JP2008178582A - 滅菌水供給システムの滅菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便で、しかも、滅菌の際に、外部の菌が侵入する恐れのない構成の簡単な滅菌水供給システムの滅菌方法を提供すること。
【解決手段】注射用水その他の滅菌水を収容した貯水タンクとユースポイントの弁類間を循環配管で接続し、貯水タンク中の滅菌水をポンプで循環配管中に循環させるようにした滅菌水供給システムの滅菌方法において、循環配管中を流れる滅菌水を、121℃以上の温度に加熱して循環させる。加熱手段としては、配管の外周にジャケットを設け、このジャケット内に加熱水蒸気を供給して配管を介して外部から滅菌水を加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、注射用水のような滅菌水の供給システムの滅菌方法に関する。
一般に、注射用水のような滅菌水は、精製水の蒸留又はRO膜やUF膜を用いた超濾過法により製造され、貯水タンクとユースポイントの弁類間を循環配管で接続した循環系内をポンプで循環され、随時ユースポイントの弁類を介して使用される。
一般に最終滅菌を適用できる医薬品は、10−6以下の無菌性保障水準が得られる条件での滅菌が必要とされ、注射液に用いる注射用水にもこの基準が適用されている。
10−6以下の無菌性保障水準は、物理的及び微生物学的手法に基づく滅菌工程のバリデーションを通して証明できるものであり、滅菌製品の無菌試験により証明できるものではない。ここで、バリデーションとは、工程が恒常的にあらかじめ定めた規格に適合していることを示すための、計画、実施及び記録とその解釈のために必要なデータを得るための方法を文書化したものである。
特に、注射用水の場合には、注射液中に、微生物由来のパイロジェン(発熱性物質)が存在してはならないため、従来から、滅菌水供給システムを定期的に過熱水蒸気で高温滅菌することが行われている。
従来の、滅菌水供給システムの滅菌方法は、系内から滅菌水を抜き取り、過熱水蒸気を系内に通過させて、滅菌水が通過するタンク、弁類、配管等を121℃以上の温度に加熱することにより行われていた。
この滅菌作業は、工場によっては毎月、状況によっては毎週行うことが要請されている。
しかしながら、このような従来の滅菌方法では、過熱水蒸気による滅菌に先立って内部の滅菌水を抜く必要があり、このとき過熱蒸気を通さないまま水抜弁を開放するため、水抜き直後に負圧になって外部の菌が水抜弁内に侵入する恐れがあった。
また、水抜弁は、過熱蒸気を流したときに閉じられているため、水抜弁の近傍がコールドスポットになり、滅菌が完全に行われない恐れがあった。
さらに、水抜弁やそのための付属の配管を必要とするため、システムがその分だけ複雑になってしまうという問題もあった。
上述したように、従来の滅菌水供給システムの滅菌方法では、過熱水蒸気による滅菌に先立って内部の滅菌水を抜く必要があり、このとき過熱蒸気を通さないまま水抜弁を開放するため、水抜き直後に負圧になって外部の菌が水抜弁内に侵入する恐れがあった。
また、水抜弁の近傍がコールドスポットになり、滅菌が完全に行われない恐れもあった。
さらに、水抜弁やそのための付属の配管を必要とするため、システムがその分だけ複雑になってしまうという問題もあった。
本発明は、かかる従来の問題を解消すべくなされたもので、簡便で、しかも、滅菌の際に、外部の菌が侵入する恐れのない構成の簡単な滅菌水供給システムの滅菌方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の滅菌水供給システムの滅菌方法は、注射用水その他の滅菌水を収容した貯水タンクとユースポイントの弁類間を循環配管で接続し、前記貯水タンク中の滅菌水をポンプで前記循環配管中に循環させるようにした滅菌水供給システムの滅菌方法において、前記循環配管中を流れる滅菌水を、121℃以上の温度に加熱して循環させることを特徴とする。
本発明によれば、滅菌水供給システム内を循環する滅菌水自体を121℃以上の温度に加熱するので、滅菌水が伝熱媒体となって、滅菌水がシステムを循環する過程で接触するあらゆる部分が加熱滅菌される。滅菌水の加熱は、121℃以上の温度で少なくとも30分間行うことが望ましい。
