JP2010142438A - 液体混注具 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化することなく、内部に液体や空気が滞留することを防止できるとともに、注入具の保持力を向上できる液体混注具を提供すること。
【解決手段】液体混注具Aを、チャンバー部11と、チャンバー部11にそれぞれ接続された主上流管12、下流管および副上流管14と、副上流管14の開口部に取り付けられた注入部20と、チャンバー部11内に設けられたコック30とで構成した。そして、注入部20のスリット20aにシリンジの雄ルアー部を挿し込むことにより、シリンジから薬液を副上流管14の内部に注入可能にした。また、薬液が主上流管からチャンバー部11に向う方向から副上流管14側に進んだのちに、チャンバー部11から下流管に進むように規制する隔壁17を、副上流管14の内部における雄ルアー部が進退する移動領域の周囲に形成した。
【選択図】図7
【解決手段】液体混注具Aを、チャンバー部11と、チャンバー部11にそれぞれ接続された主上流管12、下流管および副上流管14と、副上流管14の開口部に取り付けられた注入部20と、チャンバー部11内に設けられたコック30とで構成した。そして、注入部20のスリット20aにシリンジの雄ルアー部を挿し込むことにより、シリンジから薬液を副上流管14の内部に注入可能にした。また、薬液が主上流管からチャンバー部11に向う方向から副上流管14側に進んだのちに、チャンバー部11から下流管に進むように規制する隔壁17を、副上流管14の内部における雄ルアー部が進退する移動領域の周囲に形成した。
【選択図】図7
Description
本発明は、医療に用いられる複数の輸液チューブ等に連結されて、各輸液チューブ間に薬液等の液体を流す液体混注具に関する。
従来から、複数の輸液チューブを用いて患者の体内に所定の薬液、栄養剤、生理食塩水等を供給することが行われており、このような場合に、医療用活栓等の液体混注具を用いて、各輸液チューブ間を連通したり遮断したりすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。この流路切換装置(液体混注具)は、円筒状の軸部保持部の外周から第1分岐部、第2分岐部および第3分岐部が立設されて、軸部保持部内の中空室から3本の分岐路が分岐連出されて装置本体が構成されている。そして、装置本体の中空室に、第1の流路と第2の流路が設けられた円柱状の軸部を有する滑動体が回転可能に設けられており、滑動体を回転することにより、3本の分岐路を切り換えることができる。
また、滑動体を保持する保持部には、第3の分岐路が設けられている領域に、第1、第2の流路に対応させてそれぞれ透孔が設けられている。このため、輸液は、第1の流路から一方の透孔を通過して第3の分岐路が設けられている領域に入ったのちに、他方の透孔を通過して第2の流路に流れる。また、第3の分岐路にはスリットが設けられた隔膜が取り付けられており、ルアーの先端をスリットに通して、ルアーから他の薬液を第3の分岐路が設けられている領域に混注することができる。
また、両端部に混注口と流出口とがそれぞれ形成されたハウジングの中間部に分岐管が形成され、ハウジングの内腔に筒状中空体が一体に設けられた液体混注具も開発されている(例えば、特許文献2参照)。この液体混注具では、ハウジングの接続部(混注口側)に摺動かつ回転可能に嵌合され鈍針を有する接続部を備えており、この接続具をハウジングの接続部に取り付けたときに、鈍針の先端部と、筒状中空体の先端部との間に、隙間が形成される。このため、分岐管からハウジングの内腔を介して流出口に流れる輸液に、混注口から薬液を注入することができる。
特許第3719443号公報
特開平11−33124号公報
しかしながら、前述した特許文献1に係る従来の流路切換装置では、二つの透孔が、第3の分岐路が形成された分岐管を塞ぐようにして設けられた壁部に設けられているため、この壁部にルアーの先端が当接しないようにするためには、隔膜と透孔との間の長さを長くする必要が生じる。この結果、第3の分岐路の空間が大きくなって液体が滞留し易くなったり、装置が大型化したりする。また、前述した特許文献2に係る従来の液体混注具では、一定の形状の鈍針を備えた接続具にしか適用できないため、ルアー接続に適した構造が望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、大型化することなく、内部に液体や空気が滞留することを防止できるとともに、注入具の保持力を向上できる液体混注具を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る液体混注具の構成上の特徴は、チャンバー部と、チャンバー部にそれぞれ接続された主上流管、下流管および副上流管とを備え、副上流管の開口部に、注入具の抜き挿しに伴って開閉可能なスリットを備えた弾性注入部が設けられた液体混注具であって、主上流管から流入する液体がチャンバー部に向う方向から副上流管側に進んだのちに、チャンバー部から下流管に進むように規制する隔壁を、副上流管またはチャンバー部の内部における注入具の先端部が進退する移動領域の周囲に形成して、隔壁に注入具の先端部が接触しないようにしたことにある。
