JP2010053348A - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Takayuki Tashiro
貴之 田代
Yoko Sakurai
陽子 櫻井
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Abstract

【課題】ジエポキシ化合物を不飽和化合物からジエポキシ化合物のみを高選択的に製造する方法の提供。
【解決手段】タングステン化合物と酸化剤を用いて下記一般式(1)で表される2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物ジオレフィンの二重結合部位を酸化してジエポキシ化合物を製造するジエポキシ化合物の製造方法。
Figure 2010053348

[R1およびRは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、1価の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表し、Aは2価の官能基であり、nは1〜100の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物を高選択的に酸化するジエポキシ化合物の製造方法によって得られたエポキシ樹脂に関する。
従来より、エポキシ化合物の製造方法は、エピハロヒドリンを活性水素含有化合物と反応させ、次いでアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物のような塩基性化合物によりハロヒドリン中間体を脱ハロゲン化水素することで製造することはよく知られている(特許文献1)。
しかしながら、この方法はハロヒドリン中間体を経由するため、得られたエポキシ化合物中に不純物としてハロゲンを含有する。近年、環境面からハロゲン含量の低減が求められている。また、特に電気用途、コーティング材料などにおいては、電気特性、色特性に悪影響を及ぼすためハロゲンを極量含まないエポキシ樹脂が求められていた。
これに対して、過酢酸などの過酸や、tert−ブチルヒドロキシペルオキシドなどの比較的高価な有機過酸化物を用いてC=C二重結合を分子内に有する有機化合物を酸化することにより、ハロゲンを含まないエポキシ化合物を得る方法が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、過酸や有機過酸化物のような強力な酸化剤を用いる反応は危険を伴うため、実際の製造を行う際には特殊な設備が必要となり、さらに反応の後処理も困難であった。
また、これらの酸化剤は酸化力が強過ぎるため、エポキシ化合物で反応がとどまらず、さらにエポキシ環が開環してグリコールが生成するなど、目的のエポキシ化合物のみを選択的に製造できないという問題があった。
一方で、過酸化水素水は安価で取り扱いが容易であり、反応後は水となるクリーンで無害な酸化剤である。また、分子状酸素もクリーンな酸化剤として注目を集めている。しかし、過酸化水素水と分子状酸素のいずれもC=C二重結合を分子内に有する有機化合物の転化率が低いことや、反応がエポキシ化合物でとどまらず開環してグリコールにまで転化してしまうといった問題があった。(特許文献3)
特開2007−262291号公報 特開2003−155280号公報 特開2005−161208号公報
そこで、安価で汎用性の高い酸化触媒を用いて、2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物からジエポキシ化合物のみを高選択的、かつハロゲンを実質的に含有しない製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、タングステン化合物(C)および酸化剤(D)を用いて、一般式(1)または(2)で表される2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)の二重結合部位を酸化して一般式(3)または(4)で表されるジエポキシ化合物(A)を製造することを特徴とするジエポキシ化合物(A)の製造方法;およびこの製造方法で得られ、ジエポキシ化合物(A)の含有量が70重量%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
[式中、RおよびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数5〜20の1価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の芳香族炭化水素基を表し、それらの基の一部がカルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩基でさらに置換されていてもよい。
Aは、−(O−R−、−[O−R−O−C(=O)]−、または−[O−C(=O)−R− の2価の官能基であり、1種以上の組み合わせであってもよい。
は、炭素数2〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
およびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。nは1〜100の整数を表す。]
本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、ハロゲンを実質的に含まないジエポキシ化合物を安価で汎用性の高い酸化触媒を用いて製造する方法である。この製造方法を用いることでグリコールの副生を極端に抑えることが可能である。また、この製造方法によって得られたエポキシ樹脂はハロゲンを実質的に含まないため、電気特性に優れる。
本発明のエポキシ化合物(A)の製造方法において用いられる原料の2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)は、下記一般式(1)または(2)で示される。
Figure 2010053348
Figure 2010053348
