JP2010077410A - バイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物バイオマス(木材、果樹の老木、稲わら、麦わら、南洋材の木質繊維、油やし、椰子ガラ、ゴムの老木、トウモロコシ芯、古紙、パルプ及びこれらの廃棄物等)の熱分解により発生した熱分解ガスを効率よくタール、酢酸、水、等に粗分留して回収し、またバイオマス原料の種類によっては高品質の燃料油の回収を行い、さらに、熱分解ガスから析出する不揮発成分に起因する配管経路の詰まりを抑制し、連続運転操業が可能な高効率なバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置の提供を目的とする。
【解決手段】バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、前記熱分解工程の直後に熱分解ガスから少なくともタール分を回収する留分回収工程を行う。
【選択図】図1
【解決手段】バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、前記熱分解工程の直後に熱分解ガスから少なくともタール分を回収する留分回収工程を行う。
【選択図】図1
Description
本願発明は、バイオマスを熱分解して液体燃料及び化学原料を製造するプラントにおいて、長時間連続運転可能な高品質油を製造する装置に関するものである。
近年、石油資源の枯渇及びその価格の高騰が憂慮され、また、地球温暖化の原因の1つとして化石資源利用による大気中の二酸化炭素の濃度上昇が懸念され、世界的に石油資源に代わり理論的にカーボンニュートラルとなるバイオマスエネルギーを積極的に活用する動きが活発化している。その中の1つの方法として、木材、農産物、椰子やゴムなどの南洋樹木や種子の廃棄物等を熱分解して液体燃料とするバイオマス由来の液化燃料製造方法がある。
上記の方法は、植物系の廃材等を原料として利用するものであり、食料となるジャガイモ、とうもろこし、米、麦等を発酵してバイオエタノールを製造する場合とは異なり、食糧需給に影響を与えない利点がある。
ただ、バイオマスの熱分解で生産する液体燃料には、木タール(重質なグアヤコール、オイゲノール、ベラトロール、フェノール、クレゾール等含酸素化学物質の集合体)、カルボン酸類、ケトン類、アルデヒド類、アルコール類及びその他多種多様の有機成分が含まれている。その化学成分は400種以上であるが水分含量が多く、pHが2〜3の酸性を呈し経時変化する。
また、機器や装置に対しての腐食性が問題視され、燃料とするには熱量が低く改質が必要である。木タール分は原料と同等以上に発熱量を有することから液体燃料として有望であるが、高温で濃縮するとその熱履歴によって容易に重縮合化合物となり、固化して加熱容器内から抜き出せなくなる欠点がある。
上記の性状のため、バイオマス由来液体燃料を燃料として使用する際には、分留により各成分に分けることが行なわれており、一般的な方法としては分留塔を使用する方法である。
バイオマスを熱分解することで得られる熱分解ガスを分留塔に送り、分留塔では各段階で異なる温度となっているため、沸点の異なる成分を持つ熱分解ガスは、沸点ごとに分留され、タールや可燃性ガスを生産物として得ることが可能となっている。(例えば特許文献1又は2参照)また、バイオオイルを燃料として使用する際に特に問題となる、酢酸を取り除く方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特許文献3によれば、前記熱分解ガスを酢酸の沸点より高い温度に設定された冷却器で冷却し、燃料成分を選択的に凝縮し、水を添加して所定の流動性と発熱量を有する液体燃料として回収し、残ったガスは酢酸が凝縮する温度に設定された後段の冷却器を通過し、ここで酢酸を主成分とする木酢液を生産物として回収する方法が開示されている。
しかしながら、前記バイオマス由来液体燃料の分留塔を使用した分留においては、400〜600℃の熱分解ガスが100℃以下の分留塔内で一気に冷やされるため、分留塔手前の配管内でタールの析出が始まり、配管を閉塞してしまう問題がある。また、分留塔の内壁にタールが付着すると、タールは粘度が非常に高いため移動することなく、その場に留まり、結果、タールの堆積が進んでいくことになる。即ち、一度タールの析出が始まると、解消することはなく、このタールを除去するためにはプラントを停止して、分解し、清掃等が必要となるため、連続運転は非常に困難となっている。
しかしながら、特許文献1乃至3において、タールの問題について記載及び示唆はなく、したがって、提案されている装置及び方法は、例えば1日程度の短時間運転であれば可能であるが、数日から数週間にわたる長時間連続運転は困難となっている。
特許文献3においては、「第一の冷却手段」の温度を、「少なくとも水の沸点より高く、かつ前記燃料成分が選択的に凝集する任意の温度」あるいは「酢酸の沸点より高い任意の温度で冷却し」と請求項に記載されているが、実施例においては、400〜600℃の熱分解ガスを118℃の冷却器に供給するよう構成しているため、タールが析出し、冷却器及び冷却器に至る配管を閉塞してしまう問題がある。上記のような温度落差がある場合は、装置として運転可能な時間は僅かな時間となってしまう。
また、特許文献1の請求の範囲では温度の指定はなされていないが、明細書中には「凝縮液の取り出し口の温度は、水の沸点以上の温度を維持する必要がある。例えば、110〜200℃位の温度を保持する」としている。さらに、特許文献2においては5−250℃という多段冷却器の温度設定がなされている。
