JP2009155461A - 粉体塗料及び電子機器筐体 - Google Patents

粉体塗料及び電子機器筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌剤の添加量を少なくし、また、製造工数を多くすることなく、安定した塗装を実現できると共に抗菌性を発揮することができる粉体塗料及び電子機器筐体の提供。
【解決手段】第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする粉体塗料。前記第2の樹脂中に分散している前記第1の樹脂の平均粒径が、1μm〜10μmである態様等が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗料、及び該粉体塗料からなる塗膜が形成された電子機器筐体に関する。
近年、酸化チタンの光触媒機能(酸化分解機能)を利用して、酸化チタンを抗菌剤、殺菌剤、脱臭剤、環境浄化剤等として使用することが行われている。しかし、酸化チタンそのものは、有機物をその表面に吸着する能力を有していないため、得られる酸化分解機能には限界がある。
最近では、前記酸化チタン等の半導体物質とカルシウムハイドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム系化合物とを組み合わせて、両者の特性を効果的に引き出すことができる製品の研究及び開発が行われている(例えば、特許文献1及び2参照)。
さらに、前記アパタイト中のカルシウムイオンの一部をチタンイオンと交換することにより、光触媒機能を有するカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCaTi(PO(OH)も開発されている(例えば、特許文献3〜6参照)。これにより、酸化チタンと同等の光触媒機能を有し、さらにアパタイトが有する特異的吸着特性によって、その光触媒機能の効率を向上させることができる。
また、抗菌剤を混合可能な塗料には、大きく分けて、有機溶剤型塗料、水性エマルジョン型塗料、粉体塗料の3種類があり、現在、有機溶剤型塗料が作業性及び耐久性等の点で有利なため、最も普及しており、後述する理由により、最も環境への負荷が小さい塗料と考えられている粉体塗料の普及が進むものと考えられている。
有機溶剤型塗料及び水性エマルジョン型塗料は、VOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)を含有するが、粉体塗料においては溶剤を使用しないため、VOCレスとすることができる。
従来の抗菌剤含有粉体塗料は、抗菌剤、樹脂、着色剤、帯電制御剤等からなり、抗菌剤(抗菌性無機粒子)31が塗膜(樹脂)30中に分散している(図3)。従って、従来の粉体塗料を用いて塗装を行った場合、塗膜30中にほぼ均等に抗菌剤31が点在し、塗膜表面近傍に存在しない抗菌剤31は機能を発揮することができなかった。また、抗菌剤31は他の構成材料に比べて高価であるため、可能な限り添加量を低減したいという課題があった。
そこで、上記課題を解決するために、まず、抗菌剤を含有しない粉体塗料を用いて塗装を行い、塗膜を形成した後、抗菌剤を含有する粉体塗料を用いて塗装を行う2回塗装の手法により、塗膜表面近傍に抗菌剤を偏在させることが考えられる。しかし、この場合、塗装が2回となり、工数及びコストを低減することができないという問題が発生する。
そこで、上記問題を解決するため、抗菌剤を含有しない粉体塗料と抗菌剤を含有する粉体塗料とを混合し、樹脂の粘性の違いを利用して、1回の塗装により、抗菌剤を含有する樹脂からなる層を、抗菌剤を含有しない樹脂からなる層の上層に塗装できることが開示されているが(特許文献9における段落〔0030〕)、以下の問題が発生する。
2種類の異なった組成の粉体塗料においては、帯電性を同等に合わせることができないため、粉体の帯電性に基づく粉体塗料の塗装において、粉体塗料の塗装において、混合比に応じて2種類の粉体塗料が塗装されないという問題がある。例えば、混合比を50:50とした2種類の粉体塗料では、いずれか一方の粉体塗料の帯電性が高くなるため、帯電性の高い粉体塗料の方が多く塗装されてしまう。
また、帯電性は湿度の影響を受けやすく、また、湿度の影響の受け方も塗料の組成により変わるので、2種類の異なった組成の粉体塗料を混合した場合、湿度の変化により、2種類の粉体塗料の塗装割合が変動してしまう。
さらに、抗菌性を実現するためには以下の課題がある。
前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトは、光触媒を励起するのに必要な光エネルギーが3.2eVであり、光の波長に換算すると約380nmとなる。したがって、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを抗菌性塗料等に用いた場合は、紫外光の下では光触媒機能により抗菌性を発揮できるが、暗所や、紫外光がほとんど存在しない蛍光灯下の室内では抗菌性を発揮することができない。従って、室内での使用が主となる電子機器筐体等への抗菌性付与手段としてカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを用いた抗菌性塗料は使用されていない。
特開2003−80078号公報 特開2003−321313号公報 特開2000−327315号公報 特開2001−302220号公報 特開2003−175338号公報 特開2003−334883号公報 特開平8−165216号公報 特開平9−132502号公報 特開平10−324824号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、抗菌剤の添加量を少なくし、また、製造工数を多くすることなく、安定した塗装を実現できると共に抗菌性を発揮することができる粉体塗料及び電子機器筐体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に列挙した通りである。即ち、
