JP2010077293A - 感光性樹脂組成物および樹脂シート - Google Patents

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Shinji Ishizaki
慎治 石崎
Hidekazu Ikeda
秀和 池田
Yukuko Miyazaki
有功子 宮崎
Reiko Ueno
玲子 上野
Naohiro Hamada
直宏 濱田
Toru Oya
徹 大宅
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Abstract

【課題】本発明は、プラスチックス表面の保護用途として,
接着層と硬化層の物性を一層で実現し、硬化層とプラスチックスとの密着性と耐擦傷性が、良好な感光性樹脂組成物とそれを用いた樹脂シートを提供することである。
【解決手段】本発明は、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを少なくとも含みかつ、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が1.5〜5であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックス表面の保護目的として使用される感光性樹脂組成物および樹脂シートに関する。
従来、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチックスは成形性がよいこと、透明性に優れていること、軽量であること、安価であること等の種々の利点を有し、各種工業材料、建築材料、装飾材料、光学材料、弱電材料、化粧品材料、家庭材料等の成形品として広く使用されている。
一方、この様な成形品は上記の利点を有してはいるものの、ガラス、金属等に比較するとその表面硬度が低いため、表面に傷がつき易くそれにより透明性が低下したり、さらに汚れが付着しやすい等の問題を有していた。
そのため、成形品等の表面を硬化層で被覆し、耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の機能を付与することが行なわれている。具体的には、例えば成型品を塗液中へ浸漬し、硬化層で被覆するディッピング法が行われている。しかし、ディッピング法は浸漬層全体に塗液を満たさなければならず塗液のロスが多く、また成型品を均一な厚さの硬化層で被覆することが難しかった。
そこで、硬化層を成形品へ転写する転写法により、塗液のロスが少なく、かつ成形品を均一な厚さの硬化層で被覆することが可能になった。
しかし上記転写法は、成型品と硬化層を接着する際に接着層を介するが、その接着層と
硬化層との密着が不足する場合が多いため、接着層と硬化層の間に中間層を設けて密着を改善することも行なわれていた。しかし複数の層を用いることで、製造コストが高くなるという問題が生じていた(特許文献1および2参照)。
特許第3996252号公報 特許第2538479号公報
本発明の目的は、接着層と硬化層の物性を一層で実現し、硬化層とプラスチックスとの密着性と耐擦傷性が良好な感光性樹脂組成物とそれを用いた樹脂シートを提供することである。
本発明は、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを少なくとも含みかつ、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)とのSP値の差の絶対値が1.5〜5であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、樹脂(A)が、側鎖にエチレン性不飽和基を有することを特徴とする上記の感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、樹脂(A)が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群より選択される1種以上の官能基を有することを特徴とする上記いずれかの感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、樹脂(A)の酸価が50〜500mgKOH/gであることを特徴とする上記いずれかの感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、樹脂(A)の主鎖が、スチレン系モノマーと酸無水物基含有モノマーとを共重合してなることを特徴とする上記いずれかの感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、樹脂(A)の二重結合当量が100〜1200g/eqであることを特徴とする上記いずれかの感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、剥離シート上に、上記いずれかの感光性樹脂組成物から形成される樹脂層が設けられてなることを特徴とする樹脂シートに関する。
また本発明は、上記の樹脂シートの樹脂層を、基材へ転写し、さらに光および/または熱により硬化し硬化層を形成することを特徴とする硬化層付き基材の製造方法に関する。
また本発明は、上記の製造方法により得られた硬化層付き基材に関する。
本発明により、接着層と硬化層の物性を一層で実現することで、安価にプラスチックス成型品や板材の表面に、耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の機能を付与することが可能となる。
本発明について以下に詳細を説明する。
本発明における樹脂(A)として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感光性樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂とは、紫外光や可視光によって、架橋反応により硬化する樹脂であり、エチレン性不飽和基、エポキシ基、オキセタン環などの官能基が、ラジカル反応やカチオン反応することにより硬化する。具体的にはエチレン性不飽和基、エポキシ基、オキセンタン環を少なくとも一種類含んだアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオール系樹脂等が挙げられる。その中でもアクリル系樹脂やスチレン系樹脂など共重合体を用いることが好ましい。
また、本発明で用いる樹脂(A)は側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましい。樹脂(A)に、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂など共重合体を用いる場合は、前記重合体を合成する際に、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基またはエポキシ基等の官能基を有するモノマーを共重合し、更に前記官能基と反応可能な官能基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物を反応することにより、側鎖にエチレン性不飽和基を導入することができる。樹脂(A)が側鎖にエチレン性不飽和基を有することで、一般的な多官能モノマーを使用する場合と比較して、硬化層とプラスチックス等との密着と、耐擦傷性等の硬さとの両立がしやすくなる。
前記共重合体の合成方法は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合など公知の方法で行なうことができる。使用するモノマーとしては、例えば、アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。またこれらに対応するメタクリル化合物も用いることができる。
