JP2010210094A - ホース - Google Patents

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真洋 中山
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Abstract

【課題】 著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難い、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管などとして好適なホースを提供すること。
【解決手段】 ポリエチレンとエチレン−オクテン共重合体を含有してなる組成物を管状に成型したホース内層と、樹脂又は金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の耐圧補強層とからなり、上記組成物の結晶融解熱量が3.9〜25.5J/gであり、上記ホース内層の先端部を空中に100mm突出させ、この先端部に100gの荷重を加えた際、上記ホース内層の撓み量が50mm以上であり、且つ、上記内層ホースを長さ1000mm採取して直径200mmの円筒に巻付けた状態で90℃の温水に1分間浸漬した後20℃の水で冷却し、片端に100gの錘を吊り下げた際、上記内層ホース両端間の距離が元の長さの97%以上となるホース。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、水道用配管、給水・給湯用配管や、暖房等の不凍液配管に好適に使用することが可能なホースに係り、特に、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難いものに関する。
浴室、洗面台、流し台等の水栓に取り付けられ、他端に吐出口を有するヘッドが取り付けられるホースとして、例えば、内層のホースと、この外周に形成され、樹脂や金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の補強層から構成されたものが知られている(参考として、特許文献1参照。)。このようなホースは、例えば浴室のシャワーのように、ヘッドを手に持って吐出方向や吐出位置を操作することとなるため、操作し易いように柔軟性に特に優れている必要がある。そのため、内層のホースとして、可塑剤により柔軟性を向上させた軟質塩化ビニル樹脂が使用されていた。
しかしながら、上記のように、浴室、洗面台、流し台等の用途において内層のホースとして軟質塩化ビニル樹脂を使用すると、洗剤等の付着により可塑剤が溶出して内層のホースが硬化し、亀裂を生じ易くなることから、長期使用に対する耐久性が不十分であるという問題点があった。又、軟質塩化ビニル樹脂には塩素が含有されているため、廃棄のためにホースを焼却するとダイオキシン等の有害な物質を大気中に放出する危惧があり、環境に対してマイナスとなってしまう場合がある。
そのため、軟質塩化ビニル樹脂の代替となる材料について種々検討がなされているが、その一つとしてエチレン系樹脂が挙げられており、内層のホースとしてエチレン系樹脂を使用したホースが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
又、給水・給湯ホースに関連する発明として、当該出願人から特許文献3〜特許文献9が出願されている。
特開平6−57795号 特開2004−44780号 特開2001−141134号 特開2004−100831号 特開2004−82725号 特開2004−84955号 特願2003−357207号 特願2003−424835号 特願2004−44031号
しかしながら、上記特許文献2のように、内層のホースとして従来公知のエチレン系樹脂を使用した場合には、望まれているだけの柔軟性が得られないとともに、冷熱サイクルを加えた際にクセが付いてしまい、特に、ホースを曲げた状態で冷却すると、その形状で固定されてしまうという問題があった。これらのような問題があると、ヘッドを手に持って吐出方向や吐出位置を操作することが非常に困難となってしまうことが考えられる。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難い、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管などとして好適なホースを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるホースは、ポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる組成物を管状に成型したホース内層と、樹脂又は金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の耐圧補強層とからなるホースにおいて、上記組成物の結晶融解熱量が3.9J/g以上25.5J/g以下であり、上記エチレン系共重合体がエチレン−オクテン共重合体であるとともに、上記ホース内層の先端部を空中に100mm突出させ、この先端部に100gの荷重を加えた際、上記ホース内層の撓み量が50mm以上であり、且つ、上記内層ホースを長さ1000mm採取して直径200mmの円筒に巻付けた状態で90℃の温水に1分間浸漬した後20℃の水で冷却し、片端に100gの錘を吊り下げた際、上記内層ホース両端間の距離が元の長さの97%以上となることを特徴とするものである。
