれぞれ対向して当接せ
しめられるように積み重ねられ、中空構造のろう付け組
合せ体とされるのである。
従って、そのような組合せ体においては、第1図から明
かなように、開口周縁部に設けられた接合フランジ部8,
8同士を突き合わせてなるカップ状成形品10,10の組にお
いては、それぞれの第二の皮材6部位において当接せし
められて接合部が構成されるようになるのであり、また
カップ底部同士がそれぞれ対向して突き合わされてなる
組においては、それぞれの第一の皮材4部位において当
接されて接合部が構成されるのである。
また、本発明にあっては、他の一つの対策として、Mg量
の多い所定のAlろう合金からなる皮材を両面に設けてな
るブレージングシートから成形して得られるカップ状成
形品と共に、Mg含有量の少ない所定のAlろう合金からな
る皮材が両面に設けられたブレージングシートから得ら
れるカップ状成形品を用いて積み重ね、そしてその際、
後者のカップ状成形品がそれらの接合フランジ部同士を
当接せしめた形態において対向して組み合わされてなる
組が、そのようなカップ状成形品の積重ね物中に存在す
るようにしたのである。即ち、例えば第2図に示される
ように、Al若しくはその合金からなる芯材2の両側の面
に前記第一のAlろう合金からなる第一の皮材4,4が設け
られてなる第一の両面ブレージングシートと、同様な芯
材2の両側の面に前記第二のAlろう合金からなる第二の
皮材6,6が設けられてなる第二の両面ブレージングシー
トが用いられ、そしてそれら2種の両面ブレージングシ
ートがそれぞれ所定のカップ形状に成形されて、開口周
縁部に、先端部がカップ底部側に折り返されてなる接合
フランジ部8がそれぞれ形成された2種のカップ状成形
品12,14とされ、そしてこのカップ状成形品12,14が積み
重ねられ、中空構造のろう付け用組合せ体とされている
のである。しかも、そのような組合せ体においては、第
二の両面ブレージングシートから成形して得られるカッ
プ状成形品14の二つが、第2図に示される如く、突き合
わされてなる組が存在するように構成され、それによっ
てMg含有量の少ない第二のAlろう合金からなる接合部が
また、かかる突き合わされたカップ状成形品14の組に対
して、第一の両面ブレージングシートから成形して得ら
れるカップ状成形品12が、それらのカップ底部同士にお
いて突き合わされ、組み付けられているのである。
そして、このような第1図及び第2図に示される如きカ
ップ状成形品10及び12,14の積重ね物は、その状態にお
いて所定の真空ろう付け操作が実施され、目的とする中
空構造体(エバポレータ)が製造されることとなるが、
その際、Mg含有量の少ない第二のAlろう合金(6)によ
って形成される製品外部側となる接合部の外側部位(a
部)に対してMgを供給するために、本発明にあっては、
かかる積重ね物の外側に3g/m3以上のMgが存在するよう
にして、ろう付けが行なわれるのである。
なお、かかる外側に存在せしめられるMgとしては、第1
図や第2図から明らかなように、積重ね物の外側に位置
する第一のAlろう合金(4)中のMgを含むものであるこ
とは勿論、第二のろう合金(6)にあっても、カップ状
成形品14の開口周縁部に設けられた接合フランジ部8に
おいて外側に露出するものに含まれるMg、更にはそのよ
うな組合せ物において外部に露呈せしめられる他の部分
や、炉内に補充材等として該積重ね物のろう付け時に補
填される合金等の含まれるMg、また炉内に補填用として
挿入されたMg粉末等の総量を意味するものである。
従って、第1図及び第2図において、製品外部側となる
接合部の外側部位(a部とc部)では、外部側のMg含有
量の大なる第一のAlろう合金(4)及び積重ね物の他の
外部露出部分、更には該積重ね物以外に炉内に配した純
Mg若しくはMgを含んだ合金からの活発なMg蒸発により、
接合部周囲の酸化性ガスがゲッターされるようになる。
このようなMgの作用は、上述のように、積重ね物の外側
に3g/m3以上のMgの存在によって期待され得るものであ
る。なお、このMg存在量の上限は、積重ね物の大きさや
形態、また炉内の容量等によって適宜に決定されること
となるが、余りにも大量のMgの存在は、従来と同様な炉
壁等へのMgの堆積の問題が惹起されるところから、一般
に200g/m3程度に止められることとなる。そして、前記
