JP2009083025A - ボルト締結方法及びその装置 - Google Patents

ボルト締結方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009083025A
JP2009083025A JP2007254788A JP2007254788A JP2009083025A JP 2009083025 A JP2009083025 A JP 2009083025A JP 2007254788 A JP2007254788 A JP 2007254788A JP 2007254788 A JP2007254788 A JP 2007254788A JP 2009083025 A JP2009083025 A JP 2009083025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
tightening
bolt
state
characteristic line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007254788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5098542B2 (ja
Inventor
Tatsumi Makimae
辰己 槇前
Yutaka Fujii
豊 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2007254788A priority Critical patent/JP5098542B2/ja
Publication of JP2009083025A publication Critical patent/JP2009083025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098542B2 publication Critical patent/JP5098542B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

【課題】トルク特性線の状態に基づいて締付軸力が変動することを防止できるボルト締結方法を提供する。
【解決手段】トルク特性線の状態を得て、そのトルク特性線の状態が、理論着座点のずれの問題が生じない直線状態にある判断したときには、着座点角度法による締付けを原則通り行う。その一方、トルク特性線の状態が、理論着座点のずれの問題が生じる湾曲状態にある判断したときには、トルク+角度法により締付けを行う。これにより、その特質として、各ボルトの締付軸力を略一定にできることを利用できることになり、そのトルク+角度法の下での目標締付軸力を着座点角度法に基づく目標締付軸力に合わせることにより、ボルトの締付けにおいて、トルク特性線の状態が直線状態、湾曲状態のいずれの状態であっても、締付軸力が変動することを抑制できることになる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ボルト締結方法及びその装置に関する。
ボルト締結部品の締結品質を確保するためには、ボルトの締付軸力が所期の設計値を満足するように適正に管理することが重要である。しかし、ボルトの締付軸力を直接的に測定、確認しつつ締付管理を行うことは困難であり、これまでは締付軸力の代用特性として締付けトルクや締付け角度(回転角度)で締付管理する手法が一般的に採られている。その中に、例えば特許文献1に示すように、着座点角度法がある。着座点角度法は、ボルト締付時の実測トルクカーブからトルク勾配(dT/dθ)を算出し、その勾配の傾き線とトルク零(横軸)との交点を求め、その交点を理論着座点(締付始点)として所定角度だけ締付けを行う締付方法である(図17参照)。この着座点角度法を用いれば、通常、ボルトの締付け角度θ(ボルト回転角)と締付軸力Fとが比例関係にあることから、トルクカーブが理想の直線をもって理論着座点が正確に求められれば、摩擦係数μの影響が皆無となり、極めて安定した締付軸力を得ることができる。
ところで、ボルトと被締付部材とが同程度の硬度を有する場合には、トルク特性線(トルクカーブ)は直線になり易く、前述の着座点角度法の適用により優れた軸力安定化効果を発揮できる。
特開昭62−102978号公報
しかし、ボルトの硬度に比べて被締付部材の硬度が相対的に低い場合には、ボルトの締付過程で被締付部材の座面にヘタリやカジリ等が生じやすく、このような場合、締付初期には、ボルト座面外周部と被締付部材の座面の局部接触による被締付部材の座面ヘタリが生じ、座面の摩擦トルクが大きくなって締付摩擦係数μの上昇を起こし易い。さらに、締付過程で被締付部材の座面ヘタリが進行すると、ボルト座面と被締付部材とが面接触となり、座面の摩擦トルクの減少を招く等トルク変動を起こし易い。このため、ボルトの硬度に比べて被締付部材の硬度が相対的に低い場合には、被締付部材の締付けにおいて、締付けトルクと締付け角度との関係においてトルク特性線(締付けトルクカーブ)が締付途中で湾曲する場合が多く、トルク勾配(dT/dθ)を利用する着座点角度法においては、算出される着座点に大きなずれが生じ、それに伴い、最終的な締付け角度(θA1)での締付軸力が大きく変動する問題がある(図18参照)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、トルク特性線の状態に基づいて締付軸力が変動することを防止できるボルト締結方法を提供することにある。
第2の技術的課題は、上記ボルト締結方法を使用するボルト締結装置を提供することにある。
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)においては、
ボルトを被締付部材に締付けて、目標締付軸力を得るボルト締結方法において、
前記ボルトの締付け中に、締付け角度の変化に伴う締付けトルクの変化を示すトルク特性線の状態を得るようにし、
前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、該トルク特性線における初期段階のトルク勾配に基づいて求めた理論着座点から予め設定された第1設定角度に達するまでボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにし、
前記トルク特性線の状態が前記直線状態よりも湾曲された湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得る構成としてある。請求項1の好ましい態様としては、請求項2〜7の記載の通りとなる。
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項8に係る発明)においては、
ボルトを被締付部材に締付けて、目標締付軸力を得るボルト締結装置において、
前記ボルトの締付けを調整するボルト締付け調整手段と、
前記ボルトの締付け中に、締付け角度の変化に伴う締付けトルクの変化を示すトルク特性線の状態を検出するトルク特性線状態検出手段と、