又、請求項2記載のホースは、上記組成物は、エチレン系共重合体に含有されるコモノマー成分の含有量が、ポリエチレンとエチレン系共重合体の合計量に対して15.8重量%以上22.5重量%以下であることを特徴とするものである。
又、請求項3記載のホースは、上記エチレン−オクテン共重合体がシングルサイト触媒下にて重合させたものであることを特徴とするとするものである。
又、請求項4記載のホースは、上記ホース内層が電子線照射により架橋されていることを特徴とするとするものである。
本発明によれば、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難い、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管などとして好適なホースを得ることができる。
本発明の実施例によって得られた、耐圧補強層を形成したホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 撓み量測定の方法を示した概略図である。 温水クセ付き評価の方法を示した概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係るホースについて説明をする。実施の形態において用いられるホース内層は、ポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる組成物から構成されている。
ポリエチレンは、従来より種々のものが公知であるが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、ホースの柔軟性が低下しまう傾向がある。又、ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しているため、移送する水に殺菌のための次亜塩素酸が注入されていたとしても、塩素によるホースの劣化を防止することができる。
エチレン系共重合体は、エチレンと他のコモノマー成分を共重合させたものであり、エチレン重合体のポリエチレンに対して、柔軟性に優れていることは良く知られている。エチレン系共重合体に使用されるコモノマー成分としては、例えば、α−オレフィン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、などが挙げられる。又、このエチレン系共重合体は、上記コモノマー成分のほかに第3成分としてジエン成分を共重合したものも考えられる。これらの中でも、エチレンとα−オレフィンを共重合させたエチレン−α−オレフィン共重合体は、特に柔軟性に優れた共重合体が得られ、無味無臭であることから移送させる水に味や臭いを移さないため、飲料水用のホースの組成物としても特に好適に使用することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンが共重合されたものであり、柔軟性に優れた材料である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。本発明における組成物には、これらの中でも、エチレンとオクテン−1が共重合された、エチレン−オクテン共重合体が含有されることが好ましい。このエチレン−オクテン共重合体は、特に柔軟性に優れる材料である。尚、エチレン−α−オレフィン共重合体は各種市販されているので、それらを適宜に選択して使用しても良い。
エチレンとα−オレフィンの重合方法は特に限定されないが、シングルサイト触媒下にて重合させたものであることが好ましい。シングルサイト触媒下にて重合させたエチレン−α−オレフィン共重合体は、分子量分布を狭く重合できるため、べたつきや悪臭の原因となる低分子量成分が少ないことから、給水・給湯用ホースに好適に使用することができる。
実施の形態において用いられる組成物は、上記のようにポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる構成としている。このような構成としているのは、以下の理由によるものである。即ち、この組成物を給湯ホースとして使用する場合、十分な耐熱性を有することが必要となるため、組成物の融点(例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置などによるピーク値)がホース内を移送する湯の温度以上であることが要求される。これは、組成物の融点が、湯の温度以下の場合、使用時にホースが軟化し、十分な性能を得ることが困難となるためである。通常、給湯に使用される湯の温度は90℃程度に達することもあるのだが、エチレン系共重合体は柔軟性に優れているものの、融点が約64℃〜75℃と低く、十分な耐熱性を得ることができない。一方、ポリエチレンは100℃を超える融点を有しているものの、柔軟性に乏しいものである。本実施の形態によるホース内層は、これらポリエチレンとエチレン系共重合体を共に含有してなる組成物を使用するため、耐熱性を満足した上で著しく優れた柔軟性を得ることができる。
