JP2008281116A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な制振効果により各種の異音の発生を確実に防止することができるディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】例えば前進制動の開始時には、ホルダ8の側壁部によりディスクロータの軸方向への変形が抑制された制振部材9がマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cとホルダ8との間に挟まれてディスクロータの周方向および径方向に圧縮変形しつつその周辺のブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cやマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cの振動を吸収する。そして、この制振部材9の縦片部9Aおよび横片部9Bが充分な制振効果を発揮することで、前進制動の開始時におけるクロンク音の発生が確実に防止される。
【選択図】図5
【解決手段】例えば前進制動の開始時には、ホルダ8の側壁部によりディスクロータの軸方向への変形が抑制された制振部材9がマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cとホルダ8との間に挟まれてディスクロータの周方向および径方向に圧縮変形しつつその周辺のブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cやマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cの振動を吸収する。そして、この制振部材9の縦片部9Aおよび横片部9Bが充分な制振効果を発揮することで、前進制動の開始時におけるクロンク音の発生が確実に防止される。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば車両に制動装置として装備されるディスクブレーキ装置に関するものである。
一般に、ディスクブレーキ装置は、ディスクロータの両面のロータ面にそれぞれブレーキパッドを押圧して摩擦接触させ、このブレーキパッドにディスクロータから入力されるブレーキトルクをブレーキパッドの端部のトルク伝達部から車体側のマウンティング(トルクメンバ)のトルク受部に伝達し、このトルク受部でブレーキトルクを受け止めて制動力を得るように構成されている。
ここで、ブレーキパッドは、ディスクロータのロータ面に押圧されて摩擦接触するパッド部材に裏金が接合された構造を有し、この裏金の両端部には、通常、凸片状のトルク伝達部が一体に形成されている。これに対応して、マウンティングには、裏金の凸片状の各トルク伝達部を係止する一対の凹溝状のトルク受け部が形成されている。そして、マウンティングの凹溝状のトルク受け部には、裏金の凸片状のトルク伝達部をディスクロータの回転軸と平行に摺動自在に保持するサポートクリップ(サポートスプリング)が装着されている(例えば特許文献1、2参照)。
この種のディスクブレーキ装置においては、クロンク音、ラトル音、クリープグローン音などの各種の異音が発生することがある。なお、クロンク音は、車両の制動開始時にブレーキパッドのトルク伝達部がディスクロータの周方向に沿ってマウンティングのトルク受部に衝突することで発生する。ラトル音は、車両の非制動時にブレーキパッドが振動してそのトルク伝達部がマウンティングのトルク受部を打つことで発生する。クリープグローン音は、AT車の発進時に制動が解除されてディスクロータが滑り出す際に、ブレーキパッドが振動してその周辺が共振することで発生する。
そこで、従来、クロンク音の発生を防止すると共に、車両の後進制動時に発生するブレーキ鳴き現象を抑制するようにしたディスクブレーキ装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。このディスクブレーキ装置は、車両の前進時にディスクロータの回入側となるマウンティング(キャリパ)のトルク受面とブレーキパッドの裏金のトルク伝達面との間に、弾性加圧部を有するスペーサを介設したものであり、このスペーサの表面には制振用の被覆が設けられている。
特開2006−90464号公報
特開2006−105205号公報
特開平6−16735号公報
ところで、特許文献3に記載されたような従来のディスクブレーキ装置では、制動を繰り返すとスペーサの弾性加圧部が潰れてしまい、その効果を失ってしまう。また、スペーサの表面に設けられた制振用の被覆は、その質量が充分に得られないため、弾性変形による充分な制振効果が期待できない懸念がある。
