JP2009123737A - シリコン酸化膜の堆積方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、実質的に酸素欠損がなく電気的特性が安定なシリコン酸化膜を提供することである。
【解決手段】 ガスプラズマ状態を形成するチャンバー内にターゲット材料とシリコン酸化膜を堆積する基板を設置し、該チャンバーに導入するガスとしてオゾンガスを含む導入ガスを用いることを特徴とするスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種電子回路装置あるいは表示装置等に用いる二酸化シリコン膜等のシリコン酸化膜の堆積方法に関する。
従来、電子回路装置あるいは表示装置等に用いる各種薄膜の堆積方法として化学気相成長(CVD)法、プラズマCVD法、スパッタ法等が用いられてきた。
この内、スパッタ法はガスプラズマ雰囲気中においてターゲット材料にイオンを照射し、その運動エネルギーを得て解離・放出されるターゲット構成原子あるいは分子を、対向して配置した基板に堆積する方法である。そしてスパッタ法は、他の方法に比べて低温で堆積可能であるため、比較的簡便な方法として多用されてきた。
代表的な薄膜である二酸化シリコン膜の場合、ターゲット材料に高純度石英板を用い、アルゴンガスの高周波プラズマ中でスパッタすることにより均一性及び緻密性に優れた絶縁膜を基板加熱することなしに任意の基板に堆積することができる。
また、ターゲット材料にシリコンを用い、酸素を含んだプラズマ中でスパッタすることにより飛翔するシリコン原子と酸素原子を反応させ、基板上に二酸化シリコン膜を堆積させることも行われてきた。
二酸化シリコン膜の代表的な応用として、液晶表示装置の画素選択に用いるシリコン薄膜トランジスタのゲート絶縁膜がある。
このゲート絶縁膜には通常105V/cm以上の高電界が印加されるため、二酸化シリコン膜には膜の均一性ばかりでなく電気的特性がきわめて安定であることが要求される。
従来のスパッタ法で堆積した二酸化シリコン膜中には、微小構造欠陥起因のキャリアトラップの含有が避けられないため、電気的特性がシリコン熱酸化膜ほど安定でない問題があった。そのため、微小な信号を扱う電子回路の用途には使用できない。電気的にも充分安定な構造であるためには、二酸化シリコンの化学量論組成であること、特に酸素欠損のない薄膜であることが要求される。
一般に、アルゴンガスプラズマ中のスパッタ法によっては、酸素欠損あるいは未結合シリコン原子の含有が避けられないため、導入するアルゴンガスに酸素ガスを混入させ酸素欠損を補ってきた(非特許文献1参照)。
そこでは、アルゴン70%と酸素30%を用いている。しかしながら、この手段では酸素ガス混入による酸素欠損補填の効果はあるものの、完全に酸素欠損を充足することは難しいため、実用的な技術になっていない。
また、薄膜堆積後の酸化雰囲気中の熱処理によっても不足する酸素の補充が進むが、完全に酸素欠損をなくすことは困難であった。このため、スパッタ法により堆積した二酸化シリコン膜は、電気的特性変動のない高い信頼性が要求される薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としては実用化されてない。
さらに、電子回路装置あるいは表示装置等に用いるシリコン窒化酸化膜などの他の酸化膜についてもスパッタ法による酸素欠損の問題は同様に存在する。
特開昭61−172340号公報 特開平6−21242号公報 特開平9―213800号公報 T. Serikawa et al, Jpn.J.Appl.Phys., 45, 4358 (2006)
本発明の課題は、実質的に酸素欠損がなく電気的特性が安定なシリコン酸化膜の堆積方法を提供することである。
上記の課題を解決するために本発明は、次のようなシリコン酸化膜の堆積方法を提供するものである。なお本発明におけるシリコン酸化膜としては、二酸化シリコン膜、酸化シリコン膜以外にもシリコン窒化酸化膜などの酸化膜が含まれる。
