JP2008520175A - 永久磁石回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】可能か限り高い効率を有し、均一なトルク推移を得る。
【解決手段】回転子の内部に該回転子の回転軸(X)に平行に延びて設けられた複数の永久磁石(4)と、複数の永久磁石(4)の半径方向外側の長手縁部(8)領域にて、回転子の外周面に外側に開いて形成され、隣接する永久磁石(4)の長手縁部に対して円周方向に傾いて又は湾曲して延びて形成された複数の溝と、を備え、溝(6)は、そのいずれの中心線も、隣接する永久磁石(4)の長手縁部(8)と少なくとも1回交差し、回転子の周面における円周方向の幅が半径方向内部に位置する領域の幅よりも狭く、横断面形状が回転子の全長にわたって一定である、ことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ用の永久磁石回転子、及びそのような永久磁石回転子の製造方法に関する。
永久磁石モータの場合、永久磁石が回転子の円周面に配分されて配置されている。回転子を安価に構成する一つの方法は、ブロック状の永久磁石を用い、この永久磁石が、回転子内部で回転子の回転軸に平行に位置するものとする。この配置には、モータのトルク推移に、好ましくないピークや変動を生じるという欠点がある。均一なトルク推移を得るために、回転子の永久磁石の縁部領域にフリースペース又は溝を形成し、ここで磁束の流れを遮断又は減少させるという方法が知られている。これらの溝は、8の字形又は斜めに延びる形に形成されて、均一なトルク推移を得ている。しかし、回転子の外周面に溝を形成することは、回転子と固定子との間の空隙を大きくし、効率損失の原因となる。
したがって本発明は、可能か限り高い効率を有し、均一なトルク推移が得られるモータ用の永久磁石回転子を提供することを目的とする。
この目的は、請求項1に記載された特徴を有するモータ用の永久磁石回転子によって達成される。このような永久磁石回転子を製造するための特に有利な方法は、請求項15に記載された特徴によって達成される。好ましい実施形態を、従属請求項に記載した。
本発明による永久磁石回転子の場合、永久磁石は、回転子内部に、且つ回転子の回転軸に平行に設けられる。この場合、ブロック状の永久磁石を配設することができ、この磁石は、その幅が回転子内部の半径方向、又は接線方向に伸びている。半径方向外側の長手縁部の領域、即ち永久磁石の長手縁部のうち、回転子の外周面に最も近い縁部の領域には、回転子内部から外側に開口する溝が形成されている。この溝は、隣接する永久磁石の長手縁部に対して円周方向に傾いて、又は湾曲して延びている。即ち、回転子の円周面に沿ってある程度8の字状に位置する。これらの溝によって、回転子が回転するときのトルクピークは緩和され、均一なトルク推移が得られる。これらの溝を配設するに当たっては、いずれの溝の中心線も、隣接する永久磁石の長手縁部と少なくとも1回交差するようにする。これにより、永久磁石の長手縁部全体が回転子及び固定子の外周面に対して、この溝で磁気的に絶縁され、トルク推移が改善される。
さらに、この溝の円周方向における幅は、回転子の外周面における幅の方が、溝の半径方向内部領域における幅よりも狭い。この場合、溝の断面形状は、回転子の全長にわたって一定である。即ち、回転子における溝の断面は、回転子の全長にわたって、円周方向に8の字状に変位するが、他の部分では一定である。溝の幅が回転子の外周面で狭いことにより、溝領域における固定子と回転子との空隙を小さく抑えることができ、その結果、溝に起因した効率損失を最小限に抑えることができる。回転子内部に行くにつれて溝を拡幅することにより、溝の永久磁石に面した端部領域の幅を広くすることができる。その結果、溝がかなり斜めに形成されていても、その溝は永久磁石の長手縁部を十分に覆うことができ、この長手縁部領域で回転子コア内部における磁束を遮断することができる。半径方向内側の底部領域の幅を広くすることにより、回転子内部における磁石のN極とS極との間の磁束を磁石の長手縁部領域で遮断することができる。これにより、磁束が主として固定子を経由して導かれ、モータの高い効率が得られるようになる。
好ましくは、永久磁石と少なくとも同数の溝を設けて、これらの溝により、永久磁石の各終端縁部における十分な磁気的絶縁を得るものである。この場合、永久磁石を、回転子内で半径方向に向けて、又は回転子内で接線方向若しくは円の弦方向に向けて配設するとよい。
好ましくは、この回転子は、前もって製造され、長手方向に互いに接合された少なくとも二つの回転子モジュールからなるものである。この場合、いずれの回転子モジュールにも永久磁石片が配設されている。また、いずれの回転子モジュールもその外周面に部分溝を備えるものである。この場合、回転子モジュールが組み合わされたとき、個々の回転子モジュールの部分溝が組み合わされて溝を形成し、個々の回転子モジュールの永久磁石片が組み合わされて回転子の永久磁石を形成する。異なる回転子モジュールを組み合わせれば、異なる長さの回転子を形成することができる。組み立ての際には、個々の回転子モジュールを互いに接合すれだけでよい。従って、組み立てられた回転子に永久磁石を挿入する必要はなくなる。なぜなら、この永久磁石は、個々の永久磁石片から構成され、それら永久磁石片は、すでに回転子モジュール内に組み込まれているからである。従って、回転軸方向の長さの異なる回転子用として、長さの異なる永久磁石を用意する必要がない。個々の回転子モジュールの永久磁石片は、回転子全体を組み立てるとき次のように配設するとよい。即ち、一方の回転子モジュールの永久磁石片が、他方の回転子モジュールの永久磁石片と一直線に並ぶように配設する。このことは、各永久磁石片が回転子の全長にわたって、回転子の回転軸に平行に延びた永久磁石を形成することを意味する。個々の回転子モジュールにおける部分溝は、回転子モジュールを組み合わせるとき互いに接続されるように形成するとよい。これにより、回転子外周面に連続する溝を形成することができる。
