JP2010141830A - プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置 - Google Patents

プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010141830A
JP2010141830A JP2008318754A JP2008318754A JP2010141830A JP 2010141830 A JP2010141830 A JP 2010141830A JP 2008318754 A JP2008318754 A JP 2008318754A JP 2008318754 A JP2008318754 A JP 2008318754A JP 2010141830 A JP2010141830 A JP 2010141830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
ink
profile
printing
amount set
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008318754A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ito
隆志 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008318754A priority Critical patent/JP2010141830A/ja
Publication of JP2010141830A publication Critical patent/JP2010141830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Abstract

【課題】少ないカラーパッチの印刷/測定でも正確に印刷結果を予測し、プロファイルを作成する。
【解決手段】印刷装置が所定の色材量セットを使用して印刷したときに記録媒体上において再現される分光反射率を互いに異なる第1予測モデルと第2予測モデルのそれぞれに基づいて予測し、双方の予測結果を総合することにより予測分光反射率を取得する。そして、予測分光反射率が再現された記録媒体に所定光源を照射したときの色彩値を取得し、前記色彩値と前記色材量セットとの対応関係を規定することによりプロファイルを作成する。
【選択図】図1

Description

本発明はプロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置に関する。
従来、印刷装置が印刷可能な色の一部についてのみ印刷と測色を行い、その測定結果に基づいて印刷装置が印刷可能な色全体についての測定結果を予測することが行われている。例えば、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルに基づいて、任意のインク量での分光反射率を予測する手法が提案されている。かかる構成においては、インク量空間を分光反射率が既知のノード(インク量(被覆率)空間において均等に分布する格子点)によって囲まれた複数のセルに分割し、セルを構成する各ノードの分光反射率に基づいてセル内の任意のインク量の分光反射率を予測する。インク量空間において比較的近い位置に存在するノードの分光反射率に基づいて任意のインク量の分光反射率を予測することができるため、良好な予測精度を実現することができる。
国際公開WO2005/043884号のパンフレット
近年、家庭用プリンタの高画質化にともなって使用できるインクの種類が増加しており、上述したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおけるインク量空間も多次元化することとなっている。それにとともに、上述したノードの個数は、インク種の増加に応じてべき乗的に増加することとなっている。また、良好な予測精度を確保するためにインク量空間におけるノードの密度を減少させることもできないため、大量のノードについてカラーパッチを印刷/測色(分光反射率の測定)をしなければならなくなっていた。大量のカラーパッチを印刷/測色するには、膨大な時間を要するため、例えば変換プロファイルの作成等の作業に要する期間が長期化するという問題があった。さらに、印刷後の経過時間によってインクの状態が変動するため、長期間にわたる測色においては経過時間の差に起因する測定ノイズが避けられないという問題も生じていた。
前記課題を解決するために、本発明は、少ないカラーパッチの印刷/測定でも正確に印刷結果を予測し、プロファイルを作成することを目的とする。
前記目的を達成するために、印刷装置が使用する複数の色材量の組み合わせである色材量セットについてのプロファイルを作成するにあたり、互いに異なる第1予測モデルと第2予測モデルを用意しておく。前記印刷装置が所定の前記色材量セットを使用して印刷したときに記録媒体上において再現される分光反射率を第1予測モデルと第2予測モデルのそれぞれに基づいて予測する。それにより得られた双方の予測結果を総合することにより予測分光反射率を取得する。さらに、前記予測分光反射率が再現された前記記録媒体に所定光源を照射したときの色彩値を取得する。前記色彩値と前記色材量セットとの対応関係を規定することにより前記プロファイルを作成する。
前記分光反射率は、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのそれぞれに基づいて予測した予測結果を総合することにより得られるため、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルが互いの予測精度の低下を補うことができる。これにより、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルの単独の予測精度が多少悪くても、全体的には高精度の予測結果を得ることができる。従って、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのいずれかまたは双方を行うために必要なカラーパッチの印刷/測定数を減少させることができる。例えば、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのいずれか一方がノイゲバウアモデルである場合には、分光反射率を測定するためのカラーパッチの数を減少させることができる。
また、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのいずれか一方にランバート・ベアモデルを採用してもよい。ランバート・ベアモデルにおいては、多数の種類のインクドットが重なり合った場合でも各インクドットの分光透過率を考慮した分光反射率予測を行うことができる。さらに、前記双方の予測結果を線形結合することにより前記予測分光反射率を取得するようにすれば、容易に前記双方の予測結果を総合することができる。また、線形結合における結合重みを容易に調整することも可能である。さらに、前記線形結合における前記双方の予測結果の結合重みが波長の関数によって与えられるようにしてもよい。このようにすることにより、前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのどちらの予測結果を重視すべきかを波長ごとに調整することができる。
なお、本発明の技術的思想は、方法のみならず、当該方法を実行するコンピュータ等のハードウェアや当該コンピュータにおける処理手順を規定したプログラムにおいても具現化することができることはいうまでもない。また、本発明の方法は、単体として存在するものに限られず、ある方法の一部として組み込まれる場合もある。例えば、本発明の手法によりプロファイル作成方法を一部に組み入れた印刷制御方法や画像処理方法においても本発明が実現できることはいうまでもない。さらに、本発明のプロファイル作成方法によって作成されたプロファイルを参照して色変換を行う印刷制御装置や印刷装置においても本発明の特徴が具現化されているということができる。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.各種コンバータおよびその準備:
A−1.分光プリンティングモデルコンバータ:
A−2.色コンバータ:
A−3.粒状性コンバータ:
B.プロファイルの作成:
C.まとめと変形例:
A.各種コンバータおよびその準備
A−1.分光プリンティングモデルコンバータ
図1は、コンピュータ10のハードウェア・ソフトウェアの構成を示すブロック図である。なお、コンピュータ10においては、印刷結果予測部プログラムP1とLUT作成プログラムP2とプリンタドライバP3が実行されている。印刷結果予測プログラムP1とLUT作成プログラムP2とプリンタドライバP3は、コンピュータ10のハードウェア、および、コンピュータ10のハードウェアが読み込んで実行するソフトウェアによって実行されている。具体的には、コンピュータ10が備えるCPU12が、ハードディスクトライブ(HDD)11等に記憶されたプログラムデータ11aを読み込み、当該プログラムデータ11aをRAM13上に展開しながらプログラムデータ11aにしたがった演算を実行させる。そして、当該演算によって本発明の印刷装置としてのプリンタ20や分光反射率計30やスキャナ40といった外部機器を所定のインターフェースを介して制御することにより、印刷結果予測プログラムP1とLUT作成プログラムP2とプリンタドライバP3を構成する各種機能を実現する。
図2は、本実施形態のプリンタ20の印刷方式を模式的に示している。同図において、プリンタ20は、CMYKlclm(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック,ライトシアン,ライトマゼンタのインクごとに複数のノズル21a,21a・・・を備えた印刷ヘッド21を備えており、ノズル21a,21a・・・が吐出するCMYKlclmのインクごとのインク量を上述したインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって指定された量とする制御が印刷制御データCDに基づいて行われる。各ノズル21a,21a・・・が吐出したインク滴は印刷用紙上において微細なドットとなり、多数のドットの集まりによってインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の印刷画像が印刷用紙上に形成されることとなる。本明細書において、インク量セットφに基づいて印刷することは、インク量セットφに応じたインク被覆率の画像が印刷用紙上に再現されることを意味する。本実施形態におけるプリンタ20はインクジェット方式のプリンタであるが、インクジェット方式の他にも種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。なお、本実施形態において、各インク量djは0〜255の階調を有する8ビットで与えられるものとする。
印刷結果予測プログラムP1は、大きく分光プリンティングモデルコンバータRCと色コンバータCCと粒状性コンバータGCとから構成されており、分光プリンティングモデルコンバータRCはさらに第1予測モデル部RC1と第2予測モデル部RC2と結合部RC3とから構成されている。分光プリンティングモデルコンバータRCは、任意のインク量セットφを入力し、当該インク量セットφをプリンタ20に指定して印刷を実行させた場合に印刷用紙上において再現される分光反射率R(λ)を算出する処理を行う。第1予測モデル部RC1は、分光ノイゲバウアモデル(Spectral Neugebauer Model)に基づく分光反射率予測を行い、具体的には、下記の(1)式に基づいて第1分光反射率R1(λ)を算出する。
Figure 2010141830