即ち、既存文献においては、第1冷却手段手前の配管内におけるタールの析出については考慮されておらず、温度設定においてタール閉塞を回避することが可能な設定にはなっていない。タール閉塞により生じる長時間連続運転の困難性及びその解決策については提供されていない。しかしながら、本特許の課題解決を行うことにより既存特許技術を活用することが可能になる。大量のバイオマス由来液体燃料を生産するための工場において、長時間連続運転が困難であるという状態は致命的な問題である。
さらに、近年は急速熱分解反応によりタール分の回収量が、従来の熱分解反応に比べ飛躍的に増加しているため、タール閉塞の問題が大きなものとなっている。
急速熱分解法は、急速でバイオマス原料を昇温することで、タールの生成量が多くなり、炭化物重量が少なくなる方法である。具体的には、伝熱特性のよくないバイオマス原料の粒子の大きさを小さくし、この微粉化をすることで、バイオマス原料を容易に高温にすることが可能となり、この高温のために、熱分解生成物の吐出量が多くなり、液状タールの収率が高くなる特徴がある。
また、本発明ではタールを含めた高品質な燃料に注目すると、タールは粘度が高いために流動性が低く、燃料には不向きと考えられてきた。しかし、タールの熱量は一般に高く、これを効率的に活用することが、高品質な燃料製造においては重要である。
本願発明は上述の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、植物バイオマス(木材、果樹の老木、稲わら、麦わら、南洋材の木質繊維、油やし、椰子ガラ、ゴムの老木、トウモロコシ芯、古紙、パルプ及びこれらの廃棄物等)の熱分解により発生した熱分解ガスを効率よくタール、酢酸、水、等に粗分留して回収し、またバイオマス原料の種類によっては高品質の燃料油の回収を行い、さらに、熱分解ガスから析出する不揮発成分に起因する配管経路の詰まりを抑制し、連続運転操業が可能な高効率なバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本願発明に係るバイオマス由来液体燃料の製造方法は、バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、前記熱分解工程の直後に熱分解ガスから少なくともタール分を回収する留分回収工程を行うことを特徴とする。
熱分解反応後の最初の段階で、熱分解ガスからタール分を回収する構成としたことで、後段の工程において、配管等でタールが付着、固着して閉塞を起こすタール閉塞の抑制が可能となった。
また、後段で木酢液等の酸性度の高い物質を分離して取り除くように構成することで、液体燃料の酸性度を適性の範囲にして、汎用性の高い製品として製造することが可能となっている。
上記の製造方法において、留分回収工程が、縦型に設置された筒状物の上方から下方に熱分解ガスを流しながら冷却し、前記筒状物内の液状タールを前記筒状物下端の回収槽内に供給された極性溶媒中に回収し、タール分を回収された後の気相を排気する工程としたことを特徴とする。
熱分解ガスを、筒状物中を下降させながら冷却することで、熱分解ガス中を浮遊している微細な液状タール、及び冷却され凝縮した液状タールは自重で下方の回収槽に落下していく。そのため、タールが壁面等に付着して筒状物を閉塞することを抑制可能している。
また、タールと親和性があり、燃料となる極性溶媒を供給した回収槽内に前記液状タールを回収するため、極性溶媒によりタールの粘度が低下し、タールの取り扱いが容易になる。即ち、前記回収槽内にタールが付着及び固着することを防止し、かつ、タールと極性溶媒の混合物はそのまま燃料として使用できるため、そのための運搬及び使用時にタール閉塞を起こすことを防止することができる。
前述の製造方法において、留分回収工程が、下端が液相中に浸漬された吹き込み管で、熱分解ガスを前記液相中に直接吹き込んで、前記熱分解ガスを気泡として浮上させる間に、少なくとも熱分解ガス中のタール分及び油分を前記液相中に気液接触により回収し、気液接触後の気相を排気する工程としたことを特徴とする。
粘度が高いタールを気液接触により直接、液相に回収するため、配管の壁面等に付着及び固着することを防止し、液相中に油分とともに回収しているため、粘度が下がり取り扱いが容易となる。また、液相はタール分と油分又は、タール分、油分、極性有機溶液からなっているため、そのまま液体燃料の製品として使用することが可能となっている。
ここでは液相の温度を制御することにより、タール分及び油分に加えて、極性有機溶液(木酢液を含まない)を回収することも可能である。
上記の目的を達成するための本願発明に係るバイオマス由来液体燃料の製造方法は、バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、熱分解ガスを筒状物の上方から下方に流しながら冷却し、前記筒状物内の液状タールを極性溶媒中に回収し、タール分を回収された後の気相を排気する
第1留分回収工程と、下端が液相中に浸漬された吹き込み管で、熱分解ガスを直接吹き込み、少なくとも気相中のタール分及び油分を前記液相中に気液接触により回収し、気液接触後の気相を排気する第2留分回収工程を含むことを特徴とする。
第1留分回収工程と、下端が液相中に浸漬された吹き込み管で、熱分解ガスを直接吹き込み、少なくとも気相中のタール分及び油分を前記液相中に気液接触により回収し、気液接触後の気相を排気する第2留分回収工程を含むことを特徴とする。
熱分解工程の直後に、第1留分回収工程により熱分解ガス中のタール分を回収し、さらに第2留分回収工程で熱分解ガス中に残ったタール分を回収することが可能となっているため、後段の工程にタール分が流れることはほとんどなくなり、これによって、タール閉塞を防止することが可能となり、長時間連続して実施可能なバイオマス由来液体燃料の製造方法を提供することが可能となった。
