JP2009148896A - 積層ポリイミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

積層ポリイミドフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Tetsuo Okuyama
哲雄 奥山
Shigeto Yoshida
成人 吉田
Akinori Ejima
明紀 恵島
Satoshi Maeda
郷司 前田
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Abstract

【課題】フレキシブルプリント回路基板などに機能性薄膜層と極薄のポリイミド絶縁層を形成させることが容易な積層ポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】厚さ0.5μm〜10μmのポリイミドフィルムの片方の面に機能性薄膜層が形成され、かつ該機能性薄膜層の上面に補強用フィルムが積層されてなることを特徴とする積層ポリイミドフィルム及び極薄のポリイミドフィルムの片面に粘着剤層を有する補強用裏打ちフィルムを積層し、次いでポリイミドフィルムの補強用裏打ちフィルム積層面と反対側の面に機能性薄膜層を形成させ、次いで該機能性薄膜層面に粘着剤層を有する補強用フィルムを積層し、次いで前記粘着剤層を有する補強用裏打ちフィルムを剥離させる積層ポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層プリント回路基板(以下多層基板)などの加工・製造時に用いられる積層ポリイミドフィルム及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、極薄のポリイミドフィルムを取扱うのに好適な、適度な剛性、熱寸法安定性、剥離性を有する補強用フィルムが積層されたポリイミドフィルムに銅などの機能性薄膜層が形成された積層ポリイミドフィルムに関する。さらには、太陽電池や半導体回路、センサー、アクチュエーターの形成されたフレキシブルデバイス製造工程で使用するために好適な、適度な剛性、熱寸法安定性、剥離性を有する補強用フィルムが積層されたポリイミドフィルムに関する。
携帯電話などの電子機器の技術進歩に伴って、FPC(可撓性印刷回路)、TAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Film)などフィルムを利用した薄型多層基
板の需要が急激に伸びており、さらにこうした機器の小型化、軽量化、高密度配線化に対応してFPC等の薄膜化が進んでいる。そのため、FPC等用の銅張りフィルム(CCL)の薄膜化も同時に進行しているが、これによってフィルム自体の剛性が低下し、CCLを製造する際の加工が困難になってきている。
FPC等を製造する際の加工性を改良する方法としては、補強用フィルムを予め貼り付けることにより全体として剛性を持たせる方法が用いられている。その際、加工時の取扱いを簡便にし、かつ加工終了後には剥離・除去できるような微粘着性の補強フィルムが用いられるようになっている。従来は、この目的で、アクリル系やゴム系の粘着シートが使用されていたが、これらのシートは粘着力が大きく、またその粘着力が温度、圧力により著しく変化するため、FPC等製造工程の加工条件によっては使用できないことがあった。
例えば、片面のみに金属箔を配したフレキシブル積層板において、反りの発生防止と製造効率の低下防止のために、金属箔、熱可塑性ポリイミド層、非熱可塑性ポリイミド層、およびイミド化促進剤の共存下においてポリアミド酸を転化することにより得られるポリイミド樹脂裏打ち層をこの順で積層してなるフレキシブル積層板(特許文献1参照)、フレキシブルプリント回路基板の加工時に用いられる、ポリエステル(A)とポリイミド (B)を含有し、かつ熱収縮率が0.25%以下、熱膨張係数が13×10−6/℃〜50×10−6/℃の補強用ポリエステルフィルム(特許文献2参照)などが提案されている。
また、CCLを作成する工程においては、銅箔上へのキャスティングによる製法以外の製法においては、特に、ロール・ツー・ロールでの薄いフィルムの取り扱いがほとんどであり、スパッタリングによる銅薄膜の堆積、めっき、或いは、接着剤の塗布、銅箔の貼り合わせ、熱圧着、プレスなどがそれに該当する。これらの場合、薄い基材フィルムを皺や歪み、こすれなどがなく搬送することが必要である。また、基板作成時においても、フィルムの厚さによっては皺なく切断、搬送、貼り合わせること自体が困難になる場合がある。
特開2005−186274号公報 特開2003−101166号公報
本発明は、機能性薄膜層積層極薄のポリイミドフィルムの取扱い性に優れ、FPCなどの加工・製造時に用いられて機能性薄膜層積層極薄ポリイミド層を容易に、かつ安定して形成可能な積層ポリイミドフィルムを提供するものである。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
1. 厚さ0.5〜10μmのポリイミドフィルムの片方の面に機能性薄膜層が形成され、かつ該機能性薄膜層の上面に補強用フィルムが積層されてなることを特徴とする積層ポリイミドフィルム。
2. ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸無水物類とベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類との縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである前記1記載の積層ポリイミドフィルム。
3. 機能性薄膜層が、銅、ニッケル及びモリブデンのいずれかを主成分とし、厚さが100nm〜10μmである、前記1又は2記載の積層ポリイミドフィルム。
4. ポリイミドフィルムの機能性薄膜層が形成された面とは反対側の面に接着層又は粘着層が積層されてなる前記1〜3のいずれかに記載の積層ポリイミドフィルム。
5. ポリイミドフィルムの片面に粘着層を有する補強用裏打ちフィルムを積層し、次いでポリイミドフィルムの補強用裏打ちフィルム積層面の反対側の面に機能性薄膜層を形成させ、次いで該機能性薄膜層面に粘着層を有する補強用フィルムを積層し、次いで前記粘着層を有する補強用裏打ちフィルムを剥離させることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の積層ポリイミドフィルムの製造方法。
本発明の積層ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム上に機能性薄膜が積層され、さらにその機能性薄膜上に補強用フィルムが積層された構成であるため、種々工程で取扱う際に、皺や歪み、こすれなどの問題発生を低減することが可能である。
さらに補強用フィルムを積層ポリイミドフィルムから剥がす時や別の基材と積層する場合には、補強用フィルムのついている側とは反対側のポリイミドフィルム面に粘着層又は接着層を形成させて他の補強用フィルムや基板と積層すれば、補強用フィルムの剥離が容易であり、ポリイミドフィルムの皺や歪みの発生が低減可能になるので、耐熱性、フレキシブル性、機械的強度をより高いレベルで具備する極薄の厚さのポリイミド層を容易に、かつ安定して形成することができる。
このため、薄いFPCなどの細密かつ軽小軽薄が要求される電気電子部品に対応し得る機能性フィルムとして工業的に極めて有用である。
本発明の積層ポリイミドフィルムは、主たる構成成分であるポリイミドフィルムが厚さ0.5〜10μmであることが必要であり、このポリイミドフィルムの厚さが0.5μmに満たない場合は、補強用裏打フィルムを貼り合わせて本発明の積層ポリイミドフィルム製造する際に、皺や歪み発生などを防止することが困難になるとともにポリイミドフィルムの絶縁性の点からも好ましいことではない。また10μmを超える場合は、裏打ちフィルムなくても従来からある一般的な装置での搬送が多くの場合可能であり、軽小軽薄化に対する効果が少ない。
