JP2010014493A - 沸騰水型原子炉および制御棒 - Google Patents
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Abstract
【課題】一辺の長さが15cm以上の大型燃料集合体が装荷される沸騰水型原子炉で、ブレードヒストリー効果を抑制する。
【解決手段】燃料集合体91を2行2列に配列した複数のセルに挿抜可能に設けられる制御棒のうち、運転サイクルを通じて主として反応度の制御に用いられる制御セル用制御棒15には、中性子を吸収する中性子吸収棒5および中性子をあまり吸収しない非吸収棒6が複数配列されている。少なくとも有効部の上端から所定の長さの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりもタイクロス23に近い内側領域とが形成されている。内側領域には、非吸収棒6が外側領域に比べて多く配列され、水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さくなっている。燃料集合体91の外周あるいは2層目の横断面中央付近に、細径ウォータロッド87を配置して非沸騰水領域を形成してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】燃料集合体91を2行2列に配列した複数のセルに挿抜可能に設けられる制御棒のうち、運転サイクルを通じて主として反応度の制御に用いられる制御セル用制御棒15には、中性子を吸収する中性子吸収棒5および中性子をあまり吸収しない非吸収棒6が複数配列されている。少なくとも有効部の上端から所定の長さの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりもタイクロス23に近い内側領域とが形成されている。内側領域には、非吸収棒6が外側領域に比べて多く配列され、水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さくなっている。燃料集合体91の外周あるいは2層目の横断面中央付近に、細径ウォータロッド87を配置して非沸騰水領域を形成してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、大型の燃料集合体が装荷される沸騰水型原子炉およびそれに用いる制御棒に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)の炉心は、一般に、大部分が燃料体セルを水中に配列して形成される。燃料体セルは、4体の燃料集合体を横断面が十字形の制御棒の1本を取り囲むように配列されて形成される。燃料集合体は、それぞれ横断面がほぼ正方形の金属製角管(チャンネルボックス)の中にウォータロッドあるいはウォータチャンネルなどの水棒と多数の燃料棒を規則的に配置して形成される。実用化されているBWRの燃料体セルは、BWR導入初期を除き、その1辺が12インチ(30.48cm)で金属製角管の1辺の長さは14cm程度である。また、近年、セル寸法を12インチ(30.48cm)よりも少し拡大した燃料体セルで形成された炉心を備えたBWRも実用化されている。
原子力発電の総合的な経済性を向上させるため、燃料体セルを大きくするとともに、各燃料集合体の大きさを大きくする研究が進められている。たとえば12インチ(30.48cm)よりも少し拡大した燃料体セルに対して、セル寸法を1.2倍、1.4倍および2倍とした燃料体セルが研究されている。これらの燃料体セルの寸法に対応する燃料集合体の1辺の寸法は、17cm、20cmおよび30cm程度である。特許文献1には、燃料体セルの寸法を微小拡大セルの1.2倍とした場合の燃料集合体設計例が示されている。この燃料集合体設計例では、燃料棒配列を12行12列とし、中央に太い水棒を配置している。
特開2005−265696号公報
特開昭62−235595号公報
制御棒を挿入した状態においては、制御棒の中心軸に近い燃料棒の近傍ほど中性子束が低くなる。このため、特に制御棒の中心軸に近い燃料棒の燃焼は、他の燃料棒に比べて遅れる傾向にある。したがって、制御棒が挿入された状態である程度の時間が経過した後、その制御棒が引き抜かれると、特に制御棒の中心軸に近い燃料棒は、他の位置の燃料棒に比べて出力の上昇幅が大きくなる傾向にある。この上昇幅が著しいと、燃料の健全性を損なうおそれがある。
このような燃料健全性への脅威を低減するため、制御棒の中心軸に近い位置の燃料棒に装填されるウランの濃縮度は、大幅に抑制せざるを得ない。その結果、燃料集合体の内部での濃縮度分布などの燃料設計が複雑になり、燃料経済性の低下につながる。
このような問題は、制御棒の中心軸の近傍のみに生じるのではなく、制御棒の中心軸から離れると程度は緩和されるものの、広い範囲で生じる。また、制御棒の水平方向の端部からの距離が大きくなるほど、制御棒の中心軸の近傍での中性子束の低下は大きい。このため、燃料集合体を大型化すると、このような問題に対する対策の必要性が大きくなる。
また、原子炉の出力運転中に大部分の制御棒は炉心から引き抜かれている。しかし、一部の制御棒は、炉心の出力分布と反応度を制御するため、運転サイクルの大部分の期間において炉心に挿入されている場合がある。これらの制御棒は、必要に応じて挿抜される。制御棒が引き抜かれると、上述のように大きな出力上昇が生じ、これに伴う燃料健全性が問題となる場合がある。このような問題は、ブレードヒストリー問題と呼ばれる場合がある。この問題は、燃料集合体が大きくなるにつれて、より一段と厳しいものになる。
出力運転中に炉心に挿入されている制御棒は、制御セル用制御棒と呼ばれる場合がある。制御セル用制御棒は、非常に高い中性子照射を受けるため、長寿命型制御棒が用いられる。長寿命型制御棒に用いられる代表的な中性子吸収材は、ハフニウムである。ユーロピウム、サマリウム、ディスプロシウムなどの希土類元素を中性子吸収材として用いる研究もされている。銀インジウムカドミウム合金は、加圧水型原子炉(PWR)の制御棒に広く用いられている。
ハフニウムを用いたBWR用の制御棒は、たとえば特許文献2に開示されている。この制御棒は、2枚のハフニウム板の間に炉水を導き、この水でも中性子を減速して中性子吸収率を高めたいわゆる中性子束トラップ型制御棒である。しかし、このような制御棒であっても、燃料集合体が大型化した場合には改良が必要となる。また、このような従来の制御棒ではシースを構成する金属と中性子吸収材とが異種金属であるため、長寿命化時腐食による健全性劣化の問題も内在している。
そこで、本発明は、一辺の長さが15cm以上でほぼ正方形の横断面を持つ大型燃料集合体が装荷される沸騰水型原子炉で、ブレードヒストリー効果を抑制することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、鉛直方向に延びる中心軸を持つ円柱状に形成された炉心を備えた沸騰水型原子炉において、水平方向の長さが15cm以上でほぼ正方形の燃料棒配置領域内に鉛直方向に延びる複数の燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体を2行2列に配列した複数のセルと、前記セルの水平方向の中央部に鉛直方向に延びる軸心から隣り合う前記燃料集合体の間に延びる4枚のウィングを備えて前記炉心に挿抜可能に設けられた制御棒と、を有し、前記制御棒は、少なくとも有効部の上端から所定の長さ下方までの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりも前記軸心に近くこの外側領域に比べて水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい内側領域とが形成された制御セル用制御棒を含む、ことを特徴とする。
また、本発明は、水平方向の長さが15cm以上でほぼ正方形の燃料棒配置領域内に鉛直方向に延びる複数の燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体を2行2列に配列した複数のセルを配列して鉛直方向に延びる中心軸を持つ円柱状に形成された炉心を備えた沸騰水型原子炉の前記セルの水平方向の中央部に鉛直方向に延びる軸心から隣り合う前記燃料集合体の間に延びる4枚のウィングを備えて前記炉心に挿抜可能に設けられた制御棒において、少なくとも有効部の上端から所定の長さ下方までの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりも前記軸心に近くこの外側領域に比べて水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい内側領域とが形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、一辺の長さが15cm以上でほぼ正方形の横断面を持つ大型燃料集合体が装荷される沸騰水型原子炉で、ブレードヒストリー効果を抑制できる。
本発明に係る原子炉の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第1の実施の形態における炉心の一部拡大横断面図である。
図2は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第1の実施の形態における炉心の一部拡大横断面図である。
本実施の形態における沸騰水型原子炉は、ほぼ円柱状に形成された炉心を有している。この炉心の内部には、炉心の軸方向に延びる角筒状の燃料集合体91が正方格子状に配列されている。炉心には、冷却水が下から上に流れる。
燃料集合体91の間の水領域には、制御棒15,16が挿抜可能に設けられる。制御棒15,16は、横断面が十字型になるように形成されていて、4体の燃料集合体91に囲まれるように配置されている。2行2列に配列されて1本の制御棒15,16を取り囲む合計4体の燃料集合体91は、セル17,18と呼ばれる。セル17,18には、制御セル17と非制御セル18がある。制御セル17に挿抜される制御棒は、制御セル用制御棒15と呼ばれる。非制御セル18に挿抜される制御棒は、非制御セル用制御棒16と呼ばれる。また、制御セル17をコントロールセルまたはCCと呼ぶ場合もある。また、非制御セル18を、non−CCと呼ぶ場合もある。
図1は、本実施の形態における制御セルの一部拡大横断面図である。図1は、図2の二点鎖線19の部分を拡大したものである。
本実施の形態の燃料集合体91は、標準燃料棒84、短尺燃料棒85、ウォータチャンネル86および細径ウォータロッド87を、角筒状のチャンネルボックス95の内部に配列したものである。チャンネルボックス95の外幅は、たとえば約17cmである。つまり、チャンネルボックス95の内部は、水平方向の長さが15cm以上でほぼ正方形の燃料棒配置領域となっている。また、隣り合う燃料集合体91の中心間の距離は約19cmで、隣り合うチャンネルボックス95の間の間隙は、約2cmである。
標準燃料棒84は、12行12列の正方格子の格子位置のうち112か所に配置されている。短尺燃料棒85は、12行12列の正方格子の4つのコーナー部および最外周から3層目の対角線と交わる位置に、合計8本配置されている。
標準燃料棒84および短尺燃料棒85は、ジルカロイ製の円筒状の被覆管に、ウランなどの核燃料物質を円柱状に焼き固めたペレットを収め、その両端部を端栓で封じたものである。短尺燃料棒85では、核燃料物質を収めた燃料有効部の下端は標準燃料棒84と同じであるが、上端は標準燃料棒84よりも低い位置にある。
短尺燃料棒85は、炉心の上部、すなわち冷却材流れの下流側の所定の範囲で、燃料棒がなくなっている。この部分は、バニッシングロッドと呼ばれており、冷却材が占める空間となっている。短尺燃料棒85の導入により、冷却材の圧力損失が低下し、軸方向出力分布の平坦化効果が生じ、炉停止時には未臨界度を大きくすることができる。