上記のポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる組成物は、エチレン系共重合体にコモノマー成分が含有されているため、エチレン系共重合体の含有量により、組成物内のコモノマー成分の含有量を調整することが可能である。又、コモノマー成分の共重合比が異なるエチレン系共重合体を適宜選択することでも、組成物内のコモノマー成分の含有量を調整することが可能である。本発明においては、この組成物内のコモノマー成分の含有量によって、耐熱性と柔軟性を所望の特性とすることができる。即ち、組成物に含まれるコモノマー成分の含有量により、組成物の結晶成分の割合が変化し、結晶成分の割合により、組成物の柔軟性を変えることが可能となる。また、コモノマー成分の含有量を増やした場合、非晶質部分の割合の増加により、組成物の融点は低下する。本発明では、上記コモノマー成分の含有量は15重量%以上であることが好ましい。コモノマー成分の含有量が15重量%以上であれば、給湯に使用されるに必要な耐熱性を維持しつつ、柔軟性を向上させることができる。又、コモノマー成分の含有量を多くすることにより、柔軟性は良くなるが、組成物の融点は低下するため、組成物中のコモノマー成分の含有量が23重量%以下であることが更に好ましい。つまり、コモノマー成分の含有量が23重量%以下であれば、組成物の柔軟性を維持しつつ、融点の低下を抑えることができ、十分な耐熱性を得ることができる。尚、ここでコモノマー成分の含有量とは、エチレン系共重合体に対するコモノマー成分の共重合比ではなく、ポリエチレンとエチレン系共重合体の合計量に対するコモノマー成分の含有量をいう。
又、上記組成物に、他の配合材料を加えて所望の特性を得ることも可能である。例えば、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させても良い。
これらのような材料を混合して得られた組成物は、結晶融解熱量が30J/g以下である必要がある。ここで、結晶融解熱量とは、組成物中の結晶成分が融解した際に吸収する熱量のことであり、組成物中の結晶成分が増加するほど結晶融解熱量も増加する。この結晶成分が増加すると、組成物は硬くなる傾向にあるため、結晶融解熱量が30J/gを超えるものであると、柔軟性が低下してしまうとともに、冷熱サイクル、特に、急冷によってクセが付き易くなってしまう。尚、結晶融解熱量は、示差走査熱量測定(DSC)装置にて、組成物を室温から200℃まで昇温させ、吸熱量の合計を測定することによって求められる。
ホース内層の肉厚は、0.6〜3mmの範囲とすることが好ましい。肉厚が0.6未満では、ホースを曲げた時に坐屈し易くなったり、実使用に耐え得る十分な耐圧性を得ることが困難となったりする可能性がある。一方、肉厚が3mmを超えると、柔軟性が低下して曲げ難くなってしまい、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなってしまう可能性がある。
実施の形態では、上記の組成物を押出成形等の公知の成形手段で管状に成形した後、架橋を施すことが好ましい。架橋を施すのは、上記したようなポリエチレンとエチレン系共重合体を含有する組成物を給湯ホースとして使用する場合、ホース内を移送する湯の温度は90℃程度に達する場合もあることから、その場合は架橋を施すことによって高温での耐圧性を高める必要があるからである。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線架橋などが挙げられるが、これらの中でも電子線架橋を採用することが好ましい。この理由としては、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能なためである。更には、電子線架橋は、過酸化物架橋よりも処理速度が速く、シラン架橋と違い連続架橋が可能であることから、製造にかかるコストを低く抑えることが可能なためである。
