JP2009291685A - 揮発性有機化合物回収装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性有機化合物の吸着剤への吸着処理と揮発性有機化合物の吸着剤からの脱着処理とを各々に最適化する。
【解決手段】VOC含有ガスに含まれるVOCを吸着剤4bに吸着させ、該吸着剤4bに吸着したVOCを脱着ガスを用いて脱着して回収するVOC回収装置Aであって、VOC含有ガスが通過する吸着室1と、該吸着室1に配置され、吸着剤4bが充填された通気自在な吸着剤充填体4と、吸着室1とは別に配置され、脱着ガスを用いて吸着剤充填体4の吸着剤4bからVOCを脱着する脱着室5と、吸着剤充填体4を吸着室1と脱着室5との間で移送する吸着剤移送装置6とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、揮発性有機化合物回収装置及び方法に関する。
下記特許文献1には、吸着剤が充填された所定容量の吸着塔を複数並列に設け、少なくとも2基の吸着塔を再生工程(VOC(揮発性有機化合物)の吸着剤からの脱着工程)を実施させる一方、残りの吸着塔を吸着工程を実施させ、これら工程を順次切り替えることにより、揮発性有機化合物を含む処理対象ガスからVOCを連続回収する技術が開示されている。吸着工程では、処理対象ガスを吸着塔に供給することにより吸着剤に吸着させ、一方、再生工程では、所定の再生ガスを吸着塔に供給して加温することにより吸着剤に吸着された揮発性有機化合物を脱着・回収する。このようなVOC連続回収技術では、処理対象ガスと再生ガスとが吸着塔内における吸着剤の同一断面を通過する。
また、下記特許文献2,3にも所定容量の吸着塔に充填された吸着剤を用いて揮発性有機化合物を回収する技術が加持されている。
特開2007−050379号公報 特開2007−069156号公報 特開平08−281044号公報
ところで、上記従来技術において、処理対象ガスが通過する吸着剤の大きさ(断面積)は、吸着工程における処理対象ガスの流量に基づいて決定される。すなわち、処理対象ガスの単位時間当たりの処理量を大きくするためには、吸着剤の断面積、つまり吸着塔の断面積を大きくする必要がある。これに対して、吸着剤におけるVOCの吸着速度と脱着速度とは異なるので、脱着用の再生ガスの流量は、上記処理対象ガスの流量よりも少ない流量で十分である。
しかしながら、必要最低限の流量の再生ガスを吸着塔に供給した場合、再生ガスは、処理対象ガスと同一断面を通過するので、十分な流速が得られず脱着が不十分になったり、あるいは吸着剤の部位により異なる脱着率となるという問題がある。これとは逆に、再生ガスの流量を処理対象ガスの流量と同一とした場合には、必要以上の再生ガスを用意する必要があるので、VOC回収処理におけるエネルギ効率を低下させるという問題がある。
また、脱着時には吸着剤を再生ガスによって所定温度まで加熱する必要があるが、吸着塔内の熱容量が比較的大きなために加熱に時間を要するという問題点もある。
すなわち、従来のVOC連続回収技術は、吸着剤によるVOCの吸着処理と吸着剤からのVOCの脱着処理とを各々に最適化することができないと共に処理効率が悪いいう問題を有している。このような問題は、VOC連続回収技術実用上、早急に解決すべき技術課題である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)揮発性有機化合物の吸着剤への吸着処理と揮発性有機化合物の吸着剤からの脱着処理とを各々に最適化する。
(2)時間的あるいは/及びエネルギ的な処理効率を従来よりも向上させる。
