JP2009182009A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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泰山 後藤
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秀樹 荒井
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Abstract

【課題】水平円盤型サセプタを使用する気相成長装置において、ウェーハとその周辺部との貼り付き現象を防止し、気相成長膜形成の半導体生産性を向上することを可能とする気相成長装置および気相成長方法を提供することを目的とする。
【解決手段】気相成長装置1は、ウェーハWを所定の回転速度で回転させる回転駆動手段6と、前記回転駆動手段6の上部に固定されるサセプタ5と、前記サセプタ5上に配設され、前記ウェーハW側面、もしくは前記ウェーハW裏面のうち少なくともいずれかに当接して前記ウェーハWを保持するための、シリコン(Si)より線膨張係数の低い材質を主成分とする保持部材12とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気相成長装置および気相成長方法に関し、シリコン(Si)ウェーハの周辺部に発生するSi貼り付き現象を防止し気相成長膜形成の半導体生産性を向上することを可能とする気相成長装置および気相成長方法に関する。
気相成長装置の一種として枚葉式気相成長装置がある。この装置は、熱処理炉内に配置された水平円盤型のサセプタの上にウェーハを載せ、垂直軸を中心として回転させながら、炉内ウェーハ上方に原料ガスおよびキャリアガスを流入させることにより、ウェーハの上面に気相成長膜を形成するものである。この装置は、ウェーハの大口径化に伴って多用されるようになり、200mm以上のウェーハ対応装置では主流と見られている。これらの枚葉式気相成長装置では、ウェーハの位置決めを目的として、座ぐりと呼ばれる円形の凹部がサセプタの上面に設けられたり、ウェーハ外周に複数の位置決め部材(凸状の突起構造)が設けられる。そして、厚さ約10μm以下の気相成長膜形成においては、上記サセプタ凹部構造にウェーハを収容し気相成長させた場合に、シリコン(Si)析出によるウェーハとサセプタの貼り付き現象の発生頻度は低く、大きな問題にはならなかった。
ところで、気相成長法を用いて形成されるウェーハの用途として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表されるパワーデバイスがある。この種のパワーデバイス向けウェーハの製造では、気相成長膜の厚みが厚く、100μm程度に達することも少なくない。特に、上記のような厚膜形成では、ウェーハの回転時における位置ずれ防止のために、ウェーハを前述の座ぐりと呼ばれる凹部内に収容する、もしくはウェーハ外周に複数の位置決め部材を設けた構成となっている。このような構成の場合、ガスの回り込みにより、ウェーハ側面、もしくはウェーハ裏面とサセプタ側のウェーハとの接触部の双方にSiが析出し、両者に跨がったSi析出による貼り付き現象が発生しやすい。この現象が発生すると、気相成長膜形成後にサセプタの上部からウェーハを取り出すときに、貼り付き部の気相成長膜を剥がさなければならず、その際に貼り付き部分に相応の機械的応力が付加されるため、しばしばウェーハにクラックが発生し、割れ等破損することとなる。上記のようなウェーハとサセプタの貼り付き現象防止の対策として、特許文献1が開示されている。特許文献1に開示される技術では、ウェーハを収容するサセプタの凹部上部に突出部を設け、ウェーハ側面とサセプタ凹部内周面の空間に原料ガスが回り込むことを防ぎ、ウェーハ側面とサセプタ凹部内周面間の貼り付き現象を防止している。