そこで、本発明は、充分な制振効果により各種の異音の発生を確実に防止することができるディスクブレーキ装置を提供することを課題とする。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、制動時にディスクロータからブレーキパッドに入力されるブレーキトルクをブレーキパッドのトルク伝達部からマウンティングのトルク受部に伝達して受け止めるように構成されたディスクブレーキ装置であって、マウンティングのトルク受部とブレーキパッドのトルク伝達部との間には弾性変形可能な制振部材が介設されており、マウンティングのトルク受部には、制振部材がディスクロータの軸方向に弾性変形するのを抑制する変形抑制部材が装着されていることを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキ装置では、制動開始時にディスクロータからブレーキパッドにブレーキトルクが入力されると、ブレーキパッドのトルク伝達部が制振部材を介してマウンティングのトルク受部に当接し、このトルク受部がブレーキパッドからのブレーキトルクを受け止めることで制動力が発生する。
この制動開始時には、変形抑制部材によりディスクロータの軸方向への弾性変形が抑制された制振部材がブレーキパッドのトルク伝達部とマウンティングのトルク受部との間に挟まれてディスクロータの周方向および径方向に弾性変形しつつブレーキパッドのトルク伝達部およびマウンティングのトルク受部の振動を吸収する。そして、この制振部材が充分な制振効果を発揮することで、制動開始時のクロンク音の発生が確実に防止される。
また、ブレーキパッドのトルク伝達部とマウンティングのトルク受部との間に介設された制振部材は、ディスクブレーキ装置の非制動時にブレーキパッドが振動する際にも、ブレーキパッドのトルク伝達部およびマウンティングのトルク受部の振動を吸収するため、ラトル音の発生も確実に防止される。
さらに、ブレーキパッドのトルク伝達部とマウンティングのトルク受部との間に介設された制振部材は、ディスクブレーキ装置の制動が解除されてディスクロータが滑り出す際にブレーキパッドが振動する場合にも、ブレーキパッドのトルク伝達部およびマウンティングのトルク受部の振動を吸収するため、クリープグローン音の発生も確実に防止される。
本発明のディスクブレーキ装置において、制振部材がディスクロータの周方向または径方向に弾性変形する際の変形量を受容する変形量受容部がマウンティングのトルク受部に設けられていると、制振部材の弾力性が安定してその制振機能が安定化するので好ましい。この変形量受容部は、マウンティングのトルク受部に形成された溝または凹部で構成することができる。
また、制振部材がディスクロータの周方向または径方向に所定量を超えて弾性変形するのを規制する変形量規制部がマウンティングのトルク受部に設けられていると、制振部材の耐久性が向上し、その制振機能が長期にわたって維持されるので好ましい。この変形量規制部は、ブレーキパッドのトルク伝達部に向けてマウンティングのトルク受部に形成された突部で構成することができる。
さらに、制振部材が変形抑制部材により覆われていると、ディスクロータからの輻射熱が変形抑制部材により遮蔽されて制振部材の熱劣化が防止されるので好ましい。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、ブレーキパッドのトルク伝達部とマウンティングのトルク受部との間に介設された制振部材がブレーキパッドのトルク伝達部およびマウンティングのトルク受部の振動を吸収するため、クロンク音、ラトル音、クリープグローン音などの異音の発生を確実に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明に係るディスクブレーキ装置の最良の実施形態を説明する。参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ装置の外観を示す斜視図、図2は図1に示した一方のブレーキパッドの装着状態を示すマウンティングの正面図、図3は図2の左半分の部分拡大図、図4は図3のIV−IV線断面図である。
一実施形態に係るディスクブレーキ装置は車両用に構成されており、例えば図1に示すように、車軸のハブ1に固定されて一体に回転するディスクロータ2と、図示しない車体のサスペンションパーツ等に支持されてディスクロータ2の外周部を跨ぐように配置されたマウンティング(トルクメンバ)3と、このマウンティング3に一対のスライドピン4,4を介してディスクロータ2の回転軸と平行にスライド可能に装着された浮動式のキャリパ5と、このキャリパ5とディスクロータ2との間に配設される内外一対のブレーキパッド6(外側の一方のみ図示し、内側の他方は図示を省略する)とを備えている。
キャリパ5は、ディスクロータ2の外周部を跨いで配置されており、ディスクロータ2の外周部の外側ロータ面2Aに対面するキャリパ5の外端部には、外側のブレーキパッド6をディスクロータ2の外側ロータ面2Aに押圧する一対の爪部5A,5Aが設けられている。また、ディスクロータ2の内側ロータ面に対面するキャリパ5の内端部には、内側のブレーキパッドをディスクロータ2の内側ロータ面に押圧するピストンが嵌挿されたシリンダ部5Bが設けられている。このシリンダ部5Bには、ピストンをディスクロータ2の回転軸と平行に進退させるように、図示しない車両のブレーキ配管を介してブレーキ油圧が供給される。
