JP2010143949A - アンダーフィル材及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、半導体封止用として好適で、シリコンチップの素子表面との密着性が非常に良好であり、耐湿性の高い硬化物を与え、特にリフロー温度260℃以上の高温熱衝撃に対して優れた封止材となり得る液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物にて封止された半導体装置に関する。
【解決手段】 (A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン系硬化剤、(C)無機充填材を含有することを必須とするアンダーフィル用液状樹脂組成物からなり、該組成物を硬化反応させる際の反応開始温度が160℃以下に調整されたことを特徴とするアンダーフィル材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体封止用として好適で、シリコンチップの素子表面(特に感光性ポリイミド、窒化膜、酸化膜)との密着性が非常に良好であり、耐湿性の高い硬化物を与え、特にリフロー温度260℃以上の高温熱衝撃に対して優れた封止材となり得る液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物にて封止された半導体装置に関する。
電気機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、CPU,GPUとよばれるような装置では実装方法もピン挿入タイプからフリップチップ実装と呼ばれる方法が主流になってきている。フリップチップ型実装とは半導体チップ表面に半田突起電極を設け、基板のパッドと呼ばれる電極に直接接続させる方法であるため半導体パッケージの最小化、高速化に最も有効な実装方法の一つである。フリップチップ型の実装をとる場合、半導体チップと基板もしくは半田の熱膨張係数がそれぞれ異なることにより発生するストレスによる突起電極の破壊を防止するため、突起電極により形成される半導体チップと基板間のギャップにアンダーフィル剤と呼ばれる樹脂の注入封止を行う。
半田を用いたフリップチップ実装では、半田突起電極と基板の良好な接続を得るためフラックスを基板または突起電極もしくは両方に処理した後リフロー炉等ではんだを溶融し接続する方法がとられる。フラックスとは、半田表面の高融点層である金属酸化物層の除去及び再酸化の防止のために用いられるものであるが、半田接続の後に行われるアンダーフィル剤の封止においてフラックスはアンダーフィル剤の注入を阻害するため、純水や溶剤等を用い洗浄除去されることが一般的である。しかしながら最近の電子回路の微細化により、電極間ピッチや突起電極の高さの狭小化が進んだことにより洗浄が細部に行き渡らずフラックスの完全な除去は困難となりフラックスの残査が残っている場合が多くなってきている。
アンダーフィル剤は100℃以上の高温で注入されるが、このような温度ではフラックスも低粘度化する。ギャップ中で低粘度化したフラックスはアンダーフィル材に対し一般的に比重が小さいため浮き上がってしまい、あたかもアンダーフィル材の充填剤が沈降したような層を形成する場合がある。このような沈降層は特に突起電極の周囲部に形成されることが多いが、標準的にフリップチップの検査で用いられるSAT検査(超音波断層撮影)において突起電極周囲にボイドがあるように見え、製品の良否判定を困難とする場合や、残渣が再溶融した際にフラックス活性を発現し、はんだ突起電極に形成された酸化物層を除去し水等のガスとして放出することによりボイドとなる問題がる。
このような問題に対しまたフラックスを高純度化及び低残渣化することにより洗浄せずそのままアンダーフィルの注入を行う方法が提案されている。(特許文献1)
またフラックス洗浄剤等をアンダーフィル材に添加しアンダーフィル材にフラックスを相溶させ除去させる方法が提案されている。(特許文献2)
しかしながら特許文献1の方法ではフラックスは少量であるが残っており、上記のような問題は残っている。またフラックスは半田成分と塩をつくる場合が多いが、その塩はUFの接着性を大きく低下させる場合が多く、デバイスの信頼性を低下させる危惧がある。
また特許文献2に用いられる、フラックス洗浄剤も、アンダーフィル剤の接着性を阻害するためデバイスの信頼性の低下が懸念される。
なお、上記記載事項の関連先行技術文献としては、下記に示す特許文献1〜特許文献3が挙げられる。
特開平8−288638号公報 特開2006−160852公報 特開2007−231146公報
本発明は、上記事項を鑑みなされたものでフラックス残渣が浮遊することなく、かつボイドの発生を防止し信頼性を高めることを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン系硬化剤、(C)無機充填材を含有することを必須とする液状エポキシ樹脂組成物であって、該組成物を硬化反応させる際の反応開始温度が160℃以下に調整することが、有効であること見出し本発明をなすことに至ったものである。
本発明のアンダーフィル材を用いることによりフラックス残渣の浮遊層が無く、かつフラックス起因のボイドの発生が無い半導体装置を提供できる。
以下、本発明の液状樹脂組成物(アンダーフィル材)および半導体装置について詳細に説明する。本発明の液状樹脂組成物は(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン系硬化剤及び(C)無機充填材が必須である。
