JP2008032550A - 静電容量型の検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺の物質の誘電率の変化に対する感度の高い静電容量型のセンサーを提供する。
【解決手段】第1の電極11と第2の電極12との間の静電容量Cmの変化に基づく検出信号を出力するためのセンサー10を提供する。センサー10は、第1の電極11および第2の電極12を内部に含み、モールド樹脂16により平板状に成形されたプレート部分18を備えている。電極11および12はプレート部分18の幅方向Wに並列に配置されている。さらに、第1の電極11および第2の電極12の間に第3の電極13が配置され、第3の電極13の幅We3は、第2の電極12の幅We2よりも小さく、第3の電極13と第2の電極12との間隔Wd2は、第3の電極13と第1の電極11との間隔Wd1よりも狭い。
【選択図】図2

Description

本発明は、土壌の水分量などの誘電体の存否などを検出するための装置に関するものである。
特許文献1には、グランドプレート、センサープレート及びシールドプレートとを含み、検出されるべき物品が該プレートに接近した時、該物品と協働して該物品が接近するに従って変化するキャパシタンスを呈するように設けられた3つのプレートと、周波数が前記キャパシタンスの関数であるオッシレータと、その中央コンダクタンスが前記センサープレートに接続され、そのインナーシールドが前記シールドプレートに接続され、そのアウターシールドが前記グランドプレートに接続された1本の3重同軸ケーブルとを含むセンサシステムが記載されている。
特許文献1の図1および図2を参照すると、この発明のセンサはグランドプレート1、センシングプレート2と、シールドプレート3を有し、これらのプレートは積層され、センシングプレート2とシールドプレート3との間にガラスの層がある。シールドプレート3は、インナーシールド9を介してボルテージフォロワ14により駆動される。
特許文献2には、被検出誘電体との間に非導電性隔壁を隔てて配置された検出電極に抵抗を介して矩形波電圧を印荷し、前記抵抗と被検出誘電体とを経由するRC回路による前記検出電極での矩形波電圧の立ち上り立ち下がりの時間的遅れに基づいて検出信号を出力するようにした水分検出装置であって、前記検出電極に印荷される矩形波電圧と同位相且つ同周波数の矩形波電圧が印荷される第二電極を備えており、この第二電極の電位により、前記隔壁に沿って層状に存在する水などの誘電体を経由するRC回路を遮断するようにした、水分検出装置が記載されている。この水分検出装置が、被検出物を収容するタンクに配設される場合は、タンク壁に対して適当距離を隔てて当該タンク内に接地電極が配置され、前記検出電極と接地電極との間に被検出物を経由する前記RC回路が形成されるようにすることが記載されている。
特許文献3には、基板検出位置に基板が存在するか否かを基板に非接触で検出するための基板検出装置であって、前記基板検出位置から間隔を開けた位置に非導電性隔壁を隔てて配置される検出電極、およびこの検出電極を取り囲んで配置され、前記非導電性隔壁を隔てて前記基板検出位置に対向し、前記非導電性隔壁の表面に沿う電界成分を排除するためのガード電極を備えた基板検出プローブと、前記検出電極に抵抗を介して矩形波電圧を印加するとともに、前記抵抗および前記検出電極を経由して対地間に形成されるRC回路の時定数を検出することにより、前記基板検出位置における基板の有無を検出する基板検出回路と、前記ガード電極に、前記検出電極に印加される矩形波電圧と同位相かつ同電位の矩形波電圧を印加するガード電極用矩形波印加回路とを含むことを特徴とする基板検出装置が記載されている。
特表平8−510093号公報 特開2000−65775号公報 特開2001−68534号公報