スチレン系モノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、イソブチルトルエン、tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレンなどの単官能芳香族系モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン等の多官能芳香族系モノマー等が挙げられる。
その他、アクリル系モノマーやスチレン系モノマーと共重合可能なビニル系モノマーを用いることもできる。例えばビニルエステル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物、(メタ)アクリル酸誘導体、ハロゲン化ビニル類が挙げられる。ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。ビニルケトン類としては、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等が挙げられる。N−ビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール等が挙げられる。(メタ)アクリル酸誘導体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラクロロエチレン、ヘキサクロロプロピレン、フッ化ビニル等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリセリンアクリレート、グリセリンメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレングリコールの繰り返し数=2〜50)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレングリコールの繰り返し数=2〜50)、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(カプロラクトンの繰り返し数=1〜6)、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(カプロラクトンの繰り返し数=1〜6)、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、水酸基末端ウレタンアクリレート、水酸基末端ウレタンメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、又はプロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を含有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、グルタコン酸、又はテトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
前記酸無水物基を有するモノマーとしては、例えば無水コハク酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族環状酸無水物または、無水フタル酸、イサト酸無水物、ジフェン酸無水物などの芳香族環状酸無水物等、またはこれらに飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、ハロゲン基、ヘテロ環基などを結合せしめた誘導体等が挙げられる。
前記アミノ基を有するモノマーとしては、N,N −ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N −ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N -ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N -ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N −ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N −ジメチルアミノプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、N,N −ジメチルアミノスチレン、N,N −ジメチルアミノメチルスチレン等のアミノスチレン類、2−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5−ビニルピリジン、ビニルピロリドンなどのビニルピリジン類、3級アミン含有モノマー、2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N −(N',N'−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N −(N',N'−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N −(N',N'−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N −(N',N'−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアクリルアミド又はメタクリルアミド類、あるいはこれらのハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数1から4)等が挙げられる。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、グリシジルアリルエーテル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピルアクリレート、2,3−エポキシ−2−メチルプロピルメタクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2エポキシド、グリシジルシンナメート、1,3−ブタジエンモノエポキサイド等が挙げられる。
また本発明で用いる樹脂(A)は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される1種以上の官能基を有することが好ましい。前記官能基を有することにより後述するSP値の調整を容易にすることができる。また官能基としてカルボキシル基を導入することでSP値の調整がより容易になる。カルボキシル基の導入量は、酸価で規定することができる。酸価は50〜500mgKOH/gであることが好ましく、50〜300mgKOH/gであることがより好ましい。前記数値範囲を外れると共重合が難しい場合や、所望の物性を達成することが困難になる恐れがある。
前記官能基の導入は、主鎖にアクリル系樹脂、スチレン系樹脂などの共重合体を用いた場合は、前記の官能基を有するモノマーを共重合すれば良い。モノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基を有するモノマーとしては、上記記載のモノマー等が挙げられる。
前記スルホン酸基を有するモノマーとしては、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホメチルメタクリレート、スルホメチルアクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート等が挙げられる。
前記リン酸基を有するモノマーとしては、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、又はプロピレングリコールアクリレートホスフェート、アシッドホスオキシエチルアクリレート、アシッドホスオキシエチルメタクリレート、アシッドホスオキシプロピルアクリレート、アシッドホスオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスオキシエチルアクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
