JP2009094264A - 回路基板、半導体モジュール、半導体モジュールの設計方法 - Google Patents

回路基板、半導体モジュール、半導体モジュールの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細長い形状のセラミックス基板が用いられる場合でも、冷熱サイクルに対する半導体モジュールの耐久性を高める。
【解決手段】この半導体モジュール10においては、セラミックス基板21がこのように細長い形状の場合に、その長辺において、セラミックス基板21を金属放熱板23よりも突き出した形状としている。a/b比が0.2〜0.4の範囲であれば、セラミックス基板の長辺における突き出し量を1〜2mmの範囲と設定することによって、冷熱サイクルに対する耐久性を高くすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体チップを搭載して動作する半導体モジュール、これに用いられる回路基板の構成、及びこの半導体モジュールの設計方法に関する。
近年、電動車両用インバータとして高電圧、大電流動作が可能なパワー半導体モジュール(例えばIGBTモジュール)が用いられている。こうした半導体モジュールには、セラミックス基板上に銅からなる金属回路板等が形成された回路基板に半導体チップが接合された形態のものが用いられる。この半導体モジュールの一例の外観斜視図が図8である。この半導体モジュール80においては、半導体チップ81が回路基板90上に搭載される。回路基板90においては、セラミックス基板91上に金属回路板92が形成されている。この金属回路板92上に半導体チップ81がはんだ層82により接合されて半導体モジュール80が構成される。ここで、セラミックス基板91としては絶縁性のセラミックス材料として、例えば窒化珪素セラミックス等が使用され、金属回路板92としては、電気抵抗率が低く、熱伝導率が高い銅が使用される。金属回路板92とセラミックス基板91とはろう材(図示せず)を用いて700℃以上の高温で接合される。一方、半導体チップ81は半導体チップ81の耐熱性が低いことから、ろう材よりも低温(400℃以下)で接合が可能なはんだにより接合される。
金属回路板92は、半導体チップ81が発生した熱をセラミックス基板91に伝達させ、放熱に寄与する。また、金属回路板92はこの回路基板90における配線としての役割も果たすため、図8中では矩形形状となっているが、実際には様々な形状にパターニングされている。セラミックス基板91は放熱ベース100に接続される。放熱ベース100はその内部に冷却水が循環され、水冷される構造となっており、一般に、放熱ベース100も熱伝導率の高い銅で構成される。セラミックス基板91と放熱ベース100との接合は一般には半導体チップ81が搭載された後で行われるため、半導体チップ81の接合と同様に、はんだにより行われる。
この回路基板90(セラミックス基板91)における上記の各構成要素の形状、構成は、図8においては単純な矩形形状になっているが、実際には様々な形状をとりうる。
これらの形状は、搭載する半導体チップ81の構成に依存し、半導体チップ81の形状や搭載する個数に影響する。そして、この構成が多様化することによって、様々な問題が発生する。例えば、特許文献1においては、同時に多数の箇所ではんだによる接合を行う場合に、はんだ供給量のばらつきによって接合強度のばらつきや信頼性が損なわれるという問題が指摘され、これに対処している。
この構成においては、半導体チップの電極を、半導体チップの両面から取り出すことにより、この問題点に対処している。
特開2005−136018号公報
しかしながら、半導体チップの構成の多様化に伴う問題点ははんだ供給量のばらつきだけではない。回路基板、半導体モジュールにおける機械的強度は主にセラミックス基板で決定されるが、その形状によっては、セラミックス基板が機械的に壊れやすくなるという点も問題である。特に、セラミックス基板が細長い形状となる場合には、その長手方向において割れやすくなる。これは主に、セラミックス基板(絶縁性セラミックス)と金属放熱板、金属回路板、放熱ベース(銅)との熱膨張係数の差(窒化珪素セラミックス:3×10−6/K、銅:16.7×10−6/K程度)に起因する。すなわち、これらの熱膨張係数の差が大きいために、熱サイクルにおいて、大きな応力が発生し、セラミックス基板が割れることがある。特に、セラミックス基板が細長い場合には、その長手方向における熱膨張の影響が大きくなるため、割れやすくなる。
従って、特にセラミックス基板が細長い場合においては、機械的強度の高い回路基板、半導体モジュールを得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、略矩形のセラミックス基板の一方の面に銅を主成分とする金属回路板が、他方の面に銅を主成分とする金属放熱板が接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である回路基板であって、前記セラミックス基板の長辺における前記セラミックス基板の前記金属放熱板からの突き出しがあり、前記セラミックス基板に発生する応力が650MPa以下であることを特徴とする回路基板に存する。