上記目的を達成するために、本発明では、揮発性有機化合物回収装置に係る第1の解決手段として、処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収装置において、内部に吸着剤が充填され、処理対象ガスが吸着剤の第1の断面を通過すると共に脱着ガスが第1の断面より小さな第2の断面を通過する処理室を備える、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第2の解決手段として、処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収装置において、処理対象ガスが通過する吸着室と、該吸着室に配置され、吸着剤が充填された通気自在な吸着剤充填体と、吸着室とは別に配置され、脱着ガスを用いて吸着剤充填体の吸着剤から揮発性有機化合物を脱着する脱着室と、吸着剤充填体を吸着室と脱着室との間で移送する吸着剤移送装置とを具備する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、吸着剤を分割収納すると共に互いに隣接配置された複数の吸着剤充填体を備え、吸着剤移送装置は、揮発性有機化合物を吸着した吸着剤充填体を吸着室から脱着室に順次移動させる、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、吸着室内において吸着剤充填体を一定方向に巡回させる吸着剤巡回手段をさらに備え、吸着剤移送装置は、特定の位置に移動してきた吸着剤充填体を脱着室に移動させる、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第5の解決手段として、上記第2の解決手段において、吸着剤移送装置に代えて、脱着室を吸着室内に移送して吸着剤充填体を収容させる脱着室移送装置を備える、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、吸着剤を分割収納すると共に互いに隣接配列された複数の吸着剤充填体と、脱着室を吸着剤充填体の配列方向に沿って一定方向に巡回させる脱着室巡回手段をさらに備え、脱着室移送装置と脱着室巡回手段とによって脱着室の巡回位置に符合する位置の吸着剤充填体を順次収容させる、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第7の解決手段として、上記第2〜第6いずれかの解決手段において、脱着室は1本の吸着剤充填体を収容する容積を有する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収装置に係る第8の解決手段として、上記第2〜第7いずれかの解決手段において、吸着室は、処理対象ガスが通過する流路の一部である、という手段を採用する。
また、本発明では、揮発性有機化合物回収方法に係る第1の解決手段として、処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収方法において、処理対象ガスが吸着剤の第1の断面を通過すると共に脱着ガスが第1の断面より小さな第2の断面を通過させる、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第2の解決手段として、処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収方法において、揮発性有機化合物の吸着剤への吸着を所定の吸着室で行い、吸着剤を移動させることにより吸着室とは別に設けられた脱着室で吸着剤からの揮発性有機化合物の脱着を行う、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、吸着剤を通気自在な複数の吸着剤容器に分割充填して吸着室内に収納し、揮発性有機化合物を吸着した吸着剤が充填された吸着剤容器を吸着室から脱着室に順次移動させて脱着処理する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、吸着室内において吸着剤容器を一定方向に巡回させ、特定の位置に移動してきた吸着剤容器を脱着室に移動させて脱着処理する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第5の解決手段として、上記第2の解決手段において、吸着剤を移送することに代えて、脱着室を吸着室内に移送して吸着剤充填体を収容させる、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、吸着剤を通気自在な複数の吸着剤容器に分割充填して吸着室内に隣接配置し、脱着室を吸着剤容器の配列方向に沿って一定方向に巡回させると共に脱着室の巡回位置に符合する位置の吸着剤充填体を脱着室に順次収容して脱着処理する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第7の解決手段として、上記第2〜第6いずれかの解決手段において、脱着室は1本の吸着剤容器を収容する容積を有する、という手段を採用する。