本発明で用いるポリイミドフィルムの引張弾性率は、3GPa以上であることが好ましく、より好ましくは6GPa以上、さらに好ましくは7GPa以上、特に好ましくは8GPa以上である。3GPaに満たない場合は、補強用フィルムを貼り合わせて積層する工程などでの取扱い性が著しく低下することがある。
また、ポリイミドフィルムの引張弾性率の上限は特に限定されるものではないが、取扱い上最低限の柔軟性を維持しておく点から30GPa程度である。
また、ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)は、−3〜20ppm/℃であることが好ましい。CTEがこの範囲であると、半田付けなどの高温暴露において歪みや皺の発生がなく、かつ機能性薄膜の線膨張係数との乖離が小さいため、機能性薄膜の剥がれ防止に効果を示す。
また、Siやセラミックス等のCTEの小さい材料に近接して使う場合には、近接する材料のCTE付近のCTEであることが好ましく、低CTE材料との差は、±7ppm/K以内であることが好ましく、より好ましくは±5ppm/K以内、さらに好ましくは±3ppm/K以内である事が好ましい。この範囲を逸脱したときは前記の効果低減が大きくなる。
また、ポリイミドフィルムの厚さ斑は、20%以下である事が好ましく、より好ましくは10%以下である。厚さ斑が20%を超えると、貼り付け作業中の皺の発生、性能の不均一の原因となる場合がある。
本発明で使用されるポリイミドフィルムの最も好ましい態様は、ベンゾオキサゾール構造を有する(芳香族)ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするものである。
本発明で使用されるポリイミドフィルムは、溶媒中でジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に脱水縮合(イミド化)することにより得ることができる。
本発明におけるポリイミドフィルムは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
B.ジアミノジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
D.上記のA、B、Cのうちの二種以上の組み合わせ。
これらの中でも特にA.ベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせによるポリイミドフィルムが好ましい。
ベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムに使用されるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明は、前記事項に限定されず下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全芳香族ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種又は二種以上併用してのポリイミドフィルムである。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−
ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン
、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4'−ビ
ス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4'−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエ
ーテル、4,4'−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテ
ル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベン
ゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキ
シ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,
5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジフェノキシベンゾ
フェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3
,4'−ジアミノ−5'−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ
−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェ
ノン、3,4'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'
−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で使用される芳香族テトラカルボン酸類は、例えば芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを重縮合(重合)してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
高温処理によるイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができる。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、複合体が脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
本発明において、これらの厚さ斑が20%以下で7μm以下の厚さであるポリイミドフィルムを得る方法は、特に限定されるものではないが、好ましい方法として、(1)芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリアミド酸を流延・乾燥して前駆体フィルム(ポリアミド酸フィルム)を得て、該前駆体フィルムを、フィルムの幅方向の両側端部におけるフィルム端部把持が、多数のクリップで挟み込むことやピンシートに設けられた多数のピンで突き刺すことによってなされ、幅方向および/または搬送方向に張設した状態でフィルムを搬送するテンター方式でイミド化させる厚さが7μm以下のポリイミドフィルムを得るポリイミドフィルムの製造方法で、前駆体フィルムの幅方向の両側端部におけるフィルム把持が、イミド化される前駆体(ポリアミド酸)フィルムと細幅のポリイミドフィルムに接着剤層を設けた易接着性ポリイミドフィルムとを重ねて把持および/または突き刺すことで固定するポリイミドフィルムの製造方法、(2)前記の細幅のポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリアミド酸を流延・乾燥して得られる前駆体フィルムのスリットした所謂前駆体フィルム(グリーンフィルム)である前記(1)の方法が挙げられる。
ここで、別に用意された細幅のフィルムは、前駆体フィルムの場合も接着剤層を設けた易接着性ポリイミドフィルムの場合も特に限定されるものではないが、処理される前駆体フィルムと同じジアミンと同じテトラカルボン酸からのものが好ましく、製造されるポリイミドフィルムとは別に、同じポリアミド酸溶液を流延・乾燥して別の前駆体フィルムを作成し予め細幅にスリットし用意した細幅ポリイミド前駆体フィルムであるか前駆体フィルムをイミド化させたポリイミドフィルムが好ましく、これらをそのままスリットするか、接着剤層を設けた易接着性ポリイミドフィルムとして後スリットして作製することができる。その細幅フィルムの幅は20〜80mmが好ましい。またこの別に用意された細幅のフィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは処理される(ポリイミドフィルムとして製造される)前駆体フィルムと同程度の厚さが好ましく、5〜13μmであり、5μm未満の場合には重ね合わせの補強効果が低減しがちとなり、また13μmを超える場合には重ね合わせの補強効果が、ポリイミドフィルムとして製造されるべき前駆体フィルムに及び難くなりがちとなる。
