JP2009043872A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池セルを構成する半導体層の膜厚が極薄膜であっても、光電変換装置を歩留良く製造可能な、太陽電池モジュールの構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】インターコネクタ5によって電気的に接続された複数の太陽電池セル6を含む太陽電池ストリングを、バスバー7に接続して形成された太陽電池アレイと、この太陽電池アレイの上下面全面を覆うとともに、太陽電池アレイを内包するように形成され、かつラミネートされた、透明シリコン樹脂3と、透明シリコン樹脂3の直上に形成された可撓性透明カバー板4とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】インターコネクタ5によって電気的に接続された複数の太陽電池セル6を含む太陽電池ストリングを、バスバー7に接続して形成された太陽電池アレイと、この太陽電池アレイの上下面全面を覆うとともに、太陽電池アレイを内包するように形成され、かつラミネートされた、透明シリコン樹脂3と、透明シリコン樹脂3の直上に形成された可撓性透明カバー板4とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池モジュールおよびその製造方法に関し、より具体的には、単結晶半導体太陽電池セルを使用した、宇宙用のフレキシブル太陽電池モジュールおよびその製造方法に関するものである。
従来の技術として、図9に示すような太陽電池モジュールが、たとえば下記特許文献1に開示されている。図9において、(a)は、光電変換装置の平面図、(b)は当該光電変換装置のIXb−IXb断面図、(c)は当該光電変換装置のIXc−IXc断面図である。この従来の太陽電池モジュールは、図9に示すように、1枚の基板101と、この基板101上に平面的に配置され、シリコン樹脂102により接着される複数の太陽電池セル103と、複数の太陽電池セル103を電気的に接続する接続部材であるインターコネクタ104と、太陽電池セル103とインターコネクタ104とを覆う1枚の透明カバー板105とを備える。透明カバー板105は、透明シリコン樹脂106により、太陽電池セル103とインターコネクタ104とに接着されている。また、太陽電池セル103は、太陽光を受光する単結晶半導体基板111の主面上に表面電極112が形成され、その反対の主面上には裏面電極113が形成されている。
ところが、上記従来の技術において、単結晶半導体基板111に層厚が50μm以下の極薄膜の単結晶半導体層を形成し、その上方を可撓性の透明カバー板105で覆うように構成したフレキシブル性太陽電池モジュールの場合には、特許文献1に記載の方法では製造が困難で、新たな問題が発生することが分かった。
具体的には、図9に示した従来の技術により製造された太陽電池モジュールは、同図(b)および(c)に示すように、透明シリコン樹脂106が太陽電池セル103の受光面側のみ形成されている。そのため、透明シリコン樹脂106の厚さの面内分布が存在し、たとえば、図9の(b)に示すIXb−IXb断面と(c)に示すIXc−IXc断面とでは、透明シリコン樹脂106の厚さの分布が大きく異なる。特に図9の(c)に示すIXc−IXc断面においては、透明カバー板105の直下に透明シリコン樹脂106が形成されない領域も存在する。
たとえば、単結晶半導体基板111に、層厚が50μm以上の単結晶半導体層を形成した場合、あるいは、100μm以上という十分厚い透明カバー板105を有する場合には、半導体層あるいは可撓性の透明カバー板105が樹脂の厚さのバラツキに起因するストレスを十分吸収できる余地を保持しているため、問題とならない。しかしながら、透明カバー板105が100μm以下である、極薄膜のフレキシブル太陽電池モジュールの場合には、透明カバー板105の機械的強度が弱いため、透明シリコン樹脂106の厚さのバラツキに起因するストレスにより、透明カバー板105に皺が生じる。その皺により有効受光面積が減少するので、太陽電池モジュールの光電変換特性が劣化する。
同様に、単結晶半導体層の層厚が50μm以下の単結晶半導体を形成した極薄膜のフレキシブル製太陽電池モジュールの場合には、単結晶半導体の機械強度が弱いためシリコン樹脂102の厚さのバラツキに起因するストレスにより単結晶半導体層に皺が入る。その皺により有効受光面積が減少するため、太陽電池モジュールの光電変換特性が劣化する。
また、アモルファスシリコン半導体あるいは微結晶シリコン半導体を用いた薄膜太陽電池セルにおいて、上記従来の技術のシリコン樹脂の代わりに、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用した例が、たとえば下記特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示されたエチレン酢酸ビニル共重合体は、400μmという厚い膜厚を有している。アモルファスあるいは微結晶であれば、400μmという厚い膜厚のエチレン酢酸ビニル共重合体を使用しても、そのフレキシブル性が阻害されることはないが、単結晶半導体をラミネートした場合には、著しくフレキシブル性が阻害される。