上記は例えば次のようにして行うことができる。即ち、いずれの回転子モジュールの部分溝も、隣接する永久磁石片の長手縁部に対して斜めに傾いたものとする。この場合、回転子モジュールのいずれの終端面においても、部分溝の中心線と永久磁石片の長手縁部との間隔が円周方向に同一となるように予め決めておく。これにより、永久磁石片と部分溝とが、回転子モジュールの終端面において、常にそれぞれ所定の間隔を有するものとなる。従って、全ての回転子モジュールにおいて、同一な接続面が得られる。また、個々の回転子モジュールの終端面で、永久磁石片も部分溝も互いに一直線に並ぶように、又は互いに接続されるように、これら回転子モジュールを配置することが可能となる。このようにして、複数の永久磁石片が回転子の長手方向に組み立てられて隣接する永久磁石の領域に連続する溝が形成される。
さらに、好ましくは、いずれの部分溝もその中心線が、隣接する永久磁石片の長手縁部と少なくとも1回交差するものとする。これは、関連する部分溝が、半径方向外側において、関連する永久磁石片の長手縁部の上を斜めに延びることを意味する。部分溝が、永久磁石片の隣接する長手縁部と、ただ1回又は複数回交差する場合、円周方向におけるこの部分溝の縁部は、回転子モジュールの両端面で、永久磁石の関連する長手縁部のそれぞれ反対側に位置することを意味する。このような回転子モジュールから連続する溝を有する回転子を組み立てるためには、次のどちらかが必要である。即ち、回転子モジュールに傾きが反対向きの部分溝を設けるか、回転子モジュール自体の中に傾きが反対向きの部分溝を設けておくかのどちらかである。その結果、二つの回転子モジュールを、ある特定の角度で互いにねじられた位置に置くなら、これらモジュールの外周面に連続するジグザグ状の溝を形成することができる。
上記と異なる方法として、回転子モジュールにおける部分溝の中心線を隣接する永久磁石セグメントの長手縁部と複数回交差させることができる。部分溝の中心線が永久磁石片の長手縁部と2回又は他の複数回交差する場合、回転子モジュールの両端における部分溝の各終端は、永久磁石片の長手縁部に対して常に円周の同一方向に離れている。
さらに、好ましくは、回転子が少なくとも二つの回転子モジュールからなり、これら回転子モジュールは、回転子の回転軸の方向において長さが異なるものとする。これにより、回転子モジュールから組み立てられる長さの異なる回転子のその長さのグラデーション(変化)を細かくすることが可能となる。
回転子モジュールの少なくとも一つは、次のようにそれぞれ角度付けされた部分溝を有するのが好ましい。即ち、部分溝の中心線が、回転子モジュールの相対する両端面において、隣接する永久磁石の長手縁部から同一方向に同じ距離だけ離れるようにする。この種の配置は、特に上述の場合、即ち部分溝の中心線が回転子モジュールの隣接する長手縁部と2回又は複数回交差する場合に有利である。この配置によって、このように形成された回転子モジュール全てを任意に組み合わせることができるようになる。この場合、個々の回転子モジュールの部分溝は、個々の回転子モジュール間の接合面で接触することになる。その結果、連続する溝を回転子の外周面に形成することができる。従って、個々の回転子モジュールの部分溝は、個々の回転子モジュール間の接合面で互いに繋げて、回転子モジュール間の接合面で溝に角部又は折曲部が形成されるようにするのが望ましい。
溝及び/又は部分溝は、隣接する永久磁石又は永久磁石片の長手縁部に対して例えばジグザグ状に延びている。溝のジグザグ形状は、次のどちらかによって得られる。即ち、互いに反対向きに傾いた部分溝を有する回転子モジュールを互いに接合するか、又は回転子モジュール内の部分溝自体を予めジグザグ状に形成しておくかのいずれかである。各回転子モジュールにおいて、溝又は部分溝をジグザグ状にする利点には、次のようなものがあることは明白である。即ち、各回転子モジュールに設けられている部分溝が、所望の周面領域に又は隣接する永久磁石片の長手縁部を所望の回転角度で越えて延びることにより、モータの平滑化されたトルク推移が得られるようになる。従って、このようにして形成された種々の回転子モジュールを任意に組み合わせて、長さの異なる回転子を形成することが可能となる。この場合、回転子の全長にわたって、永久磁石の長手縁部を斜めに延びる溝で均一に覆うことにより、常時、均一なトルク推移を得ることが可能である。
好ましくは、これらの溝を形成するに際に、各溝が、回転子の全長にわたって、少なくとも隣接する永久磁石の長手縁部を半径方向にほぼ覆うようにする。これは、回転子の全長にわたる回転子のいずれの箇所でも、永久磁石の長手方向の外側縁部が回転子の外周面で斜めに延びる溝によって覆われることを意味する。この溝は、次のような傾き角度及び溝幅を有するのが望ましい。即ち、傾いているにも係らず、いずれの箇所でも永久磁石の長手縁部が覆われ、又は接するような傾き角度及び溝幅を有することである。従って、この覆いを形成するに当たっては、永久磁石の長手縁部から半径方向外側を見た場合、回転子の外周面に常に溝の一部が存在するようにする。
さらに、好ましくは、それぞれ一本の溝が二つの隣接する永久磁石の半径方向外側の各長手縁部を半径方向から覆うように溝を配置する。特に、この実施形態においては、永久磁石は次のような配置されている。即ち、永久磁石は、回転子内部に弦のように接線方向に延びて配置されている。この配置の場合、互いに隣接する二つの永久磁石の各長手縁部は、互いに向かい合い、互いに直接隣接する。この互いに隣接する二つの永久磁石の半径方向外側の長手縁部は、永久磁石の長手縁部間の間隔が狭いため、斜めに延びる溝によって覆われる。従って、この溝又は部分溝の回転軸に対する傾き角度及び溝幅は、次のように選択される。即ち、互いに隣接する永久磁石の二つの長手縁部が回転軸に沿ったいずれの箇所でも、溝によって半径方向に覆われるように上記傾き角度及び溝幅を選択する。これにより、長手縁部から半径方向外側に見ると、回転軸方向のいずれの箇所でも溝又は部分溝の一部分が存在することになる。
さらに、好ましくは、溝又は溝を形成する部分溝は、燕尾形の断面を有している。この断面形状によって、溝の幅が回転子の外周面において最も狭くなり、回転子内部に行くにつれて拡幅されて溝底部領域では円周方向における幅が最大となるようにすることができる。この場合、溝の底部の幅は、次のようにするのが望ましい。即ち、回転子の長手方向のいずれの位置でも、隣接する永久磁石の長手縁部、又は互いに隣接する永久磁石の長手縁部が、溝底部の一部によって覆われるような幅とする。