上記の目的を達成するための本願発明に係るバイオマス由来液体燃料の製造装置は、バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造装置において、バイオマス原料を熱分解する熱分解反応炉に、重力式分離装置を接続し、前記重力式分離装置から後段の回収装置へ気相を排気するよう構成し、前記重力式分離装置は、外周に冷却ジャケットが設置され、熱分解ガスを上方から下方に流しながら冷却する筒状物と、前記筒状物の下端に設置され、筒状物内から落下する液相を回収する回収槽を具備したことを特徴とする。
熱分解ガスを、筒状物中を下降させながら冷却することで、熱分解ガス中を浮遊している微細な液状タール、及び冷却され凝縮した液状タールは自重で下方の回収槽に落下していく。そのため、タールが壁面等に付着して筒状物を閉塞することを抑制可能している。
上記の製造装置において、前記筒状物の内壁温度が、少なくとも熱分解ガス中のタールが凝縮する温度範囲に制御されていることを特徴とする。
この構成により、重力式分離装置で熱分解ガス中の大部分のタール分を回収可能とし、そのため、後段の回収装置でタール閉塞が発生することを防止することが可能となった。ここで、望ましくは木酢液(酢酸)等の酸性度の高い物質が凝縮しない温度範囲とすることで、回収したタールの燃料としての使用可能範囲が広がる。
即ち、回収したタール等の液体燃料に酸性度の高い物質が混入している場合、例えばボイラーやディーゼルエンジン等で使用すると、機械を腐食してしまうため、木酢液等の酸性度の高い物質は液体燃料から分離する必要がある。
上記の製造装置において、前記回収槽内に、タールと親和性があり、かつ燃料となる極性溶媒を供給可能に構成したことを特徴とする。
重力式分離装置で回収したタールを極性溶媒内に回収するため、タールの粘度が下がることで、配管や装置等への付着又は固着が発生しないため、取り扱いが容易となる。
上記の製造装置において、前記筒状物内に付着したタールを燃焼して除去するためのバーナーを、筒状物内に設置したことを特徴とする。
そもそも筒状物には、タールが付着及び固着しないように構成しているが、万が一、筒状物内にタールが付着及び固着した場合に、タールを除去するためのバーナーを設置している。前記バーナーは筒状物内のタールに点火可能に構成しており、メンテナンス時にタールに点火することで、筒状物内のタールを燃焼させ、従来の性能を回復することを可能としている。
上記の目的を達成するための本願発明に係るバイオマス由来液体燃料の製造装置は、バ
イオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造装置において、バイオマス原料を熱分解する熱分解反応炉に、気液接触式分離装置を接続し、前記気液接触式分離装置から後段の回収装置へ気相を排気するよう構成し、前記気液接触式分離装置は、熱分解ガスから回収した少なくともタール分及び油分を含む液相を内部に有した回収槽と、前記回収槽の液相内に熱分解ガスを直接吹き込むための吹き込み管を具備したことを特徴とする。
イオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造装置において、バイオマス原料を熱分解する熱分解反応炉に、気液接触式分離装置を接続し、前記気液接触式分離装置から後段の回収装置へ気相を排気するよう構成し、前記気液接触式分離装置は、熱分解ガスから回収した少なくともタール分及び油分を含む液相を内部に有した回収槽と、前記回収槽の液相内に熱分解ガスを直接吹き込むための吹き込み管を具備したことを特徴とする。
前記気液接触式分離装置では、液相の温度をタール及び油が凝縮する温度範囲とすることで、重力式分離装置で使用した極性溶媒を使用することなく、タールの粘度が油と混合し下がった状態で回収することが可能となるため、取り扱いが容易となっている。また、液体燃料として使用することが可能な状態となっている。
さらに、熱分解ガスを液相に直接接触させることで、タールを回収するため、タールが回収槽の内壁面等に付着及び固着することがなく、かつ、後段の回収装置にタール分がほとんど移動しないため、タール閉塞を防止することが可能となっている。
上記の製造装置において、前記気液接触式分離装置が、先端が拡開した吹き込み管と、吹き込み管の先端部に設置された撹拌手段を具備したことを特徴とする。
前記吹き込み管の液相中に浸漬している先端部を拡開した、例えばラッパ状とすることによって、熱分解ガスと液相が接触する先端部の内壁でタールによる閉塞が発生することを防止している。
また、吹き込み管の先端部に例えばプロペラ等の撹拌手段を設置することで、熱分解ガスの吹き込みにより発生する気泡を小さくし、さらに液相を撹拌させ流れを付加することで、気液接触の機会が増加し、熱分解ガス中のタールを効率的に液相中に移動させ、回収することが可能となっている。
植物バイオマス(木材、果樹の老木、稲わら、麦わら、南洋材の木質繊維、油やし、椰子ガラ、ゴムの老木、トウモロコシ芯、古紙、パルプ及びこれらの廃棄物等)の熱分解により発生した熱分解ガスを効率よくタール、酢酸、水、等に粗分留して回収し、またバイオマス原料の種類によっては高品質の燃料油の回収を行い、さらに、熱分解ガスから析出する不揮発成分に起因する配管経路の詰まりを抑制し、連続運転操業が可能な高効率なバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置を提供することが可能となった。
即ち、熱分解ガスから最初にタールを回収することで、後段の工程に搬送する配管及び後段の回収装置でタール閉塞が抑制され、液体燃料及び化学原料の製造が長時間連続して行うことが可能となった。
