JP2010256111A - ガスセンサ素子、及びこれを内蔵したガスセンサ、並びにガスセンサ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のガスセンサは、酸素イオン伝導性の固体電解質体11と、固体電解質体11の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極12及び基準ガス側電極13と、被測定ガス側電極12を覆うとともに被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層14と、多孔質拡散抵抗層14における被測定ガスを導入する外側面141に形成され触媒貴金属21を含有してなる触媒層2とを有するガスセンサ素子1を内蔵している。触媒貴金属21の平均粒径は、0.3μm以上である。
【選択図】図1
Description
そのため、出力ずれを防ぐとともに触媒層92の耐久性能に優れるガスセンサ素子9が切望されていた。
上記触媒貴金属は、平均粒径が0.3μm以上であることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
上記多孔質拡散抵抗層の外側面に上記触媒層を形成するための触媒用ペーストを印刷することにより、上記触媒層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項10)。
すなわち、従来においては、アルミナなどのセラミックスに、平均粒径が0.1μm以下の小さな触媒貴金属を担持させることにより触媒機能を十分に発揮できると考えられてきた。従来において触媒貴金属の平均粒径を上記範囲としてきた理由としては、触媒貴金属の平均粒径が大きすぎると触媒活性が得られる表面が少なくなってしまい、触媒貴金属の含有量を増やさなければ、所定の触媒活性を得ることが困難となるという問題があったからである。ところが、このように粒径の小さい触媒貴金属であっても冷熱サイクルを繰り返すガスセンサ素子の苛酷な使用環境下においては凝集したり蒸散したりしてしまい、触媒層の耐久性能を維持することができないという問題があった。
その結果、触媒層の耐久性能に優れるガスセンサ素子を得ることができる。
また、上記第二の発明において、上記ガスセンサは、ディーゼルエンジンやコージェネレーション用の内燃機関など種々のものに用いることができる。
この場合には、比較的薄い膜厚にて触媒層を形成することができるため、ガスセンサ素子の小型化を図ることができる。また、触媒貴金属の平均粒径を0.8μm以下とすることにより、触媒貴金属をそれほど大きくすることなく本願発明の作用効果を発揮させ得るため、製造コストの増大を抑制することができる。
一方、上記触媒貴金属の平均粒径が0.8μmを超える場合には、触媒貴金属の粒径が大きすぎるため、触媒層の膜厚を薄くすることが困難となるおそれがある。
この場合には、触媒貴金属を十分に含有しているため、出力ずれを防ぐとともに触媒層の耐久性能により一層優れるガスセンサ素子を得ることができる。
一方、上記触媒貴金属の含有量が20質量%未満である場合には、触媒貴金属を十分に含有しているとはいえず、耐久性能に優れた触媒層を得ることが困難となるおそれがある。
この場合には、触媒層と隣接する多孔質拡散抵抗層の熱膨張係数と、触媒層の熱膨張係数とをほぼ同一にすることができる。これにより、熱膨張係数差に起因して両者の間において剥離が生じることを防ぐことができる。
この場合には、触媒層の強度を確保しつつ排気ガス雰囲気の変化に対するセンサ応答性に優れたガスセンサ素子を得ることができる。
一方、上記α−アルミナの平均粒径が0.5μm未満の場合には、α−アルミナの粒径が小さすぎるため触媒層が緻密なものとなってしまうおそれがある。その結果、被測定ガスが十分に取り込まれず、センサ応答性に優れたガスセンサ素子を得ることが困難となってしまうおそれがある。
また、上記α−アルミナの平均粒径が2.0μmを超える場合には、α−アルミナが大きすぎて触媒層の気孔率が大きくなってしまい、その強度を確保することが困難となってしまうおそれがある。
この場合には、被測定ガスが触媒層を通過した後、十分な量の被測定ガスを多孔質拡散抵抗層へと供給することができる。そのため、応答性に優れたガスセンサ素子を得ることができる。