特開平10−87394号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術においても、Si析出は原料ガスが回り込む領域に発生するため、気相成長膜が形成されるウェーハ表面だけでなく、サセプタ表面、ウェーハ側面およびウェーハ裏面にも発生することがしばしばある。また、ウェーハの位置ずれ防止のための位置決め部材に析出したSiと、ウェーハの側面もしくは裏面に析出したSi同士が結合し、癒着してしまうと貼り付き現象となる。さらに、プロセス温度(1000℃以上)からウェーハ搬送温度(600℃程度)へ温度降下させウェーハの搬送を行うが、Siがサセプタ、もしくは位置決め部材に接着していると、機械的にウェーハをサセプタ、もしくは位置決め部材から引き剥がすことになり、その際にウェーハが破損する。また、複数枚同時処理のバッチ式気相成長装置では、複数のウェーハを複数の凹部を有する大口径サセプタに収容し回転させるが、その際にウェーハに遠心力が働く。特許文献1に開示される技術では、ウェーハが回転中心から遠ざかる方向に移動しサセプタ凹部内周面と接触することからウェーハ側面とサセプタ凹部内周面間の貼り付き現象が発生する。また、従来公知の材質からなる位置決め部材を設けた場合、ウェーハ側面と位置決め部材間に貼り付き現象が発生する。従って、従来公知の技術では、ウェーハ側面および裏面に接触する領域に形成される貼り付き現象を十分に防止できず、気相成長膜を形成する上での半導体生産性を著しく低下させるという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、水平円盤型サセプタを使用する気相成長装置において、ウェーハとその接触領域間の貼り付き現象を防止し、気相成長膜形成の半導体生産性を向上することを可能とする気相成長装置および気相成長方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明にかかる気相成長装置および気相成長方法は次のように構成されている。
(1)本発明にかかる気相成長装置は、ウェーハを所定の回転速度で回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段の上部に固定されるサセプタと、前記サセプタ上に配設され、前記ウェーハ側面、もしくは前記ウェーハ裏面のうち少なくともいずれかに当接して前記ウェーハを保持するための、シリコン(Si)より線膨張係数の低い材質を主成分とする保持部材とを備えたことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の気相成長装置において、前記保持部材は、前記ウェーハの側面に当接する第一の支持部と、前記ウェーハの裏面に当接する第二の支持部とを備え、前記第一の支持部は前記第二の支持部の上面に固定されていることが望ましい。
(3)上記(2)に記載の気相成長装置において、前記第二の支持部は、厚さ2mm以下であり、扇形形状、もしくは円環形状のうちいずれかの形状を有することが望ましい。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の気相成長装置において、前記保持部材は、石英(SiO2)を主成分とすることが望ましい。
(5)本発明にかかる気相成長方法は、ウェーハを所定の回転速度で回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段の上部に固定されるサセプタと、前記サセプタ上に配設され、前記ウェーハ側面、もしくは前記ウェーハ裏面のうち少なくともいずれかに当接して前記ウェーハを保持するための、シリコン(Si)より線膨張係数の低い材質を主成分とする保持部材とを備えた気相成長装置を用いて、前記ウェーハ上に気相成長膜を形成する方法であって、前記保持部材が前記ウェーハを保持し該ウェーハ上に前記気相成長膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、水平円盤形サセプタ上で、ウェーハの側面と裏面に当接する保持部材を設け、該保持部材にシリコン(Si)よりも線膨張係数の低い材質を使用することにより、気相成長膜形成時に、ウェーハとその接触領域間の貼り付き現象を防止できるため半導体生産性を向上する気相成長装置および気相成長方法を提供するという効果を奏する。
以下、本発明にかかる気相成長装置および気相成長方法についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
以下、第一の実施の形態にかかる気相成長装置について詳細に説明する。図1は、第一の実施の形態にかかる気相成長装置1の概略構成を示す断面図である。気相成長装置1は、例えば、高純度単結晶シリコン(以下、Siと記載する)のウェーハW上にSiの気相成長膜、もしくは不純物層を形成する装置であり、チャンバ2と、チャンバ2に導管接続されたガス供給管3と、ガス排気管7と、を備えている。