a部では、第二のAlろう合金(6)のMg含有量が少ない
が、上記した外部存在Mgによるゲッターが充分な限り
は、フィレット形成が可能となるのであり、また前記c
部では、第一のAlろう合金(4)からの活発なMg蒸発に
より、その酸化皮膜が破壊されて、フィレット形成が可
能となるのである。
一方、Mg含有量の少ない第二のAlろう合金(6)にて構
成される製品内部側の接合部における内側部位(b部)
では、酸化性ガスは外部側で蒸発したMg蒸気の一部が内
部側に流れ込むことにより充分にゲッターされて、フィ
レットの形成が可能となるのである。しかも、そのよう
なカップ状成形品の接合境界部の外側部位(a部)と内
側部位(b部)は、ろう材が何れもMg含有量の少ない第
二のAlろう合金(6)により形成されて、内外部におけ
るろうの溶融及び流動開始の時間差が生じないため、外
部側,内部側共に良好なフィレットが形成されることと
なるのである。
そして、このような本発明手法によれば、Mg含有量の少
ないろう合金(6)の使用によって、そこから蒸発する
Mgの量が少なくなるために、炉内へのMg放出量が全体と
して減少することとなり、更にろう合金(4)から蒸発
したMgの一部がろう合金(6)に吸収されるようになる
ため、炉内へのMg放出量が更に減少することとなるので
ある。また、この吸収作用は、ろう合金(6)がSiを含
有するために促進されて生ずるもので、特に中空構造の
内部側においてその効果が著しく、またろう合金(6)
のMg含有量が少ない程、効果的となるのである。
なお、本発明において用いられる2種のAlろう合金(4,
6)において、Siの含有量が6重量%に満たない場合に
あっては、流動性が劣り、実用性に乏しく、また14重量
%を越える場合には、成形加工性が劣ると共に、ろう付
け時に溶解による母材侵食を多大に生ずるため、好まし
くない。また、第一のAlろう合金(4)において、Mgの
含有量が0.8重量%に満たない場合は、急激なMg蒸発に
よる酸化皮膜の破壊効果が乏しくなって、外部側のろう
付け性が劣るようになるのであり、一方そのMg含有量が
2.5重量%を越えると、成形性が劣ると共に、炉内へのM
g放出量が過多となる。更に、第二のAlろう合金(6)
において、Mg含有量が0.6重量%を越えると、中空構造
の内外部のろうの溶融及び流動開始の時間差を縮める効
果が乏しくなり、境界部(接合部)の内部側でのフィレ
ット形成能が劣ることとなり、好ましくない。
また、かかる第一及び第二のAlろう合金(4,6)には、
有利には、Biが含有せしめられることとなる。このBiを
添加する理由は、ろうの流動性を高めて、フィレット形
成能を向上させるためであるが、このBiの添加量が0.4
重量%を越える場合には、グループ(優先的なろうの流
れとそこでの溶解により生ずる溝)の発生が過多とな
り、外観上好ましくないところから、その添加量は0.4
重量%以下とされることとなる。
さらに、本発明における第一のAlろう合金(4)や第二
のAlろう合金(6)には、Biの他にも、性能向上のため
に、従来より明らかにされている他の合金元素を添加、
含有せしめることも出来、例えばろう付け性の向上のた
めに、それぞれのろう合金中に、Pb,Sn、Ni,Cu,Zn,Be,L
i,Ge等の元素を少なくとも1種以上微量添加せしめた
り、また耐蝕性向上のために、ろう合金中にZnを0.1〜1
0重量%程度添加せしめたりすることが出来る。
このように、本発明は、第1図や第2図に示される如き
形態のカップ状成形品10;12,14の積重ね物に対して、所
定量のMgの存在下において真空ろう付け操作を実施する
ものであるが、そのような真空ろう付け操作に先立つ前
処理は、従来の真空ろう付けと同様に、特に制限される
ことはないのである。但し、油汚れ等が著しいものにあ
っては、ろう付け前に脱脂処理されるのが望ましく、ま
た必要に応じてエッチング処理も施されることとなる。
また、本発明に従うカップ状成形品の組合せ形態におけ
るろう付け加熱は、真空炉若しくはそれに相当する構造
を有する炉中において、従来と同様な条件下において行
なわれることとなる。例えば、ろうの溶融直前から加熱
終了までの圧力は1×10-3Torr以下の真空中か、或いは
必要に応じて不活性ガスにより置換しつつ加熱する等の
手法が採用される。真空加熱時の圧力が高くなると、ろ
