JP2010143468A - 車両の暖房装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアコン作動中のシートヒータの作動に伴う消費電力の増大に起因して内燃機関による発電機の駆動機会が増大することを抑制し、燃料消費量の増大を抑制することのできる車両の暖房装置を提供する。
【解決手段】暖房装置100は、バッテリ400から供給される電力を利用して温風を送風することにより車室内を暖房するエアコン110と、バッテリ400から供給される電力を利用して座席に埋設されたヒータを発熱させて座席を介して乗員を暖めるシートヒータ150とを備えている。暖房装置100は、通電されているシートヒータ150の数が多いときほどエアコン110における送風量が低減するように、エアコン110の作動中に通電されているシートヒータ150の数に基づいて送風量を低減させる消費電力抑制制御を実行する。
【選択図】図1

Description

この発明は車両の暖房装置に関し、特に車室内に温風を送風するエアコンに加えて、シートヒータを備える車両の暖房装置に関する。
車両の暖房装置として、機関冷却水と空気との熱交換によって暖めた温風を車室内に送風するエアコンに加えて、座席に埋設したヒータを発熱させることにより座席を介して乗員を暖めるシートヒータを備えたものが知られている。
こうした車両の暖房装置として、例えば特許文献1には、内燃機関の暖機を早期に完了させて燃料消費量の抑制を図るため、シートヒータとエアコンとを連動させて制御する車両の暖房装置が記載されている。この暖房装置にあっては、機関冷間時のエアコン作動時にシートヒータを作動させるとともに、エアコンの送風量を低減させ、エアコンの暖房能力を低下させる一方で、シートヒータを利用して乗員を暖めるようにしている。
このように機関冷間時のエアコン作動時にシートヒータを作動させつつ、エアコンの送風量を低減させる構成によれば、乗員に極力寒さを感じさせずに内燃機関の熱が温風として車室内に放熱されることを抑制することができるようになり、内燃機関の暖機を早期に完了させて燃料消費量を抑制することができる。
実開平5‐18909号公報
ところで、暖房装置としてエアコンとシートヒータとを備える車両において、エアコンを作動させているときに、シートヒータのスイッチを入れた場合には、エアコンの駆動にかかる消費電力にシートヒータへの通電による消費電力が加わるため、消費電力が増大し、バッテリの充電量が急速に減少するようになる。その結果、充電のために内燃機関によって発電機を駆動する機会が増大して機関負荷が増大し、燃料消費量が増大するおそれがある。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的はエアコン作動中のシートヒータの作動に伴う消費電力の増大に起因して内燃機関による発電機の駆動機会が増大することを抑制し、燃料消費量の増大を抑制することのできる車両の暖房装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の駆動力を利用して発電する発電機と、同発電機によって発電された電力によって充電されるバッテリとを備える車両に搭載され、前記バッテリから供給される電力を利用して温風を送風することにより車室内を暖房するエアコンと、前記バッテリから供給される電力を利用して座席に埋設されたヒータを発熱させて座席を介して乗員を暖めるシートヒータとを備える車両の暖房装置において、通電されているシートヒータの数が多いときほど前記エアコンの送風量が低減するように、前記エアコンの作動中に通電されているシートヒータの数に基づいて前記エアコンの送風量を低減させる消費電力抑制制御を実行することをその要旨とする。
上記構成によれば、消費電力抑制制御実行中には、シートヒータへの通電に起因して消費電力が増大するときにエアコンの送風量が低減されてエアコンの駆動にかかる消費電力が低減されるようになる。そのため、エアコンの作動中にシートヒータを作動させることによる暖房装置全体の消費電力の増大を抑制することができ、バッテリの充電量の低下を抑制することができるようになる。その結果、エアコン作動中のシートヒータの作動に伴う消費電力の増大に起因して内燃機関による発電機の駆動機会が増大することを抑制し、燃料消費量の増大を抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の暖房装置において、前記消費電力抑制制御にあっては、前記シートヒータへの通電にかかる消費電力の大きさと、前記エアコンの送風量を低減させることによって低減される消費電力の大きさとが等しくなるように前記通電されているシートヒータの数に比例して大きくなるように前記送風量の低減量が決定されることをその要旨とする。
