JP2009173577A - 農薬の散布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温室等の施設内において、大掛かりな装置や設備を必要とせず、適宜必要な量の農薬を極めて効率よく安全に散布することのできる農薬の散布方法を提供する。
【解決手段】農薬散布機の内部に収容した粉状又は顆粒状の農薬を、農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面へと農薬散布機で発生させた空気流に乗せて飛散させ、飛散させた農薬を、送風機の送風口から送出される空気流に乗せて作物を栽培又は貯蔵する施設内に拡散させて散布する農薬の散布方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、農業分野において有用な、作物を栽培等する施設内に効率的に微生物製剤等の農薬を散布する方法に関する。
農作物の栽培過程における植物病害虫防除の分野においては、植物の病害虫を防除すべく、市販の農薬や有用微生物(以下、単に「農薬等」ともいう)を散布する手段が頻繁に採用されている。従来、農薬等の散布方法のなかでも、水等に農薬等を分散させて調製した薬液を、専用の散布器を用いて目的とする個々の作物に対して直接散布する方法が一般的に行われている。
薬液を調製するためには大量の水が必要である。従って、ハウス等の施設内で薬液を散布すると施設内の湿度が上昇してしまうために、病原菌が繁殖して病害発生が促進してしまう場合があり、特に雨天時の散布には制約がある。更に、薬液の調製から散布までの工程が煩雑であるとともに、すべての作業を完了させるのに多大な時間を要する。また、散布するに際しては、数キログラム、場合によっては数十キログラムの専用の散布器が必要であり、この散布器を持ち歩くかなくてはならない。このため、農作業の省力化を妨げる大きな要因となっている。
一方、薬液を調製することなく、手動粉剤散布機を用いて粉状又は顆粒状の農薬をそのまま散布する方法が知られている。しかしながら、この方法であっても、目的とする個々の作物に直接散布する必要があるために、工程の煩雑化を回避するのは困難である。また、高濃度の農薬の粉末等が作業者の顔面付近に飛散し続けることになるため、農薬への暴露や吸引に対する高度な配慮が必要である。
従前の問題を解消すべく、粉状の化学農薬をそのまま動力噴霧器を用いてハウス等の施設内に散布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1で提案された方法であっても、作業者は散布器ノズルから化学農薬が放出し終わるのを待つ必要があるため、必ずしも作業時間の短縮にはつながらない。更には、施設内の空気中に化学農薬を高濃度で飛散させるため、作業者に対する安全性にはやはり問題が残る。
また、微生物製剤を、施設内に設置した送風装置の送風口付近に設置される収容部に収容し、送風される空気とともに徐々に放出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2で提案された方法では、送風ダクト等を備えた暖房設備をはじめとする大掛かりな設備や装置が、ハウス等の施設に予め設置されていることが前提条件となる。このため、薬剤防除が必要なすべての施設で即座に実施することは困難である。また、暖房が不要な季節に特許文献2で提案された方法によって施設内に微生物製剤を散布するには、暖房設備等の大掛かりな設備や装置を撤去せず、これらの設備等を散布時に運転する必要がある。このため、暖房設備等の設備のメンテナンスが煩雑になるといった問題もある。
特公平7−39323号公報 特許第3986726号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、温室等の施設内において、大掛かりな装置や設備を必要とせず、適宜必要な量の農薬を極めて効率よく安全に散布することのできる農薬の散布方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面に農薬を飛散させ、送風機の送風口から送出される空気流に乗せて施設内に散布することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す農薬の散布方法が提供される。
[1]農薬散布機の内部に収容した粉状又は顆粒状の農薬を、前記農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面へと前記農薬散布機で発生させた空気流に乗せて飛散させ、飛散させた前記農薬を、前記送風機の前記送風口から送出される空気流に乗せて作物を栽培又は貯蔵する施設内に拡散させて散布する農薬の散布方法。
