JP2009277997A - 発光素子被覆用混合ガラス粉末、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置 - Google Patents

発光素子被覆用混合ガラス粉末、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光体を含有して半導体発光素子を400℃以下で封止し、封止後の発光効率を向上させることができる発光素子被覆用混合ガラス粉末、それを用いたガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置を提供する。
【解決手段】発光素子を封止することのできる発光素子被覆用ガラス粉末であって、レーザー回折式粒度分布測定による、ガラス粉末中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下であるガラス粉末と、蛍光体粉末とを備え、電流10mAで操作した半導体発光素子を封止した際の発光効率は、電流10mAで操作した半導体発光素子の発光効率に比べて2倍以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はガラスに関し、特に、発光素子を被覆するガラスのガラス粉末、それを用いて被覆されたガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置に関する。
近年、半導体発光素子(例えば、発光ダイオード)を被覆する部材として、ガラスが提案されている。一般的にガラスでの封止温度は500℃以上と高く、低温(400℃以下)とすることが求められている。さらに、ガラスに蛍光体を含有させ、所望の光を発せられるようにすることも求められている。下記の特許文献1及び2は、蛍光体を含有し、封止温度(焼成温度)が400℃以下のガラスを開示している。特許文献3は、封止温度(焼成温度)が400℃以下のガラスを開示している。
特開2008−19421号公報 特開2008−21868号公報 特開2008−34802号公報
しかしながら、特許文献1〜3のいずれの文献も、封止後の発光効率は、封止前の発光効率に比べて同等以下である。
詳細に説明すると、特許文献1は、実施例1〜19及び21〜24及び比較例25において、蛍光体を含有し、焼成温度が400℃以下のガラスを開示している。特許文献1は、段落番号0074に記載されているように、「発光効率は、電流20mAで操作した青色LED(波長465nm)上に試料を設置し、積分球内で、試料上面から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定し」と記載している。つまり、特許文献1は、ガラスを実際に封止していない。加えて、特許文献1の発光効率は、単に搭載しただけであっても、搭載前後での発光効率は同等であり、搭載後のガラスにより発光効率が改善したという開示及び示唆はない。よって、特許文献1のガラスは、発光効率を向上させるという機能を有していない。
次に、特許文献2は、実施例7及び比較例8において、蛍光体を含有し、焼成温度が400℃以下のガラスを開示している。特許文献2は、段落番号0058に記載されているように、「発光効率は、電流20mAで操作した表に示す波長の入射光を試料の片面に入射し、入射面の反対側の面から発せられた光を汎用の蛍光スペクトル装置を用いて発光スペクトルを測定し」と記載している。つまり、特許文献2は、ガラスを実際に封止していないので、特許文献2のガラスが発光効率を向上させているということが当業者にはわからない。
次に、特許文献3は、実施例1〜23及び比較例25において、焼成温度が400℃以下のガラスを開示している。特許文献3は、段落番号0067〜0069に記載されているように、「得られたガラス粉末を金型に入れて円盤状の成型体を作成し、封止材料を得た。LED上に封止材料を配置し、加熱して発光素子を得た。封止前、封止後及び耐候性試験後の発光効率を測定し」と記載している。特許文献3は、他の特許文献と比べ、ガラスを実際に封止している。しかしながら、表1〜表4に示されるように、封止後の発光効率は、封止前の発光効率よりも劣っている。よって、特許文献3のガラスは、発光効率を向上させるという機能を有していない。また、蛍光体を含有していない。
本発明の一態様の発光素子被覆用混合ガラス粉末は、レーザー回折式粒度分布測定による、前記ガラス粉末中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下であるガラス粉末と、蛍光体粉末とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の一態様のガラス被覆発光素子は、蛍光体粉末を含有しレーザー回折式粒度分布測定による粉末中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下である混合ガラス粉末を用いて作製されたガラスによって被覆されたことを特徴とする。
