JP2009209298A - 透明樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性の高い非晶性環状オレフィン系樹脂を用いた成形体を幅広い成形条件で得ること、及び非晶性環状オレフィン系樹脂を用いた成形体の透明性を向上させる。
【解決手段】非晶性環状オレフィン系樹脂と、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩とを含有する透明樹脂組成物を用いる。ロジン酸金属塩の金属元素と、脂肪酸金属塩の金属元素とが同種であることが好ましく、ロジン酸金属塩の金属元素がマグネシウムであることがさらに好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、非晶性環状オレフィン系樹脂を用いた透明度の高い透明樹脂組成物に関する。
非晶性環状オレフィン系樹脂は、主鎖に環状オレフィンの骨格を有する樹脂であり、高透明性、低複屈折性、高熱変形温度、軽量性、寸法安定性、低吸水性、耐加水分解性、耐薬品性、低誘電率、低誘電損失、環境負荷物質を含まない等、多くの特徴をもつ樹脂である。このため、非晶性環状オレフィン系樹脂は、これらの特徴が必要とされる多種多様な分野に用いられている。
とりわけ、高耐熱性、高透明性、及び、低複屈折性を発揮できる点から、非晶性環状オレフィン系樹脂は、レンズ、導光板、回折格子等の光学デバイス、建築ならびに照明分野等の産業材における透明な成形加工品の材料として用いられている。
ところで、非晶性環状オレフィン系樹脂は、成形時に成形体表面にスプレーマークが発生する等して成形品の透明性を阻害する場合があった。このような透明性の阻害は非晶性環状オレフィン系樹脂のゲル化成分によることが知られている。成形品の透明性や表面の平滑性が損なわれることで、成形品の商品性や性能を損なうことがあった。これらの問題は、非晶性環状オレフィン系樹脂に対して、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩を滑剤として加えることで解決できるとされていた(特許文献1、2)。
ここで、スプレーマークとは成形体表面に現れるフローマークの一種である。スプレーマークの発生原因は、射出成形における樹脂の可塑化時に発生する環状オレフィン系樹脂のゲル化成分である。樹脂を金型に充填する際、ゲル化成分が金型表面に転写されることによって表面の平滑性が失われ、さらに成形体の性能や商品性が損なわれる。
しかし、非晶性環状オレフィン系樹脂に対して脂肪酸アミド滑剤を加える場合、非晶性環状オレフィン系樹脂に対して脂肪酸金属塩を加える場合、又は非晶性環状オレフィン系樹脂に対して脂肪酸アミド及び脂肪酸金属塩を加える場合であっても、ゲル成分の発生を効果的に抑えることはできない。
特開平9−104061号公報 特開2006−321902号公報
上記の通り特許文献1、2に記載されているような技術を用いても、ゲル成分の発生を効果的に抑えることはできず、また、透明性の高い非晶性環状オレフィン系樹脂を用いた成形体を得るための成形条件の幅が狭いことが問題となっている。非晶性環状オレフィン系樹脂成形体の透明性の向上とともに、さらなる改善が求められている。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、成形体表面に現れるスプレーマークの発生を抑え、透明性の高い非晶性環状オレフィン系樹脂を用いた成形体を幅広い成形条件で成形できるようにする透明樹脂組成物を提供することにある。
本発明の発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、可塑化時の樹脂ペレット同士の摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分は、非晶性環状オレフィン系樹脂に脂肪酸エステルや脂肪酸アミドを配合することによって抑えることができる傾向にあること、可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分は、非晶性環状オレフィン系樹脂に脂肪酸金属塩を配合することによって抑えることができる傾向にあること、及び非晶性環状オレフィン系樹脂に対して、さらにロジン酸金属塩を配合させることでゲル成分の発生を効果的に抑えることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 非晶性環状オレフィン系樹脂と、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩と、を含有する透明樹脂組成物。
(2) 前記ロジン酸金属塩の金属元素と、前記脂肪酸金属塩の金属元素と、が同種である(1)に記載の透明樹脂組成物。
(3) 前記ロジン酸金属塩の金属元素がマグネシウムである(1)又は(2)に記載の透明樹脂組成物。
(4) 前記脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドが、ペンタエリスリトールテトラステアレート、エチレンビスステアリルアミドの中から選ばれる少なくとも1種類以上である(1)から(3)のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
(5) 前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛の中から選ばれる少なくとも1種以上である(1)から(4)のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
(6) 前記ロジン酸金属塩の含有量が、0.1質量%から5質量%であり、前記脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドの含有量が、0.1質量%から3質量%である(1)から(5)のいずれかに記載の透明性樹脂組成物。
(7) 前記ロジン酸金属塩の含有量が、0.1質量%から5質量%であり、前記脂肪酸金属塩の含有量が、0.01質量%から0.1質量%である(1)から(6)のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の透明樹脂組成物を成形してなる光学部品。
