JP2008155657A - 電動パワーステアリング装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より一層滑らかな操作性を提供することができる電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置の製造方法を提案する。
【解決手段】電動パワーステアリング装置において、減速ギヤボックスにおけるウォームシャフトの軸線延長上に、該ウォームシャフトの端面を露出させる開口部を設けるようにした。またかかる電動パワーステアリング装置の製造方法において、予め電動モータ単体の回転作動トルク変動を測定して作動トルクの低い角度で該電動モータのモータシャフトを停止させ、ウォームシャフトのガタがなくなるまで該ウォームシャフトを回転させ、この状態で減速ギヤボックス内部のウォームシャフトとモータシャフトとを嵌合させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は電動パワーステアリング装置及びその製造方法に関し、例えば自動車等に用いられる電動パワーステアリング装置に適用して好適なものである。
従来、車両の電動パワーステアリング装置として、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を歯車装置により減速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステアリングホイールに印加された操舵力を補助して、車輪の操舵を行うように構成したものが知られている。このような電動パワーステアリング装置においては、ハウジング内に設けられた動力伝達機構を用いて、電動モータの回転を減速しつつ出力軸に動力を伝達している。
特開2005?67371号公報
このような電動パワーステアリング装置においては、より一層滑らかな操作性を提供することが望まれている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、操作性をより一層滑らかにし得る電動パワーステアリング装置及びその製造方法を提案しようとするものである。
電動パワーステアリング装置の操作性を低下させる要因としては、電動モータ自体の作動トルクの変動、電動モータの回転出力を減速して伝達する歯車装置におけるトルク変動が考えられる。そこで、本発明においては、これらを要因とする作動トルクの変動幅を抑制して滑らかな操作性を得るため、以下の手段を採用した。
本発明においては、電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置において、前記減速ギヤボックスに、前記ウォームシャフトの軸線延長上に、該ウォームシャフトの端面を露出させる開口部を設けるようにした。
本構成によれば、開口部を通じてウォームシャフトにアクセスできる。これにより製造の際に開口部を通して工具を挿入し、ウォームシャフトを回転させてバックラッシュを抑えた位置に調整することが可能となる。このギヤボックスに対してモータシャフトの回転角度が調整された電動モータを組み付けることにより、電動モータとウォームシャフトとの作動トルクの変動幅を抑えることができる。開口部は、ウォームシャフト軸線延長上であって電動モータとは反対側に位置して設けることができる。
前記ウォームシャフトの前記開口側端部に、該ウォームシャフトを軸周りに回転させるための工具が係合する係合部が設けられていてもよい。ウォームシャフトを回転させるためには係合部は必ずしも必要ないが、本構成のように係合部を設け、工具を係合部に係合させることで、ウォームシャフトを容易に回転させることが可能となる。この係合部が設けられている端部は、端面のほか、端面近傍の周面でもあって良い。
前記係合部は、前記ウォームシャフト端面に設けられた溝とすることができる。この溝として、例えば、十字溝等を採用できる。この溝は、汎用の工具(ドライバー等)に合わせた形状とすることができる。これにより汎用の工具を使用してウォームシャフトをより容易に回転させることができる。
また本発明においては、電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置において、前記ウォームシャフトの端部に、該ウォームシャフトを軸周りに回転させる工具と係合するための係合部を設けるようにした。
本構成によれば、工具を係合部に係合させることで、ウォームシャフトを容易に回転させることができる。この係合部が設けられている端部は、端面のほか、端面近傍の周面でもあって良い。これにより製造の際に、ウォームシャフトを容易に回転させてバックラッシュを抑えた位置に調整することが可能となる。このギヤボックスに対してモータシャフトの回転角度が調整された電動モータを組み付けることにより、電動モータとウォームシャフトとの作動トルクの変動幅を抑えることができる。
さらに本発明においては、電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置の製造方法において、予め前記電動モータ単体の回転作動トルク変動を測定して作動トルクの低い角度で該電動モータのモータシャフトを停止させる第1のステップと、前記ウォームシャフトのガタがなくなるまで該ウォームシャフトを回転させる第2のステップと、この状態で前記減速ギヤボックス内部の前記ウォームシャフトと前記モータシャフトとを嵌合させる第3のステップとを備える。
本構成によれば、電動モータを作動トルクの低い位置に合わせ、ウォームシャフトとウォームホイールとのバックラッシュとを抑えた状態にして、モータとウォームシャフトとを嵌合させる。これにより、モータ作動トルク最低位置とバックラッシュとが合わないことになるためにトルクの変動幅が抑えられる。好ましくは、バックラッシュを抑える際に、ギヤボックスの出力軸を固定する。電動モータを作動トルクが低い位置に合わせるほど、変動幅を小さくすることができる。