樹脂(A)の最も好ましい態様としては、スチレン系モノマーと酸無水物基含有モノマーの共重合物であって、その共重合物中の酸無水物基をヒドロキシアルキルアクリレート等の水酸基と反応させ、共重合物がカルボキシル基と側鎖のエチレン性不飽和基を有するものである。スチレン系モノマー、前記酸無水物基を含有するモノマーとしては、上記記載のモノマー等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーと酸無水物基含有モノマーの共重合物としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、本発明の樹脂(A)は、エチレン性不飽和基の二重結合当量が100〜1200g/eqであることが好ましく、300〜900であることがより好ましい。二重結合当量が100〜1200g/eqの範囲から外れた場合は、密着性と耐擦傷性の両立が難しくなる恐れがある。なお、本発明でいう「エチレン性不飽和基の二重結合当量」とは、樹脂の合成時に使用した原材料の重量から算出される理論値であって、樹脂の重量を、樹脂中に存在するエチレン性不飽和基の数で除したものであり、エチレン性不飽和基1モルあたりの樹脂の重量、すなわち、エチレン性不飽和基濃度の逆数に相当するものである。
本発明で用いる光硬化性化合物(B)は、少なくとも1〜3個の以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。用いられる化合物としては具体的には、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレートフェノキシジエチレングリコールメタクリレート、また、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールアクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールメタクリレート類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピアルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート等の水酸基含有のアクリレート、メタクリレート類、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型アクリルアミド、メタクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有アクリレート、メタクリレート類、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類、また、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジアクリレート、アルキレングリコールジメタアクリレート類、グリセリンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキシド変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート等の三官能アクリレート、メタクリレート類、また、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート等の多官能アクリレート、メタクリレート類等が挙げられる。これらの中で1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート等の直鎖2官能アクリレート、メタクリレートを用いることが好ましい。これらの化合物は、樹脂(A)とのSP値の差の絶対値が1.5〜5であれば光硬化性化合物(B)として用いることができる。
本発明で用いる樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値は1.5〜5であることが重要であり、1.5〜3が好ましい。本発明において樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の絶対値の差を1.5〜5とすることで、剥離シート層に樹脂層を形成したときに、樹脂中の各成分が、樹脂層内で配向する現象が起こることで、他物性を維持しながら、各成分が持つ性能を樹脂層表面にて顕著に発現することができる。特に、本発明では、樹脂中の光硬化性化合物(B)が、被着体となるプラスチックス側へ配向することにより、耐擦傷性・硬度を維持しながら、プラスチックス基材に対する良好な密着性を実現している。
前記配向については、顕微レーザーラマン分光光度計NRS−3100(日本分光製)による、ラマン散乱スペクトル測定により、解析することができる。得られたラマン散乱スペクトルから、各成分特有のピークの強度を、各深さで比較することにより、層内での成分の分布を表すことができる。
その例として、図1に、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が2.17の場合の樹脂(A)の樹脂層(膜厚18μm)内の分布を示す。図1の(a)はピークの強度をグレースケールで示しており、数値が大きい(明度が高い)とピークの強度が強いことを表している。図1の(b)に示すように、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が2.17の場合、樹脂層の深さ方向の中間付近において明度が高く、樹脂(A)が樹脂層の中央に多く存在し、樹脂層の上限と下限に近づくほど黒色が増して、光硬化性化合物(B)は樹脂層の表面に多く存在していることがわかる。
また、本発明で用いる樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が5を越えると、両者の相溶性が悪く、塗液の分離や白化、もしくは樹脂層形成後に樹脂層の白化により品質が低下するなどの問題が発生する恐れがあり、1.5未満であると、相溶性が過度に良好となり、耐擦傷性・硬度と、密着性の両立が困難になる恐れがある。
本発明で使用しているSP値とは溶解度パラメーター(Solubility Parameter)の略称で、液体分子同士または高分子と液体分子の分子間相互作用の指標となるものである。ここで言うSP値については、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2)147(1974)に記載されている計算方法で計算した値と定義し、SP値の単位は(cal/cm3 1/2とする。
本発明で用いることができる光重合開始剤(C)は、種類には特に制限がなく、例えばアセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アントアキノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2.2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2.4.6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N.N−ジメチル安息香酸イソアミル、チオキサン、2−クロロチオキサントン、2.4−ジエチルチオキサントン、2.4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上適宜併用することもできる。
本発明の光重合開始剤(C)の組成物中に占める割合は通常、感光性樹脂組成物中のうちエチレン性不飽和基含有の樹脂および化合物の合計100重量部に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量部である。10重量部を超えると、組成物の保存安定性や硬化物の物性に悪影響を及ぼすことがあり、0.01重量部未満では、硬化速度が低下することがある。