本発明によれば、非晶性環状オレフィン系樹脂に対して、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、及び脂肪酸金属塩とを配合することで、可塑化時の樹脂ペレット同士の摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分、及び可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分の両者を効果的に抑制し、従来のものと比べて透明性の向上や成形条件の幅を広げることができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の透明樹脂組成物とは、非晶性環状オレフィン系樹脂の成形時に生じるゲル成分の発生を抑えて、得られる成形体の透明性を維持することを可能とする非晶性環状オレフィン系樹脂を主体とした透明な樹脂組成物のことをいう。透明とは可視光の少なくとも一部を透過するものであれば、透過率等は特に限定されないが、光学部品として用いる場合には用途にもよるが、成形体は、光路長2mmにおいて測定した場合の波長400nm〜750nmにおける光線透過率が80%以上の高い透明性が必要になる場合がある。本発明の透明樹脂組成物を用いれば、成形の際にゲル成分の発生を抑制することができるので、容易に光学部品に必要な高い透明性を実現することができる。
以下、本発明について、非晶性環状オレフィン系樹脂、ロジン酸金属塩、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、の順で説明する。
<透明樹脂組成物に含まれる成分>
[非晶性環状オレフィン系樹脂]
以下、本発明の透明樹脂組成物の必須成分となる非晶性環状オレフィン系樹脂について説明する。本発明に用いられる非晶性環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、
(a1)環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、
(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物、
(a3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物、を挙げることができる。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む非晶性環状オレフィン系樹脂としては、
(a4)上記(a1)〜(a3)の樹脂に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したもの、を含む。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
なお、本発明における「非晶性」とは、溶融状態から徐冷して固化した高分子であっても、X線回折において結晶由来の回折が観測されず、アモルファスハローのみが観測される場合、又は、走査型示差熱量計による測定において、ガラス転移点以外に結晶由来の一次転移ピークが存在しないことを意味する。
本発明においては、上記の環状オレフィン成分を共重合成分として含む非晶性環状オレフィン系樹脂(a1)〜(a4)は、1種単独であっても、二種以上を混合使用してもよい。本発明においては、(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物を好ましく用いることができる。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む非晶性環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている非晶性環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。
本発明の組成物に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体としては、特に限定されるものではない。特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分と、を含む共重合体を挙げることができる。
Figure 2009209298
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体の共重合成分となる炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体において、共重合成分となる一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。
一般式(I)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。
〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により得ることができる。本発明に好ましく用いられる環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物は、メタロセン系触媒を用いて製造されることが好ましい。
メタセシス触媒としては、シクロオレフィンの開環重合用触媒として公知のモリブデン又はタングステン系メタセシス触媒(例えば、特開昭58−127728号公報、同58−129013号公報等に記載)が挙げられる。また、メタセシス触媒で得られる重合体は無機担体担持遷移金属触媒等を用い、主鎖の二重結合を90%以上、側鎖の芳香環中の炭素−炭素二重結合の98%以上を水素添加することが好ましい。
〔その他共重合成分〕
本発明の組成物に特に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体は、上記の〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボンネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、4,9,5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン;2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン;2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等を挙げることができる。これらのうちでは、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、及び環状非共役ジエン、とりわけ、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエンが好ましい。