[2]前記農薬散布機が、手持ち式又は背負い式の手動粉剤散布機である前記[1]に記載の農薬の散布方法。
[3]前記送風機が、換気扇、扇風機、又は循環扇である前記[1]又は[2]に記載の農薬の散布方法。
[4]前記農薬が、微生物を有効成分とする微生物製剤である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の農薬の散布方法。
[5]前記微生物製剤が、細菌、糸状菌、放線菌、酵母、酵母、線虫、又はウイルスを含む前記[4]に記載の農薬の散布方法。
[6]前記細菌が、バチルス属(Bacillus)細菌である前記[5]に記載の農薬の散布方法。
[7]前記バチルス属(Bacillus)細菌が、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)、又はバチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)である前記[6]に記載の農薬の散布方法。
[8]収穫後又は出荷後の作物に対する病害虫の発生を防除するために、作物の収穫前に前記農薬を散布する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の農薬の散布方法。
本発明の農薬の散布方法によれば、温室等の施設内において、大掛かりな装置や設備を必要とせず、適宜必要な量の農薬を極めて効率よく安全に散布することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の農薬の散布方法では、農薬散布機の内部に農薬を収容し、農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面へと、農薬散布機で発生させた空気流に乗せて飛散させる。農薬の施用量は、施用形態、作物の種類、施設の広さ等に応じて適宜設定されるが、一例を挙げると10〜1000g/10a程度である。
送風機の送風口の前面に飛散した農薬は、送風口から送出される空気流に乗って施設内に拡散され、散布される。農薬を散布する施設としては、例えば農業の分野において一般的に採用されている温室(ハウス)、貯蔵庫、トンネル、網室等を挙げることができる。また、施設内で栽培又は貯蔵される作物の種類は特に限定されないが、具体的には、キュウリ、トマト、メロン、イチゴ、スイカ等を挙げることができる。
農薬散布機の散布口から飛散した農薬は、送風機の送風口から送出される空気流に乗るため、農薬散布機の付近にいる作業者から急速に遠ざかることになる。このため、作業者が農薬に暴露される可能性が極端に軽減される。また、作業者は、防除対象となる多数の作物に対して個別に散布する必要がないため、作業労力の軽減を図ることができる。
本発明の農薬散布方法においては、循環扇等の送風機から送出される風力を利用して温室等の施設内の隅々に農薬を散布する。このため、畝間に配設される送風ダクト等を備えた暖房設備をはじめとする大掛かりな装置や設備等を、予め施設内に設置しておく必要がない。即ち、一般的な施設に通常設置されている簡易な設備を利用して農薬の散布を行う方法であるため、極めて汎用性が高く、設備メンテナンスの手間も掛からない。また、適宜必要な量の農薬を、その都度極めて効率よく、安全に散布することができる方法である。
本発明の農薬散布方法においては、粉状又は顆粒状の農薬を、水に分散又は溶解等させることなく、粉状又は顆粒状のまま散布する。即ち、水を用いることなく農薬を散布可能であるために、湿度上昇に起因する病害の発生を助長せず、散布した農薬が極めて効率的に作用することが期待される。なお、収穫直前の作物に対して農薬を散布した場合には、収穫後又は出荷後の作物(収穫物)を病害虫から一定期間保護することができる。また、本発明の農薬散布方法は、収穫後の作物が貯蔵された貯蔵庫についても適用可能である。
本発明の農薬の散布方法の一実施形態は、農薬散布機の内部に収容した粉状又は顆粒状の農薬を、農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面へと農薬散布機で発生させた空気流に乗せて飛散させ、飛散させた農薬を、送風機の送風口から送出される空気流に乗せて作物を栽培又は貯蔵する施設内に拡散させて散布する方法である。以下、その詳細につて説明する。