前記トルク特性線状態検出手段からの情報に基づき、前記トルク特性線の状態が直線状態にあるか又は該直線状態よりも湾曲された湾曲状態にあるかを判別するトルク特性線状態判別手段と、
前記トルク特性線状態判別手段からの情報に基づき、前記ボルト締付け調整手段を制御して、前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、該トルク特性線における初期段階のトルク勾配に基づいて求めた理論着座点から予め設定された第1設定角度に達するまでボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにし、前記トルク特性線の状態が湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにする制御手段と、
を備えている構成としてある。この請求項8の好ましい態様として、請求項9以下の記載の通りとなる。
請求項1の発明によれば、ボルトの締付け中に、トルク特性線の状態を得て、そのトルク特性線の状態が、理論着座点のずれの問題が生じない直線状態にあると判断したときには、着座点角度法に基づく締付けを原則通り行う一方、トルク特性線の状態が、理論着座点のずれの問題が生じる湾曲状態にあると判断したときには、トルク+角度法(予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに設定角度だけボルトを締付ける締付方法)に基づく締付けを行うことから、その特質として、各ボルトの締付軸力を略一定にできること(スナッグトルク以降においては、角度法による締付けになり、スナッグトルクに達する前においては、等価直径の変動が抑えられて締付軸力の変動が抑制されること)を利用できることになり、そのトルク+角度法による締付けの下でも、その目標締付軸力を着座点角度法に基づく目標締付軸力に合わせることにより、着座点角度法による締付けに基づく締付軸力に等しくすることができる。このため、トルク特性線の状態が直線状態、湾曲状態のいずれの状態であっても、締付軸力が変動することを抑制できる。
請求項2の発明によれば、トルク特性線の状態が、該トルク特性線に関する所定パラメータ値により得られ、そのトルク特性線が湾曲状態にあると判断することが、所定パラメータ値がトルク特性線の直線状態を示す閾値から外れていることであることから、トルク特性線の状態が湾曲状態であることを具体的に判定することができる。
請求項3の発明によれば、所定パラメータ値が、トルク特性線における低・高トルク領域のトルク勾配の差分であることから、トルク特性線の状態が湾曲状態か否かを正確且つ容易に判定できる。
請求項4の発明によれば、所定パラメータ値が、トルク特性線のトルク勾配に基づき算出された所定締付け角度における締付けトルクと、所定締付け角度における実測締付けトルクとの差分であることから、トルク特性線の状態が湾曲状態か否かをより具体的且つ的確に判定できる。
請求項5の発明によれば、トルク特性線の状態が所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、前記判断時までに実行した締付け角度を相殺して続行することから、ボルトの締付けを一度の連続した締付けで終えることができ、ボルトの締付けを、締付軸力の変動を抑制しつつ、迅速に行うことができる。
請求項6の発明によれば、トルク特性線の状態が所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、ボルトを弛めて、新たに始めることから、ボルトの締付けにおいて、複雑な制御を行うことなく、締付軸力が変動することを抑制できる。
請求項7の発明によれば、ボルトの硬度が被締付部材の硬度よりも高いことから、ボルトの締付けにおいて、トルク特性線が湾曲化し易い状態にあっても、締付軸力が変動することを抑制できる。
請求項8の発明によれば、作動において、前記請求項1に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項1に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
請求項9の発明によれば、作動において、前記請求項2に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項2に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
請求項10の発明によれば、作動において、前記請求項3に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項3に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
請求項11の発明によれば、作動において、前記請求項4に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項4に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
請求項12の発明によれば、作動において、前記請求項5に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項5に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
請求項13の発明によれば、作動において、前記請求項6に係るボルト締結方法が使用されることになり、請求項6に係るボルト締結方法を使用したボルト締結装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
先ず、第1実施形態に係るボルト締結方法について説明する。
(1)第1実施形態に係るボルト締結方法は、ナットランナ等のボルト回転手段を用いて、ボルトの締付けにより被締付部材(例えばエンジン軸受け部品等)を締付けるものであり、この締結方法においては、ボルトの初期締め(ボルトの締付け)により、その初期締め中に、その締付け角度の変化に伴う締付けトルクの変化を示すトルク特性線の状態を得る。
(i)初期締め中にトルク特性線の状態を得るのは、トルク特性線が、理論着座点のずれを発生させる湾曲状態か、理論着座点のずれが問題とならない直線状態かを判断し、その判断の結果を当該ボルトの締付けに反映させるためである。
(ii)前記トルク特性線の状態としては、この第1実施形態に係るボルト締結方法においては、図1に示すように、トルク特性線に関する所定パラメータ値、すなわち、トルク特性線における低トルク領域のトルク勾配αと、低トルク領域より高い高トルク領域のトルク勾配βとのトルク勾配差α−βが用いられる。トルク勾配差α−βは、トルク特性線の状態が湾曲状態か否かを判断するものとして最適だからである。この場合、トルク勾配差ΔRT=α−βについての判断は、図2に示すように、トルク勾配差ΔRTが閾値ΔRT0(例えば0.10)以下(例えばα≒β)のときには、トルク特性線が直線状態にあると判断され、図1に示すように、トルク勾配差ΔRTが閾値ΔRT0を超えるときには、トルク特性線が湾曲状態であると判断される。尚、判断の正確さを高めるために、低トルク領域及び高トルク領域において、さらに多くのトルク勾配を求めてもよい。