ウォータチャンネル86は、12行12列の正方格子の中央の16の格子位置を占める角筒である。細径ウォータロッド87は、12行12列の正方格子の最外周から2層目の辺の中央にそれぞれ2本ずつ配置されている。ウォータチャンネル86および細径ウォータロッド87の内部には、冷却水が流れるようになっている。細径ウォータロッド87は、本数およびその配置は制御棒設計によって適宜変更してもよいが、燃料集合体91の最外周またはそのすぐ内側の層のほぼ中央部にも配置する。
制御棒15,16は、4枚のウィング24を備えている。ウィング24は、炉心の軸方向に延びる中心軸から横方向に延びていて、隣り合うウィング24は90度の角度をなしている。また、制御棒15,16の中心軸には、十字型の結合部材であるタイクロス23が軸方向に間隔を置いて複数配置されている。タイクロス23は、ウィング24の軸心に最も近い位置に鉛直方向に延びる内側結合バー40に結合されている。軸心から約2cmまでタイクロス23は水平方向に延びている。軸心からウィング24の側端部までの距離は、約15cmである。
それぞれのウィング24は、ジルカロイの板をタイクロス23と反対側で折り返した形状のジルカロイシース4と、そのジルカロイシース4の内部に配置された中性子吸収棒5および非吸収棒6とを備えている。中性子吸収棒5および非吸収棒6は、いずれも炉心の軸方向に延びている。ウィング24の厚さは、1cm弱である。
中性子吸収棒5は、ハフニウム金属棒であり、必要に応じてジルカロイコーティングや表面研磨を施すことなどにより耐腐食性能が改良されている。非吸収棒6は、ジルカロイ製棒、あるいは、炉水を導入したジルカロイ管である。つまり、中性子吸収棒5は、中性子を多く吸収し、非吸収棒6は中性子吸収棒5に比べて中性子をあまり吸収しない。
制御セル用制御棒15は、ウィング24の水平方向の外側と内側の領域が形成されている。制御セル用制御棒15の外側領域、すなわち、ウィング24のタイクロス23から遠い方では、中性子吸収棒5のみが配置されており、非吸収棒6は配置されていない。一方、制御セル用制御棒15の内側領域、すなわち、ウィング24内のタイクロス23に近い方では、中性子吸収棒5は、非吸収棒6と交互に配置されている。つまり、内側領域は、外側領域よりも軸心に近く、外側領域に比べて水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の量が小さい。
一般的に、原子炉が出力運転される運転サイクルの全期間に亘って、非制御セル用制御棒16は炉心から引き抜かれている。一方、大部分の制御セル用制御棒15は、運転サイクルの長期間、炉心の中に、しかも全長の大部分の長さが、挿入されている。
このため、ほとんどの場合、制御セル用制御棒15は、制御棒有効部全長のうち挿入側から1/2の部分は非常に大量の中性子照射を受ける。したがって、制御セル用制御棒15の中性子吸収材には、本実施の形態のようにハフニウムに代表される長寿命の中性子吸収材を配置するのが好適である。
また、制御セル17において、制御セル用制御棒15の中性子照射が進む部分に隣接する標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85の燃焼も速い。したがって、制御セル17において、制御セル用制御棒15の近傍で中性子束分布に大きな傾きがある場合には、運転サイクルにおけるサイクル燃焼度が大きくなるにつれて、標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85の燃焼が速い部分と、遅い部分での燃焼度の差が大きくなる。
燃焼が遅く燃焼度が小さい標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85は、燃焼が速く燃焼度が大きい標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85に比べて核分裂性物質の量が多いことになる。このため、制御セル用制御棒15を引き抜いて燃料集合体91の横断面方向の中性子束分布が比較的平坦になると、燃焼が遅い標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85には大きな出力変動が生じるという、ブレードヒストリー効果が現れる。ブレードヒストリー効果が大きすぎると、燃料の健全性に支障がある場合もある。
そこで、原子炉で制御セル17の燃料集合体91のブレードヒストリー効果を低減するのに好適な制御セル用制御棒15の構成を検討するために、臨界実験を行った。
図3は、臨界実験体系の平面図である。図4は、臨界実験体系の一部拡大平面図である。図4は、図3の二点鎖線2の部分を拡大したものである。図5は、臨界実験の結果得られた表面放射化率分布を制御棒とともに示す図であって、(A)は臨界実験に用いた制御棒のウィングの横断面図、(B)は制御棒中心からの距離に対する制御棒表面での放射化率の分布を示すグラフ、(C)は制御棒中心からの距離に対する制御棒表面の銅箔の放射化率の分布を示すグラフである。
臨界実験では、臨界実験装置NCAの炉心タンクの中央に十字型の制御棒1を配置し、それを取り囲むように4体の燃料集合体10を配置した炉心3を形成した。さらに、炉心3が臨界になるまで、外周に対称かつ炉心横断面が正方形になるように燃料棒20を装荷した。使用した燃料棒20には、全て濃縮度2重量%のウランが装填されている。なお、燃料集合体10には、チャンネルボックスは装着していない。
制御棒1は、タイロッド7から十字型に延びる厚さ約1.5mmのステンレス鋼製のシース37の内部に、中性子吸収棒5、非吸収棒6またはハフニウム棒8を配置した4種類について実験を行った。4種類の制御棒11,12,13,14は、図5(A)に(a)、(b)、(c)および(d)として示すとおり、タイロッド7が存在する一般的な構成(d)、制御棒1の各翼ごとにタイロッド7の側面から3本の中性子吸収棒5を非吸収棒6と置換した構成(a)、非吸収棒6とハフニウム棒8をタイロッド7側から交互に翼幅の2/3まで配置した構成(b)、およびタイロッド7を取り外し、水が占めるようにした構成(c)である。
より具体的には、図5(A)の(a)に示す制御棒11は、タイロッド7に近い方に3本の非吸収棒6を配置し、その外側に中性子吸収棒5を17本配置したものである。図5(A)の(b)に示す制御棒12は、タイロッド7に近い方からハフニウム棒8と非吸収棒6を交互にそれぞれ7本配置し、その外側に中性子吸収棒5を配置したものである。図5(A)の(c)に示す制御棒13は、タイロッド7を削除し中心側にアクリルスペーサ9を設けてその外側に中性子吸収棒5を20本配置したものである。また、図5(A)の(d)に示す制御棒14は、タイロッド7に接する位置から中性子吸収棒5を20本配置したものである。
中性子吸収棒5は、外径約5mmのステンレス鋼管にボロンカーバイド(B4C)粉末を約70%の理論密度で充填したものである。ハフニウム棒8は、中性子吸収棒5と外径が同じで反応度価値もほとんど等しい。非吸収棒6は、中性子吸収棒5と同じステンレス鋼管に水を満たした水管である。
この実験では、これらの4種の制御棒1を用いて、制御棒1の表面の中性子束分布を銅箔放射化率として測定した。より具体的には、まず、制御棒1のシース37の表面に密着するように銅箔をストリップ状に配置した。その後、炉心タンクに給水して炉心を臨界にして中性子照射を行う。中性子照射の後、炉心から銅箔を取り出して切断し、それぞれの誘導放射能のベータ線を計測した。
図5(C)の制御棒表面銅箔放射化率分布は、このようにして得られた放射能強度分布である。この制御棒表面銅箔放射化率分布は、制御棒構成の変化の影響をあまり受けない制御棒1の外側近傍の点(図5(C)中の規格化点)の放射化率で規格化したものである。また、図5(B)は、図5(A)の(a)、(b)および(c)に示す制御棒11,12,13での結果を図5(A)の(d)に示す制御棒14の結果に対する比として示したものである。
銅の放射化反応は、熱エネルギー程度の低エネルギーを持った中性子によって引き起こされる。このためこの実験結果は、熱中性子束の分布と見なすことができる。いずれの制御棒1でも、翼の外側端部15mm程度の範囲で急激に中性子束が高くなっている。また、図5(A)の(d)に示す制御棒14では、タイロッド7の近傍で中性子束が若干高くなっている。図5(A)の(c)に示す制御棒13では、タイロッド7の場所を水が占めているため、その近傍で中性子束が非常に高くなっている。図5(A)の(a)に示す制御棒11では、側面の燃料棒のうち制御棒1の中心軸に近いものの近傍で中性子束が大幅に高くなる。図5(A)の(b)に示す制御棒12では、広い範囲で中性子束が盛り上がっている。
制御棒1の近傍の燃料棒3の出力は、これらの表面中性子束分布ほど急激な変化は生じないが、類似の分布を示す。ブレードヒストリーの影響を低減させるためには、制御棒による反応度低下の程度(制御棒価値)を余り低下させないで、中性子束を広い範囲で高めることが望ましい。この観点で好適な中性子束分布が得られた図5(A)の(b)に示す制御棒12の場合、制御棒価値は、4種類の制御棒11,12,13,14の中で最も低下したが、その低下率は約8%であり、許容範囲である。また、図5(A)の(a)に示す制御棒11では、制御棒価値の低下率は約3.5%であった。図5(A)の(c)に示す制御棒13では、中性子束分布が特に高くなる翼の制御棒軸心側で中性子吸収が増大するため、制御棒価値はかえって増大した。
しかし、制御棒1の軸方向の全長に亘って制御棒価値が8%低下することは望ましくないので、必要な場所に限って、このような制御棒1の構成を採用するもことが好ましい。なお、通常の制御棒設計では制御棒全体の反応度価値の低下が10%を越えると許容できないとされている。
また、本実験結果は、中性子束分布が特に高くなる翼の側端では、中性子吸収材をなるべく多くすることによって制御棒寿命と反応度価値を高めることを示している。また、実機制御棒では翼のうち配列された吸収材の両端部で中性子照射量が高くなるため、長寿命型の制御棒を設計する場合には長寿命型中性子吸収材を配置すべきこと、反応度の高い制御棒を設計する場合には中性子吸収効果の高い吸収材を配置すべきことを示している。逆に、翼の中央部分では、吸収材の選択条件は比較的緩いことを示している。
そこで、本実施の形態の制御セル用制御棒15では、これらの実験結果に基づいて、好適な制御棒構成としている。
図5(A)の(d)に示す制御棒14を用いた試験結果からわかるように、ウィング24の全体に中性子吸収棒5を配置した制御棒1を用いた場合には、制御棒1のタイロッド7の近傍から外側に向かって、中性子束は大きくなる。このため、制御棒1のウィング24が横方向に長くなるほど、制御棒1のタイロッド7の近傍の中性子束と外側の端部との中性子束の差が大きくなることがわかる。つまり、ブレードヒストリー効果の大きさは、特に、燃料集合体が大きい、すなわち制御棒1のウィング24が横方向に長い、大型バンドルを用いた原子炉で顕著になる。
しかし、本実施の形態の沸騰水型原子炉では、図5(A)の(b)に示す制御棒12と同様に、軸方向の中心に近い位置には中性子吸収棒5および非吸収棒6を交互に配置し、その外側では中性子吸収棒5のみを配置した制御セル用制御棒15を用いている。このため、図5(C)に示すように、制御セル用制御棒15のジルカロイシース4が延びる方向の中性子束分布は平坦に近くなり、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
また、本実施の形態の制御セル用制御棒15は、軸方向に間隔を置いて設けられたタイクロス23を用いて、軸心部分に非沸騰水領域を設けている。このため、図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、制御セル用制御棒15の軸心に近い位置の燃料棒84,85の出力を高めることにより、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