[式中、RおよびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数5〜20の1価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の芳香族炭化水素基を表し、それらの基の一部がカルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩基でさらに置換されていてもよい。
Aは、−(O−R−、−[O−R−O−C(=O)]−、または−[O−C(=O)−R− の2価の官能基であり、1種以上の組み合わせであってもよい。
は、炭素数2〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
およびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。nは1〜100の整数を表す。]
1、R2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数5〜20の1価の脂環族炭化水素、炭素数4〜20の芳香族炭化水素を表し、それらの一部がカルボニル基、エステル基、またはカルボキシル基もしくはその塩基で置換されていてもよい。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、2-エチルヘキシロキシ基、ノニロキシ基、デシロキシ基、ウンデシロキシ基、ドデシロキシ基、トリデシロキシ基、テトラデシロキシ基、ペンタデシロキシ基、ヘキサデシロキシ基、ヘプタデシロキシ基、オクタデシロキシ基、ノナデシロキシ基、エイコシロキシ基等が挙げられる。
炭素数5〜20の1価の脂環族炭化水素としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロエイコシル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数4〜20の芳香族炭化水素としては、チエニル基、ピリジル基、フェニル基、ビチエニル基、ビピリジル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
以上のアルキル基、アルコキシ基、1価の脂環族炭化水素、芳香族炭化水素は、それらの一部がカルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩基で置換されていてもよい。
カルボニル基で置換されているものとしては例えば、アセチル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エステル基で置換されているものとしては例えば、メチルエステル基、シクロヘキシルエステル基、安息香酸エステル基等が挙げられる。
カルボキシル基で置換されているものとしては例えば、メチルカルボキシレート、シクロヘキサン酸、安息香酸等が挙げられる。
カルボン酸塩で置換されているものとしては例えば、メチルカルボキシレートのナトリウム塩、シクロヘキサン酸のナトリウム塩、安息香酸のナトリウム塩等が挙げられる。
1、R2の好ましい例としては、水素原子、メチル基、メトキシ基が挙げられる。特に好ましくは水素原子である。
Aは、−(O−R−、−[O−R−O−C(=O)]−、または−[O−C(=O)−R− の2価の官能基であり、1種以上の組み合わせであってもよい。
は、炭素数2〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
およびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
nは1〜100の整数を表す。
一般式(1)および(2)中のAは、繰り返しユニットであり、繰り返し単位nは1〜100の整数を表す。また、Aは異なる2種以上の 組み合わせであってもよい。
−(O−R−としては、Rが炭素数2〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基の−(O−R−が挙げられる。
nは1〜100の整数を表す。
が炭素数2〜20の2価のアルキレン基であり、nが1の場合の−(O−R−としては、例えば、オキシエチレン基、1−オキシプロピレン基、2−オキシプロピレン基、1−オキシブチレン基、1−オキシデシレン基、3−オキシデシレン基、1−オキシエイコシル等のオキシアルキレンが挙げられる。
が炭素数2〜20の2価のアルキレン基であり、nが2〜100の場合の−(O−R−としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの重合物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物や、nが1の場合に例示したオキシアルキレン単位の繰り返しより得られる重合物等より得られるポリオキシアルキレン等が挙げられる。
が炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基であり、nが1の場合の−(O−R−としては、例えば、オキシシクロペンチレン基、オキシシクロヘキシレン基、オキシシクロヘプチレン基、オキシシクロオクチレン基、オキシシクロノニレン基、オキシシクロデシレン基、オキシシクロウンデシレン基、オキシシクロドデシレン基、オキシシクロトリデシレン基、オキシシクロテトラデデシレン基、オキシシクロペンタデシレン基、2−エチル−1オキシシクロヘキシレン基、オキシシクロエイコシレン基、2,4−ブチル−1−オキシシクロヘキシレン基等のオキシシクロアルキレン基が挙げられる。
が炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基であり、nが2〜100の場合の−(O−R−としては、例えば、前記オキシシクロアルキレンの繰り返し重合物;シクロヘキサンジオールへのエチレンオキサイド付加重合物、スチレンオキサイド重合物の水添物などの重合物;および下記一般式(5)で表されるオキシシクロアルキレン構造を表す。
Figure 2010053348
[式中、Xは、2価のメチレン基、1−メチルエタン−1,1−ジイル基[―C(CH―]、プロピレン基、スルホン基を表す。]
が炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基でありnが1である−(O−R−としては、例えば、Rがチエニレン基、ピリジレン基、フェニレン基、ビチエニレン基、ビピリジレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基、ナフチレン基、アントラニレン基由来の2価の芳香族炭化水素であるオキシアリーレン基が挙げられる。
が炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基であり、nが2〜100の場合の−(O−R−としては前記オキシアリーレン基の繰り返し重合物、スチレンオキサイドの重合物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加重合物等の重合物;および下記一般式(6)で表される−(O−R−を表す。
Figure 2010053348
[式中、Xは、2価のメチレン基、1−メチルエタン−1,1−ジイル基、プロピレン基、スルホン基を表す。]
−(O−R−の好ましい例としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、上記一般式(5)または(6)のXが1−メチルエタン−1,1−ジイル基であるものが挙げられる。
−[O−R−O−C(=O)]−で表される2価の官能基としては、下記一般式(7)で表される化学構造を有する(ポリ)カーボネートジオール残基が挙げられる。
Figure 2010053348
式中、ZおよびZはそれぞれ独立して、2価の炭化水素基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2-エチルヘキシレン基等のアルキル基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基、チエニレン基、ピリジレン基、フェニレン基、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェニレン基等の芳香族炭化水素基等を表す。
−[O−C(=O)−R−で表される2価の官能基としては、下記一般式(8)で表される化学構造を有する(ポリ)エステルジオール残基が挙げられる。
Figure 2010053348
式中、Z1およびZ2はそれぞれ独立して、2価の炭化水素基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2-エチルヘキシレン基等のアルキレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基、チエニレン基、ピリジレン基、フェニレン基、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェニレン基等の芳香族基を表す。
Aの好ましい例としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,4−オキシブチレン基、前述の一般式(5)のXが1−メチルエタン−1,1−ジイル基またはプロピレン基、前述の一般式(6)のXが1−メチルエタン−1,1−ジイル基またはプロピレン基であるもの、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、アジピン酸とエチレングリコールから得られるポリエステルジオール残基、ジメチルカーボネートの1,5−ペンタンジオールをエステル交換により得られるポリカーボネートジオール残基が挙げられる。特に好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピル基、オキシブチレン基、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンである。
とYは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数1〜20の2価のオキシアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2-エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基等を表す。
炭素数1〜20の2価のオキシアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシイソプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、オキシ−2-エチルヘキシレン基、オキシノニレン基、オキシデシレン基、オキシウンデシレン基、オキシドデシレン基、オキシトリデシレン基、オキシテトラデシレン基、オキシペンタデシレン基、オキシヘキサデシレン基、オキシヘプタデシレン基、オキシオクタデシレン基、オキシノナデシレン基、オキシエイコシレン基等を表す。
炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロウンデシレン基、シクロドデシレン基、シクロトリデシレン基、シクロテトラデシレン基、シクロペンタデシレン基、シクロヘキサデシレン基、シクロヘプタデシレン基、シクロオクタデシレン基、シクロノナデシレン基、シクロエイコシレン基、ノルボルニレン基等を表す。好ましくは6〜18の2価の脂環族炭化水素であり、さらに好ましくは8〜16の脂環族炭化水素である。
炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素としては、チエニレン基、ピリジレン基、フェニレン基、ビチエニレン基、ビピリジレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基、ナフチレン基、アントラニレン基等を表す。
とYは、上記の炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素、炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素同士が結合したものも含む。例えば、4,4’−(プロパン−2,2’−ジイル)ジベンジルや4,4’−(プロパン−2、2’−ジイル)ジシクロヘキシル等である。
