JP2009201305A - 磁石発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電機子コイルの温度上昇を確実に抑制することができる磁石発電機を提供する。
【解決手段】有底筒状のロータヨーク30と、ロータヨークの内周壁32aに配設される永久磁石8と、永久磁石を位置決めするためのマグネットホルダ51と、を有する回転子3を備えた磁石発電機1において、ロータヨークの底壁31におけるマグネットホルダと干渉する位置に貫通孔35が形成され、マグネットホルダにおける貫通孔に対応した位置に切欠部56が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁石発電機に関するものである。
従来から、自動二輪車などのエンジンのクランクシャフトに磁石発電機の回転部を直結したものが知られている。この種の磁石発電機は、クランクシャフトに固定された回転子と、エンジンのケースなどに固定された固定子とを備えている。回転子は、有底筒状に形成されたロータヨークを有し、このロータヨークの内周面に永久磁石が設けられている。
一方、固定子には、複数の電機子コイルが巻装されたティースが永久磁石に対向するように設けられている。そして、回転子が回転することによりティースに流れる磁束が変化し、これが起電力となって電機子コイルに電流が流れるようになっている。
ここで、このような構成の磁石発電機においては、使用時に電機子コイルが発熱する。電機子コイルにはコイル耐熱規格が設定されており、このコイル耐熱規格を満たすために電機子コイルの温度を低下させる(熱を排出する)ことが必要である。電機子コイルの温度を低下させる方法としては、回転部材の端面部に冷却用貫通孔を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−252076号公報
ところで、上述した特許文献1の磁石発電機では、冷却用貫通孔を形成したものの、クラッチ部材などが回転部材の側部に取り付けられた際には冷却用貫通孔が閉塞してしまい、冷却効果が得られなくなるという問題があった。また、冷却用貫通孔を径方向外側に形成しようとすると、永久磁石を位置決めするためのマグネットホルダ(スペーサ)が取り付けられているため、形成位置には限界があった。
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、電機子コイルの温度上昇を確実に抑制することができる磁石発電機を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、有底筒状のロータヨークと、該ロータヨークの内周壁に配設される永久磁石と、該永久磁石を位置決めするためのマグネットホルダと、を有する回転子を備えた磁石発電機において、前記ロータヨークの底壁における前記マグネットホルダと干渉する位置に貫通孔が前記ロータヨークの周方向に沿って複数形成され、前記マグネットホルダにおける前記貫通孔に対応した位置に切欠部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、ロータヨークの底壁の周縁部に配設されるマグネットホルダと干渉する位置に貫通孔を形成しても、マグネットホルダの切欠部を形成することにより、ロータヨーク内から貫通孔を臨むことができる。したがって、ロータヨークの開口部側から貫通孔に向かって空気の流れ、或いは冷却液を用いる場合には冷却液の流れを作り出すことができる。結果として、ロータヨーク内に配される電機子コイルの温度上昇を抑制することができる。また、ロータヨークの底壁の周縁部に貫通孔を形成することができるため、ロータヨークの大型化を防止することができる。さらに、貫通孔を複数形成することで、ロータヨーク内をより効率よく換気などをすることができ、電機子コイルの温度上昇を抑制することができる。
請求項2に記載した発明は、前記切欠部が、前記マグネットホルダの内側面から外方に向かって上面が下がるように変化したテーパ状に形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、ロータヨークの開口部側から貫通孔に向かって空気の流路、或いは冷却液を用いる場合には冷却液の流路が滑らかに形成され、効率よくロータヨーク内を換気することができる。
請求項3に記載した発明は、前記マグネットホルダにおける前記切欠部の少なくとも一方に径方向内側を指向した凸部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、切欠部におけるロータヨーク回転方向先頭側にある凸部に衝突した空気や冷却液が、渦を巻くような挙動を示しながら切欠部内の貫通孔へと導かれる。また、切欠部におけるロータヨーク回転方向の反対側にある凸部に衝突した空気や冷却液が、凸部の壁面を滑り落ちるようにしながら切欠部内の貫通孔へと導かれる。したがって、凸部を形成することにより更に効率よくロータヨーク内を換気することができ、電機子コイルの温度上昇を確実に抑制することができる。
請求項4に記載した発明は、前記ロータヨーク内に電機子コイルが巻装された固定子が配設され、該固定子に対して電機子コイルの冷却媒体を流出入可能に構成されていることを特徴としている。
このように構成することで、冷却媒体が固定子(電機子コイル)に接触しながらロータヨーク内を通過して貫通孔から外部へと排出される。したがって、冷却媒体により電機子コイルの熱を効率よく奪うことができ、電機子コイルの温度上昇をより確実に抑制することができる。