本発明の粉体塗料は、第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする。
該粉体塗料においては、第1の樹脂(樹脂A10)は、抗菌剤が偏在し、第2の樹脂(樹脂B11)と非相溶であり、樹脂A10が粒子状で前記樹脂B11中に分散しているので、被塗装材上で粉体塗料が加熱溶融されることによって、溶融した樹脂A10が粒子状で溶融した樹脂B11中に分散した状態となった(図1A)後に、樹脂B11の硬化が開始されると、未硬化の樹脂A10が押し出され(図1B)、樹脂B11が硬化した後に樹脂A10の硬化が開始されて(図1C及びD)、樹脂B11からなる層の上に抗菌剤(抗菌性無機粒子)12が偏在する樹脂A10からなる層を形成する(図1E)。ここで、樹脂A10が押し出される方向は、樹脂A10及び樹脂B11の被塗装材(例えば、電子機器筐体)に対する親和性により決定され、例えば、樹脂B11の被塗装材に対する親和性が、樹脂Aの被塗装材に対する親和性よりも高い場合、樹脂A10を被塗装材から離れる方向(粉体塗料により形成される塗膜の表面方向乃至側面方向)に押し出すことができる。
本発明の電子機器筐体は、電子機器筐体本体と、前記電子機器筐体本体の外面に形成され、粉体塗料からなる塗膜とを有し、前記粉体塗料は、第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする。
該電子機器筐体においては、前記粉体塗料からなる塗膜が電子機器筐体本体の外面に形成されたので、抗菌剤の添加量を少なくし、また、製造工数を多くすることなく、安定した塗装を実現できると共に抗菌性を発揮することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、前記目的を達成することができる。
本発明によれば、同一組成の樹脂粒子からなる粉体塗料を用いて塗装を行うので、塗装時の湿度環境が変動した場合であっても安定した塗装(塗膜厚の安定性及び2層構造の各層の割合の安定性が高い塗装)を行うことができ、また、抗菌剤を塗装表面に偏在させることにより、抗菌剤の添加量を削減すると共に、抗菌性を発揮できる粉体塗料及び電子機器筐体を提供することができる。
(粉体塗料)
本発明の粉体塗料は、第1の樹脂(樹脂A)と、第2の樹脂(樹脂B)と、抗菌剤とを含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
また、前記粉体塗料の平均粒径が10〜100μmであり、平均粒径5μm以下の粉体が5質量%以下であることが好ましい。前記粉体塗料の平均粒径が10μm未満であると、前記粉体塗料は2種の樹脂(樹脂A及び樹脂B)の混合体であるので、各々粒子における樹脂A及び樹脂Bの混合割合が大きく異なり、粉体塗料の帯電分布が広くなり、塗装されない粉体塗料が多く発生してしまう。また、粉体塗料の平均粒径が100μmを超えると、噴霧による安定した塗装が困難になる。なお、粉体塗料の平均粒径はコールターマルチサイザー(日科機社製)を用いて測定した。
さらに、前記樹脂Aがアクリル系樹脂であり、かつ、前記樹脂Bがエポキシ系樹脂である場合、2層塗膜の形成が容易に実現できる。
<粉体塗料の製造方法>
本発明の粉体塗料を製造するには、例えば、樹脂Aと、樹脂Bと、抗菌剤とから構成される粉体塗料組成物を、ミキサーまたはブレンダー等を用いて乾式混合した後、ニーダーにより溶融混練して冷却する。次に、機械式または気流式の粉砕機を用いて粉砕した後、分級することにより粉体塗料の粒子を得ることができる。
<樹脂A>
前記樹脂Aとしては、抗菌剤が偏在し、樹脂Bと非相溶であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常の粉体塗料に使用される樹脂、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を用いることができる。前記樹脂Aの主成分が熱硬化性樹脂の場合には、熱硬化性樹脂が持つ官能基と架橋反応し得る官能基を持つ硬化剤を用いることが好ましい。このような硬化剤としては、例えば、アミン、アミド、ジシアンジアミド、カルボン酸、酸無水物、イソシアネート、ポリスルフィド、酸ジヒドラジド、イミダゾール等の粉体塗料に用いられている公知のものを、単独でまたは混合して用いることができる。
さらに、前記樹脂Aの平均粒径が1〜10μmであることが好ましい。前記樹脂Aの平均粒径が1μm未満であると、前記樹脂Bが硬化する際、前記樹脂Aを押し出すための抵抗が小さ過ぎて、前記樹脂B中において島状の状態で硬化する樹脂Aが多くなり、2層構造の塗膜形成が困難となる。また、前記樹脂Aの平均粒径が10μmを超えると、前記樹脂Bが硬化する際、前記樹脂Aを充分に押し出し切れずに、前記樹脂B中において島状の状態で硬化する樹脂Aが多くなり、2層構造の塗膜形成が困難となる。
さらに、前記樹脂Aの含有割合が粉体塗料の全質量に対して10質量%〜40質量%であることが好ましい。前記樹脂Aの含有割合が粉体塗料の全質量に対して10質量%未満であると、前記樹脂Bからなる層の上に前記樹脂Aからなる層の存在しない部位ができるため、2層塗膜形成が困難となる。また、前記樹脂Aの含有割合が粉体塗料の全質量に対して40質量%を超えると、前記樹脂B中において島状の状態で硬化する樹脂Aが多くなり、前記樹脂Bが硬化する際において前記樹脂Aと前記樹脂Bとの分離が困難になる。
さらに、前記樹脂Aの120℃における損失弾性率が、前記樹脂Bの120℃における損失弾性率に対して90%以下であることが好ましい。ここで、前記損失弾性率は動的粘性を示す指標であり、120℃は粉体塗料の硬化温度である。前記樹脂Aの120℃における損失弾性率が前記樹脂Bの120℃における損失弾性率の90%を超える場合、前記樹脂Bが硬化する際における前記樹脂Aの粘性が高く、前記樹脂Aが前記樹脂Bから押し出されにくくなり、2層構造の塗膜形成が困難になる。
なお、前記損失弾性率は下記装置、条件等で求めることができる。
装置:レオメトリックス社製レオメーターRDA−II型