細幅のポリイミドフィルムの易接着剤層に使用される接着剤としては、特に限定はされないが、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤がある。
熱可塑性接着剤としては、耐熱性およびフィルムとの接着性などの観点から熱可塑性(熱圧着性)ポリイミド系樹脂からの接着剤が好ましく、これら熱可塑性(熱圧着性)ポリイミド系樹脂としては、230〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性のポリイミド系樹脂が好ましい。かかる熱圧着性ポリイミドとしては、好ましくは、ジアミン類として、
APB :1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)、
m−BP :4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
DABP :3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
DANPG:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、から選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、テトラカルボン酸無水物として、
PMDA :ピロメリット酸二無水物、
ODPS :3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
BTDA :3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
BPDA :3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
α−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ODPA :4,4’−オキシジフタル酸二無水物、
から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドを用いることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。さらにジアミン類或いはテトラカルボン酸無水物類の各々50モル%を超えない範囲で、先に例示した、その他のジアミン類あるいはテトラカルボン酸無水物類を併用することができる。
この他、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂などを単独で、あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
また本発明の利点を損なわない限りにおいて、本発明の熱可塑性接着剤に熱硬化性の接着剤、例えばエポキシ系やシアナート系の接着剤を混合使用してもよく、全接着剤層におけるこの熱硬化性接着剤の割合は高々40%である。
本発明においては、前駆体フィルムをフィルム端部固定式テンターにてイミド化(熱処理などの)処理する際に、フィルムの幅方向の両側端部におけるフィルム端部把持が、多数のピンシートと個々のピンシートに配された多数のピンで構成され、該ピンが押さえブラシロールによりフィルム両側端部を突き刺すことでなされ、幅方向及び/又は搬送方向に張設した状態でフィルムを搬送するテンター式処理部を有するポリイミドフィルム製造方法において、ピンで突き刺される部位で、処理される前駆体フィルムと別に用意された細幅のフィルムとの重ね合わされた状態であることを好ましい態様とするものである。 また、本発明においては、ポリアミド酸溶液を支持体上に流延する際に真円度の高いバックアップロールを用いることで、塗工時の厚み斑を低減させ、特にMD方向の厚み斑を低減さすせることができる、バックアップロールの真円度は下記するロールの偏心量をもって表すものであり、その偏心量(μm)は3以下が好ましく、特に2以下が好ましい。
前記ピン部分補強によるフィルムへの厚み斑低減効果はTD方向の厚み斑抑制に効果が有る。なお、厚さ斑は以下の式で求められるものである。
厚さ斑(%)=((最大厚さ−最小厚さ)/平均厚さ)×100
これらの方式においてはコーターのバックアップロールの偏心量を3(μm)以下、好ましくは2(μm)以下に制御する方法が好ましい。バックアップロールの偏心量の測定は、バックアップロールの端面に、ダイヤルゲージを当接し、ゲージの変位量をバックアップロールの左端面、右端面、中心部を測定した値である。より詳しく述べれば、ダイヤルゲージは静電容量式ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製、商品名PEACOCK、型式DG−205、測定範囲25mm、最小表示量0.001mm、精度0.003mm)を使用する。
ダイヤルゲージはマグネットチャックにてロールフレームに固定する。偏芯量測定は円周方向に8分割した箇所を、それぞれ繰り返し6回、測定する。測定時の環境は、温度、湿度が安定し、振動の無い環境で実施する。ロール駆動速度は、1m/分で実施する。
測定はフィルム無し、有りの両方で実施する。フィルム有りの場合、フィルムテンションは100N程度で実施する。
バックアップロールの偏心量の制御は、偏心量の大きい場合はバックアップロールのメッキ剥がし、切削加工、研磨加工、の工程を少なくとも経て偏心量の制御を実施する、また偏心量の小さい場合はバックアップロール研磨加工を実施して偏心量の制御を実施する。
バックアップロールの材質は、機械構造用炭素鋼(STKM、S45C)が良い。
バックアップロールの表面処理は、硬質クロムメッキが良い。ロールの直径は、φ200〜400程度が望ましい。軸受は寸法精度及び回転精度がJIS B1514に規定される精度等級の4級以上の軸受を使用することが好ましい。
本発明の好ましい態様としてのピンシートの幅方向に対し外側に設置したピン台座より高い部位を有するピンシートにおける高い部位の形状は特に限定されず、ピンの植え込まれている面であるピン台座より位置的に高くそのことによってフィルムがピン台座に接触しない機能を有すればよく、例えばピンシートの幅方向の外側(ピンの植え込まれていない幅方向での外側位置)のみが高くその位置でのみフィルムに接触するようにした台であるものでもよく、またピン台座が幅方向に外側に向かって傾斜したピンシートであってもよく、例えば台の場合、台の形状や大きさは、好ましくは、(1)該台の高さがピン先端より3〜8mmの範囲で低く、より好ましくは、4〜6mmの範囲で低く設置されており、該台の高さがピン先端より3mm未満の低さであると、フィルム両端部を突き刺したピンの深さが浅く、その後の熱処理工程中でフィルムがピンから外れる頻度が高くなり好ましくなく、また、該台の高さがピン先端より8mmより低いと、熱処理後にフィルムをピンシートから外すときに大きな抵抗となり、最悪フィルム両端部を引き裂くことにつながり好ましくない。また、(2)該台の高さがピンの設置されている台座より0.5〜5mmの範囲で高く、より好ましくは、2〜3mmの範囲で高く設置されており、ピンシートへのフィルム把持時に、押さえブラシロールによるフィルムのピン挿入深さが安定的に決定され、ピンシートからフィルム把持部への直接的な伝熱抑制効果が発現し、その結果フィルム中央部と把持部との温度差が小さくなり、フィルム搬送中の破断強度差が小さくなり、結果的にテンター中、およびテンターでの熱処理後ピンシートからフィルムを剥離する際のフィルム破断等のトラブルを低減することが出来る。一方、該台の高さがピンの設置されている台座より1mm未満の高さであると、ピンシートからフィルム把持部への直接的な伝熱抑制効果が低減され、その結果フィルム中央部と把持部との温度差が大きくなり、フィルム搬送中の破断強度差が大きくなり、結果的にテンター中でのフィルム破断等のトラブルにつながり好ましくなく、また、該台の高さがピンの設置されている台座より5mmより高いと、熱処理工程におけるピンシート自体の汚染を促進するために好ましくない。また、(3)該台の周囲を面取りしていることが好ましく、面取り加工をしないと、該台周囲に接触したフィルムに裂けが生じ好ましくない。また、(4)ピンが設置されている台座に空洞を設けることは、ピンシートからフィルム把持部への直接的な伝熱抑制効果が発生し、その結果フィルム中央部と把持部との温度差が小さくなり、フィルム搬送中の破断強度差が小さくなり、結果的にテンター中でのフィルム破断等のトラブル防止につながり好ましい。