揮発性有機化合物回収方法に係る第8の解決手段として、上記第2〜第7いずれかの解決手段において、吸着室は、処理対象ガスが通過する流路の一部である、という手段を採用する。
本発明によれば、吸着剤において処理対象ガスの通過断面と脱着ガスの通過断面とを異なる断面に設定する、例えば脱着ガスの通過断面を処理対象ガスの通過断面よりも小さな断面に設定することができるので、揮発性有機化合物の吸着剤への吸着処理と揮発性有機化合物の吸着剤からの脱着処理とを各々に最適化することができると共に、時間的あるいは/及びエネルギ的な処理効率を従来よりも向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るVOC(揮発性有機化合物)回収装置Aの構成を示す正面図、また図2は本VOC回収装置Aの側面図である。これら各図に示すように、本VOC回収装置Aは、処理対象ガスであるVOC含有ガスの流路に備えられ、VOC含有ガスに含まれるVOCを吸着・回収するものであり、吸着室1、巡回ベルト2A、2つのスプロケット2B,2B、回転駆動部3、吸着剤充填体4、脱着室5、吸着剤移送装置6、クラッチドア7、脱着ガス供給装置8及び圧縮空気供給装置9を備えている。
吸着室1は、矩形状の断面を有する上記流路の一部に設けられ、当該流路と連通する開放空間である。この吸着室1内には、図示するように、巡回ベルト2Aの外周に連接・装着された複数の吸着剤充填体4が収容されている。巡回ベルト2Aは、上下一対のスプロケット2B,2Bに巻回されたチェーンであり、外周に所定間隔で設けられた保持具(図示略)によって複数の吸着剤充填体4を図示するように連接状態かつ着脱自在に支持する。
回転駆動部3は、上記一対のスプロケット2B,2Bの一方に回転動力を与えることにより、巡回ベルト2Aに保持された吸着剤充填体4を矢印で示すように流路の延在方向に直交する方向に巡回させるものである。
なお、これら巡回ベルト2A、スプロケット2B,2B及び回転駆動部3は、本実施形態における吸着剤巡回手段を構成する。
吸着剤充填体4は、図3にも示すように、四角柱形状に形成された吸着剤容器4a(吸着剤容器)と、該吸着剤容器4aの内部に充填された粒状の吸着剤4bから構成されている。吸着剤容器4aは、内部をVOC含有ガスが通過できるように通気自在に形成されている。すなわち、図3に示すように、吸着剤容器4aにおいて巡回ベルト2Aに接する面と当該面の対向面及び上記流路の延在方向に直交する2面には、内部をVOC含有ガスが通過できるように各々にメッシュ部4cが設けられている。このメッシュ部4cは、吸着剤4bの粒径よりも小さな穴が多数形成されたものであり、例えばパンチングメタルによって形成されている。吸着剤4bは、例えば活性炭である。なお、吸着剤容器4aの形状、つまり吸着剤充填体4の形状は、四角柱形状以外の形状、例えば円柱形状や多角柱形状であっても良い。
このように、吸着室1内には巡回ベルト2Aに隣接状態で支持された複数の吸着剤充填体4が隙間なく密に配置されており、この密に配置された複数の吸着剤充填体4は、VOC含有ガスの流路に対して正対する状態、つまり当該流路を完全に遮る。したがって、上流側から流路内を流れてきたVOC含有ガスは、上述したように通気自在に形成された吸着剤充填体4内を通過して下流側に流れることになる。ここで、VOC含有ガスが吸着剤充填体4を迂回して下流側に流れないように各吸着剤充填体4の表面あるいは吸着室1の内面には、ゴム等からなるシール材が設けられている。
脱着室5は、図2に示すように、吸着室1の最上部に隣接して設けられた四角柱形状の空間であり、クラッチドア7によって吸着室1と区切られている。この脱着室5は、1本の吸着剤容器4aを収容する容積を備える。また、この脱着室5は、脱着ガスである水蒸気を脱着ガス供給装置8から取り入れると共に圧縮空気供給装置9から加圧空気を取り入れる流入口5aが一端近傍に、また吸着剤容器4a内の吸着剤4bから脱着したVOCを含むVOC含有水蒸気や加圧空気を外部に排気する排出口5bが他端近傍にそれぞれ設けられている。さらに、脱着室5の内面には、流入口5aに供給された水蒸気(脱着ガス)が吸着剤充填体4を迂回して排出口5b側に流れないように各吸着剤充填体4の表面に密着するシール材が設けられている。