農薬散布機は、所望量の粉状又は顆粒状の農薬を、任意の時間、自ら発生させた空気流に乗せて散布口から空気中へと放出及び飛散可能なものであればよい。また、農薬散布機の種類としては、電動で散布可能な電動粉剤散布機や、手動で散布可能な手動粉剤散布機を挙げることができ、いずれであっても使用することができる。なお、作業者の労力軽減、及び簡易に作業を開始可能である等の観点から、手持ち式又は背負い式の手動粉剤散布機を用いることが好ましい。
手動粉剤散布機は、いわゆる「ダスター」と同義であり、粉状又は顆粒状の農薬を、対象とする作物に対して直接的に散布するための小型装置(農業用薬剤処理装置)として従来使用されている。このような手動粉剤散布機は、一般的なホームセンター等で入手することができる。なお、市販されている手動粉剤散布機の具体例としては、商品名「ミゼットダスター『MISE』」、商品名「手動粉剤散布機『D−9』」(いずれも、販売元:(株)共立)、「散粉機『ベビーダスター』」(発売元:農林機材(株))等を挙げることができる。
送風機は、施設内の施設内の空気循環を促す装置であり、通常、施設内の滞留空気を拡散させることで、施設内の温度・湿度の偏り(ムラ)を改善する装置である。より具体的には、冬季は暖気効率向上等のために使用され、夏季は局所高温化防止等のために使用される。なお、送風機の具体例としては、換気扇、扇風機、循環扇等を挙げることができる。これらのうち、循環効率等の観点からは循環扇が好ましい。
循環扇(サーキュレーター)は、ハウス等の施設に設置して用いられる送風機であり、一般の農業資材店等で簡単に購入することができる。また、送風ダクトを備えた暖房設備等の大型の設備に比して設置が簡単であるとともに、設置後のメンテナンスも全シーズンを通じて極めて容易である。なお、市販されている循環扇の具体例としては、商品名「ボルナドファン」(販売元:(株)山本産業)、商品名「エアービーム」(販売元:フルタ電気(株))、商品名「ハウス用循環ファン」(販売元:(株)スイデン)等を挙げることができる。
農薬としては、化学農薬の他、微生物を有効成分とする微生物製剤(微生物農薬)等を好適に用いることができる。なかでも、微生物製剤は、化学農薬に比して人体に対する影響が極めて小さいため、作業者の安全性をより確実に担保することができるために好ましい。また、微生物製剤は、通常の環境中に生存及び増殖可能な微生物を用いたものであることから、病原菌や害虫から施設内の作物を長期間保護することが期待できる。
微生物製剤としては、細菌、糸状菌、放線菌、酵母、線虫、又はウイルスを含むものを好適例として挙げることができる。なお、これらの微生物のうちの複数が、微生物製剤に含まれていてもよい。これらの微生物を有効成分とする微生物製剤の種類としては、一般的には水和剤、顆粒水和剤等がある。いずれの製剤であっても粉状又は顆粒状である。なお、散布する農薬(製剤)は、実質的に水分を含有しないものであることが、散布後における施設内の湿度上昇を回避可能であることから好ましい。
また、微生物製剤中の微生物の有効濃度は、微生物の種類によっても異なるが、通常、1×10〜1×1017有効微生物/g、好ましくは1×10〜1×1016有効微生物/g、更に好ましくは1×10〜1×1015有効微生物/gである。
なお、微生物の農薬としての効果を高めるべく、増量剤、微生物の栄養源、植物に対する付着性向上剤等の添加剤を微生物製剤に添加してもよい。増量剤及び微生物の栄養源の具体例としては、カオリンクレー、パイロフェライトクレー、ベントナイト、モンモリトナイト、珪藻土、合成含水酸化ケイ素、酸性白土、タルク類、粘土、セラミック、石英、セリサイト、バーミキュライト、パーライト、大谷石、アンスラ石、石灰岩、石炭灰、ゼオライト等の鉱物質微粉末;籾殻、フスマ、カニ殻、エビ殻、オキアミ微粉末、米糠、小麦粉、トウモロコシ穂軸、落花生殻、骨粉、魚粉、粕粉、鋸屑、木粉、炭、くん炭、バーク炭、籾殻くん炭、草木灰、ピートモス、アタパルジャイト、草炭、乾燥畜糞、活性炭、油粕、脱脂大豆粉等の有機物微粉末;等を挙げることができる。また、植物に対する付着性向上剤の具体例としては、農薬用各種界面活性剤、でんぷん、アラビアゴム、デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等のセルロース誘導体等を挙げることができる。