さらに、本実施の形態の燃料集合体91は、最外周またはそのすぐ内側の層のほぼ中央部に細径ウォータロッド87が配置されている。つまり、制御セル用制御棒15のジルカロイシース4が延びる方向の中央部近傍に減速材である水の量が増えることになる。図5(C)に示すように、この部分では中性子束が小さくなる傾向があるが、細径ウォータロッド87を配置することにより、中性子の減速が促進されて中性子束が増加し、燃料集合体91の全体での中性子束分布が平坦化する。したがって、燃料集合体91の標準燃料棒84あるいは短尺燃料棒85の燃焼の進み方が平均化し、ブレードヒストリー効果が抑制される。
この抑制効果を確認するため、シミュレーション計算を行った。このシミュレーション計算は、本実施の形態の燃料集合体91を2サイクル燃焼させた場合の計算である。燃料集合体の初期ウラン濃縮度を7.4重量%とし、サイクル燃焼度を20GWd/tとした。1サイクル目は制御棒引き抜き状態とし、2サイクル目のサイクル中は制御棒を挿入した状態で燃焼させ2サイクル目の末期に制御棒を引き抜いた。なお、制御棒は、シース内部にすべて吸収棒が配置されているとした。つまり、非吸収棒は用いていない。燃料集合体内部のウラン濃縮度分布は最外層の内側の水棒がない状態に対して、おおよそ最適化されている。冷却材ボイド率は、代表値として40%を仮定した。
燃料集合体の出力分布は、厳密には、制御棒の有無により全領域で変化するが、制御棒の中心軸に対して反対側のコーナに位置する燃料棒の出力変化は非常に小さい。そこで、近似的に制御棒有無による出力分布の変化をこのコーナ位置で規格化して比較した。
最外周の内側の層の2本の水棒がある場合と無い場合の燃料棒の出力を比較すると、水棒の外側の層、すなわち制御棒を挿抜する水ギャップに面する燃料棒の出力は、制御棒挿入時において相対出力の最大値が0.7から0.8へ上昇した。つまり、制御棒挿入時の燃料集合体の内部での出力分布が平坦化した。
外周位置の燃料棒84,85は、制御棒の挿抜に伴う出力の変動が大きくなる傾向がある。また、燃料集合体91の水平方向中央部では、燃料集合体91のコーナー部近傍の燃料集合体91の間の比較的大きな非沸騰水領域からの距離が遠い。このため、燃料集合体91の水平方向中央部では、燃料集合体91の水平方向中央部の外周位置の非沸騰水領域で減速された熱中性子が入射することにより、制御棒挿入時でも出力が比較的高くなり、制御棒の挿抜に伴う出力の変動を抑制することができる。
つまり、制御セル17の燃料集合体91は、燃料棒84,85が配置される正方格子のうちチャンネルボックス95の水平方向中央部と面する外周位置の近傍に、細径ウォータロッド87などを配置して非沸騰水領域を形成することにより、制御棒の挿抜に伴う出力の変動を小さくできる。このため、燃料集合体91にこのような非沸騰水領域を形成することにより、ブレードヒストリー効果を低減することができる。
さらに、このような非沸騰水領域は、外周位置から2層目に設けた方が、外周位置に設けた場合に比べて、ブレードヒストリー効果をより低減することができる。これは、制御棒の挿抜に伴う出力の変動が大きい外周位置の燃料棒84,85に対して、制御棒側に加えて燃料集合体91の内側の非沸騰水領域で減速された熱中性子が入射することになるからである。
大型の燃料集合体91では、横断面方向の出力分布を平坦化するため、一般的に横断面中央部付近にウォータチャンネル86を配置することなどにより非沸騰水領域を設ける。燃料集合体91の水平方向中央部の外周あるいは外周から2層目に設けた非沸騰水領域の効果は、横断面中央部付近の非沸騰水領域との距離が小さくなると、相対的に小さくなる。このため、燃料集合体91に配列される燃料棒84,85が配列される正方格子は、12行12列以上の場合に特に効果が大きい。
また、制御棒を挿抜する水ギャップに面する燃料棒の出力は、制御棒引抜時も同様に上昇する。そこで、初期濃縮度を若干低下させ、その分を制御棒中心軸に最近接する(1,1)短尺燃料棒85などのウラン濃縮度を若干高めるなどの対策を施してもよい。最外周の内側の水棒は、本実施の形態では2本だが、最外周の層のあるいはその一層内側の中央付近に1ないし4本を、隣接してあるいは離間して配置してもよい。これによって、出力分布を平坦化することができる。水棒の導入と、制御棒内の非吸収棒の導入の具体的な配置は設計計算などによって決定される。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第2の実施の形態における制御セルの一部拡大横断面図である。
図6は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第2の実施の形態における制御セルの一部拡大横断面図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態と燃料集合体が異なる。本実施の形態の燃料集合体92は、ウォータクロス88を有している。ウォータクロス88は、チャンネルボックス95の内部に、その横断面中央にチャンネルボックス95に対して45度傾いて配置される正方形とその正方形の頂点からチャンネルボックス95に向かって延びる非沸騰の水領域45を形成する。
ウォータクロス88で仕切られたチャンネルボックス95の内部の4つの領域には、6行6列の正方格子位置に、チャンネルボックス95の横断面中央に最も近い1か所を除き、標準燃料棒84、短尺燃料棒85および細径ウォータロッド87のいずれかが配置されている。これらの4つの領域にそれぞれ束ねられた標準燃料棒84、短尺燃料棒85および細径ウォータロッド87の集合体をサブバンドルと呼ぶ。チャンネルボックス95から2層目の中央付近には、細径ウォータロッド87が配置されている。隣り合うサブバンドルに設けられた細径ウォータロッド87は、ウォータクロス88を挟むように配置されている。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同じ制御セル用制御棒15を用いているため、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。また、燃料集合体92の最外周のすぐ内側の層のほぼ中央部に細径ウォータロッド87を配置しているため、制御セル用制御棒15の挿入時の燃料集合体92の内部の出力分布が平坦化される。このため、ブレードヒストリー効果が抑制される。
[第3の実施の形態]
図7は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第3の実施の形態における制御セルの一部拡大横断面図である。
図7は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第3の実施の形態における制御セルの一部拡大横断面図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態と燃料集合体が異なる。本実施の形態の燃料集合体93は、それぞれ横断面がほぼ正方形の4体のサブバンドル94を、2行2列に配列して、一体的に結合したものである。それぞれのサブバンドル94は、チャンネルボックス95の内部に8行8列に標準燃料棒84を束ねて、横断面中央部に太径ウォータロッド90を配置したものである。また、それぞれのサブバンドル94の制御セル用制御棒15と向かい合う面には、たとえば最外周の内側の層にそれぞれ2本の細径ウォータロッド87を配置している。細径ウォータロッド87は、チャンネルボックス95からチャンネルボックス95の幅の1/4程度以内の距離に配置する。
すなわち、本実施の形態の燃料集合体93は、従来の燃料集合体とほぼ同等の4体のサブバンドル94を結合した2倍寸法集合体である。また、本実施の形態の燃料集合体93は、第2の実施の形態の燃料集合体92(図6参照)のサブバンドルを大型化したものと考えることもできる。各サブバンドル94の間にはサブバンドル間スペーサ89がそれぞれ設けられていて、各サブバンドル94の間の間隔は一定に保持されている。
また、燃料集合体93の対角に位置するコーナを中心に、2本の制御棒1が燃料集合体93を挟み込むように配置されている。このような炉心は、K格子と呼ばれる場合がある。しかし、1本の制御棒1に着目すると、4体の燃料集合体93が制御棒1を取り囲んでいる。このため、本実施の形態でも、燃料集合体93を挟み込む制御棒のどちらかを第1の実施の形態と同じ制御セル用制御棒15(図1参照)とし、制御セル17(図1参照)を形成すると、第1の実施の形態と同様にブレードヒストリー効果を抑制することができる。
燃料集合体93と各サブバンドル94の中央には、それぞれ大きな水領域45が配置され、さらに各サブバンドル94の最外周の中央付近で制御棒1に面する最外層の内側の層にも水領域が配置されている。また、各サブバンドル94の間には非沸騰の水領域45が十字形に形成されている。各サブバンドル94の十字形の非沸騰の水領域45の各先端部、すなわち制御棒1に近い部分では、水の量が比較的多くなるので、この部分には細径ウォータロッド87は配置していない。一方、サブバンドル94の最外周の内側の層で、減速材である水が不足しがちな中央部に細径ウォータロッド87を配置している。このため、制御棒1の挿入時の燃料集合体93の内部の出力分布が平坦化される。このため、ブレードヒストリー効果が抑制される。
また、本実施の形態の燃料集合体93には、中央の十字型の非沸騰水領域に取り外し可能な水排除板96が挿入されている。この水排除板96を導入することにより、運転サイクルごとに燃料集合体93の内部での減速材の量を変化させることができる。このため、燃料集合体93の内部の特に中央付近での燃焼の進み方を制御することもできる。
たとえば、原子炉初装荷炉心では水排除板96を挿入しておき、1サイクル運転後に取り除くと、1サイクル目には減速材から遠い中央部分の燃焼が抑制され、2サイクル目以降に燃焼が促進されるようになる。これにより、燃料バンドルの濃縮度分布設計を最適化することに寄与できる。また、水排除板96は、炉心下半分の部分にのみ挿入してもよい。これにより、軸方向の出力分布を平坦化することもできる。
このように大きな燃料集合体93は、燃料取扱いや、制御棒本数削減などの面で有利であるが、燃料集合体に対する制御棒の比率が低下する傾向にある。このため、原子炉の制御や停止余裕確保の面で不利になりがちである。このため、本実施の形態の燃料集合体93よりも大きい燃料集合体を用いたBWRは、現実的には成立させることが困難であろう。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第4の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図9は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大一部切欠き側面図であって、図10のIX−IX矢視図である。図10は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図であって、図9のX−X矢視断面図である。
図8は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第4の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図9は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大一部切欠き側面図であって、図10のIX−IX矢視図である。図10は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図であって、図9のX−X矢視断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、横断面が十字形に形成された先端構造材21および末端構造材22を有している。先端構造材21および末端構造材22は、鉛直方向に延びる中心軸を中心として間隔を置いて配置される。先端構造材21には、制御セル用制御棒15の挿抜の際に、チャンネルボックス95(図1参照)との摩擦を小さくするためにガイドローラ29が取り付けられている。