ピンシートの幅方向に対し外側に台が設置されたポリイミドフィルムの製造装置において、該ピンがフィルム両側端部を突き刺す時点で、融点または軟化点が150℃以上で弾性率4GPa以上の素材からなる毛材からなるブラシを備えた部材でフィルム端部をピンに突き刺す手段を使用することも好ましい実施態様である。
また、この押さえブラシロールにおける、幅方向に対して外側に設置されるピン台座よりも高い部位と接触する押さえブラシロールの部材が、幅方向に対して内側部分の部材よりも剛性が高いもの、具体的には押さえブラシロールの幅方向に対して外側に設置する部材が、金属素線のブラシ形状部材であるものや金属製の円筒状部材であるものがより好ましい態様である。
融点または軟化点が150℃以上で弾性率4GPa以上の素材からなる毛材からなるブラシを備えた部材としては特に限定されないが、ブラシが円筒平面周上に設けられたブラシロールが好ましく使用できる。
融点または軟化点が150℃以上で弾性率4GPa以上の素材からなる毛材からなるブラシは、この物性を有することでフィルムの突き刺しが均一に行われかつ長時間の使用によってもその機能の劣化が極めて少ないものであり、この物性を有さないものを使用した場合には前記の2点を同時に満足することができないものである。
融点または軟化点が150℃以上で弾性率4GPa以上の素材からなる毛材からなるブラシとしてはこの物性を備えたものであれば特に限定されるものではなく、例えば高弾性率の高分子繊維、カーボンファイバー、ガラスファイバーなどが挙げられるが、より好ましくは高分子繊維などの高分子素材であり、芳香族ポリアミド、例えばコーネックス(帝人製)などが挙げられる。
本発明におけるピンテンターの把持部は、例えば図1や図2に一例を示すように個々のピンシートに配設された多数のピンで構成され、この個々のピンシートが多数配設されてフィルムを搬送するものであり、また図2で示すように処理される前駆体フィルムがピンシートのピンに突き刺される前にその両側端部で、別に用意された細幅のフィルムと重ね合わされて、押さえブラシロールなどでピンに突き刺すことができる。
本発明においては、好ましい態様として、フィルム熱処理が終了して、ピンまたはピンシートがターンしてフィルム把持を開始する位置に戻る直前の部位において冷却手段を設けて、ピンがフィルム把持開始時点においては充分に冷却され、ピンによるフィルム両端の突き刺しにおいて、フィルム把持の均一性が保たれ、ピンを喰い込ませた孔でのフィルムの幅方向または搬送方向にも孔が拡大することや破断が生じることが抑制される。冷却手段としては、空冷、水冷いずれでもよく、また空気、水以外の冷媒を用いても良い。冷却効率の点からは液体の冷媒を用いることが好ましく、さらに、テンター自身が一般の有機溶剤の発火点以上に加熱されることを考えると、水冷仕様による冷却手段にすることが最も好ましい。
この冷却手段を設けることで、ピンおよびピンシートがフィルム両端を把持して搬送を開始する時点で、一端熱処理温度例えば450℃などの高温に加熱され冷却手段がないときにピンなどが高温に維持されており、この高温のピンによるフィルム両端の突き刺しにおいて、フィルム把持の均一性が保たれ難く、ピンを喰い込ませた孔でのフィルムの幅方向または搬送方向にも孔が拡大することや破断が生じることが容易くなり、フィルム全体での歪の増加、フィルム厚さ斑の拡大が生じるなどの問題をある程度解消することができる。
さらに本発明において、好ましい態様としては、ピンテンターのピン配置において、フィルム搬送時のフィルム幅方向における最内側に配列された個々のピンが互いに、フィルム搬送方向で個々のピンシート内においても、他のピンシート間においても、全て等間隔で配されていることが好ましい。
また、本発明において前駆体フィルムをフィルム端部固定式テンターにてイミド化(熱処理などの)処理する際に、フィルムの幅方向の両側端部におけるフィルム端部把持が、多数のクリップで構成され、該クリップがフィルム両側端部を把持することでなされ、幅方向および又は搬送方向に張設した状態でフィルムを搬送するテンター式処理部を有するポリイミドフィルム製造方法において、クリップで把持する部位で、処理される前駆体フィルムと別に用意された細幅のフィルムとの重ね合わされた状態であることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、前駆体フィルムをフィルム端部固定式テンターにてイミド化(熱処理などの)処理をする際に、フィルムの幅方向の両側端部におけるフィルム端部把持が、多数のクリップがエンドレスに回転して、該各クリップがフィルム両側端部を挟持することでなされ、幅方向および又は搬送方向に張設した状態でフィルムを搬送するクリップテンター式処理部を有するポリイミドフィルム製造方法において、クリップで挟まれる部位で、処理される前駆体フィルムと別に用意された細幅のフィルムとの重ね合わされた状態であることを好ましい態様とするものである。
本発明においてポリイミドフィルムを熱処理する端部固定テンターのクリップ部は、公知のクリップ部であれば、特に限定されるものではないが、クリップ部に通気性のある耐熱素材を用いたものが好ましく、その形態、性状については特に限定されないが、好ましくは、熱分解温度が400℃以下の多孔質物体ないし繊維集合体である通気性耐熱素材を使用する。本発明における通気性耐熱素材として、多孔性のセラミックスを用いることができる。セラミックスの材質そのものに特段の制限はなく、アルミナ、カルシア、マグネシア、シリカなどの単独または複数からなる素材を用いればよい、多孔質度合いを示す空隙率は体積比で30%以上が好ましく40%以上がなお好ましく50%以上がなおさらに好ましい。多孔質度合いがこの範囲より低いと、ポリマーフィルムからの揮発成分の自由な発散が妨げられる。また90%を超えるとセラミックス自体が脆くなり実用性に乏しくなる。同様に多孔質体としては発泡セメント、石膏、ガラス、金属、その他リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、金属酸塩等の無機の固体を用いることができる。
本発明における通気性耐熱素材として、無機繊維の集合体を用いることができる。本発明において用いられる無機繊維とはカーボンファイバー、アルミナウール、ガラスウール、石綿、各種の硝子繊維等を用いることができる。これらは織布形状でも不織布形状、あるいはフェルトのごとき厚手でもかまわない。
本発明における通気性耐熱素材として金属繊維の集合体を用いることができる。金属種としては耐食性に優れるステンレス系の素材が好ましい。
本発明における通気性耐熱素材として、耐熱高分子繊維の集合体を用いることができる。耐熱高分子繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、ポリベンゾチアゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミドベンゾオキサゾール繊維などを用いることができる。