細菌としては、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、アゾトバクター属(Azotobacter)、バチルス属(Bacillus)、エルヴィニア属(Erwinia)、バークホルデリア属(Burkholderia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、セラチア属(Serratia)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、クロストリディウム属(Clostridium)、マイクロコッカス属(Microchoccus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ザントモナス属(Xanthomonas)、リゾビウム属(Rhizobium)、パエニバチルス属(Paenibacillus)、チオバチルス属(Thiobacillus)等に属する細菌を具体例として挙げることができる。なかでも、入手の容易性や効果の面から、バチルス属(Bacillus)の細菌が好ましい。
より具体的な細菌の例としては、アルカリゲネス オドランス(Alcaligenes odorans)、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス ポリミキサ(Bacillus polymyxa)、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス コーギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス ラルバー(Bacillus larvae)、バチルス レンタス(Bacillus lemtus)、バチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス プミルス(Bacillus pumilus)、エルヴィニア カロトボーラ(Erwinia carotovora)、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、ザントモナス キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、パエニバチルス マセランス(Paenibacillus macerans)等を挙げることができる。なかでも、入手の容易性や効果の面から、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)が好ましい。
放線菌としては、ストレプトマイセス属(Streptomyces)等に属する放線菌を具体例として挙げることができる。より具体的な放線菌の例としては、ストレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)等を挙げることができる。
糸状菌としては、グリオクラディウム属(Gliocladium)、トリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、ペニシリウム属(Penicillium)、アルタナリア属(Alternaria)、ヘルミンソスポリウム属(Helminthosporium)、タラロマイセス(Talaromyces)、ケトミウム属(Chaetomium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、ボーベリア属(Beauveria)、メタリジウム属(Metarhizium)、バーティシリウム属(Verticillium)等に属する糸状菌を具体例として挙げることができる。より具体的な糸状菌の例としては、グリオクラディウム ヴィレンス(Gliocladium virens)、トリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、タラロマイセス フラバス(Talaromyces flavus)、ケトミウム オーレウム(Chaetomium aureum)、ボーベリア バシアーナ(Beauveria bassiana)、メタリジウム アニソプリー(Metarhizium anisopliae)、バーティシリウム レカニー(Verticillium lecanii)等を挙げることができる。
酵母としては、サッカロマイセス属(Saccharomyces)等に属する酵母を具体例として挙げることができる。また、線虫としては、スタイナーネマ属(Steinernema)等に属する線虫を具体例として挙げることができる。より具体的な線虫の例としては、スタイナーネマ カーポカプサエ(Steinernema carpocapsae)、スタイナーネマ グラセライ(Steinernema glaseri)等を具体例として挙げることができる。ウイルスとしては、バキュロウイルス科等に属するウイルスを具体例として挙げることができる。より具体的なウイルスの例としては、核多角体病ウイルス(NPV)、顆粒病ウイルス(GV)等を具体例として挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