ここで、ディスクロータ2は、車両の前進時には例えば実線矢印の方向に回転し、車両の後退時には反対の破線矢印の方向に回転する。そして、車両の前進制動時および後退制動時には、ディスクロータ2の外側ロータ面2Aおよび内側ロータ面(図示省略)が内外一対のブレーキパッド6により押圧される。その際、ディスクロータ2の外側ロータ面2Aから外側のブレーキパッド6に入力されるブレーキトルクは、マウンティング3の外端側に形成された一対のアーム部3A,3Bに伝達されて受け止められる。なお、ディスクロータ2の内側ロータ面から内側のブレーキパッドに入力されるブレーキトルクを受け止めるように、マウンティング3の内端側にも一対のアーム部3A,3Bと同様の一対のアーム部(符号省略)が形成されている。
図2に示すように、キャリパ5の爪部5A,5Aによりディスクロータ2の外側ロータ面2Aに押圧される外側のブレーキパッド6は、マウンティング3の外端側に形成された一対のアーム部3A,3Bの間に配置されている。この外側のブレーキパッド6は、キャリパ5の爪部5A,5Aに対面する裏金6Aがディスクロータ2の外側ロータ面2Aに対面するパッド部材6Bに接合された構造を有する(図4参照)。そして、裏金6Aの一端部には角形凸片状の前進制動用トルク伝達部6Cが形成され、裏金6Aの他端部には同様の後退制動用トルク伝達部6Dが形成されている。なお、図示しない内側のブレーキパッドも外側のブレーキパッド6と同様に構成されており、その裏金の一端部には角形凸片状の前進制動用トルク伝達部が形成され、裏金の他端部には同様の後退制動用トルク伝達部が形成されている。
一方、マウンティング3のアーム部3Aには、ブレーキパッド6の裏金6Aの一端部に形成された角形凸片状の前進制動用トルク伝達部6Cをディスクロータ2の回転軸と平行に摺動自在に挟持するサポートクリップ7がホルダ8を挟み込んだ状態で装着されている。同様に、マウンティング3のアーム部3Bには、ブレーキパッド6の裏金6Aの他端部に形成された角形凸片状の後退制動用トルク伝達部6Dをディスクロータ2の回転軸と平行に摺動自在に挟持するサポートクリップ7がホルダ8を挟み込んだ状態で装着されている。
サポートクリップ7およびホルダ8がそれぞれ装着されたマウンティング3の一方のアーム部3Aと他方のアーム部3Bとは、図2に示したように左右対称に構成されているため、一方のアーム部3Aの構造のみを図3〜図5により説明し、他方のアーム部3Bの構造の説明は省略する。なお、マウンティング3の内端側の一対のアーム部も同様に構成されているため、その構造の説明は省略する。
図3に示すように、サポートクリップ7には、ブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cをディスクロータ2(図2参照)の径方向から挟持することで前進制動用トルク伝達部6Cをディスクロータ2の回転軸と平行に摺動自在に案内するガイド片7Aが形成されている。そして、このガイド片7Aには、マウンティング3のアーム部3Aを図4に示すようにディスクロータ2の回転軸に沿う前後の厚み方向から挟持する装着片7B,7Bが一体に形成されている。
ここで、図5に示すように、マウンティング3のアーム部3Aには、ディスクロータ2の回転軸と平行に延びる角形凹溝状の前進制動用トルク受部3Cが形成されており、この角形凹溝状の前進制動用トルク受部3C内には、ブレーキパッド6の角形凸片状の前進制動用トルク伝達部6Cがサポートクリップ7のガイド片7Aと共に嵌入している。そして、この角形凹溝状の前進制動用トルク受部3Cには、ホルダ8により覆われた状態で制振部材9が装着されている。
制振部材9は、弾性変形可能なゴムなどの弾性材からなり、図6に拡大して示すように、厚肉の縦片部9Aの上部に厚肉の横片部9Bが連続するカギ形に屈曲した外観を呈する。この制振部材9の幅寸法は、アーム部3Aの角形凹溝状の前進制動用トルク受部3Cの前後方向の幅寸法に一致している。そして、この制振部材9の縦片部9Aの上下方向中央部付近には、幅方向の両側から切欠き9C,9Cが形成されており、この切欠き9C,9Cの間に短柱状の連続部9Dが形成されている。
ホルダ8は、制振部材9がディスクロータ2の軸方向に沿う幅方向に膨張して弾性変形するのを抑制するための変形抑制部材を構成する。このホルダ8は、例えば鋼鈑のプレス加工品からなり、図6に拡大して示すように、制振部材9に対応したカギ形に屈曲することで制振部材9の幅方向の両端面を挟み込む幅広の側壁部8A,8Aと、カギ形に屈曲した制振部材9の縦片部9Aの内側面に接触する縦壁部8Bと、制振部材9の横片部9Bの内側面に接触する横壁部8Cとが一体に形成されている。そして、ホルダ8のカギ形に屈曲する幅広の側壁部8A,8Aは、図4に示すマウンティング3のアーム部3Aをディスクロータ2の回転軸に沿う前後の厚み方向から挟み込んでいる。