(iii)前記初期締めは、着座点角度法に基づいて実行される。着座点角度法は、理論着座点を基準として設定角度だけ締付ける締結方法であり、初期締めにおいては、設定角度としてθ00(初期締め角度)が設定される。この場合、理論着座点を求めるに際しては、トルクの安定領域における前記トルク勾配βが利用され、これに基づき理論着座点(具体的には、トルク勾配β計測点からの接線と横軸となる締付け角度軸(締付けトルク0となる線)との交点)が求められる。
(2)第1実施形態に係るボルト締結方法は、前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、図2に示すように、該トルク特性線におけるトルク勾配に基づいて求めた理論着座点から予め設定された第1設定角度θA1に達するまでボルトを締付けて、目標締付軸力を得る。トルク特性線の状態が直線状態にあるときには、理論着座点のずれの問題が発生することはなく、その理論着座点を基準として第1設定角度θA1だけ締付けることにより(着座点角度法)、各ボルトの締付けにおいて均等な締付軸力を得ることができるからである。すなわち、トルク特性線が直線状態の場合には、それを反映した理論着座点を的確に求めることができ、その的確な理論着座点を第1設定角度θA1の締付け開始基準として締付ければ、締付軸力=ボルト締付け角度θ/360・P・Kに基づき、各ボルトの締付けにおいて、均等な締付軸力が得られることから、それを利用しようとしているのである。ここで、Pはボルトピッチ、Kはボルト及び被締付部材の材質、形状等から求まる係数である。
(i)この場合、理論着座点としては、トルクの安定領域における前記トルク勾配βを利用した前記初期締めと同じ理論着座点が用いられる。また、目標締付軸力は、ボルトの形状や材質、被締付部材の形状、材質等から予め定められることになっており、その目標締付軸力から第1設定角度θA1が決定される。
(ii)またこの場合、前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、前記態様のボルトの締付けを、理論着座点を基準として、その判断時まで実行した締付け角度(初期締めにおいて実行された締付け角度)を相殺して続行する。ボルトの締付けを迅速に行うためである。このとき、初期締めと上記判断後の締付けにおいて、理論着座点が共通していることから、図2に示すように、初期締め角度θ00まで初期締めを行わせた上で、その初期締め角度θ00では不足する分θA1−θ00をさらに締め付けるようにしてもよい。勿論、トルク特性線の状態が直線状態にあると判断した時点で初期締めを停止し、その上でそのボルトを弛めて、再度、理論着座点から第1設定角度θA1だけ締付けを行ってもよい。
(3)一方、第1実施形態に係るボルト締結方法は、前記トルク特性線の状態が直線状態よりも湾曲された湾曲状態にあると判断したときには、図3に示すように、予め設定されたスナッグトルク(有効な(実質的な)締付けを開始する時における締付けトルク)Tsに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクTsに達した時点におけるボルトの締付け角度θsを基準として、さらに第2設定角度θA2だけボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得る。
(i)トルク特性線の状態が湾曲状態にあることを判断することとしているのは、トルク特性線の状態が湾曲状態にあるときには、その理論着座点が直線状態の理論着座点に対して大きくずれ、理論着座点を用いた着座点角度法による締付けでは締付軸力が変動することから(前述の図18参照)、理論着座点を基準とした角度法を用いない他の締付方法に切換えるためである。尚、このような湾曲状態のトルク特性線は、ボルトの硬度が被締付部材の硬度よりも高い場合に生じやすい。
(ii)トルク特性線の状態が湾曲状態にあると判断したときに、予め設定されたスナッグトルクTsに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度θs(理論着座点を基準として利用することにより特定)を基準として、さらに第2設定角度θA2だけボルトを締付ける締付方法(トルク+角度法)を採用しているのは、トルク+角度法が、各ボルトの最終的締付軸力をほぼ等しくできる特質を有しているからである。すなわち、トルク+角度法を用いれば、スナッグトルクTs以降においては、角度法による締付けとなって、締付け角度管理だけで正確に所望の締付軸力を得ることができ(締付軸力と締付け角度とは比例関係)、スナッグトルクTsに達する前においては、この段階では締付軸力が低く、ボルト座面と被締付部材とが接触して摩擦を起こす個所(等価直径)の変動が抑えられて安定した摩擦が起こり、スナッグトルクTsまでの締付軸力のばらつきは抑制される。このため、トルク+角度法を用いる限り、各ボルトの最終的締付軸力をほぼ等しくすることができ、第1実施形態に係るボルト締結方法においては、このトルク+角度法の特質を利用しようとしているのである。
(iii)上記トルク+角度法による締付けの目標締付軸力として、着座点角度法による目標締付軸力(トルク特性線が直線状態の場合の目標締付軸力)と同じものを得るようにしているのは、トルク+角度法の下で締付けを行う限り、各ボルトの締付けによる最終的締付軸力をほぼ等しくできるものの、着座点角度法による締付けの目標締付軸力を着座点角度法による締付けの目標締付軸力と同じものに合わせなければ、トルク+角度法による締付けに基づく締付軸力を、着座点角度法による締付けに基づく締付軸力に等しくすることができないからである。したがって、トルク+角度法において用いるスナッグトルクTs,第2設定角度θA2は、上記目標締付軸力に基づき設定される。
(iv)前記トルク特性線の状態が湾曲状態にあると判断したときには、上記ボルトの締付け(予め設定されたスナッグトルクTsに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクTsに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度θA2だけボルトを締付けること)を、その判断時まで実行した締付け角度(初期締めにおいて実行された締付け角度)を相殺して続行する。ボルトの締付けを迅速に行うためである。この場合、初期締めを初期締め角度θ00まで行わせ、その初期締め角度θ00では不足する分をさらに締付けるようにしてもよい。勿論、トルク特性線の状態が湾曲状態にあると判断した時点で初期締めを停止し、その上でボルトを弛めて、再度、予め設定されたスナッグトルクTsに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクTsに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度θA2だけボルトを締付けてもよい。