[ロジン酸金属塩]
ロジン酸金属塩単体では、ゲル成分の発生を抑える効果がないにもかかわらず、本発明の透明樹脂組成物は、ロジン酸金属塩を配合することで、後述する脂肪酸エステル又は脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩の配合により得られるゲル成分発生を抑える効果を増強させることができる。
ここで、ロジンとは、マツ類の樹脂すなわち松脂の水蒸気蒸留でテレビン油を除いた残渣であり、半透明淡黄色の固体である。ロジン成分の約90%は、アビエチン酸等の樹脂酸である(理化学辞典(第4版)1410頁)。ロジン酸とは、上記樹脂酸の事を指す。
また、アビエチン酸とは、下記一般式(II)で表される構造を持つ3環式ジテルペンに属するカルボン酸であり、別名シルビン酸ともいう。松脂をアルコール浸出、過熱水蒸気蒸留、あるいは減圧蒸留して得られる、黄色又は樹脂状の粉末である(理化学辞典(第4版)26頁)。
Figure 2009209298
本発明に用いられるロジン酸は、上記の一般式(II)で表される化合物に限らず、一般式(III)で表されるアビエチン酸の水素添加物、一般式(IV)で表されるデヒドロアビエチン酸、一般式(V)で表されるジヒドロアビエチン酸であってもよい。
Figure 2009209298
Figure 2009209298
Figure 2009209298
また、本発明におけるロジン酸は、上記の一般式(II)、(III)、(IV)、及び(V)で表される化合物からなる群より選ばれる1種単独であっても、また2種以上の混合物であってもよい。
ロジン酸が部分塩である場合には、その金属の当量に対するカルボキシル基の当量は特に限定されるものではない。用いる金属によって適宜選択することができる。例えば、金属としてカルシウムを用いる場合には、ロジン酸部分カルシウム塩のカルシウムの等量/カルボキシル基の等量(%)は、47.5%であることが好ましい。金属としてマグネシウムを用いる場合には、ロジン酸部分マグネシウム塩のマグネシウムの等量/カルボキシル基の等量(%)は、約20%であることが好ましい。
後述する脂肪酸金属塩は、可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を抑えやすい傾向にあるが、脂肪酸金属塩のみでは、可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を効果的に抑えることができない。しかし、ロジン酸金属塩を併用することで、脂肪酸金属塩による上記ゲル成分発生を抑える効果を高めることができる。その結果、本発明によれば十分な上記ゲル成分発生を抑制する効果が得られる。ロジン酸金属塩単体ではゲル成分の発生を抑える効果がないにもかかわらず、併用することで脂肪酸金属塩により得られる効果を増強できる理由はロジン酸金属塩と脂肪酸金属塩、2種類の両親媒性物質を混合することにより、両者の相互作用によってロジン酸金属塩にもペレットとスクリューあるいはバレルとの摩擦低減作用が発現するものと推測される。特に、ロジン酸金属塩の金属元素と、後述する脂肪酸金属塩の金属元素とが同種であれば添加剤同士の副反応が起こらず系が安定するので好ましい。
ロジン酸金属塩と、脂肪酸金属塩との配合比は特に限定されないが、脂肪酸金属塩に対してロジン酸金属塩の比率が高すぎるとスプレーマーク低減に効果が低いという問題が生じる可能性があり、ロジン酸金属塩に対して脂肪酸金属塩の比率が高すぎると、ロジン酸金属塩を添加することによる、スプレーマーク低減相乗効果が低いという問題が生じる可能性がある。ロジン酸金属塩と、脂肪酸金属塩との好ましい質量比(ロジン酸金属塩:脂肪酸金属塩)は、100:1〜1:1程度である。
ロジン酸金属塩の配合量は、0.1質量%から5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%から2質量%である。0.1質量%以上であれば、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドや脂肪酸金属塩の持つゲル成分発生防止効果をさらに高めることができるので好ましく、5質量%以下であれば、ロジン酸金属塩が樹脂に溶け込まず相分離を起こし、成形体の透明性を損なうことがないので好ましい。
[脂肪酸エステル又は脂肪酸アミド]
本発明の透明樹脂組成物は、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドを含む。脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドを滑剤として使用することで、可塑化時の樹脂ペレット同士の摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を抑えることができる。
本発明で使用可能な脂肪酸エステルに特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の炭素数12〜32の脂肪酸と、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の1価脂肪族アルコールや、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン等の多価脂肪族アルコールとのエステル化合物、脂肪酸と多塩基性有機酸と1価脂肪族アルコール又は多価脂肪族アルコールの複合エステル化合物等を用いることができる。