このようにして得られたホース内層の外周には、耐圧性を付与する目的や、押圧、磨耗などによる損傷を防止する目的で、耐圧補強層を形成しても良い。耐圧補強層としては、例えば、樹脂や金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造のもの、軟質ステンレス線や硬質ステンレス線などの金属細線を引き揃え、編組又は横巻きすることにより形成したもの、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維を用い、これを編組又は横巻きすることにより形成したもの、高分子材料などを押出成形等の公知の成形手段によって形成したものなどが挙げられる。これらは、一種類を単独で用いても良いし、複数種類を組合せて用いても良い。要は、ホースの使用形態に応じて適宜に形成すれば良い。例えば、ホースの外周にナイロン繊維を編組し、その外周に高分子材料を押出成型によって被覆し、更にその外周に金属帯を蛇腹状に成型したものを形成して耐圧補強層とすることも考えられる。
上記の耐圧補強層に用いられる高分子材料としては、例えば、オレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ナイロン系エラストマー、スチレン系エラストマーなど、特に限定はなく、柔軟性に優れる材料を適宜選定すれば良い。特に、非晶質ポリプロピレンなどの非晶質ポリα−オレフィンや、非晶質ポリα−オレフィンとスチレン系エラストマーの混合物を含有したものは、柔軟性に優れているため好ましい。
又、耐圧補強層として高分子材料などを押出成形等の公知の成形手段によって形成したものとする際には、ホース内層と耐圧補強層とを強固に接着一体化させることを目的として、ホース内層の外周面に接着処理を施しても良い。接着処理の方法としては、例えば、表面粗面化などの物理的改質、コロナ放電やプラズマ放電による放電処理、放射線処理、UV処理、レーザー処理、火炎処理、プライマーなどの親和層形成などの方法が挙げられる。又、上記以外の方法としては、例えば、ホースの外周に、ホース及び耐圧補強層と親和性を有する材料、例えば、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エポキシ系、合成ゴム系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、エチレン共重合系などの樹脂又はエラストマーから適宜に選択し、単独もしくは2種以上を組合せて接着層を形成することも考えられる。接着層の形成方法に特に限定はなく、例えば、接着層単独で押出成形しても良いし、ホース内層又は耐圧補強層と共押出成形しても良い。又、2種以上の接着層を多層に組合せても良い。又、ホース内層が電子線照射により架橋されていれば、ホース内層の表面が改質されることになるため、これらの接着処理の効果が向上し、ホース内層と耐圧補強層とがより強固に接着一体化するものとなる。
このようにして得られたホースの多くは、その両端に相手部材に接続するための接続継手が取り付けられて実使用に供される。接続継手としては、金属や樹脂などにより加工されたものが公知である。
実施の形態のホース内層は、上述したように、ポリエチレンとエチレン系共重合体を含有し、結晶融解熱量が30J/g以下の組成物を使用している。そのため、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難いホースを得ることができる。
又、ポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる組成物が、コモノマー成分の含有量が15重量%以上であれば、得られる組成物の耐熱性を維持しつつ、柔軟性を更に向上させることができる。
又、エチレン系共重合体として、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体を使用すれば、ホースの柔軟性を更に向上させることができるとともに、無味無臭であることから移送させる水に味や臭いを移さないため、飲料水用のホースとしても特に好適に使用することができる。
又、ホース内層を架橋していれば、高温での耐圧性を高めることができるため、高温の湯を移送する給湯ホースとして好適に使用することができる。更に、架橋が電子線架橋によるものであれば、架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能であるとともに、製造にかかるコストを低く抑えることが可能である。
又、使用用途に合った耐圧補強層を形成することにより、更なる耐圧性を付与することができる。従って、このホースは、水道水配管、給水・給湯用配管や、暖房等の不凍液配管などとして好適に使用することが可能である。
以下、本発明の参考の形態に係るホースについて説明をする。参考の形態において用いられるホースは、ポリエチレンとシングルサイト触媒下にて重合させたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を含有してなる組成物から構成されている。
