JP2009290936A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の相の巻線が軸線周りに略円環状に配置されてなる固定子の軸線方向外方に、該軸線と交差する方向に延びるように、スイッチング素子を有する半導体チップが実装された基板が配置されるモータにおいて、固定子の巻線で発生する熱によってスイッチング素子のスイッチング動作が制限されないような構成を得る。
【解決手段】スイッチング素子32を有する半導体チップu,v,wを、固定子2の軸線方向から見て、少なくとも一部が、該スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない相の巻線13及び該巻線13と隣り合う巻線13との間に形成される間隙のうち少なくとも一方と重なるように、上記基板4上に配置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の相の巻線への通電をスイッチング素子によって制御するモータに関し、特に、該スイッチング素子の温度対策の技術分野に係るものである。
従来より、様々な装置の駆動源としてモータが用いられている。一般的な構成のモータは、複数の相の巻線を有する略円筒状の固定子と、回転可能に軸支された軸部に固定子の内方に位置するように磁石が設けられていて、該固定子に対して回転可能に構成された回転子と、を備えている。このようなモータでは、スイッチング素子のスイッチング動作によって上記固定子の複数の相の巻線に対して順に通電し、上記固定子内に回転磁界を形成することにより、上記磁石を備えた回転子を回転駆動させている。
また、上述のような構成を有するモータでは、例えば特許文献1に開示されるとおり、略円筒状の固定子の軸線方向外方に該軸線と交差する方向に延びるように、上記スイッチング素子を有する半導体チップが実装された基板が配置されている。これにより、上記基板を固定子に対してコンパクトに配置することができ、モータ全体をコンパクトな構成にすることができる。
特開2007−295733号公報
ところで、上述のように、固定子の軸線方向外方に該軸線と交差する方向に延びるように基板を配置する場合、モータのコンパクト化は図れるものの、該基板上に実装される半導体チップと固定子の巻線との距離が近くなり、該巻線に通電した際に発生する熱が上記半導体チップに伝わってしまう。
そうすると、上記半導体チップでは、スイッチング素子のスイッチング動作によって温度が上昇するだけでなく、上記固定子の巻線で発生した熱によってさらに温度上昇することになる。そのため、上記スイッチング素子を適切な動作温度に保つためには、該スイッチング素子のスイッチング動作を制限する必要が生じるが、この場合には、モータの出力も制限されることになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の相の巻線が軸線周りに略円環状に配置されてなる固定子の軸線方向外方に、該軸線と交差する方向に延びるように、スイッチング素子を有する半導体チップが実装された基板が配置されるモータにおいて、固定子の巻線で発生する熱によってスイッチング素子のスイッチング動作が制限されないような構成を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るモータでは、スイッチング素子を有する半導体チップを、該スイッチング素子のスイッチング動作時に巻線の発熱によって温度があまり高くならないような位置に配置することで、該スイッチング素子が巻線の発熱の影響をあまり受けないようにした。
具体的には、第1の発明は、複数の相の巻線が軸線周りに略円環状に配置されてなる固定子と、該固定子の軸線方向外方に該軸線と交差する方向に延びるように配置され、上記巻線に対する通電を制御するためのスイッチング素子を有する複数の半導体チップが実装された基板と、を備えたモータを対象とする。
そして、上記半導体チップは、上記固定子の軸線方向から見て、少なくとも一部が、該半導体チップ内のスイッチング素子のスイッチング動作時に通電しない相の巻線及び該巻線と隣り合う巻線との間に形成される間隙のうち、少なくとも一方と重なるように、上記基板上に配置されているものとする。
以上の構成により、半導体チップ内のスイッチング素子は、該素子のスイッチング動作時に通電しない相の巻線や、該巻線と隣り合う巻線との間に形成される間隙の近くに配置されるため、スイッチング動作しているスイッチング素子を、スイッチング動作時に発熱する巻線からできるだけ遠ざけることができる。これにより、上記スイッチング素子自身がスイッチング動作しているときに、該スイッチング素子に巻線の熱が伝わるのを極力、防止することができる。したがって、上記スイッチング素子が、巻線に通電した際に発生する熱によって高温になるのを防止することができ、該スイッチング素子のスイッチング動作が上記巻線で発生した熱によって制限されるのを防止できる。
