JP2009082127A - 新規な乳酸菌、それを用いた乳酸発酵物及び乳酸発酵物含有飲食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明で規定する方法により測定した場合に、胃酸耐性が90%以上、胆汁酸耐性が90%以上、コレステロール除去能が85%以上、胆汁酸吸着能が40%以上、及びインターロイキン12産生誘導能が80%以上であることを特徴とする、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌。豆乳に前記乳酸菌を添加し、発酵させることにより得られる乳酸発酵物及び乳酸発酵物含有飲食品。
【選択図】図1
Description
(1)胃酸耐性が90%以上、胆汁酸耐性が90%以上、コレステロール除去能が85%以上、胆汁酸吸着能が40%以上、及びIL−12産生誘導能が80%以上であることを特徴とする、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌。
(2)乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムFERM P−21349株である、上記(1)に記載の乳酸菌。
(3)豆乳に上記(1)〜(2)に記載の乳酸菌を添加し、発酵させて得られる乳酸発酵物。
(4)上記(3)記載の乳酸発酵物を含有する乳酸発酵物含有飲食品。
(5)豆乳に上記(1)〜(2)に記載の乳酸菌を添加し、発酵させることを特徴とする、乳酸発酵物の製造方法。
<胃酸耐性>
本発明で規定する胃酸耐性は、具体的には以下の方法により測定することができる。無調整豆乳(紀文フードケミファ社製)及び50%(w/v)スクロースを9:1となるように混合して得られる豆乳培地30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養(無攪拌、無通気、静置)する。得られた培養物3mlを、人工胃液基礎培地(0.5%(w/v)脱脂粉乳、0.12%(w/v)スクロース溶液を95℃30分加熱殺菌後、終濃度0.4%(w/v)となるようにペプシン(和光純薬社製、1:10000、ブタ胃粘膜由来)を添加し、塩酸にてpHを2.5に調整して作製)27mlに添加し、37℃で3時間インキュベートする。培養開始前及び培養後の被検菌数を測定し、培養開始前の被検菌数に対する培養後の被検菌数の割合(%)を算出する。
本発明で規定する胆汁酸耐性とは、具体的には以下の方法により測定することができる。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養する。得られた培養液300μlを、30mlのMRS培地、及び30mlの0.3%(w/v)胆汁酸(オキソイド社製)含有MRS培地にそれぞれ添加する。37℃で24時間培養後、620nmにおける吸光度を測定し、胆汁酸非含有MRS培地の吸光度に対する、0.3%胆汁酸含有MRS培地の吸光度の割合(%)を算出する。
本発明で規定するコレステロール除去能は、具体的には以下の方法により測定することができる。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養する。得られた培養液300μlを、コレステロール培地(350mg/L コレステロール(和光純薬社製)、0.2%胆汁酸(w/v)を含むMRS培地)30mlに添加する。37℃で24時間インキュベートした後、4℃、8,000rpmにて10分遠心分離を行い、上清中のコレステロール濃度をデタミナーFC(協和メデックス社製)を用いて測定する。初発のコレステロール培地中に含有されるコレステロール量に対する、培地から除去されたコレステロール量の割合(%)を算出する。
本発明で規定する胆汁酸吸着能は、具体的には以下の方法により測定することができる。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養する。得られた培養液300μlを、30mlの0.3%(w/v)胆汁酸含有MRS培地(BD社製)に添加する。そして、37℃で24時間インキュベート後、4℃、8,000rpmにて10分遠心分離を行い、上清中の胆汁酸濃度をTBA測定キット(カイノス社製)により測定する。初発の培地中に含有されていた胆汁酸量に対する、培地から除去された胆汁酸量の割合(%)を算出する。
