JP2010209176A - 有機繊維材被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

有機繊維材被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】加工性を損なうことなく、加硫速度と耐疲労性を向上することができる有機繊維材被覆用ゴム組成物であり、かかるゴム組成物で有機繊維材を被覆してなる有機繊維補強層を備えた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、下記一般式(1)で表されるアルキル基変性糖誘導体を0.5重量部以上10重量部以下含有するとともに、加硫促進剤を0.1重量部以上2.0重量部以下含有する有機繊維材被覆用ゴム組成物。
Figure 2010209176

【選択図】なし

Description

本発明は、有機繊維材被覆用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えば空気入りタイヤにおいては、ナイロンやポリエステルなどの有機繊維材をゴム組成物で被覆してなる有機繊維補強層が、カーカスやチェーファーなどとして設けられている。
例えば、下記特許文献1には、ポリエステルなどの有機繊維からなるカーカスコードをゴム組成物で被覆してなるカーカス層を備えたタイヤが開示されており、前記ゴム組成物として、硫黄と、ベンゾチアジルスルフェンアミド類及びメルカプトベンゾチアゾールから選ばれた少なくとも1種の1次加硫促進剤と、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート及びテトラベンジルチウラムジスルフィドから得られた少なくとも1種の2次加硫促進剤とを配合することが開示されている。
下記特許文献2には、ビード部におけるカーカスの巻き上げ部の外側に、有機繊維の織物をゴム組成物で被覆してなるチェーファーを設けたタイヤが開示されており、前記ゴム組成物として、ブタジエンゴムを含むゴム成分に、シリカと、レゾルシン又はその誘導体と、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体とを配合することが開示されている。
下記特許文献3には、上記チェーファーの被覆ゴムとして、ジエン系ゴムに、スルフェンアミド系の第1の加硫促進剤と、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及び亜鉛ジベンジルジチオカルバメートからなる群より選択される少なくとも1種の第2の加硫促進剤と、レゾルシン又はその誘導体と、メチレン供与体とを配合することが開示されている。
これらの技術によりタイヤの耐久性を向上することができたが、タイヤの更なる長寿命化が求められており、有機繊維材被覆用ゴム組成物においても耐疲労性の向上が求められている。
ところで、ゴム組成物にデンプンなどの糖類を添加する技術が従来知られている。例えば、下記特許文献4には、スチールコードとの接着性を向上するために、D−フラクトースやD−グルコースなどの単糖類、糖アルコール、多糖類などをジエン系ゴムに配合することが提案されている。
下記特許文献5には、破壊特性、ウェットグリップ性及び発熱性や加工性を損なうことなく、耐接着老化性を改良するため、有機繊維補強層用ゴム組成物に、単糖類や、二糖類以上の多糖類、更にはこれらの誘導体である、糖アルコール、デオキシ糖、アミノ糖、配糖体、ウロン酸、糖脂肪酸エステルなどの糖類を配合することが開示されている。
下記特許文献6には、耐摩耗性を損なうことなく、ウェットグリップ性と低燃費性を向上させるために、ジエン系ゴムとデンプンなどの糖類との複合体を配合することが提案されている。
このように従来、ゴム組成物に糖類を配合することは知られていたが、本発明特有のアルキル基変性糖誘導体を配合することは提案されておらず、またそれによる有利な作用効果である耐疲労性の向上効果も知られていなかった。
特開平11−049897号公報 特開平11−263102号公報 特開2008−069207号公報 特開平07−118457号公報 特開平11−071481号公報 特開2005−272507号公報
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、加工性を損なうことなく、耐疲労性を向上することができる有機繊維材被覆用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る有機繊維材被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対して、グルコースに第1級アルコールを反応させてなるアルキル基変性糖誘導体を0.5重量部以上10重量部以下含有するとともに、加硫促進剤を0.1重量部以上2.0重量部以下含有し、前記加硫促進剤中にジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤及びチウラム系加硫促進剤からなる群から選択された少なくとも1種を0.1重量部以上0.5重量部以下含有するものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物で有機繊維材を被覆してなる有機繊維補強層を備えたものである。
本発明によれば、上記特定の加硫促進剤とともに、上記アルキル基変性糖誘導体を配合することで、加工性を損なうことなく、耐疲労性を向上することができ、また、加硫速度を向上することができる。従って、タイヤの長寿命化に寄与することができるだけでなく、生産性も向上することができる。
重荷重用空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。
1…ビード部、2…ビードコア、3…カーカス、
4…カーカスの巻き上げ部、5…チェーファー
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムを含有する。ジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)などが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、単独又は2種類以上が含まれていてもよい。これらの中でも、NR、IR、SBR及びBRからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、更には、NR及び/又はIRの単独、又は、NR及び/又はIRが60重量%以上と、SBR及び/又はBRが40重量%以下のブレンドゴムであることが好ましい。
