JP2010077303A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低反り性や平滑性が要求される半導体装置、特に基板の片側に樹脂層が形成されたエリア実装型半導体装置等に用いた場合、成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田性に優れ、かつ生産性にも優れたエポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、該樹脂組成物の175℃でのスパイラスフローが50cm以上であり、該樹脂組成物の175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及び半導体装置に関するものである。例えば、エリア実装型半導体装置、MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)、イメージセンサー等、低反り性や平滑性が要求される半導体装置に好適に用いられる。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高機能化の市場動向において、半導体の高集積化が年々進み、また半導体装置の表面実装化が促進される中で、新規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構造の半導体装置から移行し始めている。エリア実装型半導体装置としてはBGA(ボール・グリッド・アレイ、Ball Grid Array)、或いは更に小型化を追
求したCSP(チップ・サイズ・パッケージ、Chip Size Package)が代表的であるが、
これらは従来QFP(クワッド・フラット・パッケージ、Quad Flat Package)、SOP
(スモール・アウトライン・パッケージ、Small Out−line Package)に代表される表面
実装型半導体装置では限界に近づいている多ピン化・高速化への要求に対応するために開発されたものである。構造としては、ビスマレイミド・トリアジン(以下、「BT」ともいう。)樹脂/銅箔回路基板に代表される回路基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半導体素子搭載面、即ち基板の片面のみにエポキシ樹脂組成物等の樹脂層が形成されている。半導体素子搭載面では数百μmから数mm程度の樹脂層が形成されるため、実質的に片面樹脂層となっている。
このような片面樹脂層が形成されるものとしては、半導体素子を直接封止するものや、フリップチップを実装し、第一の樹脂として液状アンダーフィルで素子の回路面を保護し、その周囲に第二の樹脂として樹脂層を形成するもの等がある。
樹脂層が実質的に片面に形成されているため、有機基板又は金属基板とエポキシ樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整合、或いはエポキシ樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮による影響により、これらの半導体装置では成形直後から反りが発生しやすい。半田接続時には半導体装置が230〜260℃の温度に曝され、温度サイクル試験等においては−65℃の温度に曝されることもある。その際に反り量が大きくなると配線切断につながったり、樹脂部にクラックが入りそのクラックが進展し配線を切断したりすることがある。こうした反りの低減のため種々の検討が行われており、例えばトリフェニルメタン型エポキシ樹脂又はナフタレン型多官能エポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を成形温度以上にさせることで、成形後、常温まで冷却した際の反りは低減できる(例えば、特許文献1参照。)が、その後半田接続を行うために半導体装置を230〜260℃雰囲気下にさらすと反りが大きくなる問題がある。その主要因としては、高温時の基板の線膨張率と、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張率との差が大きくなるためと考えられている。そこで鋭意検討の結果、エポキシ樹脂組成物としてアスペクト比の高い鱗片状無機充填材を添加したものを用いることにより、特に高温時の線膨張係数の低減が図れ、半導体装置の反りの低減が図れることを見出した。この線膨張係数の低減作用は、硬化物形状や成形方法によっても影響されるものの、エポキシ樹脂組成物の硬化物中におけるアスペクト比の高い鱗片状無機充填材が、基板の長手方向に対して平行方向により多く配向することによって発現しているものと推察される。しかしながら、アスペクト比の高い鱗片状無機充填材を添加した場合、エポキシ樹脂組成物の硬化性低下や流動性低下が著しいものとなるため、生産性、経済性等の点で工業的な半導体装置の製造には必ずしも適しないものであった。このような問題点を解決するため鋭意検討の結果、本願発明を完成させるに至ったものである。
特開2002−037863号公報
本発明は、低反り性や平滑性が要求される半導体装置、特に基板の片側に樹脂層が形成されたエリア実装型半導体装置等に用いた場合、成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田性に優れ、かつ生産性にも優れたエポキシ樹脂組成物、並びに信頼性に優れた半導体装置を提供するところにある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物の175℃でのスパイラスフローが50cm以上であり、該エポキシ樹脂組成物の175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上であることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記鱗片状無機充填材(E)のアスペクト比が2以上、10以下であるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記鱗片状無機充填材(E)がカップリング剤で表面処理されているものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記結晶性エポキシ樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であるものとすることができる。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜4の整数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(2)において、R2は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。bは0〜4の整数で