また、一般的にエチレン酢酸ビニル共重合体は薄膜化することが困難であり、現状の技術では、200μm程度まで薄くするのが限度である。また、エチレン酢酸ビニル共重合体のように100℃以上の加熱によりはじめて粘度が下がる樹脂においては、エチレン酢酸ビニル共重合体の線膨張係数(10−4/℃台)と半導体の線膨張係数(10−6/℃台)と大きく異なるため反りが発生する。このため、極薄膜の単結晶半導体を用いたフレキシブル太陽電池モジュールには用いることができない。また,エチレン酢酸ビニル共重合体は紫外線などにより黄変するので,宇宙用の材料として適さない。
したがって、上述のような従来の方法では、層厚が50μm以下でかつ可撓性の透明カバー板105の厚さが100μm以下のような、極薄膜のフレキシブル単結晶半導体太陽電池モジュールを、良好な特性を維持して製造することは困難であるという問題があった。
特開2000−307143号公報
特開2004−55970号公報
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、光電変換装置において、半導体層の膜厚が50μm以下という極薄膜であっても、光電変換装置を歩留良く製造できる方法、およびそのような光電変換装置の構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の太陽電池モジュールは、インターコネクタによって電気的に接続された複数の太陽電池セルを含む太陽電池ストリングを、バスバーに接続して形成された太陽電池アレイと、太陽電池アレイの上下面全面を覆うとともに、太陽電池アレイを内包するように形成され、かつラミネートされた、透明シリコン樹脂と、透明シリコン樹脂の直上に形成された可撓性透明カバー板とを備える。
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態においては、透明シリコン樹脂が、基板の直上に形成されたシリコン樹脂上に形成されている。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい実施形態においては、可撓性透明カバー板の厚さが100μm以下であり、かつ、太陽電池セルを構成する単結晶半導体層の層厚が50μm以下である。また、シリコン樹脂および透明シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上100,000mPa・s以下であることが好ましい。さらに、透明シリコン樹脂の膜厚は、太陽電池セルの単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さの和以上であり、かつ75μm以下であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、複数の太陽電池セルを直列に配置する工程と、複数の太陽電池のうちの隣接する太陽電池の電極同士をインターコネクタによって電気的に接続することにより、太陽電池ストリングを形成する工程と、形成された太陽電池ストリングを複数個、バスバーに接続して、太陽電池アレイを形成する工程と、透明シリコン樹脂上に太陽電池アレイを設置し、さらに別の透明シリコン樹脂を、太陽電池アレイ上に重ねる工程と、透明シリコン樹脂上に設置され、上から透明シリコン樹脂を重ねられた太陽電池アレイに対して、真空中においてラミネートを施す工程と、透明シリコン樹脂を加熱して硬化させる工程とを備える。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態においては、ラミネートを施す工程の後、透明シリコン樹脂を加熱して硬化させる工程の前に、ラミネートを施された太陽電池モジュールに含まれる気泡を抜く工程をさらに備える。
本発明によれば、可撓性透明カバー板に皺が入らないため、有効受光面積が減少することが防止される。その結果、太陽電池モジュールの光電変換特性が劣化することのない太陽電池モジュールの構造を実現するとともに、そのような太陽電池モジュールを、良好な歩留まりで製造することができるという、特有の効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールの概略図であって、(a)は、受光面からみた太陽電池モジュールの平面図であり、(b)は、(a)におけるIb−Ib線断面を示す図である。
図1に示すように、本発明の太陽電池モジュールは、基板1のほぼ全面かつ直上にシリコン樹脂2が形成されている。シリコン樹脂2のほぼ全面かつ直上に、透明シリコン樹脂3が形成され、この透明シリコン樹脂3のほぼ全面かつ直上には、可撓性の透明カバー板4が形成されている。インターコネクタ5により接続された、単結晶半導体を含む複数の太陽電池セル6は、太陽電池セル6のバスバー7の外部接続部8以外が透明シリコン樹脂3に内包されている。
