ところが、上記既出願の振動伝播阻止方法では、図20に示すように、廃タイヤ重合連結体1は、岩盤等の硬い頑丈な支持層に固定されておらず、ほとんどが軟弱層内に埋設されていることから、振動発生源からの振動によって廃タイヤ重合連結体それ自体が揺れを生じ易く、しかもこれが共振を起こし易くなるため、振動源からの振動の吸収ないし反射作用が低下し、住宅24等建物への振動の伝播を十分阻止し得ないことがある。
即ち、地盤中を伝わる振動の波は硬い地盤ほど速く伝播し、軟らかい地盤ほどその速度は遅くなる。この遅いというのは、1周期の間に波の進む距離(波長)が短くなるということである。一つの波に含まれるエネルギーは土の種類によって変わることがないので、軟らかい地盤を伝わる波は波長が短くなる分、振幅が増大して、エネルギーを一定に保とうとし、これが軟弱地盤のよく揺れる理由である。そして、廃タイヤ重合連結体1には、これが揺れる時に振動体として固有の周期を有しており、この固有周期が振動源から伝播する振動の周期に近づいたり、同じになって重なると、廃タイヤ重合連結体1の揺れが加速されて、より大きく揺れるようになり、これが共振であって、この共振作用によって、振動伝播阻止作用が十分発に揮し得なくなる。
そこで、本発明は、地盤中に埋設される廃タイヤ重合連結体の揺れを極力少なくして、廃タイヤ重合連結体が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮し得るようにした振動伝播阻止方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両27の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物又は道路の振動を吸収ないし反射して住宅等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明の振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れし、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物又は道路の振動を吸収ないし反射して住宅等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明の振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物又は道路の振動を吸収ないし反射して住宅等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項4に係る発明の振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設し、これら多数本の廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物又は道路の振動を吸収ないし反射して住宅等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る発明の振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設し、これら多数本の廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れすると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物又は道路の振動を吸収ないし反射して住宅等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の振動伝播阻止方法において、各廃タイヤ重合連結体1の頭部上にコンクリート載荷体10,11を載設したことを特徴とする。
請求項7は、請求項1、4又は6に記載の振動伝播阻止方法において、アンカー鉄筋5は、芯体14,18をその軸芯に沿って貫通すると共に、鉄筋下端部を支持層G3に根固めされる根固め材7に固定し且つ鉄筋上端部を芯体14,18の頭部側に固定したことを特徴とする。
請求項8は、請求項1〜7に記載の振動伝播阻止方法において、各廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させると共に、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4に鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を芯体14,18の上下両端側に固定される固定部材36,36によって互いに圧縮した状態に固定してなることを特徴とする。
請求項9は、請求項1〜7に記載の振動伝播阻止方法において、各廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させると共に、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4に鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4の下端側を、芯体14,18に対しスライド可能で各連結用軸材35の下端部に止着される可動部材50で支持し、その上端部側を、芯体14,18の上端部に固定される固定部材39で支持すると共に、各連結用軸材35の上端部をジャッキ43に連動連結し、しかして固定部材39と可動部材50との間で互いに圧縮状態に保持される多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4の圧縮力をジャッキ43操作によって調整可能としてなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用により、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、ないしは反射して、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。