また、中心軸から広がる4枚のウィング24が先端構造材21および末端構造材22の間に延びている。さらに、横断面が十字形に形成されたタイクロス23が中心軸に沿って間隔を置いて配置されている。
それぞれのウィング24は、平管状ジルカロイシース25とその内部に収められたハフニウム棒26および細径ハフニウム棒27を備えている。平管状ジルカロイシース25は、ジルカロイ製である。また、平管状ジルカロイシース25の内部の最も中心軸側には、ジルカロイ製補強材82が中心軸に沿って延びている。ジルカロイ製補強材82は、タイクロス23と一体として形成されていて、補強材として機能している。また、平管状ジルカロイシース25の内部のタイクロス23よりも外側では、ハフニウム棒26と細径ハフニウム棒27が交互に2本ずつ配置されている。また、その外側には、ハフニウム棒26が9本配置されている。
図11は、本実施の形態における細径ハフニウム棒の一部拡大縦断面図である。
細径ハフニウム棒27は、ハフニウム棒26よりも外径が小さい円柱状のハフニウムの棒を軸方向に並べて、通常のハフニウム棒26と外径が同じスペーサ兼コネクタ28によりネジ止めなどで結合されている。このため、細径ハフニウム棒27は、ハフニウム棒26とともに、平管状ジルカロイシース25の内部に、規則的に整列配置される。
制御セル用制御棒15は、その構造材が基本的にジルカロイ製である。また、制御セル用制御棒15の構造材には、ハフニウムの含有を許容する。中性子吸収材であるハフニウム棒26および細径ハフニウム棒27はハフニウム金属製である。また、部分的には、中性子非吸収材として、ジルカロイを用いている。ハフニウム棒26および細径ハフニウム棒27は、必要に応じてジルカロイでコーティングしたり、研磨することにより耐食性の向上が図られている。
細径ハフニウム棒27を用いてハフニウム棒26の間のハフニウムが存在する位置に水を導入し、中性子吸収材を部分的に排除している。したがって、細径ハフニウム棒27が配置されたウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい。つまり、本実施の形態の制御セル用制御棒15では、中性子吸収材の配置が図5(A)の(b)に示す制御棒12と類似しており、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
さらに、タイクロス23は軸方向に離間して配置されるため、制御セル用制御棒15の中心軸に沿って離間した非沸騰の水領域45が形成されている。このため、図5(A)の(c)に示す制御棒13を用いた場合と同様に、制御セル用制御棒15の中心軸近傍の中性子束を高めることができ、燃料集合体93の内部での中性子束分布を平坦化できる。したがって、ブレードヒストリー効果をより抑制することができる。
[第5の実施の形態]
図12は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第5の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。なお、図12は図10に相当する鉛直方向位置における横断面図である。
図12は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第5の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。なお、図12は図10に相当する鉛直方向位置における横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第4の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、平管状ジルカロイシース25の内部のタイクロス23よりも外側では、ハフニウム棒26と細径ハフニウム棒27が交互に4本ずつ配置されている。また、その外側には、ハフニウム棒26が5本配置されている。
このような制御棒であっても、第4の実施の形態と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。ハフニウム棒26と細径ハフニウム棒27の本数は、炉心設計、あるいは、燃料集合体設計などに応じて適宜変更できる。また、一つの原子炉の内部に、異なる制御棒を混在させてもよい。
[第6の実施の形態]
図13は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第6の実施の形態における制御セル用制御棒の一部切欠き側面図である。図14は、本実施の形態における制御セル用制御棒の中性子吸収材を一部取り除いた状態の一部拡大縦断面図である。図15は、図14のXV−XV矢視横断面図である。図16は、図14のXVI−XVI矢視横断面図である。
図13は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第6の実施の形態における制御セル用制御棒の一部切欠き側面図である。図14は、本実施の形態における制御セル用制御棒の中性子吸収材を一部取り除いた状態の一部拡大縦断面図である。図15は、図14のXV−XV矢視横断面図である。図16は、図14のXVI−XVI矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、ジルカロイシース4の内部に収められた中性子吸収材が、有効部の挿入先端側と挿入末端側で異なる構造を有している。ここで、制御棒の有効部とは、中性子吸収材が配置された領域をいい、その軸方向の長さをLとする。挿入先端側の軸方向の長さは、たとえば(3/8)Lである。ジルカロイシース4には通水孔39が形成されている。
制御セル用制御棒15の中心軸には、下方からタイロッド7が軸方向に長さが(3/8)Lだけ延びていて、その上方にはタイクロス23が間隔を置いて設けられている。タイクロス23は、いずれもウィング24内で軸方向に延びる内側結合バー40で支持されている。
挿入先端側では、中性子吸収材として、ウィング24の横方向の長さの半分程度の幅を持ち軸方向に延びる上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32が横方向に配列されている。挿入末端側の最も上部には、中性子吸収材として、中央ハフニウム板33が設けられている。また中央ハフニウム板33の下方には、中性子吸収材として、複数の下部ハフニウム板34が軸方向に配列されている。
上部外側ハフニウム板31、上部内側ハフニウム板32、中央ハフニウム板33および下部ハフニウム板34は、いずれもウィング24の厚さ方向にそれぞれ2枚が設けられ、それぞれ対向して組をなしている。図13は、上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32の対のうち、一方を取り外した状態を示している。
先端構造材21の下部には、円板を長方形板で本体に結合した形状の吸収材吊下用舌30が設けられている。上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32には、それぞれ吸収材吊下用舌30と係合するように切欠かれた係合部83が形成されている。この係合部83を吸収材吊下用舌30に係合させて、上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32は先端構造材21に保持されている。また、上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32は、それぞれ対向する上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32と図示しないスペーサによってウィング24の厚さ方向の間隔が保持されている。
また、上部内側ハフニウム板32には、複数の吸収材排除孔35が形成されていて、ウィング24の水平方向の外側の領域よりも、単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が少なくなっている。このようにして中性子吸収材を削減することによって、図5における(B)の制御棒1と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
また、吸収材排除孔35を形成する代わりに、上部内側ハフニウム板32の板厚を上部外側ハフニウム板31より小さくしても、同様の効果が得られる。上部内側ハフニウム板32のウィング24の横方向の幅は、許容できる反応度低減の範囲で上部外側ハフニウム板31より広く、たとえば全幅の3/4程度まで広げても良い。
さらに、上部外側ハフニウム板31および上部内側ハフニウム板32が配置されている範囲では、第4の実施の形態と同様のタイクロス23および内側結合バー40が配置されていて、軸方向に隣り合うタイクロス23の間は水領域が形成されている。このようにして中央軸心部分の構造材を排除することによって、図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
大量の中性子照射を受けると、制御棒の照射損傷、照射成長、電気化学的な腐食などの問題が顕在化する場合もある。たとえば、制御セル用制御棒15の照射が進むと、特に挿入先端側では照射脆化により先端構造材21などが脆くなる場合がある。一方、照射がそれほど進まない部分では、これらの問題は、大幅に緩和される。
しかし、本実施の形態では、先端構造材21に係合するハフニウム板31,32の長さを(3/8)Lと短くすることにより、たとえば先端構造材21に係合するハフニウム板の長さを(1/2)Lとする場合に比べて、吸収材吊下用舌30にかかる衝撃荷重を低減することができる。
また、中央ハフニウム板33の対は、タイロッド7に固着されたステイ36によってタイロッド7に係合されている。下部ハフニウム板34は、中性子照射量が比較的少なく、吸収要素が軽いため、コマスペーサ38によってジルカロイシース4に係合保持されている。コマスペーサ38の代わりに、荷重支持棒を用いてもよい。
[第7の実施の形態]
図17は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第7の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。図18は、図17のXVIII−XVIII矢視横断面図である。図19は、図17のXIX−XIX矢視横断面図である。
図17は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第7の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。図18は、図17のXVIII−XVIII矢視横断面図である。図19は、図17のXIX−XIX矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、先端構造材21と末端構造材22の間に延びる平管状ジルカロイシース25を有している。また、軸方向に間隔を置いてタイクロス23が設けられている。
平管状ジルカロイシース25の内部には、上部外側ハフニウム平管42、上部内側ハフニウム平管43および下部ハフニウム平管44が設けられている。上部外側ハフニウム平管42、上部内側ハフニウム平管43および下部ハフニウム平管44の内部には、炉水を通す空間が形成されている。この部分は、中性子を効果的に減速させるトラップ間隙46となっている。
上部内側ハフニウム平管43には吸収材排除孔35が形成されている。また、上部外側ハフニウム平管42および上部内側ハフニウム平管43には、それぞれ先端構造材21の吸収材吊下用舌30と係合するように切欠かれた係合部83が形成されている。上部外側ハフニウム平管42および上部内側ハフニウム平管43の軸方向の長さは、制御棒の有効部の長さをLとすると(3/8)Lないし(4/8)Lである。