次に、上記第1実施形態に係る方法を用いたボルト締結装置について説明する。このボルト締結装置1は、図4に示すように、ボルト回転手段としてのナットランナ2と、そのナットランナ2を制御する制御系3と、を備えている。ナットランナ2は、ボルトの頭部に係合されるソケット4と、そのソケット4を回転駆動する駆動モータ(ボルト締付け調整手段)5と、ソケット4によってボルトに負荷されるトルクを検知するためのトルクトランスデューサ(トルク検知手段)6と、駆動モータ5の回転角度を検出することによりボルトの締付け角度を測定する角度エンコーダ(締付け角度検出手段)7とを有している。
前記制御系3は、演算制御装置(CPU)8を備えている。この演算制御装置8には、トルクトランスデューサ6からの締付けトルク信号、角度エンコーダ7からの締付け角度信号が直接、入力されている他に、トルク勾配演算、トルク+角度法による締付けのための各種情報が入出力される。先ず、トルクトランスデューサ6からの締付けトルク信号、角度エンコーダ7からの締付角度信号について説明する。これら信号に基づく締付けトルク、締付け角度は、ボルトの締付け開始と同時に計測が開始され、そのうち、締付け角度については、後述する如く、理論着座点が求められた後は、その理論着座点を基準として(締付け角度値0として)、締付け角度が特定される。
次に、トルク勾配演算のための入出力関係について説明する。制御系3には、基準トルクT0を設定する基準トルク設定器9aが備えられ、その基準トルク設定器9aからの基準トルク信号とトルクトランスデューサ6によって検知されたボルトの締付けトルク信号とがコンパレータ10aに入力されている。コンパレータ10aは、基準トルク信号と締付けトルク信号とを比較して、その両者の値が一致したときに一致信号を出力することになっており、その一致信号はアナログゲート11aを介して基準トルク到達信号として演算制御装置8に入力されることになっている。一方、演算制御装置8には、角度エンコーダ7が検出するボルトの締付け角度信号が各角度ゲート12a〜12dを介して入力されており、その各角度ゲート12a〜12dには、ON,OFFするためのON,OFF信号が演算制御装置8から入力される。この場合、演算制御装置8からのON信号については、基準トルク到達信号が演算制御装置8に入力されることを条件に出力されることになっており、これにより、各角度ゲート12a〜12dがONとされて、演算制御装置8(記憶手段)は、基準トルクT0時点における基準締付け角度θ0を記憶することになる。これに対して、演算制御装置8からのOFF信号は、各角度ゲート12a〜12dがONになってから入力される締付け角度が、その各角度ゲート12a〜12dに応じて設定される角度に到達したときにそれぞれ出力される。すなわち、制御系3には、締付け角度Δθ1を設定する角度設定器14a、締付け角度Δθ2を設定する角度設定器14b、締付け角度Δθ3を設定する角度設定器14c、締付け角度Δθ4を設定する角度設定器14dをそれぞれ備えており、演算制御装置8は、基準締付け角度θ0と各角度設定器14a〜14dがそれぞれ設定する角度Δθ1,Δθ2,Δθ3,Δθ4との和θ0+Δθ1,θ0+Δθ2,θ0+Δθ3,θ0+Δθ4を記憶し、角度エンコーダ7からの締付け角度がθ0+Δθ1,θ0+Δθ2,θ0+Δθ3,θ0+Δθ4に順次至ったと判断したときには、それに応じて、各角度ゲート14a〜14dにOFF信号を順次、出力する。また、この角度エンコーダ7からの締付け角度がθ0+Δθ1,θ0+Δθ2,θ0+Δθ3,θ0+Δθ4にそれぞれ至ると、演算制御装置8は、そのθ0+Δθ1,θ0+Δθ2,θ0+Δθ3,θ0+Δθ4に至ったタイミングの入力締付けトルクT1,T2,T3,T4を記憶する。これらに基づき、後述する如く、トルク勾配が演算され、そのトルク勾配βを利用して、実質的な締付け開始点である理論着座点、トルク勾配差等が求められる。尚、Δθ1,Δθ2,Δθ3,Δθ4については、Δθ1<Δθ2<Δθ3<Δθ4の関係がある。
次に、トルク+角度法による締付けのための入出力関係について説明する。制御系3には、スナッグトルクTsを設定するスナッグトルク設定器9bが備えられ、そのスナッグトルク設定器9bからのスナッグトルク信号とトルクトランスデューサ6によって検知されたボルトの締付トルク信号とがコンパレータ10bに入力されている。コンパレータ10bは、スナッグトルク信号と締付トルク信号とを比較して、その両者の値が一致したときに一致信号を出力することになっており、その一致信号はアナログゲート11bを介してスナッグトルク到達信号として演算制御装置8に入力されることになっている。一方、演算制御装置8には、角度エンコーダ7が検出するボルトの締付け角度信号が角度ゲート12eを介して入力されており、その角度ゲート12eには、ON,OFFするためのON,OFF信号が演算制御装置8から入力される。演算制御装置8からのON信号は、前記スナッグトルク到達信号が入力されることを条件に出力されることになっており、これにより、角度ゲート12eがONとされて、演算制御装置8(記憶手段)は、スナッグトルクTs時点における締付角度を記憶することになる。演算制御装置8からのOFF信号は、スナッグトルク到達信号が入力されてから、設定角度θA2に達したことを条件に出力されることになっている。
前記演算制御装置8は、上記各種入力情報等を処理すべく、図13に示すように、記憶手段、第1トルク勾配演算手段、第2トルク勾配演算手段、理論着座点演算手段、締付角度再調整手段、初期締め角度到達検出手段、トルク勾配差演算手段、トルク特性線状態判別手段、スナッグトルク時点角度検出手段、締付態様選択手段、増し締め角度演算手段、制御手段を備えている。
記憶手段は、予め設定される初期締め角度θ00,第1設定角度θA1,スナッグトルクTs,第2設定角度θA2の他、各種情報(Δθ1,Δθ2,Δθ3,Δθ4,T1〜T4)等を記憶するように設定されている。
第1トルク勾配演算手段は、低トルク領域における基準トルクT0に対応する基準締付け角度θ0、基準締付け角度θ0を基準として締付けられた締付け角度Δθ1,Δθ2及びそのΔθ1,Δθ2に対応するトルクT1,T2を情報として受け入れて、それらに基づき、トルク勾配αを演算するように設定されている(図1参照)。すなわち、第1トルク勾配演算手段は、前述の記憶手段からΔθ1,Δθ2,T1,T2を読み出し、低トルク領域における第1トルク勾配αを、α=(T2−T1)/(Δθ2−Δθ1)に基づき演算する。
第2トルク勾配演算手段は、低トルク領域よりも高く、トルクが安定したトルク領域(高トルク領域)において、基準締付け角度θ0を基準として締付けられた締付け角度Δθ3,Δθ4及びそのΔθ3,Δθ4に対応するトルクΔT3,ΔT4を情報として受け入れて、それらに基づき、トルク勾配βを演算するように設定されている(図1参照)。すなわち、第2トルク勾配演算手段は、前述の記憶手段からΔθ3,Δθ4,T3,T4を読み出し、高トルク領域における第2トルク勾配βを、β=(T4−T3)/(Δθ4−Δθ3)に基づき演算する。