とYの好ましい例としては、メチレン基、エチレン基、ノルボルニル基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、フェニレン基、4,4’−(プロパン−2,2’−ジイル)ジベンジル基、4,4’−(プロパン−2、2’−ジイル)ジシクロヘキシル、エチルシクロヘキシレン基が挙げられる。
さらに好ましくはメチレン基、ノルボルニレン基、4,4’−(プロパン−2,2’−ジイル)ジベンジル基、4,4’−(プロパン−2、2’−ジイル)ジシクロヘキシル、シクロオクチレン基及びエチルシクロヘキシレン基が挙げられる。
特に好ましくは、4,4’−(プロパン−2,2’−ジイル)ジベンジル基、4,4’−(プロパン−2、2’−ジイル)ジシクロヘキシル、シクロオクチレン基及びエチルシクロヘキシレン基である。
一般式(1)で示される2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)としては、例えばポリエチレングリコールのジアリルエーテル化物、ポリプロピレングリコールのジアリルエーテル化物、ポリテトラメチレングリコールのジアリルエーテル化物等;アジピン酸とエチレングリコールから得られるポリエステルジオールのジアリルエーテル化物、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールから得られるポリエステルジオールのジアリルエーテル化物等;ジメチルカーボネートの1,5−ペンタンジオールをエステル交換により得られるポリカーボネートジオールのジアリルエーテル化物、トリシクロデカンジメタノールとプロピレンカーボネートより得られるポリカーボネートジオールのジアリルエーテル化物及びポリカプロラクトンジオールと炭酸ジメチルのエステル交換により得られるポリカーボネートジオールのジアリルエーテル化物等が挙げられる。
一般式(2)で示される2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)としては、例えばビスフェノールAのジアリルエーテル化物、水素化ビスフェノールAのジアリルエーテル化物、ビスフェノールFのジアリルエーテル化物、水素化ビスフェノールFのジアリルエーテル化物、ビスフェノールSのジアリルエーテル化物、水素化ビスフェノールSのジアリルエーテル化物等;エチレングリコール−ビス(2−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテル及びプロピレングリコール−ビス(2−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテル、4−ビニルオクテニルメチル−4’−ビニルオクテニルカルボキシレート、4−ビニルオクテンポリカーボネートジオールの付加物等が挙げられる。
特に好ましくはビスフェノールAのジアリルエーテル化物、水素化ビスフェノールAのジアリルエーテル化物である。
本発明で用いる2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)の製造方法としては通常の方法が挙げられ、例えば、グリコール化合物とアリルハライドによるジアリル化、ビニル基含有化合物とグリコールを含有化合物の縮合によるエーテル化、ビニル基含有化合物とジカルボン酸を含有化合物の縮合によるエステル化等が挙げられる。
本発明でのエポキシ化合物の製造方法で製造されるジエポキシ化合物(A)は、下記一般式(3)または(4)で示されるジエポキシ化合物(A)である。
Figure 2010053348
Figure 2010053348
一般式(3)で示されるジエポキシ化合物(A)としては、例えばポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールのジグリシジルエーテル等;アジピン酸とエチレングリコールから得られるポリエステルジオールのジグリシジルエーテル、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールから得られるポリエステルジオールのジグリシジルエーテル等;ジメチルカーボネートの1,5−ペンタンジオールをエステル交換により得られるポリカーボネートジオールのジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールとプロピレンカーボネートより得られるポリカーボネートジオールのジグリシジルエーテル、ポリカプロラクトンジオールと炭酸ジメチルのエステル交換により得られるポリカーボネートジオールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
一般式(4)で示されるジエポキシ化合物(A)としては、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル及び水素化ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、エチレングリコール−ビス(2−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテル及びプロピレングリコール−ビス(2−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテル等が挙げられる。
一般式(3)または(4)で示されるジエポキシ化合物(A)の好ましい例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール−ビス(2−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテルが挙げられる。
特に好ましくはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エチレングリコール−ビス(2−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテル、プロピレングリコール−ビス(2−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5(6)−イル)エーテルである。