通電されているシートヒータの数が多くなるほどその数に比例してシートヒータへの通電にかかる消費電力は大きくなる。これに対して、上記構成にあっては、通電されているシートヒータの数に比例するように、通電されているシートヒータの数が多いときほどエアコンの送風量を低減させ、シートヒータへの通電によって増大する消費電力と、送風量を低減させることによって低減される消費電力とが等しくなるようにしている。そのため、上記請求項2に記載の構成によれば、シートヒータへの通電による消費電力の増大を、エアコンの送風量を低減させることによって相殺し、暖房装置全体の消費電力が増大することを好適に抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、シートヒータが設けられている座席と、シートヒータが設けられていない座席とを有する車両に搭載される車両の暖房装置であって、前記シートヒータが設けられていない座席に乗員が着座しているときには、前記消費電力抑制制御の実行を禁止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の暖房装置である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の暖房装置において、乗員が着座している座席のシートヒータが全て通電状態にされていることを条件に前記消費電力抑制制御の実行を許可することをその要旨とする。
消費電力抑制制御の実行に伴ってエアコンの風量が低減された場合であっても、着座している座席に設けられたシートヒータが通電されていれば、シートヒータによって暖められるため、乗員は寒さを感じにくい。
これに対して、シートヒータが設けられていない座席に着座している乗員がいるときに、他の座席に設けられたシートヒータへの通電に伴ってエアコンの送風量が低減された場合には、シートヒータが設けられていない座席に着座している乗員が、エアコンの送風量の低減による暖房能力の低下によって寒さを感じるおそれがある。そのため、上記請求項3に記載の構成のようにシートヒータが設けられている座席と、シートヒータが設けられていない座席とを有する車両に搭載される暖房装置にあっては、シートヒータが設けられていない座席に乗員が着座しているときには、消費電力抑制制御の実行を禁止することが望ましい。
また、シートヒータが設けられている座席に着座している場合であっても、その座席に設けられたシートヒータへの通電が行われていない場合には、他の座席に設けられたシートヒータへの通電に伴ってエアコンの送風量が低減されたときにシートヒータへの通電が行われていない座席に着座している乗員が寒さを感じるおそれがある。そのため、上記請求項4に記載の発明のように乗員が着座している座席のシートヒータが全て通電状態にされていることを条件に消費電力抑制制御の実行を許可することが望ましい。こうした構成によれば、消費電力抑制制御の実行に伴って乗員に寒さを感じさせることを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、前記シートヒータへの通電制御と前記エアコンの制御とを連動させて、前記エアコンが作動中であり、且つ前記シートヒータへの通電が行われていることに基づいて前記消費電力抑制制御を実行する連動状態と、前記エアコンの作動中に前記シートヒータへの通電が行われていても前記消費電力抑制制御を実行しない非連動状態とを切り替える切り替えスイッチを備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の暖房装置である。
上記構成によれば、シートヒータへの通電が行われているときに自動的にエアコンの送風量を低減させて消費電力抑制制御を実行する状態と、シートヒータへの通電が行われている場合であってもエアコンの送風量を低減させない状態とを切り替えることができるようになる。すなわち、切り替えスイッチを操作することにより、暖房能力が低下しても送風量を低減することにより燃料消費量の抑制を優先させる状態と、燃料消費量が増大しても送風量を低減させずに暖房能力を優先させる状態とを任意に切り替えることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記バッテリの充電量が所定の水準未満であることに基づいて前記内燃機関を運転させて同内燃機関の駆動力を利用して前記発電機を駆動し、前記バッテリへの充電を行うハイブリッド車に搭載される請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の暖房装置である。