ガス供給管3は、チャンバ2内の上部、水平方向の略中央部に配設され、原料ガス、キャリアガスもしくはドーパントガスがチャンバ2内に供給されるように、チャンバ2外部のガス供給制御装置(図示省略)と接続されている。そして、ガス供給制御装置(図示省略)からは、気相成長装置1において形成する気相成長膜の種類に応じて、原料ガス、キャリアガスもしくはドーパントガスが図1のA方向に供給される。原料ガスとしては、主に四塩化シリコン(SiCl4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、シラン(SiH4)のうちいずれかを適宜選択して使用する。また、キャリアガスとしては、水素(H2)を使用する。また、ドーパントガスとしては、ホスフィン(PH3)、ジボラン(B2H6)、ヒ素(As)化合物のうちいずれかを適宜選択して使用する。これらのガスのプロセス温度は、ガスの種類によって異なり、約950〜1200℃の間である。
ガス排気管7は、チャンバ2内の下部、図1の左右に分かれて数箇所に配設され、チャンバ2内部で上記の原料ガスとキャリアガス(H2)が反応した結果生成される塩化水素(以下、HClと記載する)、未反応に終わったキャリアガス、原料ガスおよびドーパントガスを排気する。これらのガスをチャンバ2外部に排出するように、チャンバ2外部のガス排気制御装置(図示省略)と接続されている。そして、ガス排気制御装置(図示省略)と接続されていることにより、図1のB方向にガスは、排気される。
更に、チャンバ2は、その内部にウェーハWと、整流板4と、サセプタ5と、回転胴6と、ヒーター8と、ウェーハ押し上げ機構9と、ウェーハ保持部材12と、温度センサ11と、を備えている。
ウェーハWは、その上面に気相成長膜が形成される高純度単結晶Siである。ウェーハWは、ヒーター8の加熱によりプロセス温度(1000℃以上)まで加熱される。例えば、ウェーハWは、FZ法、CZ法で引上げ育成したシリコンインゴットをスライスし、ラッピング処理もしくはエッチング処理を施し表面および端面を研磨することにより鏡面加工されたものである。
整流板4は、ガス供給管3から流入してきたガスの流量を調整するものであり、ガス供給管3とサセプタ5の間の空間、チャンバ2の内部壁面に固定されている。また、ウェーハWに対向する範囲の全域にわたって多数の開口部が設けられており、ウェーハW全域にわたってガス流量が均一になるように開口面積が調整されている。
サセプタ5は、ウェーハWを支持する機能を有する。サセプタ5は、回転胴6の上部に固定されている。サセプタ5の材質としては、熱伝導性、熱膨張性、耐熱性、高純度製造性等の観点から、炭素の基材上に炭化珪素(以下、SiCと記載する)を皮膜したもの、基材をSiCとしたもの、もしくはシリコン含浸炭化珪素のうちいずれか1つを選択して使用する。
回転胴6は、ウェーハW上に気相成長膜が均一に形成されるように、サセプタ5上のウェーハWを図1のC方向に所定の回転速度で高速回転させる駆動機能を有する。なお、回転速度は、第一の実施の形態においては、均一性の高い気相成長膜を高い生産性で形成するために、800rpm以上の回転速度で回転させることが好ましい。
温度センサ11は、放射温度計等を使用して、チャンバ2外壁に設けられた透明石英窓からウェーハの表面温度を遠隔検知する。ヒーター8は、サセプタ5上に保持されたウェーハWを背面側からプロセス温度(1000℃以上)に達するまで加熱する加熱器であり、温度センサ11の検知温度に従い、チャンバ2の外部に備えられた加熱回路(図示省略)から供給される電流によって発熱する。なお、ウェーハ押し上げ機構9がウェーハWを押し上げるため複数の開口部を有する。
ウェーハ押し上げ機構9は、ピン形状を有し、該ピン形状の先端がウェーハWを下方から押し上げる機能を有する。ウェーハ押し上げ機構9は、回転胴6の内周側に配設され、チャンバ2外部に設けられた駆動機構(図示省略)により図1のD方向上下に往復運動する。ウェーハ押し上げ機構9が上方に移動すると、ピン形状の先端がウェーハW下面を押し上げる構成となっている。