測定治具:直径25mmのパラレルプレート
測定サンプル:樹脂を直径25mm、高さ3mmの円盤状に圧縮成型して使用
測定温度条件:80〜190℃まで毎分2℃で昇温し、120℃における損失弾性率の数値を読み取る。
測定周波数:6.28rad/sec
測定歪の設定:自動測定モード(初期値を0.1%に設定)
さらに、前記樹脂Aの硬化温度が、前記樹脂Bの硬化温度よりも5℃以上高いことが好ましい。前記樹脂Aの硬化温度が、前記樹脂Bの硬化温度よりも5℃以上高くない場合は、前記樹脂Aと前記樹脂Bの硬化がほぼ同時に進行するため、前記樹脂Aが前記樹脂Bから押し出されにくくなり、2層構造の塗膜形成が困難になる。なお、前記硬化温度の測定方法は、示差熱走査熱量計(セイコー電子社製、SSC/5520)を用いて、5℃/分の昇温速度で、発熱ピークの温度を硬化温度とした。
さらに、前記樹脂Aがアクリル系樹脂であることが好ましい。前記アクリル樹脂は硬度が高いという利点がある。
<樹脂B>
前記樹脂Bとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常の粉体塗料に使用される樹脂、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を用いることができる。前記樹脂Bの主成分が熱硬化性樹脂の場合には、熱硬化性樹脂が持つ官能基と架橋反応し得る官能基を持つ硬化剤を用いることが好ましい。このような硬化剤としては、例えば、アミン、アミド、ジシアンジアミド、カルボン酸、酸無水物、イソシアネート、ポリスルフィド、酸ジヒドラジド、イミダゾール等の粉体塗料に用いられている公知のものを、単独でまたは混合して用いることができる。
さらに、前記樹脂Bがエポキシ系樹脂であることが好ましい。前記エポキシ樹脂は被塗装材との密着性に優れるという利点がある。
<抗菌剤>
前記抗菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光触媒機能を有する金属原子を含む第1のアパタイト(アパタイトA)と、抗菌機能を有する金属原子を含む第2のアパタイト(アパタイトB)を含むことが好ましい。前記抗菌剤が、光触媒機能を有する金属原子を含むアパタイトAを含むと、昼間や屋外等の紫外線照射下において、その光触媒機能により強い抗菌性を発揮し、さらに付着した細菌の死骸等の異物を水と二酸化炭素に分解することができるので、長期にわたって抗菌性の維持が可能となる。また、前記抗菌剤が、抗菌機能を有する金属原子を含むアパタイトBを含むと、紫外線照射量が少ない暗所及び室内においても抗菌性を発揮できる。
さらに、前記アパタイトAと前記アパタイトBとは、前記樹脂Aの中に粉末状で分散していることが好ましい。これにより、塗料全体、特に塗膜表面に満遍なく抗菌性を付与できる。
さらに、前記アパタイトAと前記アパタイトBとの合計含有量が、前記粉体塗料の全質量に対して0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。アパタイトAとアパタイトBの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、両者の合計含有量が5.0質量%を超えると、塗料本来の外観性の維持が困難となり、また、0.5質量%未満では抗菌性の発揮が困難となるからである。
<<アパタイトA>>
前記アパタイトAとしては、光触媒機能を有する金属原子を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、燐酸三カルシウム、燐酸水素カルシウム等に含まれる金属原子を、光触媒機能を有する金属原子で置換したアパタイトが好ましく、前記光触媒機能を有する金属原子が、Ti、Zr及びWの中から選択される少なくとも1種の金属原子、特に、光触媒機能が大きいTiを含むアパタイトがより好ましく、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部がTiで置換されているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(例えば、CaTi(PO(OH))が特に好ましい。CaTi(PO(OH)は、光触媒機能が大きいからである。
また、前記アパタイトAの含有量は、前記粉体塗料の全質量に対して0.25質量%以上4.75質量%以下であることが好ましい。アパタイトAの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、4.75質量%を超えると、塗料本来の外観性の維持が困難となり、また、0.25質量%未満では抗菌性の発揮が困難となるからである。
<<アパタイトB>>
前記アパタイトBとしては、抗菌機能を有する金属原子を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抗菌機能を有する金属原子として、Ag、Cu及びZnの中から選択される少なくとも1種の金属原子、特に、抗菌機能が大きいAgを含むアパタイトが好ましく、カルシウムハイドロキシアパタイトのCaの一部にAgが付加されているカルシウム・銀ハイドロキシアパタイト(例えば、抗菌機能が大きいCa10XAg(PO(OH))であることがより好ましい。なお、Ca10XAg(PO(OH)におけるXは、任意の金属原子であり、例えば、Fe、Cr、Mn、Ni、Co等が該当する。
また、前記アパタイトBの含有量は、前記粉体塗料の全質量に対して0.25質量%以上4.75質量%以下であることが好ましい。前記アパタイトBとの含有量が多ければ抗菌性は向上するが、4.75質量%を超えると塗料本来の外観性の維持が困難となり、また、0.25質量%未満では抗菌性の発揮が困難となるからである。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(電子機器筐体)
本発明の電子機器筐体は、電子機器筐体本体と、該電子機器筐体本体の外面に形成され、前記粉体塗料からなる塗膜と、その他の部材とを有する。
