JP2011127251A - 薬剤の徐放方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維を用いた薬剤の徐放方法において、より容易に薬剤の徐放性を制御できる徐放方法を提供する。
【解決手段】本発明は、セルロース繊維に薬剤を添着させる薬剤の徐放方法であって、前記薬剤が親水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を30%以下とし、前記薬剤が疎水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を50%以上とすることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、セルロース繊維に薬剤を添着させる薬剤の徐放方法であって、前記薬剤が親水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を30%以下とし、前記薬剤が疎水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を50%以上とすることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、薬剤成分を長期間にわたって放出させる技術に関するものである。
抗菌性、忌避性、芳香性などを有する薬剤成分を長期間にわたって放出させる方法として、従来様々な技術が提案されている。
このような薬剤を徐放させる技術の中には、繊維を用いた技術も提案されており、例えば、再生セルロース繊維、ヒノキチオール(hinokitiol)とから成る抗菌性、防虫性に優れた断熱材において、担体(carrier)を併用し、前記ヒノキチオールの諸特性を持続させる方法(特許文献1(請求項1、段落0026)参照);繊維材料を、界面活性剤で酢酸α−トコフェノールを水に乳化させた溶液で処理し、人体の皮膚の表面に存在する皮脂等の油分により薬剤を徐放出する方法(特許文献2(請求項1、段落0034)参照);繊維表面から中空部まで貫通溝を有する繊維形成用ポリマーからなる中空繊維の中空部に、マイクロカプセルに内包または無機系多孔質マイクロカプセルに吸着した香料を付着させ、香料を徐放する方法(特許文献3(請求項1〜3、段落0037)参照);単糸の太さが7〜150μm、強度が1〜7g/デニール、中空率が3〜60%の中空繊維の中空部に、耐溶媒性を有する薬物を含有させ、繊維の物性を制御することで薬物を徐放させる方法(特許文献4(請求項1、段落0027〜0031)参照);高吸水性ポリマーに薬物を保持させて、患部において滲出液などを吸収することで薬物を放出させる方法(特許文献5(請求項1、段落0016、0017)参照);アルキル系樹脂及びフルオロアルキル系樹脂をそれぞれ少なくとも1種含有する処理液でもってセルロース系繊維を処理した後、このように処理した前記セルロース系繊維に機能性オイルを付与し機能性オイルを徐放させる方法(特許文献6(請求項1、段落0033)参照);などが提案されている。
従来、薬剤を徐放する技術において繊維を用いる場合には、薬剤の徐放性を制御するために、担体を併用したり、繊維を複合化したりする必要があり、より安価で簡便な徐放性の制御方法が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、繊維を用いた薬剤の徐放方法において、より容易に薬剤の徐放性を制御できる徐放方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の薬剤の徐放方法は、セルロース繊維に薬剤を添着させる薬剤の徐放方法であって、前記薬剤が親水性薬剤であれば、セルロース繊維の酢化度を30%以下とし、前記薬剤が疎水性薬剤であれば、セルロース繊維の酢化度を50%以上とすることを特徴とする。繊維に添着させる薬剤の水との親和性に応じて、セルロース繊維の酢化度を調節することにより、セルロース繊維と薬剤と親和性を制御することができ、薬剤の徐放性を調節することができる。
前記親水性薬剤の水に対する溶解度(20℃)は10g/100g超であり、前記疎水性薬剤の水に対する溶解度(20℃)は1g/100g以下であることが好ましい。
前記セルロース繊維は、綿繊維または麻繊維が好適である。前記親水性薬剤および疎水性薬剤は、抗菌剤、抗ウィルス剤、殺菌剤および防腐剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好適であり、特に、前記親水性薬剤としてはポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩が好ましく、前記疎水性薬剤としてはチモールまたは3−ヨード−2−プロパルギルブチルカーバメートが好ましい。