水は、比熱が大きいため、熱の伝播は、迅速に行なわれるが、滅菌水が121℃以上の所定の温度にまで加熱されても、実際には、循環する過程でシステムから外周への伝熱や輻射により熱が奪われるため加熱源から離れるにつれて滅菌水の温度は低下し、加熱源からユースポイントまでの間にはある程度の温度勾配が生じる。
そこで、本発明の滅菌水供給システムの滅菌方法では、熱が奪われやすい管路を断熱材で覆って放熱を防ぐとともに、循環系内のコールドポイントの温度が121℃以上になるように、加熱ポイントでの滅菌水の加熱温度を設定する必要がある。
循環水の加熱は、循環系の貯水タンク直前の区間の配管の外周に加熱源を配置して行うことが望ましいが、循環システムの中での温度勾配をできるだけ少なくするには、配管以外に、熱容量の大きい貯水タンクにも、過熱源を配置して貯水タンク自体も加熱することが好ましい。
滅菌水の加熱方法としては、
(1)過熱蒸気による熱交換器を用いる方法。
(2)配管等の近傍に誘導コイルを配置して配管等を誘導加熱する方法。
(3)電熱線を配管外周に巻回して配管を電熱により加熱する方法。
等がある。
過熱蒸気による熱交換器を用いる方法としては、循環配管及び/又は貯水タンクの外周に所定の長さにわたって蒸気ジャケットを形成し、この蒸気ジャケット内に過熱水蒸気を供給して循環配管や貯水タンクを介して過熱水蒸気の熱で滅菌水を過熱するようにする。
121℃以上の水の水蒸気圧は、次のように大気圧(0.1M・Pa)以上になるので、滅菌水供給システムは、この温度及び圧力に耐えるだけの耐熱性・耐圧性の材料及び構造とする必要がある。
120℃……0.198M・Pa
122℃……0.211M・Pa
124℃……0.223M・Pa
126℃……0.239M・Pa
構成材料として、低炭素、ハイグレードのステンレス316Lを用い、滅菌水と接触する表面は電解研磨したものを使用し、弁類も金属とダイヤフラム膜だけが滅菌水と接触するダイアフラム弁を使用するようにする。
また、(2)の配管等の近傍に誘導コイルを配置して配管等を誘導加熱する方法としては、、貯水タンク、循環配管あるいはポンプの近傍に、誘導コイルを配置し、この誘導コイルに高周波電流を供給して、貯水タンク、循環配管あるいはポンプに渦電流を発生させて抵抗発熱するようにする。
また、(3)の電熱線を配管外周に巻回して配管を電熱により加熱する方法は、貯水タンクや循環配管の外周に、シーズ線やバンドヒーターのような電熱線を配設して加熱する方法である。
いずれの場合でも滅菌水供給システムの要所要所に温度センサーを配設して、この温度センサーの出力信号により、上記(1)の過熱蒸気の供給を断続させる電磁開閉弁や(2)、(3)の電源スイッチ等の開閉を制御する制御手段を設けて、滅菌水が121℃以上の温度を維持するようにフィードバック制御することが望ましい。
本発明によれば、滅菌水供給システムの水を抜くことなくシステムの滅菌をすることができるので、水抜きのための機構や水抜きの手数が省ける上に、水抜きの際に外部の菌類が逆流して滅菌水供給システム内に菌が入るのを防止することができる。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例
この実施例の滅菌水供給システムは、滅菌水を貯留する貯水タンク1と、この貯水タンク1とユースポイントのダイアフラム弁2a,2bとを接続する往路配管3aとユースポイントのダイアフラム弁2a,2bと接続する復路配管3bと、往路配管3aに配設された循環ポンプ4とから構成されている。
貯水タンク1には、給水配管5から蒸留水又は除菌UF水が供給されている。また貯水タンク1の滅菌水は、ドレン配管6により排水可能とされている。
符号7は、貯水タンク1を、往路配管3a、復路配管3bから切り離すためのバイパス配管であり、8a〜8dは滅菌水の経路を替えるエアで作動する開閉弁である。開閉弁8a〜8gは、循環、滅菌、給水、排水等のモードに応じて自動的に開閉動作を行なうように構成されている。
復路配管3bの貯水タンク1寄りの外周には蒸気套管(ジャケット)が形成され、この蒸気套管は過熱蒸気配管9を蒸気弁10を介して過熱蒸気源11に接続されて二重管式の熱交換器12を構成している。なお蒸気弁10は、下流の復路配管3bの外周に設置された温度センサー13により自動的に設定温度になるようにフィードバック制御される。