上述の構成において、上記半導体チップは、上記固定子の軸線方向から見て上記間隙と重なるように、上記基板上に配置されているものとする(第2の発明)。ここで、固定子の巻線は、鉄心にコイルを捲回してなるため、該固定子の軸線方向端部において、隣り合う巻線間には隙間が形成される。そのため、上記固定子の軸線方向から見て、上記隣り合う巻線同士の間隙と重なるように半導体チップを位置付けることで、半導体チップが実装された基板を固定子により近接して配置することが可能となり、モータの小型化を図れる。なお、このように、固定子に対して基板を近接して配置しても、上述のとおり、該基板上の半導体チップは、該固定子の軸線方向から見て、スイッチング素子のスイッチング動作時に通電しない相の巻線と隣り合う巻線との間に形成される間隙と重なるように位置付けられるため、該スイッチング素子が巻線の熱の影響を受けるのを極力、防止することができる。
また、上記基板の上記固定子側の面上には、該固定子に対して回転する回転子の回転位置を検出するための回転位置検出手段が設けられていて、上記半導体チップも上記基板の固定子側の面上に実装されているのが好ましい(第3の発明)。
このように、基板の一方の面上に回転子の回転位置検出手段を設けるとともに、上記半導体チップも実装することで、片面実装の基板を用いることができるため、両面実装の基板を用いる場合よりもコスト低減を図れる。しかも、上記回転位置検出手段や半導体チップを上記基板の固定子側の面上に設けることで、該回転位置検出手段や半導体チップなどの基板上の突出部分を上記固定子の巻線同士の間隙内に位置付けることができ、モータのコンパクト化を図ることも可能になる。なお、上述のように片面実装する場合には、基板上の半導体チップと固定子の巻線との間隔が近くなって、該半導体チップに巻線で発生した熱が伝わりやすくなるが、上述の第1、第2の各発明のような構成を適用することで、巻線から半導体チップへの伝熱を極力、抑えることができ、スイッチング素子のスイッチング動作が巻線の熱の影響によって制限されるのを防止することができる。
また、上記半導体チップは、上記固定子の巻線に対して電流上流側に位置する上流側スイッチング素子と、該巻線に対して電流下流側に位置する下流側スイッチング素子とを備えていてもよい(第4の発明)。
このように、一つの半導体チップに2つのスイッチング素子が含まれている場合でも、上述の第1の発明のように半導体チップを配置することで、スイッチング素子が巻線で発生した熱の影響を受けるのを極力、防止できる。
また、上記半導体チップと上記固定子の軸線方向の一方の端部との間に形成される間隙が、樹脂によって封止されているのが好ましい(第5の発明)。このように、半導体チップと固定子の軸線方向の一方の端部との間に形成される間隙が樹脂によって封止された構成では、空気よりも熱伝導率の高い樹脂によって、固定子の巻線で発生した熱がスイッチング素子に伝わりやすい。したがって、上述のような構成において、上記各発明の構成を適用することで、巻線で発生した熱によってスイッチング素子が高温になるのを防止することができ、該スイッチング素子のスイッチング動作が制限されるのを防止することができる。
さらに、上記固定子は、3相の巻線を備えていて、上記スイッチング素子は、スイッチング動作によって上記各相の巻線に通電するように構成されているのが好ましい(第6の発明)。このように3相の巻線を備えた固定子では、該3相の巻線のうち2相の巻線にのみ電流が流れて、通電しない巻線が1相、存在するため、この1相の巻線の周りに、他の2相の巻線に通電させる際にスイッチング動作するスイッチング素子の半導体チップを配置することで、3相の巻線を有する一般的な構成のモータにおいても、スイッチング素子に巻線で発生する熱が伝わるのを極力、防止することができる。
以上より、本発明に係るモータによれば、スイッチング素子を有する半導体チップは、固定子の軸線方向から見て、少なくともその一部が該スイッチング素子のスイッチング動作時に通電しない相の巻線及び該巻線と隣り合う巻線との間隙のうち少なくとも一方と重なるように、基板上に配置されるため、上記半導体チップが上記スイッチング動作時に通電した巻線で発生する熱の影響を受けるのを極力防止することができ、これにより、スイッチング素子のスイッチング動作が制限されてモータ出力が抑えられるのを防止できる。
また、第2の発明によれば、上記半導体チップは、上記固定子の軸線方向から見て上記間隙に重なるように基板上に配置されるため、該固定子に対して半導体チップの実装された基板をより近くに配置することができ、モータのコンパクト化を図れる。