そして、特に、この方法では、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定するようにしたから、各廃タイヤ重合連結体1の上部側が軟弱層G1中にあっても、各廃タイヤ重合連結体1は、振動発生源からの振動により廃タイヤ重合連結体1それ自体が揺れを生じ難く、従って廃タイヤ重合連結体1が共振を起こし難くなり、それがために廃タイヤ重合連結体1が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮して、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を有効に阻止することができる。
請求項2に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用により、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、ないしは反射して、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。そして、特に、この方法では、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れするから、各廃タイヤ重合連結体1は、上部側が軟弱層G1中にあっても、廃タイヤ重合連結体1それ自体が揺れを生じ難く、従って廃タイヤ重合連結体1が共振を起こし難くなり、それがために廃タイヤ重合連結体1が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮して、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を有効に阻止することができる。
請求項3に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用により、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、ないしは反射して、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。そして、特に、この方法では、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結するから、多数の廃タイヤ重合連結体1により形成される防振壁が一体化し、芯体14,18をアンカー鉄筋5や根入れによって支持層G3に固定する場合と同様に、廃タイヤ重合連結体1自体の揺れ、廃タイヤ重合連結体1の共振を防止でき、それにより廃タイヤ重合連結体1が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮して、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を有効に阻止できる。
請求項4に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用により、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、ないしは反射して、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。そして、特にこの方法では、廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8により連結することによって、廃タイヤ重合連結体1の揺れ防止効果及び共振防止効果がより一層有効に発揮される。
請求項5に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用により、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、ないしは反射して、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。そして、特にこの方法では、多数本の廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れすると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8により連結することによって、廃タイヤ重合連結体1の揺れ防止効果及び共振防止効果がより一層有効に発揮される。
請求項6に係る発明によれば、各廃タイヤ重合連結体1の頭部上にコンクリート載荷体10,11を載設した場合には、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に対してより安定状態に固定することができる。
請求項7に係る発明によれば、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に固定するアンカー鉄筋5は、芯体14,18をその軸芯に沿って貫通すると共に、鉄筋5の下端部を支持層G3に根固めされる根固め材7に固定し且つ鉄筋5の上端部を芯体14,18の頭部側に固定することによって、芯体14,18及び支持層G3への取付作業を的確に行なうことができる。