(1)ガスプラズマ状態を形成するチャンバー内にターゲット材料とシリコン酸化膜を堆積する基板を設置し、該チャンバーに導入するガスとしてオゾンガスを含む導入ガスを用いることを特徴とするスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(2)前記チャンバーに導入するガスは、稀ガスにオゾンガスを混合させていることを特徴とする(1)に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(3)前記チャンバーに導入するガスは、さらに窒素原子を含むガスを混合させていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(4)前記ガスプラズマ状態は、高周波印加により生ずることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(5)前記プラズマ状態は、直流電圧印加により生ずることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(6)前記ターゲット材料は、石英であることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(7)前記ターゲット材料は、シリコンであることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(8)前記基板はシリコンあるいはシリコン膜が堆積された基板であり、予めオゾンガスにより表面が酸化されていることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
(9)(1)ないし(8)のいずれかに記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法により前記基板上にシリコン酸化膜を堆積した後に、該シリコン酸化膜の堆積時の基板温度と同程度あるいはその温度よりも高い温度で基板を加熱処理することを特徴とするシリコン酸化膜の堆積方法。
本発明によれば、スパッタ雰囲気にオゾンガスあるいはオゾンを含むガスを直接導入してプラズマを発生させているため、酸素ガス単独の場合よりも活性な酸素原子のラジカルを発生でき、堆積膜中の酸素欠損を大幅に低減できるとともに、電気的にも安定した緻密なシリコン酸化膜を得ることができる。
本発明の原理について先ず説明する。
スパッタ法はガスプラズマ雰囲気で薄膜堆積を行うものであり、導入するガスに酸素が含まれると酸素プラズマあるいは酸素の励起状態が発生する。
酸素分子はプラズマ励起されると次式に従って酸素ラジカルとなる。
O2 →O[3P] + O[3P] (1)
O2 →O[1D] + O[3P] (2)
上記(1)、(2)の励起に必要な活性化エネルギーはそれぞれ、5.12eV、7.08eVであり、プラズマが高密度でない場合は(1)が支配的になる。
一方、オゾンの場合は以下のようになる。
O3 →O[3P] + O2 (3)
O3 →O[1D] + O2 (4)
上記(3)、(4)の励起に必要なエネルギーはそれぞれ、1.06eV、4.00eVであり、(1)及び(2)に比べてはるかに小さい。酸素プラズマによっても、(3)あるいは(4)の逆方向の合成反応によりオゾンが発生する可能性は存在するが、その量はわずかである。
ここで、O[3P]は安定状態であり、O[1D]は活性な励起状態であることが知られている。また、それぞれの活性化エネルギーは、0.14eVと0.8eVであり、その差は特に低温における酸化反応に大きな影響を与える。
O[1D]あるいはO[3P]による酸化反応の速度比O[1D]/ O[3P]の値は以下のようになる。
1.2×1012 (300K) (5)
3.4×105 (600K) (6)
4.0×103 (1400K) (7)
これらのことから、酸素に代えてオゾンをプラズマチャンバーに導入することより、活性な励起状態である大量のO[1D]を有効に利用できるから、酸化反応を促進することができる。
また、シリコン基板を用いる場合は、大量の活性なO[1D]とシリコン基板とは直接反応するので、二酸化シリコンの表面層を形成できる。
電子回路装置あるいは表示装置等において最も多く使われる二酸化シリコン膜をスパッタ法で堆積する場合には、O[1D]を使ってシリコン原子との反応を促進できるため、酸素欠損のない二酸化シリコン膜を堆積できる。
またターゲット材料を石英とした場合にも、プラズマ中のイオン衝撃によって石英を構成するシリコンと酸素の結合が切断され、それぞれの原子が飛翔するため、基板上で膜が堆積される過程ではシリコン原子とO[1D]の反応を有効に活用できる。
薄膜を堆積する基板がシリコンの場合は、表面のシリコン原子と酸素原子の結合を完成させることが安定した界面を形成するために不可欠あり、スパッタ法による薄膜堆積の前にオゾンガスで該シリコン基板表面を酸化処理することが有効である。また、シリコン窒化酸化膜などの他の酸化膜をスパッタ法で堆積する場合も同じ効果が得られることは明らかである。
スパッタ法による薄膜堆積は、ガスプラズマ雰囲気で行う。ガスプラズマを発生させるためには一定のガス圧力が必要である。このため、堆積中の薄膜には必要とする組成以外のガス成分が混入する。本発明においても、微量ではあるがオゾンが不純物として混入する。このような不純物成分は必ずしも除去しなくてよいが、除去するためには膜堆積後に堆積温度以上の温度で一定時間基板を加熱処理する工程が有効である。