理論着座点演算手段は、締付けトルクの安定領域の前記トルク勾配βと前記締付けトルクT4とを利用して、T4/βを演算し、図1の締付角度軸(横軸)上において、締付けトルクT4に対応する締付角度点からT4/βだけ遡った点を理論着座点と特定するように設定されている。
締付角度再調整手段は、前記理論着座点演算手段が求めた理論着座点における締付け角度値を0とし、それを基準として、締付け開始から計測した締付け角度及びこれから計測する締付け角度を再調整するように設定されている。
初期締め角度到達検出手段は、第1実施形態において特別に設けられるものである。第1実施形態においては、とりあえず、初期締め角度θ00(理論着座点を基準としたもの)までボルト締付けが行われることになっており、このため、初期締め角度到達検出手段は、前記理論着座点演算手段が求めた理論着座点を基準として、初期締め角度θ00に到達したことを検出するように設定されている。
トルク勾配差演算手段(トルク特性線状態検出手段)は、初期締め角度到達検出手段が初期締め角度θ00の到達を検出すると、第1トルク勾配演算手段が演算したトルク勾配αと第2トルク勾配演算手段が演算したトルク勾配βとに基づき、それらの差分であるトルク勾配差ΔRT=α−βを演算するように設定されている。
トルク特性線状態判別手段は、トルク勾配差演算手段が演算したトルク勾配差ΔRT=α−βが閾値ΔRT0以下か否かを判別し、トルク勾配差ΔRTが閾値ΔRT0以下と判定したときにはトルク特性線が直線状態にあると判断し、トルク勾配差ΔRTが閾値ΔRT0を超えていると判定したときにはトルク特性線が湾曲状態にあると判断するように設定されている。
締付態様選択手段は、トルク特性線状態判別手段がトルク特性線を直線状態であると判断したときには、着座点角度法の下で理論着座点から第1設定角度θA1までの締付け態様を実行すべく、予め設定されている第1設定角度θA1を読み出して、理論着座点から第1設定角度θA1までの締付け角度θA1を設定し、トルク特性線状態判別手段がトルク特性線を湾曲状態であると判断したときには、トルク+角度法の下で、スナッグトルクTsに達するまで締付けると共に、そのスナッグトルクTsに達した時点の締付け角度を基準として第2設定角度θA2だけ締付ける締付け態様を実行すべく、スナッグトルクTsに達した時点の締付け角度θs(理論着座点を基準としたもの)と、予め設定されている第2設定角度θA2とを読み出して、それらを加算した上で、その加算値θs+θA2を、理論着座点を基準として実行すべき締付け角度とするように設定されている。
増し締め角度演算手段とは、第1実施形態において特別に設けられるものである。第1実施形態においては、とりあえず、初期締め角度θ00までボルト締付けが行われ、その初期締め角度θ00までボルトを締付けた後、上記所定の計算を行って、初期締め角度θ00では不足する分を補う制御が行われることになっている。このため、増し締め角度演算手段は、前記締付態様選択手段の選択設定に応じ、着座点角度法による締付けを行うときには、初期締め角度θ00までの締付けでは不足する不足分θA1−θ00を増し締め角度として求め、トルク+角度法による締付けを行うときには、初期締め角度θ00までの締付けでは不足する不足分θs+θA2−θ00を増し締め角度として求めることになっている。
制御手段は、上記初期締め角度到達検出手段と増し締め角度演算手段とを設けた制御を行うべく、初期締め角度到達検出手段が初期締め角度θ00に到達したことを検出したとき、サーボアンプ13を介して駆動モータ5に駆動停止信号を出力し、この後、増し締め角度演算手段が演算を終えると、再び、サーボアンプ13を介して駆動モータ5に駆動信号を出力して、演算された増し締め角度だけボルトをナットランナ2により増し締めさせるように設定されている。
次に、上記ボルト締結装置1の制御例を、図6に示すフローチャートに基づきより具体的に説明する。
先ず、ボルト締結装置1が起動されると、S(ステップを示す)1において、各種情報が読み込まれる。各種情報としては、スナッグトルクTs、第1設定角度θA1,第2設定角度θA2、初期締め角度θ00等が読み込まれる。
次に、ナットランナ2の駆動が開始されてボルトの締付けが開始され、それに伴って、締付けトルク及び締付け角度の検出が開始される(S2,S3)。このS3の検出データに基づきトルク特性線(締付けトルク−締付け角度線)が求められ、そのトルク特性線のデータに基づき、低トルク領域におけるトルク勾配α、その低トルク領域よりも高く、締付けトルクが安定した領域のトルク勾配βが求められる(S4,S5)。次のS6においては、S5のトルク勾配βが利用されて、前述の如く、実質的な締付け角度=0点である理論着座点が求められ、その理論着座点が求まると、これまでのボルト締付けの開始点を基準とした締付け角度が理論着座点を基準としたものに再調整され、その再調整された締付け角度が締付けトルクに関連付けられる(S7:データの再調整)。そして、その理論着座点を基準として、初期締め角度θ00に達すると、ナットランナ2による締付けが停止(制御手段が駆動停止信号を駆動モータ5に出力)される(S8,S9)。
次のS10においては、前記S4のトルク勾配α、前記S6のトルク勾配βを用いて、トルク勾配差ΔRT=α−βが演算され、そのΔRTが、閾値ΔRT0(例えば0.10)以下か否かが判別される(S11)。この判別は、実測トルク特性線が直線状態か否かを判別するものであり、このS11がYESのときには、トルク特性線が直線状態にあるとして、着座点角度法によるボルト締付けを行うべく、初期締め角度θ00までの締付けでは不足する不足分θA1−θ00を増し締め角度として演算する(S12)。この演算を終えると、ナットランナ2による締付けが再開(制御手段が駆動信号を駆動モータ5に出力)され(S13)、その増し締め角度θA1−θ00だけ実行されると、ナットランナ2による締付けは停止される(S14,S15)。
一方、前記S11がNOのときには(実測トルク特性線が湾曲状態のとき)、トルク+角度法による締付けを行うべく、スナッグトルクTs時点における締付け角度θsと第2設定角度θA2とを読み出して(S16)、理論着座点を基準として実行するべき締付け角度θs+θA2を演算し(S17)、その後、初期締め角度θ00までの締付けでは不足する不足分θs+θA2−θ00を増し締め角度として演算する(S18)。この演算を終えると、ナットランナ2による締付けが再開され(S19)、その増し締め角度θs+θA2−θ00だけ実行されると、ナットランナ2による締付けは停止される(S20,S15)。この場合、このトルク+角度法に基づく締付けにおいては、その目標締付軸力が、前記着座点角度法に基づく締付けの目標締付軸力に等しくなるように、スナッグトルクTs、第2設定角度θA2が予め設定されている。このため、ボルト締付け中のトルク特性線が湾曲状態になる場合であっても、このトルク+角度法による締付けにより、着座点角度法による締付けと略同じ締付軸力を得られることになる。
