JP2010142810A - 金属製管材の管端処理方法及びプラグ - Google Patents

金属製管材の管端処理方法及びプラグ Download PDF

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Abstract

【課題】金属製管材の管端部にねじ部を形成するに際し、管端部内側のキズの発生を防止しつつより適正な内径のねじ部を形成することができる金属製管材の管端処理方法およびこれに用いられるプラグを提供する。
【解決手段】金属製管材2の管端部内側にねじ部を形成する前に、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面Sを有し、前記テーパ面Sであって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面Sの前記軸心Mに対するテーパ角θがθ≦3.5°となるプラグ1を用いた拡管処理が行われる。この拡管処理において、金属製管材2の管端部にプラグ1のテーパ面Sが接触する際の接触角α(すなわち、テーパ角θに等しい)が3.5°以下となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製管材の管端部にねじ部を形成するための管端処理方法及びこれに用いられるプラグに関する。
金属製管材の管端部に連結用のねじ部を設ける管端処理が一般的に行われている。
一般的に、ねじ部に対する寸法公差は、金属製管材の外径に対する寸法公差に比べて高精度が要求されており、ねじ部の寸法公差を優先的に合わせると金属製管材の寸法公差が径方向に外れてしまう場合がある。このため、金属製管材の外径とねじ部とは、別々に寸法公差を出している。
つまり、金属製管材に対する寸法公差内となるように金属製管材の外径を形成した後、当該金属製管材の管端部に、ねじ部に対する寸法公差内となるようなねじ部を形成している。
このような金属製管材の形成方法において、ねじ部の内径確保のため(寸法公差内に収めるため)、従来、管端部のねじ部形成前に、当該管端部をダイスを用いて上下/左右等からかしめるように挟み込んで内径を収縮させる縮管処理(スウェッジ加工)が行われていた(例えば、特許文献1,2参照)。
しかし、上記方法では管端部を外側からかしめるため、管端部内側を真円にすることが困難であり、ねじ部の精度がよくないという問題があった。また、縮管処理を行うことにより、金属製管材の内面にキズが生じてしまう場合もあった。
一方、管端部の曲がり等を是正するための拡管処理も公知となっている(例えば、特許文献3参照)が、当該拡管処理後の管端部内側にキズが生じる場合があり、ねじ部形成前の管端処理として従来の拡管処理をそのまま適用することは困難であった。
特に、金属製管材に対し、ねじ部の工作精度を高めるために、ねじ部形成前に脱スケールを行う場合があるが、脱スケールを行った金属製管材に対して前記従来の拡管処理を行うと、拡管処理時にスケールの潤滑がないことにより、金属製管材の内面にキズが生じ易くなる問題があった。
特開平8−267168 特開平11−114640 国際公開2006/033376号パンフレット
本発明はかかる従来技術に鑑みなされたものであり、金属製管材の管端部にねじ部を形成するに際し、管端部内側のキズの発生を防止しつつより適正な内径のねじ部を形成することができる金属製管材の管端処理方法およびこれに用いられるプラグを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の発明者らは、ねじ部の形成前に、金属製管材の管端部に対して軸心方向断面略円形状のプラグを用いて拡管処理を行うこととし、当該拡管処理に用いられるプラグの条件について、種々、鋭意検討を行った。この結果、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面を有するプラグにおいて、前記テーパ面であって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間にわたって、テーパ面の前記軸心に対するテーパ角θを3.5°以下と規定することにより、管端部内側のキズの発生が防止されることを見出した。
本発明は、この本発明者らの新しい知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明に係る金属製管材の管端処理方法は、金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する管端処理方法であって、前記ねじ部の形成前に、軸心方向断面略円形状のプラグを用いて前記管端部を拡管する工程を有し、前記プラグは、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面を有し、前記テーパ面であって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面の前記軸心に対するテーパ角θがθ≦3.5°となることを特徴とするものである。
上記構成の金属製管材の管端処理方法によれば、金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する前に、前記条件のプラグを用いた拡管処理が行われることにより、当該拡管処理において、金属製管材の管端部にプラグのテーパ面が接触する際の接触角(すなわち、テーパ角θに等しい)が3.5°以下となり、かつ、管端部内をプラグが摺動している間の管端部とプラグのテーパ面との接触角も3.5°以下となる。このため、管端部内側にキズが発生することなく、しかも、金属製管材に対する寸法公差とは別に、ねじ部に対する寸法公差内となるようなねじ部を形成することができる。したがって、金属製管材の管端部にねじ部を形成するに際し、管端部内側のキズの発生を防止しつつより適正な内径のねじ部を形成することができる。