さらに、極性溶媒又は油等を混合して粘度を下げたタールを積極的に回収することで、高品質な液体燃料を製造することが可能となり、また、後段では木酢液等の化学原料をタール閉塞に悩まされることなく分離回収することが可能となった。
以下、本願発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
(バイオマス由来液体燃料の製造)
図6はバイオマス由来液体燃料の製造工程を示しており、熱分解工程でバイオマスを400〜500℃に加熱し、熱分解ガスとし、例えば第1留分回収工程、第2留分回収工程のように、多段的に異なる性状を持つ物質を、燃料や化学原料として取り出すよう構成している。
図6はバイオマス由来液体燃料の製造工程を示しており、熱分解工程でバイオマスを400〜500℃に加熱し、熱分解ガスとし、例えば第1留分回収工程、第2留分回収工程のように、多段的に異なる性状を持つ物質を、燃料や化学原料として取り出すよう構成している。
ここで、熱分解ガスの気相の温度を、各回収工程で変化させることで、燃料となる油や木酢液等を沸点以下とし、凝縮して回収するよう構成しており、さらに、回収対象とする物質により、各回収工程における熱分解ガスを凝縮するための適切な装置を選択することで、効率的に、バイオマス由来の燃料及び化学原料を製品として生産することが可能となっている。
また、回収対象とする物質を細かく分離する場合は、回収工程の段数を増やすことで、性状ごとに異なる、特に沸点の異なる成分ごとに分離及び回収することが可能となっている。
そのため、例えば、酸性度の高い木酢液を含まない液体燃料を製造することで、燃料使用に伴う機器の酸による腐食等を防止することが可能であるし、燃料には不必要であった木酢液を分離して回収することで、化学原料として利用することが可能となる等、バイオマス中に含まれる成分を分離、回収することで、有効活用できる範囲が広がった。
(タールの概念)
本明細書に記載のタールとは、以下に示すものである。熱分解反応工程の熱分解反応炉で発生するタールの性状は、熱分解ガス中に浮遊する液状タールとして気相とともに流動している状態と、冷却されたときにタール(液相)となるガスとして存在している状態がある。
本明細書に記載のタールとは、以下に示すものである。熱分解反応工程の熱分解反応炉で発生するタールの性状は、熱分解ガス中に浮遊する液状タールとして気相とともに流動している状態と、冷却されたときにタール(液相)となるガスとして存在している状態がある。
タールは液化したとき、あるいはガス中で液状タールの浮遊物であるときは、粘性が高く、留まりやすい性質を有している。このため、タールは配管等の壁面に付着し閉塞を起こしやすく、この閉塞を防ぐにはタールを留まりにくくする必要がある。
また、タールは液相となった後に、高い温度(概ね370℃から炉内ガス温度である500℃)に晒されると、重合が進み、固体(ピッチ)となり、一度付着すると分離が困難なほど、強力に固着する性質を有している。そのため、液相のタールを、気相に接している状態で高熱にすることは避ける必要がある。この液相のタールは、原料となるバイオマスにより温度範囲は異なるが、概ね150〜370℃であれば固体(ピッチ)にならず、液体状態を保つことが可能となっている。
さらに、タールは極性溶媒に親和性があるため、燃料として利用可能な極性溶媒に、タールを溶かし込んで取り出すことで、このタールを燃料として使用することが可能となっている。
以上より特に、急速熱分解により大量に発生するタールを、液体燃料として効率的に生産することが可能となり、化石燃料枯渇や地球温暖化に起因するエネルギー問題の解決の一助とすることが可能となった。
(重力式分離装置)
図1は、重力式分離装置10の概略図を示しており、前記重力式分離装置10は、前述したバイオマス由来液体燃料の製造工程において、熱分解工程直後の、第1留分回収工程で使用されるものである。前記重力式分離装置10は、吸気管14を介して、熱分解工程で発生した熱分解ガスを供給される筒状物11と、筒状物11に供給された気相32である熱分解ガスを冷却するための冷却ジャケット12と、冷却され凝縮したタールを回収する回収槽16と、タールを除かれた熱分解ガスを排気する排気管15を具備していることを特徴としている。
図1は、重力式分離装置10の概略図を示しており、前記重力式分離装置10は、前述したバイオマス由来液体燃料の製造工程において、熱分解工程直後の、第1留分回収工程で使用されるものである。前記重力式分離装置10は、吸気管14を介して、熱分解工程で発生した熱分解ガスを供給される筒状物11と、筒状物11に供給された気相32である熱分解ガスを冷却するための冷却ジャケット12と、冷却され凝縮したタールを回収する回収槽16と、タールを除かれた熱分解ガスを排気する排気管15を具備していることを特徴としている。
熱分解反応炉から送られる400〜500℃の熱分解ガスは、吸気管14から筒状物11に供給され、冷却ジャケット12により内部を冷却され、筒状物11の上方から下方に流れ、排気管15を介して排気され、バイオマス由来液体燃料の製造装置50における後の工程に送られる。
ここで、冷却ジャケット12による冷却温度は、タールが気相のまま、バイオマス由来液体燃料の製造工程の後段に進むことがなく、また、固化して筒状物11の内壁に固着することを防止する温度範囲にすることが望ましく、原料となるバイオマスにより温度範囲は異なるが、概ね150〜330℃に制御する。望ましくは150〜300℃に制御する。
この熱分解ガスが筒状物11の上方から下方へ流れる際に、液相で分散している液状タール及び筒状物11の側壁部の冷却ジャケット12の作用により冷やされ、気相から液相へ変化した液状タールは、重力と熱分解ガスのガス流に乗って下方へ押し出され、筒状物11の最下部に接続された回収槽16(タール回収槽)で回収されるよう構成している。