ウェーハ保持部材12は、ウェーハWを保持する部材であり、サセプタ5上でウェーハWの側面および裏面(下面)に当接しウェーハWを保持する。なお、ウェーハ保持部材12は、Siに対する接着性の低い材質を使用することが好ましい。Siに対する接着性の低い材質とは、ウェーハWがプロセス温度(1000℃以上)になった際にウェーハ保持部材12にSiが析出しても、ウェーハ搬送温度(600℃程度)に温度降下した際にSi析出物が剥離しやすい材質を意味する。
以下、Si析出物の剥離しやすさについて詳細に説明する。Si析出物の剥離しやすさは、ウェーハWに接触する部材と、Siとの熱膨張の差が重要となる。Si析出はウェーハW表面、およびウェーハW側面や裏面等接触する領域の両方に発生し、双方への析出物が癒着して接合部(貼り付き部)が発生する。ウェーハWに析出したSiは、ウェーハWと熱膨張の差はないため、接着力が強く剥がれない。また、ウェーハWに接触する領域が従来公知の材料(例えば、SiC)であった場合、熱膨張はSiとほとんど差がないため、接着力は強く、無理に剥がそうとすると、ウェーハWの割れ、クラック、結晶転移等が発生する。プロセス温度(1000℃以上)からウェーハ搬送温度(600℃程度)に温度降下した際にも、上記接着力は強いまま維持される。それに対し、ウェーハWに接触する保持部材がSiと大きく異なる熱膨張を有する材質で構成されている場合、ウェーハ温度降下時に、ウェーハWに析出したSiは接着したままで、保持部材に析出したSiは保持部材との熱膨張の差により剥がれやすくなる。
上述の論理から、ウェーハWが接触する領域を構成する材質は、Siより線膨張係数が低い材質が好ましい。線膨張係数は、温度の上昇に対応して長さが変化する割合を示した物理特性であり、(x10−6/K)の単位で示される。また、熱伝導率は、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で割った物理量であり、(W/mK)の単位で示される。下記の表1に代表的な材料の線膨張係数と熱伝導率を表記する。
Figure 2009182009
上記の表1では、上から線膨張係数の昇順で各材料の特性値を示している。すなわち、石英が最も低く、以下、SiC、Si、ステンレス鋼、アルミニウムの昇順で高くなる。表1に示すように、石英はSiよりも線膨張係数が低いことから、ウェーハ保持部材12は、石英を主成分とすることが好ましい。石英は、高純度に合成された二酸化ケイ素(SiO2)のガラス材であり、例えば、半導体製造装置のプロセスチューブ等主要部品に使用される。なお、石英表面に析出したSiはパーティクル(粒子状汚染物)となりやすいと言われるが、これはSiの剥離しやすさからきているものとも推測される。
一方、表1に示すように、石英は上記5材料の中で最も低い熱伝導率を有する。すなわち、ヒーター8からウェーハWへの熱伝導効果を考慮すると、不適切な材料である。また、耐熱性がSiCに比べて低く耐熱温度が約1500℃であるためヒーター8による加熱を直接受けない領域に限定することが好ましい。しかし、上述のごとく線膨張係数が低いことから、第一の実施の形態においては、ウェーハ保持部材12は、石英を主成分とすることが好ましい。
以下、ウェーハWをサセプタ5上に保持する構成について詳細に説明する。図2は、第一の実施の形態にかかる気相成長装置1の図1におけるE−E方向上面図である。ウェーハ保持部材12は、ウェーハWをサセプタ5の所定の位置に保持するため3個の第一の支持部12aと、第二の支持部12bと、固定部12c(不図示)とを備えており、3個の第一の支持部12aは第二の支持部12bの上面に固定されている。第二の支持部12bは、ウェーハWの裏面への原料ガス回り込みによるSi析出を防ぐためウェーハWの裏面に隙間のない円環形状を図示しているが、ウェーハWの裏面に隙間の少ない一体形状、例えば、1つの扇形形状でもよい。ただし、上記扇形形状は、半径の異なる2つの同心円を所定角度で切り出した2つの弧を含む線で囲まれた領域を意味する。