図7、図8は、第1実施形態に係るボルト締結方法(着座点角度法による締付とトルク+角度法による締付けとの併用)を用いた実験例、図9、図10は、従来に係るボルト締結方法(着座角度法による締付けのみ使用)を用いた実験例を示す。これによれば、第1実施形態に係るボルト締結方法において、ボルトc、dに比して着座点のずれの大きくなるボルトa,bに関してのみ、トルク+角度法を用いたところ、従来に係るボルト締結方法に比して、第1実施形態に係るボルト締結方法が、締付け軸力の変動に関し、優れた軸力安定性(従来比約1/3)を示した。この場合、各ボルトa〜dは、図11に示すように、シリンダブロック軸受け部Bの各位置において締付けられ、各ボルトa〜dとしては鋼製ボルトが用いられた。
次に、第2実施形態に係るボルト締結方法について説明する。
第2実施形態に係るボルト締結方法は、トルク特性線の状態の検出方法の変形例を示す。この第2実施形態に係るボルト締結方法おいては、トルク特性線の状態として、図12に示すように、トルク特性線に関する所定パラメータ値、すなわち、トルク特性線の前記トルク勾配βに基づき算出された初期締め角度θ00における締付けトルクTf1(初期締め角度θ00位置における締付けトルク)=α×θ00と、その初期締め角度θ00における実測トルクTf2との差分ΔT=Tf1−Tf2が用いられる。このような差分ΔT=Tf1−Tf2によっても、トルク特性線の状態が湾曲状態か否かを的確に判断できるからである。この場合、差分ΔT=Tf1−Tf2についての判断は、図13に示すように、差分ΔTが閾値ΔT0以下のとき(例えばTf1≒Tf2)には、トルク特性線が直線状態にあると判断され、図12に示すように、差分ΔTが閾値ΔT0を超えるときには、トルク特性線が湾曲状態にあると判断される。この後、上記判断結果に基づき、前記第1実施形態と同様、ボルト締付方法として、着座点角度法による締付け又はトルク+角度法による締付けが選択される。
次に、上記第2実施形態に係る方法を用いたボルト締結装置1について説明する。この第2実施形態に係る方法を用いたボルト締結装置1において、前記第1実施形態に係る方法を用いたボルト締結装置1と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
このボルト締結装置1においては、図14に示すように、前記第1実施形態に係る構成から、角度ゲート12a、12b、角度設定器14a,14bが省かれて、低トルク領域におけるトルク勾配αが求められないことになっている。その一方、演算制御装置8は、理論着座点を基準として初期締め角度θ00に到達したと判断したときには、ナットランナ2の駆動を停止すると共に、その初期締め角度θ00時における実際の締付けトルクTf2を記憶するように設定されている。
また、演算制御装置8は、図15に示すように、締付けトルクの安定領域におけるトルク勾配βを演算するトルク勾配演算手段が設けられているものの、第1実施形態における第2トルク勾配演算手段、トルク勾配差演算手段(トルク特性線状態検出手段)は設けられておらず、それらに代えて、トルク演算手段と、トルク差演算手段(トルク特性線状態検出手段)と、を備えている。トルク演算手段は、トルク勾配演算手段に基づいて演算されたトルク勾配βを利用して、初期締め角度θ00位置における計算トルクTf1を演算するように設定されており、トルク差演算手段は、トルク演算手段が演算した計算トルクTf1と初期締め角度θ00時の実際の締付けトルクTf2との差分ΔT=Tf1−Tf2を演算するように設定されている。これに伴い、トルク特性線状態判別手段は、差分ΔTが閾値ΔT0以下のときには、トルク特性線が直線状態にあると判断し、差分ΔTが閾値ΔT0を超えるときには、トルク特性線が湾曲状態にあると判断するように設定されている。
次に、上記第2実施形態に係る方法を用いたボルト締結装置1の制御例を、図16に示すフローチャートに基づき具体的に説明する。
先ず、ボルト締結装置1が起動されると、前記第1実施形態のS1〜S9(S4を除く)と同様の処理Q1〜Q8が行われ、理論着座点を基準として初期締め角度θ00にそれぞれ到達すると、ナットランナ2による締付けが停止される。そして次のQ9において、S4のトルク勾配βを利用して、初期締め角度θ00における締付けトルク(トルク特性線が直線状態の場合の計算トルク)Tf1が、Tf1=β×θ00に基づき演算される。一方、次のQ10においては、初期締め角度θ00における締付けトルクの実測値(実締付けトルク)Tf2が読み出され、そのQ10の実締付けトルクTf2、Q9の計算トルクTf1を用いて、差分ΔT=Tf1−Tf2が演算される(Q11)。この差分ΔTがトルク特性線の状態を示しており、次のQ12においては、差分ΔT≦閾値ΔT0が判別される。
前記Q12がYESのときは、トルク特性線が直線状態の場合であり、このときには、着座点角度法による締付けを行うべく、前記第1実施形態のS12〜S15と同様の処理Q13〜Q16が行われる。一方、前記Q12がNOのときは、トルク特性線が湾曲状態の場合であり、このときには、トルク+角度法による締付けを行うべく、前記第1実施形態のS16〜S20,S15と同様の処理Q17〜Q21,Q16が行われる。勿論この場合も、トルク+角度法による締付けにおいては、その目標締付軸力が、前記着座点角度法による締付けの目標締付軸力に等しくなるように、スナッグトルクTs、第2設定角度θA2が予め設定されており、ボルト締付け中のトルク特性線が湾曲状態になる場合であっても、着座点角度法による締付けと略同じ締付軸力を得ることになる。
第1実施形態に係るボルト締結方法において、実測トルク特性線の状態が直線状態か湾曲状態かを判別する手法を説明する説明図。 第1実施形態に係るボルト締結方法において、実測トルク特性線の状態が直線状態である場合を示す説明図。 第1実施形態に係るボルト締結方法(トルク特性線の状態が湾曲状態の場合)を説明する説明図。 第1実施形態に係るボルト締結方法使用するボルト締結装置を示す説明図。 第1実施形態における制御系の演算制御装置に含まれる手段を示す説明図。 第1実施形態に係るボルト締結方法を使用するボルト締結装置の制御例を示すフローチャート。 第1実施形態に係るボルト締結方法の実験結果を示す図。 図7に示す実験結果を具体的に示した図。 従来に係るボルト締結方法(着座点角度法を一律に用いた場合)の実験結果を示す図。 図9に示す実験結果を具体的に示した図。 図7〜図10に示す実験において、ボルトの締付位置を示す図。 第2実施形態に係るボルト締結方法において、実測トルク特性線の状態が直線状態か湾曲状態かを判別する手法を説明する説明図。 第2実施形態に係るボルト締結方法において、実測トルク特性線の状態が直線状態である場合を示す説明図。 第2実施形態に係るボルト締結方法使用するボルト締結装置を示す説明図。 第2実施形態における制御系の演算制御装置に含まれる手段を示す説明図。 第2実施形態に係るボルト締結方法を使用するボルト締結装置の制御例を示すフローチャート。 従来に係るボルト締結方法(着座点角度法)を説明する説明図。 従来に係るボルト締結方法(着座点角度法)の問題点を説明する説明図。