請求項2記載の発明の要旨は、前記セラミックス基板の前記金属放熱板からの突き出し量は1.0〜2.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板に存する。
請求項3記載の発明の要旨は、前記セラミックス基板は窒化珪素セラミックスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板に存する。
請求項4記載の発明の要旨は、前記金属回路板及び前記金属放熱板と前記セラミックス基板との接合はろう材により行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回路基板に存する。
請求項5記載の発明の要旨は、前記ろう材はAg−Cu−Ti系ろう材であることを特徴とする請求項4に記載の回路基板に存する。
請求項6記載の発明の要旨は、前記金属回路板及び前記金属放熱板の厚さは0.5〜1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の回路基板に存する。
請求項7記載の発明の要旨は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の回路基板が用いられた半導体モジュールであって、前記金属回路板には半導体チップが接合され、前記金属放熱板には銅を主成分とする放熱ベースが接合されることを特徴とする半導体モジュールに存する。
請求項8記載の発明の要旨は、前記半導体チップと前記金属回路板との接合、及び前記金属放熱板と前記放熱ベースとの接合ははんだにより行われることを特徴とする請求項7に記載の半導体モジュールに存する。
請求項9記載の発明の要旨は、前記はんだはSn−Ag−Cu系はんだであることを特徴とする請求項8に記載の半導体モジュールに存する。
請求項10記載の発明の要旨は、略矩形のセラミックス基板の一方の面に銅を主成分とする金属回路板が接合され、他方の面に銅を主成分とする放熱ベースが接合され、前記金属回路板には半導体チップが接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である半導体モジュールであって、前記セラミックス基板の長辺における前記セラミックス基板の前記放熱ベースからの突き出しがあり、前記セラミックス基板に発生する応力が650MPa以下であることを特徴とする半導体モジュールに存する。
請求項11記載の発明の要旨は、前記セラミックス基板の前記放熱ベースからの突き出し量は1.0〜2.0mmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の半導体モジュールに存する。
請求項12記載の発明の要旨は、前記セラミックス基板は窒化珪素セラミックスからなることを特徴とする請求項10又は11に記載の半導体モジュールに存する。
請求項13記載の発明の要旨は、前記金属回路板と前記セラミックス基板との接合はろう材により行われることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の半導体モジュールに存する。
請求項14記載の発明の要旨は、前記ろう材はAg−Cu−Ti系ろう材であることを特徴とする請求項13に記載の半導体モジュールに存する。
請求項15記載の発明の要旨は、前記金属回路板の厚さは0.5〜1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項10から請求項14までのいずれか1項に記載の半導体モジュールに存する。
請求項16記載の発明の要旨は、前記半導体チップと前記金属回路板との接合、及び前記セラミックス基板と前記放熱ベースとの接合ははんだにより行われることを特徴とする請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載の半導体モジュールに存する。
請求項17記載の発明の要旨は、前記はんだはSn−Ag−Cu系はんだであることを特徴とする請求項16に記載の半導体モジュールに存する。
請求項18記載の発明の要旨は、前記放熱ベースには、前記セラミックス基板の長辺部に沿った溝が設けられていることを特徴とする請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載の半導体モジュールに存する。
請求項19記載の発明の要旨は、略矩形のセラミックス基板の両面に銅を主成分とする金属板が接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である半導体モジュールの設計方法であって、前記セラミックス基板の長辺において、放熱における下流側にある前記金属板からの前記セラミックス基板の突き出し量を1.0〜2.0mmの範囲とすることを特徴とする半導体モジュールの設計方法に存する。
本発明は以上のように構成されているので、細長い形状のセラミックス基板が用いられる場合でも、冷熱サイクルに対する半導体モジュールの耐久性を高めることができる。