ある。−X−は−C(R3)−、−O−、−S−の中から選択される基である。R3は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(3)において、R4は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。cは0〜4の整数である。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記多官能エポキシ樹脂(B)が下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物及び下記一般式(6)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であるものとすることができる。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(4)において、R5は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。dは0〜4の整数である。n4の平均値は0又は10以下の正数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(5)において、eは1、fは1又は0、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基の中から選択される基、又はフェニル基であり、Gはグリシジル基を示す。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(6)において、R7は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。gは0〜4の整数である。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)の合計量に対する多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合(B)/{(A)+(B)}が質量比で0.6以上、0.9以下であるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)とを予備混合した後、他の成分と混合及び/又は溶融混練して得られるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記多官能フェノール樹脂(C)が下記一般式(7)で表される化合物及び下記一般式(8)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であるものとすることができる。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。hは0〜4の整数で
ある。n7の平均値は0又は10以下の正数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(8)において、R9は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。iは0〜4の整数である。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記硬化促進剤(F)が下記一般式(9)で表される、ホスフィン化合物とフェノール化合物の付加物であるものとすることができる。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(9)において、Xは炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。Yはヒドロキシル基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。j、kは1〜3の整数である。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記硬化促進剤(F)が、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一種であるものとすることができる。
Figure 2010077303
Figure 2010077303
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)を含むものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記鱗片状無機充填材(E)がガラスフレークであるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記ガラスフレークの組成が硼珪酸ガラスであるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記鱗片状無機充填材(E)の全エポキシ樹脂組成物に対する配合割合が10質量%以上、70質量%以下であるものとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記球状無機充填材(D)と前記鱗片状無機充填材(E)の合計量に対する前記鱗片状無機充填材(E)の配合割合(E)/{(D)+(E)}が0.1以上、0.8以下であるものとすることができる。
本発明の半導体装置は、上述のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする。
本発明は、低反り性や平滑性が要求される半導体装置、特に基板の片面に樹脂層が形成されたエリア実装型半導体装置等に用いた場合、成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田性に優れ、かつ生産性にも優れたエポキシ樹脂組成物、並びに信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物及び半導体装置について詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)を含有するエポキシ樹脂組成物で
あって、該エポキシ樹脂組成物の175℃でのスパイラスフローが50cm以上であり、該エポキシ樹脂組成物の175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上であることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上述のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする。