う付け性に劣るようになるのであり、また不活性ガス置
換は真空排気と並行して行なうことにより、炉内の残留
酸化性ガスを排除する効果があり、炉内への大気のリー
クを防ぐ効果もある。また、ろうが溶融し、接合が完了
した後の冷却は、特に制限されず、従来と同様にして行
なわれることとなる。
なお、本発明手法に従って製造される中空構造体には、
先述し、また第3図にその一例の全体を示すドロンカッ
プ型のエバポレータの他、ブレージングシートを成形し
て得られるカップ状成形品を組み合わせて製造される各
種の熱交換器、更には他の用途の中空構造体がある。そ
して、このような本発明手法の適用によって、炉のMg清
掃を従来の2/3程度にまで軽減し得ることとなったので
ある。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に
明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施
例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないこ
とは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
先ず、芯材2をJIS-A-3003合金とし、その両面に、下記
第1表に示される各種の第一,第二のAlろう合金を15%
ずつクラッドすることにより、各種の両面ブレージング
シート(板厚:0.6mm)を作製した。次いで、それぞれの
ブレージングシートを、第1図に示されるように、第二
のAlろう合金(6)がカップ形状の内側となるようにし
て成形し、カップ状成形品10を得た。そして、この得ら
れたカップ状成形品10を、その開口周縁部の、先端部を
カップ底部側に折り返してなる接合フランジ部8,8同士
及びカップ底部同士がそれぞれ対向して接するように積
層し、更に中央に通気孔16を設けたステンレス製円盤18
を上下に配して、組み付けることにより、第4図に示さ
れる如き積層組立体20を形成した。
その後、この得られた積層組立体20を、充分に脱ガス処
理した内容積:5000ml(0.005m3)のステンレス容器内に
載置し、600℃×30分、圧力:5×10-5Torrで加熱、ろう
付けを行なった。また、炉内のMg蒸発量を調節するた
め、一部の試料の加熱に際しては、補充材として1.5重
量%のMgを含む所定量のろう合金をステンレス容器内に
置いた。
また、同様にして、第2図に示される如き積層構造にお
いて、第4図に示される如き形状の中空構造体を真空ろ
う付け法によって作製した。即ち、JIS-A-3003合金から
なる芯材2の両面に、下記第2表に示される各種の第一
のAlろう合金を15%ずつクラッドすることにより、各種
の第一の両面ブレージングシート(板厚:0.6mm)を作製
する一方、同様な芯材の両面に、下記第2表に示される
各種の第二のAlろう合金を15%ずつクラッドすることに
より、各種の第二の両面ブレージングシート(板厚:0.6
mm)を作製した。次いで、それぞれの第一及び第二の両
面ブレージングシートを第2図に示される如きカップ形
状に成形して、開口周縁部に、先端部をカップ底部側に
折り返してなる接合フランジ部が形成されてなるカップ
状成形品12,14を得た。
そして、その得られた2種のカップ状成形品12,14を第
2図に示される如く相対向して積層し、更に中央に通気
孔16を設けたステンレス製円盤18を上下に配して組み付
けることにより、第4図に示される如き積層組立体20を
作製し、更にそれを上記と同様にして真空ろう付けする
ことにより、目的とする中空構造体を得た。
かくして得られたろう付け製品のそれぞれにおいて、そ
の外部側(第4図におけるa部とc部)及び内部側(b
部)におけるフィレット切れの有無を調べることによ
り、ろう付け性の評価を行ない、また炉内へのMg放出量
を調べるために、ろう付け前後における製品重量(補充
材を使用したものについては補充材を含めた重量)を測
定し、それぞれの結果を、下記第1表及び第2表に併わ
せ示した。
先ず、第1表から明らかなように、第1図に示される両
面ブレージングシートのカップ状成形品の組合せ形態に
おいて得られたろう付け製品にあっては、その内外部に
おいてフィレット切れが発生することなく、安定したろ