請求項8に係る発明のように、各廃タイヤ重合連結体1において、互いに圧縮される多数の廃タイヤ2に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させるようにすれば、これら多数の廃タイヤ2の中央開口部への芯体14,18の嵌挿が容易で、廃タイヤ重合連結体1の組み付けが容易となる。
請求項9に係る発明によれば、ジャッキ43操作で廃タイヤ3の圧縮力を加減することによって、廃タイヤ重合連結体1の固有振動数をコントロールすることができる。地盤の状況、振動源の大きさや種類等により、伝播する振動の固有振動数が変化することから、その変化する固有振動数に対応して廃タイヤ重合連結体1自体の固有振動数を変更調整することによって、振動源からの振動の伝播をより有効に阻止することができる。またこの廃タイヤ重合連結体1では、ジャッキ43によって複数本の連結用軸材35を同時に上げ下げ操作できるから、圧縮力が調整が簡単容易となる。
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1の(a) 〜(d) は、図20に示すように車両27の走行により振動する道路28とこの道路28の近くに設置された住宅24等建物との間の地盤G中に廃タイヤ重合連結体1を埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して地盤の支持層G3に固定した状態を示し、図2の(a) は廃タイヤ重合連結体1の配列状態を地盤表面から見た平面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。芯体14は鋼管、芯体18はPHCパイルである。尚、図1の(a) 〜(d) は地盤がつながって連続した図面となっているが、(a) 〜(d) は夫々別の実施形態を示すものとする。
廃タイヤ重合連結体1について簡単に説明すれば、この廃タイヤ重合連結体1は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した分割タイヤ4の中央開口部に亘って芯体としての鋼管14又はPHCパイル18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなるものである。この廃タイヤ重合連結体1の形成方法については後述する。
この発明に係る振動伝播阻止方法は、多数本の廃タイヤ重合連結体1を、図20に示すように車両27等の走行や各種機械の稼動によって振動する道路28又は構造物とこれの近くに設置された住宅24等建物との間の地盤中に埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を、図1の(a) 〜(d) に示すようにアンカー鉄筋5を介して地盤の支持層G3に固定し、これらの廃タイヤ重合連結体1により道路28又は構造物の振動を吸収ないし反射して住宅24等建物への振動の伝播を阻止するようにしたものである。
図1の(a) に示す実施形態では、各廃タイヤ重合連結体1は、廃タイヤ2又は分割タイヤ4が地盤の軟弱層G1の高さ方向全域に亘り、芯体14,18が軟弱層G1及び硬質層G2を貫通して、その先端部が支持層G3で支持されるように埋設されている。尚、軟弱層G1は、粘度、シルト、砂等からなる軟らかい地盤であり、支持層G3は、岩盤、砂礫等の非常に硬い頑丈な地盤であり、硬質層G2は、軟弱層G1と支持層G3との中間にあって、軟弱層G1よりは硬いが、支持層G3のようには硬くない地盤である。
各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に固定するアンカー鉄筋5は、PC鋼線、異形鉄筋、丸鋼等からなるもので、ここでは直径が例えば10〜20mmのPC鋼線が使用され、このPC鋼線は、その全長に亘って又はその両端側に雄ねじが形成されている。しかして、このアンカー鉄筋5は、図2の(b) に示すように、芯体14,18を貫通して、鉄筋上端部の雄ねじ部に螺合するナット6によって芯体14,18の上端部側に固定し、アンカー鉄筋5の下端部は、芯体14,18の下端から下方へ所要長さ延出させて、その下端部をコンクリートの円柱体からなる根固め材7に一体的に固定する。
廃タイヤ重合連結体1の埋設施工にあたっては、スクリューオーガーで地盤を掘削しつつ排土しながら軟弱層G1及び硬質層G2の所定深さまで掘孔し、さらに支持層G3にはスクリューオーガーとは別のボーリング機械を使用して、根固め材挿入用の孔を掘孔し、それらの掘削孔にセメントミルクを注入した後、セメントミルクの溜まった掘削孔内に、クレーンによって廃タイヤ重合連結体1を埋設する。尚、各廃タイヤ重合連結体1は、相互に隣接するようにして1列状又は複数列状で所要の配列形態に埋設する。
しかして、支持層G3の根固め材7挿入用孔に挿入した根固め材7がセメントの固化によって支持層G3と一体化した後、図2の(a),(b) に示すように、各廃タイヤ重合連結体1の頭部上に亘って例えばC形鋼からなる2本の連結部材8,8を並置し、この連結部材8により、隣り合う廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結する。そして、廃タイヤ重合連結体1芯体14,18の頭部から突出しているアンカー鉄筋5の上端部を、両連結部材8,8上に載置した固定板9の孔(図示省略)に挿通して、その挿通端部にナット6を螺合締結することにより、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に一体的に連結固定する。
廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結する連結部材8としては、C形鋼、L形鋼、H形鋼等の金属材の他に鉄筋コンクリート材等を使用することができる。また、連結部材8としてC形鋼等の金属材を使用する場合に、鋼管からなる芯体14を使用する時は、その連結部材8を芯体14の上端部に溶接することによって簡単に連結することができ(図3の(b) 参照)、またPHCパイルからなる芯体18を使用する時は、図3の(a) に示すようにPHCパイルの金属製端板18oに連結部材8を溶接してもよいし、あるいはPHCパイルの金属製端板18oに設けてあるボルト孔を利用し、その金属製端板18oに連結部材8をボルト止めすることによって、連結することができる。
図1及び図2に示す実施形態の場合には、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18がアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定されているから、必ずしも、連結部材8によって各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結する必要はない。また、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8で連結する場合は、これら多数の廃タイヤ重合連結体1によって形成される防振壁が一体化するから、全ての廃タイヤ重合連結体1について芯体14,18をアンカー鉄筋5により支持層G3に固定する必要はなく、廃タイヤ重合連結体1の1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5で支持層G3に固定してもよい。図2の(a) は、廃タイヤ重合連結体1の1本置きに、その芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定した場合の実施形態を示している。
図1の(b) に示す実施形態は、各廃タイヤ重合連結体1の廃タイヤ2又は分割タイヤ4が地盤の軟弱層G1の高さ方向全域に亘り、芯体14,18が軟弱層G1を貫通して硬質層G2の一部に突入するように埋設されたもので、(a) の実施形態と殆ど同じである。図1の(c) 及び(d) に示す実施形態は、廃タイヤ重合連結体1の頭部上に横断面略コ字状のコンクリート載荷体10,11を載設したものであって、廃タイヤ重合連結体1及びアンカー鉄筋5については図1の(a) 及び(b) の実施形態と同様である。
図3の(a) は、図1の(c) に示す実施形態のように廃タイヤ重合連結体1の頭部にコンクリート載荷体10を載設した場合で、PHCパイルからなる芯体18を有する場合を拡大図示したものであり、各廃タイヤ重合連結体1の芯体18の頭部の金属製端板18o上に亘ってC形鋼からなる2本の連結部材8,8を並置すると共に、この連結部材8を芯体18の頭部端板18oに溶接することにより、隣り合う廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結し、そして頭部端板18oの中央開口部から突出したアンカー鉄筋5の上端部を、両連結部材8,8上に載置した固定板9の孔に挿通して、その挿通端部にナット6を螺合締結している。
図3の(b) は、図1の(d) に示す実施形態のように廃タイヤ重合連結体1の頭部にコンクリート載荷体11を載設した場合で、鋼管からなる芯体14を有する場合を拡大図示したもので、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14の頭部端板14o上に亘ってC形鋼からなる2本の連結部材8,8を並置し、頭部端板14oの中央開口部から突出したアンカー鉄筋5の上端部を、両連結部材8,8上に載置した固定板9の孔に挿通し、その挿通端部にナット6を螺合締結している。尚、図3の(a) ,(b) において、m,nは鉄筋を示す。
コンクリート載荷体10,11の載設は、多数の廃タイヤ重合連結体1を地盤中に埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定した後、それら多数の廃タイヤ重合連結体1の頭部上にコンクリート型枠を仮設して、それにコンクリートを流し込むようにすればよい。また、図3の(a) に示すように断面凹形状のコンクリート載荷体10は、水路用、あるいは花や樹木を植える植生用などとしても兼用できるようにするとよい。
図1及び図2によって説明した振動伝播阻止方法は、タイヤ外周部より周方向適当間隔置きに半径方向の切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2の中央開口部、又は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部に亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を、車両27の走行や各種機械の稼動によって振動する構造物又は道路とこれの近くに設置された住宅等建物との間の地盤中に所要配列状態で埋設したことにより、地盤中の廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用によって、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、反対側への伝播を阻止することができ、構造物又は道路から住宅等建物への振動の伝播を阻止し、住宅等建物が受ける振動の影響を極力少なくすることができる。
特にこの方法では、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定するようにしたから、各廃タイヤ重合連結体1の上部側が軟弱層G1中にあっても、各廃タイヤ重合連結体1は、振動発生源からの振動によって廃タイヤ重合連結体1それ自体が揺れを生じ難く、従って廃タイヤ重合連結体1が共振を起こし難くなり、それがために廃タイヤ重合連結体1が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮して、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を有効に阻止することができる。