本発明に係る液体混注具では、主上流管からチャンバー部を介して下流管に所定の液体を流すことができるとともに、副上流管からチャンバー部を介して下流管に他の液体を流すことができる。そして、主上流管からチャンバー部を介して下流管に向う液体が、直線状に流れるのではなく、副上流管またはチャンバー部の内部に隔壁を設けることにより、チャンバー部内から副上流管側に一旦流れたのちに、副上流管側からチャンバー部を介して下流管に流れるようにしている。このため、例えば、液体混注具を、副上流管側が上方になるように配置したときには、主上流管からチャンバー部を介して下流管に流れる液体は、主上流管からチャンバー部内に入るときに、一旦上方に向って流れ隔壁を乗り越えたのちにチャンバー部から下流管に流れていく。
この結果、液体は、副上流管内の空間の上部側を通過して流れるようになり、副上流管やチャンバー部の内部に空気が滞留することがなくなるとともに、液体の流路に沿って流れずに副上流管やチャンバー部の内部に滞留する液体もなくなる。これにより、滞留した空気を除去するために面倒な操作をする必要がなくなるとともに、副上流管やチャンバー部の内部に菌が発生することを抑制することができる。また、隔壁が、副上流管やチャンバー部の内部における注入具の先端部が進退する移動領域の周囲に形成されている、すなわち、隔壁を移動領域に位置する注入具の先端部と離間するように形成しているため、注入具から他の液体を副上流管やまたはチャンバー部の内部に注入する場合に、注入具を弾性注入部のスリットに深く挿し込んでも注入具の先端が隔壁に当接することはない。
このため、隔壁を設けるためにチャンバー部や副上流管を大型化する必要はなくなる。また、弾性注入部が注入具を保持する力を向上することができる。この場合、他の液体は、副上流管またはチャンバー部の内部で主上流管から供給される所定の液体と混合させてもよいし、他の液体だけを副上流管やチャンバー部を介して下流管に流してもよい。なお、他の液体とは、主上流管側から供給される液体ではないという意味で、主上流管から供給される液体と同種類の液体であってもよい。また、弾性注入部としては、例えば、スリットを備えたゴム製の栓で構成することができる。これによると、他の液体の供給が終わり注入具を弾性注入部から抜いたときには、弾性注入部は復元力によってスリットが閉塞された元の形状に戻るため副上流管は閉塞される。
また、弾性注入部として、ゴム以外の材料からなる部材を用いる場合にも、ゴムと同様の作用によりスリットを開閉できるものを用いる。さらに、チャンバー部内を空間の広い部分と空間の狭い部分とに区切るようにして隔壁を設けるとともに、空間の広い方を上流側に配置し、空間の狭い方を下流側に配置することが好ましい。これによると、チャンバー部内を流れる液体が、空間の広い方を満たして、隔壁を越えて空間の狭い方に流れるため、チャンバー部内に空気や液体が滞留することをより確実に防止できる。
また、本発明に係る液体混注具の他の構成上の特徴は、隔壁における移動領域に直交する断面の少なくとも移動領域側の縁部が凹湾曲状に形成された壁部で隔壁を構成したことにある。これによると、弾性注入部のスリットを挿通して副上流管またはチャンバー部の内部に位置する注入具の先端部の周囲の一方に、注入具の外周面に沿うようにして隔壁が位置するようになる。このため、弾性注入部のスリットを挿通する注入具の先端部と隔壁とを接近させることができ、これによって、副上流管またはチャンバー部のデッドスペースを最小限にすることができる。この場合のデッドスペースとは、液体や空気が滞留し易い空間をいう。
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、弾性注入部を、スリットに注入具を所定長さ挿し込んだときに、スリットの内面が変形して注入具の進行方向を向くことにより注入具を押し戻して元の状態に復元することのできない略板状の弁体で構成し、注入具をスリットに少なくとも所定長さ挿し込んだときに注入具の先端部の周囲に隔壁が位置するようにしたことにある。
スリットの内面、すなわち対向する切断面が変形して注入具の進行方向を向くことにより注入具を押し戻して元の状態に復元することのできない状態とは、弾性注入部のスリット近傍部分の湾曲が大きくなって、その復元力が注入具を押し戻す方向よりも注入具を締め付ける方向に向いた状態である。この場合、弾性注入部のスリットに挿し込まれた注入具は安定した状態に保持されており、この状態で注入具から副上流管またはチャンバー部に他の液体が注入される。したがって、このときの注入具の先端部の周囲に隔壁が位置するようにすることにより、隔壁の高さ方向と、注入具の軸方向とに重なる部分を設けることができ、チャンバー部や副上流管に無駄な空間が生じなくなる。なお、本発明における所定長さは、注入具の外周面先端部が弾性注入部の外面とスリットの内面との角部を通過したときの挿入長さとする。