う付け結果が得られた。また、従来法と比較して、ろう
付け製品の重量減が20〜60%程度減少し、炉内へのMg放
出量が減ることを確認した。
一方、カップ状成形品10の組合せ物20外部に存在するMg
の総量が本発明の範囲外となる比較例(1)では、第一
及び第二のAlろう合金の成分が本発明の含有量範囲内に
あっても、何れも、外部側にフィレット切れを生じてお
り、また比較例(2)のうち、第二のAlろう合金(6)
のMg含有量が本発明の範囲外のものでは、何れも、内部
側にフィレット切れを生じ、更に第一のAlろう合金
(4)のMg含有量が本発明の範囲外のものでは、補充材
によりMgを補給しても、外部側にフィレット切れを生じ
た。更に、Si或いはBi含有量が本発明の範囲外の比較例
(3)では、有効ろう量の不足によるフィレット切れ、
或いは製品表面に顕著なグルーブの発生を認めた。そし
てまた、従来と同様に、Mg含有量の大なるろう合金を第
一及び第二のAlろう合金(4,6)として用いた比較例
(4)では、何れも内部側にフィレット切れが生じてい
るのを認めた。
また、第2表から明らかなように、2種の両面ブレージ
ングシートから得られたカップ状成形品12,14を第2図
に示される如く組み合わせてなる積層組立体20から得ら
れたろう付け製品にあっては、その内外部においてフィ
レット切れが発生することなく、安定したろう付け結果
が得られた。また、従来法と比較して、ろう付け製品の
重量減が20〜60%程度減少し、炉内へのMg放出量が減る
ことを確認した。
これに対して、ろう付け時に積層組立体20の外部に存在
するMgの総量が本発明の範囲外である比較例(1)で
は、ろう合金の成分が本発明の範囲を満たしていても、
何れも、外部側にフィレット切れを生じた。また、比較
例(2)のうち、第二のAlろう合金(6)のMg含有量が
本発明の範囲を外れたものでは、内部側にフィレット切
れを生じ、更に第一のAlろう合金(4)のMg含有量が本
発明の範囲外のものでは、補充材によりMgを補給して
も、外部側にフィレット切れを生じた。更に、Si或いは
Biの含有量が本発明の範囲外となる比較例(3)では、
成形時の割れの発生、有効ろう量の不足によるフィレッ
ト切れ、或いは製品表面に顕著なグルーブの発生を認め
た。そしてまた、従来法による比較例(4)では、何れ
も、内部側にフィレット切れが生じているのを認めた。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明手法に従えば、
ブレージングシートを用いた中空構造体の真空ろう付け
において、そのろう付け性が飛躍的に向上せしめられ、
それにより熱交換器等の中空構造体で問題とされるろう
付け後の漏れ、耐圧不足等の問題が効果的に改善され得
たのであり、また低Mgろう合金の使用により、ろう付け
時に製品から蒸発するMgの総量が減少せしめられるた
め、炉内に付着するMg量が低減され、以て炉清掃のメン
テナンスが著しく軽減されることとなったのである。加
えて、Mg蒸発量が低減されるために、炉内に一度に積載
出来る製品量を増すことが出来、その生産性が向上せし
められ得る特徴も発揮するものである。
また、本発明によれば、中空構造の製品の内外部でのろ
うの溶融と流動の時期の差が少なくなるために、より急
速な昇温によっても、安定したろう付け性を得ることが
出来、これによっても生産性の向上を実現することが出
来たのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ、ドロンカップ型エバポ
レータの部分を与えるカップ状成形品の組み付け形態の
一例に係る断面説明図であり、第3図におけるI-I断面
相当図であり、第3図は、そのようなドロンカップ型の
エバポレータ全体を示す斜視図である。第4図は、実施
例で作製されるドロンカップ型エバポレータを構成する