また、各廃タイヤ重合連結体1の頭部上にコンクリート載荷体10,11を載設した場合には、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に対してより安定状態に固定することができる。
また、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に固定するアンカー鉄筋5は、芯体14,18をその軸芯に沿って貫通すると共に、鉄筋5の下端部を支持層G3に根固めされる根固め材7に固定し且つ鉄筋5の上端部を芯体14,18の頭部側に固定することによって、芯体14,18及び支持層G3への取付作業を的確に行なうことができる。
図4は、図20に示すように車両27の走行により振動する道路28とこの道路28の近くに設置された住宅24等建物との間の地盤G中に多数本の廃タイヤ重合連結体1を1列状に埋設すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れした状態を示す側面断面図、図5の(a) は図4に示す廃タイヤ重合連結体1の配列状態を地盤表面から見た平面図、(b) は(a) のY−Y線拡大断面図である。尚、図5の(b) は、廃タイヤ重合連結体1が鋼管PHCパイルからなる芯体18を有する場合を示している。
各廃タイヤ重合連結体1は、廃タイヤ2又は分割タイヤ4が地盤の軟弱層G1のほぼ全域に亘るように埋設されると共に、芯体14,18が軟弱層G1及び硬質層G2を貫通して、その先端部が支持層G3に根入れされている。
廃タイヤ重合連結体1の埋設施工にあたっては、スクリューオーガーにより地盤を掘削しつつ排土しながら軟弱層G1から硬質層G2までは廃タイヤ2又は分割タイヤ4が貫入し得るように比較的径の大きい孔を掘孔し、支持層G3からは芯体14,18が貫入するように別のスクリューオーガーにより比較的径小の孔を支持層G3所定深さまで掘孔し、こうして掘孔した一連の孔にセメントミルクを注入した後、セメントミルクの溜まった孔内にクレーンにより廃タイヤ重合連結体1を落とし込み、芯体14,18の先端部を支持層G3の根入れ用孔部に挿入して根入れする。
こうして各廃タイヤ重合連結体1を軟弱層G1から硬質層G2に埋入すると共に、芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れした後、図5の(a),(b) に示すように、各廃タイヤ重合連結体1の頭部上に亘って、例えばC形鋼からなる2本の連結部材8,8を並置し、この連結部材8を、各廃タイヤ重合連結体1の芯体18の上端にボルト40で取り付けてある固定部材15に例えば溶接によって固着する。
上記のように各廃タイヤ重合連結体1を地盤中に埋設すると共に、その芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れすることによって、各廃タイヤ重合連結体1は、上部側が軟弱層G1中にあっても、振動発生源からの振動によって廃タイヤ重合連結体1それ自体が揺れを生じ難く、従って廃タイヤ重合連結体1が共振を起こし難くなり、それがために廃タイヤ重合連結体1が振動源からの振動の吸収ないし反射作用を十分に発揮して、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を有効に阻止することができる。
この場合、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に単に根入するだけでなく、その根入れ部分をセメントミルクによって支持層G3の根入れ用孔部内に固着することによって、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を支持層G3に対しきわめて強固に連結固定することができ、振動発生源から住宅等の建物に伝播する振動を一層有効に阻止することができる。
図1〜図3に示す実施形態では、多数本の廃タイヤ重合連結体1を地盤中に所要配列状態で埋設し、これら多数本の廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18をアンカー鉄筋5を介して支持層G3に固定すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結するようにし、また図4に示す実施形態では、多数本の廃タイヤ重合連結体1を地盤中に所要配列状態で埋設し、これら多数本の廃タイヤ重合連結体1の全てにつき又は1本置きないし複数本置きにその廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の先端部を支持層G3に根入れすると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8によって連結するようにしているが、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を、アンカー鉄筋5や根入れにより支持層G3に固定することなく、軟弱層G1中に埋設したままの状態としても、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8で連結するようにすれば、多数の廃タイヤ重合連結体1によって形成される防振壁が一体化するから、アンカー鉄筋5や根入れによって支持層G3に固定した場合と同様に、廃タイヤ重合連結体1自体の揺れ、廃タイヤ重合連結体1の共振を防止することができる。