上記請求項1〜5に記載の発明によるように消費電力抑制制御を実行すれば、エアコンとシートヒータとを併用した場合であっても、暖房装置全体の消費電力の増大を抑制することができる。そのため、こうした消費電力抑制制御を実行する車両の暖房装置をハイブリッド車に搭載すれば、エアコンとシートヒータとを併用した場合であってもバッテリの充電量の低下を抑制することができ、充電のために内燃機関が頻繁に運転されることを抑制して燃料消費量の増大を抑制することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両の暖房装置において、前記バッテリの充電量が前記所定の水準よりも大きな基準値未満であることを条件に前記消費電力抑制制御を実行することをその要旨とする。
上記構成によれば、バッテリの充電量が内燃機関を運転させて充電を行う水準よりも大きな値に設定された基準値以上であり、バッテリの充電量に余裕があるときには、消費電力抑制制御が実行されなくなる。すなわち、バッテリの充電量が少なく、エアコンとシートヒータとを併用することにより充電のために内燃機関が運転されるおそれがあるときにのみ消費電力抑制制御が実行されるようになり、頻繁に消費電力抑制制御が実行されて暖房能力が必要以上に制限されることが抑制されるようになる。
以下、この発明にかかる車両の暖房装置を、駆動力発生源としてエンジンとモータを備えるハイブリッド車の暖房装置に具体化した一実施形態について、図1〜5を参照して説明する。尚、図1は本実施形態にかかるハイブリッド車の暖房装置、並びに同ハイブリッド車の駆動系の概略構成を示す模式図である。
図1に示されるように本実施形態にかかるハイブリッド車のエンジン200は、モータ310を備えるハイブリッドトランスミッション300を介してディファレンシャル350に連結されている。
ハイブリッドトランスミッション300には、モータ310の他に、動力分割機構320及び発電機330が設けられており、エンジン200の駆動力は、この動力分割機構320を介して発電機330を駆動する駆動力とディファレンシャル350に伝達される駆動力とに分割される。また、ハイブリッドトランスミッション300に設けられたモータ310の駆動力は、変速機340によって変速され、ディファレンシャル350に伝達される。そして、ディファレンシャル350は、エンジン200及びモータ310から伝達された駆動力を左右の駆動輪360L,360Rに分配する。
図1の中央に一点鎖線の矢印で示されるように発電機330において発電された電力は、バッテリ400に充電される。バッテリ400に充電された電力は、モータ310の駆動はもちろんのこと、後述する暖房装置100におけるエアコン110の各部の駆動や、シートヒータ150への給電に使用される。
バッテリ400には、充電残量や異常の有無を監視するバッテリECU410が接続されている。バッテリECU410は、ハイブリッドシステム全体を統括的に制御するハイブリッドECU370とエアコン110を制御するエアコンECU120に接続されている。
エンジン200及びハイブリッドトランスミッション300は、ハイブリッドECU370によって制御される。具体的には、ハイブリッドECU370は、運転者のアクセル操作量や現在の車速等、車両の運転状態に応じてモータ310、動力分割機構320並びに変速機340を制御するとともに、エンジンECU210に制御指令を出力する。
エンジンECU210は、ハイブリッドECU370からの制御指令に基づいてエンジン200の吸入空気量や燃料噴射量、点火時期などを制御する。
またハイブリッドECU370は、バッテリECU410から入力されるバッテリ400の充電残量の情報に基づいて、充電残量が所定の水準L未満であるときには、車両を駆動するためにはエンジン200を運転させる必要がない状態であっても、発電機330を駆動するためにエンジン200を運転させる。
図1の上方に示されるように本実施形態にかかるハイブリッド車の暖房装置100は、車室内に温風又は冷風を送風するエアコン110と、座席に埋設されたヒータを発熱させることにより座席を介して乗員を暖めるシートヒータ150とを備えている。
本実施形態のハイブリッド車は、5人乗りの乗用車であり、車室内における車両前方側の位置にフロント右側席(運転席)とフロント左側席(助手席)の2つの座席が設けられており、車両後方側の位置にリア右側席、リア中央席及びリア左側席の3つの座席が設けられている。
そして、本実施形態のハイブリッド車にあっては、これら5つの座席のうち、リア中央席を除く4つの座席にシートヒータ150がそれぞれ設けられている。尚、図1にあっては、そのうちの1つのシートヒータ150のみを図示している。
シートヒータ150は、シートECU160に接続されており、シートヒータ150はこのシートECU160によって制御される。シートECU160には、各座席に設けられたシートヒータ150への通電をそれぞれ「ON」、「OFF」するシートヒータスイッチ161、及び各座席に乗員が着座しているか否かを判定する着座センサ162が接続されている。