この場合には、多孔質拡散抵抗層と触媒層との接着性を向上させることができる。その結果、多孔質拡散抵抗層から触媒層が剥離することを防止することができる。
また、上記ホウ珪酸系ガラスの含有量が40質量%を超える場合には、触媒層の気孔率が小さくなり、センサ応答性が低下してしまうおそれがある。
この場合には、上記ガスセンサの作用効果を顕著に発揮することができる。すなわち、上記のようなエンジンにおいては、特に排出ガスにH2ガスが含まれやすい。そのため、本発明のガスセンサを上記のようなエンジンに配置することにより、上記ガスセンサの作用効果を顕著に発揮することができる。
本発明のガスセンサ素子、及びこれを内蔵したガスセンサについて、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ4は、酸素イオン伝導性の固体電解質体11と、該固体電解質体11の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極12及び基準ガス側電極13と、被測定ガス側電極13を覆うとともに被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層14と、該多孔質拡散抵抗層14における被測定ガスを導入する外側面141に形成され触媒貴金属21を含有してなる触媒層2とを有するガスセンサ素子1を内蔵している。
そして、触媒貴金属21の平均粒径は、0.3μm以上である。
なお、本例のガスセンサ4は、例えば、燃料を直接燃焼室に噴射する直噴エンジン、排気タービン式過給器を有するターボエンジン、又は圧縮天然ガスを燃料とするエンジンに設置することができる。
そして、この基準ガス室形成層16にはさらに、通電により発熱する発熱部171を内蔵したヒータ基板170が積層されてなるヒータ17が積層されている。
触媒層2は、0.3〜0.8μmの平均粒径を有する触媒貴金属21と、1.2〜1.8μmの平均粒径を有するα−アルミナ20(Al2O3)からなる粒子との混合体を有する。本例においては、触媒貴金属21の平均粒径は0.5μmであり、α−アルミナ20の平均粒径は1.5μmである。なお、触媒貴金属21及びα−アルミナ20の粒径の測定方法としては、例えば、レーザ回折散乱法やマイクロトラック法などがある。
また、触媒層2の気孔率は、例えば、40〜60%とすることができ、本例では、50%とした。
なお、触媒貴金属21の含有量は、触媒層2全体の20〜80質量%とすることができる。本例においては、触媒貴金属21の含有量は、耐久後もストイキ精度を確保するために触媒層2全体の80質量%とした。言い換えれば、本例のガスセンサ素子1においては、アルミナ粒子20に触媒貴金属21を担持させたというよりは、アルミナ粒子20と触媒貴金属21の粒子とを混合してなる材料によって触媒層2が形成されているのである。
かかる触媒層2においては、後述するように未燃のH2ガスが燃焼する。
そして、このトラップ層3も、例えば、10〜400μmの膜厚d2を有するものとすることができ、本例においてはトラップ層3の膜厚d2を20μmとした。
かかるトラップ層3においては、後述するようにCOガス、NOガス、CH4ガスが捕集される。
すなわち、多孔質拡散抵抗層14における被測定ガスを導入しない外側面142は、一方を緻密な遮蔽層15によって覆われ、他方は固体電解質体11によって覆われている。
また、トラップ層3は、触媒層2の外表面に形成されている。
また、本例において多孔質拡散抵抗層14を構成する粒子の平均粒径は1.5μmであり、多孔質拡散抵抗層14の気孔率は40%とした。すなわち、多孔質拡散抵抗層14の気孔率は、触媒層2の気孔率である50%以下の大きさである。
なお、多孔質拡散抵抗層14を構成する粒子の平均粒径は、例えば、多孔質拡散抵抗層14の断面をSEM画像によって解析することによって測定することができ、また、当該粒子の気孔率は、例えば、テストピースを用いた水銀圧入法によって測定することができる。
また、多孔質拡散抵抗層14に含まれる粒子の平均粒径は、例えば1.2〜1.8μmとすることができる。これにより、触媒層2の気孔率と多孔質拡散抵抗層14の気孔率とを略同一なものとすることができる。