ポリエチレンは、従来より種々のものが公知であるが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、チューブの柔軟性が低下しまう傾向がある。又、ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しているため、移送する水に殺菌のための次亜塩素酸が注入されていたとしても、塩素によるホースの劣化を防止することができる。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、エチレンとプロピレンとジエンを共重合させたものであり、エチレン重合体のポリエチレンに対して、柔軟性に優れていることは良く知られている。この中でも、本参考の形態によるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、シングルサイト触媒下にて重合させたものである。シングルサイト触媒下にて重合させたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、分子量分布が狭いという特徴があり、べた付きや悪臭がないことから、給水・給湯用ホースには好適に使用される。
参考の形態において用いられる組成物は、上記のようにポリエチレンとエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を含有してなる構成としている。このような構成としているのは以下の理由によるものである。即ち、本発明によるホースは、著しく優れた柔軟性を必要とするものである。ポリエチレンは上記したように耐塩素性に優れるとともに、成形性にも優れているため、ホースの材料として好適なものであるが、柔軟性については十分なものではない。一方、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体は柔軟性に優れているものであるが、成形性に劣り、管状の成型、特に、薄肉のものを成型することは困難なものである。本参考の形態によるホースは、このようなポリエチレンとエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を共に含有してなる組成物を使用しているため、成形性を満足した上で著しく優れた柔軟性を得ることができる。更に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体として、シングルサイト触媒下にて重合されたものを使用することで、ホース表面のべた付きを抑えることができる。べた付き抑制の効果は、ホースに架橋を施す場合には、より顕著に現れる。
又、上記組成物に、他の配合材料を加えて所望の特性を得ることも可能である。例えば、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させても良い。
ホースの肉厚は、0.6〜3mmの範囲とすることが好ましい。肉厚が0.6未満では、ホースを曲げた時に坐屈し易くなったり、実使用に耐え得る十分な耐圧性を得ることが困難となったりする可能性がある。一方、肉厚が3mmを超えると、柔軟性が低下して曲げ難くなってしまい、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなってしまう可能性がある。
参考の形態では、上記の組成物を押出成形等の公知の成形手段で管状に成形した後、架橋を施すことが好ましい。架橋を施すのは、上記したようなポリエチレンとエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を含有する組成物を給湯ホースとして使用する場合、ホース内を移送する湯の温度は90℃程度に達する場合もあることから、その場合は架橋を施すことによって高温での耐圧性を高める必要があるからである。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線架橋などが挙げられるが、これらの中でも電子線架橋を採用することが好ましい。この理由としては、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能なためである。更には、電子線架橋は、過酸化物架橋よりも処理速度が速く、シラン架橋と違い連続架橋が可能であることから、製造にかかるコストを低く抑えることが可能なためである。
このようにして得られたホースの外周には、耐圧性を付与する目的や、押圧、磨耗などによる損傷を防止する目的で、耐圧補強層を形成しても良い。耐圧補強層としては、例えば、樹脂や金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造のもの、軟質ステンレス線や硬質ステンレス線などの金属細線を引き揃え、編組又は横巻きすることにより形成したもの、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維を用い、これを編組又は横巻きすることにより形成したもの、高分子材料などを押出成形等の公知の成形手段によって形成したものなどが挙げられる。これらは、一種類を単独で用いても良いし、複数種類を組合せて用いても良い。要は、ホースの使用形態に応じて適宜に形成すれば良い。例えば、ホースの外周にナイロン繊維を編組し、その外周に高分子材料を押出成型によって被覆し、更にその外周に金属帯を蛇腹状に成型したものを形成して耐圧補強層とすることも考えられる。