発明者は、特にセラミックス基板が細長い構成の場合に、冷熱サイクルに際して発生する内部応力を調べた結果、その構成を限定することにより、特にセラミックス基板が割れにくくなることを知見した。以下、本発明について具体的な実施形態を示しながら説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体モジュールの上面図及び断面図である。この半導体モジュール10においては、回路基板20が放熱ベース30にはんだにより接合されている。
この回路基板20は、セラミックス基板21の両面に金属回路板22、金属放熱板23が接合されて構成される。なお、実際には金属回路板22上には半導体チップが搭載されているが、ここでは省略している。
セラミックス基板21は電気抵抗率が大きくかつ熱伝導率が高い、例えば窒化珪素セラミックスで構成される。その厚さは例えば0.32mmとすることができ、ここでは矩形形状の板状(短辺:a、長辺:b)であり、その縦横比(図1におけるa/b比)は0.2〜0.4となっている。すなわち、図1においては縦方向に細長い形状となっている。セラミックス基板21の形状は、厳密な矩形形状である必要である必要はなく、a/b比を特定できる略矩形であればよい。なお、図1では単純化して記載したためにa/b比は上記の値にはなっていない。
金属回路板22は電気伝導度及び熱伝導率が高い銅や銅合金で形成された、銅を主成分とする金属板である。金属回路板22はこの回路基板20に搭載される半導体チップの配線となり、かつ半導体チップからセラミックス基板21への放熱も行う。従って、図1中では単純な矩形の板状としてあるが、配線となるべくパターニングされている。その厚さは例えば0.1〜3.0mm程度である。ただし、電気抵抗を低くする観点からは厚い方が好ましい。
金属放熱板23も同様に銅を主成分とする金属板である。金属放熱板23はこの回路基板20に搭載される半導体チップから放熱ベース30への放熱を行う。すなわち、金属放熱板23はこの半導体モジュール10においては、放熱の下流側となっている。このため、金属回路板22とは異なり、セラミックス基板21のほぼ全面にわたり形成されるため、セラミックス基板21と類似の矩形形状であり、その厚さは例えば0.1〜3.0mm程度である。
ボンディングワイヤ24は金属回路板22から外部に配線を引き出すために金属回路板22に接合され、回路基板20外や、あるいは回路基板20における他の金属回路板と接続される。その接合は例えば超音波接合によって行われる。
放熱ベース30において回路基板20が接合された以外の面には冷却フィン(図示せず)が設置され、冷却フィンは空冷もしくは水冷にて冷却される。従って、半導体チップから発する熱は、最終的に冷却フィンにて放熱される。
金属回路板22と金属放熱板23は、セラミックス基板21にろう付けによって接合される。ろう材としては、例えば銀(Ag)−銅(Cu)−チタン(Ti)系の活性金属ろう材を用いることができ、700℃以上でこれらを接合することができる。あるいは、セラミックス基板21上にパターン化されていない板状の銅又は銅合金の板を同様にろう付けによって接合し、その後で銅又は銅合金の板をリソグラフィ、エッチングによってパターニングして図1の構造を形成してもよい。半導体チップ(図示せず)は耐熱性が低いことから、ろう材よりも低温(300℃以下)で接合が可能なはんだにより金属回路板22に接合される。また、金属放熱板23と放熱ベース30との接合は、一般に回路基板20への半導体チップ搭載後に行われるため、低温で接合できるはんだにより行われる。このはんだとしては、例えば(Sn−Ag−Cu)系の材料が用いられる。
ここで、この半導体モジュール10においては、前記の通り、セラミックス基板21が細長い矩形形状となっている。金属放熱板23は、セラミックス基板21と同様の細長い矩形形状であるが、図1における長辺において、片側でセラミックス基板21よりもdだけ短くなっている。すなわち、図1の断面図において、セラミックス基板21はその長辺において金属放熱板23よりも片側でdだけ突き出した構造となっている。
一般に、セラミックス基板に金属回路板、金属放熱板、放熱ベース(銅)が接合された構造においては、セラミックス基板(窒化珪素)と金属回路板及び金属放熱板、放熱ベース(銅)との熱膨張係数の差により、特にセラミックス基板内に大きな応力が発生し、これによってセラミックス基板が割れることがある。特に、セラミックス基板が細長い形状の場合にはその長辺の方向に沿っての熱膨張の影響が大きく出るために、その短辺に平行な断面で割れやすくなる。
この半導体モジュール10においては、セラミックス基板21がこのように細長い形状の場合に、その長辺において、セラミックス基板21を金属放熱板23よりも突き出した形状としている。これにより、セラミックス基板21が細長い形状の場合であっても、冷熱サイクルに対する耐久性を向上させている。以下にこのメカニズムにつき説明する。