(A)液状エポキシ樹脂
本発明におけるエポキシ樹脂は、好ましくは1分子内に2官能基以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂であればいかなるものでも使用可能であり、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの中でも室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂を使用することが好ましい。また、本発明の液状エポキシ樹脂は、上記のエポキシ樹脂の1種を単独で又は2種以上を混合して使用可能であるが、25℃における粘度が800Pa・s以下、特に500Pa・s以下の液状であることが好まし。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により25℃における値を測定したものである。
また、本発明のエポキシ樹脂は、下記構造式(1),(2)で示されるエポキシ樹脂を侵入性に影響を及ぼさない範囲で単独で、あるいは上記のエポキシ樹脂と併用して含有していてもよい。
Figure 2010143949
ここで、Rは水素原子、又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基などが挙げられる。また、xは1〜4の整数、特に1又は2である。
構造式(1)、(2)で示されるエポキシ樹脂は単独で、あるいはアンダーフィル材のTgを上げたい場合等に、上記のエポキシ樹脂と混合して使用することがより好ましい。
またエポキシ樹脂として内部応力低減のため、好ましくは、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はフェノール樹脂のアルケニル基と下記平均組成式(3)で示される1分子中の珪素原子の数が20〜400であり、珪素原子に結合した水素原子(SiH基)の数が1〜5であるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体を配合することが好ましい。
a5 bSiO(4-a-b)/2 (3)
(式中、R5は非置換又は置換の一価の炭化水素基、aは0.01〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3である。)
なお、R5の一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることができる。
上記共重合体としては、中でも下記構造式(4)のものが望ましい。
Figure 2010143949
上記式中、R5は上記と同じであり、R6は−CH2CH2CH2−、−OCH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH2CH2−又は−O−CH2CH2CH2−であり、R7は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。nは4〜199、好ましくは19〜99の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。
上記共重合体をジオルガノポリシロキサン単位が(A)液状エポキシ樹脂全体に対して0〜20質量%、特には2〜15質量%含まれるように配合することで応力をより一層低下させることができる。
上記液状エポキシ樹脂中の全塩素含有量は、1,500ppm以下、望ましくは1,000ppm以下であることが好ましい。また、100℃で50%エポキシ樹脂濃度における20時間での抽出水塩素が10ppm以下であることが好ましい。全塩素含有量が1,500ppmを超え、又は抽出水塩素が10ppmを超えると半導体素子の信頼性、特に耐湿性に悪影響を与えるおそれがある。
(B)芳香族アミン系硬化剤
本発明における硬化剤として用いる芳香族アミン系硬化剤は以下のものを用いることができる。芳香族ジアミノジフェニルメタン化合物、例えば、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン等の芳香族アミンであることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いても差し支えない。
上記芳香族アミン系硬化剤において、常温で固体である場合はそのまま配合すると樹脂粘度が上昇し、作業性が著しく悪くなるため、あらかじめエポキシ樹脂若しくは他の常温で液状のアミン系硬化剤と混合することが好ましい。エポキシ樹脂と溶融混合する場合には、70〜150℃、好ましくは70〜120℃の温度範囲で1時間〜2時間溶融混合することが望ましい。混合温度が70℃未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶しにくくなるおそれがあり、150℃を超える温度であるとエポキシ樹脂と反応して粘度上昇するおそれがある。また、混合時間が1時間未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶せず、粘度上昇を招くおそれがあり、2時間を超えるとエポキシ樹脂と反応し、粘度上昇するおそれがある。
