JP2008041877A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のリアクトルの寸法や形態をほとんど変更することなく、効率を上げることのできるリアクトルを提供する。
【解決手段】 磁性体から形成された環状のコア2と、このコアの所定部分の外周に巻き回されたコイル3とを備えるリアクトルであって、上記コイルを巻き回した部分以外の磁束方向と直交するコア断面積を、上記コイルを巻き回した部分のコア断面積より大きく設定する。
【選択図】図3

Description

本願発明は、ハイブリッド車や燃料電池自動車のような電気自動車に搭載されるリアクトルに関する。
近年、環境問題からハイブリッド車や燃料電池自動車等の直流電源でモータを駆動して走行する自動車が開発されている。これら自動車においては、直流電源であるバッテリーの電圧を昇圧する昇圧コンバータが搭載されており、リアクトルはこの昇圧コンバータの主要部品である。
上記リアクトルは、特許文献1に記載されているように、環状のコアとこのコアの所定部分に巻き回されたコイルとを備えて構成されている。車載用リアクトルでは、搭載スペースや製造方法等の制限から、2以上のコアブロックをそれぞれ組み付けることにより一対の平行状I字部を構成するとともに、これらI字部の両端部に略U字状コアブロックを接続して構成される略長円形状の環状コアが採用されることが多い。上記コイルに電流を流すことにより、上記コア内に環状の磁気回路が形成される。
特開2004−241475
上記環状コア材料の損失は、磁束密度のほぼ二乗に比例して増加する。一方、磁束密度は磁束に直交するコア断面積に反比例する。コア全体の損失は、上記材料損失にコア全体の体積を乗じたものである。したがって、理論的には、コア断面積を大きくして、磁束密度を低下させるとコアの損失は減少することになる。
ところが、コアの断面積を増加させると、コアの寸法が増加して装置を小型化するという要請に応えられない。また、これに巻き回されるコイルの長さも増加することになり、その分抵抗が増加して却って損失が大きくなる恐れもある。
本願発明は、上記問題を解決するために案出されたものであって、従来のリアクトルの寸法や形態をほとんど変更することなく、損失を低減させて効率を上げることのできるリアクトルを提供するものである。
請求項1に記載した発明は、磁性体から形成された環状のコアと、このコアの所定部分の外周に巻き回されたコイルとを備えるリアクトルであって、上記コイルを巻き回した部分以外の磁束方向と直交するコア断面積を、上記コイルを巻き回した部分のコア断面積より大きく設定したものである。
本願発明は、コイルを巻き回していない部分のコア断面積を増加させることによりこれら部分の磁束密度を低下させる。これにより、リアクトル全体としての損失を低下させて効率を向上させるものである。コイルが巻き回されていない部分のコア断面積を増加させるものであるため、従来のリアクトルの寸法や形態をほとんど変更することなく、損失を低減させて効率を向上させることが可能となる。
特に、巻き回されるコイルの厚さ分のコア断面積を増加させると、デッドスペースを利用してコア断面積を増加させることができるため、リアクトルの形態を変更することなく効率を向上させることも可能となる。
本願発明は、種々の形態の環状コアを有するリアクトルに適用することができる。また、上記コアを構成する材料が限定されることはない。
通常、複数の磁性体ブロックを非磁性体スペーサを介して組付けることにより環状のコアが形成される。上記スペーサは、リアクトルの性能を制御するために設けられるものであるが、上記スペーサ部分から漏れ磁束が生じて損失が大きくなる。上記漏れ磁束は、各コアブロックの端部から近接する部分に向けて生じるものであるため、環状コアの内周部に生じやすい。したがって、内周部側にコア断面積を増加させると、上記漏れ磁束が増加して損失が大きくなる恐れがある。このため、請求項2に記載した発明のように、上記環状コアの内方以外の方向に向けて上記コア断面積を増加させるのが好ましい。
本願の請求項3に記載した発明は、上記コイルが巻き回された一対の平行状I字部と、これらI字部の両端部に接続された略U字状部とから上記環状コアを構成するとともに、上記略U字状部のコア断面積を、上記I字部のコア断面積より大きく設定したものである。本請求項に記載した発明は、車載用リアクトルに多く採用されている形態のコアに本願発明を適用したものである。