さらに、望ましい実施形態によれば、永久磁石の長手縁部に隣接して回転子の周囲材料中にフリースペースを形成する。このフリースペースは、隣接する溝と結合しているのが好ましい。永久磁石の長手縁部に接するこのフリースペースは、回転子材料による磁気的な短絡を防止し、又は軽減するものである。これにより、磁束は、主として固定子を経由して流れるようになる。
好ましくは、回転子を互いに積み重ねられた複数の回転子積層板から形成する。その際このフリースペースは、一部の回転子積層板だけに形成し、好ましくは、二つの隣接する永久磁石の間に位置するものとする。回転子又はその回転子モジュールは、個々の回転子積層板から形成され、これら回転子積層板は、例えばインターロック法によって互いに積層される。特に、フリースペースが永久磁石の長手縁部に形成されて回転子の外周面で隣接する溝と結合しているとき、フリースペースを必ずしもあらゆる回転子積層板の中に形成するのではなく、個々の回転子積層板のそれぞれの領域にウェブ部分を残して、永久磁石と溝との間で個々の回転子セグメントをまとめて保持することが望ましい。
本発明のもう一つの実施形態によれば、回転子及び個々の回転子モジュールは、複数の回転子積層板から形成され、又は固体の、好ましくは焼結されたセグメントを組み立てたものである。この場合、互いに隣接するセグメント間に永久磁石の取り付けスペースを形成する。この実施形態の場合、永久磁石が回転子セグメント間に半径方向に放射状に延びている。好ましくは、斜めに延びる溝を個々の回転子セグメント間に形成する。即ち、回転子セグメントが、回転子の周面領域で互いに離間して溝を形成する。回転子を複数の回転子モジュールから構成するためには、それに対応して個々の回転子モジュールを複数の回転子モジュールセグメントから構成するとよい。この場合、回転子モジュールセグメントの間に永久磁石片を配設し、外周面には斜めに延びる部分溝を形成する。
さらに、好ましくは、溝の少なくとも一部分に、又は追加的に回転子に形成された通路に電導体を配設する。モジュラー構造の回転子の場合、このために、いずれの回転子モジュールにも電導体を備えた適当な溝又は通路を設けるとよい。この場合、回転子モジュールを組み立てると、回転子モジュール間の接合面で個々の導体片が互いに接触して、回転子の長手方向に連続する電導体が形成される。この導体は、例えば溝又は通路に銅を鋳込むことによって形成することができる。この導体の配設によって、ラインスタート型モータに使用する回転子の形成が可能となる。このラインスタート型モータは、ハイブリッドモータであって、始動時には非同期モータとして運転され、その後、永久磁石モータとして運転される。好ましくは、この電導体は、回転子の外周面で通路に配設される。また、この通路は、外側に向かって開いている溝と平行に、即ち回転子の回転軸に対して円周方向に傾いて延びている。電導体が配設されている通路は、回転子の外周面に向かって開いて形成してもよく、又は回転子内部に閉じられた通路として形成してもよい。
さらに、本発明は、上記永久磁石回転子の製造方法に関する。この方法によれば、回転子は複数の回転子積層板から組み立てられる。この場合、個々の回転子積層板は、組み立てられる順番に従って順次打ち抜かれる。好ましくは、個々の回転子積層板は、一枚のシート状の金属片から順次打ち抜かれる。打ち抜き動作が終了する毎に、回転子の外周面に溝を打ち抜くためのツールを、その長手軸を中心として予め決められた角度だけ回転させる。即ち、いずれの積層板においても、溝が先行する積層板よりも所定の角度だけ円周方向に変位している。個々の積層板を積層すると、溝が回転子の外周面に永久磁石の長手縁部に対して斜めに傾いて形成される。いずれの回転子積層板においても、打ち抜きと同時に、永久磁石のためのある個数の開口部が打ち抜かれる。好ましくは、この開口部は、いずれの回転子積層板においても同じ角度の位置に打ち抜かれる。即ち、開口部を打ち抜くツールは、溝を打ち抜くツールとは異なって打ち抜き動作が終了しても回転されない。このようにして、回転子積層板を回転子の長手方向に組み合わせた後、永久磁石を回転子の中に挿入して、永久磁石が回転子の回転軸に平行に広がったものとする。永久磁石は、それぞれ回転子の回転軸方向における回転子の長さに相当する長さを有するものとするのが望ましい。
さらに、好ましくは、上記回転子は、事前に製造された少なくとも二つの回転子モジュールから構成されるものとする。この場合、個々の回転子モジュールは、回転子全体について前述したように、それぞれある個数の回転子積層板から組み立てられる。回転子モジュールの個々の回転子積層板は、組み立てられる順番に従って順次打ち抜かれる。この場合、回転子の外周面に溝を打ち抜くツールは、打ち抜き動作が終了する毎に、所定の角度だけその長手軸を中心に回転される。これにより、回転子モジュールのいずれの積層板にも、溝の各部分が円周方向において互いに変位されて打ち抜かれる。回転子モジュールの個々の積層板が重ね合わされると、いずれの回転子積層板においても溝の一部が変位されて打ち抜かれていることにより、回転子モジュールの外周面には、斜めに傾いた部分溝が形成される。回転子積層板を組み合わせて回転子モジュールとした後、回転子モジュールの長さに合わせた永久磁石片が、回転子モジュールに挿入される。この永久磁石片用として回転子積層板に開口部が打ち抜かれる。この開口部は、いずれの回転子積層板でも同一の角度の位置に設けられているので、永久磁石片を回転子の回転軸と平行に回転子モジュール内に挿入することができる。