なお、本発明に用いられる芳香族アミン系硬化剤の総配合量は、(A)液状エポキシ樹脂と(B)芳香族アミン系硬化剤との当量比〔(A)液状エポキシ樹脂のエポキシ当量/(B)芳香族アミン系硬化剤のアミン当量〕を0.7以上1.2以下、特に0.7以上1.1以下にすることが好ましい。当量比が0.7未満では未反応のアミノ基が残存し、ガラス転移温度が低下したり、また密着性が低下したりするおそれがある。逆に1.2を超えると硬化物が硬く脆くなり、リフロー時にクラックが発生するおそれがある。
(C)無機充填剤
本発明において無機充填剤は、膨張係数を小さくする目的から、公知の各種無機質充填剤を添加する。無機充填剤として、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッカアルミニウム、チッカ珪素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウムなどが挙げられる。中でも真球状の溶融シリカが低粘度化のため望ましい。
無機充填剤は、樹脂と充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
無機充填材(C)の平均粒径は、接続された後の突起電極高さ、即ちギャップ高さもしくは突起電極間ピッチから突起電極の径を引いた値、即ちギャップ幅のうち小さいほうの値に対し平均粒子径を1/10以下、最大径においても1/2以下とすることが充填性を特に向上することができるので望ましい。この寸法を超えると流動性を低下させることによるボイドが発生したり、充填材沈降により半導体チップ界面付近で充填材の少ない層が形成され、その部分の熱膨張率が大きいことによる信頼性の低下といった問題を生じるためである。
無機充填剤(特に、球状シリカ)の平均粒子径は、0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μmであることが好適である。0.3μm未満であると充填材の表面積が増大するため流動性が低下する。また20μm以上であると充填材の沈降もしくはギャップ間を充填する際に充填材のつまりを生じボイドの恐れがある。
無機充填材(C)は、硬化後の熱膨張係数を低下させるために配合するものであるが、(A)〜(C)成分の合計量に対して30質量%以下の場合は熱膨張係数が大きく、突起電極であるはんだ冷熱サイクル中に保護する能力が低い、望ましくは50質量%以上、さらに望ましくは60質量%以上であるが、樹脂注入の作業性から83質量%以上の添加は困難である。従って、無機充填材(C)は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30〜83質量%、好ましくは50〜75質量%である。
(D)硬化促進剤
本発明の液状樹脂組成物には、必須成分ではないが、(D)硬化促進剤を添加することができる。上記エポキシ樹脂と芳香族アミン硬化剤の反応開始温度が160℃よりも高い場合は添加する必要がある。160℃を超えるとフラックス残渣の浮き上がりを防止できない危惧がある。また浮き上がってくる際に半田側面の金属酸化物層を還元し水を生成しボイドを発生の恐れがある。ここで言うフラックス残渣はアンダーフィル材を注入もしくは硬化させる際にエポキシ樹脂と反応し固形物を形成する。
かかる(D)硬化促進剤としては、カルボン酸類が好適に使用可能であり、例えば安息香酸、4’−エチルビフェニル−4−カルボン酸、4’−プロピルビフェニル−4−カルボン酸、4’−ブチルビフェニル−4−カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、n−プロピルマロン酸、n−ブチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、1,1,3,5−テトラメチルオクチルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、γ−メチルシトラコン酸、メサコン酸、γ−メチルメサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロイソフタル酸、メチルヘキサヒドロテレフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,5−ジカルボン酸及びシクロヘキセン−3,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−5,6−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−3,5−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−3,6−ジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラビスベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン等が使用できる。安息香酸、サリチル酸、フタル酸のようなフェノール酸が好ましく、これらフェノール酸類をアクリル等でマイクロカプセル化したものが樹脂の可使時間の短縮を防ぐことができるためさらに好ましい。
上記の(D)硬化促進剤は、(A)〜(C)成分からなるアンダーフィル材の硬化開始温度が160℃以上となる場合に使用が必要となるものであり、硬化開始温度が160℃以上となる場合には硬化開始温度を下げるための補助材ととして添加することが好ましい。従って、その際の添加量としては硬化開始温度に応じて(A)〜(C)成分からなるアンダーフィル材に対して0〜5質量%、好ましくは0〜2質量%である。