図2は、本発明の電子機器筐体の一例を示すノートパソコン用筐体の正面図である。
図2において、電子機器筐体筐体の表面には、本発明の粉体塗料が塗装されている。これにより、抗菌剤の添加量を少なくし、また、製造工数を多くすることなく、安定した塗装を実現できると共に抗菌性を発揮することができる。また、電子機器筐体筐体の表面に塗装された粉体塗料がアパタイトA及びアパタイトBを含む場合は、昼間や屋外等の紫外線照射下、並びに、紫外線照射量が少ない暗所及び室内のいずれにおいても抗菌性を発揮できる。
<電子機器筐体本体>
前記電子機器筐体本体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノートパソコン、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)、携帯電話、カーナビゲーションシステム等の電子機器筐体本体が含まれる。
<塗膜>
前記塗膜としては、前記電子機器筐体本体の外面に形成され、前記粉体塗料からなるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上50μm以下の厚みを有することが好ましい。前記塗膜の厚さが10μm未満であると、抗菌性の発揮が不十分であり、前記塗膜の厚さが50μmを超えても、抗菌性は向上するものではなく、ほぼ一定で推移するからである。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
ここでは、先ず、海島状に分散している樹脂の平均粒径の求め方について説明する。
粉体塗料をエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトーム(LEICA社製 ULTRACUT UCT)にて粉体塗料を約100nmに超薄切片化した測定サンプルを用意した。
これを電子顕微鏡(日立製作所社製 H−7650)を用いて加速電圧100kVにしてTEM写真を1,000倍にて複数個撮影し、その画像情報を画像処理解析装置(王子製紙社製、ドットアナライザーDA−5000S)にて画像データに変換した。対象アパタイト粒子については、粒径にして0.1μm以上の粒径を有する粒子を無作為にサンプリングし、300回を超えるまで測定を繰り返し、体積平均粒径の分布を求めた。
個々の粒子の粒径については、粒子投影画像について、8箇所の角度(0度、22.5度、45度、67.5度、90度、−22.5度、−45度、−67.5度)の寸法を測定し、それらの寸法の平均をその粒子の粒径とする。
(実施例1)
<抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製>
下記4種類材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2,000rpmで1分間混合した。
(1)樹脂A:アクリル樹脂(数平均分子量(Mn):8,000、重量平均分子量(Mw):40,000、Tg:70℃):75質量部
(2)硬化剤:ドデカン二酸:15質量部
(3)抗菌剤:アパタイトA:太平化学工業製のカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト〔CaTi(PO(OH)〕“TiHAP0201”:5質量部
(4)抗菌剤:アパタイトB:太平化学工業製のアパタイト銀“シルバーエースB−100”:5質量部
その後、100℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所製)を用い、30分間溶融混練した予備混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕後、気流式の粉砕器により、粉砕分級を行い、体積平均粒径で2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を得た。また、この抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末の硬化温度は140℃であった。
<着色剤含有の樹脂B粉末の調製>
次に、下記3種類材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2,000rpmで1分間混合した。
(1)樹脂B:エポキシ樹脂(数平均分子量(Mn):4,000、重量平均分子量(Mw):15,000、Tg:60℃):92質量部
(2)硬化剤:ジシアンジアミド:3質量部
(3)着色剤:白色顔料:ルチル型酸化チタン(R−960,デュポン社製):5質量部
その後、100℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所製)を用い、30分間溶融混練した予備混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕後、気流式の粉砕器により、粉砕分級を行い、体積平均粒径で20μmの着色剤含有のエポキシ樹脂粉末を得た。また、この着色剤含有のエポキシ樹脂粉末の硬化温度は130℃であった。
また、前記試作した抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末の120℃における損失弾性率と、前記試作した着色剤含有のエポキシ樹脂粉末の120℃における損失弾性率とを比較すると、前記アクリル樹脂粉末の120℃における損失弾性率は、前記エポキシ樹脂粉末の120℃における損失弾性率に対して10%であった。
<粉体塗料の調製>
前記調製された抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記調製された着色剤含有のエポキシ樹脂粒子80質量部とをヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2,000rpmで1分間混合した。