吸着剤移送装置6は、このような脱着室5に吸着室1の最上部に位置する吸着剤容器4aを移送するものであり、例えば後方から吸着剤容器4aの端面を押圧することにより最上部に位置する1本の吸着剤容器4aを吸着室1から脱着室5に移送する油圧シリンダである。なお、移送対象となる吸着室1の最上部に位置する吸着剤容器4aは、巡回ベルト2との接続が解除された状態とされ、この状態において移送装置6によって脱着室5に移送される。
クラッチドア7は、図示するように吸着室1の上端部を支点として開閉動作するものであり、脱着室5と吸着室1とを区画あるいは連通常体とする。脱着ガス供給装置8は、脱着ガスである水蒸気を生成して脱着室5に供給するものであり、例えばボイラである。圧縮空気供給装置9は、外気を圧縮かつ加熱することにより、常圧よりも高い圧力かつ常温よりも高い温度に加熱された圧縮空気を生成するものであり、例えば加熱機能を備えた圧縮機である。
なお、上記各構成要件のうち、回転駆動部3、吸着剤移送装置6、クラッチドア7、脱着ガス供給装置8及び圧縮空気供給装置9は、図示しない制御装置によって統一的に制御される。
次に、このように構成された本VOC回収装置AのVOC回収処理について詳しく説明する。本VOC回収装置AにおけるVOC回収処理では、吸着室1における吸着工程と、吸着室1と脱着室5との間における吸着剤充填体4の移送工程と、脱着室5における脱着準備工程及び脱着工程とを順次繰り返すことにより、処理対象ガスであるVOC含有ガスからVOCが回収される。以下、各工程の詳細について詳しく説明する。
〔吸着工程〕
吸着工程では、クラッチドア7が閉じることにより吸着室1と脱着室5とが完全に分離された状態とされる。そして、この状態において、回転駆動部3によって巡回ベルト2Aが所定の時間間隔で間欠的に巡回しつつ流路から吸着室1にVOC含有ガスが供給される。そして、VOC含有ガスは、自身の通路を全面的に塞ぐ状態に配置された各吸着剤充填体4内を通過して順次下流側に流れるが、この通過の際に各吸着剤充填体4内の吸着剤4bにVOCが吸着される。すなわち、VOC含有ガスは、吸着室1内において、各吸着剤充填体4内を上下方向に順次巡回する各吸着剤充填体4内に順次吸着されることによってVOCが除去されて処理済ガスとして下流に排出される。
〔移送工程〕
このような吸着工程において、各吸着剤充填体4内の吸着剤4bにおけるVOCの吸着量は、吸着工程の経過時間に応じて徐々に増大し、吸着能力が徐々に低下する。そして、吸着能力がある程度低下し、間欠的な巡回移動によって吸着室1の最上部に位置した吸着剤充填体4は、移動停止期間に巡回ベルト2Aとの接続が乖離されると共にクラッチドア7が開放され、吸着室1と脱着室5とが連通状態となる。そして、上記吸着剤充填体4は、移送装置6によって吸着室1から脱着室5に移送され、脱着室5内に完全に収容されると、クラッチドア7が閉じて吸着室1と脱着室5とが分離される。
〔脱着準備工程〕
このような移送工程が終了すると、脱着準備工程において、例えば100〜400°Cに加熱された圧縮空気が圧縮空気供給装置9から脱着室5に供給されることによって脱着室5内が常圧よりも高い所定圧力かつ常温よりも高い所定温度まで加圧・加温される。脱着室5内の温度は、例えば100°C以上まで加温される。
〔脱着工程〕
このような脱着準備工程が終了すると、圧縮空気供給装置9に代わって脱着ガス供給装置8から水蒸気が脱着室5に供給されることによって脱着工程に移行する。この脱着工程では、水蒸気の作用によって吸着剤4bからVOCが脱着して水蒸気内に混入し、VOC含有水蒸気として脱着室5から排出される。ここで、脱着工程の前工程である脱着準備工程において、脱着室5内は100°C以上まで加熱されているので、脱着室5内で凝縮する水蒸気は、吸着剤4bを加熱するに要する熱量分のみであり、よって水蒸気の凝縮水をドレン水として処理する設備を極小化することができる。