ここで、回収槽16内にはタールと親和性のある極性溶媒を入れ、好ましくは前記極性溶媒の温度を60℃以下、さらに望ましくは20〜60℃とすることで、回収槽16に回収した液状タールの固化を防止することが可能となった。この20〜60℃の温度範囲は、タール溶液の粘性を確保することと、極性溶媒の蒸発を防止することのバランスから決定される。当然、極性溶媒とする物質を変更すれば、最適な温度範囲も変化する。
前記極性溶媒は、タールと親和性があり、かつ燃料に適したものであればよく、例えば、沸点が60℃以上のアルコール類(ブタノール、ペンタノールなど)、又は、バイオマス由来液体燃料の製造工程で回収される、あるいは別途調製した有機化合物の水溶液などが挙げられる。
そのため、第2留分回収工程以降の後段で回収した油類、極性有機溶液等を、液相31として供給するための配管を回収槽16に設置しても良い。これにより、後段で回収した油類等を前記極性溶媒として使用することが可能となった。
前記極性溶媒に、液状タールを溶かすことにより、粘度の高い液状タールが希釈され粘度が下がり、固形化を防ぐとともに、タールの取り扱いが容易となった。そのため、例えばボイラー燃料やディーゼル燃料など、広範囲の領域で液体燃料として使用することが可能となった。
前記冷却ジャケット12には、冷却水を流すことも可能であるが、バイオマス由来液体燃料の製造工程で回収される例えば油、水等を利用することも可能である。前記製造工程で回収された油、水等を利用することで、新たな冷却用水の供給が不要となり、バイオマス由来液体燃料の製造プラント内部で、必要なものを循環させることで、環境負荷の少ないプラントとすることが可能であり、水資源の有効利用にもつながる、循環型プラントとすることが可能となっている。
また、図1に示した前記筒状物11は上部に比べ、下部の径が小さくなっているが、上部及び下部の径を同一とした筒状物を使用することも可能である。径を同一とすることで、筒状物の内部の壁面へのタールの付着を更に減らすことが可能となっている。上部の径は、供給される熱分解ガスの圧力や、ガスの流量及び重力式分離装置10全体の大きさから適切に決定することができる。
さらに、筒状物11の内壁面に、タールが付着しないように、例えばホーロー加工等を施すことで、タールの付着及び固着を防止することが可能となっている。
加えて、微量ではあるが筒状物11の内部の側壁へ付着するタールを、除去するための機構として、筒状物11の内部にバーナー13を設置することが可能である。このバーナー13は外部から、例えばプロパンガスやバイオマス由来液体燃料の製造装置50から得られた可燃性ガス等の燃料ガスを供給し、この燃料ガスに点火することで、側壁へ付着したタールを燃焼し、筒状物11の内部をタールの付着のない状態に回復させることが可能である。
(気液接触式分離装置)
図2は気液接触式分離装置20の概略図を示しており、前記気液接触式分離装置20は、前述したバイオマス由来液体燃料の製造工程において、熱分解工程直後の、第1留分回収工程で主に使用され、後段の第2留分回収工程以降で使用することも可能である。気液接触式分離装置20は、吸気管23から吹き込み管21を介して、熱分解ガスを回収槽26の液相31中に直接吹き込むよう構成したことを特徴としている。
図2は気液接触式分離装置20の概略図を示しており、前記気液接触式分離装置20は、前述したバイオマス由来液体燃料の製造工程において、熱分解工程直後の、第1留分回収工程で主に使用され、後段の第2留分回収工程以降で使用することも可能である。気液接触式分離装置20は、吸気管23から吹き込み管21を介して、熱分解ガスを回収槽26の液相31中に直接吹き込むよう構成したことを特徴としている。
液相31中に吹き込まれたガス27は気泡状になり、液相31により冷やされ、凝縮した成分が分離される。残ったガス(気相32)は排気管24により後段の工程に搬送されるよう構成している。
気液接触式分離装置20を第1留分回収工程で使用する場合、熱分解反応炉から送られる400〜500℃の熱分解ガスは、回収槽26の液相中に直接吹き込まれ、気液接触をしている状態で冷やされ、熱分解ガス中にもともと微細な液相として含まれている液状タール、冷却により凝縮したタール、及び油を液相31中で回収するため、回収槽26の側壁等にタールが付着し、また固化することを防止可能とした。前記液相31の温度範囲によっては、ここで極性有機溶液(酢酸を除く)を同時に回収することも可能である。
この液相の温度は、タールが気相のまま、バイオマス由来液体燃料の製造工程の後段に進むことがなく、また、タールと同時に回収する油中で、タールが重合を進め固化することを防止する温度範囲にすることが望ましく、原料となるバイオマスにより温度範囲は異なるが、例えば150〜250℃に制御することが望ましい。
また、従来の100℃以下という低温の分留塔に熱分解ガスを供給していた場合と異なり、本願発明では液相31の温度を、タールが凝縮するが、固化しない程度の温度としてタールを回収するため、タールが配管や回収槽の内壁に流動性の低い状態で付着し、固着して閉塞を起こすことがなくなった。つまり、配管中の熱分解ガスは、タールが主に気相
となる温度範囲にあって、気液接触式分離装置20の液相31に吹き込まれた瞬間に、タールが主に液相となる温度範囲となり、そのため、熱分解ガスが従来の分留塔手前の配管で、徐々に冷やされ配管に付着し、配管を閉塞する問題を解決することが可能となった。
となる温度範囲にあって、気液接触式分離装置20の液相31に吹き込まれた瞬間に、タールが主に液相となる温度範囲となり、そのため、熱分解ガスが従来の分留塔手前の配管で、徐々に冷やされ配管に付着し、配管を閉塞する問題を解決することが可能となった。