また、第3の発明によれば、基板の固定子側の面に、上記半導体チップ及び回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられている構成において、上記各発明の構成を適用することにより、片面実装の低コストな構成においても、巻線の発熱によってスイッチング素子のスイッチング動作が制限されるのを防止できる。また、第4の発明のように、上記半導体チップが上流側スイッチング素子と下流側スイッチング素子とを備えている構成においても、上記各発明の構成を適用することで、巻線の発熱によりスイッチング素子のスイッチング動作が制限されるのを防止できる。
また、第5の発明によれば、上記半導体チップと上記固定子の軸線方向の一方の端部との間に形成される間隙に樹脂を充填した、熱の伝わりやすい構成においても、上記各発明の構成を適用することで、上記半導体チップの温度上昇を防止することができる。したがって、上述のような構成でも、上記固定子の巻線で発生する熱によってスイッチング素子のスイッチング動作が制限されるのを防止することができる。
さらに、第6の発明によれば、3相の巻線を有するモータの場合には、通電しない巻線が1相、存在するため、この1相の巻線の周辺に他の2相の巻線に通電させるためのスイッチング素子を配置することで、該巻線の熱によってスイッチング素子のスイッチング動作が制限されるのを防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
−全体構成−
本発明の実施形態1について以下で説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るモータ1は、制御回路30によって所定のタイミングで固定子2の巻線13に電力を供給することにより、該固定子2に対して回転子3を回転駆動させる、いわゆるブラシレスDCモータである。具体的には、上記モータ1は、複数の巻線13,13,…が軸線P周りに略円環状に配置されてなる略円筒状の固定子2と、該固定子2の内方に回転可能に配置される回転子3と、上記固定子2の複数の巻線13,13,…への通電を制御するための制御回路30を有する基板4と、これらの固定子2、回転子3及び基板4などの構成部品を覆うケーシング5とを備えている。すなわち、上記モータ1は、上記制御回路30によって上記固定子2の複数の巻線13,13,…への通電を制御することによって、該固定子2内に回転磁界を形成し、これにより、上記回転子3を回転駆動するように構成されている。
上記固定子2は、複数の鋼板を積層してなる固定子鉄心11と、該固定子鉄心11上に巻回される複数のコイル12,12,…とを備えている。上記固定子鉄心11を構成する各鋼板は、リング状のコアバック部と該コアバック部から内方に向かって突出する複数のティース部とを有していて、それらを積層することによって、固定子鉄心11のコアバック部11a及びティース部11bが構成されている。すなわち、上記ティース部11bは、上記固定子鉄心11の内方に上記回転子3を収納可能な空間が形成されるように、上記コアバック部11aから固定子2内方に向かって突出している。上記コイル12は、上記複数のティース部11b,11b,…上にそれぞれ巻回されて、各巻線13を構成している。すなわち、複数の巻線13,13,…が軸線Pの周りに略環状に配置されることにより、上記固定子2が構成されている。なお、上記各巻線13は、U相、V相及びW相の3相の巻線を構成するように、互いに接続されている。
なお、上記図1に示すように、上記ティース部11b上のコイル12が巻回される部分には、固定子2とコイル12との間を電気的に絶縁するための絶縁部14が形成されている。この絶縁部14は、絶縁性の樹脂からなり、上記ティース部11bの表面を覆う絶縁層14aと、該ティース部11bの先端部及び基端部の位置にそれぞれ立設された側壁14b,14bと、上記基板4を支持するための支持部14cとを備えている。この側壁14b,14bを設けることにより、上記ティース部11bに巻回されているコイル12の垂れ線が該ティース部11b外へはみ出すのを防止することができる。
上記回転子3は、棒状に形成された軸部21と、該軸部21上に一体的に回転するように設けられた磁石部22とを備えている。上記軸部21は、その両端部でベアリング6,7によって回転可能に軸支されているとともに、一方の端部がケーシング5外へ突出していて、回転子3の回転を外部へ出力可能に構成されている。上記磁石部22は、上記固定子2内に回転子3を挿通させた状態で、該固定子2の内方に位置するように上記軸部21上に設けられている。また、上記磁石部22は、上記固定子2内で発生する回転磁界によって回転子3が回転するように複数の磁石が配置されてなる。ここで、上記ベアリング6,7は、後述するように、それぞれ、上記ケーシング5に固定されたブラケット41,42によって保持されているため、上記固定子2の回転磁界によって上記磁石部22に回転駆動力が発生した場合には、回転子3をケーシング5に対して回転させることができる。