図2は、図1の構造において、a/b=0.2とした場合にセラミックス基板21の突き出し量dを0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mmと変えたときの、セラミックス基板21において発生する最大応力を応力シミュレーションによって計算した結果である。ここで、セラミックス基板21としては0.32mm厚の窒化珪素、金属回路板22は1mm厚の銅板、金属放熱板23は1mm厚の銅板、放熱ベース30は4mm厚の銅板とし、金属回路板22と金属放熱板23の形状は単純化のために同一とした。また、図1における左右方向には完全に対称な構造と仮定した。この時、銅(金属放熱板23)パターンの端部付近に発生する応力の絶対値を主応力としてここで表示している。なお、このグラフにおける現行の構造とは、金属放熱板23がなく、セラミックス基板21が直接放熱ベース30に接合された構造である。また、図2における主応力評価位置は、図1における破線矢印の方向に測定している。
この結果より、突き出し量dを大きくするに従ってどの箇所の主応力も低減することがわかる。従って、回路基板20の構成を図1の通りにして、セラミックス基板21を突き出た構成にすることにより、発生する主応力を低減させ、冷熱サイクルに際しての耐久性を高めることができる。
また、突き出し量dを変えた場合の、セラミックス基板21内に発生する最大応力のa/b比依存性を計算した結果を図3に示す。ここで、a/b比を変えた場合には、面積は一定としている。また、最大応力は、セラミックス基板21の中央部で発生するため、この箇所での応力の絶対値を縦軸にとっている。この結果からも、突き出し量dを大きくとることによって、発生する最大応力を減少させることができることが確認できる。
また、金属回路板22と金属放熱板23の厚さは、同一とした方が、製造工程が単純になり、有利である。また、これらの厚さについては、厚さがが0.5mmより薄い場合は、セラミックス基板21との熱膨張係数の差による影響(応力の発生)は小さくなるものの、放熱性を確保することが困難である。一方、1.5mmを越えるとセラミックス板と銅接合面の応力が大となり、信頼性が確保できない。
このように、この半導体モジュール10においては、細長いセラミックス基板21が用いられる場合に、図1に示されるように、セラミックス基板21をその長辺において突き出た構造とすることによって冷熱サイクルに対するその耐久性を高めることができる。
以上の結果より、突き出し量dを大きくすることによって発生する応力を低減することができるが、この主応力の絶対値がセラミックス基板21の3点曲げ強度を超える場合、セラミックス基板21にクラックが発生する。この3点曲げ強度δは、図2の結果が得られた構造においては、δ=(3PL)/(2wt)(ここで、Pは破壊荷重,Lは支持間距離,wは試験片の幅,tは試験片の厚さ)から算出され、750MPaであった。ここでは、実際の回路基板におけるばらつき等を考慮して、この応力の臨界値を650MPaとする。この場合、主応力の絶対値をこの臨界値(650MPa)以下とするためには、dの値は1mm以上となる。すなわち、突き出し量dを1mm以上とすることによって、特にこの回路基板及び半導体モジュールの冷熱サイクルに対する耐久性を高めることができる。一方、dが大きくなると、冷熱サイクルに対する耐久性が高くなる反面、取り扱い時に割れやすくなることは明らかである。従って、dの上限は2mm程度とすることが好ましい。
また、a/b比の値は、0.2〜0.4の範囲とすることが好ましい。図3の結果から、a/b比が0.2未満と極めて小さな(極めて細長い)場合には、突き出し量dを2mmより大きくしても、最大応力が600MPa以上と大きくなるため、効果が不充分である。また、a/bが0.4よりも大きく、正方形に近い形状の場合には、突き出し量dが0であってもそもそも最大応力が600MPaよりも大きくならず、冷熱サイクルに対する耐久性が高い。すなわち、上記の効果は小さくなる。
従って、搭載する半導体チップの構成により、細長いセラミックス基板を用いる必要がある場合には、a/b比が0.2〜0.4の範囲であれば、セラミックス基板の長辺における突き出し量を1〜2mmの範囲と設定することによって、特に冷熱サイクルに対する耐久性を高くすることができる。
なお、上記の構造においては、セラミックス基板21が矩形形状であり、その長辺における突き出し量について規定した。短辺の方向における熱膨張の影響は長辺の方向よりも小さいため、長辺と垂直な短辺における突き出し量の影響は長辺と比べて無視できる。従って、取り扱い時の欠け等を考慮すると、短辺の突き出し量は小さくすることが好ましい。
なお、前記の例では、セラミックス基板21として窒化珪素セラミックスを用いた例につき記載したが、窒化珪素(熱膨張係数:3×10−6/K)と同様に、金属放熱板や放熱ベースの構成要素である銅(熱膨張係数:16.7×10−6/K)との熱膨張係数の差が大きな材料、例えばアルミナ(熱膨張係数:7×10−6/K)、窒化アルミニウム(熱膨張係数:5×10−6/K)等が用いられる場合についても同様である。また、金属放熱板や放熱ベースの材料として、銅と同様に熱伝導率及び電気伝導度が高く、熱膨張係数が大きな(23×10−6/K)アルミニウムが用いられる場合でも同様である。