まず、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、結晶性エポキシ樹脂(A)を含む。本発明で用いられる結晶性エポキシ樹脂(A)は成形時の流動性を発現させるために用いる。公知の結晶性エポキシ樹脂を用いることができるが、成形性、生産性等を考慮し融点が30℃以上、150℃以下の範囲であるものが好ましい。上記下限値以上のものであれば、エポキシ樹脂組成物の製造時において搬送装置等への付着、タブレット同士の固着といった不具合を引き起こさず、安定した生産が可能となる。また、上記上限値以下のものであれば、エポキシ樹脂組成物の溶融時に樹脂の溶解が不均一になることがなく、均質な樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いられる結晶性のエポキシ樹脂(A)としては、特に限定するものではないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物は工業的にも入手可能で本発明に好適に用いられる。その中でも特に好ましい樹脂としては下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。これにより、流動性を特に向上させることができる。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜4の整数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(2)において、R2は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。bは0〜4の整数で
ある。−X−は−C(R3)−、−O−、−S−の中から選択される基である。R3は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(3)において、R4は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。cは0〜4の整数である。)
本発明で用いられる結晶性エポキシ樹脂(A)の配合割合としては、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に、1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。結晶性エポキシ樹脂(A)の配合割合が上記範囲内であると、流動性を向上させる効果を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、多官能エポキシ樹脂(B)を含む。本発明で用いられる多官能エポキシ樹脂(B)は、繰り返し単位構造を含まないもの、繰り返し単位構造を含むもののいずれであってもよく、繰り返し単位構造を含まないものの場合は1分子当り三個以上のエポキシ基を有するものであり、繰り返し単位構造を含むものの場合はその繰り返し単位nを0と仮定した場合であっても1分子当り三個以上のエポキシ基を有するものである。即ち、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のようなものは含まないものである。多官能エポキシ樹脂(B)を用いることにより、反りの改善の手段として有効となる、樹脂硬化物のガラス転移温度を上げることができる。
本発明で用いられる多官能エポキシ樹脂(B)としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン二量体型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましい例としては、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物及び下記一般式(6)で表される化合物が工業的に入手可能であり本発明に好適である。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(4)において、R5は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。dは0〜4の整数である。n4の平均値は0又は10以下の正数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(5)において、eは1、fは1又は0、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基の中から選択される基、又はフェニル基であり、Gはグリシジル基を示す。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(6)において、R7は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。gは0〜4の整数である。)
本発明で用いられる多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合としては、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に、3質量%以上、15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上、12質量%以下であることがより好ましい。多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合が上記範囲内であると、低反り性を向上させる効果を得ることができる。
本発明で用いられる結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との好ましい配合割合は、結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)の合計量に対する多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合(B)/{(A)+(B)}が質量比で0.6以上、0.9以下であることが好ましく、0.7以上、0.8以下であることがより好ましい。上記上限値以下であると、成形時の粘度が適正な範囲となり、良好な成形性が得られる。また、上記下限値以上であると、ガラス転移温度が適正な範囲となり、充分な低反り効果が得られる。
また、結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)とを併用することにより得られる本発明の効果を損なわない範囲で、更に公知のエポキシ樹脂を添加することも可能である。その例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン系エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、多官能フェノール樹脂(C)を含む。本発明で用いられる多官能フェノール樹脂(C)は、繰り返し単位構造を含まないもの、繰り返し単位構造を含むもののいずれであってもよく、繰り返し単位構造を含まないものの場合は1分子当り三個以上のエポキシ基を有するものであり、繰り返し単位構造を含むものの場合はその繰り返し単位nを0と仮定した場合であっても1分子当り三個以上のフェノール性水酸基を有するものである。即ち、フェノールノボラック樹脂のようなものは含まないものである。多官能フェノール樹脂(C)を用いることにより、前記多官能エポキシ樹脂(B)と同様にガラス転移温度を上げることができ、それによって反り改善の効果を得ることができる。
本発明で用いられる多官能フェノール樹脂(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましい例としては、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる。これらは工業的に入手可能であり、目的を達成させるために好適である。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。hは0〜4の整数である。n7の平均値は0又は10以下の正数である。)