さらに、好ましくは、長さの異なる回転子を形成するため、特定の長さの回転子モジュールを前もって製造する。この事前に製造された回転子モジュールは、異なる、好ましくは任意の組み合わせで互いに接合され、所望の長さの回転子が形成される。これら個々の回転子モジュールを事前に製造する際に、永久磁石片を回転子モジュール内に挿入して、永久磁石が回転子モジュールの回転軸と平行に回転子モジュールの軸方向の長さにわたって延びたものとする。さらに、これら回転子モジュールは、それぞれ外周面に部分溝を備えており、これら部分溝は、隣接する永久磁石片の半径方向外側の長手縁部に対して斜めに傾いている。この場合、永久磁石片は、回転子モジュール内部で例えば弦方向又は半径方向に延びている。回転子の要求長さに応じて、異なる個数の回転子モジュールを長手方向に互いに接合する。この場合、個々の回転子モジュールの永久磁石片は、好ましくは、互いに一直線に配置されるものとする。その結果、この永久磁石は、回転子全長にわたって回転子の回転軸に平行に回転子内に延びて形成される。好ましくは、個々の回転子モジュールの部分溝が、上述したように互いに繋がって、連続して傾いた溝が回転子全長にわたって延び、また場合によってはジグザグ状に延びて形成されるようにする。この場合、溝は、回転子全長にわたって、隣接する永久磁石の長手縁部を覆うようにするとよい。
例えば、モジュール長さの異なる回転子モジュールを少なくとも2タイプ、好ましくは3タイプを用いる。即ち、異なる長さに形成された回転子モジュールを複数、好ましくは三つを任意に互いに組み合わせ、所定のグラデーションに基づいて生じる長さの回転子を要求に応じて製造することができる。
好ましくは、上記グラデーションとして、次のようなものを選択する。即ち、第2タイプの回転子モジュールの長さは、第1タイプの回転子モジュールの長さの半分とする。この場合、好ましくは、第3タイプの回転子モジュールも形成して、その長さを第1タイプの回転子モジュールの長さの2倍とする。これにより、長さの異なる回転子を得るためのグラデーションが生じる。この場合、長さの異なる回転子は、これらの回転子モジュールから組み立てることができる。また、上記グラデーションは、第1タイプの回転子モジュールの長さの半分に相当する。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に示す回転子は、八個の同一な回転子セグメント2から構成され、この回転子セグメントは、例えば焼結金属部品として製造される。回転子セグメント2は、円錐形として形成され、交互に180°向きを変えている。従って、常に、回転子エレメントは、その幅が広い方の終端面が、隣接する二つの回転子エレメント2の幅が狭い方の終端面の間に位置することになる。回転子セグメント2は、夫々互いに隣接して配置されているので、回転子セグメント2の間には、半径方向に延びるフリースペースが形成され、このフリースペースに永久磁石4が配設される。永久磁石4は半径方向に延びており、従って全体としては放射状に配設されることになる。この場合、永久磁石4は、半径方向にて回転子の外周面までは延びていない。むしろ、回転子セグメント2間のフリースペースは、永久磁石4の半径方向の延長上に溝6を形成し、この溝が回転子の外周面に向かって開いている。溝6は、外周面において、回転子6の回転軸Xに沿って回転子の全長にわたり一定の隙間幅を有している。さらに、この溝6は、回転子の円周面上を斜めに延びているので、永久磁石4の半径方向外側の長手縁部8に対して斜めに延びることになる。従って、溝6は、回転子の周面上を循環するように、又は8の字状に延びている。この斜めの溝6は、回転子セグメント2を円錐形に形成することによって得られる。即ち、回転子セグメント2は、長手方向の一方の端部の横断面が、長手方向の反対側の端部におけるよりも小さくされている。
さらに、溝6は、外周面における方が、半径方向でさらに内側に位置する溝底面におけるよりも、即ち永久磁石4につながる領域におけるよりも幅が狭くなるよう形成される。これは、回転子セグメント2の長手方向の一方の端部において、溝を階段状に広げることによって得られる。回転子セグメント2を円錐形に形成する場合、この階段状の拡幅部10は、回転子セグメント2のそれぞれ長手方向の端部で横断面が大きくなるように形成される。この階段状の拡幅部10は、長手方向の反対側の端部に向かって回転子セグメント2が先細りとなるように延びており、その結果、この反対側端部において、階段状の拡幅部10はもはや存在しないものとなる。回転子セグメント2を常に交互に180°向きを変えて配置することによって、この階段状の拡幅部10が、各溝6の進行方向にて一方の溝側壁から他方の溝側壁に移るようにして、溝6の斜め方向に対応させることができる。
上記のように形成することによって、回転子の回転軸X方向の全長にわたって、永久磁石4の長手縁部8又は半径方向の外側に面した端面が溝6によって覆われることになる。その結果、永久磁石6に隣接した上記溝6のフリースペースによって磁気的絶縁が形成される。この磁気的絶縁は、回転子内部における磁石のN極、S極間の磁気的短絡、即ち回転子セグメント2を貫通する磁気的短絡を抑止する。これにより、磁束が図示省略のモータの固定子を経由することになり、モータ効率が向上する。溝幅が外周面に向かって狭くなっているので、そこでは磁束は溝によってはわずかしか短絡されず、従って可能な限りかぎり均一なモータのトルク推移が得られる。
図1に示した回転子の場合、回転子セグメント2を円錐形に形成しているため、溝6は、回転子の外周面において、回転子の周面に沿って交互に反対方向に傾いている。しかし、図2に示す回転子においては、回転子の一方の端面から反対側の端面に延びた全ての溝6が同一の円周方向に傾いて形成されている。この場合、溝は、図1におけるのと同様に直線的であり、隣接する永久磁石4の長手縁部8に対して一定の角度で傾けられている。各回転子セグメント2の間における永久磁石4の配置は、図1の配置と同様である。図2の実施形態の場合、やはり全ての回転子セグメント2が同一であり、好ましくは焼結部品として形成されている。しかし、図1の実施形態と異なって、回転子セグメント2が全て同一の方向を向いているので、回転子セグメント2の間には、同じ傾いた溝6が形成されることになる。この実施形態の場合も、溝6は、永久磁石4に面した領域に階段状の拡幅部10を備えている。