フィルム端部把持を多数のクリップで挟み込むことによってなす本発明のテンターは、該クリップがフィルムと接する把持部の温度が180℃未満となるように冷却する手段を有することがさらに好ましい。
以下、クリップ冷却手段を詳述する。かかるクリップを固定手段として用いるテンターはクリップテンターと称される。クリップテンターのクリップは多くの場合駆動チェーンに組み合わせれ、無限軌道として設置される。クリップテンターの駆動チェーンは、往復とも処理炉内を通る型式と、復路は処理路の外を通るように配置される型式が知られているが、本発明では、往復とも処理炉内を通る型式に適用されることが好ましい。このような型式の場合には装置全体をコンパクトにすることが可能である。
図3に示すように、熱処理などの処理を受ける処理室内では、クリップが配設されたクリップブロックが多数フィルム両端部に配設されており、これらのクリップがフィルム両端を把持して搬送し、処理室内ではこれらクリップはフィルム両端で互いに並行に走行しているものであり、かつ極めて高温に維持されてフィルムの熱処理がおこなわれるもので、少なくともこの処理室内ではクリップも高温に曝され、フィルム熱処理が終了してターンして元の位置にてまた新たにフィルムを把持する様になっている。
本発明においてクリップおよびクリップブロックの冷却は、処理炉の入り口側における駆動チェーンの復路からクリップニングゾーンまでの間にて行うことが好ましい。
従来のテンター式搬送装置では、これらのクリップがフィルム両端を把持して搬送を開始する時点で、一端熱処理温度例えば490℃に加熱され冷却手段、温度制御手段がなく高温にて温度バラツキが維持されており、クリップによるフィルム両端の把持において、フィルム把持の均一性が保たれ難く、クリップにて挟んだ部分近傍にてフィルム厚み斑や亀裂が入りやすく、亀裂の拡大によりフィルム破断が生じ易い。さらに、フィルム全体での歪の増加、フィルム厚み斑の拡大が生じる。そのため本発明ではクリップがフィルム熱処理が終了してターンしてフィルム把持を開始する位置に戻る直前の部位において冷却手段を設けて、クリップがフィルム把持開始時点においては充分に冷却され、かつ温度制御されており、クリップによるフィルム把持の均一性が保たれ、クリップ近傍での破れやフィルム全体での歪の減少、フィルム厚み斑の低減が達成できる。
本発明における冷却手段としては、空冷、水冷いずれでもよく、また空気、水以外の冷媒を用いても良い。冷却効率の点からは液体の冷媒を用いることが好ましく、さらに、テンター自身が一般の有機溶剤の発火点以上に加熱されることを考えると、水冷仕様による冷却手段にすることが最も好ましい。また冷却部付近においては結露を防止するため、雰囲気、並びに冷媒として空気を用いる場合には冷風の露点制御することが好ましい。
さらに本発明においては、前記クリップ部の温度を測定する手段と、測定結果に応じて冷却度合いを制御する制御系を備えることが好ましい。温度測定手段については熱電対、あるいは放射温度計などの公知の手段を用いることができる。制御系は通常の負帰還制御を用いればよい。
本発明に使用される補強用フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、アセテートフィルム、ポリオレフィンやアルミ箔など耐熱性、機械的強度などが一定水準以上のものであれば特に限定されるものではない。 また、本発明の主旨からして、補強用フィルムの吸水率は0.5%以下のものが好ましく、またその線膨張係数は、50ppm/℃以下が好ましく、より好ましくは30ppm/℃以下である。
これらのフィルムは、機能性薄膜層に積層するためには、粘着層を有することが好ましい。粘着層の粘着力は、機能性薄膜層との間の粘着力が、1.0N/cm以下であるように粘着層を選定することが好ましい。当該補強用フィルムにはよく接着し、機能性薄膜層には、上記粘着力となるような粘着層が好ましい。粘着層の粘着力は、より好ましくは0.5N/cm以下のもの、更に好ましくは0.2N/cm以下である。粘着力の下限としては、0.04N/cm以上が好ましい。0.04N/cm未満では、プロセス中で剥がれが生じる場合がある。
粘着層は、各種プロセス中に、圧力、熱が加わるなどにより、ポリイミドフィルム上の機能性薄膜層に糊移りが生じる事が考えられるが、この糊移りは少ない事が望ましいが、補強用フィルムを剥離した後に、大気圧プラズマや真空プラズマ、反応性プラズマ、マイクロ波プラズマ等のプラズマ処理や光洗浄、機能性薄膜のエッチング薬液処理、研磨や研削といった機械的加工により、若干の糊移りは、除去可能であれば、ESCAによる観察で全く無いレベルは必要とされない。
なお、上記の補強用フィルムは、ポリイミドフィルム上に機能性薄膜層を形成させる前のポリイミドフィルムの補強用裏打ちフィルムとしても使用される。粘着層を介してポリイミドフィルムと積層された補強用裏打ちフィルムは、ポリイミドフィルム面(補強用裏打ちフィルムが積層されていない面)に機能性薄膜層が形成された後は、機能性薄膜層面に上記補強用フィルムが積層されるので、補強用裏打ちフィルムは不要になって剥離されることになる。
本発明で使用される補強用フィルムは、その厚さは限定されるものではないが、本発明の主旨からして、厚さ12〜200μm程度のポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムなどが好ましい。これらの補強用フィルムには、耐熱性の高い前記粘着機能を有する接着剤層が積層されていることが好ましい。接着剤層としては、例えば塩化ビニル系やアクリル系やウレタン系などの接着剤によって形成されたものである。また、補強用フィルムからのTOC溶出量は、450ppm以下である事が望ましく、また、補強用フィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが望ましい。
補強用フィルムは、例えば、圧接や熱圧着法で前記接着剤層を介してポリイミドフィルムに積層される。
ポリイミドフィルム面に形成される機能性薄膜層としては、ITO(インジウム・錫系酸化物)などの酸化物薄膜、銅、ニッケル、モリブデン、タングステン、金、銀、クロム、チタニウム、アルミニウムなどの金属薄膜、珪素、ゲルマニウムなどの半導体薄膜や、TiO2、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム。アルミナ、MgO、ステアタイト、BaTi4O9、BaTiO3、BaTiO3+CaZrO3、BaSrCaZrTiO3、Ba(TiZr)O3、PMN-PT PFN-PFWなどのキャパシター材料、PbNb2O6、Pb0.5Be0.5Nb2O6, PbTiO3, BaTiO3, PZT, 0.855PZT-.95PT-0.5BT, 0.873PZT-0.97PT-0.3BT, PLZTなどの圧電材料これらの
複合膜や積層膜などが挙げられるが、中でも銅を主成分とする薄膜が好ましく適用できる。
銅を主成分とする場合、銅薄膜中に微量の他元素を含むものや、フィルムと銅薄膜の間に、Cr、Ta、Ti、Hf、Mo、W、Re、Ni−Cr、SiCr、TiCr、Cu−Mn−NiPd−Ag、Pd−Au−Fe、Cr−SiO、Cr−MgF、Au−SiO、窒化タンタルあるいは部分窒化タンタル、窒化チタンあるいは部分窒化チタンなどが挙げられる。これらの中で好ましくはNi−Cr、Ni−Co−Cr、より好ましくは、99.9%以上のスパッタリング用NiCrターゲットを用いる。これらの金属やITO、Si、Alなどの酸化物及びこれらの複合酸化物薄膜を下地層として挟んでいるものを含む。
このようなNiCr中間層の厚さは、大気中、150℃で24時間の加熱処理により銅粒子がポリイミド層内へ実質的に侵入しない(拡散抑制効果)程度の厚みが最低必要で、5〜50nm程度がよい。膜厚が余りに薄すぎるとこのような条件下で銅粒子がポリイミド層内へ侵入してしまい拡散抑制層としての効果を有さない。また、厚すぎるとNiCr中間層の形成に時間を要し、生産効率の面で好ましくない.