このように、上部内側ハフニウム平管43には、複数の吸収材排除孔35が形成されていて、ウィング24の水平方向の外側の領域よりも、単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が少なくなっている。このように中性子吸収材を削減することによって、図5における(B)の制御棒1と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
上部外側ハフニウム平管42は、上部内側ハフニウム平管43よりもウィング24の横方向の外側に配置されている。下部ハフニウム平管44は、上部ハフニウム平管42,43と比べてウィング24ごとに2つずつウィング24の外側方向に配列されて設けられている。また、下部ハフニウム平管44は、平管状ジルカロイシース25の内部にウィング24の横方に延びる平管保持棒97によって、軸方向にはスライド可能で、ウイング24の幅方向には位置ずれが生じないように支持されている。また、軸に近い方の下部ハフニウム平管44の側面は、上部内側ハフニウム平管43の軸に近い方の側面よりもウィング24の横方向の外側に位置している。
上部外側ハフニウム平管42と上部内側ハフニウム平管43との間には、たとえば3〜6mm程度の間隙が設けられている。この間隙によって中性子束が増大し、ブレードヒストリー効果を抑制する。また、重くて高価なハフニウム材料を削減しながら制御棒価値の低下を抑制することができる。なお、この間隔が1cm程度以上となると、制御棒価値が比較的大幅に低下して、十分な制御棒価値が得られない可能性があるため注意が必要である。
また、軸心側には比較的広い中性子吸収材の存在しない空間、すなわち炉水空間が設けられているが、これによる反応度価値の低下は比較的少なく、中性子束の大幅な回復によってブレードヒストリー効果が大幅に抑制される。
[第8の実施の形態]
図20は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第8の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。図21は、図20のXXI−XXI矢視縦断面図である。図22は、図20のXXII−XXII矢視横断面図である。図23は、図20のXXIII−XXIII矢視横断面図である。
図20は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第8の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。図21は、図20のXXI−XXI矢視縦断面図である。図22は、図20のXXII−XXII矢視横断面図である。図23は、図20のXXIII−XXIII矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15のそれぞれのウィング24は、上部ハフニウム板47、下部ハフニウム板48および上下結合棒49を有している。上部ハフニウム板47および下部ハフニウム板48は、ウィング24の厚さ方向にそれぞれ2枚ずつが向かい合って対をなしている。上部ハフニウム板47および下部ハフニウム板48は、上下に配列され、水平方向に延びる上下結合棒49で結合されている。
上部ハフニウム板47および下部ハフニウム板48は、ウィング24の横方向の両側端を曲げて溶接などにより固着されている。2枚の上部ハフニウム板47の間、および、2枚の下部ハフニウム板48の間は、炉水を通すトラップ間隙46となっている。上部ハフニウム板47は先端構造材21とタイクロス23に、下部ハフニウム板48は末端構造材22とタイクロス23に固着されている。また、それぞれのウィング24はシースを用いずに形成されているが、上部ハフニウム板47および下部ハフニウム板48の表面を研磨するなどして実効的な表面積を減らし、腐食の抑制を図っている。
上部ハフニウム板47のタイクロス23に近い方の領域には、吸収材排除孔35が形成されている。さらに、上部ハフニウム板47の板厚はたとえば2mm程度であるのに対して、下部ハフニウム板48の板厚をたとえば半分程度の薄肉とすることにより軽量化を図っている。また、このような構成であるため、熱膨張や照射成長による軸方向伸び縮み時に発生する応力は抑制される。
このように、上部ハフニウム板47のタイクロス23に近い方の領域には、複数の吸収材排除孔35が形成されていて、ウィング24の水平方向の外側の領域よりも、単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が少なくなっている。このようにして中性子吸収材を削減することによって、図5における(B)の制御棒1と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[第9の実施の形態]
図24は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第9の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。図25は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
図24は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第9の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。図25は、本実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第8の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15では、上部ハフニウム板47および下部ハフニウム板48の外側表面に、ジルカロイ被覆又はコーティング層(以下、ジルカロイコーティング層という)50が形成されている。それぞれのウィング24はシースを用いずに形成されているが、ジルカロイコーティング層50を設けることによりハフニウムの腐食を抑制している。
このような原子炉であっても、第8の実施の形態と同様にブレードヒストリー効果が抑制される。
[第10の実施の形態]
図26は、本発明に係る炉心の第10の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図27は、図26のXXVII−XXVII矢視横断面図である。図28は、図26のXXVIII−XXVIII矢視横断面図である。図29は、図26のXXIX−XXIX矢視縦断面図である。
図26は、本発明に係る炉心の第10の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図27は、図26のXXVII−XXVII矢視横断面図である。図28は、図26のXXVIII−XXVIII矢視横断面図である。図29は、図26のXXIX−XXIX矢視縦断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。
本実施の形態の制御セル用制御棒15において、ウィング24の軸方向の上部には、2枚の上部複合吸収材板56が対向して配置されている。ウィング24の軸方向の下部には、2枚の下部複合吸収材板57が対向して配置されている。上部複合吸収材板56および下部複合吸収材板57は、ハフニウム板58にジルカロイ板59を結合させたものである。上部複合吸収材板56および下部複合吸収材板57は、軸方向の中央付近で溶接などにより一体化されている。
ウィング24の外側には、外側ハフニウム棒98が固着されて、ハフニウム板の間にトラップ間隙46を形成している。外側ハフニウム棒98は、ハフニウム板に外側ハフニウム棒固定ピン51で固着されている。また、上部複合吸収材板56および下部複合吸収材板57は、軸心に近い部分に薄板部53が形成されている。また、向かい合う上部複合吸収材板56および下部複合吸収材板57は、それぞれピン52で互いに結合されている。
また、それぞれのウィング24の2枚の上部複合吸収材板56の間および2枚の下部複合吸収材板57の間には、先端構造材21と末端構造材22とに結合された翼内結合棒55が軸方向に延びている。このため、上部複合吸収材板56および下部複合吸収材板57は、照射成長や熱膨張によりスライド可能である。
組成が同じでもハフニウムやジルコニウムは、金属結晶が非等方であるため製造過程の違いにより照射成長が異なる。このため、翼内結合棒55と中性子吸収要素とは伸縮に差異が生じる可能性がある。伸縮の差異によって生じる問題を回避するため、外側ハフニウム棒98は短尺化されている。
上部複合吸収材板56の軸心に近い領域には、吸収材排除孔35が形成されている。また、挿入末端側では、軸心の周りに挿入先端側に比べて広い炉水空間が形成されている。このため、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さくなる。よって制御セル用制御棒15を軽量化するとともに、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
下部複合吸収材板57のハフニウム板58は、ジルカロイでハフニウムを希釈したハフニウム希釈合金板でもよい。この場合、若干の制御棒価値低下を生じるが、大きな軽量化効果とコスト低減効果が得られる。
[第11の実施の形態]
図30は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第11の実施の形態における制御セル用制御棒の上面図である。図31は、図30のXXXI−XXXI矢視側面図である。図32は、本実施の形態における複合吸収材板の展開側面図である。図33は、図31のXXXIII−XXXIII矢視横断面図である。図34は、図31のXXXIV−XXXIV矢視横断面図である。図35は、図31のXXXV−XXXV矢視横断面図である。
図30は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第11の実施の形態における制御セル用制御棒の上面図である。図31は、図30のXXXI−XXXI矢視側面図である。図32は、本実施の形態における複合吸収材板の展開側面図である。図33は、図31のXXXIII−XXXIII矢視横断面図である。図34は、図31のXXXIV−XXXIV矢視横断面図である。図35は、図31のXXXV−XXXV矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。
本実施の形態の制御セル用制御棒15は、軸方向に延びる複合吸収材板100を有している。複合吸収材板100には、下端側および上端側においてそれぞれ軸心Axから切り込み62a,62b,62cが形成されている。4枚の複合吸収材板100で4つのウィング24を形成している。それぞれの複合吸収材板100は軸に沿って折り曲げられ、隣り合う複合吸収材板100とウィング24の側端部の溶接部60で溶接されている。また、複合吸収材板100は、先端構造材21および末端構造材22に固着されている。
それぞれのウィング24において向かい合う複合吸収材板100の間には、トラップ間隙46が形成されている。複合吸収材板100は、ハフニウム板58の両方の面にジルカロイコーティング層50を形成したものである。ジルカロイコーティング層50が厚くなると内部のトラップ間隙46が狭くなるので、コーティングは可能な限り薄いことが望ましい。
また、複合吸収材板100には、軸方向中央付近で軸心に近い領域には吸収材排除孔35が形成されている。吸収材排除孔35は、制御セル用制御棒15の有効部の長さをLとすると、有効部の下端からの高さが2/4ないし3/4の領域に形成されている。
ウィング24の内部には、それぞれ2本の翼内スライド棒99が軸方向に延びている。翼内スライド棒99は、先端構造材21に固着されている。また、翼内スライド棒99の下端は、末端構造材22に設けられた凹部63に嵌合されている。翼内スライド棒99は、ウィング24の内部をスライドしつつ、制御セル用制御棒15の強度を高めている。