本発明のゴム組成物に配合されるアルキル基変性糖誘導体は、グルコースに第1級アルコールを反応させてなるものである。グルコースとしては、D−グルコースでもL−グルコースでもよいが、天然物であるブドウ糖、すなわちD−グルコースを用いることが好ましい。また、第1級アルコールとしては、炭素数が1〜25の飽和アルコールを用いることが好ましい。
従って、アルキル基変性糖誘導体としては、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシドを用いることが好ましい。このような天然ブドウ糖由来のアルキル基変性糖誘導体を用いることは、石油資源由来の原料の低減にもつながる。この場合、該グルコピラノシドとしては、α型(すなわち、アルキル−α−D−グルコピラノシド)でも、β型(すなわち、アルキル−β−D−グルコピラノシド)でもよく、また両者の混合物でもよい。ここで、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基が挙げられる。
アルキル基変性糖誘導体として、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるアルキル−α−D−グルコピラノシドを用いることである。
Figure 2010209176
上記式中、nは0〜24の整数である。(n+1)で表されるアルキル基の炭素数は、これが大きすぎると、グルコース部分の寄与が小さくなって添加効果がパラフィンオイルに近づく傾向となるので、25以下であることが好ましい。nは、より好ましくは、0〜12の整数であり、更に好ましくは、2〜10の整数である。
アルキル−D−グルコピラノシドは、下記式(2)のように、ブドウ糖に第1級アルコールを反応させることで得られるものである。この反応は、例えば、ブドウ糖と第1級アルコールとを塩酸及びカチオン交換樹脂の存在下に加熱反応させる方法(特公昭50−13770号公報参照)、触媒としてカチオン交換樹脂(スチレンとジビニルベンゼンを重縮合して製造した三次元高分子基体に交換基としてスルホン酸基を結合させたもの)を固定床として用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平6−92984号公報参照)、触媒としてトランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ)を用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平7−87992号公報参照)、ブドウ糖と第1級アルコールとを粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなど)の存在下で反応させる方法(特開平10−204095号公報参照)などにより行うことができる。
Figure 2010209176
前記アルキル基変性糖誘導体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましい。この配合量が0.5重量部未満では、その添加効果が不十分であり、逆に10重量部を超えると、加工性が悪化する。アルキル基変性糖誘導体の配合量の下限は、より好ましくは1重量部以上であり、上限は、より好ましくは5重量部以下である。
本発明のゴム組成物には、加硫促進剤が、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜2.0重量部にて配合される。加硫促進剤の配合量が2.0重量部を超えると、耐スコーチ性が悪化して加工性に劣るとともに、耐疲労性も悪化する。加硫促進剤の配合量は、より好ましくは0.5〜1.8重量部であり、更に好ましくは0.8〜1.5重量部である。
本発明のゴム組成物には、前記加硫促進剤として、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤及びチウラム系加硫促進剤からなる群から選択された少なくとも1種を0.1〜0.5重量部配合することが好ましい。この配合量が0.1重量部未満では、その添加効果が不十分であり、0.5重量部を超えると、耐スコーチ性が悪化して加工性に劣るとともに、耐疲労性も悪化する。この配合量は、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
前記ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBzDTC)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaBDC)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TeEDC)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(CuMDC)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(FeMDC)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上併用してもよい。これらの中でも、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛を用いることが特に好ましい。
前記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上併用してもよい。TBzTDとTOTは、アミノ基の置換基として嵩高い炭化水素基(ベンジル基、2−エチルヘキシル基)を持ち、そのため初期の反応性を抑えることができることから、チウラム系加硫促進剤として特に好適である。
本発明のゴム組成物において、加硫促進剤としては、上記のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤及び/又はチウラム系加硫促進剤とともに、スルフェンアミド系加硫促進剤を併用することが好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤を併用することで、上記本発明の効果をより高めることができる。スルフェンアミド系加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.7〜1.5重量部であることが好ましい。
前記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。