以下では、前記の(1)式で表される分光ノイゲバウアモデル(Spectral Neugebauer Model)を説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のためCMYの3種類のインクを用いた場合のモデルについて説明するが、同様のモデルを本実施形態のCMYKlclmをはじめとする任意のインクセットを用いたモデルに拡張することは容易である。また、分光ノイゲバウアモデルについては、Color Res Appl 25, 4-19, 2000およびR Balasubramanian, Optimization of the spectral Neugebauer model for printer characterization, J. Electronic Imaging 8(2), 156-166 (1999)を参照。
図3は、分光ノイゲバウアモデルを示す図である。分光ノイゲバウアモデルでは、任意のインク量セットφ=(dc,dm,dy)で印刷したときの印刷物の分光反射率R(λ)は、前記の(1)式で与えられる。ここで、aiは図示した矩形領域のi番目の領域の面積率であり、Ri(λ)はi番目の領域が有する頂点の分光反射率である。添え字iは、インクの無い領域(w)と、シアンインクのみの領域(c)と、マゼンタインクのみの領域(m)と、イエローインクのみの領域(y)と、マゼンタインクとイエローインクが吐出される領域(r)と、イエローインクとシアンインクが吐出される領域(g)と、シアンインクとマゼンタインクが吐出される領域(b)と、CMYの3つのインクが吐出される領域(k)をそれぞれ意味している。
各頂点の分光反射率Ri(Rw,Rc,Rm,Ry,Rr,Rg,Rb,Rk)は、それぞれプリンタ20に以下のようなインク量djを指定して印刷したカラーパッチの分光反射率を分光反射率計30によって実測することにより得られている。
w:(dc,dm,dy)=( 0, 0, 0)
c:(dc,dm,dy)=(255, 0, 0)
m:(dc,dm,dy)=( 0,255, 0)
y:(dc,dm,dy)=( 0, 0,255)
r:(dc,dm,dy)=( 0,255,255)
g:(dc,dm,dy)=(255, 0,255)
b:(dc,dm,dy)=(255,255, 0)
k:(dc,dm,dy)=(255,255,255)
各頂点の分光反射率RiはHDD11に分光反射率データRDとして記憶されており、第1予測モデル部RC1が適宜読み出して使用する。CMYの3種類のインクを用いた場合、8頂点についての分光反射率Riを調査しておけばよく、測定すべきカラーパッチの数を抑えることができる。デューティ制限を無視すると、N種類のインクの場合、2N個のカラーパッチを印刷・測色すればよい。特に、Rwは印刷用紙の紙白の分光反射率を意味する。
なお、カラーパッチ(後述するグラデーションパッチも含む。)を印刷するにあたっては、所望のインク量セットφを有する画素で充填された矩形領域(パッチ相当領域)が配列したインク量の画像データをプリンタドライバP3に出力する。すると、プリンタドライバP3は当該画像データに対してハーフトーン処理(ハーフトーン処理部P3b)とラスタライズ処理(ラスタライズ処理部P3c)を順次実行することにより印刷データを生成し、プリンタ20に対して印刷データを出力する。これにより、所望のインク量セットφに基づくカラーパッチを印刷させることができる。fc,fm,fyは、CMY各インクを1種類のみ吐出したときにそのインクで覆われる面積の割合(「インク被覆率(Ink area coverage)」と呼ぶ)である。
インク被覆率fc,fm,fyは、図3(B)に示すマーレイ・デービスモデルで与えられる。マーレイ・デービスモデルでは、例えばシアンインクのインク被覆率fcは、シアンのインク量dcの非線形関数であり、例えば1次元ルックアップテーブルによってインク量dcをインク被覆率fcに換算することができる。インク被覆率fc,fm,fyがインク量dc,dm,dyの非線形関数となる理由は、単位面積に少量のインクが吐出された場合にはインクが十分に広がるが、多量のインクが吐出された場合にはインクが重なり合うためにインクで覆われる面積があまり増加しないためである。他の種類のMYインクについても同様である。
まず分光反射率R(λ)を予測すべきインク量セットφを取得すると、インク量セットφをマーレイ・デービスモデルによってインク被覆率fc,fm,fyに変換する。インク被覆率fc,fm,fyが得られると、図3(A)に示す関係式より面積率aiを算出する。さらに、面積率ai、および、HDD11の分光反射率データRDから読み出した各頂点の分光反射率Riを前記の(1)式に代入することにより、第1分光反射率R1(λ)を算出する。
一方、分光反射率R(λ)を予測すべきインク量セットφは、第2予測モデル部RC2にも入力され、第2予測モデル部RC2も当該インク量セットφについての分光反射率を独自に予測する。なお、第2予測モデル部RC2が予測する分光反射率を第2分光反射率R2(R)とする。第2分光反射率R2(R)は下記の(2)式によって算出される。
Figure 2010141830