本発明の製造方法で必須の触媒であるタングステン化合物(C)としては、タングステン酸(C1)とタングステン酸塩(C2)が挙げられる。
タングステン酸(C1)としては、タングステン酸(HWO)ケイタングステン酸(H4[SiW1240].xH2O)、リンタングステン酸 (H3[PW1240].xH2O)、リンバナドタングステン酸(H3+m[PV12-m40].xH2O)、ケイモリブドタングステン酸(H4[SiMo12-m40].xH2O)、リンモリブドタングステン酸(H3[PMo12-m40].xH2O)(ただし、mは1〜11の整数を、xは1以上の整数を示す。)等が挙げられる。
これらのタングステン酸(C1)のうち好ましいのはタングステン酸(HWO)、ケイタングステン酸(H4[SiW1240].xH2O)、リンタングステン酸(H3[PW1240].xH2O)である。
タングステン酸塩(C2)としては、上記タングステン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、銅塩、金塩、ガリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム塩が挙げられる。その他の塩としては、銅、金、ガリウム及びアンモニウム塩が挙げられる。
タングステン酸塩(C2)の好ましい例としては、上記の好ましいタングステン酸のナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、セシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム等が挙げられる。特に好ましくはケイタングステン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩である。
タングステン化合物(C)の好ましい例としてはタングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸である。
本発明の酸化反応用触媒においては、これらのタングステン酸(C1)、その塩(C2)を単独使用してもいいし、併用してもよい。
触媒の使用量は、二重結合に対してタングステン原子の当量が0.001当量〜0.1当量であり、好ましくは0.01当量〜0.05当量である。
本発明の製造方法で必須の酸化剤(D)としては、1重量%〜60重量%の過酸化水素水、分子状酸素、過酢酸、t−ブチルペルオキシド、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸などが挙げられ、これらのうち好ましい例としては、1重量%〜60重量%の過酸化水素水である。
本発明の製造方法では、必須成分のタングステン化合物(C)と酸化剤(D)以外に、さらに反応収率を向上させるために、相間移動触媒として作用するオニウム塩(E)を併用することが好ましい。
このために使用できるオニウム塩(E)は、第四級アンモニウム塩(E1)およびホスホニウム塩(E1)が挙げられる。
第四級アンモニウム塩(E1)としては、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリオクチルエチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の塩化物;
臭化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化トリオクチルエチルアンモニウム、臭化ジラウリルジメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ステアリルジメチルアンモニウム、臭化トリカプリルメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム等の臭化物;
ヨウ化トリオクチルメチルアンモニウム、ヨウ化トリオクチルエチルアンモニウム、ヨウ化ジラウリルジメチルアンモニウム、ヨウ化ラウリルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ステアリルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化ステアリルジメチルアンモニウム、ヨウ化トリカプリルメチルアンモニウム、ヨウ化ジデシルジメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリエチルアンモニウム等のヨウ化物;
リン酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、リン酸水素化トリオクチルエチルアンモニウム、リン酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、リン酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、リン酸水素化ステアリルジメチルアンモニウム、リン酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、リン酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、リン酸水素化テトラブチルアンモニウム、リン酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウム等のリン酸水素化物;
硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルエチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、硫酸水素化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウム等の硫酸水素化物等が挙げられる。
ホスホニウム塩(E2)としては、例えばテトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド等の臭化物;テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド等の塩化物;テトラブチルホスホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド等のヨウ化物;テトラブチルホスホニウムハイドロホスフェート、テトラフェニルホスホニウムアハイドロホスフェート等のリン酸水素化物;テトラブチルホスホニウムハイドロサルフェート、テトラフェニルホスホニウムアハイドロサルフェート等の硫酸水素化物が挙げられる。