次に図2を併せ参照して本実施形態のエアコン110の構成を説明する。尚、図2はエアコン110の構成を示す模式図である。
図2に示されるようにエアコン110には、温風又は冷風を車室内に送風するためのブロワファン114と、送風される空気を除湿冷却するためのエバポレータ111と、エバポレータ111を通じて除湿冷却された冷風を暖めるヒータコア112とが設けられている。
エアコン110にあっては、バッテリ400から供給される電力によって駆動されるブロワモータ113によってブロワファン114が回転されることにより、図2の左側に矢印で示されるように外気又は車室内の内気が導入され、その空気がエバポレータ111及びヒータコア112を通過した後、車室内に送風される。尚、図2の左側に示されるようにエアコンの空気導入口には、吸い込み口切り替えダンパ116が設けられている。吸い込み口切り替えダンパ116は、車室内に連通する空気導入口と、車外に連通する空気導入口とのうち、いずれか一方を閉塞することにより、車室内の空気を取り込んで再び車室内に送風する内気循環モードと、外気を取り込んで車室内に送風する外気導入モードとを切り替えるものである。
また、エバポレータ111は、冷媒が気化する際の冷却作用を利用して空気を除湿冷却するものであり、その内部には冷媒が循環されている。一方のヒータコア112は、その内部にエンジン200の冷却に供された機関冷却水が循環されており、空気と機関冷却水との熱交換により空気を暖めるものである。
図2に示されるようにエアコン110のハウジング内におけるエバポレータ111とヒータコア112との間には、エアミックスダンパ115が設けられている。エアミックスダンパ115は、エバポレータ111を通じて除湿冷却された空気のうち、ヒータコア112に導かれる空気の量を調整するように図2に矢印で示されるようにその開度が制御される。これにより、エバポレータ111を通じて除湿冷却された空気のうち、ヒータコア112に導かれて暖められる空気の比率を変更することができ、車室内に送風する空気の温度を調整することができる。また、ブロワモータ113の回転速度を変更することにより、車室内への温風又は冷風の送風量を変更することができる。
これらエアミックスダンパ115の開度制御や吸い込み口切り替えダンパ116の切り替え制御、並びにブロワモータ113の回転速度制御は、エアコンECU120によって行われる。エアコンECU120には、車室内の温度を検出する内気センサ121、外気の温度を検出する外気センサ122、ヒータコア112に供給される機関冷却水の温度を検出する水温センサ123、車室内に入射する日射量を検出する日射センサ124等の各種センサが接続されている。
また、エアコンECU120には、エアコン110の駆動を「ON」、「OFF」するエアコンスイッチ125、目標温度を設定する温度設定スイッチ126の他、シートヒータスイッチ161の「ON」操作と連動して消費電力抑制制御を実行させる連動モードの「ON」、「OFF」を切り替える連動スイッチ127等が接続されている。
エアコンECU120は、これら各種センサやスイッチから入力される信号に基づいて演算処理を実行する。例えば、車室内の温度を温度設定スイッチ126によって設定された目標温度に一致させるように、エアミックスダンパ115の開度を制御して車室内に送風する温風又は冷風の温度を調整するとともに、ブロワモータ113の回転速度を制御して車室内に送風する温風又は冷風の風量を自動的に制御する。
ところで、暖房装置100において、エアコン110を作動させているときに、シートヒータ150が「ON」にされた場合、すなわちシートヒータ150への通電が行われるようになった場合には、エアコン110の駆動にかかる消費電力にシートヒータ150への通電による消費電力が加わることとなる。そのため、暖房装置100全体としての消費電力が増大し、バッテリ400の充電量が急速に減少するようになる。その結果、バッテリ400の充電量が所定の水準L未満になりやすくなり、充電のためにエンジン200が運転される機会が増大して燃料消費量が増大するおそれがある。
そこで、本実施形態の暖房装置100にあっては、シートヒータスイッチ161が「ON」にされ、シートヒータ150への通電が実行されるときにエアコン110における送風量を低減させることにより暖房装置100全体における消費電力の増大を抑制する消費電力抑制制御を実行するようにしている。
以下、図3〜5を参照してこの消費電力抑制制御について説明する。尚、図3は消費電力抑制制御の実行条件が成立しているか否かを判定する実行条件判定処理の流れを示すフローチャートである。
この処理は、ハイブリッドシステム作動中であり、且つエアコンスイッチ125が「ON」にされているときにエアコンECU120において所定の制御周期で繰り返し実行される。