その後、100℃に加熱したニーダ(KH−3−S、井上製作所製)を用い、30分間溶融混練した混練物を冷却した後、ハンマーミルで粉砕後、気流式の粉砕器により、粉砕分級を行い、体積平均粒径が20μmであり、5μm以下の粉体が2質量%であり、抗菌剤含有のアクリル樹脂が粒子状で着色剤含有のエポキシ樹脂中に分散した粉体塗料を得た。
また、前記粉体塗料において、エポキシ樹脂中に分散するアクリル樹脂の平均粒径は2μmであった。
<試験片の作製>
得られた粉体塗料を市販のコロナ帯電方式のスプレーガンを用いて、マグネシウム合金の試験片(50×50×2mm)上に粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装した。負荷された電圧は60kVで粒子は負に荷電された。次に、180℃で30分間焼き付けて試験片とした。なお、乾燥後の塗膜の膜厚は20μmであった。
<抗菌性の評価>
前記試験片と大腸菌とを用いて、JIS Z 2801で規定するフィルム密着法により、紫外線照射時と暗所時における各試験片の抗菌性を評価した。評価結果を表1に示す。なお、紫外線の照射には、ブラックライト(1mW/cm)を用いた。評価基準は以下の通りである。
<<評価基準>>
(1)紫外線照射
○:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、10時間紫外線照射した後、大腸菌の数が100個以下となった試験片
△:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、10時間紫外線照射した後、大腸菌の数が100個より多く1.0×10個以下となった試験片
×:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、10時間紫外線照射した後、大腸菌の数が1.0×10個より多く1.0×10個以下となった試験片
(2)暗所保存
○:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、24時間暗所保存した後、大腸菌の数が100個以下となった試験片
△:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、24時間暗所保存した後、大腸菌の数が100個より多く1.0×10個以下となった試験片
×:大腸菌の初期数が1.0×10個〜1.0×10個であった試験片について、24時間暗所保存した後、大腸菌の数が1.0×10個より多く1.0×10個以下となった試験片
(比較例1)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いたエポキシ樹脂を、スチレンアクリル樹脂(数平均分子量(Mn):3000、重量平均分子量(Mw):18,000、Tg:60℃)に変更した以外は、実施例1と同様に、粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例2−1)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で得られた体積平均粒径2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を、体積平均粒径1μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径1μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られた。
(実施例2−2)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で得られた体積平均粒径2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を、体積平均粒径10μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径10μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られた。
(実施例2−3)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で得られた体積平均粒径2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を、体積平均粒径0.5μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径0.5μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られた。
(実施例2−4)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で得られた体積平均粒径2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を、体積平均粒径15μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径15μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られた。
(実施例3−1)
実施例1の「粉体塗料の調製」において、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子80質量部とを混合する代わりに、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末10質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子90質量部とを混合したこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例3−2)
実施例1の「粉体塗料の調製」において、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子80質量部とを混合する代わりに、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末40質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子60質量部とを混合したこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例3−3)