これらのオニウム塩(E)のうちの好ましい例としては、硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、硫酸水素化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウムが挙げられる。特に好ましくは硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウムである。
本発明の製造方法では、必須成分のタングステン化合物(C)と酸化剤(D)以外に、リン酸塩(F)を共存させると、活性の高いリンタングステンクラスターが反応系中に得られ、反応速度が向上するため、併用することが好ましい。
この目的で使用できるリン酸塩(F)としては、アニオン成分がPO 3−で表される化合物であればよく、カチオン部分が有機成分であるもの(F1)および、無機成分であるもの(F2)が挙げられる。
リン酸塩(F)のカチオン部分が有機成分であるもの(F1)としては、リン酸三(メチルトリオクチルアンモニウム)、リン酸三(テトラオクチルアンモニウム)、リン酸三[メチルトリ(デシル)アンモニウム]、リン酸三[メチルトリ(ドデシル)アンモニウム 、リン酸三[ジメチルジ(ドデシル)アンモニウム]、リン酸三(ラウリルジメチルベンジルアンモニウム)、リン酸三(テトラブチルアンモニウム)、リン酸三(ベンジルトリメチルアンモニウム)、リン酸三(N−ラウリルピリジニウム)、リン酸三(N−セチルピリジニウム)、リン酸水素二(メチルトリオクチルアンモニウム)、リン酸水素二(テトラオクチルアンモニウム)、リン酸水素二[メチルトリ(デシル)アンモニウム]、リン酸水素二[メチルトリ(ドデシル)アンモニウム]、リン酸水素二[ジメチルジ(ドデシル)アンモニウム]、リン酸水素二(ラウリルジメチルベンジルアンモニウム)、リン酸水素二(テトラブチルアンモニウム)、リン酸水素二(ベンジルトリメチルアンモニウム)、リン酸水素二(N−ラウリルピリジニウム)、リン酸水素二(N−セチルピリジニウム)、リン酸二水素(メチルトリオクチルアンモニウム)、リン酸二水素(テトラオクチルアンモニウム)、リン酸二水素[メチルトリ(デシル)アンモニウム]、リン酸二水素[メチルトリ(ドデシル)アンモニウム]、リン酸二水素[ジメチルジ(ドデシル)アンモニウム]、リン酸二水素(ラウリルジメチルベンジルアンモニウム)、リン酸二水素(テトラブチルアンモニウム)、リン酸二水素(ベンジルトリメチルアンモニウム)、リン酸二水素(N−ラウリルピリジニウム)、リン酸二水素(N−セチルピリジニウム)等が挙げられる。
リン酸塩(F)のカチオン部分が無機成分であるもの(F2)としては、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムなどが挙げられる。
これらのリン酸塩(F)のうちの好ましい例としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウムが挙げられる。特に好ましくはリン酸アンモニウムである。
ジエポキシ化合物(A)の製造方法としては、例えば
(1)2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)、タングステン化合物(C)、酸化剤(D)、および必要によりオニウム塩(E)、リン酸塩(F)を一括して系内に投入する方法;
(2)(B)とオニウム塩(E)の混合物をあらかじめ作成し、タングステン化合物(C)、酸化剤(D)とリン酸塩(F)からなる混合液中に投入するなど、任意の2つ以上を混合し、その混合物を系内に投入する方法;
(3)任意の2つ以上を混合し、その混合物を系内に滴下する方法
が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
安全上の観点から、混合物を系内に投入する方法および滴下する方法が好ましい。
酸化反応は、溶媒の存在下または非存在下のいずれで行ってもよい。
溶媒は、有機基質及び目的生成物の種類、その溶解、沸点等により適当に選択できる。
溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの鎖状または環状エーテルなどが挙げられる。
これらの溶媒は一種で、又は二種以上混合して用いられる。
反応温度は、反応基質や反応の種類などに応じ、反応速度及び反応選択性を考慮して適宜選択できるが、例えば、0〜100℃、好ましくは50〜80℃程度である。反応は常圧で行ってもよく、加圧下に行ってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
酸化反応によって得られた化合物は、抽出、分液、ろ過、遠心分離、蒸留などの通常の方法によって精製分離される。本発明の酸化反応用触媒は、水に対する溶解性が高く、疎水性の有機溶媒への溶解性が低いため、抽出、分液による方法が好ましい。
本発明におけるジエポキシ樹脂の製造方法により、ハロゲンを実質的に含有しないエポキシ化合物を安価で汎用性の高い酸化触媒で高選択的に製造することが可能である。
本発明の製造方法において、目的とするジエポキシ化合物(A)以外に、下記のような不純物(G)が生成する。
不純物(G)としては、下記一般式(9)で表される化合物(G1)、下記一般式(10)で表される化合物(G2)、下記一般式(11)で表される化合物(G3)、下記一般式(12)で表される化合物(G4)、下記一般式(13)で表される化合物(G5)、下記一般式(14)で表される化合物(G6)、下記一般式(15)で表される化合物(G7)、下記一般式(16)で表される化合物(G8)、下記一般式(17)で表される化合物(G9)が挙げられる。
なお、下記一般式(9)〜(17)中の記号R1とR、Y1とY2はそれぞれ、前述の一般式(1)〜(4)で定義したものと同様である。