本発明で規定するIL−12産生誘導能は、具体的には以下の方法により測定することができる。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で48時間培養する。コントロールとして使用するテトラジェノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)Th221株(FERM P−21310)は、10%食塩を含有するMRS培地中で、30℃、72時間培養する。各培養液を10分間煮沸して殺菌後、波長600nmにおける吸光度が0.125、0.062、0.031、0.016になるようにRPMI完全培地を用いて希釈し、測定に用いる。RPMI完全培地の組成は、25mM HEPES、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、2mM L−グルタミン酸加RPMI1640培地(Gibco社製)に非働化(56℃、30分)したFCS(Invitrogen社製)を10%添加したものである。なお、Tetragenococcus halophilus Th221株は、菌体または菌体成分を有効成分とするIL−12誘導能を有することが知られている菌株の1つである(特開2006−28047号公報参照)。
本発明の乳酸発酵物を製造するには、豆乳に上記乳酸菌を添加し、発酵すればよい。本発明で使用可能な豆乳としては、通常の豆乳製造法により得られた豆乳(無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料)及び、加工大豆粉末を温水等に混和し、ホモゲナイズ処理等により乳化して得られる大豆乳が挙げられる。
上記のように得られた本発明の乳酸発酵物は、各種飲食品の原料とすることができる。飲食品は特に限定されないが、例えば、ヨーグルト、ババロア、ゼリー、シャーベット、アイスクリーム、乳酸飲料、清涼飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む)、スープ類、ソース類、マヨネーズ、ドレッシング等の各種調味料、蕎麦、うどん、中華麺、即席麺等の麺類、グミ等の半固形状食品、ペースト状食品、ガム、サプリメント等の固形状食品等が挙げられる。
本発明の乳酸菌は食品製造に使用する目的を有することから、(1)東京農業大学菌株保存室公開株(以下、NRIC株と称する)であって発酵食品から分離された株のうち96株、及び(2)キッコーマン株式会社研究開発本部にて発酵食品から分離した乳酸菌株(以下、キッコーマン単離株と称する)230株から、選抜を実施した。発酵食品からの乳酸菌の分離及び菌株の性質に関する評価試験は、「乳酸菌実験マニュアル−分離から同定まで−」(小崎道雄監修、内田泰、岡田早苗著、朝倉書店)に従い実施した。
実施例1で選抜された、NRIC株58株、キッコーマン単離株65株について、胃酸耐性を測定した。無調整豆乳(紀文フードケミファ社製)及び50%(w/v)スクロースを9:1となるように混合して得られる豆乳培地30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養(無攪拌、無通気、静置)した。得られた培養物3mlを、人工胃液基礎培地(0.5%(w/v)脱脂粉乳、0.12%(w/v)スクロース溶液を95℃、30分加熱殺菌後、終濃度0.4%(w/v)となるようにペプシン(和光純薬社製、1:10000、ブタ胃粘膜由来)を添加し、塩酸にてpHを2.5に調整して作製)27mlに添加し、37℃で3時間インキュベートし、培養開始前及び培養後の被検菌数を測定し、培養開始前の被検菌数に対する培養後の被検菌数の割合(%)を算出した。その結果、10%以上の値を示した株として、NRIC株より51株を、キッコーマン単離株より47株を選抜し、以降の選抜工程を進めた。
