ところが、上記の製造装置には、以下の問題点がある。すなわち、この製造装置では、コンニャク原料、水および圧縮空気を撹拌混合用タンクに充填して練羽根を回転させて混練(混合)することによって気泡を含んだコンニャク糊を生成している。しかしながら、コンニャク糊は混練によって比較的短時間で粘度が増加して流動性が低下するため、コンニャク糊内に多くの空気を均一に分散させるのが困難である。また、発明者は、練羽根を回転させて混練するだけでは、コンニャク糊に取り込まれる(含まれる)気泡の直径が数mm程度までしか細分化できないことや、コンニャク糊に一旦取り込まれた気泡の多くが互いに結合し合って大きな気泡を形成し、その大きな気泡が浮力によってコンニャク糊の外部に放出されることを、長年の経験および実験結果から把握している。このため、上記の製造装置のように撹拌混合用タンク内を負圧にした状態で混練したコンニャク糊を大気圧下で収縮させたとしても、コンニャク糊に含まれる気泡の微細化には限界がある。したがって、上記の製造装置には、μmオーダーの微細な気泡を多く含みしかもその気泡が均一に分散されているような、従来にない付加価値の高い気泡入りコンニャクを製造するのが困難であるという問題点が存在する。さらに、上記の製造装置では、撹拌混合用タンクを密閉構造とする必要があることに加えて、撹拌混合用タンク内を負圧状態とするために、コンニャク原料、水および圧縮空気の供給量やコンニャク糊の吐出量を厳密に制御する必要がある。したがって、上記の製造装置には、装置が大掛かりとなる分だけ設備コストが高騰すると共に、工程が複雑な分だけ製造効率が低下することに起因して、気泡入りコンニャクの低価格化が困難であるという問題点も存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、付加価値が高くしかも低価格の気泡入りコンニャクを提供すること、並びに付加価値が高くしかも低価格の気泡入りコンニャクを製造し得るコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の気泡入りコンニャクは、内部に気泡を含有する気泡入りコンニャクであって、前記気泡は、球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルで構成されている。
また、請求項2記載の気泡入りコンニャクは、請求項1記載の気泡入りコンニャクにおいて、前記マイクロバブルは、その直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内となるように形成されている。
また、請求項3記載の気泡入りコンニャクは、請求項1または2記載の気泡入りコンニャクにおいて、前記マイクロバブルの総体積が、当該気泡入りコンニャクの全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように規定されている。
また、請求項4記載のコンニャク糊製造装置は、コンニャク粉末および原料水を収容可能な撹拌槽と、当該撹拌槽に前記原料水を供給する原料水供給機構と、前記撹拌槽に収容された前記コンニャク粉末および前記原料水を撹拌する撹拌機構とを備えて気泡入りコンニャクの製造に用いるコンニャク糊を製造可能に構成されたコンニャク糊製造装置であって、前記原料水供給機構は、マイクロバブル発生器を備えてマイクロバブルと水とを混合した前記原料水としてのマイクロバブル混合水を供給可能に構成されている。
また、請求項5記載のコンニャク糊製造装置は、請求項4記載のコンニャク糊製造装置において、前記マイクロバブル発生器は、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内の前記マイクロバブルと前記水とを混合した前記マイクロバブル混合水を供給可能に構成されている。
また、請求項6記載のコンニャク糊製造装置は、請求項4または5記載のコンニャク糊製造装置において、前記マイクロバブル発生器は、前記気泡入りコンニャクに含まれる前記マイクロバブルの総体積が当該気泡入りコンニャクの全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように当該マイクロバブルと前記水との混合比を設定可能に構成されている。
また、請求項7記載のコンニャク糊製造装置は、請求項4から6のいずれかに記載のコンニャク糊製造装置において、前記撹拌槽は、下半体が逆円錐状に形成され、前記原料水供給機構は、前記撹拌槽の前記下半体から前記マイクロバブル混合水を供給する。
また、請求項8記載のコンニャク糊製造方法は、コンニャク粉末および原料水を撹拌槽に供給し、前記撹拌槽に収容された前記コンニャク粉末および前記原料水を撹拌し、次いで前記撹拌槽内に前記原料水をさらに供給しつつ撹拌して気泡入りコンニャクの製造に用いるコンニャク糊を製造するコンニャク糊製造方法であって、マイクロバブルと水とを混合したマイクロバブル混合水を前記さらに供給する原料水として前記撹拌槽に供給して前記コンニャク粉末および当該マイクロバブル混合水を撹拌する。