上記基板4は、図5に破線で示すように、略円盤状の樹脂部材の中央部分に回転子3が挿通するための挿通孔が設けられて、略ドーナツ状に形成されたものである。また、上記基板4は、上記図1に示すように、上記固定子2の固定子鉄心11上に形成された支持部14cによって支持されて、上記固定子2の軸線方向の一方の端部を覆うように配設されている。上記基板4には、上記回転子3を固定子2内で回転させるように、該固定子2の各巻線13に所定のタイミングで通電する制御回路30と、上記回転子3の回転位置を検出するための回転位置検出回路25とが設けられている。上記基板4の構成については、詳しくは後述する。
上記固定子2及び基板4は、上記ケーシング5内で樹脂8によって封止されている。この樹脂8は、例えば熱硬化性樹脂からなり、上述の固定子2及び基板4だけでなく、上記ブラケット41,42も含めて、モータ1内の構成部品を一体化している。すなわち、この実施形態に係るモータ1は、固定子2の表面及び近傍の隙間のほぼ全体が樹脂8によって覆われた、いわゆるモールドモータである。なお、上記樹脂8で各構成部品を封止する場合には、金型内に構成部品を収納した状態で、該金型内に溶融した樹脂8を注入して固化すればよい。
上記ケーシング5は、略有底円筒状の樹脂部材であり、上記固定子2などの構成部品を覆うように設けられている。このケーシング5は、上記樹脂8によって固定子2や基板4等を封止した後、その外側に形成される。
上記ケーシング5の底部(図1では上面)の中央付近には、ケーシング5の外方に膨出するように膨出部5bが形成されているとともに、この膨出部5bの中央部分には上記回転子3の軸部21が挿通可能な穴部5aが形成されている。上記膨出部5bのケーシング内方には、金属製のブラケット41が配置されていて、該ブラケット41のケーシング内方には、上記軸部21の一端側を回転可能に支持するための上記ベアリング6が配設されている。
上記略有底円筒状のケーシング5の開口側は、金属製のブラケット42によって覆われている。このブラケット42は、平面視で略円形状の部材であり、その外周端部で上記ケーシング5の開口部分の周縁部に固定されている。また、上記ブラケット42には、その中央部分がケーシング外方に向かって膨出する膨出部42aが形成されていて、この膨出部42aのケーシング内方には、上記回転子3の軸部21の他端側を回転可能に支持するためのベアリング7が配設されている。
また、上記ケーシング5の側面には、一端側が上記基板4に接続された、接続端子としてのブッシング43がケーシング外方に突出するように、側面穴部5cが形成されている。
−基板−
上述のように、上記基板4上には、制御回路30及び回転位置検出回路25(回転位置検出手段)が設けられている。これらの制御回路30及び回転位置検出回路25は、半導体素子等の各種素子によって構成されており、これらの素子が上記基板4の表面(固定子2側の面)に実装されている。以下で、上記制御回路30及び回転位置検出回路25の構成について説明する。
上記制御回路30は、図2に示すように、上記固定子2(図中ではM)の3相(U相、V相、W相)の巻線に対する通電のON/OFFを行う複数のスイッチング素子32,32,…(図の例では6個のスイッチング素子)が三相ブリッジ結線されたスイッチング回路31と、該各スイッチング素子32の駆動を制御するための制御部35とを備えている。
上記スイッチング回路31は、2つのスイッチング素子32,32を直列に接続してなる3つのスイッチングレグ33a,33b,33cが、互いに並列に接続されたもので、各スイッチングレグ33a,33b,33cにおいて、スイッチング素子32,32間の中点が上記固定子2の各相の巻線に接続されている。なお、本実施形態では、上記スイッチングレグ毎に半導体チップu,v,wが構成されているものとする(図中の破線)。また、以下の説明において、上記各スイッチングレグ33a,33b,33cで上記固定子2の上流側に位置するスイッチング素子を上流側スイッチング素子、該固定子2の下流側に位置するスイッチング素子を下流側スイッチング素子という。