静電容量の変化により基板の有無あるいは水の有無を確認する程度の精度であれば、特許文献2あるいは3に記載されているような対地間に形成されるRC回路の時定数を検出する程度の検出装置で良い。例えば、水の有無の代わりに、土壌の水分量を把握することなどを目的とする装置においては、静電容量の変化を精度良く検出する必要がある。そのためには、静電容量に関与する電極の面積は固定されていることが望ましい。そのような装置の一例は、静電容量を形成するための両方の電極が一体になっている検出部分を含む装置である。しかしながら、特許文献1に記載されているようなプレート状の電極を積層したタイプでは、静電容量のほとんどが積層されている部分で決まり、外界の影響により静電容量が変動する割合は少ない。したがって、外界の物体の誘電率の変化を精度良く検出することは難しい。
本発明の一態様は、第1の電極と第2の電極との間の静電容量の変化に基づく検出信号を出力するための装置であって、平坦な第1の電極および第2の電極を内部に含み、非導電性材により平板状に成形されたプレート部分であって、第1の電極および第2の電極の少なくとも一部が当該プレート部分の面に沿って並列に配置されているプレート部分と、プレート部分において並列に配置された第1の電極および第2の電極の間に配置された第3の電極とを有し、第3の電極の幅は、第2の電極の幅よりも小さく、第3の電極と第2の電極との間隔は、第3の電極と第1の電極との間隔よりも狭い装置である。
この装置においては、静電容量を形成するための平坦な第1および第2の電極は、非導電性材、例えば、樹脂あるいはガラスにより平板状に形成されたプレート部分の内部に、プレート部分の厚み方向に積層される代わりに、プレート部分の面に沿って、例えば、幅方向に並列に配置されている。すなわち、プレート部分の内部において、第1および第2の電極は、それぞれ平坦な面が対向しないように、それぞれの電極の平坦な面がプレート部分の平坦な面と平行するように、並列に配置されている。したがって、これらの電極の平坦な面に対して垂直な方向に出る電気力線はプレート部分の外側に延び、プレート部分の外側に存在する液体、気体、固体などを含む物質の誘電率の影響を受ける。このため、第1および第2の電極の間の静電容量は、プレート部分の周辺、すなわち、外側に存在する物質の誘電率の影響を受けて変動しやすい。
さらに、この装置は、プレート部分において並列に配置された第1の電極および第2の電極の間に配置された第3の電極を有する。この第3の電極は、第1の電極の一部との間に静電容量を形成し、第1および第2の電極の間の電気力線がプレート部分の内部を通過するのを阻害する。その結果、第1および第2の電極の間の静電容量は、プレート部分の周辺の影響を受け易くなり、静電容量の変化量(変化率)を大きくできる。
この装置においては、第1および第2の電極との間に、プレート部分の周辺を経由した静電容量を含めたRC回路が形成され、周辺に存在する物質の誘電率の変化による静電容量の変化を検出するものである。したがって、第3の電極は、プレート部分の外側の物質を経由するRC回路を遮断するためのものではなく、また、プレート部分の表面に沿った電界成分を排除するためのものでもない。そのため、第3の電極の幅は、第2の電極の幅よりも小さく、第3の電極と第2の電極との間隔は、第3の電極と第1の電極との間隔よりも狭い。すなわち、第1および第3の電極の間の電気力線の広がりは、第1および第2の電極の間の電気力線をプレート部分の外側に広げる程度のもので良く、第3の電極の幅(面積)を大きくすることは、グランド側となる第1の電極の有効幅(面積)を減らすことに繋がる。したがって、第3の電極の幅は、センサー側となる第2の電極の幅よりも小さくすることが好ましい。また、第3の電極を、第1および第2の電極の中央に配置するよりも、センサー側となる第2の電極に近づけて配置した方が、第1および第2の電極の間の電気力線をプレート部分の外側に広げる効果を得易い。
プレート部分の典型的な形態は短冊状のものであり、平坦な第1の電極および第2の電極の典型的な形態は、それぞれの電極が帯状であり、プレート部分の幅方向に並列に配置されているものである。プレート部分の外側の物質に起因する静電容量の変動を大きくするためには、第1および第2の電極の間の電気力線の長さが短いことが望ましく、さらに、第1および第2の電極の電極面積は大きいことが望ましい。短冊状のプレート部分と、帯状の電極は、それらの条件を満たす好適な形態の一例であり、また、地面に挿し易い形態なので、土壌の水分を検出するための装置に適している。