実施例2で選抜された、NRIC株51株、キッコーマン単離株47株について胆汁酸耐性を測定した。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養した。得られた培養液300μlを、30mlのMRS培地、及び30mlの0.3%(w/v)胆汁酸(オキソイド社製)含有MRS培地にそれぞれ添加した。37℃で24時間培養後、620nmにおける吸光度を測定し、胆汁酸非含有MRS培地の吸光度に対する、0.3%胆汁酸含有MRS培地の吸光度の割合(%)を算出した。90%以上の値を示した株として、NRIC株より41株を、キッコーマン単離株より33株を選抜し、胆汁酸耐性株とした。
実施例2で選抜された、NRIC株51株、キッコーマン単離株47株についてコレステロール除去能を測定した。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養した。得られた培養液300μlを、30mlのコレステロール培地(350mg/L コレステロール(和光純薬社製)、0.2%(w/v)胆汁酸を含むMRS培地)に添加した。そして、37℃で24時間インキュベートした後、4℃、8,000rpmにて10分遠心分離を行い、上清中のコレステロール濃度をデタミナーFC(協和メデックス社製)を用いて測定した。初発のコレステロール培地中に含有されるコレステロール量に対する、培地から除去されたコレステロール量の割合(%)を算出し、85%以上の値を示した株として、NRIC株より8株を、キッコーマン単離株より11株を選抜し、コレステロール除去能に優れる株とした。
実施例2で選抜された、NRIC株51株、キッコーマン単離株47株について胆汁酸吸着能を測定した。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で24時間培養した。得られた培養液300μlを、30mlの0.3%(w/v)胆汁酸含有MRS培地(BD社製)に添加した。そして、37℃で24時間インキュベートした後、4℃、8000rpmにて10分遠心分離を行い、上清中の胆汁酸濃度をTBA測定キット(カイノス社製)により測定した。初発の培地中に含有されていた胆汁酸量に対する、培地から除去された胆汁酸量の割合(%)を算出し、40%以上の値を示した株として、NRIC株より7株を、キッコーマン単離株より6株を選抜し、胆汁酸吸着能に優れる株とした。
実施例2で選抜された、NRIC株51株、キッコーマン単離株47株についてIL−12産生誘導能を測定した。MRS培地(BD社製)30mlを50ml容ファルコンチューブに入れ、被検菌(グリセロールストック)を接種(1×107個/ml)し、30℃で48時間培養した。コントロールとして使用するTetragenococcus halophilus Th221株(FERM P−21310、IL−12誘導能を有する)は、10%食塩を含有するMRS培地中で、30℃、72時間培養した。各培養液を10分間煮沸して殺菌後、波長600nmにおける吸光度が0.125、0.062、0.031、0.016になるようにRPMI完全培地を用いて希釈し、測定に用いた。RPMI完全培地の組成は、25mM HEPES、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、2mM L−グルタミン酸加RPMI1640培地(Gibco社製)に非働化(56℃、30分)したFCS(Invitrogen社製)を10%添加したものである。
これまでの測定結果をもとに、総合的な機能性を有する菌株の選抜を行った。
(1)乳酸菌スターターの調製
−85℃でグリセロール保存しておいたラクトバチルス・プランタラムY7株を10mlのMRS培地に1白金耳接種し、30℃で24時間培養して前培養液を得た。これを遠心分離、生理食塩水中に分散、再度遠心分離した後、100μlの生理食塩水に懸濁し、スターターとした。
100mlの豆乳培地(無調整豆乳(紀文フードケミファ社製):50%(w/v)スクロース=9:1になるように混合)に上記スターターを添加し、30℃で24時間培養することにより、乳酸発酵物を得た。このものは、良好な風味を有するヨーグルト様食品として摂食することができた。
Y7株を用いて豆乳を発酵させて得られた乳酸発酵物の機能性を、ハムスターを用いた動物試験により評価した。
(1)供試サンプル調製