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(8)において、R9は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。iは0〜4の整数である。)
本発明で用いられる多官能フェノール樹脂(C)の配合割合としては、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に、2質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、8質量%以下であることがより好ましい。多官能フェノール樹脂(C)の配合割合が上記範囲内であると、低反り性を向上させる効果を得ることができる。
また、多官能フェノール樹脂(C)を用いることにより得られる本発明の効果を損なわない範囲で、更に公知のフェノール樹脂を添加することも可能である。その例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、硫黄原子含有型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂との配合割合としては、エポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)とフェノール樹脂全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP)/(OH)が0.8以上、1.3以下である
ことが好ましい。当量比がこの範囲であると、エポキシ樹脂組成物の成形時に充分な硬化性を得ることができる。また、当量比がこの範囲であると、ガラス転移温度が適正な範囲となり樹脂硬化物における良好な物性を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、球状無機充填材(D)を含む。球状無機充填材(D)の添加により、線膨張係数の低下、機械強度の向上、耐湿性、流動性の向上を図ることができる。その例としては、絶縁性の球状無機充填材であれば公知のものを使用することができるが、より好ましい例として、球状溶融シリカ、球状アルミナ等が挙げられる。これらの球状無機充填材(D)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いられる球状無機充填材(D)の配合割合としては、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に、10質量%以上、85質量%以下であることが好ましく、15質量%以上、80質量%以下であることがより好ましい。球状無機充填材(D)の配合割合が上記範囲内であると、充分な流動性を保持しつつ、機械強度、耐湿性を向上させる効果を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、鱗片状無機充填材(E)を含む。本発明で用いられる鱗片状無機充填材(E)は、粒子形状においてアスペクト比の下限値が2以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。また、アスペクト比の上限値が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。尚、アスペクト比とは、平均厚みと平均粒径より、平均粒径/平均厚みで求めた値である。平均厚みについては、例えば、水面単粒子膜法により測定されるフレークの水面での占有面積を用いて算出することができる(特開平9−48613号公報の段落0023〜0024参照。)。また、平均粒径については、例えば、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)で測定したモード径を用いることができる。上記下限値以上であると、樹脂硬化物の線膨張係数を低下させることで低反り性を向上させる効果を得ることができる。また、アスペクト比が上記上限値以下であると、樹脂組成物の成形時の粘度が過度に上昇することがなく、成形不良を引き起こす恐れが少ない。
本発明で用いられる鱗片状無機充填材(E)としては、特に限定するものではないが、例えば、ガラスフレークやガラスファイバー、又はマイカ、クレー等の粘土鉱物が挙げられる。粉砕した場合のアスペクト比の算出に用いる。更に好ましくはガラスフレークであり、その中で硼珪酸ガラスは線膨張係数を低下させ、強度を向上させるために特に効果がある。このような鱗片状無機充填材(E)は、市販品をそのまま、又は必要により粉砕したものを用いることができる。市販品をそのまま用いる場合のアスペクト比については、市販品メーカーのデータを用いることができる。また、市販品を粉砕して用いる場合のアスペクト比については、平均厚みとして市販品メーカーのデータを用い、平均粒径として市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)で測定したモード径を用いることにより算出することができる。
鱗片状無機充填材(E)は、上述のアスペクト比の範囲とした場合であっても、なお、その形状に起因して樹脂との接触抵抗が大きいため、エポキシ樹脂組成物が溶融したときの流動性が低下する傾向にある。また、硼珪酸ガラス製のガラスフレークを用いる場合には、エポキシ樹脂組成物の硬化性が低下する傾向にある。本発明では、鱗片状無機充填材(E)の表面をカップリング剤で表面処理することにより、上記のような流動性、硬化性における不具合点を大幅に向上させることが可能である。
鱗片状無機充填材(E)の表面処理に使用するカップリング剤としては、公知のものを使用することができる。その例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。その中でもアミノシラン系カップリング剤で処理することが流動性、硬化性改善のためより好ましい。
このようなカップリング剤で処理された鱗片状無機充填材(E)は工業的にも入手することができ、例えば日本板硝子株式会社製REF−015A(アミノシラン処理)などが挙げられる。また、カップリング剤で処理された鱗片状無機充填材(E)は、工業的に入手することができる未処理の鱗片状無機充填材(E)、例えば日本板硝子株式会社製REF−015を、噴霧処理、気相処理、混合処理等の方法により、前記カップリング剤で表面処理することによって得ることもできる。
本発明で用いられる鱗片状無機充填材(E)の配合割合としては、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に、10質量%以上、70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上、60質量%以下であることがより好ましい。鱗片状無機充填材(E)の配合割合が上記範囲内であると、充分な流動性を保持しつつ、線膨張係数を低下させ、低反り性を向上させる効果を得ることができる。