前記の(2)式において、αjは各インクごとに設定される係数である。前記の(2)式は、単一インクの分光透過率の積によって複数のインクを混色した場合(複数のインクのインクドットを重ならせた場合)の分光透過率を表すランバート・ベアモデルに基づくものである。前記の(2)式は、下記の(3)式のように展開することができる。
Figure 2010141830

前記の(2),(3)式においては、インクドットを一切形成しない場合の紙白の分光反射率Rwに分光透過率を乗算することにより、第2分光反射率R2(R)が得られる。分光透過率は各インクのインク量djと係数αjの乗算値による所定値(1/e)のべき乗で表され、各インクについての分光透過率を互いに積算することにより全体の分光透過率が得られる。係数αjは、予備実験を行うことにより設定されている。例えば、各インク単色のグラデーションパッチ(インク量djのグラデーション)の分光反射率を分光反射率計30によって測定しておき、前記の(2)式の計算値が測定した分光反射率にフィッティングするように係数αjを最適化すればよい。係数αjはHDD11に記憶されており、適宜読み出して使用される。
以上説明したように、第1予測モデル部RC1と第2予測モデル部RC2は、それぞれ独立して第1分光反射率R1(λ)と第2分光反射率R2(λ)を算出する。結合部RC3は、第1分光反射率R1(λ)と第2分光反射率R2(λ)を取得し、これらを下記の(4)式によって線形結合することにより、最終的な予測結果(本発明の予測分光反射率。)となる分光反射率R(λ)を算出する。
Figure 2010141830

前記の(4)式において、r(λ)は第1分光反射率R1(λ)に対する重み係数を示している。すなわち、重み係数r(λ)は第1分光反射率R1(λ)をどの程度重視するかを調整する係数であり、波長λの関数である。例えば、重み係数r(λ)は、実際にインク量セットφを指定して印刷したカラーパッチを測定した分光反射率R(λ)と、前記の(4)式の計算結果との差を極小化させるように重み係数r(λ)を最適化してもよい。
以上説明したように、本実施形態においては、ノイゲバウアモデルとランバート・ベアモデルに基づく第1分光反射率R1(λ)と第2分光反射率R2(λ)を総合することにより、分光反射率R(λ)を予測する。従って、一方の予測モデルの予測精度が劣化するような場合にも、他方の予測モデルによる予測によって予測精度の劣化を抑制することができる。例えば、インクドットの重なりが生じるデューティ制限付近においては、マーレイ・デービスモデルを使用するノイゲバウアモデルに基づく第1分光反射率R1(λ)の予測精度の劣化を、インクドットの重なりをモデル化したランバート・ベアモデルに基づく第2分光反射率R2(λ)によって抑制することができる。
A−2.色コンバータ
図4は、色コンバータCCが分光反射率R(λ)に基づいて色を特定する処理を模式的に示している。同図において、分光プリンティングコンバータRCが前記の(4)式によって予測した分光反射率R(λ)の各波長λにおいて所望の光源のスペクトルを乗算することにより、印刷物からの反射光のスペクトルを予測する。さらに、反射光のスペクトルに対して所望の観察条件での感度関数x(λ),y(λ),z(λ)を畳み込み、正規化をすることにより、三刺激値XYZを算出する。本実施形態においては、特に示さない限りCIE1931 2°観測者の観察条件で三刺激値XYZを算出するものとする。光源としては、CIE標準のD50光やD65光やF系光やA系光などを入力することができる。さらに、色コンバータCCは、三刺激値XYZにCIE標準の変換式を適用することにより、CIELAB表色系のL***値を算出する。このように、分光プリンティングコンバータRCと色コンバータCCを順次使用することにより任意のインク量セットφにて印刷を行った場合のL***値を得ることができる。
さらに、色コンバータCCは、三刺激値XYZに対して色順応変換を行うことが可能となっている。例えば、D50光にて算出した三刺激値XYZにCIECAT02に基づく色順応変換式を適用することにより、例えばD50光の下での色の見えを、D65光の対応色で表現したL***値に変換することができる。なお、CIECAT02については、例えば"The CIECAM02 Color Appearance Model", Nathan Moroney et al., IS&T/SID Tenth Color Imaging Conference, pp.23-27, および、"The performance of CIECAM02", Changjun Li et al., IS&T/SID Tenth Color Imaging Conference, pp.28-31に記載されている。ただし、色順応変換としては、フォン・クリースの色順応予測式などの他の任意の色順応変換を用いることも可能である。この色順応変換によって得られたL***値をCVL1→Lsと表記するものとする。この下付き文字「L1→Ls」は、光源L1の下での色の見えを、標準光源Lsの対応色で表現したL***値であることを意味している。色コンバータCCは、少なくとも2以上の比較用光源L1,L2の下での見えを、標準光源Lsの対応色で表現した色彩値CVL1→Ls,CVL2→Lsを求めるとともに、これらに基づいて色恒常性指数CIIを算出する。色恒常性指数CIIは、例えば下記の式(5)によって算出することができる。
Figure 2010141830
色恒常性指数CIIについては、Billmeyer and Saltzman's Principles of Color Technology, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc, 2000, p.129,p. 213-215を参照。なお、(5)式の右辺は、CIE1994年色差式において、明度と彩度の係数kL,kCの値を2に設定し、色相の係数kHの値を1に設定した色差ΔE*94(2:2)に相当する。CIE1994年色差式では、(5)式の右辺の分母の係数SL,Sc,SHは以下の(6)式で与えられる。
Figure 2010141830
なお、色恒常性指数CIIの算出に使用する色差式としては、他の式を用いることも可能である。色恒常性指数CIIは、あるカラーパッチを第1と第2の異なる観察条件下で観察したときの色の見えの差として定義されている。従って、印刷したときに色恒常性指数CIIが小さくなるインク量セットは、異なる観察条件での色の見えの差が小さいという点で好ましい。また、色彩値CVL1→Ls,CVL2→Lsは、同一の標準観察条件におけるそれぞれの対応色の測色値なので、それらの色差である色恒常性指数CIIは色の見えの違いをかなり正確に表現する値となる。次に、粒状性コンバータGCおよびその準備について説明する。
A−3.粒状性コンバータ
図5は、粒状性コンバータ準備処理の流れを示している。本実施形態において粒状性コンバータGCはニューラルネットワークによって実現され、ここでは当該ニューラルネットワークを準備する処理(粒状性コンバータ準備処理)を説明する。ステップS200においては、粒状性評価用インク量セットφを多数(N個)準備する。粒状性評価用インク量セットφは、インク量空間に均等に存在する格子点上のものを準備してもよいし、実際に粒状性評価用インク量セットφにて印刷を行った場合の測色色空間において均等に存在するものを準備してもよい。さらに、無彩色や記憶色等の特定の色域において重点的に準備するようにし、粒状性低下の要求が比較的大きい色域の粒状性の予測を正確に行うようにしてもよい。粒状性評価用インク量セットφが準備できるとステップS210にて粒状性評価用インク量セットφに基づいてカラーパッチをプリンタ20にて印刷させる。
ステップS215においては、カラーパッチをスキャナ40によってスキャンする。ここでは、プリンタ20がカラーパッチを印刷したときの解像度よりも高解像度でスキャンを行う。このようにすることにより、各カラーパッチにおけるインクドットの分布状態を詳細に把握することが可能な画像データを得ることができる。ステップS220においては、スキャンした画像データを印刷媒体上における明度L*分布の画像データL(x,y)に変換する(x,yは印刷媒体上における横および縦の座標を意味し、x,yで特定される画素をサブ画素と表記するものとする。)。次のステップS225から粒状性指数GIを算出する処理を開始する。粒状性指数GIは、ある印刷物を観察者が視認したときに、その観察者が感じる粒状感(あるいはノイズの程度)であり、粒状性指数GIが小さい程、観察者が感じる粒状感は小さくなる。本実施例では、粒状性指数GIが以下の(6)式で定義されるものとする。
Figure 2010141830