回転子セグメント2のいずれの階段状拡幅部10も、回転子セグメント2の端面に回転子セグメント2の長手縁部に接して形成されている。長手縁部が反対側の端面まで延びる過程で上記拡幅部10は減少する。そして、この反対側端面において、同じ長手縁部には、もはや拡幅部が形成されない。逆に、この回転子セグメント2の反対側の長手縁部は、この長手縁部が延びる過程で拡幅部10が増大するように形成されておいる。その結果、回転子セグメントのこの長手縁部には、一方の端面に拡幅部が形成されず、反対側の端面に拡幅部10が形成されることになる。従って、各回転子セグメントの両側の端面は同一形状となる。それ故、これら回転子セグメントは、回転子セグメント2の中心に関して点対称形を成すことになる。そのため、回転子セグメント2は、180°の回転向きを考慮することなく組立てることができる。この配置の場合も、外周面で溝の幅を狭く形成することにより、外周面で固定子に流れる磁束の乱れを可能な限り少なく抑えることができる。しかし、永久磁石4の半径方向の外側端面においては、溝の幅を広くして、そこで可能な限り十分な絶縁が得られるようにしている。溝6は、半径方向において、回転子全長にわたって永久磁石4の長手縁部8、又は半径方向の外側端面を覆っている。
図3は、多数の回転子積層板から成る回転子を示す。これら回転子積層板は、回転子の回転軸Xの方向に重ね合わされている。回転子積層板12には、それぞれ四つのスロット14が形成されている。これらスロットは、回転子積層板中で弦の方向に、すなわち半径に対して直交方向に延びている。スロット14は、いずれの回転子積層板12においても、回転軸Xに対して同一の角度位置に配置される。従って、スロット14は、回転子積層板12が積層されたとき、回転子の中を長手方向に延びる開口部を形成し、この開口部に回転軸Xに対して平行に延びるように永久磁石が挿入される。
スロット14の終端縁部16の領域、即ちスロット14が形成する開口部の半径方向外側に位置する長手縁部16の領域に、溝18が形成される。これらの溝の機能は、図1及び図2で説明した溝と同様である。図3の実施形態の場合、溝18はV字形又はジグザグ状に延びているので、これらの溝は、回転子の全長上でスロット14の長手縁部16の領域を二回横切ることになる。図4の拡大図で詳細に示すように、溝18は、断面が燕尾形に形成されている。これは、溝18の溝幅が回転子の外周面に向かう開口領域で円周方向に狭くなっているので、外周面に向かっては、空隙の開きが狭くなっていることを意味する。この空隙20を始点として、溝18の幅は半径方向内側に向かって広がっている。その結果、この溝の底部、即ちスロット14の長手縁部16に面した領域では、円周方向における溝の幅が最大となる。溝底部における溝の幅aは、その機能が図1及び図2に記載の実施形態における拡幅部10に相当するものであるが、回転子の長手方向又は縁部16に対する溝の傾き角度αに合致されている。溝の幅aの選択は、溝の傾き角度がαである場合に、スロット14の長手縁部16が回転軸Xと平行な方向の溝の全長にわたって、溝又は溝底部によって半径方向に覆われるようにして行なう。即ち、溝の一方端において、溝底部の円周方向側縁部が、縁部16に隣接する。回転軸X方向の溝の反対側端部では、溝底部の円周方向の反対側縁部が、スロット14の縁部16に隣接する。図3に示す回転子においては、後者の隣接が回転子の長手方向の中央で生じる。なぜならば、そこで角度が変化し、溝は反対向きの角度で戻るため、溝の両端は、スロット14の隣接する縁部16に対して同じ状態となるからである。
さらに、図4は溝18が追加的なフリースペース22によって、回転子積層板12の二枚目毎に隣接するスロット14と直接結合している様子を示している。このフリースペース22があるため、フリースペース22が形成されている回転子積層板では、回転子積層板の各部分がスロット14に挿入された永久磁石の両極に回転子積層板を介して結合しないようになる。従って、このフリースペース22によって磁気的な絶縁が得られ、この磁気的な絶縁が、回転子内部における短絡の発生を抑止する。このフリースペース22は、回転子積層板の二枚目毎に省略される。これによって、回転子の個々の部分をまとめて保持するウェブが得られる。
図5及び図6は、図3及び図4で説明した回転子の二枚の異なる回転子積層板を示す。図5及び図6に示す回転子積層板12は、回転子内で互いに直接重なり合う二枚の回転子積層板12である。回転子積層板の中心には、回転軸を収めるために用いられる円形の穴24が形成されている。図5及び図6は、溝18がスロット14の縁部16を半径方向に覆った様子を示している。さらに、二つの溝18にはそれぞれフリースペース22がつながって溝18をスロット14と直接結合することが示されている。このフリースペースは、他の二つの溝18には設けられていないが、これは回転子積層板がばらばらになるのを防止するためである。従って、図6に示す回転子積層板の場合、フリースペース22は、図5に示す回転子積層板12ではフリースペース22が設けられていない他の二つの溝18に形成されている。このようにして、一枚の回転子積層板に、溝18に対応して交互にフリースペースが設けられ、次の積層板ではそれらの溝にはフリースペースが形成されず、その次の積層板で再びフリースペースが形成され、以下同様になっている。図5及び図6の二つの積層板間における円周方向の溝18の変位は、角度が小さいため、直接重なり合う回転子積層板12同士の場合は無視される。
さらに、図5はラインスタート型モータに用いられる回転子の特殊な形態を模式的に示している。この用途のために、回転子内の外周面近傍に、追加的な通路23を形成している。この通路は、回転子の周面に沿って溝18の間に均等に配設されている。図5において、これらの通路23は、二つの溝18の間だけに示されているが、通路23は、同様に回転子の円周全体に配分して配設されてもよい。好ましくは、通路23は溝18に対して平行に延びるものとし、電導体を含むものとする。そのためは、通路23に銅を鋳込むのが望ましい。電導体をこのように配設することによって、始動時にモータを非同期モータとして運転し、モータ始動後は永久磁石モータとして運転することが可能となる。この追加的な通路23の配設はオプションであり、即ち回転子が図5及び図6に示した回転子積層板を有する場合は、上記追加的な通路は必ずしも設ける必要がない。