また、本発明の一態様のガラス被覆発光装置は、基板と、基板上に搭載される発光素子と、蛍光体粉末を含有し、レーザー回折式粒度分布測定による粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下である混合ガラス粉末を焼成することによって発光素子の表面及び側面を覆うガラスとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、蛍光体を含有して半導体発光素子を400℃以下で封止し、封止後の発光効率を向上させることができる発光素子被覆用混合ガラス粉末、それを用いたガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態を、添付した図面を参照して以下に詳細に説明する。図では、対応する部分は、対応する参照符号で示している。下記の実施形態は、一例として示されたもので、本発明の精神から逸脱しない範囲で種々の変形をして実施することが可能である。
初めに、図面を用いて、ガラス被覆発光装置について説明する。
図1は、本発明のガラス被覆発光装置の断面図である。本発明のガラス被覆発光装置は、基板100と、基板上に形成される配線110と、配線110と電気的に接続されるバンプ120と、バンプ120を介して配線110と電気的に接続される半導体発光素子(例えば、発光ダイオード)130と、半導体発光素子130を被覆する被覆部材であるガラス140とを有する。
基板100は、例えば、純度98.0質量%〜99.5質量%、厚さ0.5mm〜1.2mmの矩形のアルミナ基板またはマグネシア(MgO)基板である。なお、基板100の表面に形成される配線110は、金若しくは銀ペーストにより製造された金配線である。
半導体発光素子130は、基板と、LEDと、プラス電極と、マイナス電極とを有する。LEDは、波長が360〜480nmの紫外光または青色光を放出するLEDであり、GaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造のLED(InGaN系LED)である。基板の熱膨張係数(α)は、70×10−7〜90×10−7/℃である。通常、基板として熱膨張係数(α)が約80×10−7/℃であるサファイア基板が使用される。
次に、本発明の発光素子被覆用ガラスについて説明する。
本発明の発光素子被覆用ガラス粉末(ガラスフリット)は、所望の組成となるように調整されたガラス混合原料を溶解してガラス化し、そのガラスを粉砕して得られるものをいう。
本発明の発光素子被覆用ガラスの粉砕操作は、乾式で行うことが好ましい。湿式であると、混合した後の粒子の周りに、OH基が付着する。そのため、400℃以下で焼成した後に、ガラスが黒色化してしまうおそれがある。乾式で操作を行う際の雰囲気としては、空気、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンキセノン、フッ素、塩素、臭素、ノックス(NOx)、ソックス(SOx)、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、塩素あるいはこれらのガスの混合雰囲気を採用してもよい。さらに、これらの気体の圧力は任意に変化させることが可能であり、大気圧下で行うものであっても、減圧状態下、高圧状態下で行うものであってもよい。
粒度分布の計測については、どのような原理であってもよいが、それぞれの粒子を分散した状態で測定することができる方法であって、測定結果の再現性が5%以内に収まる方法であり、ハンドリングによる個人差が出にくいものであれば好適である。例えば、縮分操作した試料によるレーザー回折計測装置による計測を採用するのが好ましい。また焼結した原料の計測の場合には、電子顕微鏡や各種微細構造の観測装置と得られた画像の解析装置等を併用することによって、粒度分布を計測することで代用することも可能である。本発明の発光素子を被覆するガラス粉末は、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100)を用いた測定において、粉末ガラス中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下である。1%以上であると封止後のガラスが不透明になるおそれがある。1%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。また、粉末ガラス中の粒径45μm以下の粒子の相対粒子量が10%以下であることが好ましい。10%以上であると、プロセス条件によっては封止後のガラスが不透明になるおそれがある。一方、本発明の発光素子を被覆するガラス粉末は、ガラス粉末中の粒径250μm以上の粒子を含まないことが好ましい。250μm以上の粒子を含むと、LED素子を均質に封止できないおそれがある。