このようにマウンティング3のアーム部3Aに装着されたホルダ8は、図5に示すように、カギ形に屈曲した制振部材9の内側面に縦壁部8Bと横壁部8Cとが接触し、カギ形に屈曲した幅広の側壁部8A,8Aが制振部材9の幅方向の両端面に挟み込むことで、制振部材9を覆っている。このホルダ8の外面には、ディスクロータ2から制振部材9への輻射熱を効果的に遮断するためにセラミックコーティングが施されている。そして、このホルダ8の縦壁部8Bにサポートクリップ7のガイド片7Aを介してブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cが当接するように構成されている。
ここで、アーム部3Aの角形凹溝状の前進制動用トルク受部3Cには、制振部材9の縦片部9Aがディスクロータ2の周方向に圧縮されて弾性変形する際の変形量を受容する変形量受容部として、ディスクロータ2の軸方向に沿って延びる上下2本の逃げ溝3D,3Eが形成されている。この逃げ溝3D,3Eは、制振部材9の連続部9Dの上方および下方の縦片部9Aに対応した位置に形成されている。
また、アーム部3Aの角形凹溝状の前進制動用トルク受部3Cには、制振部材9がディスクロータ2の周方向および径方向に圧縮されて弾性変形する際に、その弾性変形量が所定量を超えるのを規制する変形量規制部として、ブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cに向けて突出するストッパ突部3F,3Gが形成されている。一方のストッパ突部3Fは、図6に示した制振部材9の切欠き9C,9C内に突出しており、その先端面とホルダ8の縦壁部8Bとの間には、制振部材9の縦片部9Aの厚みの半分程度のクリアランスが設けられている。他方のストッパ突部3Gは、図6に示した制振部材9の横片部9Bの先端部を係止した状態で突出しており、その先端面とホルダ8の横壁部8Cとの間には、制振部材9の横片部9Bの厚みの半分程度のクリアランスが設けられている。
以上のように構成された本実施形態のディスクブレーキ装置においては、図示しない車両のブレーキペダルにより制動操作されると、ブレーキペダルの踏み込み操作に応じたブレーキ油圧が図1に示したキャリパ5のシリンダ部5Bに供給されることでピストン(図示省略)が進出する。そして、このピストンが内側のブレーキパッド(図示省略)の裏金を押動することで、その反力によりキャリパ5の爪部5A,5Aが外側のブレーキパッド6の裏金6Aを押動する(図2参照)。
その結果、外側のブレーキパッド6のパッド部材6Bがディスクロータ2の外側ロータ面2Aに摩擦接触し、内側のブレーキパッド(図示省略)のパッド部材がディスクロータ2の内側ロータ面に摩擦接触する。こうしてディスクロータ2から外側のブレーキパッド6および内側のブレーキパッド(図示省略)にブレーキトルクが入力される。
ここで、図1の実線矢印の方向にディスクロータ2が正転している車両の前進制動時においては、ディスクロータ2から外側のブレーキパッド6および内側のブレーキパッド(図示省略)にブレーキトルクが入力されると、外側のブレーキパッド6がマウンティング3の外端側の一方のアーム部3Aに向かって移動し、内側のブレーキパッド(図示省略)がマウンティング3の内端側の一方のアーム部(図示省略)に向かって移動する。
そして、図5に拡大して示すように、外側のブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cがサポートクリップ7のガイド片7Aを介してホルダ8の縦壁部8Bを押圧することで、ディスクロータ2の外側ロータ面2Aから一方のブレーキパッド6に入力されるブレーキトルクがホルダ8の縦壁部8Bおよび制振部材9の縦片部9Aを介してマウンティング3の外端側の前進制動用トルク受部3Cに伝達される。
同様に、内側のブレーキパッド(図示省略)の前進制動用トルク伝達部がサポートクリップのガイド片を介してホルダの縦壁部を押圧することで、ディスクロータ2の内側ロータ面から内側のブレーキパッドに入力されるブレーキトルクがホルダの縦壁部および制振部材の縦片部を介してマウンティング3の内端側の前進制動用トルク受部3Cに伝達される。そして、マウンティング3の外端側の前進制動用トルク受部3Cおよび内端側の前進制動用トルク受部後(図示省略)がそれぞれブレーキトルクを受け止めることで前進制動状態となる。
このような前進制動の開始時には、制振部材9がマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cとホルダ8との間に挟まれてディスクロータ2の周方向および径方向に圧縮変形しつつその周辺の振動を吸収する。すなわち、ブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Cやマウンティング3の前進制動用トルク受部3Cの振動を吸収する。従って、前進制動の開始時におけるクロンク音の発生が確実に防止される。