以下、ウェーハWの設置状態を拡大断面図で説明する。図3は、第一の実施の形態にかかる気相成長装置1のウェーハW設置状態を示す拡大断面図である。ウェーハ保持部材12は、第一の支持部12aと、第二の支持部12bと、固定部12cとを備えており、第一の支持部12aは第二の支持部12bの上面に固定されている。第一の支持部12aは、ウェーハWを設置した際、ウェーハWの側面に当接して高速回転時にもウェーハWを確実に保持する。また、第一の支持部12aの底面に固定される第二の支持部12bは、ウェーハWの裏面に当接する。従って、ウェーハW設置時にウェーハWと接触する第一の支持部12aと、第二の支持部12bはSiよりも線膨張係数の低い材質を主成分とする。上述の線膨張係数比較により、第一の支持部12aと、第二の支持部12bは、石英を主成分とする材質を使用する。また、ヒーター8からウェーハWへの熱伝導効果を考慮すると、第二の支持部12bは、極力薄く2mm以下の厚さが好ましい。
また、第一の支持部12aの高さは、チャンバ2内のガス流を遮ることがないように、ウェーハW端面に形成される傾斜面(ベベル面)の頂点部に相当する程度の高さであることが好ましい。また、ウェーハ押し上げ機構9は、その先端がウェーハWの下面に即時に当接可能に配置されることが好ましい。
第一の実施の形態においては、ウェーハWの側面に当接する第一の支持部12aと、ウェーハWの裏面に当接する第二の支持部12bは、Siより線膨張係数の低い材質を主成分とする。この構成により、ウェーハWの側面だけでなく、従来対応策に苦慮していたウェーハWの裏面への貼り付き現象も防止することが可能となる。また、固定部12cは、サセプタ5に設けられた開口部に挿入され、第一の支持部12aと、第二の支持部12bを固定する。なお、サセプタ5に設けられた開口部は貫通する構成を図3に図示したが、貫通しても貫通しなくてもどちらでもよい。
以下、ウェーハWの搬送状態を断面図で説明する。図4は、第一の実施の形態にかかる気相成長装置1のウェーハW搬送状態を示す拡大断面図である。まず、ウェーハWの搬入時には、ウェーハ保持部材12がサセプタ5上に支持された状態で、ウェーハ搬送アーム17がウェーハWをサセプタ5上に搬入する。ウェーハ押し上げ機構9が上昇し、当接するウェーハWを支持した状態で、下方のウェーハ搬送アーム17との間に空間を空ける。ウェーハ搬送アーム17がサセプタ5外側に戻される。ウェーハ押し上げ機構9が下降し、ウェーハWはサセプタ5上に支持される。ウェーハWの搬出時には、ウェーハ押し上げ機構9が上昇し、ウェーハ押し上げ機構9の上部先端に当接するウェーハWの下面を押し上げ、ウェーハWの下方に空間を空ける。その空間にウェーハ搬送アーム17が挿入され、ウェーハ押上げ機構9が下降することにより、ウェーハWはウェーハ搬送アーム17上に支持される。ウェーハWはウェーハ搬送アーム17上に支持されたままサセプタ5外側に戻される。
従来技術では、Si析出による貼り付き現象の発生によりチャンバ2からのウェーハ搬出時、Si析出物を強制的にはがす際の機械的応力によりウェーハにスリップ、ヒビ、欠け、割れ等が発生するウェーハの不良発生確率が高く、サセプタ等周辺部品の機能確認のための大気下における分解調査、部品交換も発生する可能性があり、半導体生産性を低下させる大きな問題があった。第一の実施の形態においては、ウェーハの側面と裏面に当接する保持部材にSiより線膨張係数の低い材質を使用することで、ウェーハと保持部材間にSi析出による貼り付き現象が発生しても剥がれやすく、ウェーハに損傷を引き起こさないため上記半導体生産性を低下させる要因が低減し、その結果、半導体生産性が向上する。
以上述べたように、第一の実施の形態によれば、ウェーハW側面と裏面に当接する保持部材を設け、該保持部材にSiよりも線膨張係数の低い材質を主成分とする材料を使用することにより、ウェーハWとその接触領域間のSiの析出による貼り付き現象を防止し気相成長膜形成時の半導体生産性を向上する気相成長装置および気相成長方法を提供可能となる。
(第二の実施の形態)
以下、第二の実施の形態にかかる気相成長装置について詳細に説明する。第二の実施の形態が第一の実施の形態と異なる点は、ウェーハ保持部材13とウェーハ押し上げ機構14の構成である。図5は、第二の実施の形態にかかる気相成長装置20の概略構成を示す断面図である。図5において、ウェーハ保持部材13は、ウェーハ押し上げ機構14の上部先端が即時に当接する位置に配設される。第二の実施の形態においては、第一の実施の形態と同じ符号は同じ要素を示し、詳細の説明を省略する。