本発明で用いられる球状無機充填材(D)と鱗片状無機充填材(E)の合計量に対する鱗片状無機充填材(E)の含有割合(E)/{(D)+(E)}が0.1以上、0.8以下であることが好ましく、0.2以上、0.7以下であることより好ましい。上記上限値以下であると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を適正な範囲とすることができる。また、上記下限値以上であると、線膨張係数を低下させ、低反り性を向上させる効果を充分に得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(F)を含む。本発明で用いられる硬化促進剤(F)は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進するものであれば公知のものを使用することができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート等が挙げられるが、これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用しても差し支えない。流動性と硬化性のバランスの点を考慮すると、下記一般式(9)で表される有機ホスフィン化合物とフェノールの付加物が好ましく、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2010077303
(ただし、上記一般式(9)において、Xは炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。Yはヒドロキシル基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。j、kは1〜3の整数である。)
Figure 2010077303
Figure 2010077303
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)(以下、単に「化合物(G)」ともいう。)を用いることもできる。本発明で用いることができる化合物(G)は、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げ、流動性を向上させる効果を有する。本発明で用いることができる化合物(G)は、特に限定するものではなく、また水酸基以外の置換基を有していてもよく、例えば、下記一般式(12)で表される化合物、下記一般式(13)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2010077303
(上記一般式(12)において、R10、R14はどちらか一方が水酸基であり、片方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基である。R11、R12、R13は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基である。)
Figure 2010077303
(上記一般式(13)において、R15、R21はどちらか一方が水酸基であり、片方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基である。R16、R17、R18、R19、R20は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基である。)
一般式(12)で表される化合物の具体例としては、例えば、カテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル又はこれらの誘導体が挙げられる。また、一般式(13)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、流動性と硬化性の制御のしやすさから、芳香環を構成する2個の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物が好ましい。また、混練工程での揮発を考慮した場合には、母核は低揮発性で秤量安定性の高いナフタレン環である化合物とすることがより好ましい。流動性と硬化性の制御のしやすさ、及び混練工程での揮発の双方を考慮した場合には、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンおよびその誘導体等のナフタレン環を構成する2個の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物とすることができる。これらの化合物(G)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、鱗片状無機充填材(E)の表面処理に用いたカップリング剤と同様のカップリング剤を別途に用いることもできる。カップリング剤は、樹脂マトリックスと無機充填材との界面強度を向上させる効果を有する。これらのカップリング剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物の原料成分を、ミキサー等を用いて均一に混合する際に添加することができるが、その際、予め水又は酸もしくはアルカリを添加して加水分解処理して用いてもよい。また、これらを予め球状無機充填材(D)に表面処理して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(G)成分、(E)成分の表面処理に用
いるカップリング剤、その他のカップリング剤以外に、さらに必要に応じて、カーボンブラックに代表される着色剤;天然ワックス及び合成ワックス等の離型剤;低応力性を発現させるための低応力剤;難燃剤等が適宜配合可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、175℃でのスパイラスフローが50cm以上であることが好ましく、60cm以上であることがより好ましい。スパイラルフローは成形時の流動性を示す指標であり、EMMI−1−66に従って測定することができる。175℃でのスパイラスフロー値が上記範囲内であれば、成形時に未充填が発生したり、ワイヤー流れ等の不具合が発生したりする恐れが少ない。175℃でのスパイラスフロー値を上記範囲とするには、融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)の種類と配合割合を調整することで達成される。特に結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合、球状無機充填材(D)と鱗片状無機充填材(E)の配合割合、鱗片状無機充填材(E)の形状等の選択が重要である。また、鱗片状無機充填材(E)の表面がカップリング剤で表面処理されているか否かも重要である。更に、エポキシ樹脂組成物の成形時の流動性に影響を与え得る硬化促進剤(F)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)等を適宜選択して配合することによって、これらの特性を調整することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上であることが好ましく、15N・m以上であることがより好ましい。