また、請求項9記載のコンニャク糊製造方法は、請求項8記載のコンニャク糊製造方法において、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内の前記マイクロバブルと前記水とを混合した前記マイクロバブル混合水を供給する。
また、請求項10記載のコンニャク糊製造方法は、請求項8または9記載のコンニャク糊製造方法において、前記マイクロバブル混合水を供給する際に、前記気泡入りコンニャクに含まれる前記マイクロバブルの総体積が当該気泡入りコンニャクの全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように当該マイクロバブルと前記水との混合比を設定する。
また、請求項11記載のコンニャク糊製造方法は、請求項8から10のいずれかに記載のコンニャク糊製造方法において、下半体が逆円錐状に形成された前記撹拌槽の当該下半体から前記マイクロバブル混合水を供給する。
請求項1記載のコンニャクは、球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルを含有している。つまり、この気泡入りコンニャクは、μmオーダーの微細な気泡を多量に含有して構成されている。このため、この気泡入りコンニャクでは、多量のマイクロバブルの存在によって水分を隅々まで均一かつ速やかに浸透させることができる結果、料理に用いた際に料理の味を隅々まで均一かつ速やかに染み込ませることができる。また、この気泡入りコンニャクでは、多量のマイクロバブルの存在により、これまでにない特有の食感を生じさせることができる。さらに、この気泡入りコンニャクでは、特殊な原料等を用いることなく上記の各効果を生じさせることができるため、特殊な原料を用いることに起因する価格上昇が抑えられて、低価格を実現することができる。したがって、この気泡入りコンニャクでは、低価格でありながら上記のような各効果を生じさせることができる高い付加価値を有しているため、十分な消費拡大を図ることができる。
また、請求項2記載の気泡入りコンニャクでは、その直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内となるようにマイクロバブルが形成されている。この場合、マイクロバブルをこのように形成することで、特に優れた嗜好性を気泡入りコンニャクに付加することができる。したがって、この気泡入りコンニャクによれば、その付加価値を一層高めることができる。
また、請求項3記載の気泡入りコンニャクでは、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャクの全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように規定されている。この場合、マイクロバブルの総体積をこのように規定することで、特に優れた嗜好性を気泡入りコンニャクに付加することができる。したがって、この気泡入りコンニャクによれば、その付加価値を一層高めることができる。
また、請求項4記載のコンニャク糊製造装置、および請求項8記載のコンニャク糊製造方法では、マイクロバブルと水とを混合したマイクロバブル混合水をさらに供給する原料水として撹拌槽に供給してそのマイクロバブル混合水およびコンニャク粉末を撹拌してコンニャク糊を製造している。このため、このコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法では、マイクロバブル混合水を用いることで、特殊な原料や添加物等を用いたり、大掛かりな装置を用いて複雑な工程を行うことなく、微細なマイクロバブルを多量に含んだコンニャク糊を簡易な工程で製造することができる。したがって、このコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法によれば、コンニャク糊の製造コストを低く抑えることができる結果、付加価値が高く、しかも低価格の気泡入りコンニャクを製造することができる。
また、請求項5記載のコンニャク糊製造装置、および請求項9記載のコンニャク糊製造方法では、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルと水とを混合したマイクロバブル混合水を供給してコンニャク糊を製造している。このため、このコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法によれば、直径がこの範囲内のマイクロバブルをコンニャク糊に多量に含ませることができる結果、このコンニャク糊を用いることで、直径がこの範囲内のマイクロバブルを多量に含有して一層高い付加価値を有する気泡入りコンニャクを容易に製造することができる。