図3に示されるようにこの処理が開始されると、エアコンECU120は、まずステップS100において、連動スイッチ127が「ON」にされているか、すなわちシートヒータスイッチ161の「ON」操作に基づき、これと連動して消費電力抑制制御を実行する連動モードが「ON」になっているか否かを判定する。
ステップS100において、連動スイッチ127が「OFF」である旨の判定がなされた場合(ステップS100:NO)、すなわち連動モードが「OFF」になっている場合には、エアコンECU120は消費電力抑制制御の実行条件が成立していないと判断し、消費電力抑制制御を実行せずにこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS100において、連動スイッチ127が「ON」である旨の判定がなされた場合(ステップS100:YES)、すなわち連動モードが「ON」になっている場合には、ステップS200へと進む。
そして、エアコンECU120は、バッテリECU410からバッテリ残量の情報を読み込み、バッテリ残量が基準値X未満であるか否かを判定する。尚、この基準値Xは、バッテリ400への充電のためにエンジン200が運転される所定の水準Lよりも大きな値に設定されており、バッテリ残量がこの基準値X以上であることに基づいてバッテリ400の充電残量に十分な余裕があることを判定する事ができるようにその大きさが設定されている。
ステップS200において、バッテリ400の充電残量が基準量X以上である旨の判定がなされた場合(ステップS200:NO)、すなわちバッテリ400の充電残量に十分な余裕があることが判定された場合には、消費電力抑制制御の実行条件が成立していないと判断し、消費電力抑制制御を実行せずにこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS200において、バッテリ400の充電残量が基準量X未満である旨の判定がなされた場合(ステップS200:YES)には、ステップS300へと進む。そして、シートECU160から着座センサ162によって検出された情報を読み込み、シートヒータ150の設けられていない座席に乗員がいるか否か、すなわちリア中央の座席に乗員が着座しているか否かを判定する。
そして、ステップS300において、シートヒータ150の設けられていないリア中央の座席に乗員が着座している旨の判定がなされた場合(ステップS300:NO)には、消費電力抑制制御の実行条件が成立していないと判断し、消費電力抑制制御を実行せずにこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS300において、シートヒータ150の設けられていないリア中央の座席に乗員が着座していない旨の判定がなされた場合(ステップS300:YES)には、ステップS400へと進む。そして、シートECU160から各シートヒータ150の「ON」、「OFF」にかかる情報を読み込み、乗員が着座している座席のシートヒータ150が全て「ON」にされているか否かを判定する。
そして、ステップS400において否定判定がなされた場合、すなわち乗員が着座している座席のシートヒータ150の中に通電状態にされていないものがある旨の判定がなされた場合(ステップS400:NO)には、消費電力抑制制御の実行条件が成立していないと判断し、消費電力抑制制御を実行せずにこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS400において、乗員が着座している座席のシートヒータ150が全て「ON」、すなわち通電状態にされている旨の判定がなされた場合(ステップS400:YES)には、消費電力抑制制御の実行条件が成立していると判断し、ステップS500へと進んで消費電力抑制制御を実行する。
以下、図4を参照して消費電力抑制制御の内容について説明する。尚、図4は消費電力抑制制御の処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示されるようにこの処理が開始されると、エアコンECU120は、まずステップ510において、シートECU160によって把握されている「ON」になっているシートヒータ150の数Nを読み込む。
そして、ステップS520において、1つあたりに対して所定量αずつ、すなわち「所定量α×N」だけエアコン110における送風量を低減させるようにエアコン110における送風量を低減補正する。
尚、この所定量αは、シートヒータ150を1つだけ「ON」にしたときの消費電力の大きさに対応するように設定された値であり、送風量を所定量αだけ低減させることにより、シートヒータ150を1つだけ「ON」にしたときの消費電力と等しい分だけ、エアコン110の消費電力を低減させることのできる補正量として設定されている。