符号の説明
1 ボルト締結装置
3 制御系
5 駆動モータ(ボルト締付け調整手段)
7 角度エンコーダ
8 演算制御装置
12e 角度ゲート
12f 角度ゲート
12g 角度ゲート
Ts スナッグトルク
α トルク勾配
β トルク勾配
ΔRT トルク勾配差
ΔRT0 閾値
Tf1 計算トルク
Tf2 実トルク
ΔT 差分
ΔT0 閾値


Claims (13)

  1. ボルトの締付けにより被締付部材を締付けて、目標締付軸力を得るボルト締結方法において、
    前記ボルトの締付け中に、締付け角度の変化に伴う締付けトルクの変化を示すトルク特性線の状態を得るようにし、
    前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、該トルク特性線におけるトルク勾配に基づいて求めた理論着座点から予め設定された第1設定角度に達するまでボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにし、
    前記トルク特性線の状態が前記直線状態よりも湾曲された湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得る、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  2. 請求項1において、
    前記トルク特性線の状態が、該トルク特性線に関する所定パラメータ値により得られ、
    前記トルク特性線が湾曲状態にあると判断することが、前記所定パラメータ値が前記トルク特性線の直線状態を示す閾値から外れていることである、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  3. 請求項2において、
    前記所定パラメータ値が、前記トルク特性線における低・高トルク領域のトルク勾配の差分である、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  4. 請求項2において、
    前記所定パラメータ値が、前記トルク特性線のトルク勾配に基づき算出された所定締付け角度における締付けトルクと、該所定締付け角度における実測締付けトルクとの差分である、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  5. 請求項1において、
    前記トルク特性線の状態が前記所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、前記判断時までに実行した締付け角度を相殺して続行する、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  6. 請求項1において、
    前記トルク特性線の状態が前記所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、ボルトを弛めて、新たに始める、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記ボルトの硬度が、前記被締付部材の硬度よりも高い、
    ことを特徴とするボルト締結方法。
  8. ボルトの締付けにより被締付部材を締付けて、目標締付軸力を得るボルト締結装置において、
    前記ボルトの締付けを調整するボルト締付け調整手段と、
    前記ボルトの締付け中に、締付け角度の変化に伴う締付けトルクの変化を示すトルク特性線の状態を検出するトルク特性線状態検出手段と、
    前記トルク特性線状態検出手段からの情報に基づき、前記トルク特性線の状態が直線状態にあるか又は該直線状態よりも湾曲された湾曲状態にあるかを判別するトルク特性線状態判別手段と、
    前記トルク特性線状態判別手段からの情報に基づき、前記ボルト締付け調整手段を制御して、前記トルク特性線の状態が直線状態にあると判断したときには、該トルク特性線におけるトルク勾配に基づいて求めた理論着座点から予め設定された第1設定角度に達するまでボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにし、前記トルク特性線の状態が湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けて、前記目標締付軸力を得るようにする制御手段と、
    を備えている、
    ことを特徴とするボルト締結装置。
  9. 請求項8において、
    前記トルク特性線状態検出手段が、前記トルク特性線の状態を検出するに際して、該トルク特性線に関する所定パラメータ値を検出するように設定され、
    前記トルク特性線状態判別手段は、前記トルク特性線状態検出手段が検出する所定パラメータ値が前記トルク特性線の直線状態を示す閾値から外れていることを条件に、前記トルク特性線が湾曲状態にあると判断するように設定されている、
    ことを特徴とするボルト締結装置。
  10. 請求項9において、
    前記トルク特性線状態検出手段が検出する前記所定パラメータ値が、前記トルク特性線における低・高トルク領域のトルク勾配の差分である、
    ことを特徴とするボルト締結装置。
  11. 請求項9において、
    前記トルク特性線状態検出手段が検出する前記所定パラメータ値が、前記トルク特性線のトルク勾配に基づき算出された所定締付け角度における締付けトルクと、該所定締付け角度における実測締付けトルクとの差分である、
    ことを特徴とするボルト締結装置。
  12. 請求項8において、
    前記制御手段は、前記ボルト締付け調整手段を制御して、前記トルク特性線の状態が前記所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、前記判断時までに実行した締付け角度を相殺して続行させるように設定されている、
    ことを特徴とするボルト締結装置。
  13. 請求項8において、
    前記制御手段は、前記ボルト締付け調整手段を制御して、前記トルク特性線の状態が前記所定の湾曲状態にあると判断したときには、予め設定されたスナッグトルクに達するまでボルトを締付けると共に、そのスナッグトルクに達した時点におけるボルトの締付け角度を基準として、さらに第2設定角度だけボルトを締付けることを、ボルトを弛めて、新たに始めさせるように設定されている、
    ことを特徴とするボルト締結装置。