また、請求項6記載のコンニャク糊製造装置、および請求項10記載のコンニャク糊製造方法では、気泡入りコンニャクに含まれるマイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャクの全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるようにマイクロバブルと水との混合比を設定したマイクロバブル混合水を供給している。このため、このコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法によれば、総体積がこの範囲のマイクロバブルを含有して一層高い付加価値を有する気泡入りコンニャクを容易に製造することができる。
また、請求項7記載のコンニャク糊製造装置、および請求項11記載のコンニャク糊製造方法では、逆円錐状に形成された撹拌槽の下半体からマイクロバブル混合水を供給している。このため、供給したマイクロバブル混合水を撹拌槽の下半体から上半体に向けて均一に分散させることができる。したがって、このコンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法によれば、例えば、最初にコンニャク粉末および水を混合し、その混合物にマイクロバブル混合水を供給しつつ撹拌することで、その混合物とマイクロバブル混合水とを均一にしかも速やかに混合させることができる結果、マイクロバブルが均一に分散されたコンニャク糊を短時間で製造することができる。
以下、本発明に係る気泡入りコンニャク、コンニャク糊製造装置およびコンニャク糊製造方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、コンニャク糊製造装置1の構成について説明する。
図1に示すコンニャク糊製造装置1は、本発明に係るコンニャク糊製造装置の一例であって、図5に示すコンニャク糊製造工程40(本発明に係るコンニャク糊製造方法に準じた製造工程)を実行することにより、気泡入りコンニャク200(図4参照)を製造するためのコンニャク糊100(図9参照)を製造可能に構成されている。ここで、気泡入りコンニャク200は、本発明に係る気泡入りコンニャクの一例であって、内部に数多くの微細な気泡を含有している。この場合、この気泡入りコンニャク200には、一例として、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内の球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルで構成されると共に、その総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内の気泡が含有されている。
一方、コンニャク糊製造装置1は、図1,3に示すように、撹拌槽2、原料水供給機構3および攪拌機4を備えて構成されている。撹拌槽2は、上端部に開口部11aが形成された円筒状の上半体11と、上半体11の下端部にその上端部が連設されると共にその下端部に抜取り口12aが形成された逆円錐状の下半体12とで構成されている。この場合、撹拌槽2は、図7,8に示すように、コンニャク糊100の原料としてのコンニャク粉末51、水52(本発明における原料水の一例)、およびマイクロバブル混合水54(本発明におけるさらに供給する原料水の一例)を収容可能に構成されている。また、図1,3に示すように、撹拌槽2における下半体12の下端部側には、水52やマイクロバブル混合水54を供給するための配管31bが取り付けられている。さらに、図3に示すように、撹拌槽2における下半体12の抜取り口12aには、上記した各原料が攪拌機4によって混合(混練)されることで製造されるコンニャク糊100を次の工程(例えばアルカリを添加する工程)を行う装置に搬送するための配管31dがバルブ24cを介して接続されている。
ここで、上記したコンニャク粉末51は、コンニャク糊100の主原料であって、一例として、コンニャク芋を粉砕した粉末や、コンニャク芋に含まれるグルコマンナンを精製した精粉、またはこれらを適宜混合したものが用いられる。また、コンニャク糊100に用いる水52は、特に限定されないが、本実施例では、地下水を用いている。マイクロバブル混合水54は、多量のマイクロバブル(μmオーダーの気泡)を水52に含ませた原料水であって、後述するマイクロバブル発生器23によって生成される。