(E)その他添加材
本発明の液状樹脂組成物には、更に必要に応じ、接着向上用炭素官能性シラン、カーボンブラックなどの顔料、染料、酸化防止剤、希釈剤その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。ただし、本発明においては、表面処理剤として使用する以外に接着向上用炭素官能性シラン等としてアルコキシ系シランカップリング剤を添加しないことが好ましい。特に、アンダーフィル材として用いる場合、少量でもアルコキシ系シランカップリング剤を配合すると、ボイドの原因となるおそれがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤を、同時にまたは別々に必要により加熱処理を加えながら攪拌、溶解、混合、分散させる。これらの混合物に混合、攪拌、分散等の装置には特に限定されないが、攪拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。これら装置を適宜組み合わせてもよい。
なお、本発明において、封止材として用いる液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において1,000Pa・s以下、特に500Pa・s以下のものが好ましい。成形条件は、常法とすることができるが、好ましくは、先に100〜120℃、0.2時間以上、特に0.4〜 0.6時間、その後130〜170℃、1時間以上、特に2〜3時間の条件で熱オーブンキュアを行う。 100〜120℃での加熱が0.2時間未満では、硬化後にボイドが発生する場合がある。また 130〜170℃での加熱が1時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。
反応開始温度の測定方法
本発明における反応開始温度とは示差走査熱量測定(通称DSC)における発熱カーブのオンセット温度として測定される。
ここでオンセット(反応開始温度)温度は以下のように定義される。試験に用いる上記液状樹脂組成物(アンダーフィル剤)を10mg程度アルミ製のパンに採取し、示差走査熱量測定器(METLER社製 DSC821)にて10℃/分で昇温しDSCカーブを得る。得られたDSCの発熱カーブを図1に示すように、1階微分のピークとなる点での接線と直線で定義されたベースラインの交点をオンセット温度と定義した。
フラックス残渣は100℃以上の高温、即ちアンダーフィル材の注入温度や硬化させる場合の温度領域においてアンダーフィル材の粘度と同程度まで粘度が低下し、その際エポキシと反応し固形物層を形成する。その層の中に充填剤が進入することは難しく充填剤のほとんど無い層となる。エポキシ樹脂組成物の反応開始温度が低い場合、即ち反応が早い場合、エポキシとフラックスの反応も早く開始し、浮遊層を防止できる。またフラックスとエポキシの反応物はフラックス活性を持たないため、はんだ表面の酸化物層を還元することが抑制されるため放出される水が低減でき、結果としてボイドの低減が可能となる。
好ましくは硬化開始温度を160℃以下とすることであるが、155℃以下とすることがさらに好ましい。またアンダーフィル材は前記のように硬化させて素子を封止するが、単にその工程のコストを低減させる目的で硬化促進材を添加させることも可能である。使用可能な硬化促進材としてはカルボン酸類が好適に使用可能であるが、アクリル等でマイクロカプセル化したものが樹脂の可使時間の短縮を防ぐことができるため更に好ましい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、液状エポキシ樹脂、芳香族アミン系硬化剤、硬化促進剤、充填剤及びその他の添加剤等を同時に又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶解、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。またこれら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
なお、本発明において、封止材として用いる液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において100Pa・s以下、特に5〜80Pa・sのものが好ましい。
本発明の液状封止樹脂組成物を用いてフリップチップタイプの半導体素子を封止し、半導体装置を製作する方法は公知の方法を用いることができる。
以下、本発明の実施例および比較例を示して具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
評価は日立超LSI社製のフリップチップ評価キット 半導体素子としてJTEG Phase 2E175 バンプ高さ50μm、ピッチ175μm、15mm×15mm×0.6mmt はんだ組成(Sn−3.0Ag−0.5Cu)を用い基板としてJKIT TYPE VI 電極数5,184ピンを用い、フラックスにTSF−6502(Kester社製)もしくはGelflux 2000BT(Cobar社製)をあらかじめ基板及び素子の突起電極部に塗布したものをフリップチップボンダーで位置決めし、更にIRリフロー炉を用いはんだ接続を行った。また参考としてフラックスを用いずフリップチップボンダーで位置決めする際、260℃に加熱し接続をおこなったパッケージでも評価を行った。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