インターコネクタ5により接続された複数の太陽電池セル6は、太陽電池セル6からインターコネクタ5を介して接続されたバスバー7の外部接続部8以外が、透明シリコン樹脂3に内包されているので、太陽電池モジュールのほぼ全面に、シリコン樹脂2と透明シリコン樹脂3とが一様に形成されている。そのため、シリコン樹脂2および透明シリコン樹脂3の表面に凹凸がなく、透明カバー板4に皺が生じることがない。よって、有効な受光面積が減少することがなく、太陽電池モジュールの光電変換特性が劣化することがない。
本実施の形態において、可撓性の透明カバー板4は100μm以下で、かつ、太陽電池セル6の単結晶半導体層11の層厚は50μm以下である。このような、機械的強度が弱く破損しやすい、インターコネクタ5により接続された複数の太陽電池セル6は、殆ど透明シリコン樹脂3に内包されているので、その後の製造工程において、破損のおそれのある箇所に直接触れることなく作業が行なえることから、高い歩留で製造することができる。
また、本実施の形態の太陽電池モジュールにおいて、シリコン樹脂および透明シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上100,000mPa・s以下である。シリコン樹脂および透明シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上でないと必要な膜厚が得られにくく、気泡が入りやすい。気泡が入ることにより、外観が劣化するだけでなく、たとえば宇宙空間のような環境においては、太陽電池が破壊されることがある。また、室温における粘度が100,000mPa・s以下でないと、樹脂中の気泡を真空ラミネート装置などで抜くことが難しくなり、気泡が入る原因になる。
シリコン樹脂および透明シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上100,000mPa・s以下で、気泡が入ることなく、外観の良い太陽電池セルを高い歩留で形成することができる。また、100℃程度の高温でこの程度の粘度が得られる樹脂を使用した場合、樹脂の線膨張係数と半導体の線膨張係数が一般的に大きく異なるため、得られる太陽電池モジュールには反りが発生し、取扱が難しくなる。
また、本実施の形態の透明シリコン樹脂の膜厚は、太陽電池セルの単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さとの和以上、かつ、75μm以下である。透明シリコン樹脂の面内における最大の膜厚が、単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さとの和以上でないと、樹脂の隙間が発生し、気泡が生じることになる。また、透明シリコン樹脂の面内における最大の膜厚は、75μm以下にすることにより、たとえば−198℃から150℃の温度サイクル試験において、試験後に可撓性の透明カバー板4の波打つような皺の発生を防止することができる。
図1に示すように、本実施の形態の太陽電池モジュールは、基板1のほぼ全面かつ直上にシリコン樹脂2が形成され、シリコン樹脂2のほぼ全面かつ直上に透明シリコン樹脂3が形成されている。また、透明シリコン樹脂3のほぼ全面かつ直上に可撓性透明カバー板4が形成されており、インターコネクタ5により接続された複数の太陽電池セル6は、そのバスバー7の外部接続部8以外が透明シリコン樹脂3に内包されている。そのため、太陽電池モジュールのほぼ全面にシリコン樹脂2と透明シリコン樹脂3が一様に形成されていることから、シリコン樹脂2および透明シリコン樹脂3の表明に凹凸がなく、可撓性の透明カバー板4に皺が入ることがない。よって、有効な受光面積が減少することがないため、太陽電池モジュールの光電変換特性が劣化しない。
次に、本発明の実施の形態の太陽電池モジュールの製造方法について、図2〜図6を用いて説明する。図2〜図4は、本発明の太陽電池モジュールの製造工程を示す平面図および概略断面図である。
まず、図2(a),(b)に示すような太陽電池セル6を複数個準備する。この太陽電池セル6は、表面電極10、半導体層11、裏面電極12からなり、その他、メサ(図示せず)、反射防止膜(図示せず)等が適宜形成されている。
本実施の形態において、太陽電池セル6は、半導体層11として、pn接合を含む単結晶半導体層を含む。必要に応じて、pn接合を含む多層膜からなる半導体層であってもよい。本実施の形態において用いることができる半導体層11は、特定の材料に限定されるものではなく、用途に応じて公知のものを用いることができる。半導体層11として適用可能な材料として、たとえば、Si、Ge、GaAs、InP、InGaP、InGaAsを挙げることができる。また、半導体層11は、半導体基板を全てまたはその一部を除去するために、歪の小さいエピタキシャル層が望ましい。