無調整豆乳(紀文フードケミファ社製)にY7株のグリセロールストックを植菌し、30℃で48時間培養してY7豆乳発酵物を作製した。比較対照として、ヨーグルト製造によく使用されるラクトバチルス・ブルガリカスの標準株であるNRIC1688株を使用した豆乳発酵物を作製した。無調整豆乳(紀文フードケミファ社製)に、滅菌済みの60%ラクトースを1/20量添加し、Y7株のグリセロールストックを植菌し、30℃で48時間培養して作製した。豆乳、Y7豆乳発酵物、NRIC1688豆乳発酵物は凍結乾燥し、飼料に配合した。凍結乾燥物中の菌数は、Y7豆乳発酵産物が3.1×108cfu/g、NRIC1688豆乳発酵物が8.7×105cfu/gであった。
表3に示す高コレステロール飼料を、総タンパク量、総脂質量が各群で同一となるように調製した。
4週齢のシリアンハムスター(雄)を、2週間の予備飼育後、試験に供した。予備飼育期間中、前半1週間はMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社製)、後半1週間はMF粉末飼料(オリエンタル酵母工業社製)を用いた。
1.対照群
2.豆乳群
3.植物性乳酸菌豆乳発酵物(Y7株)群
4.動物性乳酸菌豆乳発酵物(NRIC1688)群
の4群に分け、各飼料で2週間飼育した。体重、摂餌量を1週間毎に計測した。また、試験終了前日〜試験終了日の24時間に排泄された糞便を回収した。
1)血液分析
血液は、全採血後、3,000rpmで15分遠心し、血清を得た。この血清に関して総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、リン脂質を測定した。総コレステロールはデタミナーL TC(協和メデックス社製)、HDLコレステロールはLタイプワコーHDL−CM(和光純薬工業社製)、中性脂肪はデタミナーTG(協和メデックス社製)、リン脂質はデタミナーPL(協和メデックス社製)を用いて定量した。VLDL+LDLコレステロールは、総コレステロールとHDLコレステロールの差から求めた。Atherogenic Index(動脈硬化指数)は、VLDL+LDLコレステロール/HDLコレステロールより求めた。
凍結した肝臓0.5gを分取し、クロロホルム/メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)10mlで脂質を抽出した。そして、フィルターろ過、0.05M NaCl溶液で洗浄後、1mlを減圧濃縮し、等量の90%エタノール溶液に溶解し、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、胆汁酸量を測定した。コレステロールは、デタミナーL TC(協和メデックス社製)、中性脂肪はデタミナーTG(協和メデックス社製)、リン脂質はデタミナーPL(協和メデックス社製)、胆汁酸はTBA測定キット(カイノス社製)により定量した。
糞便を凍結乾燥後、0.25gを分取し、クロロホルム/メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)5mlで脂質を抽出した。
そして、フィルターろ過、0.05M NaCl溶液で洗浄後、1mlを減圧濃縮し、等量の90%エタノール溶液に溶解し、コレステロール、胆汁酸量を測定した。
コレステロールはデタミナーL TC(協和メデックス社製)、胆汁酸はTBA測定キット(カイノス社製)により定量した。
1)体重・摂餌量・肝臓重量・糞便・糞便水分含量の比較
結果を表4に示す。相対肝臓重量がNRIC1688豆乳発酵物群で若干高い傾向が見られたが、有意な差はなかった。糞便重量は、Y7、NRIC1688豆乳発酵物群が、対照群に比べ有意に多かった。
結果を表5に示す。総コレステロールは、対照群に比べ豆乳群、Y7豆乳発酵物群、NRIC1688豆乳発酵物群が有意に低かった。また、VLDL+LDLコレステロールも同様の結果となった。総コレステロールにおいては、豆乳群に比べY7豆乳発酵物群の方が高い傾向が見られたが、VLDL+LDLコレステロールがほぼ同程度の値であることを考えると、これはHDLコレステロールの差によるものと考えられる。
結果を図1に示す。肝臓中のコレステロール値は、群間で有意な差はなかったものの、Y7発酵物群及びNRIC1688発酵物群の乳酸菌発酵豆乳群において、対照群及び豆乳群に比べ低い傾向が確認された。