上記スイッチング回路31における各スイッチング素子32のスイッチング動作のタイムチャートを図3に示す。この図3に示すように、U相、V相、W相の巻線13に通電させる上流側スイッチング素子(図中では、UH、VH、WH)は、電気角で120度ごとに、通電する相が変化するようにスイッチング制御されている。また、下流側スイッチング素子(図中のUL、VL、WL)も、電気角で120度ごとに、上記上流側スイッチング素子のスイッチング動作によって通電していない相の一つに通電するようにスイッチング制御されている。なお、本実施形態では、上記下流側スイッチング素子において、上記電気角120度よりも細かい周期で通電のON−OFFを繰り返すチョッピング制御が行われている。
上記スイッチング素子32のスイッチング動作によって得られる通電パターンを一覧にしたものを図4に示す。この図4に示すように、上記上流側スイッチング素子及び下流側スイッチング素子のうち、オン状態になるスイッチング素子32に対応する相の巻線13にのみ電流が流れ、オフ状態のスイッチング素子32に対応する相の巻線13には電流は流れない。すなわち、本実施形態のような3相の巻線13を有し、6個のスイッチング素子32が三相ブリッジ結線されたモータ1の場合には、必ず1相の巻線13には電流が流れない状態となる。
上記制御部35は、上記スイッチング回路31内の各スイッチング素子32を、入力される速度指令電圧Vspに基づいて駆動制御するように構成されている。具体的には、上記制御部35は、図2に示すように、上記速度指令電圧Vspに基づいてPWM信号を生成するPWM制御部36と、該PWM信号と後述する回転位置検出回路25によって検出された上記回転子3の回転位置信号とに基づいて所定のタイミングで通電信号を生成するタイミング制御部37と、上記スイッチング回路31において複数のスイッチング素子32,32,…のうち上記固定子2の上流側に位置する上流側スイッチング素子を駆動制御する上アーム駆動回路38と、上記固定子2の下流側に位置する下流側スイッチング素子を駆動制御する下アーム駆動回路39とを備えている。
上記PWM制御部36は、上記速度指令電圧Vspを三角波と比較して、モータの要求回転数に応じたPWM信号を生成するように構成されている。詳しくは、上記PWM制御部36は、上記速度指令電圧Vspと三角波発振回路から出力される三角波とを比較器によって比較し、その比較結果に基づいてPWM制御のためのPWM信号を出力する。
上記タイミング制御部37は、上記PWM制御部36から出力されたPWM信号と、上記回転子3の回転位置を検出する回転位置検出回路25から出力された回転位置信号とに基づいて、上記固定子2の各巻線13に通電する所定のタイミングを決めるように構成されている。また、上記タイミング制御部37では、上記所定のタイミングで上記各巻線13に通電するように通電信号が生成される。
上記上アーム駆動回路38及び下アーム駆動回路39は、それぞれ、上記タイミング制御部37から出力された通電信号に応じて、スイッチング素子32を駆動するように構成されている。
上記回転位置検出回路25は、特に図示しないが、電気角120度の間隔で配置された3つのセンサ(例えば、ホール素子などからなる磁気センサ)を有していて、上記回転子3の回転位置に応じて該センサから出力される信号を合成して、該回転子3の位置を検出するように構成されている。上記回転位置検出回路25で検出された回転子3の位置は、回転位置信号として上記制御部35に送信される。
上述のような制御回路30及び回転位置検出回路25を構成する半導体素子等の各種素子は、図6に示すように、上記基板4の固定子2側の面に実装されている。このように、該基板4の片面に各種素子を実装することで、片面実装の基板を用いることができ、両面実装の基板を用いる場合に比べて製造コストの低減を図れる。
しかしながら、上述のように、上記基板4の固定子2側の面に半導体素子等を実装すると、該半導体素子と固定子2の巻線13との距離が近くなるため、該巻線13で発生した熱が半導体素子に伝わりやすくなる。そうすると、上記半導体素子では、自身の動作による温度上昇に加えて、上記固定子2の巻線13で発生する熱によってさらに温度上昇することになる。
特に、本実施形態に係るモータ1は、固定子2が樹脂8によって封止されたモールドモータであるため、巻線13で発生した熱は、空気に比べて熱伝導率の高い樹脂8によって、半導体素子に伝わりやすくなる。
上記半導体素子の中でも、上記制御回路30のスイッチング素子32は、自身のスイッチング動作による発熱以外に上記巻線13で発生した熱が加わると、その分、スイッチング素子32の発熱を抑えるためにスイッチング動作を制限する必要があり、モータ1の出力が制限されることになる。