〔移送工程〕
このような脱着工程においてVOCが吸着剤4bから十分に脱着すると、脱着ガス供給装置8から脱着室5への水蒸気の供給が停止されると共にクラッチドア7が開放され、吸着室1と脱着室5とが再び連通状態となる。そして、脱着済みの吸着剤充填体4は、移送装置6によって脱着室5から吸着室1に移送され、吸着室1内に完全に収容されると、クラッチドア7が閉じて吸着室1と脱着室5とが分離され、さらに巡回ベルト2との接続が行われる。そして、この状態において、回転駆動部3によって巡回ベルト2が巡回して再びVOCの吸着に供される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)吸着工程を吸着室1で行い、脱着工程を脱着室5で行うので、各工程の自由度が従来よりも向上する。例えば、吸着室1におけるVOC含有ガスの通過断面積、つまり複数の吸着剤充填体4の側面からなる吸着剤4bの断面積は、1本の吸着剤充填体4を収容する脱着室5における水蒸気の通過断面積、つまり1本の吸着剤充填体4の端面からなる吸着剤4bの断面積とは異なる(小さい)ので、従来技術とは異なり水蒸気(脱着ガス)の流量をVOC含有ガスの流量に係りなく最適設定することが可能であると共に、エネルギ的な処理効率を従来よりも向上させることができる。
(2)また、従来技術では脱着工程後にパージ工程や冷却工程が必要であったが、吸着工程を吸着室1で行い、脱着工程を脱着室5で行うので、上記パージ工程や冷却工程が不要であり、よって本実施形態によれば、時間的な処理効率を従来よりも向上させることができる。
(3)脱着室5の容積が吸着室1の容積よりも大幅に小さいので、脱着準備工程における加圧及び加熱時間を従来技術と同様に吸着室内で行う場合よりも大幅に短縮することができる。これによっても、時間的な処理効率を従来よりも向上させることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態に係るVOC回収装置Bの構成を示す正面図、また図5は本VOC回収装置Bの側面図、図6は本VOC回収装置Bの上面図である。上記第1実施形態に係るVOC回収装置Aは、吸着室1と脱着室5とを別室として設けるものであるが、本VOC回収装置Bは、吸着室1の機能と脱着室5の機能とを併せ持つ処理室10において、VOC含有ガスに含まれるVOCの吸着と脱着・回収とを行うものである。
処理室10は、矩形状の断面を有する上記流路の一部に設けられ、当該流路と連通する直方体状の開放空間である。この処理室10内には、通気自在な直方体状の容器に収納された粒状の吸着剤11が流路を完全に塞ぐように収容されている。また、このような処理室10の入口(吸着剤11の上流側)にはスライド扉12が、また出口(吸着剤11の下流側)にはスライド扉13が挿入自在に設けられている。スライド扉12は、前進することによって処理室10の入口を挿入され、図5に示すように当該入口を完全閉鎖する矩形状の扉である。スライド扉13は、上記スライド扉12と同一形状の扉であり、前進することによって処理室10の出口を完全閉鎖する。
ここで、直方体状の処理室10には同じく直方体状の吸着剤11が密に充填されているが、処理室10の形状(つまり吸着剤11の形状)は、図4〜図6に示すように、VOC含有ガスの通過断面(第1の断面)が脱着ガスの通過断面(第2の断面)よりも大きくなるように設定されている。すなわち、図4に示す処理室10の矩形形状は、脱着ガスの通過断面(第2の断面)に相当し、図5に示す処理室10の側面形状は、VOC含有ガスの通過断面(第1の断面)に相当し、図4に示す処理室10の正面形状は脱着ガスの通過断面(第2の断面)に相当するが、第2の断面は、上記第1の断面よりも大幅に小さい面積(断面積)を有する。
本VOC回収装置Bの吸着工程では、スライド扉12,13が後退して吸着剤11が流路中に露出した状態となる。そして、この状態において、流路中を上流から流れてきたVOC含有ガスは、吸着剤11を通過して下流側に流れる際にVOCが吸着剤11に吸着されて除去される。