従来のリアクトルでは、環状体の各部のコア断面積が同一に設定されており、上記略U字状部のコア断面積と上記I字部の断面積とが同一であった。コイルが巻き回されていない上記略U字状部のコア断面積を増加させることにより、リアクトルの寸法や形態をほとんど変更することなく、上記略U字状部の磁束密度を低下させることが可能となる。
請求項4に記載した発明は、上記I字部及び上記略U字状部を矩形断面状に形成するとともに、上記略U字状コアの内周側を除く方向にコア断面積を大きく設定したものである。
車載用のリアクトルにおいてはコア断面が矩形状に形成されることが多く、内周部における磁束漏れが多くなる傾向にあった。請求項4に記載した発明のように、内周側を除く方向にコア断面積を増加させることにより、コア断面積増加による上記悪影響を防止することが可能となる。
さらに、矩形状断面を有するコアにおいては、略U字状部の側面方向、すなわち環状体の軸方向にコア断面積を増加させた場合であっても、略U字状部の接続端面において、I字部の内周角部から略U字状部の角部が立ち上がるように形成される。このため、これら部分間の漏れ磁束が増加することが考えられる。上記漏れ磁束を防止するために、請求項5に記載した発明のように、上記略U字状部の上記I字部に対する接続端面における内周角部及び/又は外周角部を切除するのが好ましい。これにより、I字部の内周角部と上記略U字状部との間の距離が大きくなり、これらの間に生じる磁束漏れを防止することが可能となる。上記切除の形態は限定されることはない。たとえば、面取り状に切除したり、アールをもたせたりするように切除することができる。
本願発明は、種々の材料から形成されたコアを備えるリアクトルに適用することができる。たとえば、磁性体の粉末を圧粉成形して形成されるコアや、ケイ素鋼板を積層したコア、あるいはこれらの材料を組み合わせて構成されるコアを備えるリアクトルに本願発明を適用することができる。
特に、磁性体粉末を圧粉成形して形成されるコアは、形状等の自由度が高く種々の形態のコアを形成することができる。このため、請求項6に記載した発明のように、少なくとも上記略U字状コアを圧粉成形された磁性体から形成するのが好ましい。これにより、寸法や磁気回路に応じてコア断面積を増加させることが可能となり、装置の寸法や形態をほとんど変更することなく損失を低減させてリアクトルの性能を向上させることが可能となる。
コイルを巻き回していない部分のコア断面積を増加させることによりこれら部分の磁束密度を低下させ、リアクトル全体としての損失を低下させて効率を向上させることができる。また、従来のリアクトルの寸法や形態をほとんど変更することなく、損失を低減させて効率を向上させることが可能となる。
図1から図3に、本願発明の第1の実施例に係るリアクトルを示す。
図1に示すように、リアクトル1は、環状のコア2と、このコア2の周囲に装着されたコイル3とを備えて構成される。通常、上記コア2と上記コイル3との間には、上記コイル3を上記コア2の外周部に所定間隔をあけて保持するためのボビンが介挿されるとともに全体が箱状のケースに収容されている。
図2に、本願発明の第1の実施例に係るコア2の全体斜視図を示す。
本実施例では、3個の矩形状コアブロック5a,5b,5cをそれぞれ組み付けることにより一対の平行状I字部5,5を構成するとともに、これらI字部の両端部に略U字状のコアブロック4,4を接続して略長円状の環状コア2が形成されている。上記各コアブロック4,5a,5b,5cの間には、非磁性体であるセラミック材料から形成されたスペーサ6がそれぞれ介挿されている。
図2に示すように、上記略U字状コアブロック4は、上記I字部5の断面に対して、略U字状コアブロックの軸芯から外周に向かう方向へのコア断面積と、軸方向に沿う方向(紙面では上下方向)へのコア断面積を大きくした形態に形成されている。上記コア断面積を大きくすることにより、上記I字部5と上記略U字状コアブロック4との接続部には、段部7,8が形成されている。そして、図1に示すように、この段部7,8を埋めるようにして、上記コイル3が巻き回される。
図3に、上記構成のコア2における磁束8の状態を模式的に示す。図3に示すように、コイル3が巻き回されたI字部5においては、直線状の磁束が生じている。一方、上記略U字状コアブロック4の部分ではコア断面積が、I字部より大きくなるため、その分磁束が広がって磁束密度が低下している。これにより、上記略U字状コア4の部分における損失を低下させて、リアクトルの効率を向上させることが可能となる。