第1および第2の電極の間の静電容量の変化を検出するための好適な方法はRC回路を形成し、その時定数により変化する信号を得ることである。すなわち、この装置は、第1の電極と第2の電極との間の静電容量とRC回路を形成するための第1の抵抗成分と、RC回路に周波数成分を含む電力を供給するための駆動回路と、RC回路の時定数の変化に基づき検出信号を生成するための回路とをさらに有することが望ましい。この装置において、第2の電極を検出用の抵抗である第1の抵抗成分を介して駆動回路に接続し、第3の電極を駆動回路に接続することにより、グランド側となる第1の電極と第3の電極の間に、第1の電極とセンサー側となる第2の電極の間の電気力線(検出用の電場)をプレート部分の外側に広げるのに適した電気力線(補助の電場)を形成できる。
第3の電極は、センサー側となる第2の電極の近傍に配置される。このため、第2の電極と第3の電極との間の静電容量の影響を小さくするためには、第3の電極と駆動回路との間に第2の抵抗成分を接続し、第3の電極に印加される駆動電圧を制御することが望ましい。
検出信号を生成するための回路の一形態は、第1の抵抗成分の両端の信号の排他的論理和を演算するためのEXOR回路と、このEXOR回路の出力を平滑するための回路とを含む回路である。第1の抵抗成分の両端の電圧信号を検出する場合、プレート部分の外側に、水分などの誘電率の高い物質が増加すると、両端の電圧信号の変動の時間差(位相差)によりEXOR回路の出力のパルス幅が増加し、平滑回路により平滑された信号の電圧が増加する。したがって、測定対象が水分量であれば、プレート部分の外側の水分量に伴い電圧が増減する検出信号を出力できる。このため、検出信号を出力する装置と、検出信号に基づきプレート部分が接している部分の水分量を適当な関数などにより推定する機能を含む装置とを有するシステムにより、水分量を出力したり、水分量に対応する処理、例えば散水を自動的に行うことが可能となる。
さらに、プレート部分に配置された温度測定用のサーミスタを有することが好ましい。物質の誘電率は温度により変動することがある。また、プレート部分を構成する非導電性材の誘電率などの計測側の条件も温度により変動することがある。したがって、静電容量の変動と共に、温度を測定することにより、静電容量の変動から得ようとしている物理量、例えば、水分量をより正確に算出することが可能となる。
さらに、プレート部分の外側に配置された液体を吸収するための層をさらに有することが望ましい。例えば、プレート部分の外側に配置された多孔質の層をさらに有することが望ましい。土壌にプレート部分を差し込んだり、埋めた場合、土壌とプレート部分との間に隙間が生ずると、土壌の水分による静電容量の変動は小さくなり、水分量の測定精度が低下する要因となる。液体を吸収するための層、または多孔質の層をプレート部分の外側に配置し、プレート部分の外面に水分を含む層を形成することにより測定精度の低下を抑制できる。
図1に、本発明の一実施形態の散水システムの概略構成を示している。この散水システム1は、植物2が植えられた土壌3に差し込まれたセンサー10と、このセンサー10からの信号を受けて水分量を求める機能を含む測定装置5と、測定装置5からの信号により散水を開始するスプリンクラー9とを含む。
図2に、センサー10の概略構成を示している。図2(a)はセンサー10の平面図であり、図2(b)はセンサー10の側面図である。また、図2(c)はセンサー10のプレート部分18の周囲の面に吸水用の層19を設けたタイプを示している。このセンサー10は、第1の電極11と第2の電極12との間の静電容量Cmの変化に基づく検出信号Sdを出力するための装置である。センサー10は、平坦な帯状の第1の電極11および第2の電極12が表面に形成されたプリント基板15と、このプリント基板15を内部に含むように、非導電性材のモールド樹脂16により平板状に成形されたプレート部分18とを含む。短冊状のプリント基板15を樹脂16によりモールドしたプレート部分18の全体形状は短冊状であり、先端18aは土壌3に差し込みやすいように若干細くなっている。