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、隔壁の厚さが、チャンバー部側に位置する基端部から副上流管の開口部側に位置する先端部に近づくほど薄くなるようにしたことにある。この場合、例えば、隔壁の外面を注入具が進退する移動領域に平行させ、隔壁の内面を外面に対して傾斜させることにより、隔壁の先端部側を薄くすることが好ましい。これによると、隔壁の強度を維持しながら注入具に対向する部分を薄肉にすることができる。また、隔壁の下部側に直角の隅が形成される部分を減少することができるため、空気や液体が滞留する可能性が生じる部分をさらに少なくすることができる。
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、チャンバー部との間に液体流路を形成するとともに所定の方向に回転することによりチャンバー部と主上流管との間、チャンバー部と下流管との間およびチャンバー部と副上流管との間をそれぞれ連通したり遮断したりすることのできるコックをチャンバー部内に設けたことにある。これによると、液体混注具が備える各分岐管間の連通、遮断の状態を任意に切り換えることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る液体混注具を図面を用いて詳しく説明する。図1ないし図6は、同実施形態に係る液体混注具Aを示しており、この液体混注具Aは、混注具本体10、キャップ部21を介して混注具本体10に取り付けられた本発明に係る弾性注入部としての注入部20およびコック30で構成されている。そして、混注具本体10は、軸方向を前後に向けて配置された略円筒状のチャンバー部11(以下、図3を正面とし、上下方向および左右方向は図3を基準にして説明する。)と、チャンバー部11の左右両側に180度の角度を保って略同軸に沿って延びる主上流管12および下流管13と、主上流管12と下流管13とに対して直交してチャンバー部11の上部に設けられた副上流管14とで構成されている。
以下、本発明の第1実施形態に係る液体混注具を図面を用いて詳しく説明する。図1ないし図6は、同実施形態に係る液体混注具Aを示しており、この液体混注具Aは、混注具本体10、キャップ部21を介して混注具本体10に取り付けられた本発明に係る弾性注入部としての注入部20およびコック30で構成されている。そして、混注具本体10は、軸方向を前後に向けて配置された略円筒状のチャンバー部11(以下、図3を正面とし、上下方向および左右方向は図3を基準にして説明する。)と、チャンバー部11の左右両側に180度の角度を保って略同軸に沿って延びる主上流管12および下流管13と、主上流管12と下流管13とに対して直交してチャンバー部11の上部に設けられた副上流管14とで構成されている。
チャンバー部11の軸方向の略中央には、円周に沿って90度間隔で三つの連通穴12a,14a(図7参照)等(残り一つの連通穴は図示せず。)が形成されており、これらの連通穴12a,14a等にそれぞれ主上流管12、副上流管14および下流管13の内部が連通している。副上流管14とチャンバー部11とを連通する連通穴14aの直径は、他の連通穴12a等の直径よりも大きく設定されている。また、図7に示したように、チャンバー部11と副上流管14とを連通する連通穴14aから副上流管14の軸方向の略中央にかけての部分の内周面における左右両側(図7では紙面の表側から裏側にかけての部分)には主上流管12から下流管13に向う流路を前後に仕切る肉厚の仕切り壁16が掛け渡された状態で形成されている。
仕切り壁16は、副上流管14の下部側部分に設けられており、副上流管14の内周面における前部と後部とに対して間隔を保った状態で、内周面の左右部分に連結されている。仕切り壁16の前面における幅方向の中央側部分は前方に向って突出した円弧状の垂直曲面に形成され、仕切り壁16の後面における幅方向の中央側部分は平面状の垂直面に形成されている。そして、仕切り壁16の上面における前部には、上方に延びる隔壁17が形成されている。隔壁17は、仕切り壁16の上面における前縁部に沿って形成されており、図8に示した平面視で左右部分が左右に延びる直線状に形成され、中央部分が前方に向って突出した円弧状に形成されている。
このため、主上流管12から下流管13に流れる液体は、主上流管12の内部から連通穴12aを介してチャンバー部11の後部側に流れたのちに副上流管14の後部側を仕切り壁16の後面に沿って上方に流れる。さらに、その液体は、仕切り壁16の上面を隔壁17の後面に沿って上昇する。そして、液体は、隔壁17の上面を通って副上流管14の前部側を仕切り壁16の前面に沿って下方に流れたのちにチャンバー部11の内部に流れ、チャンバー部11の内部から図示していない連通穴を介して下流管13内に流れる。