次に本実施形態にかかる消費電力抑制制御の作用について、図5を参照して説明する。尚、図5は消費電力抑制制御にかかる「ON」にされているシートヒータ150の数Nと、エアコン110における送風量との関係、並びに「ON」にされているシートヒータ150の数Nとエアコン110及びシートヒータ150の消費電力との関係を示すグラフである。
消費電力抑制制御が実行されているときには図5に示されるように、「ON」にされているシートヒータ150の数N、すなわち通電されているシートヒータ150の数Nが増えるほどその数Nに比例する量だけエアコン110における送風量が低減される。
例えば、「ON」にされているシートヒータ150の数Nが「0」から「1」に1つ増え、それに伴ってシートヒータ150の消費電力がAだけ増大すると、エアコン110の送風量が所定量αだけ低減されてエアコン110の消費電力がAだけ減少する。
このように「ON」にされているシートヒータ150の数Nに対応するようにエアコン110の送風量を低減させることにより、シートヒータ150への通電に伴う消費電力の増大を、エアコン110における消費電力の低減によって相殺することができる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)消費電力抑制制御実行中には、シートヒータ150への通電に起因して消費電力が増大するときにエアコン110の送風量が低減されてエアコン110の駆動にかかる消費電力が低減されるようになる。そのため、エアコン110の作動中にシートヒータ150を作動させることによる暖房装置100全体の消費電力の増大を抑制することができ、バッテリ400の充電量の低下を抑制することができるようになる。その結果、エアコン110作動中のシートヒータ150の作動に伴う消費電力の増大に起因してエンジン200による発電機330の駆動機会が増大することを抑制し、燃料消費量の増大を抑制することができる。
(2)通電されているシートヒータ150の数Nが多くなるほどその数Nに比例してシートヒータ150への通電にかかる消費電力は大きくなる。これに対して、上記実施形態では、通電されているシートヒータ150の数Nに比例するように、通電されているシートヒータ150の数Nが多いときほどエアコン110の送風量を大幅に低減させ、シートヒータ150への通電によって増大する消費電力と、送風量を低減させることによって低減される消費電力とが等しくなるようにしている。
そのため、シートヒータ150への通電による消費電力の増大を、エアコン110の送風量を低減させることによって相殺し、暖房装置100全体の消費電力が増大することを好適に抑制することができる。
(3)消費電力抑制制御の実行に伴ってエアコン110の風量が低減された場合であっても、着座している座席に設けられたシートヒータ150が「ON」になっていれば、シートヒータ150によって暖められるため、乗員は寒さを感じにくい。
これに対して、シートヒータ150が設けられていないリア中央の座席に着座している乗員がいるときに、他の座席に設けられたシートヒータ150への通電に伴ってエアコン110の送風量が低減された場合には、リア中央の座席に着座している乗員が、エアコン110の送風量の低減による暖房能力の低下によって寒さを感じるおそれがある。この点、上記実施形態では、シートヒータ150が設けられていない座席に乗員がいるか否かを判定し、シートヒータ150が設けられていないリア中央の座席に乗員が着座しているときには、消費電力抑制制御の実行を禁止するようにしている。
こうした構成によれば、シートヒータ150が設けられていないリア中央の座席に乗員が着座しているときには、他の座席のシートヒータ150が「ON」にされたとしてもエアコン110の送風量の低減を伴う消費電力抑制制御が実行されなくなる。そのため、シートヒータ150の設けられていないリア中央の座席に着座している乗員に寒さを感じさてしまうといった不都合の発生を抑制することができるようになる。
(4)また、シートヒータ150が設けられている座席に着座している場合であっても、その座席に設けられたシートヒータ150への通電が行われていない場合には、他の座席のシートヒータ150への通電に基づいてエアコン110の送風量が低減されたときに、乗員が寒さを感じるおそれがある。これに対して上記実施形態では、乗員が着座している座席のシートヒータ150が全て「ON」、すなわち通電状態にされていることを条件に消費電力抑制制御の実行を許可するようにしている。
そのため、シートヒータ150への通電が行われていないときに消費電力抑制制御が実行され、座席に着座している乗員に寒さを感じさせてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