図3及び図4により説明したようなフリースペース22を交互に配設する代わりに、図7及び図8に示すように、同一の溝18にフリースペース22を持つ回転子積層板12を常に複数枚ずつ積層することも可能である。図7に示す回転子は、図3〜図6で説明した回転子とほぼ同様であるが、ただ一つ異なる点は、この回転子の方が、回転軸X方向のフリースペース22が長くなっている点である。このためには、同一の溝にフリースペース22を有する回転子積層板12を常に複数枚積層し、その後、その溝にはフリースペース22を有さない回転子積層板12を複数枚積層する。このようにして、フリースペース22は、回転軸X方向において、隣接するスロット14と溝18との間に、より長い開口部を形成するようになる。この開口部は、それぞれ回転軸X方向に長い結合ウェブ26によって分離されている。
さらに、他の実施形態は、図3〜図8で説明した実施形態に基づくものであって、図9及び図10に示すものである。この回転子も、多数の回転子積層板12からなる回転子である。この回転子積層板には、先に図3〜図8で説明したのと同じスロット14及び溝18が形成されている。前述した回転子と異なる点は、図9及び図10の回転子の場合、溝の円周方向縁部に、フリースペース22が形成されておらず、空隙20の半径方向への延長上にて溝18の中央に、溝18の長手方向に沿って切り欠き28が形成されていることである。この切り欠きは、半径方向内側に向かって回転子積層板に切り込まれているので、切り欠きの一部がスロット14につながり、これによりスロット14と溝18とが結合される。スロット14と溝18とがつながるのは、主に溝の中央、即ち空隙20の半径方向への延長領域がスロット14の縁部16と同じ半径線上に位置する領域である。切り欠き28もまた、スロット14の縁部16領域のような縁部で回転子積層板12の軟磁性材を遮断する役割を果たす。それは、回転子内部で、半径方向に互いに相対して位置する磁石の磁極間の磁束を抑止又は軽減するためである。
図11は、図9及び図10の回転子に類似する回転子の回転子積層板の上面図である。この回転子積層板12の場合、切り欠き28に加えて、さらに半径方向内側を向く切り欠き30が、溝18の長手方向の各縁部、即ち円周方向にて互いに反対側に位置する当該長手縁部に形成されている。これにより、軟磁性材への切込みを大きくして、スロット14に挿入された永久磁石間の回転子内部における磁束の流れ又は短絡を抑止することができる。また、図11に示すように、切り欠き28は、常に、溝18に隣接する二つのスロット14のうち一方のみと結合する。このような方法で、回転子積層板12の全ての領域間にウェブが残り、回転子積層板がまとめて保持される。これにより、回転子が完成する。
以下、図12及び図13を参照して本発明による回転子のモジュラー構造を説明する。このモジュラー構造のアイデアは、個々の回転子モジュール32を事前に製造し、次に、この予め製造された回転子モジュール32を組み立てて、回転軸34を有する一つの完全な回転子にするというものである。これにより、異なる個数で事前に製造された各回転子モジュール32を、所望の回転子長さに応じて簡単に組み立てることができるようになる。さらに、図13で説明するように、異なる長さの各回転子モジュール32を事前に製造し、これら回転子モジュールを適宜組み合わせて接合して、所望の長さの回転子を形成することができる。
図12において、上段に示す図は、回転子モジュール32の構成方法を示している。いずれの回転子モジュール32も互いに積層された多数の回転子積層板12からなる。図12に示す例では、回転子モジュール12に、永久磁石又は永久磁石片36用として半径方向を向くスロット14が設けられている。即ち、ここに説明する回転子の場合、永久磁石36が、半径方向に放射状に配設されている。しかし、これと異なる方法として、図3〜図10で説明したものと同様なスロット14を配設により、このモジュラー構造を実現してもよい。さらには、このモジュラー構造を、図1及び図2で説明したような回転子セグメント2を用いて実現することもできる。この場合、回転軸X方向に回転子モジュール32の長さを有する回転子セグメント2を事前に製造する。
さらには、回転子モジュールであって、ここに示す例では回転子積層板12に溝18を前述の方法で形成する。これらの溝18は、斜めに又は円周方向に傾いて延びている。これらの溝は、スロット14の半径方向の外側縁部を、回転子モジュール32の全長にわたって、軸Xの方向に覆っている。この場合、溝幅a及び傾き角度αは、前述したように、次のように互いに適合されている。即ち、一方の終端面において、溝は、円周方向の一方の縁部でスロット14の半径方向の端部を覆い、回転子モジュール32の他方の終端面では、溝18は、円周方向の反対側の縁部でスロット14の端部を覆うようにされている。従って、回転子モジュール32は、回転軸X方向において、図3、図7及び図9に示す回転子の半分に相当する。互いに積層された回転子積層板12には、長手方向に永久磁石片36が挿入される。続いて、積層体の両端面にカバーディスク38を取り付けて回転子モジュール32を形成する。場合によっては、カバーディスク38は省略することができる。図12に示した例では、このようにして事前に製造された三つの回転子モジュール32を一本の回転軸34上に配置し、回転子モジュール32の三つ分の長さを有する回転子を形成する。ここで、回転子モジュール32の相互の配置は、次のようにして行う。即ち、個々の回転子モジュール32の永久磁石片36が互いに一直線上に並ぶようにする。これにより、回転子の全長にわたって回転軸Xと平行に広がって、連続した永久磁石と同様のものとなる。
ここで、図13を参照して、長さの異なるものとして事前に製造された回転子モジュール32a,32b,32cから、長さの異なる回転子を構成する方法を説明する。この場合、個々の回転子モジュール32は、図12で説明したものと同様にして構成される。図13においては、単純化するため、溝18を単にその中心線で示している。さらに、スロット14、永久磁石、永久磁石片36の長手縁部も、単に模式的に表示している。いずれの回転子においても、長手縁部16や溝18は、それぞれ一本だけ示している。いずれの回転子も、その円周面上に配置して複数の永久磁石及びそれに付随する長手縁部16並びに溝18を備えるものである。