ウェーハ保持部材13は、ウェーハ押し上げ機構14の上部先端が即時に当接する位置に配設され、ウェーハWをサセプタ5上に保持する機能を有する。ウェーハ押し上げ機構14は、回転胴6の内周側に配設され、チャンバ外部に設けられた駆動機構(図示省略)により図5のF方向上下に往復運動する。ウェーハ押し上げ機構14が上方に移動すると、ウェーハ保持部材13がウェーハW下面を押し上げる構成となっている。なお、第二の実施の形態においては、ウェーハ押し上げ機構14が回転胴の内側に配設される構成を詳細に説明しているが、ウェーハ押し上げ機構14が回転胴の外側に配設される構成でもよい。その場合、ウェーハ押し上げ機構14を上下に駆動させる機構が容易に構成可能となる。
以下、ウェーハWをサセプタ5上に保持する構成について詳細に説明する。図6は、第二の実施の形態にかかる気相成長装置20の図5におけるG−G方向上面図である。ウェーハ保持部材13は、ウェーハWをサセプタ5の所定の位置に保持するため3個の第一の支持部13aと、第二の支持部13bとを備えており、3個の第一の支持部13aは第二の支持部13bの上面に固定されている。第二の支持部13bは、ウェーハWの裏面への原料ガス回り込みによるSi析出を防ぐためウェーハWの裏面に隙間の少ない一体形状、例えば、1つの扇形形状が好ましい。ただし、上記扇形形状は、半径の異なる2つの同心円の所定角度を切り出した2つの弧を含む線で囲まれた領域を意味する。
以下、ウェーハWの設置状態を断面図で説明する。図7は、第二の実施の形態にかかる気相成長装置20のウェーハW設置状態を示す拡大断面図である。ウェーハ保持部材13は、第一の支持部13aと、第二の支持部13bとを備えており、第一の支持部13aは第二の支持部13bの上面に固定されている。第一の支持部13aは、ウェーハWを設置した際、ウェーハWの側面に当接し高速回転時にもウェーハWを確実に保持する。また、第一の支持部13aの底面に固定された第二の支持部13bは、ウェーハWの裏面に当接する。従って、第一の支持部13aと、第二の支持部13bは、Siよりも線膨張係数の低い材質を主成分とする材料を使用する。第一の実施の形態と同様、石英を主成分とする。また、ヒーター8からウェーハWへの熱伝導効果を考慮すると、第二の支持部13bは、極力薄く2mm以下の厚さが好ましい。また、第二の支持部13bの厚さに相当する高さだけサセプタ5上に凹部段差が設けられており、サセプタ5の凹部段差は第二の支持部13bが降下した際に第二の支持部13bを収容する構成となる。また、ウェーハ押し上げ機構14は、サセプタ5に設けられた開口部を貫通して上下動する構成となっており、その上部先端が即時に当接する位置に、ウェーハ保持部材13が配設される。
以下、ウェーハWの搬送状態を断面図で説明する。図8は、第二の実施の形態にかかる気相成長装置20のウェーハW搬送状態を示す拡大断面図である。まず、ウェーハWの搬入時には、ウェーハ保持部材13がサセプタ5上に支持された状態で、ウェーハ搬送アーム17がウェーハWをサセプタ5上に搬入する。ウェーハ押し上げ機構14が上昇し、当接するウェーハ保持部材13上にウェーハWを支持した状態で、下方のウェーハ搬送アーム17との間に空間を空ける。ウェーハ搬送アーム17がサセプタ5外側に戻される。ウェーハ押し上げ機構14が下降しウェーハ保持部材13はウェーハWとともにサセプタ5上に支持される。ウェーハWの搬出時には、ウェーハ押し上げ機構14が上昇し、ウェーハ押し上げ機構14の上部先端に当接するウェーハ保持部材13がウェーハWの下面を押し上げ、ウェーハWの下方に空間を空ける。その空間にウェーハ搬送アーム17が挿入され、ウェーハ押し上げ機構14が下降することにより、ウェーハWはウェーハ搬送アーム17上に支持される。ウェーハWはウェーハ搬送アーム17上に支持されたままサセプタ5外側に戻される。このような機構により、ウェーハWを保持した状態でウェーハWの搬出が可能となり、第一の実施の形態にかかる気相成長装置よりも更に半導体生産性を向上する。
以上述べたように、第二の実施の形態によれば、ウェーハW側面および裏面に当接し保持する保持部材を設け、該保持部材がウェーハ押し上げ機構の上部先端に当接され、保持部材にSiよりも線膨張係数の低い材質を主成分とする材料を使用することにより、ウェーハWとその接触領域間のSiの析出による貼り付き現象を防止し気相成長膜形成時の半導体生産性を向上する気相成長装置および気相成長方法を提供する。