原料水供給機構3は、図3に示すように、給水ポンプ21、コンプレッサ22、マイクロバブル発生器23(図1,2も参照)およびバルブ24a,24bを備えて構成されている。給水ポンプ21は、水52を所定の水圧で供給する。コンプレッサ22は、圧縮空気53(図7参照)をマイクロバブル発生器23に供給する。マイクロバブル発生器23は、本発明におけるマイクロバブル発生器の一例であって、給水ポンプ21によって供給される水52に対して、コンプレッサ22によって供給される圧縮空気53を微細化(マイクロバブル化)しつつ混合することにより、マイクロバブルを含んだマイクロバブル混合水54を生成する。この場合、このマイクロバブル発生器23は、水52の供給量や供給圧力、および圧縮空気53の供給量や供給圧力を調整することにより、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルを水52に含ませることが可能に構成され、かつそのマイクロバブルと水52との混合比を任意に設定可能に構成されている。
バルブ24aは、図3に示すように、給水ポンプ21とマイクロバブル発生器23とを接続する配管31a,31aの間に配設されている。この場合、このバルブ24aの開放量を調節することで、マイクロバブル発生器23(撹拌槽2)に供給する水52の供給量を調整することが可能となっている。バルブ24bは、コンプレッサ22とマイクロバブル発生器23とを接続する配管31c,31cの間に配設されている。この場合、このバルブ24bの開放量を調節することで、マイクロバブル発生器23に対して供給する圧縮空気53の供給量、つまり水52にマイクロバブルとして含ませる圧縮空気53の供給量を調整することが可能となっている。
攪拌機4は、回転軸4a、回転翼4b(いずれも図1,3参照)、および図外のモータを備えて構成されている。この場合、攪拌機4は、撹拌槽2に収容されたコンニャク粉末51、水52およびマイクロバブル混合水54を撹拌して混合(混練)する。
次に、コンニャク糊製造装置1を用いて本発明に係るコンニャク糊製造方法(図5に示すコンニャク糊製造工程40)に従ってコンニャク糊100を製造する方法について、図面を参照して説明する。
まず、給水ポンプ21を作動させると共にバルブ24aを開いて、図6に示すように、撹拌槽2に対する水52の供給を開始する(コンニャク糊製造工程40の一次給水工程41)。次いで、所定量(一例として、撹拌槽2の容量の1/2程度)の水52が撹拌槽2内に供給された時点で、バルブ24aを閉じて、水52の供給を停止する。続いて、同図に示すように、水52が供給された撹拌槽2内に、開口部11aから所定量(一例として、一次給水工程41において供給した水52の重量に対して1/15〜1/20程度の重量)のコンニャク粉末51を投入する(コンニャク粉末投入工程42)。次いで、攪拌機4を起動して回転翼4bを回転させることにより、コンニャク粉末51と水52とを撹拌して混合する(一次撹拌工程43)。この際に、コンニャク粉末51と水52との混合が進むに従って両者が粘性を有する糊状に変化し、撹拌時間が経過するに従って両者の混合物の粘性が増加する。
続いて、一次撹拌工程43の開始時点から所定時間が経過した時点(コンニャク粉末51と水52との混合物の粘度が所定値以上となった時点)で、回転翼4bの回転を継続させた状態で、再びバルブ24aを開く。また、この時点で、コンプレッサ22を作動させると共にバルブ24bを開いて、マイクロバブル発生器23に対する圧縮空気53の供給を開始する。この際に、マイクロバブル発生器23が、給水ポンプ21によって供給される水52に対して、コンプレッサ22によって供給される圧縮空気53を微細化しつつ混合することにより、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルを多量に含んだマイクロバブル混合水54を生成する。この際に、バルブ24a,24bの開放量を調整して、水52の供給量や供給圧力、および圧縮空気53の供給量や供給圧力を調整することにより、マイクロバブルと水52との混合比を適宜設定する。この場合、一例として、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように、具体的には、マイクロバブルの総体積が水52の体積に対して6%以上60%以下の範囲内となるように設定する。これにより、図7に示すように、撹拌槽2に対するマイクロバブル混合水54の供給が開始される(マイクロバブル混合水供給工程(二次給水工程)44)。
次いで、回転翼4bの回転をさらに継続させることにより、上記した一次撹拌工程43で形成されたコンニャク粉末51および水52の混合物と、供給されるマイクロバブル混合水54とを撹拌して混合する(二次撹拌工程45)。この場合、このコンニャク糊製造装置1では、上部に向かうに従って徐々に大径となる逆円錐状に撹拌槽2の下半体12が形成されると共に、水52およびマイクロバブル混合水54を供給するための配管31bが下半体12の下端部に取り付けられている。このため、図8に示すように、配管31bから供給されたマイクロバブル混合水54が下半体12の下端部から上半体11に向かって均一に分散する。この結果、上記した一次撹拌工程43で形成されたコンニャク粉末51および水52の混合物とマイクロバブル混合水54とが二次撹拌工程45において均一にしかも速やかに混合される。