本発明によれば、繊維の物性や、薬剤をマイクロカプセルに内包させるなどの作業を必要とせず、添着する薬剤に応じてセルロース繊維の酢化度を調製するだけで、容易に薬剤の徐放性を調整することができる。
本発明の薬剤の徐放方法は、セルロース繊維に薬剤を添着させる薬剤の徐放方法であって、前記薬剤が親水性薬剤であれば、セルロース繊維の酢化度を30%以下とし、前記薬剤が疎水性薬剤であれば、セルロース繊維の酢化度を50%以上とすることを特徴とする。繊維に添着させる薬剤の水に対する親和性に応じて、セルロース繊維の酢化度を調節することにより、セルロース繊維と薬剤と親和性を制御することができ、薬剤の徐放性を調節することができる。
前記セルロース繊維としては、綿、麻などの植物繊維;古紙、段ボール、木材廃材などを再生処理して得られる再生セルロース繊維;などが挙げられる。これらのセルロース繊維は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記セルロース繊維の酢化度を調節する方法は、特に限定されず、従来用いられている方法を採用すればよい。例えば、セルロース繊維が有する水酸基のほぼ全てを無水酢酸によりアセチル化しセルローストリアセテートとした後、得られたセルローストリアセテートを水に浸漬し、エステル基を部分的に加水分解することで所望の酢化度に調節することができる。なお、セルロース繊維は、種々の酢化度に調節されたものが市販されているため、これらを使用してもよい。
セルロース繊維に添着する薬剤が親水性薬剤の場合には、前記セルロース繊維の酢化度は30%以下とし、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。一方、セルロース繊維に添着する薬剤が疎水性薬剤の場合には、前記セルロース繊維の酢化度は50%以上とし、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上である。セルロース繊維の酢化度を前記範囲に調節することにより、薬剤との親和性を高めることができ、薬剤の徐放性をより高めることができる。なお、セルロース繊維の酢化度は、JIS L1013(1999)A法により測定すればよい。
前記薬剤は、特に限定されず、セルロール繊維に添着し得るものであれば使用できる。前記薬剤としては、抗菌剤、抗ウィルス剤、殺菌剤、防腐剤などが挙げられる。
本発明において、親水性薬剤とは水に対する溶解度(20℃)が3.3g/100g超の薬剤を指し、疎水性薬剤とは水に対する溶解度(20℃)が3.3g/100g以下の薬剤を指す。なお、薬剤の水に対する溶解度(20℃)は、第十五改正日本薬局方 通則29に記載の方法で確認することができる。具体的には、薬剤粉末を水(20℃)に入れ、5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける質量を確認すればよい。
前記親水性薬剤は、水に対する溶解度(20℃)が10g/100g超が好ましく、100g/100g超がより好ましい。また、前記疎水性薬剤の水に対する溶解度(20℃)は1g/100g以下が好ましく、0.1g/100g以下がより好ましい。親水性薬剤または疎水性薬剤の溶解度が前記範囲であれば、セルロース繊維との親和性を高めることができ、薬剤の徐放性をより高めることができる。
前記親水性薬剤の具体例としては、例えば、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩などのビグアナイド系化合物などが挙げられる。前記疎水性薬剤としては、例えば、チモールなどのフェノール系化合物;3−ヨード−2−プロパルギルブチルカーバメートなどのカーバメート系化合物;などが挙げられる。
前記セルロース繊維に薬剤を添着させる方法は、特に限定されない。例えば、薬剤を水、有機溶媒、またはこれらの混合溶液に溶解させ、この薬剤溶液にセルロース繊維を浸漬させた後、セルロース繊維を取り出し、水および有機溶媒を乾燥除去すればよい。
前記有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエンなどを用いることができる。セルロース繊維を浸漬する薬剤溶液の濃度ならびに浸漬時間および浸漬温度は、用いる薬剤の種類や、繊維に添着させる薬剤量に応じて調節すればよい。なお、セルロース繊維は薬剤溶液に浸漬する前に、十分に乾燥させ、繊維が吸収している水分を除去しておくことが好ましい。
本発明の薬剤の徐放方法は、薬剤をセルロース繊維に添着させることにより徐放させるものであるが、徐放の態様としては、空気中への揮散、水中への溶出などが挙げられる。