中性子吸収要素である複合吸収材板100の板厚は、軸方向にほぼ一様で、制御棒の挿入による反応度の低下に対する寄与率が非常に小さい先端部では、軸心部に大きな切り込み62aが形成されている。すなわち、この部分には水領域が形成されている。ここで、先端部の切り込み62aが形成されている長さは、制御棒の有効部の長さLの1/24、すなわち15cm程度である。
一方、先端部の切り込み62aが形成されている領域よりも下方では、制御棒の挿入による反応度の低下、すなわち、制御棒価値が最も必要とされるため、複合吸収材板100は、ウィング24の側端部から軸心部分まで広がっている。また、さらにその下方では、制御棒価値を若干低下させてもよいため、軸心部分にある程度水領域を形成し、吸収材排除孔35を形成している。このため、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい。よって、ブレードヒストリー効果が抑制される。
さらに、制御棒の有効部の中央部から末端までの領域では制御棒価値を低減できるため、炉水を軸心側に大幅に導入して軽量化を図っている。また、これによりブレードヒストリー効果を抑制することができる。
また、軸心側の翼内スライド棒99は、ジルカロイを用いてトラップ間隙46の水を排除することにより、制御棒価値を抑制してブレードヒストリー効果を抑制することもできる。ウィング24の側端部に近い方の翼内スライド棒99は、ハフニウムまたはハフニウム希釈棒を用いることによって、制御棒価値を向上させ、長寿命化に寄与させることが好ましい。
[第12の実施の形態]
図36は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第12の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図37は、図36のXXXVII−XXXVII矢視横断面図である。
図36は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第12の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図37は、図36のXXXVII−XXXVII矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。
本実施の形態の制御セル用制御棒15は、先端構造材21と末端構造材22との間に延びる方形管73を有している。方形管73は、それぞれ円筒に4つの角(つの)を設けた形状をしている。方形管73をスクエアチューブと呼ぶ場合もある。
それぞれのウィング24は、たとえば14本の方形管73を配列し、隣接する円管を溶接により固着して形成されている。また、ウィング24は、タイクロス23、先端構造材21および末端構造材22によって保持されて十字形に保たれている。タイクロス23は、軸方向に間隔を置いて設けられているため、軸心部には炉水が占める空間が形成される。
一部の方形管73の中には、ハフニウムなどの中性子吸収材64が充填される。また、本実施の形態では、軸心に最も近い位置から2番目、4番目および6番目の方形管73の内部には中性子吸収材64は充填されず、炉水が流れ込む水領域45となっている。このように、本実施の形態の制御セル用制御棒15では、軸心側に1つ置きに方形管73の内部に炉水を導入する水棒を配置しているため、図5(A)の(b)に示す制御棒12および図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
また、燃料体セルが大型化すると、地震時の水平方向の応力が問題となる可能性がある。この場合、1つのウィング24を形成する横方向に配列された方形管73の連結を一部廃止して、横まげに対してしなやかにしてもよい。
[第13の実施の形態]
図38は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第13の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
図38は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第13の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第12の実施の形態と制御セル用制御棒の水棒の配置が異なる。本実施の形態では、軸心に最も近い位置から2番目、4番目、6番目および8番目の方形管73の内部には中性子吸収材64は充填されず、炉水が流れ込む水領域45となっている。このように、水棒を増加させることにより、制御棒価値は若干低下するが、ブレードヒストリー効果の抑制という観点では、より好適となる。このため、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さく、ブレードヒストリー効果が抑制される。水棒の本数は、制御セル用制御棒15に要求される制御棒価値に応じて適宜変化させてもよい。
また、方形管73の内部に形成する水領域45は、制御棒の軸方向全体にわたって形成してもよいし、先端側または末端側のみとしてもよい。さらに、方形管73の中には、挿入先端側には、ハフニウム棒を挿入し、末端側では軽くて安価なボロンカーバイドを用いてもよい。
本実施の形態では、中性子吸収材は炉水に接していないので、異種金属間に生じる電気化学的な腐食問題は生じない。方形管73は、たとえばステンレス鋼により製作される。しかし、ステンレス鋼は非常に大量の中性子照射を受けると脆化が進む。そこで、方形管73を、ジルカロイまたはジルカロイで希釈したハフニウム希釈合金を用いて製作してもよい。これにより、ジルカロイやハフニウム系を用いると、製造コストは増大する可能性があるが、長寿命化には好適である。
[第14の実施の形態]
図39は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第14の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
図39は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第14の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第13の実施の形態と制御セル用制御棒の水棒の配置が異なる。本実施の形態では、軸心に最も近い位置から1番目、3番目、5番目、7番目および9番目の方形管73の内部には中性子吸収材64は充填されず、炉水が流れ込む水領域45となっている。このように、水棒を増加させることにより、制御棒価値は若干低下するが、ブレードヒストリー効果の抑制という観点では、より好適となる。このため、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さく、ブレードヒストリー効果が抑制される。水棒の本数は、制御セル用制御棒15に要求される制御棒価値に応じて適宜変化させてもよい。
[第15の実施の形態]
図40は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第15の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図41は、本実施の形態におけるウィングの中性子吸収材を取り除いた状態の横断面図である。図42は、図41のXLII−XLII矢視縦断面図である。
図40は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第15の実施の形態における制御セル用制御棒の側面図である。図41は、本実施の形態におけるウィングの中性子吸収材を取り除いた状態の横断面図である。図42は、図41のXLII−XLII矢視縦断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、厚さ7〜8mmのステンレス鋼の板に直径5〜6mm程度の水平方向に延びた収容穴65が形成されたウィング24を有している。収容穴65には中性子吸収材が収容される。それぞれのウィング24は、タイクロス23、先端構造材21および末端構造材22によって支持される。
制御セル用制御棒15の先端構造材21に近い、たとえば15cm程度の領域では、収容穴65にはハフニウム66が収容される。その下方の領域では、収容穴65にはB4C粉68が充填される。また、収容穴65の軸心に近い方には、金属ウール67を充填してガスプレナムが形成されている。金属ウール67の代わりにスプリングを用いる設計も可能である。
このような制御セル用制御棒15では、軸心に近い領域に中性子吸収材が少ない領域が形成され、また、軸心部分に水領域が形成されているため、図5(A)の(b)に示す制御棒12および図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[第16の実施の形態]
図43は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第16の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。
図43は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第16の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第15の実施の形態と制御セル用制御棒の収容穴に収容されるものが異なる。本実施の形態において、B4C粉68が充填された収容穴65には、さらに、軸心側およびウィング24の側端に近い部分に、長さが1cm程度のプラグ状に形成されたハフニウム66が挿入されている。このため、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さく、ブレードヒストリー効果が抑制される。
ウィング24の外側と軸心側では中性子束が高くなるので、それらの部分に中性子吸収材としてハフニウムを用いることにより、長寿命化を図ることができる。また、収容穴65に封入される中性子吸収材は炉水と接触しないので、中性子吸収材について腐食を考慮する必要がない。また、本実施の形態では、異種金属間の電気化学的な腐食問題は、生じない。
[第17の実施の形態]
図44は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第17の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。
図44は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第17の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大縦断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第15の実施の形態と制御セル用制御棒の収容穴の深さが異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15において、収容穴65は、ウィング24の横方向の長さの半分程度までしか形成されない。また、収容穴65には、ハフニウム66が収容される。
このような制御セル用制御棒15を用いても、軸心部分に水領域を設け、軸心に近い部分の中性子吸収材の量を少なくすることにより、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。また、制御棒価値が不足する場合には、ウィング24は、ジルカロイにハフニウムを30重量%程度混入したハフニウム希釈合金を用いる。このような合金の密度は、ステンレス鋼と同程度であり、また、ハフニウムの中性子吸収効果が大きく寄与するため、制御棒価値を確保することができる。さらに、ハフニウムを用いることにより、制御セル用制御棒15の長寿命化が図れる。
[第18の実施の形態]