好ましくは、前記拡管処理の工程は、前記金属製管材の内面を脱スケールした後に行われる。
この場合、金属製管材の内面を脱スケールした後に、前記プラグを用いて金属製管材の管端部を拡管し、その後、ねじ部を形成する。
金属製管材の内面を脱スケールすることによって、スケールの潤滑がなくなるが、上記プラグを用いた拡管処理を行うことにより、管端部内側のキズの発生を効果的に防止することができる。したがって、ねじ部形成前に、内面を脱スケールした金属製管材に対して、ねじ部を形成する際に、本発明の金属製管材の管端処理方法を好適に用いることができる。
また、本発明に係るプラグは、金属製管材の内面を脱スケールした後、かつ、前記金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する前に、前記管端部を拡管するためのプラグであって、軸心方向断面略円形状を有するとともに、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面を有し、前記テーパ面であって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面の前記軸心に対するテーパ角θがθ≦3.5°となることを特徴とするものである。
上述したように、上記構成のプラグを用いることにより、前記拡管処理において管端部内側のキズの発生を効果的に防止することができる。
好ましくは、前記テーパ角θは、3.0°≦θ≦3.5°である。
この場合、前記範囲における前記テーパ角θの下限値が3.0°に規定される。前記テーパ角θを3.0°以上とすることにより、プラグの軸心方向長さを可及的に短くすることができるため、プラグの重量増や設備の大型化を防止することができる。
本発明に係る金属製管材の管端処理方法およびプラグによれば、金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する前に、前記条件のプラグを用いた拡管処理が行われることにより、当該拡管処理において、金属製管材の管端部にプラグのテーパ面が接触する際の接触角(すなわち、テーパ角θに等しい)が3.5°以下となり、かつ、管端部内をプラグが摺動している間の管端部とプラグのテーパ面との接触角も3.5°以下となる。このため、管端部内側にキズが発生することなく、しかも、金属製管材に対する寸法公差とは別に、ねじ部に対する寸法公差内となるようなねじ部を形成することができる。したがって、金属製管材の管端部にねじ部を形成するに際し、管端部内側のキズの発生を防止しつつより適正な内径のねじ部を形成することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る金属製管材の管端処理方法に用いられるプラグの軸心を通る概略断面図である。また、図2は図1の領域A拡大図である。
初めに、本実施形態における金属製管材の管端処理方法に用いられるプラグについて説明する。
本実施形態のプラグ1は、図1および図2に示すように、軸心Mに直交する断面略円形状を有するとともに、断面径(軸心Mに直交する断面の直径)が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面Sを有し、前記テーパ面Sであって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面Sの前記軸心Mに対するテーパ角θがθ≦3.5°となることを特徴とするものである。
より詳しくは、本実施形態における前記テーパ角θは、3.0°≦θ≦3.5°となっている。
本実施形態において、前記プラグ1は、前記テーパ面Sを有する摺動部1aと、当該摺動部1aのさらに先端側に摺動部1aの断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)から先端に向かってさらに小径となる先端部1bと、前記摺動部1aの後端側に摺動部1aの断面形が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から後端に向かって小径となる後端部1cとを有している。本実施形態においては、テーパ面Sは、軸心Mを通る断面視において外側に凸の曲線状に形成されている。したがって、本実施形態においては、軸心M方向に沿ってX(D)に近づく程、テーパ角θが上記範囲内で小さくなり、X(0.7D)に近づく程、テーパ角θが上記範囲内で大きくなる。また、摺動部1aおよび先端部1bの表面が滑らかな曲線となるように接続されている。
前記プラグ1の前記後端部1cには、シリンダ3が取り付けられ、シリンダ3を介してプラグ1を軸心M方向に移動可能に構成されている
前記プラグ1は、例えば、超硬材料(WC粉末を焼結することによって製造)に表面コーティング処理することにより形成される。
前記プラグ1は、内径d(直径)が0.7D≦d<Dである金属製管材2の拡管処理に用いられる。すなわち、プラグ1の軸心Mが金属製管材2の軸心と略同一直線上になった状態で、シリンダ3によりプラグ1が金属製管材2の管端部に挿通された際、当該管端部は、摺動部1aのテーパ面Sと接触することとなる。
そして、金属製管材2の管端部にプラグ1の前記テーパ面Sが接触する際の接触角α(すなわち、テーパ角θに等しい)が上記範囲内となり、かつ、管端部内をプラグ1が摺動している間の管端部と前記テーパ面Sとの接触角も上記範囲内となる。このため、管端部内側にキズを発生させることなく、管端部を拡管して所望の寸法公差内の内径にすることができる。
しかも、本実施形態のプラグ1においては、前記範囲における前記テーパ角θの下限値が3.0°に規定される。前記テーパ角θを3.0°以上とすることにより、プラグ1の軸心方向長さを可及的に短くすることができるため、プラグ1の重量増や設備の大型化を防止することができる。
なお、本実施形態におけるテーパ面Sは、図1および図2に示すように軸心Mを通る断面視において外側に凸の曲線状となっているが、これに限られず、軸心Mを通る断面視において直線状となっていてもよい。