本発明において、半導体層11は上述のとおりエピタキシャル成長により積層することができるが、その方法としては、MBE法、MOCVD法、VPE法などを用いることができる。また、半導体層11は、太陽電池として用いるためには2μm以上50μm以下の層厚が好ましい。2μm未満であると、光の吸収が不十分であるため、光電変換効率が劣化するおそれがあり、50μmを超えると、大陽電池セルの重量が増すが光電変換効率は頭打ちになるため、重量あたりの光電変換効率が劣化するという問題がある。半導体層11の厚さは、3μm以上20μm以下であることが、より好ましい。
次に、半導体層11の受光面と反対側の面に裏面電極12を形成する工程について説明する。具体的には、通常の蒸着法あるいはスパッタ法により電極を形成した後、シンター法などにより半導体層11の裏面に電極を密着させる。また、その他の通常の電極形成法を用いることができる。本発明において、表面電極に用いることができる材料は特に限定されず、当該分野で公知のものを用いることができるが、一例として、銀(Ag)からなる導電材料を挙げることができる。
次に、半導体層11の主面に表面電極10を形成する工程について説明する。具体的には、半導体層上に例えば通常のフォトリソグラフィ法、蒸着法、リフトオフ法、シンター法により表面電極10を形成する。また、その他の通常の電極形成法を用いることができる。本発明において、表面電極に用いることができる材料は特に限定されず当該分野で公知のものを用いることができるが、例えば、銀(Ag)からなる導電材料を一例として挙げることができる。
ここで、表面電極10は、図1(a)に示すような櫛型形状にすることが好ましいが、本発明においては、櫛型形状に限定されず、その他、光電変換装置として機能できる全ての電極形状を採用することができる。また、櫛型形状等の表面電極の形成方法は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、半導体層を所望する形状にマスクを介してエッチングし、当該エッチング部分に表面電極を形成する等の方法が挙げられる。その後にメサ(図示せず)、反射防止膜(図示せず)を形成し、太陽電池セル6を完成させる。
次に、図3に示すように、複数の太陽電池セル6の表面電極10上のパッド部に、インターコネクタ5を、パラレルギャップ溶接機を使用し溶接する。インターコネクタ5の形状としては、ストレスリリーフ付が望ましく、インターコネクタの材料としては、銀あるいは少量の不純物を添加した銀が、より好ましい。インターコネクタの厚さは10μm以上30μm以下が好ましい。10μm以上であればインターコネクタとしての強度を十分保持することができ、30μm以下でないと、シリコン樹脂で完全に内包させることができなくなり、気泡の原因となる。また、必要に応じて、1つの太陽電池セル6に対し1つのバイパスダイオード(図示せず)を、同時にパラレルギャップ溶接する。バイパスダイオードの面積は5mm2以上80mm2以下が好ましく、5mm2未満の場合、バイパス機能が働いたときのダイオードの発熱が150℃以上になって信頼性の問題が発生する。バイパスダイオードの面積が80mm2より面積が大きいと太陽電池モジュールのフレキシブル性を阻害する。また、ダイオードの厚さは10μm以上60μm以下が好ましい。ダイオードの厚さが10μmより薄いと製造歩留が急激に悪化し、ダイオードのコストが急激に上昇する。また60μmより厚いと樹脂がダイオードを内包しきれずに気泡が残りやすいという問題点がある。
次に、インターコネクタ5が溶接された太陽電池セル6を、パラレルギャップ溶接機を用いて、隣接する他のインターコネクタ5の端において、表面電極10と極性の異なる電極に溶接し、ストリングを形成する。この時、図3に示したように、表面電極10と極性の異なる電極が裏面電極12しかないときには、裏面電極12に溶接するが、表面電極10と極性の異なる電極が受光面側にある場合は、受光面側にある極性の異なる電極に溶接してもよい。
次に、図3(c)に示すように作製したストリングを、バスバー7で直列あるいは並列に接続しアレイを作製する。バスバー材料としては、銀あるいは少量の不純物を添加した銀がより好ましい。バスバーの厚さは10μm以上50μm以下が好ましい。10μm以上であればインターコネクタとしての強度を十分保持することができ、また50μmより厚いと樹脂がバスバーを内包しきれずに気泡が残りやすいという問題がある。
次に、図4に示すように、一方で離型フィルム13上に透明シリコン樹脂3を形成し、ストリングをバスバーで接続したアレイを設置する。また他方で同様に可撓性透明カバー板4上に透明シリコン樹脂3を形成し、図4に示すようにアレイ上に透明シリコン樹脂3がくるように可撓性透明カバー板4を重ねる。