すなわち、仕切り壁16の下面から後面、上面および隔壁17の後面にかけての部分は連通穴12aからチャンバー部11内を通って副上流管14に延びる流路の一方の面を構成し、隔壁17の前面から仕切り壁16の前面にかけての部分は副上流管14内からチャンバー部11内を通って図示していない連通穴に延びる流路の一方の面を構成している。また、主上流管12は、チャンバー部11と一体的に形成されており、主上流管12の開口側部分は、外周面に連結用のねじ部が形成された雌コネクタ部12bで構成されている。
下流管13は、チャンバー部11と一体的に形成されており、チャンバー部11側の基端部13aと、基端部13aよりも細く形成された先端側の雄ルアー部13bとで構成されている。また、雄ルアー部13bは基端部13a側部分よりも先端側部分の方が細くなった先細り状に形成されている。副上流管14は、チャンバー部11の上部に設けられた円筒部で構成されており、外周面における上端側部分の左右に係合突起14b,14cが形成されている。そして、この副上流管14の上端外周面には、副上流管14とでゴム製注入部20を固定するためのキャップ部21が係合突起14b,14cを介して取り付けられている。
注入部20は、天然ゴム、合成ゴムまたはエラストマーなどの伸縮性を備えた円板状の弾性部材からなっており、その中央部分に上下に貫通するスリット20aが設けられている。このスリット20aは、注入部20の中心点を通る直線状に形成されており、注入部20の外周側部分を除いた部分に形成されている。また、キャップ部21は、中央に円形の穴部からなる混注口21aが形成された浅い円形キャップ状の本体21bの下縁部における左右に枠状の被係合部22a,22bを形成した形状の部材で構成されており、被係合部22a,22bを副上流管14の係合突起14b,14cに係合させることにより、副上流管14に着脱可能に取り付けられている。
そして、注入部20をキャップ部21の内部(下面側)に取り付け、その状態のキャップ部21を副上流管14の上端面に被せて、キャップ部21の被係合部22a,22bを副上流管14の係合突起14b,14cに係合させることにより、注入部20はキャップ部21を介して副上流管14の上端開口に固定される。副上流管14の上端開口に固定された注入部20のスリット20aは、副上流管14から薬液等の液体(以下、薬液と記す。)をチャンバー部11側に注入しない時には、注入部20の弾性によって閉塞された状態になる。
また、副上流管から薬液を注入する時には、注入部20のスリット20aに、例えば、本発明に係る注入具としてのシリンジ25の雄ルアー部25a(図9参照)を差し込むことによりシリンジ25の薬液収容部25bと副上流管14とを連通することができる。その際、雄ルアー部25aと注入部20との間は、注入部20の弾性によって密着状態になる。この場合、図10に示したように、スリット20aの内面(両切断面)が下方に向くように、注入部20が変形し、このときに、雄ルアー部25aの下端部がスリット20aの縁部よりも下方に位置していると、注入部20が雄ルアー部25aを押し戻すことができず、シリンジ25はその状態を維持する。
チャンバー部11の後部開口は、図7に示したように、蓋部材15で閉塞されている。蓋部材15は、前端面が閉塞され、前部側よりも後部側の方がやや大径になった段付き円筒体15aの後部開口の周縁部に外部側に突出するフランジ状の係止部15bを設けた形状に形成されている。係止部15bの外径はチャンバー部11の外径と略等しくなり、段付き円筒体15aの大径部分の外径はチャンバー部11の内径よりもやや小さくなっている。そして、段付き円筒体15aの小径部分の外径は大径部分の外径よりもやや小さくなり、段付き円筒体15aの外周面とチャンバー部11の内周面との間には、コック30の後端部が摺動可能に挿入されている。
コック30は、図11に示したように、略円筒状のコック本体31と、コック本体31の前端部に連結された操作部32とで構成されている。そして、コック本体31は、先端部(後端部)をチャンバー部11の内周面と蓋部材15の段付き円筒体15aの外周面との間に挿し込んだ状態でチャンバー部11内に設置されており、操作部32を回転操作することによりチャンバー部11の軸周り方向に回転する。また、コック本体31の外周面には、二つの溝部33,34が軸方向に並んで形成されている。溝部33は、コック本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや後部側の部分で円周に沿って略半周にわたって延びる凹部で構成されている。