本発明における感光性樹脂組成物は有機溶剤を含むことができる。有機溶剤としては例えば、ケトン化合物、アルキレングリコールエーテル化合物、アルコール化合物、脂肪族化合物、脂肪族化合物・芳香族化合物のハロゲン化物、エステル化合物、エーテル化合物、芳香族化合物、非プロトン性極性化合物等が挙げられるが特に制限はない。ケトン化合物としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。アルキレングリコールエーテル化合物としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート等が挙げられる。アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。脂肪族化合物としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。脂肪族化合物・芳香族化合物のハロゲン化物としてはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。エステル化合物としては酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。エーテル化合物としてはエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。芳香族化合物としてはベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。非プロトン非極性化合物としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドN−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン等のアミド化合物、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、剥離シートへ樹脂層を形成した樹脂シートとして用いることが好ましい。樹脂シートに使用する剥離シートとしては、プラスチックフィルムや紙などを用いることが好ましい。例えば、プラスチックフィルムとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、セロハン、ポリイミド、ポリエーテルケトンなどの単層体または複数の積層体が挙げられ、紙としては上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などが挙げられる。剥離シートの厚みは10〜200μmが好ましい。また、剥離シートには離型性をさらに向上させるために、表面に離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素やシリコーンを用いた公知の剥離処理を用いることができる。また、剥離シート表面に離型しやすいような形の凹凸加工を施してもよい。
剥離シート上に感光性樹脂組成物を塗工する方法としては、公知の各種塗工方法、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、ロールコート、リバースロールコート、ナイフコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、スピンコート、スプレーコート、シルクスクリーン等が適用される。塗工膜厚は乾燥時で1〜100μm程度であり、好ましくは5〜40μmである。剥離シート上に樹脂層を設けた後、さらにセパレーターをラミネートしても良い。
本発明の樹脂シートを用いて、樹脂シートの樹脂層を、基材に転写し、さらに光および/または熱で硬化し硬化層を形成することにより硬化層付き基材を製造することが好ましい。
本発明の硬化層付き基材で使用する基材はプラスチックの成形品、板材、フィルム等を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、スチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられるが、中でもアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂は光学的性質、耐熱性、耐衝撃性などの特性に優れており、本発明に使用される合成樹脂基材として好ましい。また、本発明での樹脂層は特にポリカーボネート樹脂に対する密着性に優れている。
本発明の硬化層付き基材の製造方法としては、本発明の樹脂シートの樹脂層面を基材表面に、例えば加熱しながら、ロール等で圧着し、次いで、光を照射して樹脂層を架橋させ、また、必要に応じて加熱することで、硬化層を形成することが好ましい。剥離シートは光の照射後に剥離することが好ましい。
光の照射源としては紫外線や可視光を照射できる蛍光ケミカルランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノン灯、アーク灯などを用いることができる。また、光源は1灯単独でなく複数灯用いたり、同種または異種のものを並列して用いてもよい。積算光量としては、10mJ/cm2〜10000mJ/cm2程度が好ましい。照射量がこれより少ないと硬化が十分に進行せず、逆に多すぎると硬化層や剥離シートや基材の変色や熱による変形、耐候性の低下、また剥離シートの剥離困難などを招く場合がある。
また、本発明では、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)と、光重合開始剤(C)以外に、1種以上の光硬化性化合物(D)を含むことができる。光硬化性化合物(D)は(メタ)アクリロイル基が4個以上の化合物であることが好ましく、樹脂(A)とのSP値の差の絶対値が1.5未満であることも好ましい。本発明では、光硬化性化合物(D)を含有することで、耐摩耗性・硬度等を向上させることができる。耐摩耗性・硬度等を向上させるために光硬化性化合物(D)は多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましい。さらに、光硬化性化合物(D)はエチレン性不飽和基を3〜20個有することがより好ましい。3〜20個のエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーとしては公知のものを使用できる。具体的には、例えば3〜20個のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、グリセリンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキシド変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート等の三官能アクリレート、メタクリレート類、また、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート等の多官能アクリレート、メタクリレート類等が挙げられる。また、3〜20個のエチレン性不飽和基を有するオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、エポキシメタクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリエステルメタクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマー等の多官能アクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマーを挙げることができる。また、光硬化性化合物(D)を含有することで樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)の相溶性を調整し、配向をコントロールすることもできる。