本発明の発光素子被覆用ガラスの粉砕操作は、所望の混合効果を実現することが可能であるならばどのような粉砕装置を使用することも可能である。例えば、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して粉砕することが可能である。なお、あまりにも細かく粉砕することは、好ましくない粒径の粒子を多数発生させてしまう原因にもなるので、所望の粒径となった以降は、それ以上粉砕しないことが重要である。そのためにも、例えば、所望の粒子は通過させないような網目を有する篩や、サイクロン分級機を用いて、所望の粒子を取り出すという作業を行うことが好ましい。
ここで、ボールミルとは、すなわち、ボールと呼ばれるメディアとしてセラミックスや天然鉱石等を使用し、そのメディアを被粉砕物の表面へ繰り返し衝突させることで、被粉砕物を徐々に破砕、粉砕していく加工装置である。このボールミルとしては、最も一般的な円筒形や円錐形の容器内で粉砕を行う転動型のボールミル(狭義のボールミル)、ボールに微振動を付与することで微粉砕を行う振動ミル、ボールに加速を与えて粉砕効率を向上させた媒体遊星ミル等を含むものである。この装置を作動する環境内の酸素濃度、窒素濃度、二酸化炭素濃度等を調整することによって、本発明の製造方法を実現することもできる。また、媒体撹拌ミルとは、ボールミル同様にメディアを被粉砕物に衝突させるが、メディアを収納する容器内にディスクや翼状の回転体を設けてメディアに複雑な運動をさせるものであって、効率的な粉砕が可能となる粉砕装置である。媒体撹拌ミルとしては、一般にスタンプミル型、アニラーミル型、タワーミル型、サンドグラインダミル型、アトライタミル型等が使用可能である。さらに、気流式粉砕機とは、高速ジェット気流等によって被粉砕物を強制的に衝突させて粉砕を行う方式を採用した粉砕装置であって、粒度の揃った粉末を調整するに好適である。そして特に、本装置を利用する際には、利用するジェット気流そのものを高湿度環境に保持されるように調整した雰囲気とすることによって、所望の粉砕環境を実現することも可能である。また、前述の粉砕装置は、単独で使用してもよいし、他の粉砕装置などと接続することによって連続したプラント設備として利用することも可能であって、利用者の要望や、粉砕する封着材料の種類、量、用途などに応じて適宜選択することが可能である。
本発明の発光素子を被覆するガラスは、400℃以下での被覆処理が可能となる。例えばSnO−P系ガラス組成物の場合、ガラス転位温度(Tg)は285℃〜300℃の範囲にある。
本発明のガラス組成物の熱膨張係数(α)は、130×10−7/℃以下であることが好ましく、128×10−7/℃以下であることがより好ましい。熱膨張係数(α)が130×10−7/℃を超えると、ガラスで発光素子を被覆した後、この素子を室温まで冷却する過程においてまたはその後の工程において、ガラスの発光素子に接する部分を起点として割れが発生するおそれがある。また、例えばSnO−P系ガラス組成物の場合、熱膨張係数(α)は、110×10−7/℃以上であることが好ましく、115×10−7/℃以上であることがより好ましい。例えばSnO−P系ガラス組成物の場合、熱膨張係数(α)が110×10−7/℃未満では、ガラス転移温度(Tg)が上昇する。
本発明の発光素子を被覆するガラスは、TeO、B、SiO若しくはPの少なくとも1種以上をネットワークフォーマーとして含有する。具体的には、TeO−ZnO系、B−Bi系、SiO−Bi系、SiO−ZnO系、B−ZnO系、P−ZnO系、P−SnO系から選択される一つ、またはそれらから選択される二つ以上の複合系ガラスである。
本発明のガラスは、無機蛍光体粉末を含有する。ここで、無機蛍光体粉末は、例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物、アルミン酸塩化物、ハロリン酸塩化物などがある。
上記の無機蛍光体の中でも、特に、波長300〜500nmに励起帯を有し、波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に、青色、緑色、赤色に発光するものを用いることが好ましい。
波長300〜440nmの紫外域の励起光を照射すると青色の蛍光を発する蛍光体としては、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+、(Sr,Ba)MgSi:Eu2+がある。
波長300〜440nmの紫外域の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、CdS:In、CaS:Ce3+、(Y、Gd)Al12:Ce3+、(Y、Gd)(Al、Ga)12:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、SrSiOn:Eu2+、ZnS:Al3+,Cu、CaS:Sn2+、CaS:Sn2+,F、CaSO:Ce3+,Mn2+、LiAlO:Mn2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、ZnS:Cu,Cl、CaWO:U、CaSiOCl:Eu2+、SrBaClAl4−z/2:Ce3+,Mn2+(X:0.2、Y:0.7、Z:1.1)、BaMgSi:Eu2+、BaSiO:Eu2+、BaLiSi:Eu2+、ZnO:S、ZnO:Zn、CaBa(POCl:Eu2+、BaAl:Eu2+がある。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+、(Ba、Sr)SiO:Eu2+、CdS:In、CaS:Ce3+、(Y、Gd)Al12:Ce3+、(Y、Gd)(Al、Ga)12:Ce3+、CaScSiO12:Ce3+、CaSc:Ce3+、SrSiO:Eu2+がある。