可撓性透明カバー板4を構成する材料としては、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂(ETFE)あるいは二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)が望ましい。また、可撓性透明カバー板4を構成するこれらの樹脂の受光一表面(受光側)にAlOx、SiOxが形成されているのがなお好ましい。また裏面(セル側)には他の樹脂との親和性を高めるための処理 例えばコロナ放電処理されていることが望ましい。四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂は可視光の透過率が高く、紫外線および電子線・陽子線などの宇宙放射線に曝されても、可視光の透過率は低下しない。また、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂、あるいは二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)の表面にAlOx膜あるいはSiOx膜コートすることにより原子状酸素に曝されてもその樹脂の透過率は殆ど低下しないことを確認した。
このように、宇宙用の太陽電池モジュールにおいては,AlOx膜,SiOx膜コート,コートなしの四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂、あるいは二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等を用いることが、特に望ましい。その膜厚は、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂の場合、25μm以上100μm以下であることが望ましい。25μm以上あれば、陽子線は四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂内で十分に減速され四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂内で留まり太陽電池セルに悪影響を与えない。また、100μm以上になると樹脂のフレキシブル性が乏しくなり、太陽電池モジュールのフレキシブル性も乏しくなるため、好ましくない。また、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂の場合30μm以上100μm以下が望ましい。30μm以上あれば、陽子線は四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂内で十分に減速され四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂内で留まり太陽電池セルに悪影響を与えない。また、100μm以上になると樹脂のフレキシブル性が乏しくなり、太陽電池モジュールのフレキシブル性も乏しくなるので好ましくない。また、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂の場合50μm以上100μm以下が望ましい。50μm以上あれば、陽子線は四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂内で十分に減速され四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂内で留まり太陽電池セルに悪影響を与えない。また、100μm以上になると樹脂のフレキシブル性が乏しくなり、太陽電池モジュールのフレキシブル性も乏しくなるので好ましくない。
透明シリコン樹脂は、その粘度が2,000mPa・s以上100,000mPa・s以下であることが望ましい。透明シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上でないと必要な膜厚が得られにくく、内包すべき物を内包できず気泡がはいりやすい。また、室温における粘度が100,000mPa・s以下でないと、樹脂中の気泡が真空ラミネート装置などで抜くことが難しくなり、気泡の入る原因になる。特に宇宙用の太陽電池モジュールの場合、デガスの少ないシリコン樹脂が必要になり、以上を満たす具体的な製品としては、DOW-CORNING社製のDC93-500、NuSil社製CV−2500などがある。
次に、透明シリコン樹脂3上に形成され、上から透明シリコン樹脂3を重ねられた太陽電池アレイに対して、真空ラミネート装置を用いて真空中でラミネートを行なうことにより、図5に示す構造が形成される。その後さらに、可撓性の透明カバー板4と透明シリコン樹脂3との間の気泡、離型フィルム13と透明シリコン樹脂3との間の気泡、太陽電池セル6と透明シリコン樹脂3との間の気泡、透明シリコン樹脂3同士の間の気泡、透明シリコン樹脂3の中の気泡などを、殆ど全て抜く。その後、室温で3日間養生し、120℃で60分間加熱硬化を行ない、透明シリコン樹脂3の硬化を行なう。
ここで用いられる真空ラミネート装置としては、ダイヤフラムゴムシートで仕切られた上下2つの真空チャンバーを備え、真空プレスできるようになっている装置が好ましい。また、真空プレスは上下のチャンバーを133Paまで真空に引き、1分以上の時間をかけて、上チャンバーのみを大気圧に戻すことによって実現することが望ましい。急激に上チャンバのみに大気圧をかけると、気泡の発生の原因になる。