プレート部分18の基板15には、帯状の第1の電極11および第2の電極12がプレート部分18の幅方向Wに並列に、長手方向Lに延びるように配置されている。さらに具体的には、基板15の表面中央に、長手方向Lに略一直線に延びるように第2の電極12が配置され、基板15の表面の周囲に沿って、長手方向Lに長いU字形の第1の電極11が、基板中央の第2の電極12を囲むように配置されている。基板15の一例は、ガラスエポキシ(ガラエポ)製であり、テフロン(登録商標)などの他の材料であっても良い。モールド樹脂16の一例は吸水性の小さなポリオレフィンである。プレート部分18はガラスなどの他の非導電性の材料により成形しても良い。
プレート部分18の基板15には、さらに、並列に配置された第1の電極11および第2の電極12の間に第3の電極13が配置されている。第3の電極13も帯状であり、その幅(面積)は、第2の電極の幅(面積)よりも小さく、第3の電極13は、基板15の長手方向Lに長いU字形であり、第2の電極12の近傍に、第2の電極12を囲むように配置されている。したがって、第3の電極13と第2の電極12との間隔Wd2は、第3の電極13と第1の電極11との間隔Wd1よりも狭い。第1の電極11の幅We1と、第2の電極12の幅We2と、第3の電極13の幅We3との比は、例えば、2.5:2.0:0.3である。また、第1の電極11と第3の電極13との間隔Wd1と、第2の電極12と第3の電極13との間隔Wd2との比は、2.2:1である。
基板15の他方の端には波形発生・検出回路20が搭載され、モールド樹脂16によりプレート部分18と一体に覆われている。第1の電極11、第2の電極12および第3の電極13は波形発生・検出回路20に接続され、これらの電極11、12および13により得られた電流または/および電圧信号は波形発生・検出回路20により処理され、検出信号Sdがケーブル29を介して測定装置5に出力される。さらに、基板15には、センサー10の周囲の温度を計測できるサーミスタ31が搭載されている。
図3に、センサー10の回路構成を示している。波形発生・検出回路20は、第1の電極11および第2の電極12の間の静電容量Cmの変化を検出するためのRC回路を形成し、その時定数により変化する信号Sdを出力する。波形発生・検出回路20は、第1の電極11と第2の電極12との間の静電容量CmとRC回路を形成するための第1の抵抗成分R1と、RC回路に周波数成分を含む電力を供給するための駆動回路21と、RC回路の時定数の変化に基づき検出信号Sdを生成するための信号生成回路22と、検出信号Sdを温度補正するための回路23とを含む。信号生成回路22は、第1の抵抗成分R1の両端の電圧信号Sn1およびSn2との排他的論理和を演算するためのEXOR回路25と、このEXOR回路25の出力を平滑するための平滑回路26とを含む。
図4に、各信号の波形の概要を示している。駆動回路21は、第1の抵抗成分R1を介して第2の電極12に接続され、センサー側となる第2の電極12に対し数MHzの矩形波の信号Sn1を供給する。第1の電極11はコモン(グランド)に接続される。第1の電極11および第2の電極12はコンデンサとして働き、その容量Cmにより抵抗成分R1を介して得られる入力信号Sn2の波形は鈍る(遅れる)。したがって、遅れた波形となる入力信号Sn2と、元の矩形波の入力信号Sn1とのずれ(時間差、位相差)をEXOR回路25により検出することにより、第1の電極11および第2の電極12の間の静電容量Cmを検出することができる。駆動回路21は、RC回路に周波数成分を含む電力を供給するための回路であり、第2の電極12に供給される信号Sn1は矩形波に限られない。しかしながら、時間差を検出するために駆動する波形として矩形波は適当なものの1つである。