次に本発明に係るシリコン酸化膜の堆積方法を、二酸化シリコン膜の堆積方法を例示して詳細に説明する。本発明を実施するための装置の断面模式図を図1に示す。
図1において1は、SUS製の真空チャンバーである。2及び3は、それぞれ、電圧印加用の陰極及び陽極である。両電極間には高周波電力を入力するが、図1のような容量結合プラズマ発生装置の場合は、イオンシースがより長く形成される電極を便宜的に陰極と称する。4はガス排気口であり、真空ポンプに接続される。5はガス導入口である。陰極2に接してターゲット材料であるシリコンディスク6が設置される。また陽極3に接して清浄な表面のシリコン基板7が配置される。
ガス導入口5からはオゾンガスを15%含む酸素ガスとの混合ガスを6sccm流入し、チャンバーの圧力を0.65 Paに調整する。シリコンディスク6とシリコン基板7の距離は5cmである。7はシリコン膜が堆積された他の材料基板でもよい。13.56MHzの高周波電力を2.26 W/cm2の電力密度で印加することによりチャンバー内には安定したプラズマが発生する。この条件では、シリコン基板7の上に、二酸化シリコン膜8が毎時51.7 nmの厚さに堆積される。この二酸化シリコン膜8は、膜厚均一性及び構造緻密性に優れたシリコン酸化膜である。
なおプラズマの発生は高周波電力に限られるものではなく、直流電圧を利用できることは言うまでもない。
続いて、二酸化シリコン膜を堆積したシリコン基板を450℃で30分間加熱処理する。雰囲気はアルゴンなどの不活性ガスあるいは真空雰囲気が適している。スパッタ工程に引き続いてオゾン雰囲気でアニールしてもよい。堆積温度あるいはそれより高い温度で熱処理することにより、化学量論組成からずれて過剰に混入したオゾンあるいは酸素分子あるいは酸素原子が放出され、堆積膜が緻密化する。
本発明を適用して二酸化シリコン膜を堆積させた、シリコン基板上のシリコン薄膜トランジスタの製造工程について図2に従って順次説明する。
(1)において、9はガラス基板、10は50 nmの多結晶化シリコン膜である。多結晶化シリコン膜10としては、非晶質シリコン膜をレーザ照射等の手段により結晶化させることにより、シリコン単結晶に匹敵するキャリア移動度を有するものが生成可能である。
(2)において、フォトリソグラフィ及びエッチングの手段により多結晶化シリコン膜10を11のようにパターンに形成する。
(3)において、本発明に従い段落0024に記載の条件で高周波スパッタ法により二酸化シリコン膜12を10 nmの厚さに堆積する。
(4)において、リンを高濃度にドープした低抵抗の多結晶シリコン膜を堆積し、パターンに形成し、ゲート電極13とする。
(5)において、引き続き二酸化シリコン膜12の露出部をエッチングし、14のように多結晶化シリコン膜10の表面を表出させる。
(6)において、リンをイオン注入し900℃、30分の活性化熱処理により低抵抗のソース及びドレイン領域15を形成する。この熱処理工程はスパッタ堆積した二酸化シリコン膜の緻密化を兼ねている。
(7)において、本発明の実施により二酸化シリコン膜のカバー膜16を200nmの厚さに堆積する。
(8)においてフォトリソグラフィ及びエッチングの手段により、ソース、ドレイン、ゲートの各領域とのコンタクト窓17を形成する。
(9)において、アルミニウムを約1μmの厚さに堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチングの手段によりパターン形成し、ソース引出電極18、ドレイン引出電極19及びゲート引出電極20を形成し薄膜トランジスタの主要な製造工程を完成する。
図3に、X線光電子分光法によって測定した堆積膜の酸素原子の結合エネルギーの深さプロファイルを示す。
21はオゾンを25%含んだ酸素プラズマを用いたスパッタによる二酸化シリコン膜であり、酸素のみを導入した場合の二酸化シリコン膜22と比較している。23は比較のためのシリコン単結晶を熱酸化した二酸化シリコン膜の結果である。なおシリコン単結晶を熱酸化した二酸化シリコン膜の酸素原子の結合エネルギーは、深さによらずほぼ一定である。
21は、22に比べ23に近い酸素原子の結合エネルギーを持つ、すなわちシリコン熱酸化膜に近いことが示されている。
また、24で示される線はエリプソメトリーで測定した堆積膜と基板の界面であり、堆積膜厚は21及び22とも約35nmである。
24付近の21及び22の傾きをみると、21の方が急峻となっており、界面付近の堆積膜の組成変化は少ないことが示されている。