バチルス ズブチリス製剤(商品名「インプレッション水和剤」、(株)エス・ディー・エス バイオテック社製品)の45g/10a相当量を手動粉剤散布機(商品名「ベビーダスター」、販売元:農林機材(株))に投入し、キュウリ栽培ハウス内に設置した循環扇(商品名「ハウス用循環ファン」(SCH35−1型)、販売元:(株)スイデン)の送風口の前面に向けて飛散させ、バチルス ズブチリス製剤をハウス内に散布した。処理は、2007年10月9日から11月9日の間、月曜日から金曜日まで、毎日17時頃に行った。また、循環扇は、17時頃〜翌朝9時まで(翌日が休日の場合には、処理開始から1時間のみ)運転した。一方、隣接するハウス内に無処理区を設けた。
最終処理5日後、キュウリの本葉第5葉から上位10葉についての発病を、程度別に発病指数に基づいて調査し、下記式(1)に従って発病度を算出した。また、下記式(2)に従って防除価を算出した。処理区及び無処理区の発病度及び防除価の測定結果を表1に示す。
発病度=Σ(程度別発病葉数×発病指数)×100÷(調査葉数×5) (1)
発病指数0:無発病
発病指数0.5:わずかに初期病斑が認められる
発病指数1:病斑面積5%未満
発病指数2:病斑面積5%以上、25%未満
発病指数3:病斑面積25%以上、50%未満
発病指数4:病斑面積50%以上、75%未満
発病指数5:病斑面積75%以上
防除価=(無処理区発病度−処理区発病度)/(無処理区発病度)×100 (2)
また、試験圃場(ハウス)内における任意の6地点のキュウリの第5、第9、及び第14葉をコルクボーラーで打ち抜いてリーフディスクを作製した。作製したリーフディスクを、滅菌した0.5質量%Tween 20水溶液に入れ、110rpmで1時間振とうした。上澄み液を10分の1ずつ取り出して順次希釈して調製した希釈液100μlを普通寒天培地に塗沫した後、37℃で24時間培養した。普通寒天培地上に形成されたバチルス ズブチリスのコロニー数を計数し、葉面1cmあたりのcfu(colony forming unit(コロニー形成単位))(cfu/cm葉面)を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2009173577
Figure 2009173577
表1に示す結果から、無処理区に比して、処理区ではうどんこ病の発病が抑制されていることが明らかである。また、表2に示す結果から、いずれのサンプリング地点においても相当量のバチルス ズブチリス製剤が散布されていることが明らかである。
(実施例2)
バチルス ズブチリス製剤(商品名「インプレッション水和剤」、(株)エス・ディー・エス バイオテック社製品)の45g/10a相当量を手動粉剤散布機(商品名「ベビーダスター」、販売元:農林機材(株))に投入し、キュウリ栽培ハウス内に設置した循環扇(商品名「ハウス用循環ファン」(SCH35−1型)、販売元:(株)スイデン)の送風口の前面に向けて飛散させ、バチルス ズブチリス製剤をハウス内に散布した。処理は17時から行い、17時から翌日9時まで循環扇を運転した。循環扇を運転している17時から翌日9時までの間、試験圃場(ハウス)内の畝(作物地際部)と畝間を含む任意の8地点に設置した普通寒天培地(シャーレ)に形成されたコロニー数を計測した。計測結果を表3に示す。
Figure 2009173577
表3に示すように、畝及び畝間を問わず、いずれのサンプリング地点においても相当量のバチルス ズブチリスが拡散付着していることが明らかである。
(実施例3)
バチルス ズブチリス製剤(商品名「インプレッション水和剤」、(株)エス・ディー・エス バイオテック社製品)の45g/10a相当量を手動粉剤散布機(商品名「ベビーダスター」、販売元:農林機材(株))に投入し、トマト栽培ハウス内に設置した循環扇(商品名「ハウス用循環ファン」(SCH35−1型)、販売元:(株)スイデン)の送風口の前面に向けて飛散させ、バチルス ズブチリス製剤をハウス内に散布した。循環扇を16時間運転した後、試験圃場(ハウス)内の任意の9地点におけるトマトの葉表及び葉裏に普通寒天培地(シャーレ)を接触させ、バチルス菌の有無を確認した。その結果、すべての地点における葉表と葉裏からバチルス ズブチリスを検出した。
(実施例4)