(5)上記実施形態では、シートヒータスイッチ161の「ON」操作と連動して消費電力抑制制御を実行させる連動モードの「ON」、「OFF」を切り替える連動スイッチ127を設け、シートヒータ150への通電が行われているときにその他の実行条件が成立すると自動的に消費電力抑制制御が実行される状態(連動モード「ON」)と、シートヒータ150への通電が行われていても消費電力抑制制御が実行されない状態(連動モード「OFF」)とを切り替えることができるようにしている。そのため、連動スイッチ127を操作することにより、送風量を低減することにより暖房能力を低下させてでも燃料消費量の抑制を優先させる状態(連動モード「ON」)と、燃料消費量が増大しても送風量を低減させずに暖房能力を優先させる状態(連動モード「OFF」)とを任意に切り替えることができる。
(6)上記実施形態の構成にあっては、バッテリ残量が基準値X未満であることが消費電力抑制制御の実行条件に含まれているため、バッテリ残量が基準値X以上であり、バッテリ400の充電量に余裕があるときには、消費電力抑制制御が実行されなくなる。すなわち、バッテリ残量が少なく、エアコン110とシートヒータ150とを併用することにより充電のためにエンジン200が運転されるおそれがあるときにのみ消費電力抑制制御が実行されるようになり、頻繁に消費電力抑制制御が実行されて暖房能力が必要以上に制限されることが抑制される。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態にあっては、「ON」にされているシートヒータ150の数Nに対応する送風量の低減量を「所定量α×N」とし、シートヒータ150への通電によって増大する消費電力と送風量を低減させることによって低減される消費電力とが等しくなるようにした。これに対して、「ON」にされているシートヒータ150の数Nが多くなるほどエアコン110の送風量を低減させる構成であれば、シートヒータ150への通電によって増大する消費電力の一部を相殺するように送風量の低減量を設定する構成を採用することもできる。また、シートヒータ150への通電によって増大する消費電力よりも多くの消費電力を低減させるようにエアコン110の送風量の低減量を設定する構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、5つの座席のうち4つの座席にシートヒータ150が設けられている構成を例示したが、本願発明は、こうした構成に限定されるものではない。例えば、車室内における車両前方側に位置する座席のみにシートヒータ150が設けられている車両にあっても本願発明を適用することができる。また、その他、7つの座席を備える7人乗りの車両や、8つの座席を備える8人乗りの車両等にあっても本願発明を適用することができる。
・また、上記実施形態にあっては、シートヒータ150が設けられている座席と、シートヒータ150が設けられていない座席とを備える車両に本願発明を適用した例を示したが、全ての座席にシートヒータ150が設けられている車両にあっても本願発明を適用することができる。尚、その場合には、実行条件判定処理におけるステップS300の処理を省略することができる。
・消費電力抑制制御の実行条件は、適宜変更することができる。例えば、上記実施形態にあっては、連動モードの「ON」、「OFF」を切り替える連動スイッチ127を設け、連動スイッチ127が「ON」になっていることを条件に消費電力抑制制御を実行するようにしていたが、こうした構成を省略することもできる。
・また、実行条件判定処理のステップS200において、バッテリ400の充電残量が基準量X未満であるか否かを判定し、バッテリ400の受電残量が基準量X未満であることに基づいて消費電力抑制制御を実行する構成を示したが、この条件を省略することもできる。すなわち、バッテリ400の充電残量が基準値X未満であるか否かに拘わらず、消費電力抑制制御を実行する構成を採用することもできる。
・その他、実行条件判定処理におけるステップS300の実行条件や、ステップS400の実行条件を省略することもできる。しかし、これらの実行条件を省略した場合には、上記(3)や(4)の効果を得ることはできなくなる。
・上記実施形態にあっては、エンジン200とモータ310とを備えるハイブリッド車に本願発明の車両の暖房装置を適用する構成を示したが、本願発明は、こうしたハイブリッド車に限定されるものではない。すなわち、バッテリの充電量が所定の水準未満になったときにエンジンの駆動力を利用して発電機を駆動し、バッテリへの充電を行う車両であれば、駆動力源としてエンジンのみを備える車両であっても本願発明を適用することができる。尚、この場合には、本願発明を適用することにより、エンジンの駆動力を利用して充電を行う機会を減少させてエンジンの負荷を低減させることができるようになり、燃料消費量を抑制することができるようになる。