組立品を示す部分切欠正面図である。 2:芯材、4:第一の皮材 6:第二の皮材、8:接合フランジ部 9:カップ底部 10,12,14:カップ状成形品 18:ステンレス製円盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手島 聖英 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 笹木 俊成 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 難波 圭三 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 伊藤 泰永 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−22638(JP,A) 特公 昭58−54909(JP,B2) 特公 昭56−22638(JP,B2)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al若しくはその合金からなる芯材とAlろう
    合金からなる皮材とから構成されるブレージングシート
    を成形して得られる、開口周縁部に接合フランジ部を設
    けてなるカップ状成形体にして、かかる接合フランジ部
    が先端部においてカップ底部側に折り返されてなるもの
    を用い、そのようなカップ状成形体を、その接合フラン
    ジ部同士、カップ底部同士がそれぞれ対向して当接せし
    められるように積み重ねて、真空ろう付け法にて接合す
    ることにより、中空の構造体を製造するに際して、 前記ブレージングシートとして、Al若しくはその合金か
    らなる芯材の一方の側に6〜14重量%のSi及び0.8〜2.5
    重量%のMgを含む第一のAlろう合金からなる第一の皮材
    を設ける一方、該芯材の他方の側に6〜14重量%のSi及
    び0〜0.6重量%のMgを含む第二のAlろう合金からなる
    第二の皮材を設けてなる両面ブレージングシートを用
    い、且つ該両面ブレージングシートの第二の皮材がカッ
    プ形状の内側となるように成形して、前記カップ状成形
    体を形成すると共に、該カップ状成形体を積み重ねてな
    る積重ね物の外側に3g/m3以上のMgを存在せしめて、ろ
    う付け操作を行なうことを特徴とするAl製中空構造体の
    製造法。
  2. 【請求項2】Al若しくはその合金からなる芯材とAlろう
    合金からなる皮材とから構成されるブレージングシート
    を成形して得られる、開口周縁部に接合フランジ部を設
    けてなるカップ状成形体にして、かかる接合フランジ部
    が先端部においてカップ底部側に折り返されてなるもの
    を用い、そのようなカップ状成形体を、その接合フラン
    ジ部同士、カップ底部同士がそれぞれ対向して当接せし
    められるように積み重ねて、真空ろう付け法にて接合す
    ることにより、中空の構造体を製造するに際して、 前記ブレージングシートとして、Al若しくはその合金か
    らなる芯材の両側に6〜14重量%のSi及び0.8〜2.5重量
    %のMgを含む第一のAlろう合金からなる第一の皮材をそ
    れぞれ設けてなる第一の両面ブレージングシートと、Al
    若しくはその合金からなる芯材の両側に、6〜14重量%
    のSi及び0〜0.6重量%のMgを含む第二のAlろう合金か
    らなる第二の皮材をそれぞれ設けてなる第二の両面ブレ
    ージングシートとを用い、それら2種の両面ブレージン
    グシートにてそれぞれ前記カップ状成形体を形成する一
    方、それらカップ状成形体を組み合わせて、その接合フ
    ランジ部同士、カップ底部同士を突き合わせた形態にお
    いて積み重ね、積重ね物を構成し、且つ該積重ね物中
    に、該第二の両面ブレージングシートから成形して得ら
    れたカップ状成形体の二つがそれらの接合フランジ部同
    士を当接せしめた形態において隣接されてなる組を存在
    せしめると共に、該積重ね物の外側に3g/m3以上のMgを
    存在せしめて、ろう付け操作を行なうことを特徴とする
    Al製中空構造体の製造法。
  3. 【請求項3】前記第一のAlろう合金が、0.4重量%以下
    のBiを含んでいる請求項(1)または(2)記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記第二のAlろう合金が、0.4重量%以下
    のBiを含んでいる請求項(1)または(2)記載の製造
    方法。
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