溝部34は、コック本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや前部側の部分で溝部33と平行してコック本体31の外周面に沿って延びる周方向溝部34aと、周方向溝部34aの一方の端部から屈曲して軸方向の後部側に向って延びる軸方向溝部34bとからなる略L字状の凹部で構成されている。溝部34の軸方向溝部34bは、溝部33の一方の端部と所定間隔を保った位置に設けられており、溝部34の周方向溝部34aの他方の端部は、溝部33の他方の端部よりも円周方向に沿った一方側(図11における手前側)に位置している。
溝部33と溝部34とのコック本体31の円周方向に沿った長さはともに円周の略半周で等しく設定されており、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間隔および溝部33と溝部34の軸方向溝部34bとの間隔は略等しく設定されている。そして、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間には、コック本体31の外周面に沿った堰部35が形成されている。また、チャンバー部11内に設置されたコック本体31は、外周面における溝部33および溝部34の軸方向溝部34bが形成された部分を、チャンバー部11と主上流管12との連通穴12aおよびチャンバー部11と下流管13との連通穴の位置に合わせ、溝部34の周方向溝部34aをチャンバー部11の内周面における前部側部分に対向させて閉塞した状態になる。
また、コック本体31の外周面における堰部35が形成された部分は、チャンバー部11の内周面における仕切り壁16の下面前端側部分に接した状態になる。このため、図7に示したように、堰部35が上方に向くようにコック本体31を回転したときには、溝部33が主上流管12(図7の後方側に位置する。)の内部と対向してチャンバー部11と主上流管12とは溝部33を介して連通する。また、溝部34における軸方向溝部34bの後部側(図示していないが、図7では溝部33の手前側に位置する。)が下流管13の内部と対向してチャンバー部11と下流管13とは溝部34を介して連通する。
この場合、堰部35の上方には、仕切り壁16が位置して、堰部35の上面と仕切り壁16の下面とは略密着状態で接触する。そして、仕切り壁16の上方には、副上流管14内の空間部が位置しているため、溝部33と溝部34とは副上流管14の内部を介して連通する。したがって、この状態では、主上流管12からチャンバー部11および副上流管14を介して下流管13に薬液を流すことができる。この場合、図11に矢印aで示したように、主上流管12から溝部33内に流れてくる薬液は、上方の仕切り壁16と隔壁17(矢印aの上部の部分に位置する)とを乗り越えて溝部34に流れていく。
このとき、仕切り壁16の上面に形成された隔壁17は、副上流管14内の上部側まで延びているため、薬液は副上流管14内の上方の空間内を後部側の空間の広い部分から前部側の空間の狭い部分に迂回して通過するようになり、チャンバー部11や副上流管14の内部に空気や薬液の一部が滞留することを抑制できる。その状態からコック30を一方に回転させて、溝部33を下流管13の内部に向けるとともに、コック本体31の外周面を主上流管12の内部に向けたときには、チャンバー部11内と下流管13との間は連通し、チャンバー部11内と主上流管12との間は遮断される。
また、図7の状態から、コック30を他方に回転させて、溝部33の一方の端部側部分を主上流管12の内部に向けて連通状態を維持するとともに、コック本体31の外周面を下流管13の内部に向けたときには、チャンバー部11内と下流管13との間は遮断され、チャンバー部11内と主上流管12との間は連通する。このように、コック30を回転操作することにより、主上流管12と下流管13との双方をチャンバー部11に連通したり、一方だけをチャンバー部11に連通したりすることができる。
なお、操作部32は、3個の操作片32a,32b,32cを備えており、この操作片32a,32b,32cは、それぞれ主上流管12、副上流管14および下流管13に対応するように、90度の角度を保って形成されている。すなわち、図3のように、操作片32aが主上流管12を、操作片32bが副上流管14を、操作片32cが下流管13をそれぞれ指す位置にあるときには、主上流管12、副上流管14および下流管13のすべてがチャンバー部11を介して連通した状態になる。
また、図3の状態から、操作部32を時計周り方向に90度回転して、操作片32bが主上流管12を指し、操作片32cが副上流管14を指す位置になったときには、主上流管12と副上流管14とが連通し、副上流管14と下流管13との間は遮断された状態になる。さらに、図3の状態から、操作部32を反時計周り方向に90度回転して、操作片32aが副上流管14を指し、操作片32bが下流管13を指す位置になったときには、副上流管14と下流管13とが連通し、主上流管12と副上流管14との間は遮断された状態になる。