薄膜形成方法は特に限定されるものではないが、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、MBE、プラズマCVD、MOCVDなどの乾式薄膜形成法、エアロゾルデポジッション法、インクジェット印刷によるナノインキ薄膜の形成、めっき、ゾルゲル法、コーティングなどが好ましく適用できる。薄膜の接着性や薄膜の制御性に優れたスパッタリング法が特に用いるに好ましい方法である。スパッタリングの方法において、特に限定される条件はなく、DCマグネトロンスパッタリング、高周波マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング等の方法が有効に用いられる。工業的には直流スパッタリングをすることが簡便であり、十分な膜質を得られる。
本発明における薄膜の形態として、ポリイミドフィルムの全面に均一な厚さで積層していることの他に、表面に適度の凹凸がある場合や、機能を発現するためのパターンが形成されている場合も含まれる。
本発明の積層ポリイミドフィルムを得る方法としては、例えば、補強用裏打ちフィルムが粘着層を介して積層されたポリイミドフィルムに対して、ポリイミドフィルムの補強用裏打ちフィルム積層面とは反対側の面に、上記の機能性薄膜層を形成させ、次いで該機能性薄膜層面に粘着層を有する補強用フィルムを積層し、次いで前記粘着層を有する補強用裏打ちフィルムを剥離させることで製造することができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解して測定した。)
2.ポリイミドフィルムおよび積層ポリイミドフィルムの厚さ及び厚さ斑
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
厚さ斑の測定は、下記によるものである。
幅方向(TD)については、幅方向1cm間隔で全幅測定し、その間の平均厚さ及び最大
厚さ、最小厚さを出し、下式を用いて計算した。
長手方向(MD)については、長手方向5cm間隔で5m分測定し、その間の平均厚さ及び最大厚さ、最小厚さを出し、下式を用いて計算した。
厚さ斑(%)=((最大厚さ−最小厚さ)/平均厚さ)×100
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(以下MD方向とも記す)および幅方向(以下TD方向とも記す)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
4.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転移温度
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tm)とガラス転移点(Tg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90〜100℃、100〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出した。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.フィルムの吸水率
フィルムの吸水率は、フィルムを約10cm×10cmにカットして試験とし、試験片を150℃のドライオーブンにて1時間乾燥し、直後にその質量を測定し初期値とし、ついで25℃のイオン交換水に試験片を24時間入れ、その後に表面の水滴を十分に拭き取って再秤量し吸水値とした。下記式より吸水率を求めた。
吸水率=100×(吸水値−初期値)/(初期値) [質量%]
7.フィルム膨れの判定
補強用裏打フィルムの粘着層とポリイミドフィルムとの間に気泡、空洞があるか目視確認しそれらの殆ど見られないものを○、異物による膨れが1ケ見つかった場合を△、多く見られるものを×とした。
8.粘着層移りの判定
補強用裏打フィルムを剥がした後に粘着層が補強用裏打フィルム側に完全に移っているか否かを目視判定し、粘着層が補強用裏打フィルム側に完全に移っているものを○、粘着層が補強用裏打フィルム側に完全に移っていなくポリイミドフィルム側に残った場合を×とした。
9.剥がし状態の判定
補強用裏打フィルムを剥がした時にポリイミドフィルムに皺、歪などの異常が起きていないか目視確認判定し、皺、歪などの異常が殆ど見られないものを○、皺、歪などの異常が少し見られるものを△、皺、歪などの異常が多く見られるものを×とした。
10.粘着力
JIS Z0237に準じて引張速度300mm/min、剥離角度180°で測定した。
〔参考例1〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え,25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。このポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は4.0dl/gであった。
〔参考例2〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを入れた。次いで、4170質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。このポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は3.7dl/gであった。
〔参考例3〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れた。次いで、4010質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度ポリアミド酸の(ηsp/C)は4.5dl/gであった。
〔参考例4〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン930質量部を入れ、ジメチルアセトアミド15000質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,この溶液を0度まで冷やし、4,4'−オキシジフタル酸無水物990質量部を添加、17時間攪拌した。薄黄色で粘調なポ
リアミド酸溶液(D)が得られた。このポリアミド酸のηsp/Cは3.1dl/gであった。
(易接着性細幅フィルムの作成)
参考例で得たポリアミド酸溶液AとCを使用して、各々別々に、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑材面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(塗工幅1240mm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ15μm、幅1200mmのグリーンフィルムを得た。得られたグリーンフィルムを図1、図2に示す装置で、以下括弧内に示す様にピンシートやブラシロール、押さえロール、支え治具の条件でピンテンターにて両端を把持し熱処理を行った。ピンは、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるように配置されており、ピン台座からのピン高さは8mm、ピンシート間隔は1140mmであり、ピンシートの長手方向の長さは95mm、幅方向の長さは35mmで、ピンシートの幅方向外側に設定した該台の長手方向の長さは95mm、幅方向の長さは15mmであり、該台の周囲は面取り加工を施した。また、ブラシロールは幅方向に2種類の素材を用いた2層構造を用い、内側にはコーネックス製で素線径φ0.3mmを配置し、外側には素線径φ0.5mmの金属素線を配置した。
(ピンシートの形状は平板形状、押さえロールとフィルム把持開始部との距離は150mm、支え治具はテフロン(登録商標)製バーを使用、支え治具とフィルム把持開始部との距離は170mm)
テンターの熱処理設定は以下の通りである。第1段が180℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、生産性を無視して、速度を抑えて、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却し、ロール状に巻き上げ、各ポリアミド酸溶液からの褐色を呈する厚さ9μmポリイミドフィルムAとポリイミドフィルムCを得た。