この時、可撓性透明カバー板4上に形成された透明シリコン樹脂の厚さは単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さの和以上75μm以下が望ましい。この膜厚の制御は可撓性カバー板4上あるいは離型フィルム13上に形成した透明シリコン樹脂3の厚みと、真空プレスの圧力で制御できる。透明シリコン樹脂の厚さは単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さの和以上ないと太陽電池セルおよびインターコネクタを完全に樹脂で内包できなくなり、気泡の原因となる。また、100μm以下でないと、樹脂が厚くなりすぎて太陽電池モジュールのフレキシブル性が損なわれる。離型フィルムとしてはETFE、FEP等のフッ素樹脂を使用することができる。
次に、図6(a)に示すように、基板1にシリコン樹脂2を形成する。次に、図5に示した透明シリコン樹脂3でラミネートしたアレイの離型フィルム13を剥がし、可撓性透明カバー板4を上にして、図6(b)に示すように、シリコン樹脂2の上に設置する。その後、真空ラミネート装置を用いて真空中でラミネートを行ない、気泡を殆ど全て抜くことにより、図1に示した太陽電池モジュールが形成される。
シリコン樹脂としては、その粘度が100,000mPa・s以下が望ましい。シリコン樹脂の室温における粘度は、2,000mPa・s以上でないと、必要な膜厚が得られにくく、内包すべき物を内包できないために気泡が入りやすい。また、室温における粘度が100,000mPa・s以下でないと、樹脂中の気泡が真空ラミネート装置などで抜くことが難しくなり、気泡が入る原因になる。特に宇宙用の太陽電池モジュールの場合、デガスの少ないシリコン樹脂が必要になり、以上満たす具体的な製品としては、WACKER-CHEMIE社製RTV−S691などがある。
図1に示した太陽電池アレイの-198℃から150℃の温度サイクル試験を行なった。パラメータとして、透明シリコン樹脂3の厚みをとった。測定値としては太陽電池アレイの短絡電流値の初期値からの変化率とした。−198℃および150℃での保持時間を1分以上、サイクル回数を100回としたときの結果のグラフを、図7に示す。全ての太陽電池セルは、GaInP/GaAsの2接合で、半導体層の厚さは約5.0μmとした。インターコネクタは、少量の不純物としてマグネシウム添加した銀製を使用し、その厚さは15μm、バスバーも同じ材質で厚さを30μmとした。シリコン樹脂としてはWACKER-CHEMIE社製RTV−S691を使用し、その厚さは75μmとし、基板には75μm厚さの東レデュポン製のカプトンフィルム300ENを使用した。
図7に示すグラフより、透明シリコン樹脂厚75μm近辺を境界として、試験後の短絡電流変化率が低下していることが分かる。透明シリコン樹脂厚が75μm近辺を上回る場合、図8に示すような波うつような皺が可撓性透明カバー板に入り、太陽電池も波うつような形状に変形していることが分かった。この波うちのような皺により、有効な受光面積が低下し、短絡電流も減少したものと考えられる。また、透明シリコン樹脂厚75μmを境界として、急激に太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下し、剛性が増していることが、皺の原因になっていると考えられる。
実施例として、図1に示すような単結晶半導体太陽電池セルを使用した太陽電池モジュールを作製した。まず、図2に示すように、Ge材料を用いた半導体基板(図示せず)上に、有機金属気相積層(MOCVD)法により、多層半導体層11をエピタキシャル成長させた。ここで、当該多層半導体層11は、膜厚1μmのp型GaAs層および膜厚3μmのn型GaAs層とした。光電変換装置を太陽電池として機能させる場合は、半導体層11が2μm以上の総膜厚であればよい。次いで、従来知られているフォトリソグラフィ法と蒸着工程法とリフトオフ法と熱処理を組み合わせて、銀(Ag)を主材料とする表面電極10を、多層半導体層11の主面上に形成した。
次に、不必要な多層半導体層11を、ウェットエッチング法を用いてエッチング除去し、メサ(図示せず)を形成し、AlOX/TiOXからなる反射防止膜を蒸着法により形成し、熱処理を行なって密着させる。エッチング液としては、クエン酸と過酸化水素水の混合水溶液を用いた。
次に、図3に示すように、複数の太陽電池セル6上の表面電極10のパッド部に、厚さ12.5μmの少量のマグネシウムを不純物として添加した銀製のストレスリリーフ付のインターコネクタ5を、パラレルギャップ溶接機を使用し溶接する。次に、インターコネクタ5が溶接された太陽電池セル6を、パラレルギャップ溶接機を用いて、インターコネクタの他の端において、表面電極と極性の異なる裏面電極12に溶接し、ストリングを形成する。