波長300〜440nmの紫外域の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体としては、ZnS:Eu2+、Ba(POCl:U、SrWO:U、CaGa:Eu2+、SrSO:Eu2+,Mn2+、ZnS:P、ZnS:P3−,ClZnS:Mn2+がある。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体としては、(Y、Gd)Al12:Ce3+、(Y、Gd)(Al、Ga)12:Ce3+、Ba(POCl:U、CaGa:Eu2+がある。
波長300〜440nmの紫外域の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体としては、CaS:Yb2+,Cl、GdGa12:Cr3+、CaGa:Mn2+、Na(Mg,Mn)LiSi10:Mn、ZnS:Sn2+、YAl12:Cr3+、SrB13:Sm2+、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、α−SrO・3B:Sm2+、ZnS−CdS、ZnSe:Cu,Cl、ZnGa:Mn2+、ZnO:Bi3+、BaS:Au,K、ZnS:Pb2+、ZnS:Sn2+,Li、ZnS:Pb,Cu、CaTiO:Pr3+、CaTiO:Eu3+、Y:Eu3+、(Y、Gd):Eu3+、CaS:Pb2+,Mn2+、YPO:Eu3+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+、Y(P、V)O:Eu3+、YS:Eu3+、SrAl:Eu3+、CaYAlO:Eu3+、LaOS:Eu3+、LiW:Eu3+,Sm3+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu2+,Mn2+、BaMgSiO:Eu2+,Mn2+がある。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体としては、ZnS:Mn2+,Te2+、MgTiO:Mn4+、KSiF:Mn4+、SrS:Eu2+、Na1.230.42Eu0.12TiSi11、Na1.230.42Eu0.12TiSi13:Eu3+、CdS:In,Te、CaAlSiN:Eu2+、(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+、CaSiN:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、Euがある。
なお、励起光の波長域や発光させたい色に合わせて複数の無機蛍光体粉末を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して、白色光を得たい場合は、青色、緑色及び赤色の蛍光を発する蛍光体を混合して使用すればよい。
上記の無機蛍光体粉末の中には、焼結時の加熱によりガラスと反応し、発泡や変色などの異常反応を起こす物もあり、その程度は、焼結温度が高温であればあるほど著しくなる。しかし、このような無機蛍光体粉末であっても、焼成温度とガラス組成を最適化することで使用できる。
樹脂は、スクリーン印刷後、塗膜中のガラス粉末、フィラーを支持する。具体例としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂、酢酸ビニル、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂などが用いられる。主剤として用いられるのは、エチルセルロースとニトロセルロースがある。なお、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂は塗膜強度向上の為の添加として用いられる。
また、無機蛍光材料は、25℃における熱伝導率が10W/m・K以上(好ましくは15W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上)であるものを用いることが好ましい。そのようにすることにより、無機材料基材の熱伝導率が大きくなると、放熱効果が大きくなる。
本発明の発光素子を被覆するガラスの全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。80以下であると、光取り出し効率が悪くなるおそれがある。
例1〜例6は実施例であり、例7〜例8は比較例である。
(例1)
酸化物基準のモル%表記で、30%のP、60%のSnO、6%のZnO、3%のCaO及び1%のBで構成されるP−SnO系ガラス粉末を用いた。このガラス粉末にYAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)を2質量%を加え、蛍光体含有ガラス粉末を作製した。