本発明によれば、ロータヨークの底壁の周縁部に配設されるマグネットホルダと干渉する位置に貫通孔を形成しても、マグネットホルダの切欠部を形成することにより、ロータヨーク内から貫通孔を臨むことができる。したがって、ロータヨークの開口部側から貫通孔に向かって空気の流れ、或いは冷却液を用いる場合には冷却液の流れを作り出すことができる。結果として、ロータヨーク内に配される電機子コイルの温度上昇を抑制することができる効果がある。また、ロータヨークの底壁の周縁部に貫通孔を形成することができるため、ロータヨークの大型化を防止することができる効果がある。さらに、貫通孔を複数形成することで、ロータヨーク内をより効率よく換気などをすることができ、電機子コイルの温度上昇を抑制することができる効果がある。
次に、本発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、磁石発電機1は、例えば自動二輪車に用いられるアウターロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト2の先端に固定された回転子3と、エンジンのケース(不図示)に固定される固定子4とを備えている。
回転子3は、有底筒状のロータヨーク30を有している。このロータヨーク30のエンド部(底壁)31には、径方向略中央にボス部5が設けられている。ボス部5は、エンド部31から内側(図2における上側)に向かって突出するように形成されている。このボス部5の中央には貫通孔6が形成され、貫通孔6にクランクシャフト2が挿入、固定されるようになっている。また、エンド部31の外側(図2における下側)には、図示しないクラッチ部材を取り付けるためのフランジ部33が形成されている。さらに、エンド部31におけるフランジ部33と周壁32との間には油抜孔(貫通孔)35が周方向に略等間隔に複数形成されている(本実施形態では12箇所)。つまり、油抜孔35は、エンド部31の周縁部に形成されており、ロータヨーク30のエンド部31側に取り付けられるクラッチと平面視において干渉しない位置に形成されている。
ロータヨーク30の周壁32には、その内周壁32a側に複数の永久磁石8が周方向に磁極が交互となるように配されている。一方、周壁32の外周壁32b側には、エンジンの点火時期などを検出するための複数のリラクタ(凸部)9が周方向に等間隔で一体形成されている。
ここで、永久磁石8は、ロータヨーク30のエンド部31および内周壁32aに当接するように設けられたマグネットホルダ51上に載置するように配されている。図3に示すように、マグネットホルダ51は例えば樹脂で形成されたリング状の部材である。マグネットホルダ51のリング部52の幅Wは、永久磁石8の幅(厚み)と略同一の大きさで形成されている。また、リング部52の上面53には周方向に略等間隔に垂直上方に突出した突起54が形成されている(本実施形態では6個)。隣接する突起54間に永久磁石8を配置することで、永久磁石8の位置決めを容易に行うことができる。つまり、本実施形態では永久磁石8を6個配設可能になっている。
また、リング部52の内側面55には、周方向に略等間隔に切欠部56が形成されている(本実施形態では12個)。切欠部56は、内側面55の高さ方向略中央からリング部52の底面57方向に、外方に向かって上面が下がるように変化したテーパ状に形成されている。さらに、切欠部56の両側には径方向内側に突出した凸部58が形成されている。凸部58は、リング部52の底面57側に先細り形状に形成されており、先端が若干丸みを帯びて形成されている。
そして、マグネットケース51の切欠部56は、ロータヨーク30の油抜孔35に対応する位置に形成されている。つまり、ロータヨーク30の内側から切欠部56を介して油抜孔35が臨むことができるように構成されている。
磁石発電機1が取り付けられているエンジンにおいては、その点火時期などを制御するために、エンジンの回転速度情報やクランクシャフト2の回転角度情報が必要となる。このため、クランクシャフト2の回転に伴ってパルス信号を発生するパルス発生器40が用いられている。このパルス発生器40は、ロータヨーク30の外周面側、つまり、リラクタ9に対向するように配設される。そして、リラクタ9のエッジ部(角部)がパルス発生器40のピックアップ41を横切ることでパルス発生器40からパルス信号(正電圧パルスと負電圧パルス)を発生させ、これを不図示の制御部(CDIユニットなど)が受信することによってエンジンの回転速度情報やクランクシャフト2の回転角度情報を得ることができるようになっている。
固定子4は、円環状の固定子鉄心17を有している。固定子鉄心17は、磁性材料の板材を軸線方向に積層して形成したものであって、中央にボス部5が挿通可能なボス孔15が形成されている。また、固定子鉄心17には、固定子4をエンジンのケースに締結固定するためのネジ孔20が複数箇所周方向に沿って形成されている。さらに、固定子鉄心17には、放射状に径方向外側に向かって延出する複数のティース16が周方向に等間隔に設けられている。これらティース16には、それぞれインシュレータ24が装着され、このインシュレータ24を介して電機子コイル18が巻装されている。
電機子コイル18は、所定の本数のコイルがそれぞれティース16に巻回されてなるもので、その端末部は、3本の発電出力用リード線19からなるハーネス26の引き出し位置付近Cまで導き出されている。これら電機子コイル18の各端末部と発電出力用リード線19の各端末部は、各々重ね合わせた状態で半田付けしたり、圧着スリーブを用いて加締めたりして接合してある。この接合部分には、固定子鉄心17に固定された絶縁キャップ22が装着されている。
このように構成された磁石発電機1においては、クランクシャフト2と共に回転子3が回転すると、永久磁石8が固定子4の周りを回転するため、電機子コイル18に誘導起電力が発生する。そして、この電機子コイル18に流れる電流は、発電出力用リード線19を介して不図示のバッテリや付属電機機器に供給されるようになっている。