続いて、所定量(一例として、一次給水工程41において供給した水52の重量と同程度の重量)のマイクロバブル混合水54が撹拌槽2内に供給された時点で、バルブ24bを閉じて圧縮空気53の供給を停止すると共に、バルブ24aを閉じて水52の供給を停止する。次いで、所定時間だけ回転翼4bを回転させて撹拌を行った後に、回転翼4bの回転を停止させる。以上により、図9に示すように、コンニャク糊100の製造が完成する。この場合、コンニャク糊100が高い粘性を有しているため、マイクロバブル混合水54に含まれていたマイクロバブルがコンニャク糊100の外部に放出されることなく互いに独立または複数連続した状態でコンニャク糊100内に閉じこめられている。つまり、コンニャク糊製造装置1によって製造されたコンニャク糊100には、μmオーダー(例えば、直径が0.5μm以上1000μm以下)の球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルが多量にしかも均一に分散した状態で含まれている。この場合、このコンニャク糊製造装置1では、マイクロバブル発生器23によって生成したマイクロバブル混合水54を用いることで、特殊な原料や添加物等を用いたり、大掛かりな装置を用いて複雑な工程を行うことなく、上記のコンニャク糊100を上記した簡易な工程で製造することができる。このため、コンニャク糊100の製造コスト、ひいてはこのコンニャク糊100を用いて製造する気泡入りコンニャク200の製造コストを十分に低く抑えることが可能となっている。
次に、上記のようにして製造されたコンニャク糊100を用いて、気泡入りコンニャク200を製造する方法の一例について説明する。
まず、撹拌槽2における下半体12の抜取り口12aに取り付けられているバルブ24c(図9参照)を開いて、完成したコンニャク糊100を撹拌槽2から抜き取る。次いで、コンニャク糊100にアルカリ(例えば、水酸化カルシウム)を添加して混合する。続いて、アルカリを混合したコンニャク糊100を型に流し込む。続いて、その状態のコンニャク糊100を加熱する。この際に、コンニャク糊100が弾力性を有する不可逆的なゲル状となる。これにより、気泡入りコンニャク200が製造される。この場合、コンニャク糊100には、上記したマイクロバブルが多量にしかも均一に分散した状態で含まれている。このため、このコンニャク糊100を用いて製造した気泡入りコンニャク200には、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内の球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルが多量にしかも均一に分散した状態で含まれている。
なお、発明者は、気泡入りコンニャク200に含ませるマイクロバブルの最適な細かさ(直径)や最適な総体積(総量)を把握するため、次のような実験を行った。この実験では、マイクロバブル混合水54に含ませることのできるマイクロバブルの直径が互いに異なる(つまり性能が互いに異なる)複数種類のマイクロバブル発生器23を用意し、これらを付け替えて各マイクロバブル発生器23の種類毎に、上記のコンニャク糊製造工程40に従ってコンニャク糊100を製造した。この場合、各マイクロバブル発生器23の種類毎に、水52および圧縮空気53の供給量(つまり、コンニャク糊100に含ませるマイクロバブルの総体積)を変更して、各マイクロバブル発生器23の種類毎に複数種類のコンニャク糊100を製造した。続いて、各コンニャク糊100を用いて気泡入りコンニャク200をそれぞれ製造した。また、気泡の混入を抑えて製造した比較用のコンニャク糊を用いて、気泡を含有していない比較用のコンニャクを製造した。この場合、各コンニャク糊100、および比較用のコンニャク糊を互いに同じ容積の型に流し込んで気泡入りコンニャク200を製造した。次いで、上記のようにして製造した各気泡入りコンニャク200および比較用のコンニャクの重量を測定し、その測定結果と上記の型の容積(つまり、各気泡入りコンニャク200、および比較用のコンニャクの体積)とに基づき、各気泡入りコンニャク200に含まれているマイクロバブルの総体積の比率(気泡入りコンニャク200の全体の体積に対する比率)を算出した。