次に、作製された蛍光体含有ガラス粉末を焼成してガラス板を作製し、作製したガラス板を媒体撹拌ミルを使用して撹拌した。撹拌されたガラス粉末を直径250μmの網目を有する篩にかけ、粒径250μm以上のガラス粉末を再度篩にかけることをやめた。そのようにして、粒径45〜74μmであるガラス粉末を得た。
次に、金の配線パターンを形成したマグネシア基板(厚み:1mm、大きさ:7mm×5mm)と豊田合成社製青色LED(商品名:E1C60−0B011−03、波長:460nm)に接続バンプを形成したものとを用意し、マグネシア基板にこのLEDをフリップチップ実装した。そして、ガラスと基板との界面に発生する気泡を抑制するために、LEDを実装したアルミナ基板を電気炉(IR加熱装置)に入れ、600℃で加熱処理をした。昇温速度は300℃/分、600℃での保持時間は2分、降温速度は300℃/分に設定した。なお、ガラスと基板との界面に発生する気泡は、ガラスを軟化させる場合、ガラスが基板表面に付着している有機汚染物質に反応して発生する。そして、この発生した気泡は、半導体発光素子から発した光を屈折させるので、発光装置の輝度を低下させたり、発光装置の配光分布を変化させるおそれがある。そのため、ガラスでLEDを被覆する前に、LEDを搭載した基板を加熱し、基板表面に付着している有機汚染物質を減少させ、気泡の発生を抑制している。数々の実験によれば、加熱温度は、600℃前後が好ましい。また、加熱時間は、LEDに対する熱の影響を考慮すると、2分間前後が好ましい。
このフリップチップ実装したLEDの上に、ガラス粉末を5g盛り付けた。その後、電気炉に入れ、毎分100℃の速度で360℃まで昇温しその温度に3分間保持した。ここで、LEDを被覆しているガラスを目視観察したところその表面付近には泡は認められなかった。
このようにして得られたガラス被覆発光装置に直流電圧を印加したところ、発光が確認できた。
(例2)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)を5質量%を加えて蛍光体含有ガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例3)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)の代わりに、蛍光体(CaAlSiN:Eu2+)を5質量%を加えて蛍光体含有ガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例4)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)の代わりに、蛍光体((Sr、Ca)AlSiN:Eu2+)を5質量%を加えて蛍光体含有ガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例5)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)の代わりに、蛍光体((Ba、Sr)SiO:Eu2+)を5質量%を加えて蛍光体含有ガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例6)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)の代わりに、蛍光体(CaSc:Ce3+)を5質量%を加えて蛍光体含有ガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例7)
YAG系蛍光体粉末((Y、Gd)Al12:Ce3+)を含有しないガラス粉末を作製した以外、例1と同じである。
(例8)
ガラスで封止していない発光装置である。
(測定結果)
上述のように作製されたガラス被覆発光装置について、発光効率(単位:lm/W)、比率(単位:%)、外部量子効率(単位:%)、色度座標(X、Y)及び色調を以下の測定法によって測定した。
発光効率:外部量子効率測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いて、電流を与えた発光装置から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定し、得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせて全光束を計算し、得られた全光束を光源の電力で除して算出した。なお、操作電流は、10mAとした。
比率:例8の発光効率で例1〜例7の各発光効率を割ったものである。
外部量子効率:外部量子効率測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いて、発光素子に注入した電子数Nと外部に放射された光子数Nの比(N/N)を百分率で測定した。なお、操作電流は、10mAとした。