(作用)
次に、電機子コイル18に噴射したコイル冷却用の冷却油の排出方法について説明する。
図4に示すように、回転子3の回転方向Rに対して、冷却油61は矢印Pの方向から凸部58に衝突する。ここで、切欠部56の左側の凸部68に冷却油61が衝突した場合には、凸部68の外壁面68aに沿って径方向内側に流れ、その後渦を巻くようにして切欠部56内に導かれる。そして、切欠部56のテーパ状の上面に案内され、油抜孔35より磁石発電機1の外側へ冷却油61が排出される(図5(a)参照)。一方、切欠部56の右側の凸部69に冷却油61が衝突した場合には、凸部69の内壁面69aに沿って径方向外側に流れ、切欠部56内に導かれる。そして、上述した場合と同様に、油抜孔35より磁石発電機1の外側へ冷却油61が排出される(図5(b)参照)。
つまり、切欠部56の両側に凸部58(68,69)を設けることで、冷却油61をスムーズに排出することができる。
本実施形態によれば、ロータヨーク30のエンド部31の周縁部に油抜孔35を形成し、マグネットホルダ51における油抜孔35に対応する位置に切欠部56を形成したため、平面視においてマグネットホルダ51に干渉する位置に油抜孔35を形成しても、ロータヨーク30内から油抜孔35を臨むことができる。したがって、ロータヨーク30の開口部側から油抜孔35に向かって冷却油61の流れ(空気の流れ)を作り出すことができる。結果として、ロータヨーク30内に配される電機子コイル18の温度上昇を抑制することができる。また、ロータヨーク30のエンド部31の周縁部に油抜孔35を形成することができるため、ロータヨーク30の大型化を防止することができる。
また、油抜孔35を複数形成することにより、ロータヨーク30内をより効率よく換気などすることができ、電機子コイル18の温度上昇を抑制することができる。
また、切欠部56を、マグネットホルダ51の内側面55から外方に向かって上面が下がるように変化したテーパ状に形成したため、ロータヨーク30の開口部側から油抜孔35に向かって冷却油61の流路が滑らかに形成され、効率よくロータヨーク30内を換気することができる。
また、マグネットホルダ51の切欠部56の両側に凸部58(68,69)を形成することで、切欠部56におけるロータヨーク回転方向Rの先頭側にある凸部68に衝突した冷却油61が、渦を巻くような挙動を示しながら切欠部56内の油抜孔35へと導かれる。また、切欠部56におけるロータヨーク回転方向Rの反対側にある凸部69に衝突した冷却油61が、凸部69の内壁面69aを滑り落ちるようにしながら切欠部56内の油抜孔35へと導かれる。したがって、凸部58(68,69)を形成することにより更に効率よくロータヨーク30内を換気することができ、電機子コイル18の温度上昇を確実に抑制することができる。
さらに、冷却油61が固定子4(電機子コイル18)に接触しながらロータヨーク30内を通過して油抜孔35から外部へと排出される。したがって、冷却油61により電機子コイル18の熱を効率よく奪うことができ、電機子コイル18の温度上昇をより確実に抑制することができる。
尚、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。すなわち、本実施形態で挙げた具体的な形状、構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、切欠部の両側に凸部を形成した場合の説明をしたが、いずれか一方の凸部のみ形成してもよい。
本発明の実施形態における磁石発電機の平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるマグネットホルダの斜視図である。 本発明の実施形態におけるマグネットホルダの部分拡大図(冷却油噴出時)である。 本発明の実施形態における冷却油の排出ルートを示す説明図であり、(a)は一方の凸部に衝突した場合、(b)は他方の凸部に衝突した場合である。
符号の説明
1…磁石発電機 3…回転子 4…固定子 8…永久磁石 18…電機子コイル 30…ロータヨーク 31…エンド部(底壁) 32…周壁 35…油抜孔(貫通孔) 51…マグネットホルダ 55…内側面 56…切欠部 58(68,69)…凸部 61…冷却油(電機子コイル冷却液)

Claims (4)

  1. 有底筒状のロータヨークと、
    該ロータヨークの内周壁に配設される永久磁石と、
    該永久磁石を位置決めするためのマグネットホルダと、を有する回転子を備えた磁石発電機において、
    前記ロータヨークの底壁における前記マグネットホルダと干渉する位置に貫通孔が前記ロータヨークの周方向に沿って複数形成され、
    前記マグネットホルダにおける前記貫通孔に対応した位置に切欠部が形成されていることを特徴とする磁石発電機。
  2. 前記切欠部が、前記マグネットホルダの内側面から外方に向かって上面が下がるように変化したテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁石発電機。
  3. 前記マグネットホルダにおける前記切欠部の少なくとも一方に径方向内側を指向した凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁石発電機。
  4. 前記ロータヨーク内に電機子コイルが巻装された固定子が配設され、該固定子に対して電機子コイルの冷却媒体を流出入可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁石発電機。
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