もちろん、上述した実施形態のように、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18を、アンカー鉄筋5や根入れによって支持層G3に固定すると共に、各廃タイヤ重合連結体1の芯体14,18の頭部どうしを連結部材8で連結するようにした場合には、廃タイヤ重合連結体1の揺れ防止効果及び共振防止効果がより一層有効に発揮される。
次に、廃タイヤ重合連結体1の形成方法について図6〜図15を参照して説明すると、図6の(a) は廃タイヤ重合連結体1の形成に使用する廃タイヤ2の切り込み加工前の状態の斜視図、(b) は切り込み加工後の廃タイヤ2の平面図、(c) はその斜視図である。この図6の場合には、先ず、(a) に示すような廃タイヤ2に、タイヤ外周部より周方向に例えば45°間隔置きに半径方向適当長さの切り込み3を入れ、(b) 及び(c) に示すような状態とする。こうして切り込み3を入れた廃タイヤ2を図8の(a) に示すように多数個重ね合わせ、同図の矢印で示すように上下方向から圧力を加えて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。この廃タイヤ2は、周方向に適当間隔で設けた切り込み3によって、圧縮時に容易に扁平状に押しつぶされる。
図7の(a) は廃タイヤ重合連結体1の形成に使用する廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割する前の状態の斜視図、(b) 、(c) 及び(d) は分割タイヤ4を示す斜視図である。先ず、(b) の場合には、(a) に示すような加工前の廃タイヤ2を、分割線CLが廃タイヤ2の横断面に沿うようにタイヤ幅の中央部で二分割し、この分割タイヤ4aには、図6の(b) ,(c) の場合と同様な切り込み3を入れる。尚、この切り込み3は、廃タイヤ2を二分割する前に入れてもよい。こうして分割した分割タイヤ4aを、図9〜図11に示すように多数個重ね合わせ、それらの図に矢印で示すように上下方向から圧力を加えて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。
図7の(c) は、(a) に示すような加工前の廃タイヤ2を分割線CLが側面視波形のジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割して分割タイヤ4bを形成する場合を示し、図7の(d) は、加工前の廃タイヤ2を分割線CLが側面視鋸歯形のジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割して分割タイヤ4cを形成する場合を示す。そして、図示は省略するが、このような分割タイヤ4b,4cを扁平状に押しつぶして多数個重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。
図9の(a) は多数の分割タイヤ4aを各分割タイヤ4aの内側を上向きにして重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) はその平面図であり、また図10の(a) は多数の分割タイヤ4bを各分割タイヤ4bの内側を下向きにして重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) はその平面図である。また図11の(a) は、互いに内側を対向させた一対の分割タイヤ4c,4cを多数対重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) は平面図である。何れの場合も、各分割タイヤ4aには周方向適当間隔置きに外周側から半径方向内向きに延びる切り込み3を設けているために各分割タイヤ4aを容易に扁平状に押しつぶすことができる。
図12の(a-1) は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2の中央開口部2oに亘って芯体としての鋼管14を嵌挿し、この鋼管14の上下両端部に取り付けられるリング状の固定部材15により、これら多数の廃タイヤ2を互いにタイヤ軸方向に圧縮した状態でその上下両端側を鋼管14に固定してなる廃タイヤ重合連結体1を示す縦断面図であり、(a-2) はその平面図である。固定部材15の取付けにあたっては、鋼管14の一端側にリング状固定部材15を嵌め込んで溶接により固着した後、この鋼管14に多数の廃タイヤ2を嵌挿してタイヤ軸方向に圧縮変形させた状態で、鋼管14の他端側にリング状固定部材15を嵌め込んで溶接により固着すればよい。芯体としては、鋼管14の他に、硬質プラスチック製芯体、コンクリート製芯体等を使用することができる。また、固定部材15としては、上記のように鋼管14に溶接して取り付けるものに限らず、例えば鋼管14に設けた貫通孔に通し入れて一端部又は両端部を芯体外周面から突出させた状態に取り付け固定する丸棒等でもよい。
図12の(b-1) は、図12の(a-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであるが、多数の廃タイヤ2を嵌挿させた芯体としての鋼管14の両端部に夫々コンクリート製のリング状押え17を介して、アングル片からなる複数個の固定部材16を固着してなる廃タイヤ重合連結体1を示す縦断面図であり、(b-2) はこの廃タイヤ重合連結体1の平面図である。この場合、アングル片からなる固定部材16は溶接により鋼管14に取り付ける。また、このようなアングル片からなる固定部材16に代えて、図20の(a-1) に示すリング状の固定部材15を使用してもよい。コンクリート製のリング状押え17は、鋼管14に嵌挿した廃タイヤ2のタイヤ軸方向に圧縮変形させる際の錘の役割を有する。