一方、上記のようにして製造した各気泡入りコンニャク200を用いた料理を作り、その料理を複数のモニターが試食して、各気泡入りコンニャク200における味の染み込み具合や食感の良否を評価する試食調査を行った。この試食調査の結果、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルを含んだマイクロバブル混合水54を生成可能なマイクロバブル発生器23を用いてコンニャク糊100を製造し、そのコンニャク糊100を用いて製造した気泡入りコンニャク200が最も優れているとの評価を得た。一方、直径が0.5μm未満のマイクロバブルを含んだマイクロバブル混合水54を生成可能なマイクロバブル発生器23を用いてコンニャク糊100を製造し、そのコンニャク糊100を用いて製造した気泡入りコンニャク200については、味の染み込みが少なく、食感の点においても比較用のコンニャクとの差がない(または少ない)との評価であった。また、直径が1000μmを超えるマイクロバブルを含んだマイクロバブル混合水54を生成可能なマイクロバブル発生器23を用いてコンニャク糊100を製造し、そのコンニャク糊100を用いて製造した気泡入りコンニャク200については、舌触りなどの点でやや劣るとの評価であった。
また、このマイクロバブル発生器23を用いて製造したコンニャク糊100を用いて製造した各気泡入りコンニャク200の中で、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内で含有されているものが最も優れているとの評価を得た。一方、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%未満のものについては、味の染み込みがやや少なく、食感の点においても比較用のコンニャクとの差がない(または少ない)との評価であった。また、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して30%を超えるものについては、舌触りなどの点でやや劣るとの評価であった。したがって、この試食調査の結果から、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内の球状またはほぼ球状に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルを、その総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内で含有している気泡入りコンニャク200が特に優れた嗜好性を有していることが明らかである。
このように、この気泡入りコンニャク200は、球状(ほぼ球状)に形成されて互いに独立または複数連続したマイクロバブルを含有している。つまり、この気泡入りコンニャク200は、μmオーダーの微細な気泡を多量に含有して構成されている。このため、この気泡入りコンニャク200では、多量のマイクロバブルの存在によって水分を隅々まで均一かつ速やかに浸透させることができる結果、料理に用いた際に料理の味を隅々まで均一かつ速やかに染み込ませることができる。また、この気泡入りコンニャク200では、多量のマイクロバブルの存在により、これまでにない特有の食感を生じさせることができる。さらに、この気泡入りコンニャク200では、特殊な原料等を用いることなく上記の各効果を生じさせることができるため、特殊な原料を用いることに起因する価格上昇が抑えられて、低価格を実現することができる。したがって、この気泡入りコンニャク200では、低価格でありながら上記のような各効果を生じさせることができるという高い付加価値を有しているため、十分な消費拡大を図ることができる。
また、この気泡入りコンニャク200では、その直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内となるようにマイクロバブルが形成されている。この場合、マイクロバブルをこのように形成することで、特に優れた嗜好性を気泡入りコンニャク200に付加することができる。したがって、この気泡入りコンニャク200によれば、その付加価値を一層高めることができる。
さらに、この気泡入りコンニャク200では、マイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるように規定されている。この場合、マイクロバブルの総体積をこのように規定することで、特に優れた嗜好性を気泡入りコンニャク200に付加することができる。したがって、この気泡入りコンニャク200によれば、その付加価値を一層高めることができる。