実施例1の「粉体塗料の調製」において、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子80質量部とを混合する代わりに、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末5質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子95質量部とを混合したこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例3−4)
実施例1の「粉体塗料の調製」において、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子80質量部とを混合する代わりに、前記抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末50質量部と、前記着色剤含有のエポキシ樹脂粒子50質量部とを混合したこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例4−1)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いたエポキシ樹脂を高分子量のエポキシ樹脂(数平均分子量(Mn):4,000、重量平均分子量(Mw):25,000、Tg:65℃)に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。実施例4−1において、抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末の120℃における損失弾性率は、着色剤含有の高分子量エポキシ樹脂粉末の120℃における損失弾性率に対して90%であった。
(実施例4−2)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いたエポキシ樹脂を、高分子量のエポキシ樹脂(数平均分子量(Mn):4,500、重量平均分子量(Mw):30,000、Tg:65℃)に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。実施例4−2において、抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末の120℃における損失弾性率は、着色剤含有の高分子量エポキシ樹脂粉末の120℃における損失弾性率に対して同等であった。
(実施例5−1)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いたエポキシ樹脂を、高分子量のエポキシ樹脂(数平均分子量(Mn):4,100、重量平均分子量(Mw):24,000、Tg:65℃)に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。実施例5−1において、着色剤含有のエポキシ樹脂粉末の硬化温度は135℃となり、抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末との硬化温度の差は5℃であった。
(実施例5−2)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いたエポキシ樹脂を、高分子量のエポキシ樹脂(数平均分子量(Mn):4,500、重量平均分子量(Mw):31,000、Tg:67℃)に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。実施例5−2において、着色剤含有のエポキシ樹脂粉末の硬化温度は139℃となり、抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末との硬化温度の差は1℃であった。
(実施例6−1)
実施例1の「粉体塗料の調製」で得られた体積平均粒径が20μmの粉体塗料を、体積平均粒径が10μmの粉体塗料に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径が10μmの粉体塗料は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られる。
(実施例6−2)
実施例1の「粉体塗料の調製」で得られた体積平均粒径が20μmの粉体塗料を、体積平均粒径が100μmの粉体塗料に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径が100μmの粉体塗料は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られる。
(実施例6−3)
実施例1の「粉体塗料の調製」で得られた体積平均粒径が20μmの粉体塗料を、体積平均粒径が5μmの粉体塗料に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径が5μmの粉体塗料は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られる。
(実施例6−4)
実施例1の「粉体塗料の調製」で得られた体積平均粒径が20μmの粉体塗料を、体積平均粒径が150μmの粉体塗料に変更した以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、体積平均粒径が150μmの粉体塗料は、実施例1における分級の条件を変更することによって得られる。