糞便中の胆汁酸量の結果を図2に示す。有意差検定には、Tukeyの多重検定を使用した。糞便中の胆汁酸量は、対照群に比べ他の3群で有意に多かった。さらに、Y7発酵物群は豆乳群に比べても有意(P<0.05)に多かった。糞便中のコレステロール量は対照群に比べ豆乳群、NRIC1688発酵物群で有意(P<0.05)に多かった。Y7発酵物群は対照群と比べ増加傾向は見られたものの、豆乳群、NRIC1688発酵物群に比べ低い傾向であった。Y7発酵物群は血清中、肝臓中のコレステロール量が他の群に比べて最も低かったが、コレステロール排泄量が豆乳群、NRIC1688発酵物群に比べ少ない傾向にあることから、Y7株によるコレステロール資化の可能性が示唆された。
マウスに対してY7株の連続強制経口投与を行い、Y7株の抗原特異的IgE量の上昇抑制効果を調べた。具体的には、6週齢のBALB/cマウス(雄)にOVA感作を行ってアレルギーを誘導し、乳酸菌Y7株の摂取が血清中OVA特異的IgE量、脾臓細胞のサイトカイン産生能に及ぼす影響を調べた。
(1)供試動物
5週齢のBALB/Cマウス(雄)を、1週間の予備飼育後、試験に供した。予備飼育期間、試験飼育期間中はMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社製)を用いた。
その後、
1.対照群(投与なし、OVA感作なし)
2.生理食塩水投与群(比較例、OVA感作あり)
3.加熱Y7株投与群(本発明、OVA感作あり)
4.非加熱Y7株投与群(本発明、OVA感作あり)
の4群に分けた。
乳酸菌Y7株を、MRS(Difco社製)培養液で24時間培養後、その一部を加熱菌体投与用として、生理食塩水にて2回洗浄後、1×109個/mlとなるように調製し、10分間煮沸した。一方、非加熱菌体投与用としては、乳酸菌培養液を生理食塩水にて2回洗浄後、生理食塩水にて2×108個/mlとなるように調製した。それぞれをマウスに対し、0.2ml/日で、連続35日間、強制経口投与した。
乳酸菌の強制投与初日を試験開始0日目として、0日目、14日目、28日目にOVA感作を行った。具体的には、1ml生理食塩水あたり、OVA(シグマ社製、GradeV)100μg、水酸化アルミニウム(和光純薬工業社製)10mgを含有する溶液を調製し、これを、BALB/cマウス(雄、6週齢、試験開始0日目時点)の腹腔内に0.2ml投与した。試験開始35日目にマウスを解剖して脾臓、血液を採取し、脾臓からのIFN−γ産生量、血清中のOVA特異的IgE量、総IgE量を測定した。
試験開始35日目にマウスから採血を行い、1,500rpmで30分間遠心を行って血清を得た。この血清中のOVA特異的IgE量を、エンザイムイムノアッセイにより測定した。具体的には、OVA(シグマ社製、GradeV)を50μg/mlとなるように0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.2)中に溶解し、96穴プレートに50μl/穴となるように入れ、コーティングを行った。洗浄後、緩衝液で100倍希釈した血清サンプルを、プレート上に50μlずつ分注後、1時間インキュベートした。洗浄後、抗マウスIgE抗体(Pharmingen社製)を1%BSA加0.05%Tween含有リン酸緩衝液500倍希釈した溶液と共に1時間インキュベートした。洗浄後、ストレプトアビジンで標識したペルオキシダーゼ酵素(Vector社製)を加え、ビオチンと結合させた。TMB基質溶液(Moss/コスモバイオ社製)を1穴当たり100μl加え、室温で20分間反応させ、反応を0.5N塩酸で停止し、マイクロプレートリーダーで吸光度450nmを測定した。無添加・感作なしの群に対する相対値としてOVA特異的IgE量を定量化した。有意差検定(T検定)は、生理食塩水投与群に対して行った。
結果を図3に示す。対照群に対し、生理食塩水投与群では、OVA感作により血清中OVA特異的IgE量が大きく上昇した。一方、加熱Y7株投与群および非加熱Y7株投与群においては、生理食塩水投与群に比べ、血清中OVA特異的IgE量の上昇程度が有意に低かった。すなわち、Y7株の投与により、マウス血清中の抗原特異的IgE量の上昇が有意に抑制された。