以下に、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。また、各樹脂・化合物のSP値は表1に示す。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SARTOMER社製:SMA1000)122.5部、メチルエチルケトン120部を仕込み攪拌しながら80℃に昇温し、完全に溶解させた。その後、一度50℃に冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート56.5部、p−メトキシフェノール0.1部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.9部を加えて、ドライエアーを吹き込みながら85℃に昇温し、16時間還流させながら反応させ、側鎖にエチレン性不飽和基を導入し、不揮発分60%、重量平均分子量5700の樹脂(A)の溶液を得た。また、得られた樹脂(A)の理論上の二重結合当量は376g/eqで、酸価は165mgKOH/gであった。重量平均分子量は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HL―8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
(実施例1)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、光硬化性化合物(B)として1,4−ブタンジオールジアクリレート(商品名ビスコート#195、大阪有機化学社製)を47.5部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、光硬化性化合物(B)として1,6−ノナンジオールジアクリレートを47.5部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、光硬化性化合物(B)として1,9−ノナンジオールジアクリレートを47.5部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、光硬化性化合物(B)として1,9−ノナンジオールジアクリレートを24部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部、光硬化性化合物(D)として15官能のウレタンアクリレート(商品名U−15HA、新中村化学社製)を24部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、フェノキシエチルアクリレートを47.5部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
合成例1で得た樹脂(A)の溶液を不揮発分換算で47.5部、トリエチレングリコールジアクリレート(商品名ライトアクリレート3EG−A、共栄社化学社製)を47.5部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を5部配合し、メチルエチルケトンとトルエンを1:1(重量比)で混合させた溶剤を用いて不揮発分60%に調整し、感光性樹脂組成物を得た。
実施例1〜4及び、比較例1および2で得られた感光性樹脂組成物を、剥離シートのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名T−100H、三菱ポリエステル社製)に、乾燥膜厚20μmとなるよう塗工し、熱風オーブンにて80℃―10分乾燥させたのち、セパレーターであるポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名T−100、三菱ポリエステル社製)にてラミネートし樹脂シートを得た。その後、セパレーターを剥離し、ポリカーボネート基材(商品名パンライトシートPC−1151、膜厚:帝人化成社製)へ圧着ロールを用いて貼り付けた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量1000mJ/cm2で照射して貼り付けた樹脂層を硬化させ、さらに剥離シートであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することで、硬化層付き基材を得た。こうして得られた、硬化層付き基材の密着性、耐擦傷性について下記評価を行なった。
(1)密着性試験:硬化層に対してJIS K5400のクロスカットテープ法で、テープ剥離後の硬化層の残存割合を目視で評価を行なった。
100%:(剥がれなし、良好) 〜 0%:(全て剥がれ、不良)
(2)耐擦傷性:硬化層に対してスチールウール#0000を用い、200g/10往復し、目視で評価を行なった。
◎: 非常に良好(傷なし)
○: 良好
△: やや劣る
×: 劣る
表1の実施例1〜4に示すように、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が1.5〜5の場合は、耐擦傷性を維持しながら、密着性も良好であった。さらに実施例4に示すように光硬化性化合物(D)として、15官能のウレタンアクリレートを添加することにより、耐擦傷性が向上した。それに対して、比較例1〜2に示すように樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)のSP値の差の絶対値が1.5未満の場合は、密着性を確保することができなかった。
上記のように本発明の感光性樹脂組成物およびその樹脂シートは、接着層と硬化層の物性を一層で実現でき、プラスチックス成型品や板材の表面に、耐摩耗性、耐傷擦性、耐汚染性等の機能を安価に付与することが可能となる。
ラマン散乱スペクトル

Claims (9)

  1. 樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを少なくとも含みかつ、樹脂(A)と、光硬化性化合物(B)とのSP値の差の絶対値が1.5〜5であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 樹脂(A)が、側鎖にエチレン性不飽和基を有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 樹脂(A)が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される1種以上の官能基を有することを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 樹脂(A)の酸価が50〜500mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  5. 樹脂(A)の主鎖が、スチレン系モノマーと酸無水物基含有モノマーとを共重合してなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  6. 樹脂(A)の二重結合当量が100〜1200g/eqであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  7. 剥離シート上に、請求項1〜6いずれか記載の感光性樹脂組成物から形成される樹脂層が設けられてなることを特徴とする樹脂シート。
  8. 請求項7記載の樹脂シートの樹脂層を、基材へ転写し、さらに光および/または熱により硬化し硬化層を形成することを特徴とする硬化層付き基材の製造方法。
  9. 請求項8記載の製造方法により得られた硬化層付き基材。
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