(実施例7−1)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「10質量部のアパタイトA」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例7−2)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「10質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例8−1)(抗菌剤:0.5wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「1.25質量部のアパタイトA及び1.25質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例8−2)(抗菌剤:5.0wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「12.5質量部のアパタイトA及び12.5質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例8−3)(抗菌剤:0.2wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「0.5質量部のアパタイトA及び0.5質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例8−4)(抗菌剤:8.0wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA及び5質量部のアパタイトB」を「20質量部のアパタイトA及び20質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例9−1)(アパタイトA:0.25wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA」を「1.25質量部のアパタイトA」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例9−2)(アパタイトA:4.75wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA」を「23.75質量部のアパタイトA」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例9−3)(アパタイトA:0.1wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA」を「0.5質量部のアパタイトA」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例9−4)(アパタイトA:8.0wt%)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトA」を「40質量部のアパタイトA」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例10−1)(アパタイトB:0.25wt%)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトB」を「1.25質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例10−2)(アパタイトB:4.75wt%)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトB」を「23.75質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例10−3)(アパタイトB:0.1wt%)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトB」を「0.5質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例10−4)(アパタイトB:8.0wt%)
実施例1の「着色剤含有の樹脂B粉末の調製」で用いた「5質量部のアパタイトB」を「40質量部のアパタイトB」にしたこと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。
(実施例11−1)
実施例1の「試験片の作製」において、「粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装する」代わりに、「粉体塗料を焼付膜厚が10μmになるように静電塗装した」こと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、乾燥後の塗膜の膜厚は10μmであった。
(実施例11−2)
実施例1の「試験片の作製」において、「粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装する」代わりに、「粉体塗料を焼付膜厚が50μmになるように静電塗装した」こと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、乾燥後の塗膜の膜厚は50μmであった。
(実施例11−3)
実施例1の「試験片の作製」において、「粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装する」代わりに、「粉体塗料を焼付膜厚が5μmになるように静電塗装した」こと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、乾燥後の塗膜の膜厚は5μmであった。
(実施例11−4)
実施例1の「試験片の作製」において、「粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装する」代わりに、「粉体塗料を焼付膜厚が60μmになるように静電塗装した」こと以外は、実施例1と同様に粉体塗料を調製し、試験片を作製した。なお、乾燥後の塗膜の膜厚は60μmであった。
なお、表1の問題点における「完全には2層にならない」、「上層部膜厚薄」、「抗菌剤が表面近傍に少ない」、「塗膜の平坦化困難」、及び「塗膜の強度低」は、実用上問題とならないレベルである。