また、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法では、マイクロバブルと水52とを混合して生成したマイクロバブル混合水54をさらに供給する原料水として撹拌槽2に供給してそのマイクロバブル混合水54およびコンニャク粉末51を撹拌してコンニャク糊100を製造している。このため、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法では、マイクロバブル混合水54を用いることで、特殊な原料や添加物等を用いたり、大掛かりな装置を用いて複雑な工程を行うことなく、微細なマイクロバブルを多量に含んだコンニャク糊100を簡易な工程で製造することができる。したがって、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法によれば、コンニャク糊100の製造コストを低く抑えることができる結果、付加価値が高く、しかも低価格の気泡入りコンニャク200を製造することができる。
また、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法では、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルと水52とを混合したマイクロバブル混合水を用いてコンニャク糊100を製造している。このため、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法によれば、直径がこの範囲内のマイクロバブルをコンニャク糊100に多量に含ませることができる結果、このコンニャク糊100を用いることで、直径がこの範囲内のマイクロバブルを多量に含有して一層高い付加価値を有する気泡入りコンニャク200を容易に製造することができる。
また、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法では、気泡入りコンニャク200に含まれるマイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるようにマイクロバブルと水52との混合比を設定したマイクロバブル混合水54を供給している。このため、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法によれば、総体積がこの範囲のマイクロバブルを含有して一層高い付加価値を有する気泡入りコンニャク200を容易に製造することができる。
また、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法では、上部に向かうに従って徐々に大径となる逆円錐状に形成された撹拌槽2の下半体12からマイクロバブル混合水54を供給している。このため、供給したマイクロバブル混合水54を下半体12の下端部から上半体11に向けて均一に分散させることができる。したがって、このコンニャク糊製造装置1およびコンニャク糊製造方法によれば、最初に(上記した一次撹拌工程43において)コンニャク粉末51および水52を混合し、その混合物にマイクロバブル混合水54を供給しつつ撹拌することで、その混合物とマイクロバブル混合水54とを均一にしかも速やかに混合させることができる結果、マイクロバブルが均一に分散されたコンニャク糊100を短時間で製造することができる。
なお、本発明は、上記の構成および上記の製造方法に限定されない。例えば、直径が0.5μm以上1000μm以下の範囲内のマイクロバブルを含ませたマイクロバブル混合水54を供給してコンニャク糊100を製造する例について上記したが、マイクロバブルの大きさ(直径)はこの範囲に限定されず、μmオーダーの微細なものである限り任意に規定することができる。また、気泡入りコンニャク200に含まれるマイクロバブルの総体積が気泡入りコンニャク200の全体の体積に対して3%以上30%以下の範囲内となるようにマイクロバブルと水52との混合比を設定した例について上記したが、両者の混合比はこの範囲に限定されず、任意に設定することができる。
また、上記したコンニャク糊製造工程40の一次給水工程41において水52を供給する例について説明したが、この水52に代えてマイクロバブル混合水54を供給することもできる。また、乳化剤を添加した水52にマイクロバブルを含ませたマイクロバブル混合水54を用いてコンニャク糊100を製造する構成および製造方法を採用することもできる。この場合、乳化剤を添加することで、マイクロバブル混合水54に含まれるマイクロバブルがさらに微細になることが発明者の実験結果から明らかとなっている。このため、この構成および製造方法を採用することで、触感や特性をさらに多彩に変化させることができるため、料理や消費者の嗜好に合わせて、味の浸み具合や食感などの特性が異なる数多くの種類の気泡入りコンニャク200を製造することができる。
また、上部が円筒状で下半体12が逆円錐状の撹拌槽2を用いる構成例について上記したが、撹拌槽2の形状はこれに限定されず、任意の形状の撹拌槽2を用いることができる。また、配管31a〜31dやバルブ24a〜24cの配置などについても適宜変更することができる。