なお、図1の破線矢印の方向にディスクロータ2が逆転している車両の後退制動時においても、その後退制動の開始時には、制振部材9がディスクロータ2の周方向および径方向に圧縮変形しつつその周辺の振動を吸収するため、前進制動の開始時と同様に、クロンク音の発生が確実に防止される。
ここで、制振部材9は、ホルダ8の側壁部8A,8Aによりディスクロータ2の軸方向への膨張変形が抑制されているため、充分な肉厚を保持した状態でディスクロータ2の周方向および径方向へ圧縮変形しつつ振動を吸収し、充分な制振効果を発揮する。また、制振部材9の縦片部9Aが圧縮変形される際には、縦片部9Aの一部が前進制動用トルク受部3Cの逃げ溝3D,3Eに受容されるため、縦片部9Aは、安定した弾力性を保持した状態で弾性変形しつつ振動を充分に吸収するようになり、その制振機能が安定化する。
さらに、制振部材9の縦片部9Aの圧縮変形量は、ホルダ8の縦壁部8Bが前進制動用トルク受部3Cのストッパ突部3Fに当接するまでの範囲に規制されており、制振部材9の横片部9Bの圧縮変形量は、ホルダ8の横壁部8Cが前進制動用トルク受部3Cのストッパ突部3Gに当接するまでの範囲に規制されている。このため、制振部材9は、圧縮変形が繰り返されてもヘタルことがなく、その耐久性が向上して制振機能が長期にわたって維持される。
また、制振部材9は、外面にセラミックコーティングが施されているホルダ8で覆われており、ディスクロータ2からの輻射熱はホルダ8により遮断されるため、制振部材9の熱劣化が防止される。
ここで、本実施形態のディスクブレーキ装置においては、非制動時の車両振動によりブレーキパッド6が振動しても、制振部材9がその周辺のブレーキパッド6などの振動を吸収するため、ラトル音の発生も確実に防止される。また、AT車の発進時に制動が解除されてディスクロータ2が滑り出す際にブレーキパッド6が振動しても、制振部材9がその周辺のブレーキパッド6などの振動を吸収するため、クリープグローン音の発生も確実に防止される。
すなわち、本実施形態のディスクブレーキ装置によれば、制振部材9の制振作用により、クロンク音、ラトル音、クリープグローン音などの異音の発生を確実に防止することができる。また、ディスクロータ2からの輻射熱による制振部材9の熱劣化も防止できる。そして、制振部材9の弾力性を安定させてその制振機能を安定化することができ、また、制振部材の耐久性を向上してその制振機能を長期にわたって維持することができる。
本発明のディスクブレーキ装置は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、図3〜図5に示した部分の構造は、図7〜図9に示すような構造に変更することができる。
図7〜図9に示す変更例では、図3に示したサポートクリップ7が省略されると共に、ブレーキパッド6の裏金6Aの角形凸片状の前進制動用トルク伝達部6Cが丸形凸片状の前進制動用トルク伝達部6Eに変更されている。これに対応して、図3に示したカギ形に屈曲するホルダ8および制振部材9がそれぞれ半円状に湾曲するホルダ10および制振部材11に変更されている。そして、図3に示したマウンティング3のアーム部3Aの角型凹溝状の前進制動用トルク受部3Cが半円凹溝状の前進制動用トルク受部3Hに変更されている。
ホルダ10は、図10に示すような半円状に湾曲した溝形に一体に形成されており、半円形の断面形状の溝底部10Aと、この溝底部10Aの幅方向の両側から外周側に突出する正面視半円形の側壁部10B,10Bと、溝底部10Aの上下の端部からそれぞれ外周側に突出して側壁部10B,10Bに連続する端壁部10C,10Cとを有する。
このホルダ10の側壁部10B,10Bは、図8に示すように、マウンティング3のアーム部3Aをディスクロータ2(図2参照)の回転軸に沿う前後の厚み方向から挟み込んでいる。そして、図9に示すように、ホルダ10の端壁部10C,10Cがアーム部3Aに形成された上下一対の係止突部3J,3Jにより係止されている。
このようにアーム部3Aの前進制動用トルク受部3Hに装着されたホルダ10は、溝底部10Aの内周面がブレーキパッド6の前進制動用トルク伝達部6Eをディスクロータ2の回転軸と平行に摺動自在に案内する。また、溝底部10Aの外周面が半円形の断面形状の制振部材11をアーム部3Aの半円凹溝状の前進制動用トルク受部3Hとの間に挟持する。
ここで、アーム部3Aの半円凹溝状の前進制動用トルク受部3Hには、制振部材11がディスクロータ2の周方向に圧縮されて弾性変形する際の変形量を受容する上下2本の逃げ溝3K,3Kと、制振部材11がディスクロータ2の径方向に圧縮されて弾性変形する際の変形量を受容する上下2本の逃げ溝3L,3Lとが形成されている。