本発明のゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体を配合することができる。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することで、ゴムと有機繊維材との接着性を高めることができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、又はレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂が好ましく用いられる。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が用いられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
上記メチレン受容体の配合量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜2.5重量部であることが好ましい。また、メチレン供与体の配合量としては、メチレン受容体の配合量の0.5〜2倍に相当する重量であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、その他の配合剤として、カーボンブラック、シリカなどの充填剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、プロセスオイル、加硫剤など、有機繊維材被覆用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。なお、上記加硫剤としては、硫黄が好ましく、硫黄は、ジエン系ゴム100重量部に対して1〜5重量部配合されることが好ましい。該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやロール、ニーダー等の混合機を用いて混練し作製することができる。
以上よりなるゴム組成物は、ナイロンやポリエステル、アラミドなどの有機繊維材を被覆するためのゴムとして用いられる。好ましくは、空気入りタイヤのカーカスやチェーファーの被覆ゴム(トッピングゴム)として用いることである。すなわち、本発明に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物で有機繊維材を被覆してなる有機繊維補強層を備えるものであり、このような有機繊維補強層としては、有機繊維コードをゴム組成物で被覆してなるカーカス、有機繊維の織物をゴム組成物で被覆してなるチェーファーなどが挙げられる。特には、トラックやバスなどの大型車に用いられる重荷重用タイヤにおいてビード部を補強するためのチェーファーに用いられることが好適である。このような大型の重荷重用タイヤにおいてビード部に埋設される部材では、一般に加硫時の熱まわりが悪いことから、加硫速度の速い上記ゴム組成物であれば生産性の向上効果が高いからである。また、チェーファーは、リムフランジよりも径方向外方側に配される部分において屈曲変形が大きいので、耐疲労性に優れる上記ゴム組成物であれば耐久性の向上効果が高いからである。
図1は、このようなチェーファーを持つ重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例に係る半断面図を示したものである。左右一対のビード部(1)には、ビードワイヤーをタイヤ周方向に巻回してなる環状のビードコア(2)が埋設されている。これら一対のビード部(1)間にまたがって延びるカーカス(3)が設けられ、該カーカス(3)は、複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列し、コーティングゴムで被覆してなる層の少なくとも一層からなるものであり、両端部がビード部(1)においてビードコア(2)の回りにタイヤ内側から外側に巻き上げられることで係止されている。
そして、このビード部(1)におけるカーカス(3)の巻き上げ部(4)の外側に隣接させてチェーファー(5)が設けられている。チェーファー(5)は、例としてナイロン繊維コードの簾織の両面にトッピングゴムを被覆してなるものであり、このトッピングゴムとして上記ゴム組成物が用いられている。なお、このチェーファー(5)は、上記コードがタイヤ径方向に対して傾斜するように配される。
チェーファーの構成は、図1に示す態様に限定されるものではなく、カーカスを保護するように様々な形態で設けることができる。例えば、カーカスの巻き上げ部の外面に隣接させて、スチールコード補強層などの補強層を設けた上で、この補強層の外面に隣接させて上記チェーファーを設けてもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、各成分を添加混合して、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS3号、
・SBR:スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製「SBR1502」、
・加硫促進剤CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーCZ」、
・加硫促進剤TBzTD:テトラベンジルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーTBzTD」、
・加硫促進剤ZnBzDTC:ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーZTC」、
・D−グルコース:ナカライテスク株式会社製「D−(+)−グルコース」、
・アルキル基変性糖誘導体A:ブチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=3、群栄化学工業株式会社製「GS−AG4S」、
・アルキル基変性糖誘導体B:オクチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=7、群栄化学工業株式会社製「GS−AG8S」、