Figure 2010143949
上表1で示す成分を3本ロールで均一に混練することにより、6種の樹脂組成物を得た。ここで反応開始温度は上表により得られた樹脂組成物を10mgアルミパンにとり示差走査熱量測定器(METLER社製 DSC821)を用い10℃/分の昇温速度の条件にて測定した。測定したDSCチャートを図2に示す。
これらの樹脂組成物を用いて、以下に示す試験を行った。
ここで用いた材料は以下のものである。
(A)液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂A:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、RE303S−L)
エポキシ樹脂B:下記式(3)で示される3官能型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート630H)
Figure 2010143949
共重合体:下記式(5)の化合物と下記式(6)の化合物との付加反応生成物
Figure 2010143949
(B)硬化剤
硬化剤A:ジエチルジアミノジフェニルメタン(カヤハードA−A 日本化薬社製、)
硬化剤B:ジエチルトルエンジアミン(分子量;178)
(C)無機充填材
球状シリカ:平均粒子径2.0μm、最大粒径15μmの真球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製)
(D)硬化促進剤
硬化促進剤:サリチル酸を20質量%内包したメタクリル酸メチルの重合体
(E)その他の添加剤
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403 信越化学工業製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製)
希釈剤:エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート
前述の半導体パッケージを110℃の熱板上で加熱し、半導体素子の一辺に混練して均一となった上表1の樹脂組成物をディスペンスし充填させ、160℃のオーブンで120分間樹脂を硬化し、半導体装置を得た。
上で得られた半導体装置を以下の方法で評価を行った。
[ボイド観察]
超音波断面観察装置(SONIX社製 Quantum 350)を用いボイドの発生状況を観察した。
[断面観察]
得られた半導体装置を断面研磨を行いフラックス層の浮きを観察した。
結果を表2に記す。
ここで用いたパッケージはフラックスとして以下のものを用いて接続させたものである。
パッケージA:TSF6502(KESTER社製)
パッケージB:Gelflux 2000BT(COBER社製)
参考としてパッケージC:フラックスを用いずフリップチップボンダーで位置決めする際、260℃に加熱し接続をおこなったパッケージ
Figure 2010143949

ここにおける断面観察においてフラックスの浮遊層無しの状態の模式図を図1に、浮き有りの模式図を図2にしめすが、参考に行ったパッケージCの断面はフラックスを用いていないためフラックス層自体が見られない。
表に示した結果から、明らかなように実施例1〜3はフラックス層の浮きあがりも無く、またボイド性も改善されている。一方比較例はボイドの発生も多く、またフラックス層の浮きが見られる。また参考に行ったフラックスを用いなかったパッケージはボイドの発生がすべてない結果となった。この結果より上記の半導体装置でのボイドは、フラックスの残渣起因と考えられるが、本発明はそれを防止する効果があることが示された。

反応開始温度の測定方法を示す図面である。 実施例1で示す組成物のDSCチャートである。 本発明のフラックス浮遊層無しの状態の一例を示す断面図である。 フラックス浮遊層ありの状態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 半導体素子
2 フラックス層
3 ソルダーレジスト
4 突起電極(ハンダ)
5 基板
6 基板電極

Claims (4)

  1. (A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン系硬化剤、(C)無機充填材を含有することを必須とするアンダーフィル用液状樹脂組成物からなり、該組成物を硬化反応させる際の反応開始温度が160℃以下に調整されたことを特徴とするアンダーフィル材。
  2. (A)液状エポキシ樹脂と(B)芳香族アミン系硬化剤との当量比〔(A)液状エポキシ樹脂のエポキシ当量/(B)芳香族アミン系硬化剤のアミン当量〕が0.7以上1.2以下である請求項1記載のアンダーフィル用液状樹脂組成物。
  3. (C)無機充填剤が上記樹脂組成物の総量中30質量%以上である請求項1乃至2記載のアンダーフィル用液状樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物を、フリップチップ型半導体装置のダイ基板間のギャップに注入し硬化させ封止したフリップチップ型半導体装置。
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