このような脂肪酸エステル系滑剤としては、例えば、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、クエン酸ステアリル、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンジオレエート、グリセリントリオレエート、グリセリンモノリノレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンジ12−ヒドロキシステアレート、グリセリントリ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンジアセトモノステアレート、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールアジピン酸ステアリン酸エステル、モンタン酸部分ケン化エステル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ソルビタントリステアレート、等を挙げることができる。これらの脂肪酸エステル系滑剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中では、ペンタエリスリトールテトラステアレートが非晶性環状オレフィン系樹脂に対する相溶性が高く成形体の透明性を維持でき、スプレーマーク低減の効果が高いため、特に好適に用いることができる。脂肪酸エステル系滑剤は、非晶質ポリエステル樹脂との相溶性が良好であり、樹脂組成物の透明性を損なうことなく、成形性を向上することができる。
本発明に用いられる脂肪酸アミド系滑剤についても特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。例えばラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等の置換アミド;メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミド;m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド等が挙げられ、これらの中でも、非晶性環状オレフィン系樹脂に対する相溶性が高く、成形体の透明性を維持でき、スプレーマーク低減の効果が高いことや、得られる透明樹脂組成物の加工性が優れることから、エチレンビスステアリルアミドであることが特に好ましい。
上記脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドの配合量は、0.1質量%〜3質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上であれば、可塑化時の樹脂ペレット同士の摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を効果的に抑えることができ、3質量%以下であれば成形の際に不具合を生じたり、滑剤の使用により透明性が低下したりすることを防ぐことができるので好ましい。
[脂肪酸金属塩]
本発明に用いられる脂肪酸金属塩とは、高級脂肪酸の金属塩を指し、例えばステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2−エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、2塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられ、その中でも得られる透明樹脂組成物の加工性が優れ、極めて透明性に優れたものとなることから、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等であることが特に好ましい。
また、上述の通り、脂肪酸金属塩とロジン酸金属塩との併用で、可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を効果的に抑えることができる。そして、脂肪酸金属塩の金属とロジン酸金属塩の金属が同種であれば、さらに上記の効果が高まるので好ましい。
脂肪酸金属塩は、特に可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分の抑制に効果があり、上述の脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドは、特に可塑化時の樹脂ペレット同士の摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分の抑制に効果がある。このため両者を併用する方法であれば少ない量の滑剤であっても従来のものと比べて、ゲル成分発生の抑制に効果がある。本発明では、ロジン酸金属塩を配合することで、さらにその効果を増強することができる。
上記脂肪酸金属塩の配合量は、0.01質量%〜0.1質量%であることが好ましい。配合量が0.01質量%以上であれば、可塑化時の樹脂ペレットと射出成形機等のスクリュー又はバレルとの摩擦によって生じるせん断により発生するゲル成分を効果的に抑えることができ、0.1質量%以下であれば成形の際に不具合を生じたり、滑剤の使用により透明性が低下したりすることを防ぐことができるので好ましい。
[その他の成分]
本発明の透明樹脂組成物には、必要な場合にはその他の滑剤を含有してもよい。その他の滑剤としては、例えば、炭化水素系滑剤、アルコール系滑剤等が挙げられる。
また、本発明の透明樹脂組成物は、必要な場合に酸化防止剤、安定剤等の添加剤を配合してもよい。
<透明樹脂組成物>
一種類の滑剤のみですべての特性を満足することは難しいことも多いが、本発明の透明樹脂組成物は、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩と、を併用することで成形時に生じるゲル成分の発生を効果的に抑えることができ、そこにロジン酸金属塩を配合することでゲル成分の発生を抑制する上記効果をさらに増強することができる。その結果として、本発明によれば、十分にゲル成分発生を抑えることができ、遅い射出速度、低い金型温度でも成形できる等成形条件の幅も広げることができる。
本発明の透明樹脂組成物の製造方法は、特定の環状オレフィン重合体と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩を一般的な混合、混練を行うことにより製造することができ、その際の混合、混練装置としては、例えば単軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の溶融混練装置を挙げることができる。また、溶媒中にそれぞれの成分を溶解、あるいは分散させて混合する方法であってもよい。