次に、本実施形態における金属製管材2の管端処理方法について説明する。
まず、金属製管材2を所望の外径寸法(寸法公差内)に加工する。ここで、金属製管材は、特に限定されないが、例えば、マルテンサイト系ステンレス[(12〜13)Cr−(2.5〜6)Ni−(0.3〜2.5)Mo]が用いられる。
次に、必要であれば、金属製管材2の内面を脱スケールする。上記金属製管材2を油井用鋼管として作製する場合には、API(アメリカ石油協会)規格においてマルテンサイト系ステンレス鋼管は管内面のスケールを除去することが規定されているため、脱スケールを実施しなければならない。
脱スケール処理としては、例えば、ショットブラスト、酸洗、研磨等の処理が挙げられる。
続いて、前記プラグ1を用いて金属製管材2の管端部を拡管する拡管処理を行う。まず、前記金属製管材2をエキスパンド装置(図示せず)に固定する。そして、金属製管材2の軸心がプラグ1の軸心Mと略同一になるように調整する。
軸心Mを合わせた後、シリンダ3によりプラグ1を金属製管材1の端部から所定の距離まで押し込む。このとき、金属製管材2の管端部はプラグ1により拡管される。所定の距離までプラグ1を押し込んだ後、シリンダ3によりプラグ1を押し込んだ方向と反対方向に引き抜く。
このような拡管処理を行った後、当該処理済みの金属製管材2の管端部の内側に、切削加工を施してねじ部(雌ねじ部)を形成する。
このように、金属製管材2の管端部内側にねじ部を形成する前に、前記条件のプラグ1を用いた拡管処理が行われることにより、拡管処理の工程において、管端部内側にキズが発生することなく、しかも、金属製管材2に対する寸法公差とは別に、ねじ部に対する寸法公差内となるようなねじ部を形成することができる。したがって、金属製管材2の管端部にねじ部を形成するに際し、管端部内側のキズの発生を防止しつつより適正な内径のねじ部を形成することができる。
しかも、本実施形態においては、金属製管材2の内面を脱スケールしているため、拡管処理においてはスケールの潤滑がなくなるが、上記プラグ1を用いることにより、スケールの潤滑がないにも関わらず、管端部内側のキズの発生を効果的に防止することができる。したがって、ねじ部形成前に、内面を脱スケールした金属製管材3に対してねじ部を形成する際に、本発明の金属製管材2の管端処理方法を好適に用いることができる。
なお、上述した管端処理方法では、金属製管材2の外径寸法加工後に脱スケールおよび拡管処理を実施したが、当該外径寸法加工後に、金属製管材2の軸心方向の曲がりの矯正や真円度の向上を目的とした矯正処理を行った後、脱スケールおよび拡管処理を行うこととしてもよい。矯正処理は、例えばストレートナを用いて実施される。また、金属製管材2の強度や靭性等の特性を調整するために、矯正処理前に熱処理を実施してもよい。また、拡管処理により金属製管材2に発生した加工歪や残留応力を除去するために、拡管された部分を熱処理してもよい。また、強度や靭性といった金属製管材2の機械特性を調整するために、拡管処理後に熱処理を実施してもよい。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
続いて、本発明に係るプラグおよび管端処理方法の実施例について説明する。
本実施例においては、テーパ面が曲率半径R=300mmの円弧状を有するものをプラグとして用い、種々の外径および肉厚(内径)を有する金属製管材(鋼管)の管端部が当接した際の接触角αとそのときの内面品質(目視観察)の良否を検証した。なお、金属製管材の内径に応じて外径が適宜異なる複数のプラグを使用した。
以下に、本実施例における金属製管材の内面品質の良否結果を示す。
Figure 2010142810
以上の表に示すように、接触角αが3.5°を超えると管端部内部にキズが生じ、内面品質が悪化する結果となった。これに対し、接触角αが3.5°以下の場合においては、管端部内部にキズが発生することなく良好な内面品質を保持することが確認できた。
本発明に係る金属製管材の管端処理方法に用いられるプラグを示す概略軸線断面図である。 図1の領域A拡大図である。
符号の説明
1 プラグ
2 金属製管材
D 最大径
M 軸心
S テーパ面
X 軸心方向位置
θ テーパ角

Claims (4)

  1. 金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する管端処理方法であって、
    前記ねじ部の形成前に、軸心方向断面略円形状のプラグを用いて前記管端部を拡管処理する工程を有し、
    前記プラグは、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面を有し、前記テーパ面であって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面の前記軸心に対するテーパ角θがθ≦3.5°となることを特徴とする金属製管材の管端処理方法。
  2. 前記拡管処理の工程は、前記金属製管材の内面を脱スケールした後に行われることを特徴とする請求項1記載の金属製管材の管端処理方法。
  3. 金属製管材の内面を脱スケールした後、かつ、前記金属製管材の管端部内側にねじ部を形成する前に、前記管端部を拡管するためのプラグであって、
    軸心方向断面略円形状を有するとともに、断面径が最大径Dとなる軸心方向位置X(D)から先端に向かって小径となるテーパ面を有し、前記テーパ面であって断面径が0.7Dとなる軸心方向位置X(0.7D)と前記軸心方向位置X(D)との間において、前記テーパ面の前記軸心に対するテーパ角θがθ≦3.5°となることを特徴とするプラグ。
  4. 前記テーパ角θは、3.0°≦θ≦3.5°であることを特徴とする請求項3記載のプラグ。
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