以上の結果は、本発明の実施により化学量論組成の酸素欠損の少ない二酸化シリコン膜が堆積膜の深さ方向に亘って均一に生成されることを示しており、本発明の効果を実証するものである。
図4に、本発明に従って試作したガラス基板上のシリコン薄膜トランジスタのドレイン電流―電圧特性を示す。本発明によりシリコン基板表面とその上に堆積した二酸化シリコン膜の界面には、実質的に該ドレイン電流―電圧特性に影響を与える酸素欠損はないため、きわめて安定した特性となった。
界面の状態を示す指標のひとつとしてキャリアの移動度があるが、試作したシリコン薄膜トランジスタにおいては多結晶シリコンを使っているにも拘わらず、シリコン単結晶を用いる通常のMOSトランジスタの値に近い400cm2/Vsとなった。本発明の実施により、従来方法のものと比較して薄膜トランジスタの性能を増大できる。
以上の説明では、絶縁薄膜として最も高性能が要求されるシリコン薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としての二酸化シリコン薄膜生成への応用について開示したが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち従来の方法では酸素欠損が含有される酸化物薄膜の堆積方法として広く活用できることは明らかであり、各種電子回路装置あるいは表示装置等の製造を通して幅広く電子機器産業に貢献することが見込める。
さらに、オゾンガスに加えて窒素原子を含むガスとして、例えばアンモニアガスを導入してスパッタすることにより、シリコン窒化酸化膜の堆積が可能になるなどの応用があるが、オゾンに他のガスを混入する工程は本発明に含まれることは言うまでもない。
本発明を説明するためのスパッタチャンバーの断面図である。 本発明を用いて製造した薄膜トランジスタの主な製造工程の断面図である。 本発明によりシリコン基板上に堆積した二酸化シリコン膜のX線光電子分光分析結果である。 本発明を用いて製造したシリコン薄膜トランジスタの電気的特性図である。
符号の説明
1 真空チャンバー
2 陰極
3 陽極
4 ガス排気口
5 ガス導入口
6 シリコンディスク
7 シリコン基板
8 二酸化シリコン膜
9 ガラス基板
10 多結晶化シリコン膜
11 多結晶化シリコン膜のパターン
12 二酸化シリコン膜
13 ゲート電極
14 多結晶化シリコン膜の露出部
15 ソース及びドレイン領域
16 カバー膜
17 コンタクト窓
18 ソース引出電極
19 ドレイン引出電極
20 ゲート引出電極

Claims (9)

  1. ガスプラズマ状態を形成するチャンバー内にターゲット材料とシリコン酸化膜を堆積する基板を設置し、該チャンバーに導入するガスとしてオゾンガスを含む導入ガスを用いることを特徴とするスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  2. 前記チャンバーに導入するガスは、稀ガスにオゾンガスを混合させていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  3. 前記チャンバーに導入するガスは、さらに窒素原子を含むガスを混合させていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  4. 前記ガスプラズマ状態は、高周波印加により生ずることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  5. 前記プラズマ状態は、直流電圧印加により生ずることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  6. 前記ターゲット材料は、石英であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  7. 前記ターゲット材料は、シリコンであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  8. 前記基板はシリコンあるいはシリコン膜が堆積された基板であり、予めオゾンガスにより表面が酸化されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスパッタによるシリコン酸化膜の堆積方法により前記基板上にシリコン酸化膜を堆積した後に、該シリコン酸化膜の堆積時の基板温度と同程度あるいはその温度よりも高い温度で基板を加熱処理することを特徴とするシリコン酸化膜の堆積方法。
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