図45は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第18の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図46および図47のXLV−XLV矢視図である。図46は、図45のXLVI−XLVI矢視横断面図である。図47は、図45のXLVII−XLVII矢視横断面図である。図48は、本実施の形態における制御セル用制御棒の内部の中性子吸収物質の配置を模式的に示す縦断面図である。
図45は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第18の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図46および図47のXLV−XLV矢視図である。図46は、図45のXLVI−XLVI矢視横断面図である。図47は、図45のXLVII−XLVII矢視横断面図である。図48は、本実施の形態における制御セル用制御棒の内部の中性子吸収物質の配置を模式的に示す縦断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、ウィング24の軸心に最も近い位置、横方向の中央部、および、側端部に軸方向に延びる穴付き角棒69を有している。穴付き角棒69には、ウィング24の横方向に配列して軸方向に延びた円形の2つの収容穴65が形成されている。
また、それぞれの穴付き角棒69の間には、軸方向に延びる円管70が4本ずつ配列されている。このように、ウィング24は、穴付き角棒69および円管70によって、全体として平板状に形成されている。また、それぞれのウィング24はタイクロス23(図1参照)に結合されている。
ウィング24の横方向の中央部の穴付き角棒69から、両側の円管70を取り囲むように断面がU字形のバンド72が溶接部60で固着されている。また、ウィング24の横方向の両端の穴付き角棒69にも、同様のバンド72が溶接部60で固着され、円管70を保持している。バンド72と円管70との間には、必要に応じてディンプル77を設けるなどして、炉水の滞留を防止する。
制御棒に水平方向の力がかかった場合、バンド72は薄いため溶接固着が破損しやすくなる傾向にあるが、本実施の形態では円管70の間の微小な間隙と円管のしなりによって固着部への応力がほとんど発生しない。このための溶接部60の健全性を確保することができる。
一部を除く円管70の中には、中性子吸収材であるハフニウム66が挿入される。円管70のうち、軸心に最も近い位置および3番目の位置には中性子吸収材は挿入されず、その円管70には通水孔39が設けられて、水棒となる。
円管70の中には、軸心側から一つ置きに水棒が配置される。水棒を形成する円管70には通水孔39が形成される。これらの水棒に隣接する位置では、円管70の内部にハフニウム66の棒が封入される。
ウィング24の横方向の中央部の穴付き角棒69と、ウィング24の側端部の穴付き角棒69との間には、より反応度を低下させるB4C粉68が充填されている。また、B4C粉68の間には、金属ウール67を離間して配置する。金属ウール67が配置された部分は、発生するガスを溜めるプレナムとなる。ただし、中性子照射量が特に高い先端部のたとえば15cm程度には、ハフニウム棒26が装填される。
また、穴付き角棒69の収容穴65には、中性子吸収材であるハフニウム66が挿入される。なお、穴付き角棒69の代わりに、中性子吸収材のハフニウムまたはハフニウム希釈合金で製作した角棒を用いてもよい。この場合には、収容穴65を設ける必要はない。なお、角棒の内部に縦穴を非常に長く精度良く開けるのは容易でないため、穴付き角棒69は制御棒の軸方向の長さを複数に分割して短尺化したものを用いる。この短尺化された穴付き角棒69の内部にハフニウム棒を挿入し、その部分を密封結合部71で密封し、軸方向の上下の穴付き角棒69を結合する。
このような制御セル用制御棒15では、軸心に近い領域で水棒を離間配置していることから、図5(A)の(b)に示す制御棒12と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。また、軸方向に離間したタイクロスを用いるので、図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
また、この制御セル用制御棒15においても、炉水に接するのは一種類の金属だけであり、異種金属間の電気化学的な腐食問題が生じない。
[第19の実施の形態]
図49は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第19の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図50および図51のXLIX−XLIX矢視図である。図50は、図49のL−L矢視横断面図である。図51は、図49のLI−LI矢視横断面図である。
図49は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第19の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図50および図51のXLIX−XLIX矢視図である。図50は、図49のL−L矢視横断面図である。図51は、図49のLI−LI矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第18の実施の形態における制御セル用制御棒の円管の代わりにハフニウム棒26を用い、穴付き角棒69の代わりにジルカロイ角棒74およびハフニウム角棒75を用いたものである。ウィング24の軸心に最も近い位置および横方向の中央部には軸方向に延びるジルカロイ角棒74を配置し、ウィング24の側端部には軸方向に延びるハフニウム角棒75を配置している。ハフニウム角棒75は、反応度の低減効果および核的寿命を考慮したものである。ハフニウム角棒75の代わりに、ハフニウム希釈合金を用いてもよい。
バンド72は、ジルカロイ製である。ジルカロイとハフニウムは溶接可能である。
ハフニウム棒26は、バンド72を装着する場所に、かなり深く削り込んだ細径部76が形成されている。このため、厚くて丈夫なバンド72を用いることができる。
このような制御セル用制御棒15は、第18の実施の形態よりも、長寿命かつ制御棒価値が大きい設計に向いている。また、軸心に近い位置に配置されたジルカロイ角棒74および軸方向に離間して配置したタイクロス23を設けている。これにより、図5(A)の(b)に示す制御棒12および図5(A)の(c)に示す制御棒13と同様に、ウィング24の軸心に近い領域に中性子吸収が小さい部分を設け、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[第20の実施の形態]
図52は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第20の実施の形態における制御棒の一部拡大斜視図であって、図53および図54のLII−LII矢視図である。図53は、図52のLIII−LIII矢視横断面図である。図54は、図52のLIV−LIV矢視横断面図である。
図52は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第20の実施の形態における制御棒の一部拡大斜視図であって、図53および図54のLII−LII矢視図である。図53は、図52のLIII−LIII矢視横断面図である。図54は、図52のLIV−LIV矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第19の実施の形態の制御セル用制御棒のハフニウム棒26の一部をジルカロイ円柱78に代えたものである。ジルカロイ円柱78は、ウィング24の横方向の中央部に位置するジルカロイ角棒74に隣接するハフニウム棒26の隣に配置されている。
このような制御セル用制御棒15であっても、ウィング24の軸心に近い領域に中性子吸収が小さい部分を設けることができるため、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[第21の実施の形態]
図55は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第21の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図56および図57のLV−LV矢視図である。図56は、図55のLVI−LVI矢視横断面図である。図57は、図55のLVII−LVII矢視横断面図である。
図55は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第21の実施の形態における制御セル用制御棒の一部拡大斜視図であって、図56および図57のLV−LV矢視図である。図56は、図55のLVI−LVI矢視横断面図である。図57は、図55のLVII−LVII矢視横断面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第20の実施の形態の制御セル用制御棒のジルカロイ円柱78の代わりに、水棒79を配置したものである。水棒79は、通水孔39が形成された外形が異なる2種類のジルカロイ管を、バンド72の上下でプラグ型スペーサ81によって結合したものである。バンド72の近傍には、水棒細径部80を設けることによりバンドの肉厚を確保し、バンドの強度を向上させている。
このような制御セル用制御棒15であっても、ウィング24の軸心に近い領域に中性子吸収が小さい部分を設けることができるため、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[第22の実施の形態]
図58は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第22の実施の形態における制御セル用制御棒の一部を拡大した図59のLVIII−LVIII矢視側面図である。図59は、図58のLIX−LIX矢視横断面図である。図60は、図59のLX−LX矢視縦断面図である。図61は、本実施の形態における制御セル用制御棒のハフニウム板を取り外した状態の側面図である。図62は、図61の一部を拡大した側面図である。
図58は、本発明に係る沸騰水型原子炉の第22の実施の形態における制御セル用制御棒の一部を拡大した図59のLVIII−LVIII矢視側面図である。図59は、図58のLIX−LIX矢視横断面図である。図60は、図59のLX−LX矢視縦断面図である。図61は、本実施の形態における制御セル用制御棒のハフニウム板を取り外した状態の側面図である。図62は、図61の一部を拡大した側面図である。
本実施の形態の沸騰水型原子炉は、第1の実施の形態と制御セル用制御棒が異なる。本実施の形態の制御セル用制御棒15は、角棒の間に炉水を導入するトラップ方式のハフニウム板101の対を備えたものである。
ウィング24の横方向の軸心側および中央部にはジルカロイ角棒74、ウィング24の側端部にはハフニウム角棒75が配置されている。ジルカロイ角棒74およびハフニウム角棒75は、先端構造材21から末端構造材22に延びている。
また、隣り合うジルカロイ角棒74の間、および、ジルカロイ角棒74とハフニウム角棒75との間には、それぞれ4つのハフニウム板固定板103が延びている。隣り合うハフニウム固定板103の間、および、ハフニウム板固定板103と先端構造材21または末端構造材22の間には、隣り合うジルカロイ角棒74またはハフニウム角棒75に向かって突出した板状のガイドフィン102が複数配置されている。
ハフニウム板101は、ハフニウム板固定板103およびガイドフィン102を挟んで対をなし、その対はピン52によってハフニウム板固定板103に固定されている。また、ハフニウム板101の対は、板対間保持スペーサ104によって間隔が保持されている。