一方、本VOC回収装置Bの脱着工程では、スライド扉12,13が前進して吸着剤11が流路から完全に隔離された状態となる。そして、この状態において、流路とは直行する方向、つまり水平方向から脱着ガスが処理室10内に供給されて、吸着剤11に吸着されたVOCが脱着ガスの作用によって脱着される。
すなわち、本VOC回収装置Bでは、図6の上面図に示すように、吸着剤11におけるVOCガスの通過方向と脱着ガスの通過方向とが水平面上で直交関係にあり、吸着時にはVOC含有ガスが吸着剤11における第1の断面(流路の延在方向に直行する断面)を通過する一方、脱着時には脱着ガスが上記第1の断面よりも大幅に小さい断面積の第2の断面(流路の延在方向に平行な断面)を通過する。
したがって、本実施形態によれば、上述した第1実施形態とは異なり、単一室として設けられた処理室10において、吸着剤11における通過面積をVOC含有ガスよりも脱着ガスの方が大幅に小さく設定することができるので、脱着ガスの流量をVOC含有ガスの流量に係りなく最適設定することが可能であると共に、エネルギ的な処理効率を従来よりも向上させることができる。
〔第3実施形態〕
図7は、第3実施形態に係るVOC回収装置Cの構成を示す正面図、また図8は、この図7におけるA-A矢視図である。なお、これら図7、8では、上述した第1、第2実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付している。
第1実施形態に係るVOC回収装置Aは、吸着剤11が吸着剤容器4aに収容してなる吸着剤充填体4をVOC含有ガスの流路内で巡回させつつVOCを吸着し、脱着時には吸着剤充填体4を別途設けられた脱着室5に移動させるものであるが、本VOC回収装置Cは、図7、8に示すように、各々に吸着剤11が充填された複数枚の平板状容器15を折畳み自在に連接してなる2つの吸着剤充填体4A1,4A2を備えるものである。
また、各吸着剤充填体4A1,4A2は、VOC含有ガスの流路壁(下側壁)に形成された2つの脱着室5A1,5A2に折畳んだ状態で個別に隔離収容されるようになっている。各吸着剤充填体4A1,4A2は、駆動装置16によって駆動されることにより、開いた状態、折畳んだ状態、また脱着室5A1,5A2への収容状態に状態設定される。
すなわち、本VOC回収装置Cでは、図7に示すように、一方の吸着剤充填体4A1が駆動装置16の作動によって開くことによりVOC含有ガスの流路を複数枚の平板状容器15で塞ぐ状態とし、このとき他方の吸着剤充填体4A2については、駆動装置16の作動によって折畳むことにより脱着室5A2に隔離収容する状態とする。そして、この2つの状態を2つの吸着剤充填体4A1,4A2について交互に繰り返すことにより、2つの吸着剤充填体4A1,4A2の一方でVOCを吸着し、同時に脱着ガスを脱着室で上下方向に挿通させることによって吸着剤11に吸着されたVOCを脱着・回収する。
本VOC回収装置Cによっても、上述した第1、第2実施形態のVOC回収装置A、Cと同様な効果を奏することが可能である。
ここで、図7、図8に示すように、VOCの吸着時において吸着剤充填体4A1は、複数枚の平板状容器15が単一平面を形成する状態ではなく、複数枚の平板状容器15がある角度をもって折曲がった状態になっている。この状態は、各平板状容器15がVOC含有ガスに対して正対、つまりVOC含有ガスの通過方向に対して直交する状態ではない。すなわち、本VOC回収装置Cでは、各平板状容器15をVOC含有ガスの通過方向に対して直交させないことにより、VOC含有ガスの吸着剤11における通過距離を各平板状容器15がVOC含有ガスの通過方向に対して直交する場合よりも長く設定している。このような本VOC回収装置Cによれば、上記通過距離が長くなる分、VOCの吸着効率を向上させることが可能である。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1実施形態では、吸着室1の最上部に隣接して1つ脱着室5を設け、上記最上部の位置した吸着剤充填体4のみを脱着室5に移送して脱着処理するようにしたが、吸着室1の最上部に加えて、最下部にも脱着室5を設け、合計2つの脱着室5で並行して脱着処理を行っても良い。
(2)上記第1実施形態では、脱着室5が1本の吸着剤充填体4を収容する形状に設定されているが、脱着室5を複数本(例えば2本)の吸着剤充填体4を収容する形状に形成し、同時に複数本の脱着処理を行うようにしても良い。