ここで、液相31は、熱分解ガス中に含まれる油や極性有機溶液(酢酸を除く)がタールとともに回収されており、タールの粘度を下げるために別途、アルコール類等の極性溶媒を供給する必要がないため、アルコール類等の極性溶媒の運搬及び供給が不必要となり、バイオマス由来燃料の製造プラントを、バイオマス原料が発生する農場等の直近に設置することが可能となり、製造された燃料及び化学原料のみを運搬するため、運搬費等を削減することが可能となっている。
(気液接触式分離装置の改造型)
図2に示す様に、気液接触式分離装置20において、吹き込み管21の先端部にモーター22により回転するプロペラ25を設置し、熱分解ガスと液相31の接触部分を撹拌する撹拌手段により、接触効率を向上させるように構成することも可能となっている。この撹拌手段により、ガス27中の回収対象としている成分を高い確率で、液相31中に捕集することが可能となり、特に、気液接触式分離装置20を図6における第1留分回収工程で使用した場合は、ガス27中のタール分をほとんど回収することが可能となるため、後段の回収工程で、タールが付着し、閉塞を起こす問題を防止することが可能となった。
図2に示す様に、気液接触式分離装置20において、吹き込み管21の先端部にモーター22により回転するプロペラ25を設置し、熱分解ガスと液相31の接触部分を撹拌する撹拌手段により、接触効率を向上させるように構成することも可能となっている。この撹拌手段により、ガス27中の回収対象としている成分を高い確率で、液相31中に捕集することが可能となり、特に、気液接触式分離装置20を図6における第1留分回収工程で使用した場合は、ガス27中のタール分をほとんど回収することが可能となるため、後段の回収工程で、タールが付着し、閉塞を起こす問題を防止することが可能となった。
ここで、本願発明における撹拌手段は、図2に示した形状及び配置のプロペラ25に限られることはなく、気液接触を促進するための、他の撹拌手段であっても同様の効果を得ることが可能である。
例えば、複数のプロペラ25を回転軸28に沿って設置し、プロペラ25の径を吹き込み管21の内壁に接触する長さとし、さらに、複数のプロペラ25が回転軸28に沿って移動することで、吹き込み管21の内壁に付着したタールをこそぎ落とす構成とすることも可能である。この構成により、液相31の撹拌と、吹き込み管21の清掃を可能とした撹拌手段とすることが可能となった。
また、吹き込み管21の先端部を拡開させることで、前記撹拌手段を設置するスペースを広げるとともに、吹き込み管21の閉塞を防止することを可能としている。
さらに、第2留分回収工程以降の後段で回収した油類、極性有機溶液等を、液相31として供給するための配管を回収槽26に設置しても良い。これにより、後段で回収した油類、極性有機溶液等を前記極性溶媒として使用することが可能となった。
(バイオマス由来液体燃料の製造装置の実施例1)
図3はバイオマス由来液体燃料の製造プラントの実施例の1つを示しており、熱分解反応炉55で発生した熱分解ガスが、第1留分回収工程から第4留分回収工程の4段階で分離回収されるよう構成した製造プラントの概略図を示している。
図3はバイオマス由来液体燃料の製造プラントの実施例の1つを示しており、熱分解反応炉55で発生した熱分解ガスが、第1留分回収工程から第4留分回収工程の4段階で分離回収されるよう構成した製造プラントの概略図を示している。
第1留分回収工程は、重力式分離装置10によりタールを分離するよう構成しており、第1留分回収槽51にはタールを主成分とする燃料が製品として得られる。第2留分回収工程は、コンデンサー57と第2留分回収槽52から構成されており、油を主成分とする燃料が製品として得られる。第3留分回収工程はコンデンサー57と第3留分回収槽53から構成されており、極性有機溶液を主成分とする燃料が得られる。第4留分回収工程はコンデンサー57と第4留分回収槽54から構成されており、木酢液を主成分とする化学原料が製品として得られる。ブロワ58は、熱分解ガスが第1留分回収工程から第4留分回収工程まで円滑に搬送されるように設置されている。
ここで、各回収槽51、52、53、54に回収される物質は、重力式分離装置10及びコンデンサー57における熱分解ガスの冷却温度により制御することが可能となっている。例えば、第3留分回収工程では、極性有機溶液が液相となり、後段で回収する木酢液が気相となる温度範囲で熱分解ガスを冷却するよう構成している。
第1留分回収工程に重力式分離装置10を設置したことにより、熱分解ガス中に含まれるタール分をほぼ取り除くことが可能となり、そのため、後段の回収工程においてタール付着による閉塞が発生しなくなる。
また、第2留分回収工程で回収した油を、重力式分離装置10における冷却ジャケット12の冷媒として使用するため、冷媒循環ライン56を設置している。前記冷媒は油のみならず、図3の第3留分回収工程で回収される極性有機溶液を使用してもよい。
さらに、第4留分回収工程で木酢液を回収した後、第5留分回収工程で水を回収し、前記第5留分回収工程で回収された水を製造プラント全体の冷却水として利用することも可能であり、例えば、コンデンサー57の冷却用に使用したり、各回収槽を冷却するために使用したりすることが可能である。
上記のように、各回収工程で得られた製品等を、製造プラントの冷却等に使用することで、外部からの供給が必要となる物質を最低限のものに限り、環境負荷の少ない循環型の製造プラントとすることが可能となっている。
また、図3では4段回で熱分解ガスを分留するよう構成しているが、これは必要に応じて段数を増減することは可能であり、製品として得るものによって、各回収工程での温度制御を行い、任意の成分を抽出することが可能となっている。
(バイオマス由来液体燃料の製造装置の実施例2)