本発明の薬剤の徐放方法を採用する具体例としては、タンク内に充填された水に対する徐放が挙げられる。特に、本発明はタンクに随時供給される水に対して持続的な徐放が可能であるため、水噴霧式の加湿器に備えられる噴霧水タンクに好適に使用できる。すなわち、水噴霧式加湿器の噴霧水タンク内に、薬剤を添着させたセルロース繊維を取り付け、随時供給される水に、薬剤を徐放する態様が好適である。
水噴霧式加湿器の噴霧水タンクに採用すれば、随時供給される水に対して長期間にわたって薬剤を一定濃度で徐放できる。そのため、噴霧する前の水中に生存する細菌、ウィルス等の生育、活動を阻止することができ、噴霧水中への細菌、ウィルス等の混入を抑制する効果が長期にわたって持続する。また、水と薬剤を同時に噴霧できるため、室内の空気中に生存する細菌、ウィルス等の生育、活動も長期にわたって阻止できる。さらに、本発明では、タンクに供給された水に対して薬剤が自動的に徐放されるため、水を供給するたびに薬剤を添加する必要がなく、作業が容易となる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
試験例1−1
綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))2.07gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、綿布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の綿布帛は1.99gであった。
綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))2.07gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、綿布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の綿布帛は1.99gであった。
乾燥後、綿布帛を入れたシャーレに、濃度10000ppm(1質量%)のポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩(以下、「PHMB」)水溶液100mlを添加し、綿布帛を完全に浸漬させた状態で1時間静置した。なお、PHMBは親水性薬剤であり、水に対する溶解度(20℃)が10g/100g以上である。その後、綿布帛を取り出し別のシャーレに入れて、125℃の恒温槽中で2時間乾燥させた。乾燥後の綿布帛には0.04gのPHMBが添着していた。
PHMB添着後の布帛を0.53g量り採ってサンプル瓶に入れた後、純水45mlを添加し、24時間後のPHMB溶出濃度を測定した。続いて、サンプル瓶中のPHMB溶出液を廃棄し、新たに純水45mlを添加して2回目の溶出試験を行った。同様の操作を行い、5回溶出試験を繰り返した。1回目から5回目までの溶出試験において、PHMBの溶出濃度は、それぞれ192ppm、18ppm、5ppm、2ppm、2ppmであった。なお、PHMB添着後の布帛0.53gに添着していたPHMBは10.4mgであり、5回の溶出試験で溶出したPHMBの総質量は9.9mgであった。
試験例1−2
綿繊維からなる布帛を、麻繊維(酢化度5%以下)と綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(帝国繊維社製(麻98質量%、綿2質量%))に変更したこと以外は試験例1−1と同様にして、繊維にPHMBを添着させた。乾燥後の布帛には0.03gのPHMBが添着していた。
綿繊維からなる布帛を、麻繊維(酢化度5%以下)と綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(帝国繊維社製(麻98質量%、綿2質量%))に変更したこと以外は試験例1−1と同様にして、繊維にPHMBを添着させた。乾燥後の布帛には0.03gのPHMBが添着していた。
PHMB添着後の布帛について、試験例1−1と同様に溶出試験を行った。1回目から5回目までの溶出試験において、PHMBの溶出濃度は、それぞれ83ppm、16ppm、7ppm、4ppm、5ppmであった。なお、PHMB添着後の布帛0.53gに添着していたPHMBは8.5mgであり、5回の溶出試験で溶出したPHMBの総質量は5.2mgであった。
試験例1−3
綿繊維からなる布帛を、酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))に変更したこと以外は試験例1−1と同様にして、繊維にPHMBを添着させた。乾燥後の布帛には0.08gのPHMBが添着していた。