キュラストトルクは成形時の硬化性を示す指標であり、例えば、(株)オリエンテック製、JSRキュラストメータIVPS型を用いて測定することができる。175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が上記範囲内であれば、脱型時に離型不良が発生したり、成形品の変形が発生したりする恐れが少ない。175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値を上記範囲とするには、融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)の種類と配合割合を調整することで達成される。特に、球状無機充填材(D)と鱗片状無機充填材(E)の配合割合、鱗片状無機充填材(E)の形状等の選択が重要である。また、鱗片状無機充填材(E)の表面がカップリング剤で表面処理されているか否かも重要である。更に、エポキシ樹脂組成物の成形時の硬化性に影響を与え得る硬化促進剤(F)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)等を適宜選択して配合することによって、これらの特性を調整することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、各原料成分を、ミキサー等を用いて充分に均一に混合したもの、その後、さらに加熱ニーダ、熱ロール、押出機等の混練機により加熱混練し、続いて冷却、粉砕したものなど、必要に応じて適宜分散度や流動性等を調整したものを用いることができる。
次に、本発明の半導体装置について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
本発明の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)、プラスチック・リード付きチップ・キャリヤ(PLCC)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)、薄型スモール・
アウトライン・パッケージ(TSOP)、薄型クワッド・フラット・パッケージ(TQFP)、テープ・キャリア・パッケージ(TCP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、フリップチップBGA、クワッド・フラット・ノンリードパッケージ(QFN)等が挙げられる。これらの中でも、低反り性や平滑性が要求される半導体装置としては、BGA、CSP、フリップチップBGA等のエリア実装型半導体装置等が挙げられる。
上記トランスファーモールドなどの成形方法で封止された半導体装置は、そのまま、或いは80℃から200℃程度の温度で、10分から10時間程度の時間をかけて完全硬化させた後、電子機器等に搭載される。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は質量部とする。
実施例、比較例で用いた成分について下記に示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ジャパンエポキシレジン(株)製、YL−6677。一般式(1)で表される化合物においてa=0である化合物を主成分とするエポキシ樹脂(融点110℃)25質量%と、一般式(4)で表される化合物においてd=0である化合物を主成分とするエポキシ樹脂75質量%と、の混合物。融点50℃、エポキシ当量163。)
Figure 2010077303
Figure 2010077303
エポキシ樹脂2:DIC(株)製、HP−4770。一般式(5)で表される化合物において、e=0、f=0でR6が水素原子である化合物(融点140℃)50質量%と、e=1、f=0でR6が水素原子である化合物40質量%と、e=1、f=1でR6が水素原子である化合物10質量%と、の混合物。軟化点72℃、エポキシ当量205。
Figure 2010077303
エポキシ樹脂3:ジャパンエポキシレジン(株)製、YL−6121H。一般式(1)で表される化合物において、a=1でR1−がCH−である化合物50質量%と、a=0である化合物50質量%と、の混合物。融点110℃、エポキシ当量171。
Figure 2010077303
エポキシ樹脂4:ジャパンエポキシレジン(株)製、YL−6810。一般式(2)で表される化合物においてb=0で−X−が−C(CH−である化合物を主成分とするエポキシ樹脂。融点47℃、エポキシ当量172。
Figure 2010077303
エポキシ樹脂5:東都化成(株)製、YDC1312。一般式(14)で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂。融点140℃、エポキシ当量178。
Figure 2010077303
エポキシ樹脂6:ジャパンエポキシレジン(株)製、E−1032H60。一般式(4)で表される化合物においてd=0である化合物を主成分とするエポキシ樹脂。軟化点58℃、エポキシ当量171。
Figure 2010077303
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂1:明和化成(株)製、MEH7500。一般式(7)で表される化合物においてh=0である化合物を主成分とするフェノール樹脂。軟化点110℃、水酸基当量97。
Figure 2010077303
フェノール樹脂2:住友ベークライト(株)製、PR−HF−3。フェノールノボラック樹脂。軟化点80℃、水酸基当量105。
(無機充填材)
球状無機充填剤1:球状溶融シリカ(マイクロン(株)製、S30−71。平均粒子径25μm。)
鱗片状無機充填材1:ガラスフレーク1(日本板硝子(株)製、REF−015A。組成:硼珪酸ガラス。平均粒径15μm、平均厚み5μm、アスペクト比3。アミノシラン処理品。)
鱗片状無機充填材2:ガラスフレーク2(日本板硝子(株)製、REFG−301。組成:硼珪酸ガラス。平均粒径5μm、平均厚み0.5μm、アスペクト比10。エポキシシラン処理品。)
鱗片状無機充填材3:ガラスフレーク3(日本板硝子(株)製、REFG−302。組成:硼珪酸ガラス。平均粒径5μm、平均厚み0.6μm、アスペクト比8.3。ウレイドシラン処理品。)
鱗片状無機充填材4:ガラスフレーク4(日本板硝子(株)製、REF−015。組成:硼珪酸ガラス。平均粒径15μm、平均厚み5μm、アスペクト比3。シラン処理無し品。)
鱗片状無機充填材5:マイカ(コープケミカル(株)製、ME−100。平均粒径6μm、平均厚み0.3μm、アスペクト比20。シラン処理無し品。)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:式(10)で表される化合物
硬化促進剤2:式(11)で表される化合物
硬化促進剤3:トリフェニルホスフィン
(その他の添加剤)
化合物G1:2,3−ジヒドロキシナフタレン
カップリング剤1:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