これに対し、本発明では、上記スイッチング素子32を、固定子2の巻線13で発生する熱の影響を受けにくいような基板4上の位置に配置することで、スイッチング素子32の温度上昇をできるだけ抑えるようにした。具体的には、直列に接続された2つのスイッチング素子32,32を備えた、上記巻線13の各相に対応する半導体チップu,v,wを、図5及び図6に示すように、固定子2の軸線方向から見て、該スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない相の巻線13とその隣りの巻線13との間に形成される間隙に位置付ける。
例えば、上記図5に示すように、上記固定子2の軸線方向から見て、U相の巻線13に通電するスイッチング素子32を含む半導体チップuは、V相の巻線13とW相の巻線13との間に形成される間隙に配置され、V相の巻線13に通電するスイッチング素子32を含む半導体チップvは、W相の巻線13とU相の巻線13との間に形成される間隙に配置される。さらに、W相の巻線13に通電するスイッチング素子32を含むチップwは、上記固定子2の軸線方向から見て、U相の巻線13とV相の巻線13との間に形成される間隙に配置される。ここで、上記図5において、符号15は、各巻線と上記スイッチング回路31の出力側とを接続するための端子部である。
このように、半導体チップu,v,wを、固定子2の軸線方向から見て、スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない相の巻線13とその隣りの巻線13との間に形成される間隙に配置することで、該スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電した相の巻線13で発生した熱が、該スイッチング素子32に伝わるのを極力、防止することができる。
すなわち、図5(A)に示すように、U相及びV相の巻線13に通電されているときに、上記半導体チップu,vは、通電していないW相の巻線13とその隣りの巻線13との間隙に位置しているため、上記U相及びV相の巻線13から半導体チップu,vに熱が伝わるのを極力、防止することができる。また、V相及びW相の巻線13に通電している場合や、W相及びU相の巻線13に通電している場合も、それぞれ、図5(B)、(C)に示すように、スイッチング動作しているスイッチング素子32を有する半導体チップに、巻線13の熱が伝わりにくくなっている。
これにより、上記スイッチング素子32のスイッチング動作が、上記巻線13で発生した熱の影響によって制約を受けるのを防止することができ、モータ1の効率の良い運転が可能になる。
特に、上記モータ1は、固定子2が樹脂8によって封止されたモールドモータなので、該固定子2の巻線13で発生した熱がこもりやすく、上記基板4上の半導体チップu,v,wに伝わりやすい。したがって、このような構成において、上記半導体チップu,v,wの配置を上述のような配置にすることで、該半導体チップu,v,wへの伝熱を確実に抑制することができ、上記モータ1の効率の良い運転が可能となる。
また、上記図6には図示していないが、各巻線13は、固定子2のティース部11bに巻回されるため、固定子2の軸線方向端部において、巻線13は固定子鉄心11の端面よりも凸形状に突出し、巻線13同士の間には間隙が形成される。したがって、本実施形態のように、固定子2の軸線方向端部を覆うように基板4を配置し、該基板4の固定子側の面上に、巻線13同士の間隙に位置するように各半導体素子を配置することにより、固定子2に対して半導体素子が実装された基板4をより近接して配置することができ、モータのコンパクト化を図れる。なお、この場合にも、上述のように、スイッチング素子32を有する半導体チップu,v,wを、該スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない相の巻線13とその隣りの巻線13との間隙に配置することで、該スイッチング素子32が巻線13の発熱の影響を受けてスイッチング動作が制限されるのを防止できる。
《実施形態2》
実施形態2に係るモータを、図7及び図8に基づいて以下で説明する。この実施形態2に係るモータは、半導体チップの構成が上記実施形態1とは異なるだけなので、同一の構成には同一の符号を付し、以下で異なる部分についてのみ説明する。
具体的には、図7に示すように、制御回路のスイッチング回路51を構成する6個のスイッチング素子32が、それぞれ、半導体チップuH,uL,vH,vL,wH,wLによって構成されている。すなわち、この実施形態では、上記半導体チップの個数が、上記実施形態1の3個に対して、6個である点が異なる。
図8に、6個の半導体チップuH,uL,vH,vL,wH,wLの基板4(図8中では破線で示す)上の配置を示す。この図8に示すように、各スイッチング素子32に対応して半導体チップをそれぞれ構成した場合でも、各半導体チップuH,uL,vH,vL,wH,wLは、固定子2の軸線方向から見て、スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない巻線13とその隣りの巻線13との間に形成される間隙内に位置するように配置される。