この波形発生・検出回路20において、図4に破線で示すように、静電容量Cmが増加すると、入力信号Sn2のずれは大きくなり、入力信号Sn1との時間差によりEXOR回路25から出力されるパルス状の信号Sn3の幅が増加する。したがって、出力信号Sn3を、抵抗およびコンデンサを用いた平滑回路26により平滑した検出信号Sdの電圧Vdは増加する。このため、センサー10の測定対象が水分量であれば、プレート部分18の外側の水分量に伴い電圧が増減する検出信号Sdを出力できる。
すなわち、静電容量Cmは、センサー10のプレート部分18の外側にある物質50の誘電率により変動する。このため、センサー10の周囲の状況の変化を静電容量Cmの変動として検出できる。例えば、センサー10が土壌3に埋設されていると、水の誘電率が高いので、土壌3の水分量により静電容量Cmが増加し、検出信号Sdの電圧が上昇する。したがって、測定装置5は、検出信号Sdの電圧を適当な関数あるいはルックアップテーブルを用いて水分量に変換し、表示したり、スプリンクラー9を制御したりすることができる。
水の誘電率は温度により変動する。したがって、水分量の変化がないのに、センサー10の周囲(土壌)の温度の変化により検出信号Sdが変動する可能性がある。センサー10においては、プレート部分18にサーミスタ31を配置している。そして、温度補正回路23では、検出信号Sdの出力にサーミスタ31の抵抗値を入れて分圧することにより、周辺の温度の変化により検出信号Sdが変動するのを抑制している。
さらに、静電容量Cmは、プレート部分18の周囲の土壌の水分により大きく変動することが望ましい。したがって、第3の電極13を駆動回路21に接続することにより、矩形波の信号Sn1により駆動し、グランド側となる第1の電極11と第3の電極13の間に、第1の電極11とセンサー側となる第2の電極12の間の電気力線(検出用の電場)をプレート部分18の外側に広げるのに適した電気力線(補助の電場)を形成するようにしている。
図5に、本発明の実施形態と比較するためのセンサー90の概略構成を示している。このセンサー90は、第1の電極11と第2の電極12とが並列に配置されたプレート部分18を備えている。したがって、このセンサー90は、外界の状態を検出するための静電容量を形成するための平坦な第1の電極11および第2の電極12が、プレート部分18の内部において、それぞれの電極11および12の平坦な面が対向しないように、すなわち、それぞれの電極11および12の平坦な面がプレート部分18の平坦な面と平行するように、並列に配置されている点は、センサー10と共通する。これらの電極11および12が、樹脂あるいはガラスなどの非導電性材により成形されたプレート部分の厚方向に積層される代わりに、プレート部分の幅方向に並列に配置されている。このため、これらの電極11および12の平坦な面に対して垂直な方向に出る電気力線による電場71はプレート部分18の外側に延び、プレート部分18の外側に存在する物質50の誘電率の影響を受けやすくなる。このため、第1の電極11および第2の電極12の間の静電容量Cmは、プレート部分18の周辺、すなわち、プレート部分18の外側に存在する物質50の誘電率の影響を受けて変動しやすい。
このような電極配置を備えたセンサー90において、電極11および12は、ほぼ同じ大きさで良く、さらに、電極11および12は、面積の大きい方が周辺の水分などの物質50による静電容量Cmの変化は大きい。さらに、電極11および12は、なるべく近い方が、周辺の物質50による静電容量Cmの変化は大きい。しかしながら、電極11および12が近いと、静電容量Cmの変化が大きくなるはずであるが、プレート部分18の内部、すなわち、モールド樹脂16により影響を受ける静電容量が増大する傾向になる。このため、センサーを小さくするために、電極11および12が近すぎると、周辺の物質50により静電容量Cmが変化する割合は小さくなる。