上記の耐圧補強層に用いられる高分子材料としては、例えば、オレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ナイロン系エラストマー、スチレン系エラストマーなど、特に限定はなく、柔軟性に優れる材料を適宜選定すれば良い。特に、非晶質ポリプロピレンなどの非晶質ポリα−オレフィンや、非晶質ポリα−オレフィンとスチレン系エラストマーの混合物を含有したものは、柔軟性に優れているため好ましい。
又、耐圧補強層として高分子材料などを押出成形等の公知の成形手段によって形成したものとする際には、ホースと耐圧補強層とを強固に接着一体化させることを目的として、ホースの外周面に接着処理を施しても良い。接着処理の方法としては、例えば、表面粗面化などの物理的改質、コロナ放電やプラズマ放電による放電処理、放射線処理、UV処理、レーザー処理、火炎処理、プライマーなどの親和層形成などの方法が挙げられる。又、上記以外の方法としては、例えば、ホースの外周に、ホース及び耐圧補強層と親和性を有する材料、例えば、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エポキシ系、合成ゴム系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、エチレン共重合系などの樹脂又はエラストマーから適宜に選択し、単独もしくは2種以上を組合せて接着層を形成することも考えられる。接着層の形成方法に特に限定はなく、例えば、接着層単独で押出成形しても良いし、ホース又は耐圧補強層と共押出成形しても良い。又、2種以上の接着層を多層に組合せても良い。又、ホースが電子線照射により架橋されていれば、ホースの表面が改質されることになるため、これらの接着処理の効果が向上し、ホースと耐圧補強層とがより強固に接着一体化するものとなる。
このようにして得られたホースの多くは、その両端に相手部材に接続するための接続継手が取り付けられて実使用に供される。接続継手としては、金属や樹脂などにより加工されたものが公知である。
参考の形態のホースは、上述したように、ポリエチレンとシングルサイト触媒により重合されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を含有してなる組成物を使用している。そのため、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難いホースを得ることができる。又、ホース表面のべた付きを抑えることができる。
又、ホースを架橋していれば、高温での耐圧性を高めることができるため、高温の湯を移送する給湯ホースとして使用することができる。更に、架橋が電子線架橋によるものであれば、架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能であるとともに、製造にかかるコストを低く抑えることが可能である。
又、使用用途に合った耐圧補強層を形成することにより、更なる耐圧性を付与することができる。従って、このホースは、水道水配管、給水・給湯用配管や、暖房等の不凍液配管などとして好適に使用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態に対応した実施例1〜4と比較例1〜4を説明する。
表1に示した配合材料及び配合部数により得た組成物を、肉厚1.0mm、内径10.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、ホース内層とした。
このようにして得られた各ホース内層を試料として、柔軟性の評価としての撓み量測定と、クセの付き難さの評価としての温水クセ付き評価、及び、ホース内層の破壊圧力の測定を行った。試験結果については表1に併せて示す。又、示差走査熱量測定(DSC)装置にて、上記8種類の組成物を室温から200℃まで昇温させ、結晶融解熱量と融点を測定した。結晶融解熱量と融点についても、表1に併せて示す。
Figure 2010210094
まず、実施例1〜4及び比較例1〜4によって得られた6種類のホース内層を試料として、撓み量の測定を行った。撓み量の測定は、図2に示すように、ホース1内層の先端部を空中に100mm突出させ、この先端部に100gの荷重を加えて1分間保持し、その際の撓み量dを測定した。