図13の上段に示すように、長さの異なる三つの回転子モジュール32a,32b,32cが形成される。これらの回転子モジュールは、多数の回転子積層板12により、又は図1及び図2で説明したような回転子セグメント2により構成することができる。図示の例では、これらの長さを次のように変化させている。即ち、回転子モジュール32bは、回転軸X方向の長さが回転子モジュール32aより半分だけ大きい。回転子モジュール32cは、同方向の長さが回転子モジュール32aの2倍の長さである。回転子モジュール32aでは、溝18が外周面において一方向だけに傾いている。回転子モジュール32b,32cの場合は、図3〜図11で説明したように、溝18はジグザグ状に延びている。長さの異なる三つの回転子モジュール32a,32b,32cにおける溝18は、回転子の長手軸に対し異なる角度で傾いている。その結果、回転子モジュール32a,32b,32cの終端面における長手縁部16と溝18の円周方向の間隔dは、異なる長さに形成された三つの回転子モジュール全てにおいて等しくなっている。これにより、回転子モジュール32a,32b,32cを任意の組み合わせで、長手方向に重ね合わせることができるようになる。この場合、個々の回転子モジュール32a,32b,32cの部分溝又は溝18は、接合面で互いに接触又は接続することになる。その結果、完成した回転子では、連続した、場合によってはジグザグ状の溝18が形成される。回転子モジュール内を直線状及び非ジグザグ状に延びる溝又は部分溝18を有する複数の回転子モジュール32aを接合したときには、ジグザグ状の溝18を形成することができない。この場合、溝は全て図12に示すように同一方向に傾くことになる。
図13に示すように、回転子モジュール32a,32b,32cにより長さの異なる回転子を組み立てることができる。この場合、形成される回転子の長さのグラデーション(変化)は、回転軸X方向の回転子モジュール32aの半分の長さに相当する。異なる回転子モジュール32a,32b,32cの組み合わせとして八つの例を示しているように、個々の回転子モジュール32a,32b,32cの溝18は、常に互いに接続する。その結果、回転子の全長にわたって、連続するジグザグ状の溝18が形成される。そして、この溝は、全ての回転子において設定された同一の回転角度で延びている。回転子の長さのグラデーションに関して、もっとも短い回転子は、回転子モジュール32aだけで形成することができる。その一つ上の長さの回転子は、回転子モジュール32bだけで形成される。最も短い回転子の二倍の長さを有する回転子は、回転子モジュール32cだけで形成することができる。それよりもさらに回転子モジュール32aの半分だけ長い回転子は、回転子モジュール32aと、回転子モジュール32bとを組み合わせることにより形成することができる。その一つ上の長さの回転子は、回転子モジュール32cと、回転子モジュール32aとを組み合わせて形成される。同様に回転子の長さをグラデーションさせて、図13に例示の最も長い回転子まで形成することができる。この回転子は、一つの回転子モジュール32cと、二つの回転子モジュール32bと、一つの回転子モジュール32aとからなる。当然のことながら、この方式を用いて、さらに長い回転子を形成することができる。
回転子のこのモジュラー構造の利点は、長さの異なる永久磁石を事前に製造する必要がないことである。むしろ、モジュラー方式の原理に従って事前に完成された回転子モジュールを、任意にまたキット形式で相互に組み合わせて、長さの異なる回転子を安価かつ簡単に形成することができる。
本発明の第1の実施形態による回転子の模式的な斜視図である。 本発明の第2の実施形態による回転子の模式的な斜視図である。 本発明の第3の実施形態による回転子の斜視図である。 図3の回転子の細部を示す図である。 図3及び図4の回転子の第1の回転子積層板である。 図3及び図4の回転子の第2の回転子積層板である。 他の実施形態における回転子の斜視図である。 図7の回転子の細部を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態における回転子の斜視図である。 図9の回転子の細部を示す図である。 本発明による回転子の回転子積層板である。 本発明による回転子の組み立てについて示す模式図である。 事前に製造された回転子モジュールにより、長さの異なる回転子の形成方法を示す模式図である。
符号の説明
2 回転子セグメント
4 永久磁石
6 溝
8 長手縁部
10 拡幅部
12 回転子積層板
14 スロット
16 縁部又は長手縁部
18 溝
20 空隙
22 フリースペース
23 通路
24 穴
26 結合ウェブ
28 切り欠き
30 切り欠き
32 回転子モジュール
34 回転軸
36 永久磁石片
38 カバーディスク
X 回転軸
a 溝幅
b 間隔
α 傾き角度

Claims (19)

  1. モーター用の永久磁石回転子であって、
    前記回転子の内部に該回転子の回転軸(X)に平行に延びて設けられた複数の永久磁石(4,36)と、
    前記複数の永久磁石(4,36)の半径方向外側の長手縁部(8,16)領域にて、前記回転子の外周面に外側に開いて形成され、隣接する前記永久磁石(4,36)の長手縁部に対して円周方向に傾いて又は湾曲して延びて形成された複数の溝と、を備え、
    前記溝(6,18)は、そのいずれの中心線も、隣接する前記永久磁石(4,36)の長手縁部(8,16)と少なくとも1回交差し、前記回転子の周面における円周方向の幅が半径方向内部に位置する領域の幅よりも狭く、横断面形状が前記回転子の全長にわたって一定である、
    ことを特徴とする永久磁石回転子。
  2. 前記回転子は、内部に複数の永久磁石片(36)を配設し、周面に複数の部分溝(6,18)を設けて事前に製造された少なくとも二つの回転子モジュール(32)を、個々の回転子モジュール(32)の前記部分溝(6,18)が共同して前記溝(6,18)を形成し、個々の回転子モジュールの前記永久磁石片(36)が共同して前記永久磁石(4)を形成するように長手方向(X)に互いに組み合わせて接合したものであることを特徴とする請求項1記載の永久磁石回転子。
  3. 前記各回転子モジュール(32)の前記部分溝(6,18)は、隣接する前記永久磁石片(36)の長手縁部(8,16)に対して傾けて、且つ前記回転子モジュール(32)の両端面において溝の中心線が前記永久磁石片(36)の長手縁部(8,16)から円周方向にそれぞれ予め設定された同じ間隔(b)を取るように形成されたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石回転子。