電極11および12が並列に配置されたセンサー90は、測定用の電場71がプレート部分18の外側に広がるので、電極11および12の間の静電容量Cmは、プレート部分18の周囲の物質50による影響を受け易く、周辺の物質50、例えば、水分量の測定には適している。しかしながら、電極11および12の間隔が小さく、これらの電極の間の静電容量Cmに占めるモールド樹脂16の容量の割合が大きいと、プレート部分18の周囲に水分などの誘電率の大きな物質が少ない場合でも、入力信号Sn1とSn2との時間差(位相のずれ)が大きくなりEXOR回路25の出力Sn3が飽和する可能性がある。検出用の抵抗成分R1の値を下げることにより出力の飽和を抑制できる。また、抵抗成分R1と並列に適当な容量Cを接続することにより位相のずれを小さくでき、出力の飽和を抑制できる。しかしながら、これらの方法では、周辺の物質50による静電容量Cmの変化の割合を増やし、静電容量型のセンサーの感度をさらに向上することは難しい。
図6に、センサー90のプレート部分18の周囲の面に吸水性がある層19を設けたタイプを示している。吸水層19は、例えば、セラミック層であり、周囲の物質50と同等の水分吸収力を備えていることが望ましい。例えば、センサー90の周囲の物質50が土であれば、吸水層19は、土と同程度の水分吸収力を備えていることが望ましい。そのような材質は、吸水性のある布、紙、樹脂、セラミックなどを含む。センサー90の測定対象が水分である場合は、モールド樹脂16の外側で、計測用の電場71の電気力線の密度が最も高い場所に吸水性の層19を配置することにより、容量Cmは周囲の水分量の影響を受けて変動し易くなる。したがって、センサー90の感度を向上できる。吸水層19は、プレート部分18の表面18sに、適当な吸水性の材料をコーティングしたり、貼り付けたりすることにより形成できる。また、吸水性の材料を鞘あるいはカバーのようにしてプレート部分18に被せても良い。
図7に、上記とさらに異なるセンサー92の概略構成を示している。このセンサー92は、第1の電極11と第2の電極12とが並列に配置され、さらにそれらの電極11および12の中間に小さな第3の電極13が配置されたプレート部分18を備えている。このように2つの電極11および12の間に、第3の電極13を入れて、電極11および13との間にサブの電場72を形成することにより、電極11と電極12との間の電場71の電気力線がモールド樹脂16の内部を通過することを抑制できる。このサブの電場72は、プレート部分18の外側の物質50を経由する電場(電界)71を遮断したり排除したりするものではなく、電極11および12により形成される電界71の内で、プレート部分18の内部を通過する電界成分をできるだけ少なくするためのものである。すなわち、狭い間隔で置かれた電極11および12の間に、電極13を入れると、電極11および12を結ぶ電気力線は、電極11および12を直線的に結ぶ代わりに、電極13の外側に広がり、プレート部分18の外側の物質50を通過する割合が増加する。
さらに、図3に示すように、電極11と電極13との間隔を広げ、電極12と電極13との間隔を狭めることにより、電極11および13の間の電気力線が狭い範囲に集中するのを避けることができ、サブの電場72の広がりを大きくできる。このため、電極11および12を結ぶ電気力線の広がりがさらに大きくなり、モールド樹脂16の内部を通る電気力線を減らすことができ、同時に、メインの電場71をモールド樹脂16の外側へいっそう広げることができる。このため、電極11および12の間の静電容量Cmが、プレート部分18の外側の物質50により変動する割合を大きくすることができる。
このように、ガード用のサブの電場72を形成することにより、静電容量Cmの感度を向上できる。サブの電場72の電気力線の集中を抑制するためには、第1の電極11と第3の電極13との間隔Wd1と、第2の電極12と第3の電極13との間隔Wd2との比は、1:1より間隔Wd2の方が狭く、間隔Wd1の方が広いことが望ましい。間隔Wd2に対して間隔Wd1が広すぎると、電極11および12の間が開きすぎたり、電極13および12の間が狭すぎたりすることにより静電容量Cmの感度を向上することに影響がでる可能性がある。したがって、間隔Wd1と間隔Wd2との比は、1:1より大きく、10:1よりも小さい範囲が好ましく、1.5:1から4:1の範囲であることがさらに好ましい。図3に示したセンサー10では、間隔Wd1とWd2との比は2.2:1にセットしている。