ホースの端部に吐出口を有するヘッドが取り付けられ、このヘッド部を手に持って吐出方向や吐出位置を操作する場合、軽微な力でホースを曲げられることが必要である。そのため、本試験による撓み量が大きい方が良く、特に、撓み量が45mm以上となるような可撓性を有することが好ましい。実施例1〜4によるホースは、撓み量が45mmを越えており、特に優れた柔軟性を有していることが確認された。これに対して、組成物の結晶融解熱量が30J/gを超える比較例1〜4については、実施例1〜4と比べると柔軟性に劣るものであった。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜4によって得られた8種類のホース内層を試料として、温水クセ付き評価を行った。温水クセ付き評価は、次のようにして行った。まず、図3(A)に示すように、長さ1000mmの試料を直径200mmの円筒に巻付け、その形状を維持したまま固定する。次いで、固定した状態で90℃の温水に1分間浸漬し、その後、すぐに20℃の水にて冷却する。この試料を図3(B)に示すようにして片端に100gの錘を吊り下げ、ホース両端間の距離Lを測定する。
ホースの端部に吐出口を有するヘッドが取り付けられ、このヘッド部を手に持って使用するようなホースでは、使用後に所定の位置にヘッドを収納する必要があるのだが、ホースにクセが付いている場合、ホースの動きが制限されてしまうことから、ヘッドの収納性が損なわれてしまう。そのため、冷熱サイクルによってもホースにクセが付いて形状が保持されることがない方が好ましい。実施例1〜4によるホース内層は、温水クセ付き評価の値が試料の長さ1000mm又は1000mmに近い値となっており、クセが付き難いものであることが確認された。これに対して、組成物の結晶融解熱量が30J/gを超える比較例1〜4については、円筒に巻きつけた形状が残存してしまっていたため、実施例1〜4と比べるとホース両端間の距離が短くなっており、クセが付き易いものであった。尚、実施例4については、最もクセが付き難いホース内層であったが、コモノマー成分の含有量が24.9重量%と本発明の好ましい範囲(23重量%以下)を超えているため、融点が82℃と低く、給湯用途には耐熱性が不十分なものであった。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜4によって得られた8種類のホース内層を試料として、ホース破壊圧力の試験を行った。何れの試料においても、端部が吐出口をなるようなホースに必要十分な破壊圧力を有していることが確認された。
又、上記試験と併せて、上記実施例1〜4及び比較例1〜4によって得られた8種類のホース内層について、耐塩素性についての評価試験を行った。試験は、両端に接続継手10を取り付けた各試料内に、次亜塩素酸ソーダで塩素濃度を200ppmに調整した60℃の温水を循環させ、30日移送後のホース内層の内面状態を目視により観察した。何れの試料においても、何の変化も認められず十分な耐塩素性を有していることが認められた。
このように、本発明の実施の形態に対応した実施例1〜4によるホース内層は、柔軟性、クセの付き難さ、ホースの破壊圧力、耐塩素性の全てにおいて特に優れた特性を示しており、実用上十分に機能するものであることが実証された。
又、図1に示すように、上記によって得られた実施例1〜4のホース内層1を、金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の耐圧補強層2の内側に挿入し、実使用に供した。何れの実施例によるホースも柔軟性に優れていたため、ホースの端部に吐出口を有するヘッドを取り付け、このヘッド部を手に持って吐出方向や吐出位置を操作した場合において、何の支障も生じなかった。
次いで、本発明の参考の形態に対応した参考例1,2と比較例5を説明する。
表2に示した配合材料及び配合部数により得た組成物を、肉厚1.0mm、内径10.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、ホースとした。
このようにして得られた各ホースを試料として、柔軟性の評価としての撓み量測定と、クセの付き難さの評価としての温水クセ付き評価、ホースの破壊圧力の測定、及び、ホースべた付き性の確認を行った。試験結果については表2に併せて示す。
Figure 2010210094
まず、参考例1,2及び比較例5によって得られた3種類のホースを試料として、撓み量の測定を行った。撓み量の測定は、図2に示すように、ホース1の先端部を空中に100mm突出させ、この先端部に100gの荷重を加えて1分間保持し、その際の撓み量dを測定した。
ホースの端部に吐出口を有するヘッドが取り付けられ、このヘッド部を手に持って吐出方向や吐出位置を操作する場合、軽微な力でホースを曲げられることが必要である。そのため、本試験による撓み量が大きい方が良く、特に、撓み量が45mm以上となるような可撓性を有することが好ましい。何れの試料においても、撓み量が45mmを越えており、特に優れた柔軟性を有していることが確認された。
次に、参考例1,2及び比較例5によって得られた3種類のホースを試料として、温水クセ付き評価を行った。温水クセ付き評価は、次のようにして行った。まず、図3(A)に示すように、長さ1000mmの試料を直径200mmの円筒に巻付け、その形状を維持したまま固定する。次いで、固定した状態で90℃の温水に1分間浸漬し、その後、すぐに20℃の水にて冷却する。この試料を図3(B)に示すようにして片端に100gの錘を吊り下げ、ホース両端間の距離Lを測定する。