また、図1から明らかなように、本実施例では、上記略U字状コアブロック4のコア断面積を、I字部5に巻き回されたコイル3の厚さに対応した分だけ増加させ、コイル3を上記コア断面積の増加により生じた段部7,8を埋めるように巻き回している。このため、リアクトル1の全体の寸法や形態をほとんど変更することなく、性能を向上させることが可能となる。
図4に本願発明の第2の実施例を示す。
この実施例では、図2に示す第1の実施例において、段部7,8に面取部11,12を設けたものである。
図2に示す実施例では、略U字状コアブロック4とI字部5の接続部において、U字状コアブロック4の内周角部9が、I字部5の内周角部から立ち上がるように形成されている。このため、上記I字部5の内周部から上記角部9の近傍に向かう漏れ磁束が生じる恐れがある。
図4に示す実施例においては、図2に示す上記角部9を三角錐状に切り欠くことにより面取部11を設けている。上記面取り部11を設けることにより、上記I字部5の内周縁部と上記U字状コアブロック4の内周部との間の距離を大きくしてこれら部分間の漏れ磁束を生じにくくしている。
また、図3に示す磁束の形態から明らかなように、コア断面積の増加によって上記磁束が外方に広がるようにして磁束密度が低下するのであるが、コア断面積が急に増加しても磁束は徐々に広がる。このため、上記略U字状コアにおける接続端面の外周角部近傍は、磁束密度低下に対する効果が小さい。したがって、この部分を切り欠いて面取り部12を設けることにより、性能を低下させることなくコア材料を少なくすることが可能となる。
特に、上記U字状コアブロック4に圧粉形成体を採用する場合には、角部が欠けるのを防止できるとともに、コア全体の重量を減少させる効果も期待できる。
なお、上述した実施の形態では、一対のI字部と略U字状コアブロックから形成される環状コアを備えるリアクトル1に本願発明を適用したが、他の形態の環状コアを備えるリアクトルに本願発明を適用することができる。
また、実施の形態では、圧粉成形されたコアを備えるリアクトルに本願発明を適用したが、ケイ素鋼板を積層して形成したコアを備えるリアクトルや、異なる材料から形成されたコアを備えるリアクトルに本願発明を適用することができる。
さらに、第2の実施形態において、上記略U字状部の上記I字部に対する接続端面における内周角部及び/又は外周角部を切除したが、切除する範囲及び切除形態も限定されることはない。漏れ磁束を低減させ、あるいは磁束密度の低下に影響ない範囲で切除すればよい。
本願発明は、上述の実施例に限定されることはない。今回開示された実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願発明の第1の実施例に係るリアクトルの外観を示す斜視図である。 図1に示すリアクトルのコアの外観を示す斜視図である。 図1に示すリアクトル内の磁束の状態を模式的に示す断面図である。 本願発明の第2の実施例に係るコアの形態を示す図であり、図2に相当する斜視図である。
符号の説明
1 リアクトル
2 コア
3 コイル

Claims (6)

  1. 磁性体から形成された環状のコアと、このコアの所定部分の外周に巻き回されたコイルとを備えるリアクトルであって、
    上記コイルを巻き回した部分以外の磁束方向と直交するコア断面積を、上記コイルを巻き回した部分のコア断面積より大きく設定した、リアクトル。
  2. 上記環状コアの内方以外の方向に向けて上記コア断面積を増加させた、請求項1に記載のリアクトル。
  3. 上記コイルが巻き回された一対の平行状I字部と、これらI字部の両端部に接続された略U字状部とから上記環状コアを構成するとともに、
    上記略U字状部のコア断面積を、上記I字部のコア断面積より大きく設定した、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のリアクトル。
  4. 上記I字部及び上記略U字状部を矩形断面状に形成するとともに、上記略U字状コアの内周側を除く方向にコア断面積が大きくなるように構成した、請求項3に記載のリアクトル。
  5. 上記略U字状部の上記I字部に対する接続端面における内周角部及び/又は外周角部を切除した、請求項3又は請求項4のいずれかに記載のリアクトル。
  6. 少なくとも上記略U字状部が圧粉成形された磁性体から形成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載のリアクトル。
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