なお、本発明においては、ウェーハ保持部材を3箇所設けた構成を図示して実施の形態を説明したが、ウェーハ保持部材は3箇所以上設置されることが好ましい。
また、本発明においては、ウェーハ保持部材の台座は、扇形形状、もしくは円環形状のうちいずれかとして実施の形態を詳細に説明したが、これらに限定されるものではない。
さらに、ウェーハ保持部材は、ウェーハ側面に当接する部分と、ウェーハ裏面に当接する部分の両方がSiより線膨張係数の低い材質からなる構成を詳細に説明したが、ウェーハ保持部材に関する部品コスト、加工性等を考慮してウェーハ側面、もしくはウェーハ裏面のうちいずれかに当接する部分だけをSiより線膨張係数の低い材質で形成する構成でも限定的な効果が得られる。
また、サセプタ5の形状について本発明の記載に限定されるものではなく、開口部のない皿型形状、開口部を設けた円環形状、もしくは複数のウェーハを支持可能な大径サセプタのいずれでもよい。
第一の実施の形態にかかる気相成長装置1の概略構成を示す断面図。 第一の実施の形態にかかる気相成長装置1の図1におけるE−E方向上面図。 第一の実施の形態にかかる気相成長装置1のウェーハW設置状態を示す拡大断面図。 第一の実施の形態にかかる気相成長装置1のウェーハW搬送状態を示す拡大断面図。 第二の実施の形態にかかる気相成長装置20の概略構成を示す断面図。 第二の実施の形態にかかる気相成長装置20の図5におけるG−G方向上面図。 第二の実施の形態にかかる気相成長装置20のウェーハW設置状態を示す拡大断面図。 第二の実施の形態にかかる気相成長装置20のウェーハW搬送状態を示す拡大断面図。
符号の説明
1 気相成長装置
2 チャンバ
3 ガス供給管
4 整流板
5 サセプタ
6 回転胴
7 ガス排気管
8 ヒーター
9 ウェーハ押し上げ機構
11 温度センサ
12 ウェーハ保持部材
12a 第一の支持部
12b 第二の支持部
12c 固定部
13 ウェーハ保持部材
13a 第一の支持部
13b 第二の支持部
14 ウェーハ押し上げ機構
17 ウェーハ搬送アーム
20 気相成長装置
W ウェーハ
A ガス供給方向
B ガス排気方向
C 回転胴回転方向
D ウェーハ押し上げ機構9の動作方向
E−E 図1のウェーハ設置状態上面図の矢視方向
F ウェーハ押し上げ機構14の動作方向
G−G 図5のウェーハ設置状態上面図の矢視方向

Claims (5)

  1. ウェーハを所定の回転速度で回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段の上部に固定されるサセプタと、
    前記サセプタ上に配設され、前記ウェーハ側面、もしくは前記ウェーハ裏面のうち少なくともいずれかに当接して前記ウェーハを保持するための、シリコン(Si)より線膨張係数の低い材質を主成分とする保持部材とを備えたことを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記保持部材は、前記ウェーハの側面に当接する第一の支持部と、前記ウェーハの裏面に当接する第二の支持部とを備え、
    前記第一の支持部は前記第二の支持部の上面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記第二の支持部は、厚さ2mm以下であり、扇形形状、もしくは円環形状のうちいずれかの形状を有することを特徴とする請求項2に記載の気相成長装置。
  4. 前記保持部材は、石英(SiO2)を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気相成長装置。
  5. ウェーハを所定の回転速度で回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段の上部に固定されるサセプタと、
    前記サセプタ上に配設され、前記ウェーハ側面、もしくは前記ウェーハ裏面のうち少なくともいずれかに当接して前記ウェーハを保持するための、シリコン(Si)より線膨張係数の低い材質を主成分とする保持部材とを備えた気相成長装置を用いて、前記ウェーハ上に気相成長膜を形成する方法であって、
    前記保持部材が前記ウェーハを保持し該ウェーハ上に前記気相成長膜を形成することを特徴とする気相成長方法。
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