DMAC(ジメチルアセトアミド)で10倍に希釈したポリアミド酸溶液(D)を作製し、得られたポリイミドフィルムA、ポリイミドフィルムCの一面上に、バーコーターを用いてコーティングした。次いで、90℃にて10分間乾燥し、易接着性ポリイミドフィルムA、易接着性ポリイミドフィルムCを得た。これらにおける易接着性層の厚さは、ポリイミドフィルムA、ポリイミドフィルムCの厚さ1に対しての比は、0.1/1である。
この得られた易接着性ポリイミドフィルムA、易接着性ポリイミドフィルムCをそれぞれスリットし、幅35mmの細幅長尺スリットフィルムAと細幅長尺スリットフィルムCを用意した。
〔製造例1〕
参考例1で得たポリアミド酸溶液Aを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑材面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(塗工幅1240mm, バックアップロールの真円度が2(μm)のものを使用)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ10μm、幅1200mmのグリーンフィルムを得た。
得られたグリーンフィルムに前記幅35mmの細幅長尺スリットフィルムA(易接着性細幅長尺スリットフィルムA)を両側端部に重ね合わせながら、図1、図2に示す装置で、以下括弧内に示す様にピンシートやブラシロール、押さえロール、支え治具の条件でピンテンターにて両端を把持し熱処理を行った。ピンは、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるように配置されており、ピン台座からのピン高さは8mm、ピンシート間隔は1140mmであり、ピンシートの長手方向の長さは95mm、幅方向の長さは35mmで、ピンシートの幅方向外側に設定した該台の長手方向の長さは95mm、幅方向の長さは15mmであり、該台の周囲は面取り加工を施した。また、ブラシロールは幅方向に2種類の素材を用いた2層構造を用い、内側にはコーネックス製で素線径φ0.3mmを配置し、外側には素線径φ0.5mmの金属素線を配置した。
(ピンシートの形状は平板形状、押さえロールとフィルム把持開始部との距離は150mm、支え治具はテフロン(登録商標)製バーを使用、支え治具とフィルム把持開始部との距離は170mm)
テンターの熱処理設定は以下の通りである。第1段が200℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として450℃で5分間の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。またテンター内の最大風速は0.5m/秒であった。
テンターの第1段目の中間地点までは両端のピンの幅を2%縮め初期幅の98%とした。第1段目の後半ではピン幅をやや広げ初期幅の99%とし、昇温区間にて102%まで広げ、第2段目の中間点までさらにピン幅を広げて103%とし、以後は一定幅にて処理した。その後、5分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈するポリイミドフィルムA1を得た。このフィルムの引張り破断強度は、引張り破断伸度はそれぞれ、510MPa、37%であった。また、吸水率は0.92%であった。厚み斑は8%であった。
同様にして各種厚さのポリイミドフィルムA2、A3、A4を得た。得られたフィルムの物性値を表1に示す。
〔製造例2〕
参考例2で得られたポリアミド酸溶液Bを用い、以下同様に操作してポリイミドフィルムBを得た。このフィルムの引張り破断強度は、引張り破断伸度はそれぞれ、320MPa、62%であった。また、吸水率は0.44%であった。厚み斑は15%であった。得られたフィルムの物性値を表2に示す。
〔製造例3〕
参考例3で得られたポリアミド酸溶液Cを用い、以下同様に操作してポリイミドフィルムCを得た。このフィルムの引張り破断強度は、引張り破断伸度はそれぞれ、530MPa、46%であった。また、吸水率は0.34%であった。厚み斑は12%であった。得られたフィルムの物性値を表2に示す。
〔実施例1〜3〕
各製造例のポリイミドフィルムA1〜3について、補強用裏打フィルムとしてアクリル系粘着剤層を有するポリエステルフィルム(厚さ43μm)の剥離シート付きのもの(吸水率0.35%、線膨張係数が14ppm/℃)を用い、クリーンルーム内で剥離シートを剥がしながら、ポリエステルフィルムの粘着剤層面とポリイミドフィルムの一面とを貼り合わせた。この貼り合わせ時に実施例各例においてはなんら問題が生じなかった。
得られた各補強用裏打フィルムポリイミドフィルムを、ロール・ツー・ロールでのスパッタリング機に入れ、補強用裏打フィルムのついていないポリイミドフィルム面にプラズマ処理をした後、スパッタリングを実施した。プラズマ処理、スパッタリング条件は、以下のとおりである。
すなわち、フィルムが250mm幅のものはまず、酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理し、処理時の条件はOガス圧2×10−3Torr、流量50SCCM、
放電周波数13.56MHz、出力250W、処理時間は、フィルム送り速度0.1m/m
inで有効プラズマ照射幅が10cm程度のため1箇所のプラズマ照射時間が1分となる。この後、表面処理装置より取り出し、フィルムの片面上に、NiCr合金をターゲットとしてアルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ15nmのNiCr下地薄膜層を形成させた。薄膜層作成時の真空度は3×10−3Torrである。その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。ターゲットのNiCr合金の組成は、Ni80質量%、Cr20質量%純度3Nのものを用いた。ターゲットのCuは純度4Nのものを用いた。各ターゲットのフィルム送り方向の幅は12cm、フィルム送り方向の幅は27cmの矩形である。この矩形のターゲットがフィルム送り方向に、4ケ設置されている。ターゲットは2ケずつ接近しているが、NiCrのために使用した。ターゲットとCuのために使用したターゲットの間隔は離れているため、NiCrのスパッタリングされた原子と、Cuの原子が、真空中で混合されてからフィルムに到達することはなく、下地のNiCr薄膜とCu薄膜は交じり合うことなくそれぞれの薄膜が形成され2層の薄膜となる。薄膜の厚みは、NiCr層が20nm、Cu層が200nmであった。
なお、スパッタ装置はロール・ツー・ロール方式の装置であり、巻き出し室、スパッタ室、予備室、巻き取り室へとロールからフィルムが移動されながら、順次、表面処理、NiCr層作成、Cu層作成が行われ、その後に、ロールに巻き取られる。各室の間は、スリットによって概略仕切られており、スパッタ室ではフィルムはチルロールに接しており、チルロールの温度(−5℃)によって冷やされながら、巻きだし側に近い、NiCrタ
ーゲット1ケ、1ケのターゲットを使わず、その後Cuターゲット2ケからの金属粒子によって薄膜が形成される。
次いで、ポリイミドフィルムのスパッタリングが施された面にさらにめっきを施した。すなわち、補強用裏打ちフィルムが貼り付けられたままの状態で、スパッタリングポリイミドフィルム面に、硫酸銅メッキ浴を用いて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、引き続き80℃で1分間乾燥し、目的とする金属薄膜層(機能性薄膜層)が積層されたポリイミドフィルムを得た。
次いで、ポリイミドフィルムの金属薄膜層面に、前記補強用裏打フィルムと同じ補強用フィルムをロールラミネーター機を用いて貼り付け、最初の補強用裏打ちフィルムを剥がし、本発明の機能性薄膜層の上面に補強用フィルムが積層されてなる積層ポリイミドフィルム得た。なお、機能性薄膜層は、スパッタリングによる下地層としてのNiCr薄膜20nm、その上の銅薄膜200nmと厚さ5μmの厚付け銅メッキ層からなる。