具体的には、上記図8に示すように、固定子2の軸線方向から見て、U相の巻線13とV相の巻線13との間隙に、W相の巻線13に電流を流すためのスイッチング素子32,32を構成する半導体チップwH,wLを配置する。また、固定子2の軸線方向から見て、U相の巻線13とW相の巻線13との間隙に、V相の巻線13に電流を流すためのスイッチング素子32,32を構成する半導体チップvH,vLを配置する。さらに、固定子2の軸線方向から見て、V相の巻線13とW相の巻線13との間隙に、U相の巻線13に電流を流すためのスイッチング素子32,32を構成する半導体チップuH,uLを配置する。
これにより、各半導体チップuH,uL,vH,vL,wH,wLを、スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電する巻線13からできるだけ離して、該巻線13で発生した熱が上記半導体チップuH,uL,vH,vL,wH,wLに伝わるのを極力、防止することができる。
すなわち、図8(A)に示すように、U相及びV相の巻線13に通電されているときに、上記半導体チップuH,uL,vH,vLは、通電していないW相の巻線13とその隣りの巻線13との間隙に位置しているため、上記U相及びV相の巻線13から半導体チップuH,uL,vH,vLに熱が伝わるのを極力、防止することができる。また、V相及びW相の巻線13に通電している場合や、W相及びU相の巻線13に通電している場合も、それぞれ、図8(B)、(C)に示すように、スイッチング動作しているスイッチング素子32を有する半導体チップに、巻線13の熱が伝わりにくくなっている。
したがって、各スイッチング素子32が、巻線13で発生する熱の影響を受けてスイッチング動作が制限されるのを防止することができ、モータを効率良く運転することができる。
なお、上記実施形態1のように、複数のスイッチング素子32,32,…のうち下流側スイッチング素子において、短い周期で通電のON−OFFを繰り返すチョッピング制御を行う場合など、複数のスイッチング素子32,32,…をそれぞれ異なる制御でスイッチング動作させることが考えられるが、この制御の違いによって各スイッチング素子32の発熱量が異なる場合には、発熱量の大きいスイッチング素子32を有する半導体チップを、該スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電する巻線13からできるだけ離すのが好ましい。これにより、半導体チップごとに発熱量が異なる場合でも、該半導体チップの温度上昇を確実に抑制することができ、巻線13の温度上昇によってモータの出力が制限されるのを確実に防止できる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、基板4上の半導体チップu,v,w,uH,uL,vH,vL,wH,wLを、固定子2の軸線方向から見て、該半導体チップu,v,w,uH,uL,vH,vL,wH,wLのスイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない巻線13とその隣りの巻線13との間に形成される間隙に配置しているが、この限りではなく、上記通電しない巻線13に重なるように配置してもよい。また、上記半導体チップu,v,w,uH,uL,vH,vL,wH,wLは、図5及び図8に示すような配置に限らず、固定子2の軸線方向から見て、該半導体チップu,v,w,uH,uL,vH,vL,wH,wLの少なくとも一部が、スイッチング素子32のスイッチング動作時に通電しない巻線13及び該巻線13とその隣りの巻線13との間隙のうち少なくとも一方と重なる位置であれば、どのように配置されていてもよい。
また、上記各実施形態では、3相の巻線13によってモータを構成しているが、この限りではなく、2相や4相など、他の相数の巻線によってモータを構成してもよい。
また、上記各実施形態では、基板4を、固定子2側の面に制御回路30や回転位置検出回路25が形成される片面実装基板としているが、この限りではなく、両面実装基板であってもよい。さらに、上記各実施形態では、片面実装基板の固定子2側の面に制御回路30や回転位置検出回路25を形成しているが、この限りではなく、基板4の固定子2側とは反対側の面に設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、モータ1を、固定子2及び基板4の全体が樹脂8によって封止されたモールドモータとしているが、この限りではなく、該固定子2の巻線13と基板4との間に形成される間隙にのみ樹脂が充填されたモータであってもよい。なお、このように、巻線13と基板4との間隙に樹脂を充填することで、該巻線13及び基板4の振動発生を防止することができる。