前記電動モータのモータシャフトを、作動トルクが最低となる角度で停止させるようにしてもよい。電動モータの作動トルクが最低の位置で減速ギヤボックスに組み付けられることで、変動幅の抑制を効果的に行なうことができる。
また、前記電動モータ端子間をショートさせることにより前記モータシャフトを停止させるようにしてもよい。
さらに、前記減速ギヤボックスに設けられた開口部を通して工具を挿入し、該工具により前記ウォームシャフトを回転させてバックラッシュを抑え、前記電動モータ取り付け後には、前記開口部を気密性の高い素材により封止するようにしてもよい。本構成によれば、工具を挿入してウォームシャフトを回転させるために設けられた開口部を、作業後に封止する。これにより、異物、水等の侵入を抑えることができる。
本発明によれば、作動トルク変動幅が小さくなることにより、電動パワーステアリング装置をよりスムーズに操作することが可能となる。
以下、図面について本発明の一実施の形態を詳述する。
図1は、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の車室側部分を示す側面図であり、同図中の符号1は傾斜配置されたステアリングコラムを示す。ステアリングコラム1は、鋼板製のアッパブラケット3を介して車体側メンバ5に固定された鋼管製のアッパステアリングコラム(以下、これをアッパコラムと呼ぶ)7と、鋼板製のロアブラケット9を介して車体側メンバ5に固定されたアルミ合金鋳造品の減速ギヤボックス11とから構成されている。本実施の形態の電動パワーステアリング装置には衝撃吸収機構(コラプシブル機構)が組み込まれており、二次衝突時等に図示しない樹脂ピンが破断してアッパコラム7が脱落するが、煩雑になるためその詳細は省略する。図中、符号13で示した部材は、アッパコラム7と減速ギヤボックス11との間に介装された衝撃エネルギー吸収用の鋼板製ベローズである。
アッパコラム7にはアッパステアリングシャフト15が回動自在に支持されており、減速ギヤボックス11にはアウトプットシャフト17が回動自在に支持されている。また、アッパステアリングシャフト15の後端にはステアリングホイール19が装着される一方、アウトプットシャフト17の前端にはユニバーサルジョイント21を介してロアステアリングシャフト23が連結されている。減速ギヤボックス11は、鋼板製ベローズ13が上端に固着されたギヤボックス本体31と、ロアブラケット9と伴にギヤボックス本体31にボルト締めされたギヤボックスカバー33とからなっている。ギヤボックスカバー33には、電動モータ35がその側面に取り付けられるほか、ウォームピニオン37とウォームホイール39とからなるウォーム減速機構やトルクセンサ(図示せず)が内蔵されている。また、ギヤボックスカバー33には、アウトプットシャフト17を回動自在に支持するべく、前後一対のベアリング41,43が保持されている。
図2は減速ギヤボックスの縦断面図である。この図に示すように、ウォームピニオン37が中間部に形成されたウォームシャフト51は、一対のボールベアリング53,55を介して、ギヤボックス本体31内に回動自在に支持されている。ウォームシャフト51と両ボールベアリング53,55との間にはそれぞれ弾性部材たる圧縮コイルスプリング57,59が介装されており、ウォームシャフト51はこれらの圧縮コイルスプリング57,59を弾性変形させながら軸方向に所定量移動可能となっている。図2中、符号61はボールベアリング53,55と圧縮コイルスプリング57,59との間に介装されたブッシュを示し、符号63は電動モータ35側(以下、基端側と呼ぶ)のボールベアリング53を係止する止め輪を示している。
ウォームシャフト51は、その基端に円筒状のアダプタ73が取り付けられており、このアダプタ73を介して電動モータ35の出力軸75に連結されている。ギヤボックス本体31にギヤボックスカバー33は、ウォームシャフト51の軸線延長上に沿った位置であってウォームシャフト51に対して電動モータ35とは反対側に、例えば円柱状の開口部80が設けられている。この開口部80を通じて、ウォームシャフト51のモータ取り付け面とは反対の端面51Aが、ギヤボックス本体31の外部に露出している。ウォームシャフト51の端面51Aは、図3に示すように、十字状の溝(係合部)81が形成されている。溝81はドライバー等の工具により回転可能な形状の溝である。ウォームシャフト51がギヤボックス本体31に設置された状態で、溝81は開口部80を通じて外から工具によって操作可能となっている。
次に、本電動パワーステアリング装置の製造方法(組み立て方法)について説明する。まず、電動モータ35のロータを位置決めする。図4(A)に示すように、電動モータ35は、モータステータ35Aの内部に回転するモータシャフト(ロータ部)35Bを備える。モータステータ35Aは、三つのコイルを備え、モータシャフト35Bは6個の永久磁石を備える。電動モータ35のトルク特性として、図4(B)に示すように、モータシャフト35Bの回転角度によりトルク下限(矢印で示した)が周期的に発生する。
このトルク下限にてモータシャフト35Bを固定するために、まず、モータシャフト35Bの回転角度と作動トルクとの関係を予め測定しておく。電動モータ35を作動させ、作動トルクが最低となる角度で電動モータ35の端子をショートさせて回転を止める。
次に、図5に示すように、開口部80を通じてウォームシャフト51の溝81に所定の工具Aを係合させ、ウォームシャフト51を回転させる。この回転により、ウォームシャフト51のガタがなくなるように、ウォームシャフト51の回転位置を調整する。このとき、アウトプットシャフト17を固定し、ウォームホイール39が回転しないようにしておく。工具Aとしては一般的なドライバーを使用できる。
その後、電動モータ35の出力軸75先端をギヤボックス本体31に挿入し、ウォームシャフト51に対して組み付ける。図2に示すように、開口部80は、気密性の高い素材(例えば樹脂材)からなるキャップ83により封止する。