試験開始0日目、14日目の血清中の総IgE量をエンザイムイムノアッセイにより測定した。詳しくは、抗マウスIgE抗体(Pharmingen社製)を1μg/mlとなるように0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.2)に溶解し、96穴プレートに50μl/穴でコーティングした。その後、加熱Y7株摂取群、非加熱Y7株摂取群において、無添加群のマウスより採取した血清サンプルを100倍希釈し、プレート上に50μlずつ分注後に、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、1%BSA加0.05%Tween含有リン酸緩衝液にて希釈した抗マウスIgE抗体溶液(Pharmingen社製、2μg/mlの溶液となるよう調整)中で、室温で1時間インキュベートした。0.05%Tween含有リン酸緩衝液を用いて洗浄後、ストレプトアビジンで標識したペルオキシダーゼ酵素(Vector社製)を加えて、ビオチンと結合させた。その後、TMB基質溶液(Moss/コスモバイオ 社製)を1穴当たり50μl加え、室温で20分間反応後に、0.5N塩酸を用いて反応を停止し、マイクロプレートリーダーによって吸光度450nmを測定した。 検量線作成にはMouse IgE,κ(BD Pharmingen社製)を用いた。測定結果は試験開始0日目から35日目の増加量で表した。生理食塩水投与群に対し、有意差検定(T検定)を行った。
結果を図4に示す。加熱Y7株摂取群において無添加群に比べ有意に総IgE量が低かった。また、非加熱Y7株摂取群においては、無添加群に比べ総IgE量の低下傾向が見られた。これらのことから、Y7株の摂取により総IgE量の上昇が抑制されたことが示された。
試験開始35日目に脾臓を採取後、400ユニット/mlのタイプ1コラゲナーゼ(シグマ社製)含有RPMI1640(Gibco社製)で攪拌、細胞の懸濁を行い、脾臓細胞を回収した。その後、OVA(シグマ社製、GradeV)を100μg/ml含む10%FBS(JRH)加RPMI1640培地において3日間培養を行った。培養後、1500rpmで5分間遠心を行い、上清を回収し、エンザイムイムノアッセイによりIFN−γ濃度を測定した。詳しくは抗マウスIFN−γ抗体(Pharmingen社製)を2μg/mlとなるように0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.2)に溶解し、96穴プレートに50μl/穴でコーティングした。その後、血清サンプルを100倍希釈し、プレート上に50μlずつ分注し、1時間インキュベートした。洗浄後、ビオチン標識抗マウスIFN−γ抗体(Pharmingen社製)を1%BSA加0.05%Tween含有リン酸緩衝液500倍希釈した溶液で1時間インキュベートした。洗浄後、ストレプトアビジンで標識したペルオキシダーゼ酵素(Vector社製)を加え、ビオチンと結合させた。TMB基質溶液(Moss/コスモバイオ社製)を1穴当たり100μl加え、室温で20分間反応させ、反応を0.5N塩酸で停止し、マイクロプレートリーダーで吸光度450nmを測定し、リコンビナントマウスIFN−γ(Pharmingen社製)で作成した標識曲線から、培養上清中のIFN−γの濃度を求めた。有意差検定(T検定)は生理食塩水投与群に対して行った。
結果を図5に示す。加熱Y7株摂取群、非加熱Y7株摂取群において、無添加群に比べ有意にIFN−γ産生量が増加した。このことから、Y7株摂取によりTh1免疫が増強され、血清中のOVA特異的IgE量、総IgE量の上昇が抑制されていることが示された。
6週齢のBALB/cマウス(雄)に1日当たり2×108個の非加熱Y7株、加熱Y7株を14日間連続強制経口投与し、血清中総IgE量、腸管でのIgA分泌促進作用を反映する糞便中のIgA量を調べた。一方、無添加群には生理食塩水を投与した。
実施例10に記載の方法と同様に、試験開始0日目、14日目の血清中の総IgE量をエンザイムイムノアッセイにより測定した。有意差検定は、Tukeyの多重検定により行った。
結果を図6に示す。非加熱Y7株摂取群における総IgEの増加量は、無添加群に比べ有意に抑制された。一方、加熱Y7株摂取群においては、無添加群に比べて総IgEの増加量が低い傾向が見られたものの、その抑制の度合は非加熱Y7株摂取群ほどではなかった。このことから、Y7株の摂取による総IgEの増加抑制効果は、加熱された状態(死菌)で摂取するよりも非加熱の状態(生菌)で摂取する方が、その効果が強いことが示された。