また、前記の例では金属放熱板が用いられ、セラミックス基板を金属放熱板から突き出した構造をとった例について記載したが、金属放熱板を省略した構造の半導体モジュールにおいても同様の構造をとることによって同様の効果を得ることができる。すなわち、セラミックス基板を直接放熱ベースにはんだ付けし、放熱ベースの形状に段差を設けることによって、セラミックス基板を放熱ベースから突き出した構造として、同様の効果を得ることもできる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態における半導体モジュールにおいては、金属放熱板を使用せず、実質的に図1と同様の構造を実現する。この半導体モジュール40の外観斜視図を図4に、断面図を図5に示す。
この半導体モジュール40においても、セラミックス基板51上に金属回路板52が接合され、その上に半導体チップ(図示せず)が接合される。この半導体モジュール40における特徴は、金属放熱板が用いられることなく、セラミックス基板51が直接放熱ベース60に接合されるが、放熱ベース60の表面には溝61が形成されている。セラミックス基板51、金属回路板52、放熱ベース60については第1の実施の形態と同様であるが、ここでは金属放熱板が用いられておらず、代わりに放熱ベース60に溝61が形成されている。
この溝61は、図5に示されるように、セラミックス基板51の周辺部に沿って形成されている。これにより、金属放熱板を用いずに、実質的に第1の実施の形態と同様の構造を実現している。これにより、同様に、冷熱サイクルに対する耐久性を高めることができる。
この半導体モジュール40を製造するに際しては、金属放熱板が用いられないために、第1の実施の形態と比べて接合工程の数が少なくなる。その代わりに、放熱ベース60に溝61を形成する工程が必要になる。この溝61は、例えばプレス加工により形成することができる。また、プレス加工以外にも、加工機による溝加工や、または湿式エッチングにより形成する方法を用いることができる。
なお、図5においては、溝61はセラミックス基板51の短辺に沿っても溝61が形成されているが、長辺に沿った方向のみに溝を形成してもよい。
(実施例)
第1の実施の形態に係る半導体モジュール(実施例)と、従来の構造の半導体モジュール(比較例)を作成し、冷熱サイクル試験を行った。ここで、比較例としては、a/b比が2種類のものを作成した。
どの試料においても、用いられたセラミックス基板は0.3mm厚の窒化珪素セラミックス、金属回路板は1mm厚の銅、金属放熱板は1mm厚の銅である。放熱ベースは4mm厚の銅である。単純化するために、半導体チップは接合しておらず、ワイヤーボンディングも施していない。金属回路板と金属放熱板の形状は同様とした。金属回路板及び金属放熱板とセラミックス基板との接合はAg−Cu−Tiろう材を用いて800℃で行った。金属放熱板と放熱ベースとの接合はSn−Ag−Cuはんだを用いて240℃で行った。
実施例は、これらを用いて、a/b=0.3セラミックス基板の突き出し量d=1mmとした半導体モジュールとした。比較例1は、a/b=0.21、比較例2はa/b=0.65とし、共にd=0とした。なお、比較例においては、金属放熱板は用いず、セラミックス基板を直接放熱ベースに接合した。印加した冷熱サイクルは、150℃〜−55℃の間を1周期60minで100サイクルとした。
図6(a)(b)は冷熱サイクル後の比較例1、2の外観写真である。a/b比が0.21である比較例1においては多数のクラックが生じている。このクラックはセラミックス基板のクラックに起因する。一方、a/b比が0.65である比較例2は、クラックが生じていない。これは、セラミックス基板(回路基板)が細長い場合にクラックが特に生じやすくなっていることを示す。
図7は、冷熱サイクル後の実施例の外観写真である。a/b比は0.21と比較例1と同等であるにも関わらず、クラックは全く発生していない。従って、実施例においては、回路基板が細長い場合であっても、クラックを生じにくくなっていることが確認された。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体モジュールの上面図及び断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体モジュールにおける突き出し量dを変えた際の最大応力の分布を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体モジュールにおける突き出し量dを変えた際の最大応力のa/b比依存性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体モジュールの外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体モジュールの断面図である。 比較例の冷熱サイクル印加後の外観写真である。 本発明の実施例の冷熱サイクル印加後の外観写真である。 従来の半導体モジュールの一例の外観斜視図である。
符号の説明
10、40、80 半導体モジュール
20、90 回路基板
21、51、91 セラミックス基板
22、52、92 金属回路板
23 金属放熱板