サブの電界72は、メインの電界71をプレート部分18の外側に広げることを目的としており、静電容量Csは小さいことが望ましい。また、グランド側の電極11の面積のうち、第3の電極13と対になり、サブの電界72を形成するために割かれる割合を小さくすることが望ましい。したがって、第3の電極13の面積(幅)は小さいことが望ましく、センサー側の第2の電極12の面積(幅)より少なくとも小さいことが望ましい。第2の電極12の幅We2と、第3の電極13の幅We3との比は、例えば、2:1から20:1の範囲が好ましく、4:1から10:1の範囲であることがさらに好ましい。図3に示したセンサー10では、電極の幅We2とWe3との比は20:3にセットしている。
電極13の面積が小さくても、電極12と電極13とが近づくことにより、電極12に発生する信号が、電極13に印加される信号の影響を大きく受けてしまう場合がある。このため、図3に示すように、電極13と駆動回路21との間に抵抗成分R2を入れて、第3の電極13へ供給される信号強度を適当な値に抑えることが望ましい。例えば、これらの電極11、12および13をモールドし、プレート部分18を形成する樹脂16の厚みは測定対象によって変わることがある。その場合、モールド樹脂16の厚みに対応して、電極12と電極13との間隔を調整すれば効率的に電場71を外側に広げて電気力線が測定対象の物質を効果的に通過するようにできる。そして、ガード用のサブの電場72の強度は、第2の抵抗成分R2により制御できる。
図8および図9は、波形発生・検出回路20の異なる例をそれぞれ示している。なお、これらの例でも、RC回路を駆動するための駆動回路21およびRC回路を構成するための検出用の抵抗R1は含まれているが、図面には省略している。これらの回路20は、サーミスタ31の信号を、そのまま測定装置5に供給することにより、測定装置5においてプレート部分18の温度を表示したり、プレート部分18の温度を用いて検出信号Sdを補正し、水分量などに変換できるようにしている。図8に示した回路20は、静電容量Cmの変化に基づく検出信号Sdと、サーミスタ31の信号とを4線で出力するタイプである。図9に示した回路20は、検出信号Sdと、サーミスタ31の信号とを3線で出力するタイプであり、ダイオードD1およびD2を備えている。この回路20は、電源の投入方向を変えることにより、静電容量Cmの測定と、サーミスタ31による温度の測定とを切り換えることができる。
このように、第1の電極11と、第2の電極12と、それらの間の第2の電極12の側に配置された第3の電極13とを備えたセンサー10は、プレート部分18の外側に測定用の電場71を効率よく広げることができる。このため、センサー10は、プレート部分18の周辺の空間あるいは物質50の誘電率の変化を静電容量の変動として精度良く検出することができる。したがって、この静電容量型のセンサー10は、種々の用途に使用できる。特に、このセンサー10は、周辺の物質50の誘電率の変化に対する感度が高いので、誘電率の異なる物体の有無だけではなく、誘電率の異なる物体あるいは物質の密度あるいは濃度およびそれらの変動を検出する目的に適している。
図1および図2に示した例は、土壌3の水分量(水分濃度)を検出するためのセンサーであり、水分量の増加および減少を測定装置5で測定したり、予め設定された水分量によりスプリンクラー9を作動させることができる。スプリンクラー9を作動させるための水分量の設定値は、土壌3に植えられた植物2により変えることも可能である。センサー10の感度をさらに向上するためには、プレート部分18の周囲に隙間があるよりは、土壌3に密着していたり、あるいは少なくとも土壌3の水分濃度に対応する水分がプレート部分18の表面18sに存在することが好ましい。
図2(c)に示したセンサー10においては、プレート部分18の表面18sにセラミックの層19を形成している。セラミック層19は、部分的に土壌3に接していれば、土壌3の水分を吸水する。このため、プレート部分18の表面18sの全体が土壌3に接していなくても、プレート部分18の表面18sの多くの部分に土壌3の水分量に対応した水分が存在することになり、センサー10の感度をさらに向上できる。セラミック層19は、多孔質で吸水性があり、強度および耐久性も高く、センサー10のプレート部分18の表面18sをコーティングする材質として適している。セラミック層19の代わりに、吸水性のある布、紙、樹脂などをプレート部分18の表面18sに貼り付けたり、塗布したり、成形しても良い。