(実施例12)
実施例1の「試験片の作製」において、「マグネシウム合金の試験片」の代わりに、「アルミニウムの試験片」を用いた以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
その結果、実施例1でマグネシウム合金の試験片に塗装されたものと同等の結果が得られた。
(比較例2)
実施例1の「抗菌剤含有の樹脂A粉末の調製」と同様に、体積平均粒径が2μmの抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末を調製し、実施例1の「抗着色剤含有の樹脂B粉末の調製」と同様に、体積平均粒径が20μmの白色顔料含有のエポキシ樹脂粉末を調製した。前記調製された抗菌剤含有のアクリル樹脂粉末20質量部と、前記調製された白色顔料含有のエポキシ樹脂粉末80質量部とをヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)に投入し、2,000rpmで1分間混合し、粉体塗料を得た。前記得られた粉体塗料は、2種類の樹脂粉末が混合された状態になっている。
次に、実施例1と同様に、前記得られた粉体塗料を市販のコロナ帯電方式のスプレーガンを用いて、マグネシウム合金の試験片(50×50×2mm)上に粉体塗料を焼付膜厚が30μmになるように静電塗装した。負荷された電圧は60kVで粒子は負に荷電された。次に、180℃で30分間焼き付けて、試験片とした。
塗装前の粉体塗料ではアクリル樹脂粉末とエポキシ樹脂粉末は2:8の割合で混合されていたが、アクリル樹脂粉末の方が粒径が小さいため、帯電性が高くなっており、塗装面での粉体の割合は2:8ではなく、アクリル樹脂粉末が塗装前の混合割合よりも多く塗装されており、2種類の樹脂粉末を塗装前の混合割合で塗装できないため、所望の塗装色が実現できないという問題が発生した。また、塗装に寄与せず、廃棄されるアクリル樹脂粉末が多く発生した。
以上のように、本発明の粉体塗料を用いて家電・電子機器筐体を塗装することにより、各種細菌類の汚れに対し、少ない工程及び低コストにて、優れた抗菌防汚性を長期にわたり付与することができる。
また、アパタイトA及びBを含む粉体塗料を用いることにより、人間の手等を通して付着した細菌類は、紫外線照射のない暗所に置いても、例えばアパタイト銀により殺菌される。また、紫外線照射時には、さらに強力な抗菌性を発揮し、付着した細菌の死骸等の異物を分解するため、表面の抗菌物質は常に表面に露出する。これにより長期にわたり抗菌性を有した塗膜の形成が可能となる。
ここで、本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする粉体塗料。
(付記2) 前記第2の樹脂中に分散している前記第1の樹脂の平均粒径が、1〜10μmである付記1に記載の粉体塗料。
(付記3) 前記第1の樹脂の含有割合が、粉体塗料の全質量に対して10質量%〜40質量%である付記1または2に記載の粉体塗料。
(付記4) 前記第1の樹脂の120℃における損失弾性率が、前記第2の樹脂の120℃における損失弾性率に対して90%以下である付記1乃至3のいずれかに記載の粉体塗料。
(付記5) 前記第1の樹脂の硬化温度が、前記第2の樹脂の硬化温度よりも5℃以上高い付記1乃至4のいずれかに記載の粉体塗料。
(付記6) 前記抗菌剤が、光触媒機能を有する金属原子を含む第1のアパタイトと、抗菌機能を有する金属原子を含む第2のアパタイトとを含む付記1乃至5のいずれかに記載の粉体塗料。
(付記7) 電子機器筐体本体と、前記電子機器筐体本体の外面に形成され、粉体塗料からなる塗膜とを有し、前記粉体塗料は、第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする電子機器筐体。
(付記8) 前記第2の樹脂が前記第1の樹脂よりも前記電子機器筐体本体近傍に偏在し、前記抗菌剤が前記塗膜の表面近傍に偏在する付記7に記載の電子機器筐体。
図1Aは、本発明の粉体塗料からなる塗膜の製造工程を示す図である(その1)。 図1Bは、本発明の粉体塗料からなる塗膜の製造工程を示す図である(その2)。 図1Cは、本発明の粉体塗料からなる塗膜の製造工程を示す図である(その3)。 図1Dは、本発明の粉体塗料からなる塗膜の製造工程を示す図である(その4)。 図1Eは、本発明の粉体塗料からなる塗膜の製造工程を示す図である(その5)。 図2は、本発明の電子機器筐体の一例を示すノートパソコン用筐体の正面図である。 図3は、従来の粉体塗料からなる塗膜を説明する図である。
符号の説明
10 樹脂A
11 樹脂B
12 抗菌剤(抗菌性無機粒子)
30 塗膜(樹脂)
31 抗菌剤(抗菌性無機粒子)

Claims (5)

  1. 第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする粉体塗料。
  2. 前記第2の樹脂中に分散している前記第1の樹脂の平均粒径が、1μm〜10μmである請求項1に記載の粉体塗料。
  3. 前記第1の樹脂の含有割合が、粉体塗料の全質量に対して10質量%〜40質量%である請求項1または2に記載の粉体塗料。
  4. 前記第1の樹脂の120℃における損失弾性率が、前記第2の樹脂の120℃における損失弾性率に対して90%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉体塗料。
  5. 電子機器筐体本体と、前記電子機器筐体本体の外面に形成され、粉体塗料からなる塗膜とを有し、前記粉体塗料は、第1の樹脂と、第2の樹脂と、抗菌剤とを含み、前記抗菌剤は前記第1の樹脂に偏在し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが非相溶であり、前記第1の樹脂が粒子状で前記第2の樹脂中に分散していることを特徴とする電子機器筐体。
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