(3)上記第1実施形態では、巡回ベルト2Aの外周側に四角柱形状の吸着剤充填体4を一列に並べる構成と採用したが、吸着剤充填体4の形状や配列方法は、これに限定されない。
(4)吸着剤移送装置6や吸着剤巡回手段の構成は、上記第1実施形態の構成に限定されるものではない。また、脱着ガスも水蒸気に限定されず、また吸着剤も活性炭に限定されない。
(5)上記第1実施形態では、吸着剤充填体4を吸着室1から脱着室5に移送して脱着処理するようにしたが、これに代えて脱着室5を吸着室1内に移動させて1あるいは複数本の吸着剤充填体4を隔離状態として脱着処理するようにしても良い。すなわち、吸着剤移送装置6に代えて、脱着室5を吸着室1内に移送して吸着剤充填体4を収容させる脱着室移送装置を備えるようにしても良い。
(6)また、上記第1実施形態では、吸着剤巡回手段によって吸着剤充填体4を吸着室1内で巡回させるようにしたが、これに代えて脱着室5を巡回自在として、吸着剤充填体4を順次脱着させるようにしても良い。すなわち、脱着室5を吸着剤充填体4の配列方向に沿って一定方向に巡回させる脱着室巡回手段を備え、脱着室5の巡回位置に符合する位置の吸着剤充填体4を順次収容するように脱着室5を移動させるようにしても良い。
(7)上記第3実施形態では、VOC含有ガスの流路に2つの吸着剤充填体4A1,4A2を設けたが、本発明はこれに限定されない。さらに多くの吸着剤充填体を設けることによりVOC含有ガスが複数の吸着剤充填体を通過してVOCがより確実に回収されるようにしても良い。
(8)上記第3実施形態では、各平板状容器15をVOC含有ガスの通過方向に対して直交させないようにしたが、直交させるようにしても良い。特に、上述したようにさらに多くの吸着剤充填体を設ける場合には、VOC含有ガスの吸着剤11における通過距離を容易に確保できるので、各平板状容器15をVOC含有ガスの通過方向に対して直交させるようにしても良い。
本発明の第1実施形態に係わるVOC回収装置Aの構成を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係わるVOC回収装置Aの構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態における吸着剤充填体4の構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係わるVOC回収装置Bの構成を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係わるVOC回収装置Bの構成を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係わるVOC回収装置Bの構成を示す上面図である。 本発明の第3実施形態に係わるVOC回収装置Cの構成を示す正面図である。 図7におけるA-A矢視図である。
符号の説明
A,B,C…VOC回収装置、1…吸着室、2A…巡回ベルト、2B…スプロケット、3…回転駆動部、4,4A1,4A2…吸着剤充填体、4a…吸着剤容器、4b…吸着剤、4c…メッシュ部、5,5A1,5A2…脱着室、6…吸着剤移送装置、7…クラッチドア、8…脱着ガス供給装置、9…圧縮空気供給装置、10…処理室、11…吸着剤、12,13…スライド扉、15…平板状容器

Claims (16)

  1. 処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収装置において、
    内部に吸着剤が充填され、処理対象ガスが吸着剤の第1の断面を通過すると共に脱着ガスが第1の断面より小さな第2の断面を通過する処理室を備えることを特徴とする揮発性有機化合物回収装置。
  2. 処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収装置において、
    処理対象ガスが通過する吸着室と、
    該吸着室に配置され、吸着剤が充填された通気自在な吸着剤充填体と、
    吸着室とは別に配置され、脱着ガスを用いて吸着剤充填体の吸着剤から揮発性有機化合物を脱着する脱着室と、