センサー10は、土壌に限らず、他の粉体あるいは粒体に含まれる水分量を検出したり、誘電率の異なる物体の有無を検出したりするなどの用途にも用いることができる。また、図2に示した電極のセンサーの形状および電極の配置は一例であり、これに限られない。例えば、電極は直線的に延ばしても良く、ジグザグに配置したり、螺旋状などの他の湾曲した形状になるように配置しても良い。
散水システムの概略構成を示す図。 センサーの概略構成を示す図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図、図2(c)はセラミック層をさらに備えたセンサーの側面図。 センサーの回路構成を示す図。 センサーの回路の各信号を示す図。 センサー(比較例)の回路構成を示す図。 吸水層を設けた例を示す図。 異なるセンサーの回路構成を示す図。 波形発生・検出回路の異なる例を示す図。 波形発生・検出回路のさらに異なる例を示す図。
符号の説明
1 散水システム、 3 土壌、 5 測定装置、 9 スプリンクラー
10 センサー、 11 第1の電極、 12 第2の電極、 13 第3の電極
15 基板、 16 モールド樹脂、 18 プレート部分
20 波形発生・検出回路、 21 駆動回路、 22 信号生成回路

Claims (9)

  1. 第1の電極と第2の電極との間の静電容量の変化に基づく検出信号を出力するための装置であって、
    平坦な前記第1の電極および前記第2の電極を内部に含み、非導電性材により平板状に成形されたプレート部分であって、前記第1の電極および前記第2の電極の少なくとも一部が当該プレート部分の面に沿って並列に配置されているプレート部分と、
    前記プレート部分において並列に配置された前記第1の電極および前記第2の電極の間に配置された第3の電極とを有し、
    前記第3の電極の幅は、前記第2の電極の幅よりも小さく、前記第3の電極と前記第2の電極との間隔は、前記第3の電極と前記第1の電極との間隔よりも狭い、装置。
  2. 請求項1において、前記プレート部分は短冊状であり、前記第1の電極および前記第2の電極は帯状であり、前記プレート部分の幅方向に並列に配置されている、装置。
  3. 請求項1において、前記第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量とRC回路を形成するための第1の抵抗成分と、
    前記RC回路に周波数成分を含む電力を供給するための駆動回路と、
    前記RC回路の時定数の変化に基づき前記検出信号を生成するための回路とをさらに有し、
    前記第2の電極は前記第1の抵抗成分を介して前記駆動回路に接続され、前記第3の電極は前記駆動回路に接続されている、装置。
  4. 請求項3において、前記第3の電極と前記駆動回路とを接続するための第2の抵抗成分をさらに有する、装置。
  5. 請求項3において、前記生成するための回路は、前記第1の抵抗成分の両端の信号の排他的論理和を演算するためのEXOR回路と、このEXOR回路の出力を平滑するための回路とを含む、装置。
  6. 請求項1において、前記プレート部分に配置された温度測定用のサーミスタをさらに有する、装置。
  7. 請求項1において、前記プレート部分の外側に配置された液体を吸収するための層をさらに有する、装置。
  8. 請求項1において、前記プレート部分の外側に配置された多孔質の層をさらに有する、装置。
  9. 請求項1に記載の装置と、
    前記検出信号に基づき前記プレート部分が接している部分の水分量を推定する機能を含む装置とを有するシステム。
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