図13の(a-1) は、図12の(a-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであって、廃タイヤ2の代わりに分割タイヤ4aを使用した点だけが異なった廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(a-2) はその平面図である。また、図13の(b-1) は、図13の(b-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであって、廃タイヤ2の代わりに分割タイヤ4aを使用した点だけが異なった廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b-2) は平面図である。
上記した図12及び図13に示すような廃タイヤ重合連結体1によれば、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部2o,4oに亘って鋼管14等の芯体を嵌挿し、この芯体の両端部に取り付けられる固定部材15,16により、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4aを互いに圧縮した状態でその上下両端側を固定するようにしたものであり、鋼管14等の芯体によって廃タイヤ重合連結体1の自重が増し、剛性が確保されるため、地盤中で安定した状態となり、周辺の地盤の振動に対し抵抗性があって廃タイヤ重合連結体1自体が振動を生ずることがなく、外周部の圧縮した廃タイヤ2又は分割タイヤ4で振動を吸収し又は反射して制振作用を働かせることができ、免震杭として非常に有効である。
図14は、図12に示す廃タイヤ重合連結体1と同じ様に、多数の廃タイヤ2に芯体を嵌挿して廃タイヤ重合連結体1を形成したものであるが、ここではPHCパイルからなる芯体18を使用したものであり、(a) は縦断面図、(b) は平面図である。このPHCパイルは、中空状のコンクリートパイル本体19の上下両端部にリング状の金属製座金20,20が取り付けられると共に、上下両座金20,20間のコンクリートパイル本体19内に田とカバ8本のPC鋼線33が周方向に45°の間隔で貫通張架され、また上下各座金20には周方向に隣り合うPC鋼線33,33の間にボルト孔34が設けてある。この廃タイヤ重合連結体1を形成するには、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2にPHCパイルからなる芯体18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2を互いにタイヤ軸方向に圧縮した状態で、リング状固定部材15,15をPHCパイル芯体18の上下両端部にある座金20,20に夫々溶接すればよい。
尚、廃タイヤ2にその外周部より切り込み3を設けた廃タイヤ重合連結体1にあっては、廃タイヤ重合連結体1の外周面が従来の廃タイヤ重合連結体1よりも多岐に亘って小刻みに凹凸状を呈しているから、振動をより効果的に乱反射させることができ、それにより廃タイヤ重合連結体1の制振・防振効果をより一層高めることができる。
図15は更に他の廃タイヤ重合連結体1を示す。(a) に示す廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させると共に、これら多数の廃タイヤ2に例えばPHCパイルからなる芯体18を嵌挿し、更にこれら多数の廃タイヤ2の上下両端には連結用軸材35を貫通させた固定部材36,36を当てがい、そしてこれら多数の廃タイヤ2を図15の(b) に示すようにタイヤ軸方向に圧縮した状態で上下両固定部材36,36を、各連結用軸材35の上下両端部側に螺着した長ナット37,37で締め付け固定すると共に、各連結用軸材35の上下両端部を、PHCパイル18の両端面にボルト38で固定した固定プレート39,39に挿通し、その挿通端部にナット41を螺合して締め付けることにより、形成されたものである。尚、連結用軸材35としては、PC鋼線、異形鉄筋、丸鋼が使用され、そして何れも少なくとも上下両端部に雄ねじが切られている。このように、互いに圧縮される多数の廃タイヤ2に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させるようにすれば、これら多数の廃タイヤ2の中央開口部への芯体14,18の嵌挿が容易で、廃タイヤ重合連結体1の組み付けが容易となる。
図16 に示す廃タイヤ重合連結体1は、図15 に示す廃タイヤ重合連結体1と同様に互いに圧縮される多数の廃タイヤ2に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させたものであるが、この廃タイヤ重合連結体1にあっては、多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4の圧縮力を調整可能にして、廃タイヤ重合連結体1の固有振動数を調整できるようしたものである。即ち、図15の廃タイヤ重合連結体1と同様に、多数の廃タイヤ2に対し複数本の連結用軸材35を周方向に所要間隔を置いて軸方向に貫通させると共に、これら多数の廃タイヤ2に例えばPHCパイルからなる芯体18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2の下端側を、芯体18に対しスライド可能で各連結用軸材35の下端部に止着されるリング状の可動部材50によって支持し、これら多数の廃タイヤ2の上端部側を、芯体18の上端部に固定された固定部材39によって支持すると共に、各連結用軸材35の上端部を油圧式のジャッキ43に連動連結し、しかして芯体18の上端部の固定部材39と下端部側の可動部材50との間で互いに圧縮状態に保持される多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4の圧縮力をジャッキ43によって調整可能としたものである。