まず、多孔質拡散抵抗層14、遮蔽層15、固体電解質体11、基準ガス室形成層16、ヒータ基板17のそれぞれを形成するためのセラミックシート814、815、811、816、817を形成する。
次いで、積層焼成体8における多孔質拡散抵抗層14の外側面141に触媒層2を形成するための触媒用ペースト82を印刷する。
かかる触媒用ペースト82は、平均粒径が0.5μmのロジウム白金、パラジウムの触媒貴金属を含有している。
次いで、かかる積層焼成体8の全体を熱処理することにより、本例のガスセンサ素子1を得る。
まず、内燃機関において発生した被測定ガスには、例えば、H2ガス、O2ガス、COガス、NOガス、CH4ガスなどが含まれている。
そして、かかる被測定ガスは、素子カバー44に形成された導通孔443から導入され、ガスセンサ素子1へと到達する。
ところが、拡散速度の速いH2ガスはO2ガスよりも早く被測定ガス側電極12に到達し、センサ出力が被測定ガスの雰囲気に対してずれてしまう。
そのため、被測定ガスが触媒層2と多孔質拡散抵抗層14とを通過して被測定ガス側電極12へと到達する際に出力ずれは生じない。
本発明において、触媒貴金属21の平均粒径は、0.3μm以上である。これにより、触媒層2の耐久性能に優れるガスセンサ素子1を得ることができる。
すなわち、従来においては、アルミナに、平均粒径が0.1μm以下の小さな触媒貴金属を担持させることにより触媒機能を十分に発揮できると考えられてきた。従来において触媒貴金属の平均粒径を上記範囲としてきた理由としては、触媒貴金属の平均粒径が大きすぎると触媒活性が得られる表面が少なくなってしまい、触媒貴金属21の含有量を増やさなければ、所定の触媒活性を得ることが困難となるという問題があったからである。ところが、このように粒径の小さい触媒貴金属であっても高熱環境下においては凝集したり蒸散したりしてしまい、触媒層の耐久性能を維持することができないという問題があった。
その結果、触媒層2の耐久性能に優れるガスセンサ素子1を得ることができる。
また、触媒層2は、触媒貴金属21とセラミックスとを有してなり、かつ、触媒貴金属21の含有量が触媒層2全体の20〜80質量%であるため、十分な量の触媒貴金属を含有させることができ、触媒活性面積を確保することができる。その結果、出力ずれを防ぐとともに触媒層2の耐久性能により一層優れるガスセンサ素子1を得ることができる。
また、α−アルミナ20は、平均粒径が1.2〜1.8μmであるため、触媒層2の強度を確保しつつ応答性に優れたガスセンサ素子1を得ることができる。
また、触媒層2は、触媒層2全体の12〜40質量%のホウ珪酸系ガラス23を含有しているため、多孔質拡散抵抗層14と触媒層2との接着性を向上させることができる。その結果、多孔質拡散抵抗層14からの触媒層2の剥離を防止することができる。
本例は、表1に示すように、触媒層中の触媒貴金属の平均粒径を種々変更したガスセンサ素子における、耐久後のストイキ精度を調べた例である。
すなわち、触媒貴金属の平均粒径を0.1〜0.8μmと種々変更してガスセンサ素子を試料として作製した。
なお、本例において触媒層中の触媒貴金属の含有量は、20〜80質量%の範囲における任意の量とした。
そして、上記試料を950℃で酸化雰囲気中(大気中)に200時間放置する耐久試験を行った。
その結果、耐久後の出力ずれ量が、触媒層を設けない場合との出力ずれ量を100%とした場合の20%未満の範囲内である場合を○、その出力ずれ量が20%以上である場合を×とした。
判定結果を表1に示す。
一方、触媒貴金属の平均粒径が0.3μm未満である場合(同表における試料1)には、耐久試験の結果は、×であり、触媒層の耐久性能が低下していることがわかる。なお、触媒貴金属の平均粒径が0.9μm以上である場合には、比較的薄膜の触媒層を形成することが困難となるおそれがある。
本例は、表2に示すように、触媒層中の触媒貴金属の含有量を種々変更した場合において耐久後のストイキ精度を調べた例である。
すなわち、触媒層中の触媒貴金属の含有量を10〜80質量%まで種々変更したガスセンサ素子を試料として作製した。
なお、各試料における触媒貴金属の平均粒径は、すべて0.3μmとした。
判定結果を表2に示す。
一方、触媒貴金属の含有量が20質量%未満である場合(同表における試料1)には、判定は○又は×であり、耐久後のストイキ精度が低下することがわかる。