GIについては、例えば、Makoto Fujino,Image Quality Evaluation of Inkjet Prints, Japan Hardcopy '99, p.291-294を参照。なお、(7)式のaLは明度補正項、WS(u)は画像のウイナースペクトラム、VTFは視覚の空間周波数特性、uは空間周波数である。
図6は、粒状性指数GIを算出する様子を説明している。本実施形態において、粒状性指数GIは印刷画像の粒状性を画像の明度の空間周波数(cycle/mm)特性で評価する。そのために、まず図6の左端に示す明度のサブ画素平面における空間分布L(x,y)に対してFFT(Fast Fourier Transformation)を実施する(ステップS230)。図6においては得られた空間周波数のスペクトルをS(u,v)として示している。なお、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とからなり、S(u,v)=Re(u,v)+jIm(u,v)である。このスペクトルS(u,v)は上述したウイナースペクトラムに相当する。
ここで、(u,v)は(x,y)の逆空間の次元を持つが、本実施例において(x,y)は座標として定義され、実際の長さの次元に対応させるにはスキャナ40のスキャン解像度等を考慮しなければならない。従って、S(u,v)を空間周波数の次元で評価する場合も次元の変換が必要である。そこで、まず、座標(u,v)に対応した空間周波数の大きさf(u,v)を算出する。すなわち、主走査方向の最低周波数euはX解像度/25.4,副走査方向の最低周波数evはY解像度/25.4と定義される。なお、X解像度,Y解像度はスキャナ40がスキャンした際の解像度である。なお、ここでは1インチを25.4mmとしている。各走査方向の最低周波数eu,evが算出されれば、任意の座標(u,v)における空間周波数の大きさf(u,v)は((eu・u)2+(ev・v)2))1/2として算出することが可能になる。
一方、人間の目は、空間周波数の大きさf(u,v)に応じて明度に対する感度が異なり、当該視覚の空間周波数特性は、例えば、図6の中央下部に示すVTF(f)のような特性である。この図6におけるVTF(f)はVTF(f)=5.05×exp(−0.138・d・π・f/180)×(1−exp(−0.1・d・π・f/180))である。なお、ここでdは印刷物と目の距離でありfは前記空間周波数の大きさである。このfは上述した(u,v)の関数として表現されているので、視覚の空間周波数特性VTFは(u,v)の関数VTF(u,v)とすることができる。
上述のスペクトルS(u,v)に対してこのVTF(u,v)を乗じれば、視覚の空間周波数特性を考慮した状態でスペクトルS(u,v)を評価することができる。また、この評価を積分すればサブ画素平面全体について空間周波数を評価することができる。そこで、本実施例においては、ステップS235〜S255の処理で積分までの処理を行っており、まず、(u,v)を双方とも“0”に初期化し(ステップS235)、ある座標(u,v)での空間周波数f(u,v)を算出する(ステップS240)。また、この空間周波数fにおけるVTFを算出する(ステップS245)。
VTFが得られたら、当該VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とを乗じ、積分結果を代入するための変数Powとの和を算出する(ステップS250)。すなわち、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とを含むので、その大きさを評価するため、まず、VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とによって積分を行う。そして、座標(u,v)のすべてについて以上の処理を実施したか否かを判別し(ステップS255)、全座標(u,v)について処理を終了したと判別されなければ、未処理の座標(u,v)を抽出してステップS240以降の処理を繰り返す。なお、VTFは図6に示すように空間周波数の大きさが大きくなると急激に小さくなってほぼ”0”となるので、座標(u,v)の値域を予め所定の値以下に制限することにより必要充分な範囲で計算を行うことができる。
積分が終了したら、Pow1/2/全画素数を算出する(ステップS260)。すなわち、変数Powの平方根によって前記スペクトルS(u,v)の大きさの次元に戻すとともに、全画素数で除して規格化する。この規格化により、入力画像の画素数に依存しない客観的な指数(図6のInt)を算出している。本実施形態においては、さらに、印刷物全体の明度による影響を考慮した補正を行って粒状性指数GIとしている。すなわち、本実施形態においては、空間周波数のスペクトルが同じであっても印刷物全体が明るい場合と暗い場合とでは人間の目に異なった印象を与え、全体が明るい方が粒状性を感じやすいものとして補正を行う。このため、まず、全画素について明度L(x,y)を足し合わせ、全画素で除することにより、画像全体の明度の平均Aveを算出する(ステップS265)。
そして、画像全体の明るさによる補正係数a(L)をa(L)=((Ave+16)/116)0.8と定義し、この補正係数a(L)を算出(ステップS270)するとともに前記Intに乗じて粒状性指数GIとする(ステップS275)。なお、補正係数a(L)は、上述した明度補正項aLに相当する。以上の処理によって前記の(6)式を具体的に演算したこととなる。補正係数としては、明度の平均によって係数の値が増減する関数であればよく、他にも種々の関数を採用可能である。むろん、粒状性指数GIを評価する成分は明度成分に限られず、色相、彩度成分を考慮して空間周波数を評価してもよいし、色彩値として、明度成分,赤−緑成分,黄−青成分を算出し、それぞれをフーリエ変換した後、各色成分ごとに予め定義された視覚の空間周波数特性を乗じて粒状性指数GIを算出してもよい。
以上説明したステップS205〜S275の処理によって、粒状性評価用インク量セットに応じて実際に印刷したカラーパッチの粒状性が粒状性指数GIとして定量化できたこととなる。ステップS280においては、各粒状性評価用インク量セットと粒状性指数GIとの対応関係をHDD11に学習データCDとして記憶する。ステップS290においては、任意のインク量セットにて印刷を行った場合の粒状性指数GIを予測するニューラルネットワークNNGを学習データCDによる学習によって作成する処理を行う。
図7は、ステップS290にて学習させたニューラルネットワークNNGを示している。同図において、各インクのインク量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmがニューラルネットワークNNGの入力層に入力可能となっており、出力層では粒状生成数GIを出力することが可能となっている。このような、ニューラルネットワークNNGが準備できれば、任意のインク量セットφ=(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を粒状生成数GIにコンバートすることができる。ニューラルネットワークNNGの学習データCDによる学習は、例えばバックプロパゲーション法によって行うことができる。なお、本実施形態の粒状性コンバータGCはニューラルネットワークNNGを使用して、任意のインク量セットφを粒状生成数GIにコンバートすることができればよく、ニューラルネットワークNNGを演算するのに必要なデータがHDD11に記憶されていればよい。従って、上述した粒状性コンバータ準備処理は、同一のコンピュータ10によって実行される必要はなく、予め別のコンピュータによってニューラルネットワークNNGが準備されていてもよい。
B.プロファイルの作成
以上においては、印刷結果予測部プログラムP1を構成する各種コンバータRC,CC,GCおよびその準備について説明したが、以下においては各種コンバータRC,CC,GCを利用して、本発明のプロファイルとしてのルックアップテーブルを作成し、当該作成したルックアップテーブルを用いて色変換を実行するプロファイル作成装置および印刷制御装置について説明する。具体的には、コンピュータ10にて実行されるLUT作成プログラムP2とプリンタドライバP3がプロファイル作成装置および印刷制御装置を具現化する。なお、ルックアップテーブルは、LUTと略記する場合もある。
図8は、LUT作成プログラムP2の構成を詳細に示している。LUT作成プログラムP2は、初期LUT生成部P2aと評価関数設定部P2bと平滑程度算出部P2cと最適化部P2dとLUT生成部P2eとから構成されている。以下、各モジュールP2a〜P2dが実行するプロファイル作成処理の詳細をフローに基づいて説明する。
図9は、プロファイル作成処理の流れを示している。ステップS400においては、初期のインクプロファイルIPを作成する。なお、インクプロファイルIPは、絶対色空間であるCIELAB色空間(L***空間)とインク量空間であるCMYKlclm空間(dcmyklclm空間)との対応関係を複数の代表的な格子点について規定したLUTである。初期のインクプロファイルIPの作成においては、例えば上述した有効領域のなかから173組のランダムなインク量セットφ=(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を生成する。この173組のインク量セットは、本発明のLUT用インク量セットの初期値であり、後述する処理によって最適化されていく。なお、初期のLUT用インク量セットは、最終的に最適化されるため、初期の段階においてどのように生成してもよい。
次に、ステップS410にて、評価関数設定部P2bが評価関数を設定する。すなわち、後述する最適化の指針を設定する。インクプロファイルIPは、絶対色空間であるCIELAB色空間とインク量空間との対応関係を有限数の格子点について規定するものであるため、将来的に補間処理によって格子点以外の対応関係が予測されることとなる。一般に、各色空間で整然と並んでいる格子点の方がその間に位置する色を補間演算によって算出する際に空間の局所的位置によって補間精度を大きく変動させることなく補間を行うことができる。従って、本実施形態における最適化の指針として格子点配置をCIELAB色空間にて平滑化する指標を採用することで、インクプロファイルIPの作成時および作成後の色変換時に高精度に補間演算を実施することが可能になる。この結果、トーンジャンプの発生を抑え、滑らかに階調が変化する印刷物を得ることが可能なインクプロファイルIPを作成することが可能になる。
また、インクプロファイルIPにおいては、できるだけ広い色再現性を実現するためにプリンタ20が当該インクセット(CMYKlclm)にて再現可能な色再現ガマットの全体について格子点が分布すべきである。従って、本実施形態における最適化の指針として色再現ガマットをCIELAB色空間にて確保する指標を採用することで、広い色再現性を実現可能なインクプロファイルIPを実現することができる。以上の指針によって、格子点のCIELAB色空間における最適な分布を指定することができる。
ところが、CIELAB色空間において最適な格子点を定めたとしても、インクプロファイルIPにて当該格子点に対応するインク量セットφ=(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を一意に定めることができない。インクプロファイルIPは、絶対色空間であるCIELAB色空間とインク量空間であるCMYKlclm空間との対応関係を規定したものであるが、CIELAB色空間とCMYKlclm空間の対応関係は一義的な関係にあるものではないからである。すなわち、CIELAB色空間にて一のL***値を定めたとしても、ある光源下で当該L***値が再現可能な印刷結果を実現するインク量セットφを一意に定めることはできない。例えば、KインクとCMYインクは分版可能な関係にあるため、ある光源において分版比率を変更しても同一のL***を再現することができる。CインクとlcインクやMインクとlmインクの関係についても同様である。
従って、CIELAB色空間において最適な格子点を定めると同時に、当該格子点に対応するインク量セットφも最適化させていく必要がある。例えば、KインクとCMYインクとの分版比率はCIELAB色空間におけるL***値を定めても一意に定めることができないが、ハイライト領域において濃いKインクを発生させると粒状性が目立つこととなる。従って、粒状性の改善を最適化の指針とすれば、ハイライト領域のL***値に対してはdk=0となるインク量セットφに最適化させることができる。逆に、KインクとCMYインクとの分版比率はCIELAB色空間におけるL***値を定めても一意に定めることができないが、分光反射率がフラットでないCMYインクによるコンポジットグレーを多用すれば、色の光源依存性が問題となる。そのため、色恒常性の改善を最適化の指針としても、インクプロファイルIPの格子点を最適化すべきである。さらに、インク量セットφの大きさを全体的に小さくする指針を適用すれば、インクのランニングコストの面で最適なインクプロファイルIPを作成することができる。
以上のように、最適なインクプロファイルIPを作成するためには様々な要素を考慮して格子点の最適化を行なうのが好ましく、すべての要素を考慮して最適な分版規則を設定することは困難である。従って、本実施形態では、これらの要素を同時に評価することが可能な評価関数Epを上述した指針に基づいて設定する(ステップS410)。具体的には、下記の(8)式により評価関数Ep(Ep(φ))を設定する。また、評価関数Epを算出する際に使用する光源も設定する。
Figure 2010141830


前記の(8)式において、評価関数Epは5個の項をw1〜w5の重み係数によって加算した値であり、各項がそれぞれ上述した格子点を選択する指針に基づいて設定されている。(8)式の第1項は、上述した粒状性コンバータGC(ニューラルネットワークNNG)によって得られる粒状性指数GIを最大値で除算することによって正規化し、所定の重み係数w1を乗算したものとなっている。なお、評価関数Epの添え字p(p=1〜173)は注目する格子点の識別符号を示している。粒状性指数GIは小さい方が良好な画質となるため、(8)式の第1項が小さくなるほど最適であるといえる。
(8)式の第2項は、色コンバータCCによって得られる色恒常性指数CIIを最大値で除算することによって正規化し、所定の重み係数w2を乗算したものとなっている。色恒常性指数CIIは、任意のインク量セットφを分光プリンティングモデルコンバータRCに入力することにより得られる分光反射率R(λ)をさらに色コンバータCCによって変換することにより得られるものであり、インク量セットφの関数であるということができる。分光プリンティングモデルコンバータRCにおける分光反射率R(λ)の予測においては、ノイゲバウアモデルとランバート・ベアモデルの双方が考慮されているということができる。(8)式の第3項は、平滑程度算出部P2cによって得られる平滑程度評価指数SIを最大値で除算することによって正規化し、所定の重み係数w3を乗算したものとなっている。色恒常性指数CIIは小さい方が良好な画質となるため、(8)式の第2項が小さくなるほど最適であるといえる。なお、色コンバータCCが色恒常性指数CIIを算出する光源はステップS410にて設定されている。例えば、比較用の光源L1,L2をD50光,F11光として標準光源LsをD65光と設定されている。
図10は、平滑程度評価指数SIを模式的に説明している。同図において、○はCIELAB空間における複数の格子点の位置を示し、●は当該格子点のうち注目する格子点(評価関数Epの算出対象の格子点)を示している。注目する格子点の位置ベクトルをLpとし、当該格子点に隣接する6個の格子点の位置ベクトルをL a1〜L a6とすると、平滑程度評価指数SIは下記の(9)式によって表される。
Figure 2010141830

平滑程度評価指数SIは、注目する格子点から互いに逆向きのベクトルの距離が等しく、方向が正反対に近いほど値が小さくなるようにしてある。
図10(B)に示すように、隣接する格子点を結ぶ線(ベクトルL a1〜ベクトルLp〜ベクトルL a2が示す格子点を通る線等)が直線に近く、また格子点が均等に配置されるほどCIELAB色空間における格子点の配置が平滑化される傾向にあるので、(9)式に示す平滑程度評価指数SIが小さくなればなるほど、平滑程度が高くなるということができる。CIELAB色空間におけるL***値は、インク量セットφ=(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を分光プリンティングモデルコンバータRCと色コンバータCCによって順次変換することにより得ることができる。色コンバータCCがL***値を算出する光源はステップS410にて標準光源Lsとして設定されたD65光を使用する。従って、前記の(17)式においてCIELAB色空間における位置ベクトルで特定される平滑程度評価指数SIはインク量セットφの関数であるということができる。平滑程度評価指数SIは小さい方が高い補間精度が期待できるため、(8)式の第3項が小さくなるほど最適であるといえる。次に、(8)式の第4項は、注目する格子点の位置ベクトルLpと特定の色に近いか否かを示している。
図11は、プリンタ20の色再現ガマットをCIELAB色空間において示している。同図に示すように、プリンタ20の色再現ガマットは予めプリンタ20のハードウェア仕様やインクセットによって定められており、この範囲において色を再現することができる。従って、インクプロファイルIPの格子点をCIELAB色空間において色再現ガマットの全体に存在させる必要がある。そのために、一部の格子点については、色再現ガマットの外面上や稜線上や頂点に拘束する必要がある。色再現ガマットの外面上や稜線上や頂点が満たす色と格子点の色差ΔEを(8)式の第4項として加えて最適化を行うことによって、色再現ガマット全体に格子点を存在させることができる。なお、(8)式の第4項も、CIELAB色空間における位置ベクトルで特定されるため、インク量セットφの関数であるということができる。色再現ガマットの最外色と同じ色を示す格子点が含まれるほど、最大限広い色再現性を実現することができるため、(8)式の第4項が小さくなるほど最適であるといえる。
(8)式の第5項は、インク量セットφの合計値を正規化したものである。これにより、インクのトータルの消費量を加味した評価関数Epにより格子点の最適化を行うことができる。(8)式の第5項も、インク量セットφに依存し、インク量セットφの関数であるということができる。なお、(8)式におけるTDutyは記録媒体に付着可能なインク量の制限に対応した値である。インク量は少ないほどランニングコストが良好となるため、(8)式の第5項が小さくなるほど最適であるといえる。
以上説明したように評価関数Epを構成するすべての項は、インク量セットφの関数によって表されているとともに、小さくなるほど格子点が最適となる。従って、ステップS400においては、適当に初期の格子点を定めたに過ぎないため、各格子点に注目して評価関数Epを算出しても、評価関数Epは小さい値とならない。従って、ステップS420においては評価関数Epを極小化させるように最適化部P2dが各格子点の最適化を行う。どの項を重視して最適化を行うかは、上述した重み係数w1〜w5によって決定づけられる。従って、インクプロファイルIPの作成にあたり、どの項目を重視すべきかを設定し、それに基づいて重み係数w1〜w5を設定するのが望ましい。例えば、画質を犠牲にしてでもランニングコストのよいインクプロファイルIPを作成したいのであれば重み係数w5を大きく設定すべきである。また、色再現ガマットの外面に位置すべき格子点に対しては重み係数w4を大きくして、外面への拘束を強めるのが望ましい。
具体的にステップS420においては、各格子点について評価関数Epを極小化させるインク量セットφを順次算出していく。例えば、インク量空間における初期のインク量セットの位置から局所的にインク量セットを移動させ、その際に評価関数Epを極小化させるインク量セットを各格子点について算出していく。これにより、インク量空間における格子点の位置が評価関数Epを極小化させる方向に修正されたこととなる。さらに、修正後の位置から同様に局所的にインク量セットを移動させ、その際に評価関数Epを極小化させるインク量セットを各格子点について算出していく。以上のような処理を繰り返し(例えば200回)実行することにより、最終的には各格子点についての評価関数Epが極めて小さくなる格子点に最適化することができる。なお、以上の処理を規定回数行うことをもって格子点の最適化を完了させてもよいし、評価関数Epの値が所定の閾値を下回ることをもって格子点の最適化を完了させてもよい。
この最適化処理においては順次更新されるインク量セットφについて評価関数Epを算出することが必要となるが、その際に、上述した各コンバータRC,CC,GCおよび平滑程度算出部P2cを利用することによって、逐次、各インク量セットφに対応する分光反射率R(λ)や粒状性指数GIや色恒常性指数CIIや平滑程度評価指数SIが算出されることとなる。以上の最適化によれば、評価関数Epによって粒状性や色恒常性やランニングコストに優れるインク量セットφの格子点が得られると同時に、当該格子点のCIELAB色空間における分布も最適なものとなる。式(8)の第3項および第4項にてCIELAB色空間における評価も評価関数Epの一部に取り入れているからである。本実施形態では、CIELAB色空間における格子点の最適化とインク量空間における格子点の最適化を同時に行うことができるため、処理の効率がよい。なお、本実施形態において、特開2006−197080号公報に開示された格子点の最適化の手法を適用することもできる。この場合、インク量空間にて評価関数Epを0とする方向の仮想的な力を各格子点に作用させ、当該力によってインク量空間における格子点の位置を定常状態に収束させればよい。
以上のようにして各格子点が最適化されると、ステップS430にて最適化された格子点のインク量セットφに対応したL***値を分光プリンティングモデルコンバータRCおよび色コンバータCC(D65光)によって算出する。そして、互いに対応するL***値とインク量セットφとの対応関係を記述したインクプロファイルIPをLUT生成部P2eが作成する。
ステップS440においては、インクプロファイルIPに基づいて色変換プロファイルCPを作成する。色変換プロファイルCPは、例えばsRGB色空間で各画素の色が表された画像データをプリンタ20におけるインク量空間の画像データに変換するLUTである。sRGB色空間はCIE標準に基づいてCIELAB色空間との対応関係(sRGBプロファイルSP)が定められているため、インクプロファイルIPに規定された各格子点のL***値によってsRGB色空間のRGB値とインク量セットφとの対応関係を特定し、LUT化することができる。その際に、補間処理が行われるが上述した最適化によってインクプロファイルIPが規定する格子点のCIELAB色空間における分布が平滑化されているため、高い補間精度を実現することができる。
sRGBプロファイルSPについても上述した平滑程度評価指数SIによる最適化を行っておくことが望ましい(特開2006−197080号公報、参照。)。なお、CIELAB色空間におけるsRGB色空間のガマットとプリンタ20の色再現ガマットが異なるため、適宜ガマットマッピングが行われる。なお、ここではインクプロファイルIPにさらに別の絶対色空間であるsRGB色空間を結合するものを例に挙げたが、入力デバイスに依存した機器依存のソース色空間と、インクプロファイルIPとを結合させたデバイスリンクプロファイルを作成するようにしてもよい。色変換プロファイルCPが作成できると、以降はプリンタドライバP3の色変換部P3aが色変換プロファイルCPを参照して補間処理を行うことにより、sRGB色空間で各画素の色が表された印刷画像データをインク量セットφの画像データに変換することができる。さらに、ハーフトーン処理部P3bとラスタライズ処理部P3cがインク量セットφの画像データに対して誤差拡散法やディザ法といったハーフトーン処理とラスタライズ処理を順次実行することより、印刷データを生成することができる。生成した印刷データをプリンタ20に出力することにより、前記印刷画像データに基づく印刷を実行させることができる。
C.まとめと変形例:
以上説明したように、本発明においては、ノイゲバウアモデルとランバート・ベアモデルに基づく第1分光反射率R1(λ)と第2分光反射率R2(λ)を総合することにより、分光反射率R(λ)を予測している。従って、一方の予測モデルの予測精度が劣化するような場合にも、他方の予測モデルによる予測によって予測精度の劣化を抑制することができる。例えば、インクドットの重なりが生じるデューティ制限付近においては、マーレイ・デービスモデルを使用するノイゲバウアモデルに基づく第1分光反射率R1(λ)の予測精度の劣化を、インクドットの重なりをモデル化したランバート・ベアモデルに基づく第2分光反射率R2(λ)によって抑制することができる。また、ノイゲバウアモデルの精度をランバート・ベアモデルによって補うことができるため、ノイゲバウアモデル単独の予測精度が多少低くても許容することができ、従来のようにセル分割を行わなくても済む。すなわち、分割セルの各頂点(ノード)について予め分光反射率データRDを用意しておかなくても済むため、ノイゲバウアモデルのために測定すべきカラーパッチの数を減少させることができる。以上においては、印刷結果予測プログラムP1とLUT作成プログラムP2とプリンタドライバP3が単一のコンピュータ10にて実行されるようにしたが、これらが別のコンピュータにおいて実行されてもよい。さらに、いわゆるダイレクトプリンタにおいてプリンタドライバP3と同等の機能を実行するようにしてもよい。
コンピュータの構成を示すブロック図である。 印刷方式を説明する模式図である。 分光ノイゲバウアモデルを示す図である。 分光反射率から色を特定する様子を示す図である。 粒状性コンバータ準備処理のフローチャートである。 粒状性指数GIを算出する処理を示す図である。 ニューラルネットワークを説明する図である。 LUT作成プログラの構成を示すブロック図である。 プロファイル作成処理のフローチャートである。 平滑程度評価指数を説明する図である。 プリンタの色再現ガマットを示すグラフである。
符号の説明
10…コンピュータ、11…HDD,12…CPU,20…プリンタ、30…分光反射率計、40…スキャナ、RC…分光プリンティングコンバータ、CC…色コンバータ、GC…粒状性コンバータ、RD…分光反射率データ、CD…学習データ。

Claims (8)

  1. 印刷装置が使用する複数の色材量の組み合わせである色材量セットについてのプロファイルを作成するプロファイル作成方法であって、
    前記印刷装置が所定の前記色材量セットを使用して印刷したときに記録媒体上において再現される分光反射率を互いに異なる第1予測モデルと第2予測モデルのそれぞれに基づいて予測し、双方の予測結果を総合することにより予測分光反射率を取得し、
    前記予測分光反射率が再現された前記記録媒体に所定光源を照射したときの色彩値を取得し、
    前記色彩値と前記色材量セットとの対応関係を規定することにより前記プロファイルを作成することを特徴とするプロファイル作成方法。
  2. 前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのいずれか一方はノイゲバウアモデルあることを特徴とする請求項1に記載のプロファイル作成方法。
  3. 前記第1予測モデルと前記第2予測モデルのいずれか一方はランバート・ベアモデルあることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のプロファイル作成方法。
  4. 前記双方の予測結果を線形結合することにより前記予測分光反射率を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロファイル作成方法。
  5. 前記線形結合における前記双方の予測結果の結合重みが波長の関数によって与えられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプロファイル作成方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の前記プロファイル作成方法によって作成された前記プロファイルを参照することにより取得した前記色材量セットを使用して前記印刷装置に印刷を実行させることを特徴とする印刷制御方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の前記プロファイル作成方法によって作成された前記プロファイルを参照することにより前記色材量セットを取得する色変換手段と、
    前記取得した前記色材量セットを使用して前記印刷装置に印刷を実行させる印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の前記プロファイル作成方法によって作成された前記プロファイルを参照することにより前記色材量セットを取得する色変換手段と、
    前記取得した前記色材量セットを使用して印刷を実行させる印刷手段とを具備することを特徴とする印刷装置。
JP2008318754A 2008-12-15 2008-12-15 プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置 Pending JP2010141830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008318754A JP2010141830A (ja) 2008-12-15 2008-12-15 プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008318754A JP2010141830A (ja) 2008-12-15 2008-12-15 プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010141830A true JP2010141830A (ja) 2010-06-24

Family

ID=42351513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008318754A Pending JP2010141830A (ja) 2008-12-15 2008-12-15 プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010141830A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8711432B2 (en) 2011-06-14 2014-04-29 Seiko Epson Corporation Image processing device, printing apparatus, image processing method, and method of producing printing apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8711432B2 (en) 2011-06-14 2014-04-29 Seiko Epson Corporation Image processing device, printing apparatus, image processing method, and method of producing printing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4388553B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP4528782B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP4247639B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
US7206100B2 (en) Image processing method and apparatus
US7672016B2 (en) Predicting graininess index on printing medium when printing according to any ink quantity set based on a graininess profile
JP5147390B2 (ja) 色処理装置およびその方法
US9965708B2 (en) Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
JP2005175876A (ja) 色信号処理方法および装置、カラープロファイル作成方法、プログラムおよび記録媒体
JP2009111667A (ja) 印刷結果の予測
US7312891B2 (en) Image processing method and apparatus
JP2016005229A (ja) 画像処理装置、及び、画像処理プログラム
JP6349741B2 (ja) ルックアップテーブル生成方法、及び、色変換装置
JP2004320627A (ja) 対応関係定義データ作成用格子点決定システム、対応関係定義データ作成用格子点要求クライアント、対応関係定義データ作成用格子点決定サーバおよびその方法並びにプログラム
JP2011077975A (ja) 粒状性予測装置、粒状性予測方法、プロファイル作成方法、および、印刷装置
JP2010147586A (ja) 印刷結果予測方法、プロファイル作成方法、印刷装置、および、調査シート
JP2008259169A (ja) 印刷結果の予測
JP6349708B2 (ja) ルックアップテーブル生成方法、及び、ルックアップテーブル生成装置
JP3908007B2 (ja) 色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム
JP4380503B2 (ja) ルックアップテーブル作成方法および分版方法
JP2010141830A (ja) プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置
JP2007243957A (ja) カラー画像データからグレイ情報を抽出するシステム、方法およびプログラム
JP3910323B2 (ja) プロファイル作成方法およびプロファイル作成装置
JP2003283856A5 (ja)
JP2016058765A (ja) 画像処理装置、表示制御装置、画像処理方法、及び、画像処理プログラム
JP2011077974A (ja) 粒状性予測装置、粒状性予測方法、プロファイル作成方法、および、印刷装置