    吸着剤充填体を吸着室と脱着室との間で移送する吸着剤移送装置と
    を具備することを特徴とする揮発性有機化合物回収装置。
  3. 吸着剤を分割収納すると共に互いに隣接配置された複数の吸着剤充填体を備え、
    吸着剤移送装置は、揮発性有機化合物を吸着した吸着剤充填体を吸着室から脱着室に順次移動させる
    ことを特徴とする請求項2記載の揮発性有機化合物回収装置。
  4. 吸着室内において吸着剤充填体を一定方向に巡回させる吸着剤巡回手段をさらに備え、
    吸着剤移送装置は、特定の位置に移動してきた吸着剤充填体を脱着室に移動させることを特徴とする請求項3記載の揮発性有機化合物回収装置。
  5. 吸着剤移送装置に代えて、脱着室を吸着室内に移送して吸着剤充填体を収容させる脱着室移送装置を備えることを特徴とする請求項2記載の揮発性有機化合物回収装置。
  6. 吸着剤を分割収納すると共に互いに隣接配列された複数の吸着剤充填体と、
    脱着室を吸着剤充填体の配列方向に沿って一定方向に巡回させる脱着室巡回手段をさらに備え、
    脱着室移送装置と脱着室巡回手段とによって脱着室の巡回位置に符合する位置の吸着剤充填体を順次収容させることを特徴とする請求項5記載の揮発性有機化合物回収装置。
  7. 脱着室は1本の吸着剤充填体を収容する容積を有することを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  8. 吸着室は、処理対象ガスが通過する流路の一部であることを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  9. 処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収方法において、
    処理対象ガスが吸着剤の第1の断面を通過すると共に脱着ガスが第1の断面より小さな第2の断面を通過させることを特徴とする揮発性有機化合物回収方法。
  10. 処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を所定の吸着剤に吸着させ、該吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を所定の脱着ガスを用いて脱着して回収する揮発性有機化合物回収方法において、
    揮発性有機化合物の吸着剤への吸着を所定の吸着室で行い、吸着剤を移動させることにより吸着室とは別に設けられた脱着室で吸着剤からの揮発性有機化合物の脱着を行うことを特徴とする揮発性有機化合物回収方法。
  11. 吸着剤を通気自在な複数の吸着剤容器に分割充填して吸着室内に収納し、揮発性有機化合物を吸着した吸着剤が充填された吸着剤容器を吸着室から脱着室に順次移動させて脱着処理する
    ことを特徴とする請求項10記載の揮発性有機化合物回収方法。
  12. 吸着室内において吸着剤容器を一定方向に巡回させ、特定の位置に移動してきた吸着剤容器を脱着室に移動させて脱着処理する
    ことを特徴とする請求項11記載の揮発性有機化合物回収方法。
  13. 吸着剤を移送することに代えて、脱着室を吸着室内に移送して吸着剤充填体を収容させることを特徴とする請求項10記載の揮発性有機化合物回収方法。
  14. 吸着剤を通気自在な複数の吸着剤容器に分割充填して吸着室内に隣接配置し、
    脱着室を吸着剤容器の配列方向に沿って一定方向に巡回させると共に脱着室の巡回位置に符合する位置の吸着剤充填体を脱着室に順次収容して脱着処理することを特徴とする請求項13記載の揮発性有機化合物回収方法。
  15. 脱着室は1本の吸着剤容器を収容する容積を有することを特徴とする請求項10〜14の何れか一項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  16. 吸着室は、処理対象ガスが通過する流路の一部であることを特徴とする請求項10〜15の何れか一項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
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