  4. 前記部分溝(6,18)の中心線は、隣接する前記永久磁石片(36)の長手縁部(8,16)と少なくとも1回交差することを特徴とする請求項2又は3記載の永久磁石回転子。
  5. 前記少なくとも二つの回転子モジュール(32)は、前記回転軸(X)方向の長さが異なることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  6. 前記回転子モジュール(32)の少なくとも一つは、該回転子モジュール(32)の相対する終端面において、前記部分溝(6,18)の中心線が前記永久磁石(4,36)の長手縁部(8,16)から円周の同一方向に同じ間隔となるように傾いた部分溝(6,18)を備えていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  7. 前記溝(6,18)又は部分溝(6,18)は、隣接する前記永久磁石(4)又は永久磁石片(36)の長手縁部(8,16)に対してジグザグ状に延びていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  8. 前記各溝(6,18)は、回転子全長(X)にわたって、隣接する前記永久磁石(4,36)の少なくとも長手縁部(8,16)を半径方向にほぼ覆うように形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  9. 前記溝(6,18)は、隣接する二つの前記永久磁石(4,36)の半径方向外側の長手縁部(8,16)を半径方向に覆うように形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  10. 前記溝(6,18)は、燕尾形の横断面を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  11. 前記永久磁石(4,36)の長手縁部(8,16)に隣接して、隣接する前記溝(6,18)に結合したフリースペース(22,28)を回転子の周囲材料に形成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  12. 前記フリースペース(22,28)は、積層されて前記回転子を形成する多数の回転子積層板(12)のうち一部の回転子積層板に、隣接する前記二つの永久磁石(4,36)の間に位置して形成されたことを特徴とする請求項11記載の永久磁石回転子
  13. 前記回転子又は前記個々の回転子モジュール(32)は、多数の回転子積層板(12)から形成され、又は固体の若しくは焼結されたセグメント(2)を組み合わせ、互いに隣接するセグメント(2)間のスペースに前記永久磁石(4)を取り付けて形成されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  14. 前記溝(6,18)の少なくとも一部分、又は追加的に前記回転子内に形成された通路(23)に電導体を配設したことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の永久磁石回転子。
  15. 回転子を多数の回転子積層板(12)を組み立てて形成する前記各請求項のいずれか1項に記載の永久磁石回転子の製造方法であって、
    前記個々の回転子積層板(12)を組み立てられる順番に順次打ち抜いて形成し、
    前記打ち抜き動作が終了する毎に、溝(18)打抜き用ツールを前記回転子の回転軸(X)を中心に所定の角度だけ回転し、
    前記回転子の周面に永久磁石(4,36)の長手縁部(16)に対して傾いた溝(18)を形成し、
    前記回転子積層板(12)を組み立てて回転子とした後、該回転子の長さに適合した永久磁石(4、36)を前記回転子の中に挿入する、
    ことを特徴とする永久磁石回転子の製造方法。
  16. 前記回転子は、多数の回転子積層板を組み立てて事前に製造された少なくとも二つの回転子モジュール(32)を組み立てたものであり、
    前記回転子モジュールは、前記個々の回転子積層板(12)を組み立てられる順番に順次打ち抜いて形成し、前記打ち抜き動作が終了する毎に溝(18)打抜き用ツールを前記回転子の回転軸(X)を中心に所定の角度だけ回転し、前記回転子モジュールの外周面に永久磁石(4,36)の長手縁部(16)に対して傾いた部分溝(18)を形成し、前記回転子積層板(12)を組み立てて回転子モジュールとした後、該回転子モジュールの長さに適合した永久磁石(4、36)を前記回転子モジュールの中に挿入したものである、
    ことを特徴とする請求項15記載の永久磁石回転子の製造方法。
  17. 異なる長さの前記回転子は、前記回転軸(X)と平行に、且つ軸方向全長にわたって延びた永久磁石片(36)と、周面に隣接する前記永久磁石片(36)の半径方向外側の長手縁部(16)に対して傾いた部分溝(18)と、を備えた所定長さの複数の回転子モジュール(32)を事前に製造し、前記回転子の要求長さに応じて異なる個数の前記回転子モジュール(32)を、個々の回転子モジュール(32)の永久磁石片(36)が共同して前記回転子内に軸方向に延びた永久磁石を形成するように長手方向(X)に互いに接合して形成されることを特徴とする請求項16記載の永久磁石回転子の製造方法。
  18. モジュール長さの異なる少なくとも2タイプ、若しくは3タイプの前記回転子モジュール(32)を用いることを特徴とする請求項17記載の永久磁石回転子の製造方法。
  19. 第2タイプの回転子モジュール(32b)が第1タイプの回転子モジュール(32a)のモジュール長さよりも、その半分だけ長いモジュール長さを有し、さらに第3タイプの回転子モジュール(32c)が形成されるときには、該第3タイプの回転子モジュールは、前記第1タイプの回転子モジュール(32a)のモジュール長さの2倍の長さを有するものとしたことを特徴とする請求項18記載の永久磁石回転子の製造方法。
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