また、制御セル用制御棒15の有効部の長さは約3.6mである。4つのハフニウム板101の対は、有効部を4分割して鉛直方向に配列されている。つまり、それぞれのハフニウム板101は、有効部の上端から約0.9mまでの間、約0.9mから約1.8mまでの間、約1.8mから約2.7mまでの間、および、約2.7mから下端までの間に延びている。
角棒とハフニウム板とは一般に金属結晶の並び方が同一でないため、照射成長率が異なる。そこで、本実施の形態では、ハフニウム板101の対はハフニウム板固定板103で一方の端部を固定し、他の部分はガイドフィン102に沿って相対的に伸縮可能としている。つまり、ハフニウム板101の対が伸縮したとしても、ウィング24の厚さ方向の位置は、ガイドフィン102によって案内されるので、厚さ方向の位置ずれは生じない。
ウィング24の軸心側に位置する2本のジルカロイ角棒74の間に延びるハフニウム板固定板103は、軸方向の中央付近に設けられているため、軸方向中央部で特に強度が大きくなる。一方、ウィング24の外側に位置するハフニウム角棒75とジルカロイ角棒74との間に延びるハフニウム板固定板103は、軸方向の上下端部近傍に設けられている。すなわち、ハフニウム角棒75とジルカロイ角棒74との結合が中央部を避ける構造となっているため、軸方向の中央付近では横方向の力に対して比較的しなやかに変形できる。このため、大型の燃料集合体が装荷される炉心に挿抜されるウィング24の幅が広い制御棒において地震時などの水平方向の力に対しても破損を抑制することができる。
このような制御セル用制御棒15であっても、軸心に最も近いジルカロイ角棒74およびタイクロス23の間に形成される水領域によって、ウィング24の軸心に近い内側領域は、その外側の領域よりも水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さくなる。このため、ブレードヒストリー効果を抑制することができる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
1…制御棒、3…炉心、4…ジルカロイシース、5…中性子吸収棒、6…非吸収棒、7…タイロッド、8…ハフニウム棒、9…アクリルスペーサ、10…燃料集合体、11…制御棒、12…制御棒、13…制御棒、14…制御棒、15…制御セル用制御棒、16…非制御セル用制御棒、17…制御セル、18…非制御セル、20…燃料棒、21…先端構造材、22…末端構造材、23…タイクロス、24…ウィング、25…平管状ジルカロイシース、26…ハフニウム棒、27…細径ハフニウム棒、28…スペーサ兼コネクタ、29…ガイドローラ、30…吸収材吊下用舌、31…上部外側ハフニウム板、32…上部内側ハフニウム板、33…中央ハフニウム板、34…下部ハフニウム板、35…吸収材排除孔、36…ステイ、37…シース、38…コマスペーサ、39…通水孔、40…内側結合バー、42…上部外側ハフニウム平管、43…上部内側ハフニウム平管、44…下部ハフニウム平管、45…水領域、46…トラップ間隙、47…上部ハフニウム板、48…下部ハフニウム板、49…上下結合棒、50…ジルカロイコーティング層、51…外側ハフニウム棒固定ピン、52…ピン、53…薄板部、55…翼内結合棒、56…上部複合吸収材板、57…下部複合吸収材板、58…ハフニウム板、59…ジルカロイ板、60…溶接部、62…切り込み、63…凹部、64…中性子吸収材、65…収容穴、66…ハフニウム、67…金属ウール、68…B4C粉、69…穴付き角棒、70…円管、71…密封結合部、72…バンド、73…方形管、74…ジルカロイ角棒、75…ハフニウム角棒、76…細径部、77…ディンプル、78…ジルカロイ円柱、79…水棒、80…水棒細径部、81…プラグ型スペーサ、82…ジルカロイ製補強材、83…係合部、84…標準燃料棒、85…短尺燃料棒、86…ウォータチャンネル、87…細径ウォータロッド、88…ウォータクロス、89…サブバンドル間スペーサ、90…太径ウォータロッド、91…燃料集合体、92…燃料集合体、93…燃料集合体、94…サブバンドル、95…チャンネルボックス、96…水排除板、98…外側ハフニウム棒、99…翼内スライド棒、100…複合吸収材板、101…ハフニウム板、102…ガイドフィン、103…ハフニウム板固定板、104…板対間保持スペーサ
Claims (20)
- 鉛直方向に延びる中心軸を持つ円柱状に形成された炉心を備えた沸騰水型原子炉において、
水平方向の長さが15cm以上でほぼ正方形の燃料棒配置領域内に鉛直方向に延びる複数の燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体を2行2列に配列した複数のセルと、
前記セルの水平方向の中央部に鉛直方向に延びる軸心から隣り合う前記燃料集合体の間に延びる4枚のウィングを備えて前記炉心に挿抜可能に設けられた制御棒と、
を有し、
前記制御棒は、少なくとも有効部の上端から所定の長さ下方までの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりも前記軸心に近くこの外側領域に比べて水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい内側領域とが形成された制御セル用制御棒を含む、
ことを特徴とする沸騰水型原子炉。 - 前記制御セル用制御棒が挿抜される前記セルの前記燃料集合体は、前記燃料棒が配置される正方格子のうち前記燃料棒配置領域の水平方向中央部の外周位置およびこの外周位置から2層目のいずれかに非沸騰水領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記非沸騰水領域は、鉛直方向に延びる円管の内部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記燃料集合体は、前記燃料棒配置領域を囲むチャンネルボックスと、そのチャンネルボックスを4つのサブバンドルに分割して内部に水が流れるウォータクロスと、を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記燃料集合体は、前記燃料棒配置領域内に2行2列に配列されて鉛直方向に延びるチャンネルボックスと、隣り合う前記チャンネルボックスの間に水が流れるように水平方向の間隔を保持するスペーサと、を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、軸心部に間隔を置いて配置され4枚の前記ウィングに結合されたタイクロスを有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記所定の長さは、前記有効部の長さの1/4以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記内側領域は、前記ウィングの水平方向の長さの3/4以内に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記ウィングは鉛直方向に延びて中性子吸収材を収めた中性子吸収棒と鉛直方向に延びて前記中性子吸収棒よりも中性子を吸収しない非吸収棒とを備え、前記内側領域は前記外側領域に比べて前記非吸収棒の本数の前記中性子吸収棒に対する割合が大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記ウィングは鉛直方向に延びて中性子吸収材を収めた中性子吸収棒と鉛直方向に延びて前記中性子吸収棒よりも外径が細い細径中性子吸収棒とを備え、前記内側領域は前記外側領域に比べて前記細径中性子吸収棒の本数の前記中性子吸収棒に対する割合が大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記ウィングは、前記内側領域に吸収材排除孔が形成された中性子吸収材板を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記中性子吸収材板の表面の少なくとも一部にジルカロイコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記中性子吸収材板は、前記ウィングの厚さ方向の水が流れるトラップ間隙を形成していることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、先端構造材と、前記先端構造材の下方に設けられた末端構造材と、前記先端構造材と前記末端構造材とに結合する翼内結合棒と、を備え、前記中性子吸収材板は前記翼内結合棒に沿ってスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、先端構造材と、前記先端構造材の下方に設けられた末端構造材と、前記先端構造材および前記末端構造材のいずれかに結合されて鉛直方向に延びる翼内スライド棒と、を備え、前記中性子吸収材板は前記翼内スライド棒を挟むように設けられることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、先端構造材と、前記先端構造材の下方に設けられた末端構造材と、前記先端構造材と前記末端構造材とに結合する複数の角棒と、隣り合う前記角棒の間に水平方向に延びる固定板と、を備え、前記中性子吸収材板は鉛直方向の1か所で前記固定板に固定されていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、先端構造材と、前記先端構造材の下方に設けられた末端構造材と、を備え、前記ウィングは円管の外周に4つの角が形成されて前記先端構造材と前記末端構造材との間に延びる複数のスクエアチューブを互いに接するように水平方向に配列して形成され、前記内側領域に位置する前記スクエアチューブの一部には通水孔が設けられ、前記通水孔が設けられていない前記スクエアチューブには中性子吸収材が挿入されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記ウィングは、水平方向に延びて中性子吸収材を収容する収容穴が鉛直方向に配列して形成された金属板を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 前記制御セル用制御棒は、先端構造材と、前記先端構造材の下方に設けられた末端構造材と、を備え、前記ウィングは水平方向に配列されて前記先端構造材と前記末端構造材との間に延びる3本の金属棒と、それらの金属棒の間に配列された円柱状の中性子吸収要素と、これらの中性子吸収要素を束ねて前記金属棒に固定されたバンドと、を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
- 水平方向の長さが15cm以上でほぼ正方形の燃料棒配置領域内に鉛直方向に延びる複数の燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体を2行2列に配列した複数のセルを配列して鉛直方向に延びる中心軸を持つ円柱状に形成された炉心を備えた沸騰水型原子炉の前記セルの水平方向の中央部に鉛直方向に延びる軸心から隣り合う前記燃料集合体の間に延びる4枚のウィングを備えて前記炉心に挿抜可能に設けられた制御棒において、
少なくとも有効部の上端から所定の長さ下方までの上部領域に、外側領域と、この外側領域よりも前記軸心に近くこの外側領域に比べて水平方向の単位長さ当たりの中性子吸収材の平均量が小さい内側領域とが形成されている、
ことを特徴とする制御棒。
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|---|---|---|---|
| JP2008173757A JP2010014493A (ja) | 2008-07-02 | 2008-07-02 | 沸騰水型原子炉および制御棒 |
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2008
- 2008-07-02 JP JP2008173757A patent/JP2010014493A/ja active Pending
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