なお、滅菌水供給システムを構成する給水タンク1や各種配管類には、ステンレス316Lが使用され、滅菌水と接触する表面は電解研磨加工されている。
ちなみに、この滅菌水供給システムの貯水タンク1の容量は10〜20m3、ポンプの出口圧は3〜5kg/cm2、配管の内径50mmφ、循環水量は20ton/時間、過熱蒸気圧は4〜5気圧である。
この滅菌水供給システムの貯水タンク1には、給水配管5から無菌状態の蒸留水が供給され、この蒸留水は、循環ポンプ4により往路配管3a、ユースポイントを経て復路配管3bから貯水タンク1に循環させて使用される。このとき、熱交換器12により蒸留水は80℃程度にまで加温されている。
この滅菌水供給システムは、毎週、次の方法で滅菌処理が施される。
すなわち、滅菌処理に際しては、熱交換器の滅菌水加熱温度は、例えば125℃に設定され、温度センサー13が125℃を検出するまで、蒸気弁10は全開とされ滅菌水に熱を供給し続ける。
このようにして、温度センサー13が125の温度を検出すると、この状態でさらに、30分間加熱滅菌が続けられて循環する蒸留水が滅菌される。
このようにして、配管内の滅菌が済むと蒸気弁10が絞られて滅菌水は再び80℃の温度とされ循環が続けられる。
なお、以上の実施例では、滅菌水を加熱する熱源として、過熱水蒸気を使用した例につき説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、本実施例の水蒸気加熱に換えて電熱線を配管等の外周に巻回したり誘導コイルを配管近傍に配置して、これらを加熱することも可能である。
また、加熱する位置も配管外周に限らず、熱容量の大きいタンク外周を加熱したり、複数個所で加熱するようにしてもよい。
本発明の一実施例のシステム構成図である。
符号の説明
1……貯水タンク
2a,2b……ダイアフラム弁
3a……往路配管
3b……復路配管
4……循環ポンプ
5……給水配管
6……ドレン配管
7……バイパス配管
8a〜8g……開閉弁
10……蒸気弁
11……過熱蒸気源
12……熱交換器
13……温度センサー

Claims (8)

  1. 注射用水その他の滅菌水を収容した貯水タンクとユースポイントの弁類間を循環配管で接続し、前記貯水タンク中の滅菌水をポンプで前記循環配管中に循環させるようにした滅菌水供給システムの滅菌方法において、
    前記循環配管中を流れる滅菌水を、121℃以上の温度に加熱して循環させることを特徴とする滅菌水供給システムの滅菌方法。
  2. 前記滅菌水供給システムの滅菌水と接触する部材はステンレスからなり、該部材の滅菌水と接触する表面は電解研磨加工が施されていることを特徴とする請求項1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  3. 滅菌水の加熱は、121℃以上の温度で少なくとも30分間持続させることを特徴とする請求項1又は2記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  4. 滅菌水の加熱は、循環系内のコールドポイントの温度が121℃以上になる条件で行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  5. 加熱は、貯水タンク直前の循環配管の外周に熱交換器を装着して行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  6. 加熱は、循環配管の外周にジャケットを装着し、該ジャケットに過熱水蒸気を供給して行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  7. 滅菌水供給システムの滅菌水の循環系は、滅菌条件における過熱水蒸気の温度及び圧力に耐える材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
  8. 加熱は、前記貯水タンク及び/又は配管の近傍に配設した熱交換器による間接加熱か、又は前記貯水タンク及び/又は配管の近傍に配設した誘導コイルによる誘導加熱により行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の滅菌水供給システムの滅菌方法。
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