図6(A)はコラム作動トルク、図6(B)は電動モータ35単体の作動トルクである。ブラシレスモータの場合、電動モータ35に4対のマグネットが配置されているため、1回転当り4回のトルク変動が存在する。本実施の形態では、電動モータ35の作動トルクが最小となる位置を、ウォームギアのギヤ作動トルクが最大となる位置に対して組み付けるため、図6(C)に示すように、電動モータ35の作動トルクとウォームシャフトのトルクが最小となる位置がずれ、作動トルクの変動幅が小さくなる。図6(C)において符号Aは最小トルクが一致し変動幅が大きい従来例であり、符号Bは最小トルクがずれて変動幅が小さくなる本実施の形態に係る例である。
図7はブラシ付モータの場合である。ブラシ付モータの場合であっても、ステータにマグネットが配置され、偶数極(4,6,8等)の作動トルク変動が発生する。そのため、この場合も同様にモータの作動取トルクが最小となる位置を、ウォームギアのギヤ作動トルクが最大となる位置に対して組み付けることにより、作動トルクの変動幅が小さくなる。
このように、本実施の形態によれば、電動モータ35の作動トルクが最低となる位置と、減速ギヤボックス11のギヤ作動トルクが最大となる位置とで組み付けられるため、全体としての作動トルクの変動幅が小さくなる。従って、電動パワーステアリング装置をよりスムーズに操作することが可能となる。また、ウォームシャフト51に溝81が形成され、また、開口部80を通じて工具Aを挿入して操作できるため、容易にこのような組み付けを行なうことができる。また、調整後に開口部80を樹脂83により封止するため、異物、水等の侵入を抑えることができる。
なお、上記実施形態においては、ウォームシャフト51に設けられた係合部として十字状の溝81を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかる係合部の形状はこれに限られるものではない。またかかる係合部は端面51Aに設けられているものでなくても良く、ウォームシャフト51の端部周面に突起等の係合部が設けられていても良い。
本実施形態に係る電動ステアリング装置の車室側部分を示す側面図である。 同電動ステアリング装置減速ギヤボックスの縦断面図である。 ウォームピニオンの端部を拡大して示した斜視図である。 電動モータのステータ及びシャフトを模式的に示す模式図である。 電動ステアリング装置を製造する際の工程を示した部分図である。 (A)はコラム作動トルク、(B)は電動モータ単体の作動トルクを示す特性曲線図である。 ブラシ付モータにおける、(A)コラム作動トルク、(B)電動モータ単体の作動トルクを示す特性曲線図である。
符号の説明
11……減速ギヤボックス、15……ステアリングシャフト、35……電動モータ、35A……モータステータ、35B……モータシャフト、37……ウォームピニオン、39……ウォームホイール、51……ウォームシャフト、51A……端面、75……出力軸、80……開口部、81……溝、83……キャップ、A……工具。

Claims (8)

  1. 電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置において、
    前記減速ギヤボックスは、前記ウォームシャフトの軸線延長上に、該ウォームシャフトの端面を露出させる開口部を備える
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記ウォームシャフトの前記開口側端部に、該ウォームシャフトを軸周りに回転させる工具と係合するための係合部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記係合部は、前記ウォームシャフト端面に設けられた溝である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置において、
    前記ウォームシャフトの端部に、該ウォームシャフトを軸周りに回転させる工具と係合するための係合部が設けられた
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 電動モータの出力軸に連結され、その一部にウォームピニオンが形成されたウォームシャフトと、ステアリングシャフトと同軸に連結され、前記ウォームピニオンと歯合するように配置されたウォームホイールと、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールとを収納・保持する減速ギヤボックスとを有する電動パワーステアリング装置の製造方法において、
    予め前記電動モータ単体の回転作動トルク変動を測定して作動トルクの低い角度で該電動モータのモータシャフトを停止させる第1のステップと、
    前記ウォームシャフトのガタがなくなるまで該ウォームシャフトを回転させる第2のステップと、
    この状態で前記減速ギヤボックス内部の前記ウォームシャフトと前記モータシャフトとを嵌合させる第3のステップと
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置の製造方法。
  6. 前記第1のステップでは、前記電動モータのモータシャフトを、作動トルクが最低となる角度で停止させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の電動パワーステアリング装置の製造方法。
  7. 前記第1のステップでは、
    前記電動モータ端子間をショートさせることにより前記モータシャフトを停止させる
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電動パワーステアリング装置の製造方法。
  8. 前記電動モータ取り付け後に、前記減速ギヤボックスの前記開口部を気密性の高い素材により封止する
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の製造方法。
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