感染防御作用の指標として、試験開始0日目、14日目の糞便中の総IgA量をエンザイムイムノアッセイにより測定した。詳しくは、糞便100mgに対し1mlの割合でProtease Inhibitor Cocktail(Roche社製)含有PBS溶液を添加し、懸濁後、12,000rpmで遠心分離を行い、上清を抽出サンプルとした。抗マウスIgA抗体(BD Pharmingen社製)を0.5μg/mlとなるように0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.2)に溶解し、96穴プレートに1穴あたり50μlずつをコーティングした。その後、抽出サンプルを10,000倍希釈し、プレート上に50μlずつ分注し、1時間インキュベートした。洗浄後、抗マウスIgA抗体(Southern Biotechnology Associates社製)を1%BSA加0.05%Tween含有リン酸緩衝液にて20,000倍希釈した溶液と共に1時間インキュベートした。洗浄後、ストレプトアビジンで標識したペルオキシダーゼ酵素(Vector社製)を加え、ビオチンと結合させた。TMB基質溶液(Moss/コスモバイオ社製)を1穴当たり50μl加え、室温で20分間反応させ、反応を0.5N塩酸で停止後に、マイクロプレートリーダーで吸光度450nmを測定した。検量線作成にはMouse IgA(BETHYL社製)を用いた。測定結果は試験開始0日目から14日目の増加量で表した。有意差検定は、Tukeyの多重検定により行った
。
へアレスマウスの皮膚にアセトン処理を施し、肌水分量を低下させる試験系を用いて、Y7株摂取による肌水分保持作用における効果を試験した。
(1)材料と方法
5週齢の雌性へアレスマウスHOS:HR−1(日本エスエルシー社より購入)14匹を、体重の分布が同程度になるよう2群に分けた。1週間の馴化を行った後、1群にはコントロール食(ラボMRストック、日本農産社製)を、2群には5%豆乳発酵物含有食(Y7株を生菌として5×107個/g含有するラボMRストック)を自由に与えた。飲料水は両群共に自由に与えた。試験食を7週間摂取させた後、アセトン塗布処理を施し、人為的に乾燥肌を形成させた。具体的なアセトン塗布処理は、アセトンを含有させた脱脂綿を1回につき5秒間皮膚に接触させ、これを5回繰り返す事を1セットとし、朝夕1セットずつ3日間、計6セット実施した。アセトン処理は、マウス片体側部にのみ実施し、反対側の体側部は無処理部分とした。
アセトン塗布処理を終えた翌日に、Corneometer(courage−khazaka社製)を用いて肌水分値を測定した。肌水分値は個体差が比較的大きいため、前述の無処理部分とアセトン塗布処理部分での肌水分値を測定した。有意差検定は、T検定により行った。
図8に示すように、アセトン塗布部においてはいずれの群においても、無処理部に比べて肌水分値が低下した。しかし、コントロール食を摂取させた1群に比べて、Y7株を摂取した2群においては、アセトン塗布部の肌水分値が有為に高かった。すなわち、Y7株豆乳発酵物の経口摂取により、皮膚への刺激に対する抵抗性が増し、肌水分が保持されたことが示された。
Claims (5)
- 胃酸耐性が90%以上、胆汁酸耐性が90%以上、コレステロール除去能が85%以上、胆汁酸吸着能が40%以上、及びインターロイキン12産生誘導能が80%以上であることを特徴とする、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌。
- 乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムFERM P−21349株である、請求項1に記載の乳酸菌。
- 豆乳に請求項1〜2記載の乳酸菌を添加し、発酵させて得られる乳酸発酵物。
- 請求項3記載の乳酸発酵物を含有する乳酸発酵物含有飲食品。
- 豆乳に請求項1〜2記載の乳酸菌を添加し、発酵させることを特徴とする、乳酸発酵物の製造方法。
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