また、前述したように、副上流管14には注入部20を介して、シリンジ25を着脱可能に取り付けることができる。このシリンジ25は、薬液を収容する薬液収容部25bと細径円筒状の雄ルアー部25aとを備えており、雄ルアー部25aを、注入部20のスリット20a内に差し込むことにより薬液収容部25bの内部と副上流管14の内部とを連通させることができる。この雄ルアー部25aを、注入部20のスリット20a内に挿し込んでいくときに、雄ルアー部25aは、注入部20を副上流管14の内部側に押し付けて移動させながらスリット20aを広げていく。
これによって、注入部20のスリット20aの近傍部分は、雄ルアー部25aの押圧力によって副上流管14の内部側に押さえ付けられて、雄ルアー部25aに密着した状態で下降していく。そして、雄ルアー部25aがスリット20a内に所定長さ挿入されて適正状態になったときには、図10のように、注入部20の下端部は隔壁17に接近した状態になる。この状態では、注入部20が雄ルアー部25aを押し戻そうとする力が弱まり、雄ルアー部25aはその状態を維持する。また、副上流管14の内周面と注入部20との間および雄ルアー部25aとスリット20aの周縁部との間は、注入部20の弾性によって密着状態になる。
そして、雄ルアー部25aの先端部は、隔壁17の内面側で隔壁17に接近した状態になる。このため、主上流管12と下流管13とを連通させて主上流管12側から下流管13側に向けて薬液を流しながら、その薬液にシリンジ25から注入される他の薬液を混合することができる。また、チャンバー部11内と主上流管12との間を遮断した状態で、シリンジ25から下流管13に他の薬液を流すこともできる。
この構成において、2種類の薬液を患者(図示せず)の体内に供給する場合には、まず下流管13に、患者に穿刺して留置するための留置針が接続された輸液チューブ(図示せず)の後端部を接続する。ついで、主上流管12に、患者に供給する一方の薬液を収容する容器等から延びる輸液チューブの先端部に設けられた雄ルアー部を接続する。つぎに、シリンジ25の薬液収容部25b内に他方の薬液を吸引した状態で、雄ルアー部25aを注入部20のスリット20aに貫通させる。
そして、一方の薬液をチャンバー部11を含む輸液ライン内に通して、輸液ライン内の空気をすべて外部に放出したのちに、留置針を患者の体に穿刺して留置した状態で容器等の薬液を患者に向けて送り出すことにより患者への薬液の供給を行う。また、シリンジ25の薬液収容部25b内の他方の薬液も、適宜、副上流管14を介してチャンバー部11内に注入する。この場合、雄ルアー部25aとスリット20aの内面との間は、密着状態になる。また、注入部20の下面が隔壁17の上端部に接近し、雄ルアー部25aの先端部は、隔壁17の内面側に位置するため、副上流管14の内部には僅かな空間しかできず、チャンバー部11や副上流管14の内部には、空気や薬液の一部が滞留する場所が生じ難くなる。
すなわち、チャンバー部11と副上流管14との内部の空間部はすべて薬液の流路になるため空気が溜まり難くなる。これによって、患者に供給される薬液に空気が混入することが抑制される。また、チャンバー部11と副上流管14との内部に薬液の一部が滞留することもなくなる。そして、シリンジ25からの薬液の供給が終わり、雄ルアー部25aをスリット20aから引き抜くときには、注入部20は雄ルアー部25aによる押圧から解放され、復元力によって元の状態に戻る。また、この液体混注具Aによると、副上流管14に取り付けられたキャップ部21内を注入部20で閉塞したため、副上流管14の開口から副上流管14内に空気が入って菌が繁殖することも抑制できる。
このように、本実施形態に係る液体混注具Aでは、チャンバー部11の上部に位置する副上流管14内に仕切り壁16および隔壁17を設けることにより、主上流管12から流れてくる薬液が、チャンバー部11の一方側から副上流管14内に一旦流れたのちに、副上流管14からチャンバー部11の他方側を介して下流管13に流れるようにしている。このため、薬液は、チャンバー部11内だけでなく、副上流管14内も通過して流れるようになり、チャンバー部11や副上流管14の内部に空気が滞留することがなくなるとともに、流れずにチャンバー部11や副上流管14内に滞留する薬液もなくなる。
この場合、薬液は、チャンバー部11から副上流管14内における隔壁17の後部側の空間の広い部分に入り隔壁17を越えたのちに隔壁17の前部側の空間の狭い部分に流れるためチャンバー部11内に空気や液体が滞留することをより確実に防止できる。これにより、滞留した空気を除去するために面倒な操作をする必要がなくなるとともに、チャンバー部11や副上流管14の内部に菌が発生することを抑制することができる。また、隔壁17が、副上流管14内における雄ルアー部25aが進退する移動領域の周囲に形成されているため、雄ルアー部25aから他の薬液を副上流管14を介してチャンバー部11内に注入する場合に、雄ルアー部25aを注入部20のスリット20aに深く挿し込んでも雄ルアー部25aの先端が隔壁17に当接することはない。このため、隔壁17を設けるためにチャンバー部11や副上流管14を大型化する必要はなくなる。