さらに、本発明の透明樹脂組成物には可視光線、紫外線、近赤外線等の光の照射による熱着色や光劣化を防止する目的で、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤等を必要に応じて含有しても良い。また、流動性、靱性を付与する目的にて、透明性を損なわない範囲において、可塑剤を必要に応じて含有しても良い。さらに、酸化防止剤、顔料、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、染料、オイル等を必要に応じて含有しても良く、透明性が損なわれない場合においてのみその他の樹脂を含有しても良い。
本発明の透明樹脂組成物は、従来公知の成形方法により成形体とすることができ、例えば射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト法射出成形、押出成形、多層押出成形、回転成形、熱プレス成形、ブロー成形、発泡成形等の方法により、射出成形体、チューブ、シート、フィルム、パイプ、ボトル等に成形することができる。本発明の透明樹脂組成物を成形してなる成形体は、透明性、耐熱性、外観に優れているため特に光学部品に好ましく用いることができる。特に光学部品製造の際には射出速度を遅くすることが、分子の配向を抑え、複屈折を低減することができるため好ましい。遅い射出速度では可塑化時に発生したゲルが金型表面に転写され、スプレーマークが発生しやすいため、従来の透明樹脂組成物では要求される射出速度で成形することができなかった。しかし、本発明の透明樹脂組成物を用いれば、従来のものと比べて、ゲル成分発生を大幅に抑えることができるため、遅い射出速度であっても透明性に優れた成形体を得ることができる。
また、透明性の高い光学部品を得るためには、金型温度が低いことが好ましい。用いる透明樹脂組成物にもよるが、金型温度は、その用いる透明樹脂組成物のガラス転移点を基準として、Tg−10℃以下であることが好ましい。金型温度が上記範囲を超えた場合、射出成形時に金型内での冷却時間が長くなり、成形サイクルが長くなるため好ましくない。
光学部品としては、例えば液晶表示素子、有機EL素子、プラズマディスプレイ及び電子ペーパー、ディスプレイ用カラーフィルター基板、ナノインプリント基板、ITOや導電性樹脂層を積層した透明導電フィルム及び透明導電膜、タッチパネル、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、近赤外線カットフィルム、光拡散フィルム、反射防止フィルム、高反射フィルム、半透過半反射フィルム、NDフィルター、ダイクロイックフィルター、電磁波シールドフィルム、ビームスプリッター、光通信用フィルター、カメラレンズ、ピックアップレンズ、F−θレンズ等の光学レンズ及びプリズム類、MD、CD、DVD等の光学記録基板等が挙げられる。
<透明樹脂組成物の製造>
表1、2に示す材料を表1、2に示す配合で、二軸押出機(日本製鋼所社製、商品名:TEX30)を用いてシリンダー温度250℃にて溶融混練し、実施例及び比較例の透明樹脂組成物ペレットを得た。
<成形体の作製>
得られた実施例及び比較例のペレットを用いて、射出成形機(住友重機械社製、商品名:SE75D)にて、下記の条件に従って70mm×70mm×1mmの平板を成形し、スプレーマークの発生しない最低の射出速度を測定した。測定結果を表1に示す。
[成形条件]
シリンダー温度:280−270−270−270−260℃
金型温度:110℃設定
計量:40mm
V−P切替:7mm
射出速度:20〜80mm/s(5mm/s毎に測定)
保圧力:保圧40MPa×保圧時間0.5秒の後、保圧30MPa×保圧時間10秒
スクリュー回転数:150rpm
背圧:10MPa
クッション量:4mm〜5mm
冷却時間:40秒
Figure 2009209298
実施例と比較例の限界射出速度から分かるように、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩とを含有する透明樹脂組成物を用いることにより、スプレーマークの発生を抑え透明性の高い成形品を得ることができることが確認された。
実施例1〜3の限界射出速度の結果から分かるように、ロジン酸金属塩の金属元素と脂肪酸金属塩の金属元素とが同種であれば、透明性がより向上することが確認された。

Claims (8)

  1. 非晶性環状オレフィン系樹脂と、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩と、を含有する透明樹脂組成物。
  2. 前記ロジン酸金属塩の金属元素と、前記脂肪酸金属塩の金属元素と、が同種である請求項1に記載の透明樹脂組成物。
  3. 前記ロジン酸金属塩の金属元素がマグネシウムである請求項1又は2に記載の透明樹脂組成物。
  4. 前記脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドが、ペンタエリスリトールテトラステアレート、エチレンビスステアリルアミドの中から選ばれる少なくとも1種類以上である請求項1から3のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
  5. 前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛の中から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1から4のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
  6. 前記ロジン酸金属塩の含有量が、0.1質量%から5質量%であり、
    前記脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドの含有量が、0.1質量%から3質量%である請求項1から5のいずれかに記載の透明性樹脂組成物。
  7. 前記ロジン酸金属塩の含有量が、0.1質量%から5質量%であり、
    前記脂肪酸金属塩の含有量が、0.01質量%から0.1質量%である請求項1から6のいずれかに記載の透明樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の透明樹脂組成物を成形してなる光学部品。
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