図4はバイオマス由来液体燃料の製造プラントの実施例の1つを示しており、第1留分回収工程に気液接触式分離装置20を用いたことを特徴としている。
図4はバイオマス由来液体燃料の製造プラントの実施例の1つを示しており、第1留分回収工程に気液接触式分離装置20を用いたことを特徴としている。
前記気液接触式分離装置20により、熱分解ガス中に含まれるタール分のほとんどを第1留分回収槽51に取り出すため、タールによる閉塞発生を防止することが可能となっている。
(バイオマス由来液体燃料の製造装置の実施例3)
図5は第1留分回収工程に重力式分離装置10を用い、第2留分回収工程に気液接触式分離装置20を用いたことを特徴としている。この構成により、重力式分離装置10でほとんどのタール分を除いた後に、熱分解ガスに若干残っているタール分を気液接触式分離装置20により、更に取り除くため、ほぼ100%に近いタール分を取り除くことが可能となっている。そのため、バイオマス由来液体燃料の製造装置50を長時間運転した場合であっても、配管がタールにより閉塞することがなくなった。
図5は第1留分回収工程に重力式分離装置10を用い、第2留分回収工程に気液接触式分離装置20を用いたことを特徴としている。この構成により、重力式分離装置10でほとんどのタール分を除いた後に、熱分解ガスに若干残っているタール分を気液接触式分離装置20により、更に取り除くため、ほぼ100%に近いタール分を取り除くことが可能となっている。そのため、バイオマス由来液体燃料の製造装置50を長時間運転した場合であっても、配管がタールにより閉塞することがなくなった。
(実施例1の構成における試験及び考察)
以下に、バイオマス由来液体燃料の製造装置50を利用して、燃料を製造する試験及びその結果に関して説明する。この試験では、図3に示した製造装置50を利用した。また、製造装置50の運転におけるタールの析出及び閉塞の有無をモニタリングした。具体的には、製造装置50の各所に圧力計を設置し、圧力損失からタールの析出及び閉塞を観察した。表1に試験の条件と結果を示す。
以下に、バイオマス由来液体燃料の製造装置50を利用して、燃料を製造する試験及びその結果に関して説明する。この試験では、図3に示した製造装置50を利用した。また、製造装置50の運転におけるタールの析出及び閉塞の有無をモニタリングした。具体的には、製造装置50の各所に圧力計を設置し、圧力損失からタールの析出及び閉塞を観察した。表1に試験の条件と結果を示す。
表1に示す様に、試験1では、バイオマス原料として208gの椰子ガラを使用した。この椰子ガラを熱分解反応炉55に投入し、熱分解反応炉55内の温度が概ね500℃を保つように設定した。そして、タール分を回収する重力式分離装置10内の温度を、概ね200℃に保つように設定した。以上の条件により、バイオマス原料からタール、油、極性有機溶液、木酢液等を回収する試験を行った。同様に、試験2では、原料の重量及び熱分解反応炉55の温度を変更し、試験3では、バイオマス原料及び重力式分離装置10の設定温度を変更した。
表1の試験1に示す様に、熱分解反応炉55、熱分解反応炉出口、重力式分離装置10、及び第2留分回収工程のコンデンサー57に設置した熱電対の測定値は、それぞれ525℃、324℃、201℃、及び157℃であった。また、製品となる回収物は、101.59g得ることができ、原料重量に対する回収率は48.8%となった。
加えて、この試験1では、製造装置50における圧力損失は確認できなかった。つまり、タールによる閉塞は発生しなかったと言える。また、重力式分離装置10の上部に、観察窓を設置していたが、この観察窓に付着したタールは、液状であった。
なお、試験終了後に、重力式分離装置10前後の配管が、冷却されていく過程では、タールの固化による圧力損失を確認することができた。同様に、試験2及び3でも、タールによる閉塞は発生しなかった。また、試験終了後に、重力式分離装置10前後の配管が冷却されていく過程では、タールの固化による圧力損失を確認することができた。同様に、試験2及び3の結果も表1に示している。
以上の試験の結果より、重力式分離装置10の温度が、少なくとも142℃〜201℃である場合には、タールの固化による閉塞を防止することが可能となる。また、第2留分回収工程におけるコンデンサー57の温度が、少なくとも68℃〜157℃である場合には、タールの固化による閉塞を防止することが可能となる。つまり、重力式分離装置10で、閉塞の原因となるタールの大部分を、的確に回収していると言える。
(まとめ)
本願発明におけるバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置により、タールによる閉塞の発生を防止し、バイオマス由来液体燃料の製造を長時間連続で行うことが可能となった。また、高品質な液体燃料を得ることが可能となり、従来の添加物や水と混合した液体燃料と比較して、運搬時における取り扱いが楽になり、また、余分な水等を運搬しな
いため運搬効率も高くなった。さらに、水等の不要物がないため熱量の高い高品質な液体燃料を提供することが可能となった。
本願発明におけるバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置により、タールによる閉塞の発生を防止し、バイオマス由来液体燃料の製造を長時間連続で行うことが可能となった。また、高品質な液体燃料を得ることが可能となり、従来の添加物や水と混合した液体燃料と比較して、運搬時における取り扱いが楽になり、また、余分な水等を運搬しな
いため運搬効率も高くなった。さらに、水等の不要物がないため熱量の高い高品質な液体燃料を提供することが可能となった。