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
Figure 2010053348
本発明の製造方法で得られるエポキシ樹脂組成物中のジエポキシ化合物(A)含有量は、通常、70重量%以上、好ましくは85〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。
本発明の製造方法で得られるエポキシ樹脂組成物中のジエポキシ化合物(A)含有量は、下記の酸化反応転化率と酸化反応選択率から求めた。
<酸化反応転化率の算出方法>
後述の実施例、比較例とで得られた上層(有機相)中の酸化反応生成物は、2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)と酸化反応生成物(A+G)[ジエポキシ化合物(A)と不純物(G)]のガスクロマトグラフィ(GC)のピークの比より収率を求めた。
酸化反応転化率(%)=PA+G×100/P
但し、PA+G:ジエポキシ化合物(A)と不純物(G)のGCピークの合計、
:2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)のGCピーク
<酸化反応におけるジエポキシ化合物(A)選択率の算出方法>
後述の実施例、比較例とで得られた上層(有機相)中の酸化反応生成物はジエポキシ化合物(A)と酸化反応生成物(A+G)のGCピークの比より選択率を求めた。
ジエポキシ化合物選択率(%)=P×100/PA+G
但し、P:ジエポキシ化合物(A)のGCピーク、
A+G:ジエポキシ化合物(A)と不純物(G)のGCピークの合計
<酸化反応収率の算出方法>
後述の実施例、比較例とで得られた上層(有機相)中の酸化反応生成物は2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)とジエポキシ化合物(A)のGCピークの比より収率を求めた。酸化反応収率をもって、ジエポキシ化合物(A)の含有量とした。
ジエポキシ化合物収率(%)=P×100/P
=酸化反応転化率×ジエポキシ化合物選択率/100
=ジエポキシ化合物の(A)含有量
但し、P:ジエポキシ化合物(A)のGCピーク、
:2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)のGCピーク
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[製造例1]<酸化反応基質である2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B−1)の製造>
撹拌装置、温度制御装置及びコンデンサーを設置した反応槽に、メチルエチルケトン(丸善石油社製)を200部、水添ビスフェノールA(新日本理化社製)を234部(1モル部)仕込み、300rpmで撹拌しながら、50℃に加熱した。そこにアリルクロライド(昭和電工社製)を161部(2.1モル部)滴下した。滴下終了後、50℃で3時間熟成し、水500gを加えた後、室温で静置した。分液後メチルエチルケトンを50℃、133Paで減圧除去し、水添ビスフェノールAのジアリルエーテル(B−1)を得た。
[製造例2]<酸化反応基質である2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B−2)の製造>
撹拌装置、温度制御装置及びコンデンサーを設置した反応槽に、エチレングリコール(三菱ガス化学社製)を62部(1モル部)仕込み、300rpmで撹拌しながら、60℃に加熱した。5−ビニルシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(サンペトロケミカル社製)を240部(2モル部)滴下した。滴下終了後、60℃で3時間熟成後、180℃、133Paで未反応物及びエチレングリコールを減圧除去し、エチレングリコール−ビス(5−ビニルシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン)エーテル(B−2)を得た。
[実施例1〜10]
攪拌装置、温度制御装置、還流冷却器を設置した反応槽に、タングステン化合物(C)、酸化剤(D)、リン酸塩(F)の順で仕込み、300rpmで撹拌しながら、80℃に昇温した。なおその仕込み量は表1に示した。
表1に記載した仕込み量の溶媒、2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)、オニウム塩(E)の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を80℃に保ちながら、2時間反応させた。室温まで冷却、静置後、2相に分離した反応混合物から生成物を含む上層(有機相)を分液した。
Figure 2010053348
実施例4で数平均分子量が624のポリオキシプロピレングリコールジアリルエーテルを反応基質として使用した。
なお、実施例5と6で用いた表1中の(B−3)、(B−4)の組成は以下の通りである。
(B−3):テレフタル酸と1,4−ブタンジオールから得られるポリエステルジオールのジアリルエーテル化物(Mn=1200)
(B−4):ジメチルカーボネートの1,5−ペンタンジオールをエステル交換により得られるポリカーボネートジオールのジアリルエーテル化物(Mn=750)
[比較例1、2]
攪拌装置、温度制御装置、還流冷却器を設置した反応槽に、反応基質、塩基、溶媒を表2に示した量を仕込み、300rpmで撹拌しながら、60℃に温調した。
表2に記載した仕込み量のグリシジル化試剤を1時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を60℃に保ちながら、6時間反応させた。室温まで冷却、イオン交換水をゆっくり投入した後、静置した。2相に分離した反応混合物から生成物を含む上層(有機相)を分液した。
[比較例3、4]
攪拌装置、温度制御装置、還流冷却器を設置した反応槽に、反応基質、溶媒を表2に示した量を仕込み、300rpmで撹拌しながら、40℃に温調した。
表2に記載した仕込み量の酸化剤を2時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を40℃に保ちながら、4時間反応させた。その後、室温まで冷却した。