また、隔壁17の中央部の平面視による形状が内面側が凹部になった湾曲状になっているため、注入部20のスリット20aを挿通して副上流管14内に位置する雄ルアー部25aの先端部の周囲に沿うようにして隔壁17が位置するようになる。このため、注入部20のスリット20aを挿通する雄ルアー部25aの先端部と隔壁17とを接近させることができ、これによって、副上流管14内のデッドスペースを最小限にすることができる。さらに、チャンバー部11内にコック30を設けたため、液体混注具Aが備える主上流管12、下流管13および副上流管14間の連通、遮断の状態を任意に切り換えることができる。
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係る液体混注具Bを示している。この液体混注具Bでは、仕切り壁46の上面に形成された隔壁47の内面が傾斜面に形成されて、隔壁47の厚みは仕切り壁46側から上端側に行くほど徐々に薄くなっている。この液体混注具Bのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る液体混注具Bを示している。この液体混注具Bでは、仕切り壁46の上面に形成された隔壁47の内面が傾斜面に形成されて、隔壁47の厚みは仕切り壁46側から上端側に行くほど徐々に薄くなっている。この液体混注具Bのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
この液体混注具Bによると、隔壁47の強度を維持しながら雄ルアー部25aに対向する部分を薄肉にすることができる。このため、雄ルアー部25aを副上流管14の上下方向の中央よりも下方まで挿入することができるようになる。また、隔壁47を、雄ルアー部25aの移動領域にさらに近づけて、その分、液体混注具Bを小型化することもできる。さらに、仕切り壁46と隔壁47とに挟まれる角(隅部)が鈍角になるため、この部分に空気(気泡)や薬液が滞留しにくくなる。この液体混注具Bのそれ以外の作用効果は、前述した液体混注具Aの作用効果と同様である。
(第3実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態に係る液体混注具Cの要部である本体部分を上方から見た状態を示している。この液体混注具Cの本体は、軸方向を上下に向けて配置された略円筒状のチャンバー部51(図13では、底部内面を示している。)と、チャンバー部51の左右両側に180度の角度を保って略同軸に沿って延びる主上流管52および下流管53と、主上流管52と下流管53とに対して直交してチャンバー部51の上部に設けられチャンバー部51よりも大径に形成された円筒状の副上流管54とで構成されている。すなわち、この液体混注具Cは、コックおよび仕切り壁は備えてなく、チャンバー部51の底部に隔壁57が形成されている。
図13は、本発明の第3実施形態に係る液体混注具Cの要部である本体部分を上方から見た状態を示している。この液体混注具Cの本体は、軸方向を上下に向けて配置された略円筒状のチャンバー部51(図13では、底部内面を示している。)と、チャンバー部51の左右両側に180度の角度を保って略同軸に沿って延びる主上流管52および下流管53と、主上流管52と下流管53とに対して直交してチャンバー部51の上部に設けられチャンバー部51よりも大径に形成された円筒状の副上流管54とで構成されている。すなわち、この液体混注具Cは、コックおよび仕切り壁は備えてなく、チャンバー部51の底部に隔壁57が形成されている。
隔壁57は、チャンバー部51内における下流管53側部分に、チャンバー部51の内周面における左側部分に対して間隔を保った状態で、内周面の前後部分に連結されている。また、隔壁57は、図13に示した平面視で前後部分が前後に延びる直線状に形成され、中央部分が下流管53側に向って突出した円弧状に形成されている。このため、主上流管52から下流管53に流れる薬液は、主上流管52の内部からチャンバー部51の空間の広い右側部分の上方に流れたのちに、隔壁57の上面を通ってチャンバー部51の空間の狭い左側部分に流れ、チャンバー部51の左側下方から下流管53内に流れる。この液体混注具Cのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
この液体混注具Cによると、主上流管52からチャンバー部51を介して下流管53側に供給する薬液に、副上流管54側から他の薬液を混合することができる。なお、この液体混注具Cは、コックを備えていないため、主上流管52、下流管53および副上流管54間の連通、遮断の状態を切り換えることはできない。この液体混注具Cのそれ以外の作用効果は、前述した液体混注具Aの作用効果と同様である。