以上、本願発明により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを効率よくタール、油、水、木酢液等に分留し、高品質な燃料及び化学原料を製造する方法及びその装置を提供し、さらに、タールの付着及び固着による配管の詰まりがなく、連続運転が可能な高効率なバイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置の提供を実現した。
10 重力式分離装置
11 筒状物
16 回収槽
20 気液接触式分離装置
21 吹き込み管
50 バイオマス由来液体燃料の製造装置
55 熱分解反応炉
11 筒状物
16 回収槽
20 気液接触式分離装置
21 吹き込み管
50 バイオマス由来液体燃料の製造装置
55 熱分解反応炉
Claims (10)
- バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、
バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、前記熱分解工程の直後に熱分解ガスから少なくともタール分を回収する留分回収工程を行うことを特徴とするバイオマス由来液体燃料の製造方法。 - 留分回収工程が、
縦型に設置された筒状物の内部に上方から下方に熱分解ガスを流し、前記筒状物内の液状タールを前記筒状物下端に設置された回収槽内に供給された極性溶媒中に回収し、タール分を回収された後の気相を排気する工程としたことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス由来液体燃料の製造方法。 - 留分回収工程が、
下端が液相中に浸漬された吹き込み管で、熱分解ガスを前記液相中に直接吹き込んで、前記熱分解ガスを気泡として浮上させる間に、少なくとも熱分解ガス中のタール分及び油分を前記液相中に気液接触により回収し、気液接触後の気相を排気する工程としたことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス由来液体燃料の製造方法。 - バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造方法であって、
バイオマス原料を熱分解して熱分解ガスを発生させる熱分解工程と、
熱分解ガスを筒状物の上方から下方に流しながら冷却し、前記筒状物内の液状タールを極性溶媒中に回収し、タール分を回収された後の気相を排気する第1留分回収工程と、
下端が液相中に浸漬された吹き込み管で、熱分解ガスを直接吹き込み、少なくとも気相中のタール分及び油分を前記液相中に気液接触により回収し、気液接触後の気相を排気する第2留分回収工程を含むことを特徴とするバイオマス由来液体燃料の製造方法。 - バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造装置において、
バイオマス原料を熱分解する熱分解反応炉に、重力式分離装置を接続し、前記重力式分離装置から後段の回収装置へ気相を排気するよう構成し、
前記重力式分離装置は、外周に冷却ジャケットが設置され、熱分解ガスを上方から下方に流しながら冷却する筒状物と、前記筒状物の下端に設置され、筒状物内から落下する液相を回収する回収槽を具備したことを特徴とするバイオマス由来液体燃料の製造装置。 - 前記筒状物の内壁温度が、少なくとも熱分解ガス中のタールが凝縮する温度範囲に制御されていることを特徴とする請求項5に記載のバイオマス由来液体燃料の製造装置。
- 前記回収槽内に、タールと親和性があり、かつ燃料となる極性溶媒を供給可能に構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載のバイオマス由来液体燃料の製造装置。
- 前記筒状物内に付着したタールを燃焼して除去するためのバーナーを、筒状物内に設置したことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のバイオマス由来液体燃料の製造装置。
- バイオマス原料を熱分解して発生した熱分解ガスを、多段階で分留して液体燃料を製造するバイオマス由来液体燃料の製造装置において、
バイオマス原料を熱分解する熱分解反応炉に、気液接触式分離装置を接続し、前記気液
接触式分離装置から後段の回収装置へ気相を排気するよう構成し、
前記気液接触式分離装置は、熱分解ガスから回収した少なくともタール分及び油分を含む液相を内部に有した回収槽と、前記回収槽の液相内に熱分解ガスを直接吹き込むための吹き込み管を具備したことを特徴とするバイオマス由来液体燃料の製造装置。 - 前記気液接触式分離装置が、先端が拡開した吹き込み管と、吹き込み管の先端部に設置された撹拌手段を具備したことを特徴とする請求項9に記載のバイオマス由来液体燃料の製造装置。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009194569A JP2010077410A (ja) | 2008-08-27 | 2009-08-25 | バイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置 |
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| JP2008218816 | 2008-08-27 | ||
| JP2009194569A JP2010077410A (ja) | 2008-08-27 | 2009-08-25 | バイオマス由来液体燃料の製造方法及びその装置 |
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-
2009
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