・アルキル基変性糖誘導体C:デシル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=9、群栄化学工業株式会社製「GS−AG10S」。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製「シースト300」)50重量部、プロセスオイル(株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP−200」)5重量部、亜鉛華(三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華3号」)5重量部、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−25」)1重量部、老化防止剤6PPD(フレキシス社製「サントフレックス6PPD」)1重量部、硫黄(フレキシス社製「ミュークロンHS OT−20」)3重量部、レゾルシン誘導体(住友化学工業株式会社製「スミカノール620」、レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂)1重量部、及びメラミン誘導体(三井サイテック株式会社製「サイレッツ963L」、ヘキサメトキシメチルメラミン)1重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、加工性(粘度)、耐スコーチ性及び加硫速度を測定するとともに、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、破断強度、耐屈曲疲労性及び接着性を測定した。各測定方法は次の通りである。
・加工性(粘度):JIS K6300に準拠して、100℃での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を測定した。結果は、比較例1の測定値を100とした割合を示す指数で表示した。指数が小さいほど、粘度が低く加工性に優れることを示す。
・耐スコーチ性:JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験を、レオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度125℃で測定時のt5値を求めた。この値が大きいほど耐スコーチ性が良好であることを示す。
・加硫速度t50:JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験を、レオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度150℃で測定時のt50値を求めた。この値が小さいほど加硫速度が速いことを示す。
・破断強度(MPa):JIS K6251に準拠して引張試験(ダンベル3号)を実施した。
・耐屈曲疲労性:JIS K6260に準拠してデマチャ屈曲試験機を用い、比較例1の亀裂発生回数を100とした際の割合を示す指数で表示した。数値が大きいほど耐屈曲疲労性が良好である。
・接着性:ナイロンコードをシーティングした評価ゴムで挟み込んだコード部材を作製し、該コード部材を2枚重ねて150℃×20分の条件で加硫して、25mm幅の評価用の試験片を作製した。JIS K6256に準拠した剥離試験を行い、剥離後のナイロンコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。ナイロンコードとゴムの接着性が良好な場合でも、ナイロンで破壊が発生する場合もある。その場合も100%とした。数値が大きいほど、接着性が良好である。
Figure 2010209176
結果は表1に示すとおりであり、コントロールである比較例1に対し、単にチウラム系加硫促進剤を用いた比較例2では、加硫速度は向上したものの、耐屈曲疲労性の向上効果は認められなかった。また、チウラム系加硫促進剤とともにアルキル基変性糖誘導体を配合したものの、加硫促進剤全体の量が多すぎる比較例3では、加硫速度は大幅に向上したものの、耐スコーチ性が損なわれて加工性が悪化し、また、耐屈曲疲労性も悪化した。また、比較例4ではアルキル基変性糖誘導体の配合量が多すぎ、耐屈曲疲労性は改善されたものの、加工性が悪化し、破断強度も悪化した。比較例5ではチウラム系加硫促進剤の配合量が多すぎ、加硫速度は向上したものの、耐スコーチ性が損なわれて加工性が悪化し、また、耐屈曲疲労性も悪化した。アルキル基変性糖誘導体の代わりにグルコースを配合した比較例6では、比較例1に対して加硫速度は向上したものの、耐スコーチ性及び耐屈曲疲労性が悪化した。
これに対し、アルキル基変性糖誘導体とともに、加硫促進剤としてチウラム系加硫促進剤又はジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤を所定量配合した実施例1〜8であると、比較例1に対し、破断強度及び加工性の悪化なく、加硫速度が速くなり、また耐屈曲疲労性が改良されていた。また、比較例2との対比でも、加工性及び破断強度を損なうことなく、加硫速度が更に速く、耐屈曲疲労性が向上していた。
本発明に係る有機繊維材被覆用ゴム組成物は、加工性を損なうことなく、加硫速度を速くし、また耐疲労性を向上することができるので、例えば、空気入りタイヤに設けられる有機繊維補強層の被覆ゴムとして好適に用いることができ、これによりタイヤ性能のみならず、生産性も向上することができる。特には、トラックやバスなどの大型車に用いられる重荷重用タイヤにおいてビード部を補強するためのチェーファーに好適である。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、
    グルコースに第1級アルコールを反応させてなるアルキル基変性糖誘導体を0.5重量部以上10重量部以下含有するとともに、
    加硫促進剤を0.1重量部以上2.0重量部以下含有し、前記加硫促進剤中にジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤及びチウラム系加硫促進剤からなる群から選択された少なくとも1種を0.1重量部以上0.5重量部以下含有する
    有機繊維材被覆用ゴム組成物。
  2. 前記アルキル基変性糖誘導体は、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシドである、請求項1記載の有機繊維材被覆用ゴム組成物。
  3. 前記アルキル基変性糖誘導体が下記一般式(1)で表されるものである請求項2記載の有機繊維材被覆用ゴム組成物。
    Figure 2010209176
    (式中、nは0〜24の整数である。)
  4. 前記一般式(1)のnが0〜12の整数である請求項3記載の有機繊維材被覆用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物で有機繊維材を被覆してなる有機繊維補強層を備えた空気入りタイヤ。
  6. 前記有機繊維補強層が、ビード部においてカーカスの巻き上げ部の外側に配されたチェーファーである請求項5記載の空気入りタイヤ。
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