また、本発明に係る液体混注具は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更実施が可能である。前述した各実施形態では、副上流管14,54を円筒状に形成し、その副上流管14,54の円周に沿うようにして、隔壁17,47,57を設けているが、副上流管や隔壁の形状はこれに限るものでなく適宜変更することができる。例えば、副上流管の断面形状を、一方側が前述した副上流管14,54よりも直径の小さな半円状の部分で構成され、他方側が半楕円状の部分で構成された形状にし、その半楕円状部分の外周側に隔壁を設けることができる。また、隔壁の形状も円弧状に限らず、平面状であってもよいし、円弧状以外の曲面状にしてもよい。
A,B,C…液体混注具、11,51…チャンバー部、12,52…主上流管、13,53…下流管、14,54…副上流管、17,47,57…隔壁、20…注入部、20a…スリット、25…シリンジ、25a…雄ルアー部、30…コック。
Claims (5)
- チャンバー部と、前記チャンバー部にそれぞれ接続された主上流管、下流管および副上流管とを備え、前記副上流管の開口部に、注入具の抜き挿しに伴って開閉可能なスリットを備えた弾性注入部が設けられた液体混注具であって、
前記主上流管から流入する液体が前記チャンバー部に向う方向から前記副上流管側に進んだのちに、前記チャンバー部から前記下流管に進むように規制する隔壁を、前記副上流管または前記チャンバー部の内部における前記注入具の先端部が進退する移動領域の周囲に形成して、前記隔壁に前記注入具の先端部が接触しないようにしたことを特徴とする液体混注具。 - 前記隔壁における前記移動領域に直交する断面の少なくとも前記移動領域側の縁部が凹湾曲状に形成された壁部で前記隔壁を構成した請求項1に記載の液体混注具。
- 前記弾性注入部を、前記スリットに前記注入具を所定長さ挿し込んだときに、前記スリットの内面が変形して前記注入具の進行方向を向くことにより前記注入具を押し戻して元の状態に復元することのできない略板状の弁体で構成し、前記注入具を前記スリットに少なくとも前記所定長さ挿し込んだときに前記注入具の先端部の周囲に前記隔壁が位置するようにした請求項1または2に記載の液体混注具。
- 前記隔壁の厚さが、前記チャンバー部側に位置する基端部から前記副上流管の開口部側に位置する先端部に近づくほど薄くなるようにした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の液体混注具。
- 前記チャンバー部との間に液体流路を形成するとともに所定の方向に回転することにより前記チャンバー部と前記主上流管との間、前記チャンバー部と前記下流管との間および前記チャンバー部と前記副上流管との間をそれぞれ連通したり遮断したりすることのできるコックを前記チャンバー部内に設けた請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の液体混注具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008323120A JP2010142438A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 液体混注具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2008323120A JP2010142438A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 液体混注具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010142438A true JP2010142438A (ja) | 2010-07-01 |
Family
ID=42563479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008323120A Withdrawn JP2010142438A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 液体混注具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2010142438A (ja) |
-
2008
- 2008-12-19 JP JP2008323120A patent/JP2010142438A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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