次に、図4に示すように、厚さ100μmの四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)製離型フィルム13上にDOW-CORNING社製のDC93-500透明シリコン樹脂3を形成し、ストリングをバスバーで接続したアレイを設置する。また他方で同様に四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)可撓性透明カバー板4上にDOW-CORNING社製のDC93-500透明シリコン樹脂3を形成し、図4に示すようにアレイ上に透明シリコン樹脂がくるように可撓性透明カバー板4を重ねる。
次に、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)離型フィルム13上にDOW-CORNING社製のDC93-500透明シリコン樹脂3を形成しアレイを設置し、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)可撓性透明カバー板4上にDOW-CORNING社製のDC93-500透明シリコン樹脂3を形成したものを重ね、真空ラミネート装置を用い真空中でラミネートを行ない、気泡などを殆ど全て抜く。その後、室温で3日間養生し、120℃で60分間加熱硬化を行ない、DOW-CORNING社製のDC93-500透明シリコン樹脂3の硬化を行なう。
次に図6に示すように、まず厚さ75μmのカプトン基板1に厚さ75μmのWACKER-CHEMIE社製RTV−S691シリコン樹脂2を形成する。次に図5に示した透明シリコン樹脂3でラミネートしたアレイの離型フィルム13を剥がし、可撓性透明カバー板4を上にしシリコン樹脂2の上に設置する。その後、真空ラミネート装置を用い真空中でラミネートを行い、気泡を殆ど全て抜き、図1に示した太陽電池モジュールを作製する。この太陽電池モジュールは、例えば宇宙用太陽電池(人工衛星搭載用)に用いることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2 シリコン樹脂、3 透明シリコン樹脂、4 可撓性透明カバー板、5 インターコネクタ、6 太陽電池セル、7 バスバー、8 外部接続部、10 表面電極、11 半導体層、12 裏面電極、13 離型フィルム。
Claims (7)
- インターコネクタによって電気的に接続された複数の太陽電池セルを含む太陽電池ストリングを、バスバーに接続して形成された太陽電池アレイと、
前記太陽電池アレイの上下面全面を覆うとともに、前記太陽電池アレイを内包するように形成され、かつラミネートされた、透明シリコン樹脂と、
前記透明シリコン樹脂の直上に形成された可撓性透明カバー板とを備える、太陽電池モジュール。 - 前記透明シリコン樹脂が、基板の直上に形成されたシリコン樹脂上に配置された、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記可撓性透明カバー板の厚さが100μm以下であり、かつ、前記太陽電池セルを構成する単結晶半導体層の層厚が50μm以下である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記シリコン樹脂および前記透明シリコン樹脂の室温における粘度が、2,000mPa・s以上100,000mPa・s以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記透明シリコン樹脂の膜厚が、前記太陽電池セルの単結晶半導体層の層厚とインターコネクタの厚さの和以上であり、かつ75μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 複数の太陽電池セルを直列に配置する工程と、
前記複数の太陽電池のうちの隣接する前記太陽電池の電極同士をインターコネクタによって電気的に接続することにより、太陽電池ストリングを形成する工程と、
形成された前記太陽電池ストリングを複数個、バスバーに接続して、太陽電池アレイを形成する工程と、
透明シリコン樹脂上に前記太陽電池アレイを設置し、さらに別の透明シリコン樹脂を、前記太陽電池アレイ上に重ねる工程と、
前記透明シリコン樹脂上に設置され、上から前記透明シリコン樹脂を重ねられた前記太陽電池アレイに対して、真空中においてラミネートを施す工程と、
前記透明シリコン樹脂を加熱して硬化させる工程とを備える、太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記ラミネートを施す工程の後、前記透明シリコン樹脂を加熱して硬化させる前記工程の前に、ラミネートを施された太陽電池モジュールに含まれる気泡を抜く工程をさらに備える、請求項6に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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