上記可動部材50は、各連結用軸材35の下端部に螺着されたナット42によって保持され、また各連結用軸材35の上端部は、芯体18の上端部の固定部材39を貫通して上方に突出し、テンションプレート46を支持する複数の引張ボルト45の夫々にカプラージョイント44を介して連結されている。そして、芯体18の上端部の固定部材39上にジャッキ43が設置され、このジャッキ43とテンションプレート46との間にロードセル47が介設されている。図16において、48は各連結用軸材35の上端部に螺着された固定用ナット、49は引張ボルト45の上端部に螺着されたテンションプレート取付用ナットである。引張ボルト45は、必要に応じて所要長さのものと交換できるようになっている。
多数の廃タイヤ2は、常時、固定部材39と下端部側の可動部材50との間で所要圧力に圧縮された状態にあり、この圧縮力はロードセル47によって検出することができる。しかして、斯かる状態から圧縮力を調整する時は、ジャッキ43操作によってテンションプレート46を上動させると、引張ボルト45及び連結用軸材35が引き上げられて、可動部材50が上動するから、圧縮力が増大し、またジャッキ43操作によってテンションプレート46を下動させると、引張ボルト45及び連結用軸材35が押し下げられて、可動部材50が下動するから、圧縮力が減少する。こうして廃タイヤ3の圧縮力を加減することにより、廃タイヤ重合連結体1の固有振動数をコントロールすることができる。この廃タイヤ重合連結体1は、地盤の状況、振動源の大きさや種類等によって、伝播する振動の固有振動数が変化することから、その変化する固有振動数に対応して廃タイヤ重合連結体1自体の固有振動数を変更調整することができるようにしたもので、それによって振動源からの振動の伝播をより有効に阻止することができる。
また、この廃タイヤ重合連結体1では、ジャッキ43によって複数本、例えば4本ある連結用軸材35を同時に上げ下げ操作できるから、圧縮力が調整が簡単容易となる。
図17(a) ,(b) 及び図18の(a) ,(b) は夫々本発明に係る振動伝播阻止方法を採用した場合と採用しない場合とを比較した試験結果を示すグラフである。
図17の(a) は、防振壁を形成していない未施工地盤の場合(◇をつないだ折れ線)と、PHCパイルのみを多数本並べて防振壁を形成した場合(□をつないだ折れ線)と、地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体としてPHCパイルを使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(■をつないだ折れ線)との各振動加速度レベルを比較したもので、グラフの縦線はレベル値(dB)を示し、横線は振動源からの距離(m)を示し、また防振壁及び本発明に係るタイヤ防振壁は振動源から4.8mの所に形成した。
図17の(b) は防振壁を形成していない未施工地盤の場合(◇をつないだ折れ線)と、地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体としてPHCパイルを使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(■をつないだ折れ線)と、地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体として鋼管を使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(●をつないだ折れ線)とで各振動加速度レベルを比較したもので、グラフの縦線はレベル値(dB)を示し、横線は振動源からの距離(m)を示し、また本発明に係るタイヤ防振壁は振動源から2.5mの所に形成した。
図18の(a) は、PHCパイルのみを多数本並べて防振壁を形成した場合(□をつないだ折れ線)と、地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体としてPHCパイルを使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(■をつないだ折れ線)とにおける、夫々タイヤ防振壁から逐次隔たった地点での振動低減量を表示したもので、グラフの縦線は低減量(dB)を示し、横線は振動源からの距離(m)を示し、また本発明に係る廃タイヤ重合連結体1によるタイヤ防振壁は振動源から4.8mの所に形成している。
また図18の(b) は地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体としてPHCパイルを使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(■をつないだ折れ線)と、地盤中に多数の廃タイヤ重合連結体1を並べてタイヤ防振壁を形成すると共に各廃タイヤ重合連結体1の芯体として鋼管を使用してその芯体の先端部を支持層に根入れした場合(●をつないだ折れ線)とにおける、夫々タイヤ防振壁から逐次隔たった地点での振動低減量を表示したもので、グラフの縦線は低減量(dB)を示し、横線は振動源からの距離(m)を示し、また本発明に係る廃タイヤ重合連結体1によるタイヤ防振壁は振動源から2.5mの所に形成した。
図18の(a) ,(b) から、鋼管又はPHCパイルの芯体14,18を備えた廃タイヤ重合連結体1で形成されるタイヤ防振壁を採用することによって、大きな低減効果が得られることが分かる。