綿繊維からなる布帛を、酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))に変更したこと以外は試験例1−1と同様にして、繊維にPHMBを添着させた。乾燥後の布帛には0.08gのPHMBが添着していた。
PHMB添着後の布帛について、試験例1−1と同様に溶出試験を行った。1回目から5回目までの溶出試験において、PHMBの溶出濃度は、それぞれ420ppm、27ppm、2ppm、0.1ppm、0.1ppmであった。なお、PHMB添着後の布帛0.53gに添着していたPHMBは21.1mgであり、5回の溶出試験で溶出したPHMBの総質量は20.2mgであった。
試験例2−1
酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))2.00gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の布帛は1.93gであった。
酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))2.00gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の布帛は1.93gであった。
乾燥後、布帛を入れたシャーレに、濃度10000ppm(1質量%)のチモール溶液(溶媒は、エタノール:水(体積比)=50:50)100mlを添加し、布帛を完全に浸漬させた状態で1時間静置した。なお、チモールは疎水性薬剤であり、水に対する溶解度(20℃)が0.1g/100g以下である。布帛を取り出し別のシャーレに入れて、排風ドラフト内で2時間風乾した。乾燥後の布帛には0.86gのチモールが添着していた。
チモール添着後の布帛を0.53g量り採ってサンプル瓶に入れた後、純水45mlを添加し、24時間後のチモール溶出濃度を測定した。続いて、サンプル瓶中のチモール溶出液を廃棄し、新たに純水45mlを添加して2回目の溶出試験を行った。同様の操作を行い、3回溶出試験を繰り返した。1回目から3回目までの溶出試験において、チモールの溶出濃度は、それぞれ25ppm、21ppm、17ppmであった。なお、チモール添着後の布帛0.53gに添着していたチモールは163.4mgであり、3回の溶出試験で溶出したチモールの総質量は2.8mgであった。
試験例2−2
酢酸セルロースからなる布帛を、綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))に変更したこと以外は試験例2−1と同様にして、繊維にチモールを添着させた。乾燥後の布帛には1.41gのチモールが添着していた。
酢酸セルロースからなる布帛を、綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))に変更したこと以外は試験例2−1と同様にして、繊維にチモールを添着させた。乾燥後の布帛には1.41gのチモールが添着していた。
チモール添着後の布帛について、試験例2−1と同様に溶出試験を行った。1回目から3回目までの溶出試験において、チモールの溶出濃度は、それぞれ50ppm、2ppm、0.1ppmであった。なお、チモール添着後の布帛0.53gに添着していたチモールは219.8mgであり、3回の溶出試験で溶出したチモールの総質量は2.3mgであった。
試験例3−1
酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))2.04gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の布帛は1.92gであった。
酢酸セルロース繊維(酢化度60%以上)からなる布帛(三菱レイヨン社製(トリアセテート100質量%))2.04gをシャーレに入れ、125℃に設定した恒温槽中で2時間乾燥させ、布帛が吸収していた水分を除去した。乾燥後の布帛は1.92gであった。
乾燥後、布帛を入れたシャーレに、濃度10000ppm(1質量%)の3−ヨード−2−プロパルギルブチルカーバメート(以下、「TPP」)溶液(溶媒は、エタノール:水(体積比)=50:50)100mlを添加し、布帛を完全に浸漬させた状態で1時間静置した。なお、TPPは疎水性薬剤であり、水に対する溶解度(20℃)が0.0156g/100g以下である。その後、布帛を取り出し別のシャーレに入れて、125℃の恒温槽中で2時間乾燥させた。乾燥後の布帛には0.20gのTPPが添着していた。