着色剤1:カーボンブラック
離型剤1:カルナバワックス
実施例1
エポキシ樹脂1 9.25質量部
フェノール樹脂1 5.50質量部
球状無機充填材1 64質量部
鱗片状無機充填材1 20量部
硬化促進剤2 0.45質量部
カップリング剤1 0.3質量部
着色剤1 0.3質量部
離型剤1 0.2質量部
上記の各成分を常温においてミキサーで混合し、70〜120℃で加熱ロールにより混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製、KTS−15)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。単位はcmである。
キュラストメータートルク:キュラストメータ((株)オリエンテック製、JSRキュラストメータIVPS型)を用い、金型温度175℃、加熱開始30秒後のトルクを求めた。キュラストメータにおけるトルクは硬化性のパラメータであり、速硬化性の観点では数値の大きい方が良好である。単位はN・m。
ガラス転移温度Tg、線膨張係数α1(Tgより低い温度域における線膨張係数)、α2(Tgより高い温度域における線膨張係数):低圧トランスファー成形機(藤和精機(株)製、TEP−50−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間120秒の条件下で、樹脂組成物を注入成形して、幅4mm、厚さ3mm、長さ15mmの試験片を作製した。得られた試験片を後硬化として175℃で4時間及び200℃で4時間加熱処理した。室温まで冷却後、熱機械分析装置(セイコー電子(株)製、TMA−120)を用いて、試験片の長さ方向について、圧縮荷重5g、昇温速度5℃/分
、温度範囲−65〜300℃で測定した。Tgは測定によって得られる温度と試料寸法とのグラフにおける30℃での接線と280℃での接線の交点とした。また、α1、α2は、測定によって得られる温度と試料寸法とのグラフにおいて、各温度域でその傾きがほぼ一定となった部分における平均値を持ってその値とした。Tgの単位は℃、α1、α2の単位はppmである。
パッケージ反り量:回路基板(住友ベークライト(株)製 ELC−4785GSコアの両面板、基板サイズは43×43mm)にシリコンチップ(サイズ15×15mm、厚さ0.73mm)を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト(株)製 CRP−4152)を充填した。その後、低圧トランスファー成形機(TOWA製、Yシリーズ)を用いて、金型温度180℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物によりシリコンチップを搭載した回路基板等を封止成形して、パッケージ(パッケージサイズは43×43mm)作製した。更に後硬化として175℃4時間及び200℃で4時間加熱処理した。室温に冷却後パッケージの反り量を、シャドーモアレ方式の反り測定装置(Acrometrix製、PS−200)を用いて高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。測定温度は−55℃、25℃、150℃、260℃の4点で行った。全ての温度域においてその反りの値が200μm以下であるものを◎、200μmより大きく、400μm以下であるものを○、400μmより大きく、600μm以下であるものを△、600μmより大きく、800μm以下であるものを×とした。
耐半田性:上記パッケージ反り量の評価において成形したパッケージを、後硬化として175℃で4時間加熱処理した後、JEDEC レベル3処理に従い65℃、相対湿度60%で168時間加湿処理した。その後、JEDEC条件のピーク温度235℃でIRリフロー処理を行った。IRリフロー処理後のパッケージ8個について、内部の剥離及びクラックの有無を超音波探傷機(日立建機ファインテック(株)製、mi−scope hyper II)で観察し、不良パッケージの個数を数えた。8個のパッケージのうち、不良パッケージの個数がn個であるとき、n/8と表示した。
耐温度サイクル性:上記パッケージ反り量の評価において成形したパッケージを、後硬化として175℃で4時間加熱処理した後を、125℃で24時間、乾燥処理を行い、JEDEC レベル3処理に従い65℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽に入れ、40時間加湿処理した。その後、JEDEC条件のピーク温度235℃でIRリフロー(N2フロー
中)に3回通し、−55℃と125℃の槽が瞬時に入れ替わる装置(ESPEC製、THERMAL SHOCK CHAMBER TSA−101S)にパッケージを10個投入し125℃30分、−55℃30分を1サイクルとして、1000サイクル温度サイクル処理を行った後のパッケージ10個について、内部の剥離、クラックを超音波探傷機(日立建機ファインテック(株)製、mi−scope hyper II)により確認し
、不良パッケージの個数を数えた。10個のパッケージのうち、不良の生じたパッケージがn個であるとき、n/10とした。
実施例2〜15、比較例1〜6
表1、表2、表3の配合に従い、実施例1と同様にエポキシ樹脂組成物を得て、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2010077303
Figure 2010077303
Figure 2010077303
実施例1〜15は、融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能フェノール樹脂(C)、球状無機充填材(D)、鱗片状無機充填材(E)、硬化促進剤(F)を含み、かつ樹脂組成物の175℃でのスパイラスフローが50cm以上、樹脂組成物の175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上の範囲のものであり、結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)の種類や配合割合を変更したもの、鱗片状無機充填材(E)の種類や配合割合を変更したもの等を含むものであるが、いずれにおいても、ガラス転移温度が充分に高く、線膨張係数が充分に低く、それらのバランスが適正な範囲となっているため、パッケージ反り量、耐半田性、耐温度サイクル性等のパッケージ特性で良好な結果が得られた。また、未充填等の成形面での不具合も発生しなかった。
一方、結晶性エポキシ樹脂(A)を用いなかった比較例2では、スパイラルフローが50cmを下回ったことで、パッケージの成形段階で未充填が発生し、パッケージ特性の評価に値するサンプルを得ることができなかった。また、多官能エポキシ樹脂(B)又は多官能フェノール樹脂(C)を用いなかった比較例1、4では、ガラス転移温度が成形温度よりも低い値となり、パッケージ反り量、耐温度サイクル性等のパッケージ特性が劣る結果となった。また、鱗片状無機充填材(E)を用いなかった比較例5では、パッケージ反り量、耐温度サイクル性等のパッケージ特性が劣る結果となった。また、鱗片状無機充填