24 ボンディングワイヤ
30、60、100 放熱ベース
61 溝
81 半導体チップ
82 はんだ層

Claims (19)

  1. 略矩形のセラミックス基板の一方の面に銅を主成分とする金属回路板が、他方の面に銅を主成分とする金属放熱板が接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である回路基板であって、
    前記セラミックス基板の長辺における前記セラミックス基板の前記金属放熱板からの突き出しがあり、前記セラミックス基板に発生する応力が650MPa以下であることを特徴とする回路基板。
  2. 前記セラミックス基板の前記金属放熱板からの突き出し量は1.0〜2.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記セラミックス基板は窒化珪素セラミックスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板。
  4. 前記金属回路板及び前記金属放熱板と前記セラミックス基板との接合はろう材により行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回路基板。
  5. 前記ろう材はAg−Cu−Ti系ろう材であることを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
  6. 前記金属回路板及び前記金属放熱板の厚さは0.5〜1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の回路基板。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の回路基板が用いられた半導体モジュールであって、
    前記金属回路板には半導体チップが接合され、
    前記金属放熱板には銅を主成分とする放熱ベースが接合されることを特徴とする半導体モジュール。
  8. 前記半導体チップと前記金属回路板との接合、及び前記金属放熱板と前記放熱ベースとの接合ははんだにより行われることを特徴とする請求項7に記載の半導体モジュール。
  9. 前記はんだはSn−Ag−Cu系はんだであることを特徴とする請求項8に記載の半導体モジュール。
  10. 略矩形のセラミックス基板の一方の面に銅を主成分とする金属回路板が接合され、他方の面に銅を主成分とする放熱ベースが接合され、前記金属回路板には半導体チップが接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である半導体モジュールであって、
    前記セラミックス基板の長辺における前記セラミックス基板の前記放熱ベースからの突き出しがあり、前記セラミックス基板に発生する応力が650MPa以下であることを特徴とする半導体モジュール。
  11. 前記セラミックス基板の前記放熱ベースからの突き出し量は1.0〜2.0mmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の半導体モジュール。
  12. 前記セラミックス基板は窒化珪素セラミックスからなることを特徴とする請求項10又は11に記載の半導体モジュール。
  13. 前記金属回路板と前記セラミックス基板との接合はろう材により行われることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  14. 前記ろう材はAg−Cu−Ti系ろう材であることを特徴とする請求項13に記載の半導体モジュール。
  15. 前記金属回路板の厚さは0.5〜1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項10から請求項14までのいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  16. 前記半導体チップと前記金属回路板との接合、及び前記セラミックス基板と前記放熱ベースとの接合ははんだにより行われることを特徴とする請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  17. 前記はんだはSn−Ag−Cu系はんだであることを特徴とする請求項16に記載の半導体モジュール。
  18. 前記放熱ベースには、前記セラミックス基板の長辺部に沿った溝が設けられていることを特徴とする請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  19. 略矩形のセラミックス基板の両面に銅を主成分とする金属板が接合された構造を具備し、前記セラミックス基板の短辺/長辺比が0.2〜0.4の範囲である半導体モジュールの設計方法であって、
    前記セラミックス基板の長辺において、放熱における下流側にある前記金属板からの前記セラミックス基板の突き出し量を1.0〜2.0mmの範囲とすることを特徴とする半導体モジュールの設計方法。
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