TPP添着後の布帛を0.53g量り採ってサンプル瓶に入れた後、純水45mlを添加し、24時間後のTPP溶出濃度を測定した。続いて、サンプル瓶中のTPP溶出液を廃棄し、新たに純水45mlを添加して2回目の溶出試験を行った。同様の操作を行い、3回溶出試験を繰り返した。1回目から3回目までの溶出試験において、TPPの溶出濃度は、それぞれ172ppm、116ppm、86ppmであった。なお、TPP添着後の布帛0.53gに添着していたTPPは50mgであり、3回の溶出試験で溶出したTPPの総質量は16.8mgであった。
試験例3−2
酢酸セルロースからなる布帛を、綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))に変更したこと以外は試験例3−1と同様にして、繊維にTPPを添着させた。乾燥後の布帛には0.18gのTPPが添着していた。
酢酸セルロースからなる布帛を、綿繊維(酢化度5%以下)からなる布帛(KBセーレン社製(綿100質量%))に変更したこと以外は試験例3−1と同様にして、繊維にTPPを添着させた。乾燥後の布帛には0.18gのTPPが添着していた。
TPP添着後の布帛について、試験例3−1と同様に溶出試験を行った。1回目から3回目までの溶出試験において、TPPの溶出濃度は、それぞれ713ppm、231ppm、26ppmであった。なお、TPP添着後の布帛0.53gに添着していたTPPは47.0mgであり、3回の溶出試験で溶出したTPPの総質量は43.7mgであった。
各試験例の溶出試験結果を表1および表2にまとめて記載し、また、試験例1の溶出試験結果を図1に、試験例2,3の溶出試験結果を図2に示した。
試験例1−1,1−2は、セルロース繊維の酢化度を30%以下に調節して、親水性薬剤であるPHMBを添着させた場合である。これらの場合、溶出試験回数が増加するのにつれてPHMB溶出濃度は低下しているが、5回目でも溶出濃度は2ppm(試験例1−1)、5ppm(試験例1−2)である。これに対して、試験例1−3は、セルロース繊維の酢化度を30%超に調節して、親水性薬剤であるPHMBを添着させた場合である。この場合、1回目の溶出試験ではPHMBの溶出濃度は419.8ppmと非常に高い値であるが、3回目で2.0ppmにまで低下し、5回目ではわずか0.10ppmであった。
これらの結果から、親水性薬剤を添着させる場合において、セルロース繊維の酢化度を30%以下に調節することにより、親水性薬剤の徐放性がより高められていることがわかる。
試験例2−1,3−1は、セルロース繊維の酢化度を50%以上に調節して、疎水性薬剤であるチモールまたはTPPを添着させた場合である。これらの場合、溶出試験回数が増加するのにつれて溶出濃度は低下しているが、3回目でもチモール溶出濃度17ppm、TPP溶出濃度86ppmである。これに対して、試験例2−2,3−2は、セルロース繊維の酢化度を50%未満に調節して、疎水性薬剤であるチモールまたはTPPを添着させた場合である。この場合、1回目の溶出試験ではチモール溶出濃度50ppm、TPP溶出濃度713ppmと非常に高い値であるが、3回目ではチモール溶出濃度0.1ppm、TPP溶出濃度26ppmにまで低下している。
これらの結果から、疎水性薬剤を添着させる場合において、セルロース繊維の酢化度を50%以上に調節することにより、疎水性薬剤の徐放性がより高められていることがわかる。
本発明は、抗菌剤、抗ウィルス剤などの薬剤成分を長期間にわたって放出させるものであり、例えば、タンク中の水へと薬剤を徐々に溶出させることに利用できる。
Claims (5)
- セルロース繊維に薬剤を添着させる薬剤の徐放方法であって、
前記薬剤が親水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を30%以下とし、前記薬剤が疎水性薬剤であれば、前記セルロース繊維の酢化度を50%以上とすることを特徴とする薬剤の徐放方法。 - 前記親水性薬剤の水に対する溶解度(20℃)が10g/100g超であり、前記疎水性薬剤の水に対する溶解度(20℃)が1g/100g以下である請求項1に記載の薬剤の徐放方法。
- 前記セルロース繊維が、綿繊維または麻繊維である請求項1または2に記載の薬剤の徐放方法。
- 前記親水性薬剤および疎水性薬剤が、抗菌剤、抗ウィルス剤、殺菌剤および防腐剤よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤の徐放方法。
- 前記親水性薬剤がポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩であり、前記疎水性薬剤がチモールまたは3−ヨード−2−プロパルギルブチルカーバメートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬剤の徐放方法。
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