なお、比較例3で、製造例2で得た(B−2)を反応基質として使用した。また、比較例4と次の比較例5で、数平均分子量が624のポリオキシプロピレングリコールジアリルエーテルを反応基質として使用した。
[比較例5]
攪拌装置、温度制御装置を設置した耐圧反応槽に、反応基質、溶媒、触媒、気体を表2に示した量を仕込み、300rpmで撹拌しながら、100℃に温調し、4時間反応させた。その後、室温まで冷却した。
Figure 2010053348
なお、表2中の比較例5で用いたタングステン触媒は、J.Mol.Catal.32,107(1985)に基づいて作成した下記の化学構造式で表される触媒である。
[(n−C13)4N]{PO[W(O)(μ-O)]}
実施例1〜10と比較例1〜5の酸化反応転化率、酸化反応選択率、酸化反応収率、全塩素含量を上記の方法で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2010053348
なお、酸化反応転化率、酸化反応選択率、酸化反応収率をガスクロマトグラフィー(GC)の測定結果から求めたときの測定条件は以下の通りであった。
<GCによる酸化反応生成物の分析条件>
下記のGC装置と分析条件により酸化反応基質、及び酸化反応生成物を分析した。
機器:島津製作所製 GC−2014
検出器:FID
カラム:キャピラリカラム Rtx−5(長さ30m、内径0.25mm ID、液相
の膜厚:0.25μM、Restek社製)
サンプル注入量:1.0μL
インジェクション温度:200℃
キャリアーガスHe圧力:129kPa
キャリアーガスHe全流量:23.0mL/分
キャリアーガスHeカラム流量:1.8mL/分
線速度:37.8cm/秒
スプリット比:10.0
ディテクション温度:300℃
メイクアップガスHe圧力:10.0kPa
H2圧力:60kPa
Air圧力:50kPa
カラム温度:150℃〜10℃/分
昇温:最高到達温度300℃、保持時間5分
<全塩素含量>
全塩素含量はJIS K7243−3(全塩素含量)に準じて測定した。
なお、表3中のN.D.は検出されなかった(検出限界以下)を表す。
表3の結果より明らかなように、実施例1〜10の製造方法は、いずれも酸化反応収率が高く、全塩素含量が検出されないため、比較例の製造方法よりも優れていることがわかる。
本発明のジエポキシ化合物は、ハロゲンを含まず、電気特性、色安定性に優れているため、電気用途、コーティング樹脂用原料としても有用である。また、本発明の酸化触媒は安価で汎用性が高く、不飽和化合物からジエポキシ化合物のみを高選択的に製造するため、本発明の酸化触媒を用いたジエポキシ化合物の製造方法は有用である。

Claims (9)

  1. タングステン化合物(C)および酸化剤(D)を用いて、下記一般式(1)または(2)で表される2個のC=C二重結合を分子内に有する有機化合物(B)の二重結合部位を酸化して下記一般式(3)または(4)で表されるジエポキシ化合物(A)を製造することを特徴とするジエポキシ化合物(A)の製造方法。
    Figure 2010053348
    Figure 2010053348
    Figure 2010053348
    Figure 2010053348
    [式中、RおよびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数5〜20の1価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の芳香族炭化水素基を表し、それらの基の一部がカルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩基でさらに置換されていてもよい。
    Aは、−(O−R−、−[O−R−O−C(=O)]−、または−[O−C(=O)−R− の2価の官能基であり、1種以上の組み合わせであってもよい。
    は、炭素数2〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
    およびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。nは1〜100の整数を表す。]
  2. 上記一般式(2)および(4)中のYおよびYが、炭素数1〜20の2価のアルキレン基、炭素数5〜20の2価の脂環族炭化水素基、または炭素数4〜20の2価の芳香族炭化水素基である請求項1記載のエポキシ化合物(A)の製造方法。
  3. さらにオニウム塩(E)を併用する請求項1または2記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  4. さらに、リン酸塩(F)を併用する請求項1〜3いずれか記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  5. 該タングステン化合物(C)が、タングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウムまたはリンタングステン酸である請求項1〜4いずれか記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  6. 該酸化剤(D)が過酸化水素である請求項1〜5いずれか記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  7. 該オニウム塩(E)が第四級アンモニウム塩である請求項1〜6いずれか記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  8. 該リン酸塩(F)がリン酸アンモニウムである請求項1〜7いずれか記載のジエポキシ化合物(A)の製造方法。
  9. 請求項1〜8いずれか記載の製造方法で得られ、ジエポキシ化合物(A)の含有量が70重量%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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