材(E)を過剰に用いた比較例6では、スパイラルフローが50cmを下回ったことで、パッケージの成形段階で未充填が発生し、パッケージ特性の評価に値するサンプルを得ることができなかった。また、比較例3に示すように、硬化促進剤の種類及び量の選択によっては、スパイラルフローが50cmを下回ることとなり、パッケージの成形段階で未充填が発生し、パッケージ特性の評価に値するサンプルを得ることができないことがわかる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田性に優れ、かつ生産性にも優れたものであるため、低反り性や平滑性が要求される半導体装置、特に基板の片面に樹脂層が形成されたエリア実装型半導体装置等に有用である。

Claims (16)

  1. 融点が30℃以上、150℃以下である結晶性エポキシ樹脂(A)、
    多官能エポキシ樹脂(B)、
    多官能フェノール樹脂(C)、
    球状無機充填材(D)、
    鱗片状無機充填材(E)、
    硬化促進剤(F)
    を含有するエポキシ樹脂組成物であって、
    該エポキシ樹脂組成物の175℃でのスパイラスフローが50cm以上であり、
    該エポキシ樹脂組成物の175℃における測定開始後30秒のキュラストトルク値が10N・m以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記鱗片状無機充填材(E)のアスペクト比が2以上、10以下であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記鱗片状無機充填材(E)がカップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記結晶性エポキシ樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜4の整数である。)
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(2)において、R2は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。bは0〜4の整数である。−X−は−C(R3)−、−O−、−S−の中から選択される基である。R3は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(3)において、R4は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。cは0〜4の整数である。)
  5. 前記多官能エポキシ樹脂(B)が下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物及び下記一般式(6)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(4)において、R5は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。dは0〜4の整数である。n4の平均値は0又は10以下の正数である。)
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(5)において、eは1、fは1又は0、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基の中から選択される基、又はフェニル基であり、Gはグリシジル基を示す。
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(6)において、R7は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。gは0〜4の整数である。)
  6. 前記結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)の合計量に対する多官能エポキシ樹脂(B)の配合割合(B)/{(A)+(B)}が質量比で0.6以上、0.9以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記結晶性エポキシ樹脂(A)と多官能エポキシ樹脂(B)とを予備混合した後、他の成分と混合及び/又は溶融混練して得られるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記多官能フェノール樹脂(C)が下記一般式(7)で表される化合物及び下記一般式(8)で表される化合物の中から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。hは0〜4の整数である。n7の平均値は0又は10以下の正数である。)
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(8)において、R9は炭素数1〜6のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。iは0〜4の整数である。)
  9. 前記硬化促進剤(F)が下記一般式(9)で表される、ホスフィン化合物とフェノール化合物の付加物を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010077303
    (ただし、上記一般式(9)において、Xは炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。Yはヒドロキシル基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。j、kは1〜3の整数である。)
  10. 前記硬化促進剤(F)が、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010077303
    Figure 2010077303
  11. 更に芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 前記鱗片状無機充填材(E)がガラスフレークであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  13. 前記ガラスフレークの組成が硼珪酸ガラスであることを特徴とする請求項12記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. 前記鱗片状無機充填材(E)の全エポキシ樹脂組成物に対する配合割合が10質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  15. 前記球状無機充填材(D)と前記鱗片状無機充填材(E)の合計量に対する前記鱗片状無機充填材(E)の配合割合(E)/{(D)+(E)}が0.1以上、0.8以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
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