ホースの端部に吐出口を有するヘッドが取り付けられ、このヘッド部を手に持って使用するようなホースでは、使用後に所定の位置にヘッドを収納する必要があるのだが、ホースにクセが付いている場合、ホースの動きが制限されてしまうことから、ヘッドの収納性が損なわれてしまう。そのため、冷熱サイクルによってもホースにクセが付いて形状が保持されることがない方が好ましい。何れの試料も、温水クセ付き評価の値が試料の長さ(1000m)に近い値となっており、クセが付き難いものであることが確認された。
次に、参考例1,2及び比較例5によって得られた3種類のホースを試料として、ホース破壊圧力の試験を行った。何れの試料においても、端部が吐出口をなるようなホースに必要十分な破壊圧力を有していることが確認された。
次に、参考例1,2及び比較例5によって得られた3種類のホースを試料として、ホースべた付き性の確認を行った。ホース表面の触感について確認したが、シングルサイト触媒下にて重合させたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を使用した参考例1,2は、ホース表面にべた付きを生じていないことが確認された。これに対して、シングルサイト触媒ではない触媒下にて重合させたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を使用した比較例5は、ホース表面にオイル状のべた付きが発生していた。これは、比較例5の組成物中には、低分子量成分が多く存在しており、この低分子量成分がホース表面に移行したためである。
又、上記試験と併せて、上記参考例1,2及び比較例5によって得られた3種類のホースについて、耐塩素性についての評価試験を行った。試験は、両端に接続継手10を取り付けた各試料内に、次亜塩素酸ソーダで塩素濃度を200ppmに調整した60℃の温水を循環させ、30日移送後のチューブの内面状態を目視により観察した。何れの試料においても、何の変化も認められず十分な耐塩素性を有していることが認められた。
このように、本発明の参考の形態に対応した参考例1,2によるホースは、柔軟性、クセの付き難さ、ホースの破壊圧力、ホースべた付き性、耐塩素性の全てにおいて特に優れた特性を示しており、実用上十分に機能するものであることが実証された。
又、図1に示すように、上記によって得られた参考例1,2のホース1を、金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の耐圧補強層2の内側に挿入し、実使用に供した。何れの実施例によるホースも柔軟性に優れていたため、ホースの端部に吐出口を有するヘッドを取り付け、このヘッド部を手に持って吐出方向や吐出位置を操作した場合において、何の支障も生じなかった。
本発明のホースは、著しく優れた柔軟性を備えるとともに、冷熱サイクルを加えたときもクセが付き難いものである。従って、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管、特に、浴室、洗面台、流し台等の水栓に取り付けられ、端部に吐出口を有するヘッドが取り付けられるホースなどとして好適に使用することができる。
1 ホース内層
1a クセを付ける前のホース内層
1b クセを付けた後のホース内層
2 耐圧補強層
d 撓み量
L ホース両端間の距離

Claims (4)

  1. ポリエチレンとエチレン系共重合体を含有してなる組成物を管状に成型したホース内層と、樹脂又は金属帯を蛇腹状に成型し可撓性を持たせた構造の耐圧補強層とからなるホースにおいて、上記組成物の結晶融解熱量が3.9J/g以上25.5J/g以下であり、上記エチレン系共重合体がエチレン−オクテン共重合体であるとともに、上記ホース内層の先端部を空中に100mm突出させ、この先端部に100gの荷重を加えた際、上記ホース内層の撓み量が50mm以上であり、且つ、上記内層ホースを長さ1000mm採取して直径200mmの円筒に巻付けた状態で90℃の温水に1分間浸漬した後20℃の水で冷却し、片端に100gの錘を吊り下げた際、上記内層ホース両端間の距離が元の長さの97%以上となることを特徴とするホース。
  2. 請求項1記載のホースにおいて、上記組成物は、エチレン系共重合体に含有されるコモノマー成分の含有量が、ポリエチレンとエチレン系共重合体の合計量に対して15.8重量%以上22.5重量%以下であることを特徴とするホース。
  3. 請求項2記載のホースにおいて、上記エチレン−オクテン共重合体がシングルサイト触媒下にて重合させたものであることを特徴とするホース。
  4. 請求項1乃至請求項3記載のホースにおいて、上記ホース内層が電子線照射により架橋されていることを特徴とするホース。
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