図7〜図10に示したように構造が変更された変更例のディスクブレーキ装置では、その前進制動および後退制動の開始時に、半円状に湾曲する制振部材11がマウンティング3の半円凹溝状の前進制動用トルク受部3Hと半円状に湾曲した溝形のホルダ8との間に挟まれてディスクロータ2の周方向および径方向に圧縮変形しつつその周辺の振動を吸収する。その結果、前進制動および後退制動の開始時におけるクロンク音の発生が確実に防止される。
ここで、制振部材11は、ホルダ10の側壁部10B,10Bによりディスクロータ2の軸方向への膨張変形が抑制されているため、充分な肉厚を保持した状態でディスクロータ2の周方向および径方向へ圧縮変形しつつ振動を吸収し、充分な制振効果を発揮する。また、制振部材11が圧縮変形される際には、その一部が前進制動用トルク受部3Hの逃げ溝3K,3Kおよび逃げ溝3L,3Lに受容されるため、制振部材11は、安定した弾力性を保持した状態で弾性変形しつつ振動を充分に吸収するようになり、その制振機能が安定化する。
すなわち、この変更例のディスクブレーキ装置によれば、一実施形態のディスクブレーキ装置と同様に、制振部材11の制振作用によってクロンク音、ラトル音、クリープグローン音などの異音の発生を確実に防止することができる。また、制振部材11の弾力性を安定させてその制振機能を安定化することができる。
2…ディスクロータ、2A…外側ロータ面、3…マウンティング、3A,3B…アーム部、3C…前進制動用トルク受部、3D,3E…逃げ溝、3F…ストッパ突部、3G…ストッパ突部、…、5…キャリパ、5A…爪部、5B…シリンダ部、6…ブレーキパッド、6A…裏金、6B…パッド部材、6C…前進制動用トルク伝達部、6D…後退制動用トルク伝達部、7…サポートクリップ、7A…ガイド片、7B…装着片、8…ホルダ、8A…側壁部、8B…縦壁部、8C…横壁部、9…制振部材、9A…縦片部、9B…横片部、9D…連続部。
Claims (6)
- 制動時にディスクロータからブレーキパッドに入力されるブレーキトルクをブレーキパッドのトルク伝達部からマウンティングのトルク受部に伝達して受け止めるように構成されたディスクブレーキ装置であって、
マウンティングのトルク受部とブレーキパッドのトルク伝達部との間には弾性変形可能な制振部材が介設されており、
マウンティングのトルク受部には、前記制振部材がディスクロータの軸方向に弾性変形するのを抑制する変形抑制部材が装着されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。 - マウンティングのトルク受部には、前記制振部材がディスクロータの周方向または径方向に弾性変形する際の変形量を受容する変形量受容部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記変形量受容部は、マウンティングのトルク受部に形成された溝または凹部であることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
- マウンティングのトルク受部には、前記制振部材がディスクロータの周方向または径方向に所定量を超えて弾性変形するのを規制する変形量規制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディスクブレーキ装置。
- 前記変形量規制部は、ブレーキパッドのトルク伝達部に向けてマウンティングのトルク受部に形成された突部であることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記制振部材が前記変形抑制部材により覆われていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のディスクブレーキ装置。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015048886A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
| KR102477649B1 (ko) * | 2021-07-19 | 2022-12-14 | 조원봉 | 브레이크 장치용 캘리퍼 유닛 |
Citations (2)
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|---|---|---|---|---|
| JPH0285035U (ja) * | 1988-12-20 | 1990-07-03 | ||
| JP2006177443A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
-
2007
- 2007-05-10 JP JP2007126012A patent/JP2008281116A/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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