JP2007254788A 2007-09-28 2007-09-28 ボルト締結方法及びその装置 Expired - Fee Related JP5098542B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007254788A JP5098542B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ボルト締結方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007254788A JP5098542B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ボルト締結方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009083025A true JP2009083025A (ja) 2009-04-23
JP5098542B2 JP5098542B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40657162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007254788A Expired - Fee Related JP5098542B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ボルト締結方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098542B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117020635A (zh) * 2023-09-12 2023-11-10 上海孜孜科技有限公司 拧紧装置和拧紧系统
WO2024009826A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 パナソニックホールディングス株式会社 電動工具システム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62102978A (ja) * 1985-10-30 1987-05-13 マツダ株式会社 ねじ締付方法
JPH0457680A (ja) * 1990-06-27 1992-02-25 Mazda Motor Corp ねじ部材の締付方法
JP2007016962A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Mazda Motor Corp ねじ締付方法およびねじ締付部材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62102978A (ja) * 1985-10-30 1987-05-13 マツダ株式会社 ねじ締付方法
JPH0457680A (ja) * 1990-06-27 1992-02-25 Mazda Motor Corp ねじ部材の締付方法
JP2007016962A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Mazda Motor Corp ねじ締付方法およびねじ締付部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024009826A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 パナソニックホールディングス株式会社 電動工具システム
CN117020635A (zh) * 2023-09-12 2023-11-10 上海孜孜科技有限公司 拧紧装置和拧紧系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5098542B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009083026A (ja) ボルト締結方法及びその装置
EP1707318B1 (en) Method and apparatus for tightening bolts and use thereof
JP3835374B2 (ja) ボルト締結方法及びその装置
JP7096544B2 (ja) ねじ締付装置及びねじ締付方法
JP5098542B2 (ja) ボルト締結方法及びその装置
US20220395893A1 (en) Method and Device for 1 Monitoring and/or Control of a Flow-Hole and Thread-Forming Process
US6539603B1 (en) Method for self-programming a power nutrunner control system during initial tightening processes
EP1744064B1 (en) Clamping method using a threaded fastener and member to be thread-clamped
JP2009078314A (ja) ボルト締結方法及びその装置
JP5775484B2 (ja) ネジ締付方法及びネジ締付装置
JP5304630B2 (ja) 締結部材の締め付けトルク検査方法及び締め付けトルク検査システム
JP5163270B2 (ja) ボルト締結方法及びその装置
JP5163271B2 (ja) ボルト締結方法及びその装置
JP7580201B2 (ja) ねじ締付装置及びねじ締付方法
JP2002502716A (ja) ねじ締結の締め付け方法
JP2658487B2 (ja) ねじ締付方法
JP2002168219A (ja) ねじ締付け方法
JP2000141240A (ja) ねじの締付軸力測定方法及び該測定方法を用いたねじ締付方法並びにこれらの装置
JPH08281567A (ja) 正弦波駆動ナットランナ
US20210316725A1 (en) Limiting a Target Value for a Control Variable of a Driver Assistance System
JP5408519B2 (ja) 電動トルクレンチによる締付方法
CN100593000C (zh) 动力转向设备
JP7541716B2 (ja) 作業支援装置、作業支援プログラム、及び締付工具
JP2005331393A (ja) ボルトの締結評価方法
JP2950923B2 (ja) ねじ部材の締付方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5098542

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S803 Written request for registration of cancellation of provisional registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316803

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees