JP2010142411A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリスキャンにおいてより適切なコイルを用いることによって平均的でバランスのとれた補正データを収集し、収集された補正データを用いてより画質が改善された画像データを取得するイメージングを行うことが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することである。
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置は、受信コイル決定手段および画像データ取得手段を備える。受信コイル決定手段は、補正データを求めるためのデータを収集するプリスキャン用の受信コイルを撮影計画領域Rおよびコイル24a,24cの感度情報に基づいて全身用コイル24aおよびコイル要素24cのいずれかに決定する。画像データ取得手段は、プリスキャンによって収集されたデータから補正データを求め、求めた補正データを反映させたイメージングを行うことにより画質を改善させた画像データを取得する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR:nuclear magnetic resonance)信号から画像を再構成する磁気共鳴イメージング(MRI: Magnetic Resonance Imaging)装置に係り、特に、撮像条件に応じて感度補正用またはSNR補正用のデータを収集するためのプリスキャンに用いるコイルを選択することが可能な磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRF信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングの分野において、FSE (fast spin echo)法と呼ばれるデータ収集法が知られている。FSE法は、90°励起パルスを印加した後に180°パルスを繰り返し印加してエコーを多く発生させ、それぞれのエコーについて独立して位相エンコードを行うことによってNMRデータを収集するデータ収集法である。FSE法によれば、横緩和(T2)強調画像データや高分解画像データが得られる。
さらに、FSE法を発展させた技術としてFASE (fast asymmetric spin echoまたはfast advanced spin echo)法が知られている。FASE法は、FSE法においてETL (echo train length)を270まで拡張させ、ハーフフーリエ法を組合せることによって撮像時間の短縮を図ったデータ収集法である。
これらFSE法またはFASE法によるデータ収集は、FSEシーケンスまたはFASEシーケンスを実行することによって行われるが、FSEシーケンスやFASEシーケンスを実行すると、渦電流の発生の影響を受けてCPMG (Carr-Purcell Meiboom-Gill sequence)系列の条件からのずれが生じる。このため、感度むらやSNR (signal to noise ratio)の低下が発生する場合がある。そこで、画像データを収集するためのイメージングスキャン(本スキャン)に先立って、感度むら、信号低下、ゴースト等の画質劣化を防ぐための補正量を求めるプリスキャンが実行される。そして、プリスキャンにより求めた補正量を用いてRF信号や傾斜磁場を調整してイメージングスキャンが行われる。
FSE法やFASE法におけるプリスキャンでは、一般的に位相エンコード(PE: phase encode)を行わないFSEシーケンスまたはFASEシーケンスで補正用のエコーデータが収集される。そして、1番目のエコー信号と2番目のエコー信号との間における0次と1次の位相差がそれぞれRF補正データおよび傾斜磁場補正データとして測定される。
さらに、このように得られたRF補正データおよび傾斜磁場補正データを用いてイメージングスキャンが実行される。すなわち、エコー信号の0次の位相差であるRF補正データを用いてイメージングスキャンでは0次の位相差がキャンセルされるようにRF信号の送信位相が補正される。また、エコー信号の1次の位相差である傾斜磁場補正データを用いてイメージングスキャンでは1次の位相差がキャンセルされるように読出し(RO: readout)方向における傾斜磁場に補正パルスが付加される。これにより、傾斜磁場が補正される。(例えば特許文献1参照)
一方、画像上に現れるゴーストを低減するために、プリスキャンにより位相エンコードを行わずに補正データを収集し、イメージングスキャンによって収集されたデータに対する後処理として補正データを用いてデータの位相補正を行う技術も知られている。
また、近年では、複数の表面コイル(コイル要素)を備えたフェーズドアレイコイル(PAC: phased array coil)を用いてエコーデータが収集される。そして、従来、PACを備えたMRI装置では、表面コイルを用いて上述したプリスキャンが行われている。
米国特許第6369568号明細書
しかしながら表面コイルを用いた従来のプリスキャンでは、撮像部位や撮影視野(FOV: field of view)等の撮像条件と表面コイルとの関係によっては、適切な補正データが得られない場合がある。例えば、FOVが大きい場合に、不適切な位置に設置された表面コイルでプリスキャンを行うと、不均一な補正データが取得される恐れがある。このように、プリスキャンに用いられる補正データ収集用の表面コイルが不適切であることに起因して渦電流による画質劣化に対する補正が良好に行われない場合があるという問題がある。そして、このような問題は、FSE法やFASE法以外のデータ収集法においても共通の問題である。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、プリスキャンにおいてより適切なコイルを用いることによって平均的でバランスのとれた補正データを収集し、収集された補正データを用いてより画質が改善された画像データを取得するイメージングを行うことが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、補正データを求めるためのデータを収集するプリスキャン用の受信コイルを撮影計画領域およびコイルの感度情報に基づいて全身用コイルおよびコイル要素のいずれかに決定する受信コイル決定手段と、前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを求め、求めた前記補正データを反映させたイメージングを行うことにより画質を改善させた画像データを取得する画像データ取得手段とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置においては、プリスキャンにおいてより適切なコイルを用いることによって平均的でバランスのとれた補正データを収集し、収集された補正データを用いてより画質が改善された画像データを取得するイメージングを行うことができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21と、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23およびRFコイル24とを図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24はガントリに内蔵されず、寝台37や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および受信器30と接続される。RFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
図2は図1に示すRFコイル24の詳細構成の一例を示す図であり、図3は図2に示す被検体Pの体表側に設けられるコイル要素24cの配置例を示す図、図4は図2に示す被検体Pの背面側に設けられるコイル要素24cの配置例を示す図である。
図2に示すようにRFコイル24は、筒状の全身用(WB:whole-body)コイル24aとフェーズドアレイコイル24bを備えている。フェーズドアレイコイル24bは、複数のコイル要素(表面コイル)24cを備えており、被検ch体Pの体表側と背面側とにそれぞれ複数のコイル要素24cが配置される。
例えば図3に示すように被検体の体表側には、広範囲の撮影部位がカバーされるようにx方向に4列、z方向に8列の合計32個のコイル要素24cが配置される。また、図4に示すように被検体の背面側にも同様に広範囲の撮影部位がカバーされるようにx方向に4列、z方向に8列の合計32個のコイル要素24cが配置される。背面側では、被検体Pの背骨の存在を考慮した感度向上の観点から、体軸付近に他のコイル要素24cよりも小さいコイル要素24cが配置される。
一方、受信器30は、デュプレクサ30a,アンプ30b、切換合成器30cおよび受信系回路30dを備えている。デュプレクサ30aは、送信器29、WBコイル24aおよびWBコイル24a用のアンプ30bと接続される。アンプ30bは、各コイル要素24cおよびWBコイル24aの数だけ設けられ、それぞれ個別に各コイル要素24cおよびWBコイル24aと接続される。切換合成器30cは、単一または複数個設けられ、切換合成器30cの入力側は、複数のアンプ30bを介して複数のコイル要素24またはWBコイル24aと接続される。受信系回路30dは、各コイル要素24cおよびWBコイル24aの数以下となるように所望の数だけ設けられ、切換合成器30cの出力側に設けられる。
WBコイル24aは、RF信号の送信用のコイルとして用いることができる。また、NMR信号の受信用のコイルとして各コイル要素24cを用いることができる。さらに、WBコイル24aを受信用のコイルとして用いることもできる。
このため、デュプレクサ30aは、送信器29から出力された送信用のRF信号をWBコイル24aに与える一方、WBコイル24aにおいて受信されたNMR信号を受信器30内のアンプ24dを経由して切換合成器30cに与えるように構成されている。また、各コイル要素24cにおいて受信されたNMR信号もそれぞれ対応するアンプ24dを経由して切換合成器30cに出力されるように構成されている。
切換合成器30cは、コイル要素24cやWBコイル24aから受けたNMR信号の合成処理および切換を行って、対応する受信系回路30dに出力するように構成されている。換言すれば、受信系回路30dの数に合わせてコイル要素24cやWBコイル24aから受けたNMR信号の合成処理および切換が切換合成器30cにおいて行われ、所望の複数のコイル要素24cを用いて撮影部位に応じた感度分布を形成して様々な撮影部位からのNMR信号を受信できるように構成されている。
ただし、コイル要素24cを設けずに、WBコイル24aのみでNMR信号を受信するようにしてもよい。また、切換合成器30cを設けずに、コイル要素24cやWBコイル24aにおいて受信されたNMR信号を直接受信系回路30dに出力するようにしてもよい。さらに、より多くのコイル要素24cを広範囲に亘って配置することもできる。
図5は、図2に示す被検体Pの体表側に設けられるコイル要素24cの別の配置例を示す図、図6は図2に示す被検体Pの背面側に設けられるコイル要素24cの別の配置例を示す図である。
図5および図6に示すようにさらに多くのコイル要素24cを被検体Pの周囲に配置することができる。図5に示す例では、x方向に4列、z方向に4列の16要素のコイル要素24cで構成されるコイルユニット24dがz方向に3つ配置されているため合計48要素のコイル要素24cが被検体Pの体表側に設けられることとなる。また、図6に示す例では、x方向に4列、z方向に8列の32要素のコイル要素24cで構成されるコイルユニット24eが背骨側に、図示しない2要素のコイル要素24cを備えたコイルユニット24fが顎付近に、図示しない12要素のコイル要素24cを備えたコイルユニット24gが頭部にそれぞれは位置されるため、合計46要素のコイル要素24cが被検体Pの背面側に設けられることとなる。そして、図5およびう図6に示すように被検体Pの体表側および背面側にコイル要素24cを配置すれば、合計94要素のコイル要素24cが被検体の周囲に配置されることとなる。各コイル要素24cは、図示しないコイルポートを経由してそれぞれ専用のアンプ30bと接続される。
そして、コイル要素24cを多数被検体Pの周囲に配置することによって、コイルや被検体Pの位置を移動させることなく複数の撮影部位からのデータを受信することが可能な全身用のフェーズドアレイコイル24bを形成することが可能となる。WBコイル24aもコイルや被検体Pの位置を移動させることなく複数の撮影部位からのデータを受信することが可能であるが、全身用のフェーズドアレイコイル24bを受信用のコイルとして用いれば、より撮影部位に適した感度およびより良好なSNR でデータを受信することが可能となる。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波およびA/D (analog to digital)変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図7は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32は、プログラムにより撮像条件設定部40、シーケンスコントローラ制御部41、k空間データベース42、画像再構成部43、画像データベース44、画像処理部45、データ補正部46および感度マップデータベース47として機能する。また、撮像条件設定部40は、プリスキャン用コイル選択部40A、RF送信位相補正部40Bおよび傾斜磁場強度補正部40Cを備えている。
撮影条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてパルスシーケンスを含む撮影条件を設定し、設定した撮影条件をシーケンスコントローラ制御部41に与える機能を有する。特に、撮影条件設定部40では、画像データの取得用のイメージングスキャンに先立ってプリスキャンを実行するための撮影条件を設定する機能が備えられる。
プリスキャンでは、渦電流の影響やハードウェアの設計誤差によるRF信号および傾斜磁場のずれに起因して画像データに生じる感度むら、SNRの低下、ゴーストの発生、リンギング等の画質劣化を抑制するための任意の補正法による補正データを作成するためのデータが収集される。従って撮影条件設定部40では、イメージングスキャン用のイメージングシーケンスおよびプリスキャン用のシーケンスが設定される。イメージングシーケンスとしては、FSEシーケンスやFASEシーケンス等の任意のシーケンスを設定することができる。また、プリスキャン用のシーケンスは、イメージングシーケンスと同種で位相エンコードを行わないシーケンスとすることが実用的な一例である。
また、撮影条件設定部40では、複数のコイル要素24cを用いてイメージングを行うパラレルイメージング(PI)用の撮影条件を設定する機能が備えられる。PIは、複数のコイル要素24cを用いてエコーデータを受信し、かつ位相エンコードをスキップさせることによって画像再構成に必要な位相エンコード数を減らす撮像法である。原理的には、位相エンコード数を、最大で画像再構成に必要な位相エンコード数のコイル要素24cの数分の1に減らすことができる。PIが行われる場合には、エコーデータの収集に用いるコイル要素24cの数や各コイル要素24cと撮影部位を関連付けた情報を始めとしてPIに必要な情報が撮影条件として設定される。
撮影条件設定部40のプリスキャン用コイル選択部40Aは、撮影領域およびRFコイル24の感度分布情報に基づいてプリスキャン用のシーケンスに従ってデータを収集するための適切な受信コイルを決定する機能と、決定された受信コイルを用いてプリスキャンにおいてデータが収集されるようにシーケンスコントローラ制御部41に受信コイル情報を与えることによってシーケンスコントローラ31を制御する機能とを有する。具体的には、プリスキャン用コイル選択部40Aは、予め取得したWBコイル24aの感度マップ、各コイル要素24cの感度マップおよび撮像計画に基づいてプリスキャンで使用する受信コイルをWBコイル24aか特定の単一または複数のコイル要素24cに切換える機能を備えている。
感度マップデータベース47には、予め取得したWBコイル24aの感度マップおよび各コイル要素24cの感度マップが保存される。そして、プリスキャン用コイル選択部40Aは、プリスキャンで使用する受信コイルを切換える際に、感度マップデータベース47に保存されたWBコイル24aの感度マップおよび各コイル要素24cの感度マップを参照できるように構成される。
図8は、図7に示すプリスキャン用コイル選択部40Aにおいてプリスキャン用の受信コイルとしてWBコイル24aが決定される場合の例を示す概念図である。
図8に示すように、RFコイル24である筒状のWBコイル24a内に被検体Pがセットされ、被検体Pの周囲には複数のコイル要素(表面コイル)24cが配置される。そして、腰椎を撮像する場合には、点線で囲まれた広範囲の領域が撮影領域、FOVまたは2次元(2D: two-dimensional)撮像におけるスラブ等の撮影計画領域Rとして設定される。
ここで、WBコイル24aの感度マップは、WBコイル24a内をカバーするように平均的に分布するものとなるが、コイル要素24cの感度マップは、各コイル要素24cによって形成可能な分布を有するものとなる。尚、これらの感度マップは予め感度マップ収集用のスキャンの実行により取得することができる。
従って、図8に示すように撮影計画領域RがWBコイル24a内において広範囲に広がる場合には、WBコイル24a内において感度マップが平均的に分布するWBコイル24aを用いてプリスキャンを実行した方がコイル要素24cを用いてプリスキャンを実行する場合に比べて撮像条件によらず平均的でバランスのとれた適切な補正データの取得に繋がることになる。よって、図8に示すような広範囲の撮影計画領域Rが設定された場合には、プリスキャン用コイル選択部40Aは、WBコイル24aをプリスキャン用の受信コイルとして決定するように構成される。
図9は、図7に示すプリスキャン用コイル選択部40Aにおいてプリスキャン用の受信コイルとして特定のコイル要素24cが決定される場合の例を示す概念図である。
図9に示すように、RFコイル24である筒状のWBコイル24a内に被検体Pがセットされ、被検体Pの周囲には複数のコイル要素24cが配置される。そして、肩を撮像する場合には、点線で囲まれた局所的な領域が撮影領域、FOVまたは2D撮像におけるスラブ等の撮影計画領域Rとして設定される。
図9に示すように撮影計画領域RがWBコイル24a内において局所的に存在する場合には、撮影計画領域Rをカバーするように分布する感度マップを有する、または形成することが可能な単一または複数のコイル要素24cを用いてプリスキャンを実行した方がWBコイル24aを用いてプリスキャンを実行する場合に比べて撮像条件によらず高精度で適切な補正データの取得に繋がることになる。よって、図9に示すような局所的な撮影計画領域Rが設定された場合には、プリスキャン用コイル選択部40Aは、対応する単一または複数のコイル要素24cをプリスキャン用の受信コイルとして決定するように構成される。
上述したような受信コイルをWBコイル24aとするかまたはコイル要素24cとするかの判定は、撮影計画領域Rの体積FとWBコイル24aの感度マップの(データ領域の)体積Wwとの比F/Wwまたは撮影計画領域Rの体積Fと単一または複数のコイル要素24cにより形成される感度マップの体積Weとの比F/Weに基づいて数値的に行うことができる。
例えば撮影計画領域Rの体積FとWBコイル24aの感度マップの体積Wwとの比F/Wwが60%以上である場合のように十分大きい場合には、WBコイル24aをプリスキャン用の受信コイルとして決定することができる。尚、図8に示す撮影計画領域Rは、十分に大きい場合に相当する。
一方、撮影計画領域Rの体積FとWBコイル24aの感度マップの体積Wwとの比F/Wwが例えば30以下である場合のように十分小さい場合には、コイル要素24cをプリスキャン用の受信コイルとして決定することができる。尚、図9に示す撮影計画領域Rは、十分に小さい場合に相当する。
また、撮影計画領域Rの体積FとWBコイル24aの感度マップの体積Wwとの比F/Wwが上記のいずれの場合にも該当せず中間値をとる場合には、予め決定した他の条件により受信コイルをWBコイル24aとするかまたはコイル要素24cとするかの判定を行うことができる。
例えば、撮影計画領域Rの体積FとWBコイル24aの感度マップの体積Wwとの比F/Wwが中間値をとる場合には、WBコイル24aをプリスキャン用の受信コイルとして決定するようにしてもよい。つまりWBコイル24aを優先的にプリスキャン用の受信コイルとして用いるように条件を決定することができる。或いは、撮影計画領域Rの大きさに基づいて判定を行うこともできる。例えば、撮影計画領域Rの各軸方向における長さがそれぞれ0.2m未満である場合には、コイル要素24cをプリスキャン用の受信コイルとして決定する一方、0.2m以上である場合には、WBコイル24aをプリスキャン用の受信コイルとして決定することができる。さらに別の例としては、WBコイル24aおよびコイル要素24cの双方をプリスキャン用の受信コイルとして用い、より適切な値を示す一方のデータを補正データの作成用に採用することもできる。具体例としては、0次の位相がより小さい方のデータを補正データの作成用に採用することができる。
一方、上述したように、撮影計画領域Rの体積Fとコイル要素24cの感度マップの体積Weとの比F/Weを指標として受信コイルをWBコイル24aとするかまたはコイル要素24cとするかの判定を行うこともできる。
例えば、撮影計画領域Rの体積Fとコイル要素24cの感度マップの体積Weのうち最も大きい感度マップの体積Wemaxとの比F/Wemaxが300%以上である場合のように十分大きい場合には、WBコイル24aをプリスキャン用の受信コイルとして決定することができる。尚、図8に示す撮影計画領域Rは、十分に大きい場合に相当する。
これに対し、撮影計画領域Rの体積Fとコイル要素24cの感度マップの体積Weのうち最も大きい感度マップの体積Wemaxとの比F/Wemaxが例えば150%以下である場合のように十分小さい場合には、コイル要素24cをプリスキャン用の受信コイルとして決定することができる。尚、図9に示す撮影計画領域Rは、十分に小さい場合に相当する。
尚、撮像計画領域Rの体積FがWBコイル24aの感度マップの体積Wwよりも大きい場合がある。このような場合には、WBコイル24aの感度マップに基づいて無信号部分における体積W0を求め、撮像計画領域の体積Fから無信号部分における体積W0を差し引いた体積を撮像計画領域の体積Fとみなして上述の判定を行ってもよい。
図10は、図2に示すWBコイル24aの感度マップの体積Wwよりも撮像計画領域の体積Fが大きい場合における無信号領域および撮像計画領域の断面図である。
図10に示すように、撮像計画領域Rの体積FがWBコイル24aの感度マップの体積Wwよりも大きい場合には、隅に無信号領域が存在するので無信号領域の体積W0を撮像計画領域の体積Fから差し引いて受信コイルの選択の判定を行うことができる。
上述した受信コイルの決定方法の他、撮像計画領域Rの大きさのみに基づいて受信コイルを決定することもできる。例えば、コイル要素24cやWBコイル24aの感度マップは既知であるから、実際には上述した体積比を計算するまでもなく、撮像計画領域Rの大きさが予め設定された閾値を超えるか否か或いは予め設定された閾値以下であるか否かを判定することによってプリスキャン用の受信コイルをWBコイル24aおよび特定のコイル要素24cのいずれかに決定することができる。
また、複数のコイル要素24cをプリスキャン用の受信コイルとして用いる場合に、コイル要素24cの数よりも少ない数の受信チャンネルでデータを収集する、いわゆるチャンネルの縮退を行うこともできる。特に、イメージングスキャンにおいてチャンネルの縮退を行う場合には、プリスキャンにおいてもチャンネルの縮退を行うことが望ましい。
チャンネルの縮退を行う場合には、複数のコイル要素24cによって感度マップが形成され、感度マップに応じてそれぞれのコイル要素24cによって受信された受信信号が合成されてチャンネル数以下の受信データが生成される。そして、生成された受信データが受信チャンネルに出力される。従って、チャンネルの縮退のために複数のコイル要素24cによって形成される合成感度マップが事前に収集されて感度マップデータベース47に保存される。そして、感度マップデータベース47に保存された合成感度マップの体積に基づいて上述した受信コイルの決定が行われる。
そして、このようにして決定された受信コイルを用いてデータ収集を行うためのプリスキャン用のパルスシーケンスが撮像条件設定部40において設定される。尚、WBコイル24aを用いてオブリーク撮像でないプリスキャンを行う場合には、位相エンコード方向におけるエンドスポイラ傾斜磁場パルスやプリパルスに対応するスポイラ傾斜磁場パルスを印加しないシーケンスをプリスキャン用に設定することができる。
プリスキャン用のシーケンスは、上述したように位相エンコード用の傾斜磁場パルスが印加されないシーケンスであり、補正データを作成するためのデータを収集するためのシーケンスである。補正データとしては、イメージングスキャンにおけるRF信号の送信位相を補正するための位相補正データや傾斜磁場強度を補正するための傾斜磁場補正データが挙げられる。この他、イメージングスキャンによって収集されたデータの位相を補正する後処理において用いられる位相補正データを作成するためのテンプレートデータと呼ばれるデータをプリスキャンによって収集することもできる。
また、撮像条件設定部40では、上述したように、イメージングスキャン用の撮影条件も設定される。ただし、上述した位相補正データや傾斜磁場補正データに基づいてRF送信位相や傾斜磁場強度が補正された撮影条件が設定される。
RF送信位相補正部40Bは、k空間データベース42からプリスキャンによって収集されたデータを取得し、1番目のエコー信号と2番目のエコー信号との間における0次の位相差をRF送信位相補正データとして求める機能と、RF送信位相補正データに基づいて0次の位相差がキャンセルされるようにイメージングスキャン用のRF送信位相を補正することにより補正後の撮影条件を設定する機能とを有する。
傾斜磁場強度補正部40Cは、k空間データベース42からプリスキャンによって収集されたデータを取得し、1番目のエコー信号と2番目のエコー信号との間における1次の位相差を傾斜磁場補正データとして求める機能と、傾斜磁場補正データに基づいて1次の位相差がキャンセルされるようにイメージングスキャン用の傾斜磁場を補正することにより補正後の撮影条件を設定する機能とを有する。例えば、傾斜磁場強度補正部40Cは、読出し方向における傾斜磁場に補正パルスを付加することによって傾斜磁場を補正するように構成される。
次に、コンピュータ32の他の機能について説明する。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からのスキャン開始指示情報を受けた場合に、撮影条件設定部40からパルスシーケンスを含む撮影条件をシーケンスコントローラ31に与えることにより駆動制御させる機能を有する。また、シーケンスコントローラ制御部41は、シーケンスコントローラ31から生データを受けてk空間データベース42に形成されたk空間に配置する機能を有する。このため、k空間データベース42には、受信器30において生成された各生データがk空間データとして保存される。
画像再構成部43は、k空間データベース42からk空間データを取り込んでフーリエ変換(FT: Fourier transform)を含む画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成する機能と、再構成して得られた画像データを画像データベース44に書き込む機能を有する。このため、画像データベース44には、画像再構成部43において再構成された画像データが保存される。
画像処理部45は、画像データベース44から画像データを取り込んで必要な画像処理を行って表示用の2次元の画像データを生成する機能と、生成した表示用の画像データを表示装置34に表示させる機能を有する。特に、PIによりエコーデータが収集される場合には、各コイル要素24cに対応する画像データに対してPIの条件に基づいてPIにおける後処理であるunfolding処理を行うことにより、展開された画像データが生成される。従って、画像処理部45では、PIにより取得された複数の画像データに対するunfolding処理が行われる。unfolding処理には、各コイル要素24cの感度分布が用いられる。従って、画像処理部45は、感度マップデータベース47に保存された各コイル要素24cの感度マップを参照できるように構成される。
データ補正部46は、イメージングスキャンにおいて収集されたデータに対する後処理用の補正データがプリスキャンによって取得された場合に、後処理用の補正データに基づいてイメージングスキャンによって取得されたk空間データまたは画像データを補正する機能を有する。
例えば、データ補正部46は、プリスキャンによって収集された複数のテンプレートデータをk空間データベース42から読み込んで、リードアウト方向に1次元(1D)の高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)を行うことにより時系列の複数のデータを再構成し、1D FFT後の基準となるデータ、例えば最初のデータと他のデータとの間における位相の差分を位相エンコード方向における位相補正データとして求めることができる。また、例えば、データ補正部46は、k空間データベース42から読み込んだテンプレートデータまたはペアをなす2つのテンプレートデータ間における位相の差分値を対応するイメージング用のk空間データに対するリードアウト方向の位相補正データとすることができる。
そして、データ補正部46は、イメージングスキャンによって収集され、k空間データベース42に保存されたk空間データの位相シフトがキャンセルされるように、位相補正データを用いて位相エンコード方向および/またはリードアウト方向における位相を補正するように構成される。すなわち、データ補正部46は、k空間データベース42からイメージングスキャンによって収集されたk空間データを読み込んで、位相補正後のk空間データをk空間データベース42に書き込むように構成される。
一方、データ補正部46がプリスキャンによって収集されたテンプレートデータから画像データに対する位置補正量を求めて、イメージングスキャンによって収集された画像データに対する位置補正を行うように構成することもできる。すなわち、データ補正部46が、画像データベース44からイメージングスキャンによって収集された画像データを読み込んで、位置補正量を用いた位置補正後の画像データを画像データベース44に書き込むように構成することもできる。尚、画像データに対する位置補正量は、上述した位相補正量をIFT (inverse Fourier transform)することによって求めることができる。
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用について説明する。
図11は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により受信コイルの選択処理を行って決定された受信コイルを用いたプリスキャンを伴うイメージングスキャンによって被検体Pの画像データを取得する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まずステップS1において、プリスキャン用の受信コイルの選択およびプリスキャン用の撮影条件の設定が撮影条件設定部40において行われる。すなわち、入力装置33からの情報に従って撮影条件設定部40において撮影計画領域Rを含むプリスキャン用の撮影条件が決定される。次に、プリスキャン用コイル選択部40Aは、設定された撮影計画領域の体積と感度マップデータベース47から取得したWBコイル24aまたは各コイル要素24cの感度マップの体積との比と予め決定した閾値との比較結果や撮影計画領域の大きさ等の所望の判定条件に基づいて、プリスキャン用の受信コイルをWBコイル24aにするか特定のコイル要素24cにするかの判定を行う。これによりプリスキャン用の受信コイルが決定される。
次に、ステップS2において、選択された受信コイルを用いて、設定された撮影条件に従ってプリスキャンが実行される。
そのために、予め寝台37に被検体Pがセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置33からシーケンスコントローラ制御部41にプリスキャンの開始指示が与えられると、シーケンスコントローラ制御部41は撮影条件設定部40から受信コイルの選択情報およびパルスシーケンスを含む撮影条件を取得してシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、シーケンスコントローラ制御部41から受けたパルスシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに、RFコイル24からRF信号を発生させる。
このため、被検体Pの内部における核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル24により受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、RFコイル24からNMR信号を受けて、所要の信号処理を実行した後、A/D変換することにより、デジタルデータのNMR信号である生データを生成する。受信器30は、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、生データをシーケンスコントローラ制御部41に与え、シーケンスコントローラ制御部41はk空間データベース42に形成されたk空間に生データをk空間データとして配置する。
この結果、k空間データベース42には、プリスキャンによって収集された補正データの作成用のデータが保存される。
次に、ステップS3において、プリスキャンによって収集されたデータからイメージングスキャンにおけるRF送信位相や傾斜磁場強度に対する補正データが求められる。そして、補正データに基づいてRF送信位相および/または傾斜磁場強度が補正されたイメージングスキャン用の撮影条件が設定される。
具体的には、RF送信位相補正部40Bは、k空間データベース42からプリスキャンによって収集されたデータを取得し、1番目のエコー信号と2番目のエコー信号との間における0次の位相差をRF送信位相補正データとして求める。次に、RF送信位相補正部40Bは、RF送信位相補正データに基づいて0次の位相差がキャンセルされるようにイメージングスキャン用のRF送信位相を補正することにより補正後の撮影条件を設定する。
一方、傾斜磁場強度補正部40Cは、k空間データベース42からプリスキャンによって収集されたデータを取得し、1番目のエコー信号と2番目のエコー信号との間における1次の位相差を傾斜磁場補正データとして求める。次に、傾斜磁場強度補正部40Cは、傾斜磁場補正データに基づいて1次の位相差がキャンセルされるようにイメージングスキャン用の傾斜磁場に補正パルスを付加する。これにより補正後の傾斜磁場が撮影条件として設定される。
尚、プリスキャンによってイメージングスキャン後における後処理用のテンプレートデータのみが収集され、RF送信位相や傾斜磁場強度に対する補正データを求めるためのデータが収集されていない場合には、RF送信位相や傾斜磁場強度の補正は行われない。
次に、ステップS4において、設定された撮影条件に従って複数のコイル要素24cを用いたPIが実行される。すなわち、プリスキャンと同様な流れでイメージングスキャンが実行され、k空間データベース42には、イメージングスキャンによって収集されたk空間データが保存される。
次に、ステップS5において、必要なデータ補正、画像再構成、必要な画像処理および画像表示が行われる。
すなわち、プリスキャンによってテンプレートデータが収集された場合には、データ補正部46が、k空間データベース42からテンプレートデータを読み込んでk空間データに対する位相補正データまたは画像データに対する位置補正データを作成する。位相補正データが作成されている場合には、データ補正部46は、k空間データベース42からイメージングスキャンによって収集されたk空間データを読み込んで、位相補正データに基づく位相補正後のk空間データをk空間データベース42に書き込む。
次に、画像再構成部43は、k空間データベース42からk空間データを取り込んで画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成し、得られた画像データを画像データベース44に書き込む。
ここで、画像データに対する位置補正データが作成されている場合には、データ補正部46は、画像データベース44からイメージングスキャンによって収集された画像データを読み込んで、位置補正データに基づく位置補正後の画像データを画像データベース44に書き込む。ただし、この画像データに対する位置補正は、次のunfolding処理後の展開画像データ対して行ってもよい。
次に、画像処理部45は、画像データベース44から各コイル要素24cに対応する画像データを取り込んでPIの条件に基づいてPIにおける後処理であるunfolding処理を行うことにより、展開された画像データを生成する。unfolding処理に必要な各コイル要素24cの感度マップは、感度マップデータベース47から取得することができる。
次に、画像処理部45は、必要な画像処理を行って表示用の2次元の画像データを生成し、生成した表示用の画像データを表示装置34に表示させる。ここで、表示装置34に表示された画像データは、適切に選択された受信コイルを用いてプリスキャンを行うことによって取得された補正データを用いて前処理または後処理を行うことによって生成された画像データであるため、画質の劣化が低減されている。このため、ユーザは、より良好な画質を有する画像を参照することができる。
つまり、以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、渦電流の影響やハードウェアの設計誤差による画質劣化を抑制するための補正データを取得するプリスキャン用の受信コイルをRFコイル24の感度分布情報と撮影計画領域との関係に基づいてWBコイル24aおよび任意のコイル要素24cのいずれか適切なコイルに切換えられるようにしたものである。
従来は、コイル要素のみを用いてプリスキャンを行っていた。このため、撮影計画領域が大きい場合には、WBコイル24aを用いてプリスキャンを行う方が、バランスが良く、平均的な補正量を求められるにも関わらず、アンバランスな補正量が求まる結果となっていた。
これに対して、磁気共鳴イメージング装置20によれば、撮影計画領域に応じて適切にWBコイル24aまたはコイル要素24cがプリスキャン用の受信コイルとして選択されるため、プリスキャンによって収集されたデータから適切な補正量データを求めることができる。この結果、補正量データに基づくRF送信位相や傾斜磁場に対する前処理またはk空間データや画像データに対する後処理によって、より画質が改善された画像データを生成することができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図。 図1に示すRFコイルの詳細構成の一例を示す図。 図2に示す被検体の体表側に設けられるコイル要素の配置例を示す図。 図2に示す被検体の背面側に設けられるコイル要素の配置例を示す図。 図2に示す被検体の体表側に設けられるコイル要素の別の配置例を示す図。 図2に示す被検体の背面側に設けられるコイル要素の別の配置例を示す図。 図1に示すコンピュータの機能ブロック図。 図7に示すプリスキャン用コイル選択部においてプリスキャン用の受信コイルとしてWBコイルが決定される場合の例を示す概念図。 図7に示すプリスキャン用コイル選択部においてプリスキャン用の受信コイルとして特定のコイル要素が決定される場合の例を示す概念図。 図2に示すWBコイルの感度マップの体積よりも撮像計画領域の体積が大きい場合における無信号領域および撮像計画領域の断面図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により受信コイルの選択処理を行って決定された受信コイルを用いたプリスキャンを伴うイメージングスキャンによって被検体の画像データを取得する際の手順を示すフローチャート。
符号の説明
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイル
24 RFコイル
24a WBコイル
24b フェーズドアレイコイル
24c コイル要素
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
40 撮像条件設定部
40A プリスキャン用コイル選択部
40B RF送信位相補正部
40C 傾斜磁場強度補正部
41 シーケンスコントローラ制御部
42 k空間データベース
43 画像再構成部
44 画像データベース
45 画像処理部
46 データ補正部
47 感度マップデータベース
P 被検体

Claims (9)

  1. 補正データを求めるためのデータを収集するプリスキャン用の受信コイルを撮影計画領域およびコイルの感度情報に基づいて全身用コイルおよびコイル要素のいずれかに決定する受信コイル決定手段と、
    前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを求め、求めた前記補正データを反映させたイメージングを行うことにより画質を改善させた画像データを取得する画像データ取得手段と、
    を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記画像データ取得手段は、fast spin echo法またはfast asymmetric spin echo法により前記イメージングを行うように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記受信コイル決定手段は、前記全身用コイルの感度マップの体積またはコイル要素により形成される感度マップの体積と前記撮影計画領域の体積との比に基づいて前記プリスキャン用の受信コイルを決定するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記受信コイル決定手段は、前記撮影計画領域の大きさに基づいて前記プリスキャン用の受信コイルを決定するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記受信コイル決定手段は、複数のコイル要素の数よりも少ない数の受信チャンネルで前記データが収集されるように前記複数のコイル要素よって形成される感度マップに基づいて前記プリスキャン用の受信コイルを決定するように構成され、
    前記画像データ取得手段は、前記複数のコイル要素および前記受信チャンネルを用いて前記イメージングを行うように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記画像データ取得手段は、前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを反映させる前におけるイメージングにおいて送信される高周波信号の位相を補正するための位相補正データを求め、前記補正データを反映させたイメージングにおいて前記位相補正データを用いて補正された位相で前記高周波信号を送信するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記画像データ取得手段は、前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを反映させる前におけるイメージングにおいて印加される傾斜磁場を補正するための傾斜磁場補正データを求め、前記補正データを反映させたイメージングにおいて前記傾斜磁場補正データを用いて補正された傾斜磁場を印加するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記画像データ取得手段は、前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを反映させる前におけるイメージングによって収集されるk空間データの位相を補正するための位相補正データを求め、前記位相補正データを用いて前記補正データを反映させる前におけるイメージングによって収集されるk空間データの位相を補正するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記画像データ取得手段は、前記プリスキャンによって収集された前記データから前記補正データを反映させる前におけるイメージングによって収集される画像データの位置を補正するための位置補正データを求め、前記位置補正データを用いて前記補正データを反映させる前におけるイメージングによって収集される画像データの位置を補正するように構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
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