得られた各補強用フィルム、機能性薄膜層が積層されたポリイミドフィルムについて評価した。評価結果は表3に示す。
〔実施例4〕
めっき工程を通さないこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の金属化積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果は表3に示す。
〔実施例5〕
補強用裏打フィルムとして粘着層のついたポリエステルフィルムの剥離シート付きのもの市販品を使用した以外は実施例1と同様にして金属化積層ポリイミドフィルムが得られた
。評価結果は表4に示す。
〔実施例6、7〕
ポリイミドフィルムとして製造例2、3のポリイミドフィルムB、Cを使用した以外は実施例5と同様にして金属化積層ポリイミドフィルムが得られた。評価結果は表4に示す。〔実施例8〕
めっき工程を通さないこと以外は、実施例5と同様にして、実施例8の金属化積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果は表4に示す。
次に、基板加工例を示す。
〔基板加工例1〕
図3に示すように、ガラス繊維強化エポキシ樹脂製両面に銅箔のついたコア基板上に50μm厚のドライフィルムにてレジスト層を形成、パターンを露光して現像、塩化第二銅エッチングして、パターン(L/S=150/150)を作成、ドリルにより直径0.1mmの穴あけして、膨潤処理液に浸し、湯洗後、デスミア液に浸し、中和液に浸し、その後、水洗した。その後にクリーナーコンディショナー液につけ湯洗、アクチベーター、レデューサー、アクセレレーターに順次漬けた後、無電解めっき液(CuSO10g/l、13.7%HCHO4ml/l、EDTA,NaOH)に20分浸漬させることにより0.6μm相当の銅層を形成する。その後、引き続き電解めっき液(CuSO85g/l、HSO190g/l、光沢剤少量)に浸漬し、電気を流して、銅層とヴィアホール内の銅による充填を行った。(図3:2.コア基板のヴィアホール、パターン形成)
その後に、実施例1で作成した補強用フィルムを積層したCu膜付きポリイミドフィルムの補強用フィルムとは反対側に、接着フィルム(ソニーケミカル社製D3410)を100℃でロールラミネートした。この後に接着フィルムのセパレーターフィルムを剥がし、実施例1で作成した補強用フィルムを積層したCu膜付きポリイミドフィルムの補強用フィルム及び、機能性フィルムの付いていない側をガラスエポキシ基板上に置き、更に100℃でロールラミネートを行なった後に、補強用フィルムを剥離して、160℃1時間のプレスを行い、接着させた。(図3:3.ラミネート)
COレーザーによって貼り合わせたフィルムにヴィアの穴あけを行う。(図3:4.第2層ヴィア形成)
穴あけ後にヴィア内部のプラズマデスミア処理を行い、同時に銅の表面もクリーニングする。補強用穴あけによって現れたコア基板の銅パターンを酸によってフラッシュエッチングする。その後にビアフィルめっきを無電解銅めっきとその後の電解銅めっきによって行いヴィアを銅によって埋め、同時に最表面にも銅めっき層をさらに形成される。(図3:5.ヴィアフィルめっき)
フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cmのスプレー圧でエッチングし、最小配線ピッチが30μmのパターンを形成後、0.5μm厚に無電解スズめっきを行い、その後、125℃、1時間のアニール処理を行い、最表面の銅層にパターンを形成した。(図3:6.第2層パターン形成)
必要部分以外に絶縁レジストを塗布した。(図3:7.絶縁レジスト形成)
片面の銅パッド上に半田ボールをつけ、多層基板とした。(図3:8.半田ボール形成)基板加工中の剥がし状態の判定を行なった。評価結果を表3に示す。
〔基板加工例2〜8〕
使用する積層ポリイミドフィルムを実施例2〜8のものとした以外は基板加工例1と全く同じにして基板加工を行なった。基板加工中の剥がし状態の判定を行なった。評価結果を表3、4に示す。
[比較例1〜3]
比較例として、参考例のポリイミドフィルムA1〜Cを使用して、補強用裏打ちフィルムをつけて、ロール・ツー・ロールでのスパッタリング機に入れ、スパッタリングその後にめっきを実施した。ここでのスパッタリングその後のめっき条件は実施例1と同一である。その後、補強用裏打ちフィルムを剥離して、ガラス繊維強化エポキシ基板に貼り付けを実施したところ、フィルムの皺が残ったまま貼り付けられた部位が生じた。評価結果を表5に示す。
A4のフィルムを使用したものは軽小(軽薄)化への効果が大きいものとはいえないものであった。
別の比較例として、参考例のポリイミドフィルムA1〜Cを使用して、補強用裏打ちフィルムはつけずに、ロール・ツー・ロールでのスパッタリング機に入れ、スパッタリングを実施した。
スパッタリングにおいて、下地層としてNiCr薄膜を20nm、その上に銅薄膜200nmを形成させた。このとき、どのフィルムもフィルム走行がうまくいかず、フィルム送り時に皺が発生、皺部分でのフィルム膨れも発生した。また、途中でのフィルム走行の不安定も生じた。
本発明の補強用フィルム、機能性薄膜層、ポリイミドフィルム、さらに必要により接着又は粘着剤層がこの順に積層されてなる積層ポリイミドフィルムは、極薄のポリイミドフィルムであっても非常に取り扱い性に優れるため、多層配線板に極薄のポリイミド絶縁層を容易にかつ安定して形成することが可能であるため、軽小軽薄が要求される多層配線板の基板材料などに広く応用でき、工業的価値が大きいものである。
本発明で用いるポリイミドフィルム製造時に用いた、ピンテンター式フィルム処理機におけるフィルムと接するピンの幅方向外側に台を設けたピンシートの概略図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明で用いるポリイミドフィルム製造時に用いたピンテンター式フィルム処理機におけるフィルムのピン差し部の概略図である。 本発明での基板加工例を示す図である。 本発明での積層ポリイミドフィルムを例示する図である。
符号の説明
1:ブラシロール
2:ピン
3:ピン台座
4:台
5:支え治具
6:押さえロール
7:前駆体フィルム
11:補強用フィルム付き片面銅張りフィルム
11a:第2層導体
11b:第2層絶縁層
11c:第2層接着剤
12:両面銅張りフィルム
12a:コア基板絶縁層
12b:コア基板導体層
13:絶縁レジスト
14:半田ボール
21:補強用フィルム
22:機能性薄膜層
23:ポリイミドフィルム
24:接着層

Claims (5)

  1. 厚さ0.5〜10μmのポリイミドフィルムの片方の面に機能性薄膜層が形成され、かつ該機能性薄膜層の上面に補強用フィルムが積層されてなることを特徴とする積層ポリイミドフィルム。
  2. ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸無水物類とベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類との縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである請求項1記載の積層ポリイミドフィルム。
  3. 機能性薄膜層が、銅、ニッケル及びモリブデンのいずれかを主成分とし、厚さが100nm〜10μmである請求項1又は2記載の積層ポリイミドフィルム。
  4. ポリイミドフィルムの機能性薄膜層が形成された面とは反対側の面に接着層又は粘着層が積層されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリイミドフィルム
  5. ポリイミドフィルムの片面に粘着層を有する補強用裏打ちフィルムを積層し、次いでポリイミドフィルムの補強用裏打ちフィルム積層面の反対側の面に機能性薄膜層を形成させ、次いで該機能性薄膜層面に粘着層を有する補強用フィルムを積層し、次いで前記粘着層を有する補強用裏打ちフィルムを剥離させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層ポリイミドフィルムの製造方法。
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