色度座標:発光効率と同様にスペクトルを測定し、色度座標を読み取った。なお、操作電流は、10mAとした。
透明性:ガラスを目視して、クリアを○とした。
結果を表1に示す。
Figure 2009277997
表1からわかるように、いずれも封止前よりも外部量子効率が向上しており発光効率が2倍以上になることがわかった。
なお、上述した処理の他に、以下の処理を施しても良い。
(1)ガラスフリットの表面処理
焼成時に、ガラスフリット同士、またはフリットと蛍光体界面での反応によってガラスの着色および/または発泡が起こる場合がある。着色等は、焼成体のガラス質部分の透過率を悪化させ、発光効率を低くする懸念がある。本発明では、粉砕条件と粒径制御によって着色および/または発泡を抑制しているが、さらにフリットの表面を改質するまたはコーティングするなどの方法も有効である場合が考えられる。例えば、発明者らの実験によれば、TEOSでのコーティングでも着色が抑制できることを確認している。
(2)蛍光体の表面処理
上述した(1)の処理に加え、蛍光体の表面を改質するまたはコーティングするなどの方法を施しても良い。例えば、TEOSでのコーティングでも着色が抑制できると考えられる。
(3)蛍光体の表面処理
蛍光体が窒化物または酸窒化物である場合、大気中で焼成すると酸化反応により蛍光体表面からNまたはNOxが生成する場合がある。ガラスが全て酸化物系である場合、大半のイオンは酸化物イオンである。そのため、ガラスの焼成は、多数の酸化物イオンで囲まれた環境で実施されることになり、蛍光体表面の酸化反応が促進されることがある。その場合、表面での発泡現象となって、ガラス質部分の透過率を悪化させ、発光効率を低くする懸念がある。このような発泡現象を抑制するためには、フリットと混合する前に蛍光体を加熱して、表面のみ酸化反応を起こし、フリットとの混合後には酸化反応が起きなくなることが考えられる。さらにフリットの表面を改質するまたはコーティングするなどの方法も有効である場合が考えられる。
(4)ガラスの結晶化抑制
焼成時に、ガラスフリット同士、またはフリットと蛍光体界面で、蛍光体が結晶核になるまたは/および界面での反応によってガラスの結晶化が起こる場合がある。結晶化は、焼成体のガラス質部分の透過率を悪化させ、発光効率を低くする懸念がある。また、焼成温度が高くなる場合がある。そこで、結晶化抑制に、蛍光体の表面を改質するまたはコーティングするなどの方法も有効である場合が考えられる。
本発明の光学素子被覆用ガラスは、液晶パネル用バックライト光源、一般照明や自動車用ヘッドライドなどに用いられるLED素子の封止に利用できる。
本発明のガラス被覆発光装置の断面図である。
符号の説明
100 基板
130 発光素子
140 蛍光体粉末を含有するガラス

Claims (8)

  1. 発光素子を封止することのできる発光素子被覆用ガラス粉末であって、
    レーザー回折式粒度分布測定による、前記ガラス粉末中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下であるガラス粉末と、蛍光体粉末とを備えたことを特徴とする発光素子被覆用混合ガラス粉末。
  2. 電流10mAで操作した発光素子を封止した際の発光効率は、電流10mAで操作した前記発光素子の発光効率に比べて2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子被覆用混合ガラス粉末。
  3. 前記ガラス粉末は、TeO、B、SiO若しくはPの少なくとも1種以上をネットワークフォーマーとして含有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子被覆用ガラス粉末。
  4. 前記ガラス粉末は、TeO−ZnO系、B−Bi系、SiO−Bi系、SiO−ZnO系、B−ZnO系、P−ZnO系、P−SnO系またはそれらから選択される二つ以上の複合系ガラスから選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の発光素子被覆用混合ガラス粉末。
  5. 蛍光体粉末を含有しレーザー回折式粒度分布測定による粉末中の粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下である混合ガラス粉末を用いて作製されたガラスによって被覆されたことを特徴とするガラス被覆発光素子。
  6. 前記ガラスの全光線透過率は80%以上であることを特徴とする請求項5に記載のガラス被覆発光素子。
  7. 前記ガラスの膨張係数は70×10−7〜125×10−7/℃であることを特徴とする請求項5または6に記載のガラス被覆発光素子。
  8. 基板と、
    前記基板上に搭載される発光素子と、
    蛍光体粉末を含有し、レーザー回折式粒度分布測定による粒径1μm以下の粒子の相対粒子量が1%以下である混合ガラス粉末を焼成することによって前記発光素子の表面及び側面を覆うガラスとを備えたことを特徴とするガラス被覆発光装置。
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