なお、本例においては触媒貴金属の平均粒径を0.3μmで一定としたが、0.3μm以上の平均粒径のものを用いれば本発明の作用効果を十分に得ることができると考えられる。
本例は、表3に示すように、触媒層中のホウ珪酸系ガラスの含有量を種々変更して触媒層の付着強度を調べた例である。
すなわち、ホウ珪酸系ガラスの含有量を種々変更して形成したペーストを多孔質拡散抵抗層と同一材料からなるアルミナ基板上に印刷することにより、当該アルミナ基板の上に10mm角の触媒層の試料(以下では、単に試料又は触媒層という。)を形成した。この試料におけるホウ珪酸系ガラスの含有量は0〜40質量%である。
次いで、これを900℃で1時間焼き付けした。
そして、上記ワイヤを引っ張ることにより、アルミナ基板と触媒層とが剥離した個数を調べた。
なお、本例においては、触媒層中の触媒貴金属の平均粒径は0.5μmで一定とした。
判定結果を表3に示す。
また、引張強度が39.2Nとなったときにアルミナ基板と触媒層とで剥離が生じており、接着強度を十分に確保しているとは言いがたいことがわかる。
なお、本例においては触媒貴金属の平均粒径を0.3μmで一定としたが、0.3μm以上の平均粒径のものを用いれば本発明の作用効果を十分に得ることができると考えられる。
11 固体電解質体
12 被測定ガス側電極
13 基準ガス側電極
14 多孔質拡散抵抗層
141 外側面
2 触媒層
21 触媒貴金属
Claims (10)
- 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うとともに上記被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層と、該多孔質拡散抵抗層における上記被測定ガスを導入する外側面に形成され触媒貴金属を含有してなる触媒層とを有するガスセンサ素子であって、
上記触媒貴金属は、平均粒径が0.3μm以上であることを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1において、上記触媒貴金属は、平均粒径が0.8μm以下であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1又は2において、上記触媒層は、上記触媒貴金属の含有量が上記触媒層全体の20質量以上%であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項3において、上記触媒層は、該触媒層全体の20〜80質量%の上記触媒貴金属と、α−アルミナからなるセラミックスとを有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項4において、上記α−アルミナは、平均粒径が0.5〜2.0μmであることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記触媒層の気孔率は、上記多孔質拡散抵抗層の気孔率以上の大きさであることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記触媒層は、該触媒層全体の12〜40質量%のホウ珪酸系ガラスを含有していることを特徴とするガスセンサ素子。
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するとともに、請求項1〜7に記載のガスセンサ素子を内蔵することを特徴とするガスセンサ。
- 請求項8において、燃料を直接燃焼室に噴射する直噴エンジン、排気タービン式過給器を有するターボエンジン、又は圧縮天然ガスを燃料とするエンジンに設置されることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜7に記載のガスセンサ素子の製造方法であって、
上記多孔質拡散抵抗層の外側面に上記触媒層を形成するための触媒用ペーストを印刷することにより、上記触媒層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
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