この発明の一実施形態にかかる車両の暖房装置、並びに同車両の駆動系の概略構成を示す模式図。 同実施形態にかかる車両の暖房装置におけるエアコンの概略構成を示す模式図。 同実施形態にかかる車両の暖房装置における消費電力抑制制御の実行条件判定処理の流れを示すフローチャート。 同実施形態にかかる車両の暖房装置における消費電力抑制制御の処理の流れを示すフローチャート。 通電されているシートヒータの数とエアコンの送風量、並びに通電されているシートヒータの数とエアコン及びシートヒータの消費電力との関係を示すグラフ。
符号の説明
100…暖房装置、110…エアコン、111…エバポレータ、112…ヒータコア、113…ブロワモータ、114…ブロワファン、115…エアミックスダンパ、116…吸い込み口切り替えダンパ、120…エアコンECU、121…内気センサ、122…外気センサ、123…水温センサ、124…日射センサ、125…エアコンスイッチ、126…温度設定スイッチ、127…連動スイッチ、150…シートヒータ、160…シートECU、161…シートヒータスイッチ、162…着座センサ、200…エンジン、210…エンジンECU、300…ハイブリッドトランスミッション、310…モータ、320…動力分割機構、330…発電機、340…変速機、350…ディファレンシャル、360L,360R…駆動輪、370…ハイブリッドECU、400…バッテリ、410…バッテリECU。

Claims (7)

  1. 内燃機関の駆動力を利用して発電する発電機と、同発電機によって発電された電力によって充電されるバッテリとを備える車両に搭載され、
    前記バッテリから供給される電力を利用して温風を送風することにより車室内を暖房するエアコンと、前記バッテリから供給される電力を利用して座席に埋設されたヒータを発熱させて座席を介して乗員を暖めるシートヒータとを備える車両の暖房装置において、
    通電されているシートヒータの数が多いときほど前記エアコンの送風量が低減するように、前記エアコンの作動中に通電されているシートヒータの数に基づいて前記エアコンの送風量を低減させる消費電力抑制制御を実行する
    ことを特徴とする車両の暖房装置。
  2. 請求項1に記載の車両の暖房装置において、
    前記消費電力抑制制御にあっては、前記シートヒータへの通電にかかる消費電力の大きさと、前記エアコンの送風量を低減させることによって低減される消費電力の大きさとが等しくなるように前記通電されているシートヒータの数に比例して大きくなるように前記送風量の低減量が決定される
    ことを特徴とする車両の暖房装置。
  3. シートヒータが設けられている座席と、シートヒータが設けられていない座席とを有する車両に搭載される車両の暖房装置であって、
    前記シートヒータが設けられていない座席に乗員が着座しているときには、前記消費電力抑制制御の実行を禁止する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の暖房装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の暖房装置において、
    乗員が着座している座席のシートヒータが全て通電状態にされていることを条件に前記消費電力抑制制御の実行を許可する
    ことを特徴とする車両の暖房装置。
  5. 前記シートヒータへの通電制御と前記エアコンの制御とを連動させて、前記エアコンが作動中であり、且つ前記シートヒータへの通電が行われていることに基づいて前記消費電力抑制制御を実行する連動状態と、
    前記エアコンの作動中に前記シートヒータへの通電が行われていても前記消費電力抑制制御を実行しない非連動状態とを切り替える切り替えスイッチを備える
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の暖房装置。
  6. 前記バッテリの充電量が所定の水準未満であることに基づいて前記内燃機関を運転させて同内燃機関の駆動力を利用して前記発電機を駆動し、前記バッテリへの充電を行うハイブリッド車に搭載される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の暖房装置。
  7. 請求項6に記載の車両の暖房装置において、
    前記バッテリの充電量が前記所定の水準よりも大きな基準値未満であることを条件に前記消費電力抑制制御を実行する
    ことを特徴とする車両の暖房装置。
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