また、上記各実施形態では、固定子2の軸線方向の一方の端部を覆うように基板4を設けているが、この限りではなく、該基板4を固定子2の端部の一部のみを覆うように設けてもよい。すなわち、上記基板4は、固定子2の軸線方向外方に該軸線と交差する方向に延びるように配置されていれば、どのような大きさや配置であってもよい。
さらに、上記各実施形態では、モータ1は、略円筒状の固定子2の内方に円柱状の回転子3が配置された、いわゆるインナーロータ型のモータであるが、この限りではなく、回転子が固定子の外方を覆うように円筒状に形成された、いわゆるアウターロータ型のモータであってもよい。
以上説明したように、本発明は、複数の相の巻線が軸線周りに略円環状に配置されてなる固定子の軸線方向外方に、該軸線と交差する方向に延びるように、スイッチング素子を含む制御回路の形成された基板が配置されたモータに特に有用である。
本発明の実施形態1に係るモータの概略構成を示す縦断面図である。 制御回路の概略構成を示す図である。 各スイッチング素子のスイッチングパターンを示すタイムチャートである。 各スイッチング素子のスイッチングパターンと通電相及び非通電相との関係を示す図である。 固定子の軸線方向から見た場合の固定子の巻線と半導体チップとの位置関係を、(A)U−V相通電時、(B)V−W相通電時、(C)W−U相通電時において模式的に示す図である。 固定子の側方から見た場合の固定子の巻線と半導体チップとの位置関係を模式的に示す図である。 実施形態2に係るモータのスイッチング回路を示す回路図である。 実施形態2における半導体チップの配置を示す図5相当図である。
符号の説明
1 モータ
2 固定子
3 回転子
4 基板
5 ケーシング
8 樹脂
11 固定子鉄心
12 コイル
13 巻線
21 軸部
22 磁石部
25 回転位置検出回路(回転位置検出手段)
30、50 制御回路
31 スイッチング回路
32 スイッチング素子
33 スイッチングレグ
35 制御部
36 PWM制御部
37 タイミング制御部
38 上アーム駆動回路
39 下アーム駆動回路
u、v、w、uH、uL、vH、vL、wH、wL 半導体チップ
P 軸線

Claims (6)

  1. 複数の相の巻線が軸線周りに略円環状に配置されてなる固定子と、該固定子の軸線方向外方に該軸線と交差する方向に延びるように配置され、上記巻線に対する通電を制御するためのスイッチング素子を有する複数の半導体チップが実装された基板と、を備えたモータであって、
    上記半導体チップは、上記固定子の軸線方向から見て、少なくとも一部が、該半導体チップ内のスイッチング素子のスイッチング動作時に通電しない相の巻線及び該巻線と隣り合う巻線との間に形成される間隙のうち、少なくとも一方と重なるように、上記基板上に配置されていることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1において、
    上記半導体チップは、上記固定子の軸線方向から見て上記間隙と重なるように、上記基板上に配置されていることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または2において、
    上記基板の上記固定子側の面上には、該固定子に対して回転する回転子の回転位置を検出するための回転位置検出手段が設けられていて、
    上記半導体チップも上記基板の固定子側の面上に実装されていることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1から3のいずれか一つにおいて、
    上記半導体チップは、上記固定子の巻線に対して電流上流側に位置する上流側スイッチング素子と、該巻線に対して電流下流側に位置する下流側スイッチング素子とを備えていることを特徴とするモータ。
  5. 請求項1から4のいずれか一つにおいて、
    上記半導体チップと上記固定子の軸線方向の一方の端部との間に形成される間隙が、樹脂によって封止されていることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1から5のいずれか一つにおいて、
    上記固定子は、3相の巻線を備えていて、
    上記スイッチング素子は、スイッチング動作によって上記各相の巻線に通電するように構成されていることを特徴とするモータ。
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