バチルス ズブチリス製剤(商品名「インプレッション水和剤」、(株)エス・ディー・エス バイオテック社製品)の15g/10a相当量を手動粉剤散布機(商品名「ベビーダスター」、販売元:農林機材(株))に投入し、メロン栽培ハウス内に設置した循環扇(商品名「ボルナドファン」(280B)、販売元:山本産業(株))の送風口の前面に向けて飛散させ、バチルス ズブチリス製剤をハウス内に散布した。なお、循環扇を30分間運転し、その間、試験圃場(ハウス)内の任意の9地点に普通寒天培地(シャーレ)を設置した。普通寒天培地に形成されたコロニー数を計測した結果を表4に示す。
(比較例1)
15g/10a相当量のバチルス ズブチリス製剤を入れた金属製のカゴを、循環扇の送風口の前面に設置したこと以外は、前述の実施例4と同様の操作により、バチルス ズブチリス製剤を散布した。なお、循環扇を30分間運転し、その間、試験圃場(ハウス)内の任意の9地点に普通寒天培地(シャーレ)を設置した。普通寒天培地に形成されたコロニー数を計測した結果を表4に示す。
Figure 2009173577
表4に示すように、比較例1に比して、実施例4では、それぞれのサンプリング地点における飛散量が多いとともに、サンプリング地点どうしの飛散量にムラが少なく、より均一に散布されていることが明らかである。
(実施例5)
バチルス ズブチリス製剤(商品名「インプレッション水和剤」、(株)エス・ディー・エス バイオテック社製品)の10g/10a相当量を手動粉剤散布機(商品名「ベビーダスター」、販売元:農林機材(株))に投入し、メロン栽培ハウス内に設置した循環扇(商品名「ボルナドファン」(280B)、販売元:山本産業(株))の送風口の前面に向けて飛散させ、バチルス ズブチリス製剤をハウス内に散布した。なお、循環扇を1時間運転し、その間、試験圃場(ハウス)内の任意の9地点に普通寒天培地(シャーレ)を設置した。普通寒天培地に形成されたコロニー数を計測した結果を表5に示す。
(比較例2)
10g/10a相当量のバチルス ズブチリス製剤を、ハウスに設置された暖房機の送風ダクト内(左右2箇所)に投入し、30分間送風したこと以外は、前述の実施例5と同様の操作により、バチルス ズブチリス製剤を散布した。なお、循環扇を30分間運転し、その間、試験圃場(ハウス)内の任意の9地点に普通寒天培地(シャーレ)を設置した。普通寒天培地に形成されたコロニー数を計測した結果を表5に示す。
Figure 2009173577
表5に示すように、比較例2に比して、実施例5では、それぞれのサンプリング地点における飛散量が多いとともに、サンプリング地点どうしの飛散量にムラが少なく、より均一に散布されていることが明らかである。
本発明の農薬の散布方法は、温室等の施設内において、大掛かりな装置や設備を必要とせず、適宜必要な量の農薬を極めて効率よく安全に散布することができるため、農業の分野において特に有用である。

Claims (8)

  1. 農薬散布機の内部に収容した粉状又は顆粒状の農薬を、前記農薬散布機の散布口から送風機の送風口の前面へと前記農薬散布機で発生させた空気流に乗せて飛散させ、
    飛散させた前記農薬を、前記送風機の前記送風口から送出される空気流に乗せて作物を栽培又は貯蔵する施設内に拡散させて散布する農薬の散布方法。
  2. 前記農薬散布機が、手持ち式又は背負い式の手動粉剤散布機である請求項1に記載の農薬の散布方法。
  3. 前記送風機が、換気扇、扇風機、又は循環扇である請求項1又は2に記載の農薬の散布方法。
  4. 前記農薬が、微生物を有効成分とする微生物製剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の農薬の散布方法。
  5. 前記微生物製剤が、細菌、糸状菌、放線菌、酵母、線虫、又はウイルスを含む請求項4に記載の農薬の散布方法。
  6. 前記細菌が、バチルス属(Bacillus)細菌である請求項5に記載の農薬の散布方法。
  7. 前記バチルス属(Bacillus)細菌が、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)、又はバチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)である請求項6に記載の農薬の散布方法。
  8. 収穫後又は出荷後の作物に対する病害虫の発生を防除するために、作物の収穫前に前記農薬を散布する請求項1〜7のいずれか一項に記載の農薬の散布方法。
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